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特開2024-6321一軸偏心ねじポンプ、3Dプリンタ、一軸偏心ねじポンプの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006321
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】一軸偏心ねじポンプ、3Dプリンタ、一軸偏心ねじポンプの製造方法
(51)【国際特許分類】
   F04C 2/107 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
F04C2/107
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107102
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】304036754
【氏名又は名称】国立大学法人山形大学
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大介
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】川上 勝
(72)【発明者】
【氏名】古川 英光
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 洋輔
【テーマコード(参考)】
3H041
【Fターム(参考)】
3H041BB06
3H041CC15
3H041DD05
3H041DD31
3H041DD33
(57)【要約】
【課題】製造コストを抑えることができる一軸偏心ねじポンプを提供する。
【解決手段】一軸偏心ねじポンプ1は、雌ねじ形状の貫通孔を有するステータ60と、貫通孔内に配置され、雄ねじ形状の雄ねじ部、及び、雄ねじ部に接続されたシャフト部を有するロータ80と、を備え、雄ねじ部の軸心がシャフト部の軸心と平行になり、かつ、雄ねじ部の軸心がシャフト部の軸心に対して偏心するように、雄ねじ部及びシャフト部が樹脂により一体に形成されている、
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雌ねじ形状の貫通孔を有する雌ねじ部材と、
前記貫通孔内に配置され、雄ねじ形状の雄ねじ部、及び、前記雄ねじ部に接続されたシャフト部を有する雄ねじ部材と、を備え、
前記雄ねじ部の軸心が前記シャフト部の軸心と平行になり、かつ、前記雄ねじ部の軸心が前記シャフト部の軸心に対して偏心するように、前記雄ねじ部及び前記シャフト部が樹脂により一体に形成されている、
一軸偏心ねじポンプ。
【請求項2】
さらに、前記雌ねじ部材の少なくとも一部を収容可能な収容空間を有する第1のアダプタを備え、
前記雌ねじ部材は前記貫通孔が伸びる方向に垂直な断面が多角形状であり、前記収容空間の前記貫通孔の延びる方向に垂直な断面が、前記雌ねじ部材の断面に対応する多角形状である、
請求項1に記載の一軸偏心ねじポンプ。
【請求項3】
前記第1のアダプタの収容空間は下流側の部分が下流側に向かって断面積が小さくなるように形成されており、
前記収容空間の前記雌ねじ部材の下流側に配置され、上流側の面が平坦に形成されたサポータをさらに有する、
請求項2に記載の一軸偏心ねじポンプ。
【請求項4】
前記雌ねじ部材及び前記サポータの少なくとも一方は樹脂製であり、
前記雌ねじ部材の下流側の面は平坦に形成され、前記サポータの上流側の面と直接当接している、
請求項3に記載の一軸偏心ねじポンプ。
【請求項5】
前記第1のアダプタの上流側に配置された第2のアダプタをさらに有し、
前記第1のアダプタ及び前記第2のアダプタにより前記雄ねじ部材及び前記サポータが押圧された状態で挟み込まれている、
請求項4に記載の一軸偏心ねじポンプ。
【請求項6】
前記雄ねじ部材を形成する樹脂のヤング率の範囲は、816kPa以下である、
請求項1に記載の一軸偏心ねじポンプ。
【請求項7】
前記雄ねじ部材を形成する樹脂はゲル状である、
請求項1に記載の一軸偏心ねじポンプ。
【請求項8】
前記雄ねじ部材を回転駆動させるモータと、
前記モータの回転数を制御する制御装置と、をさらに有し、
前記制御装置は、前記雌ねじ部材を構成する材料のヤング率に応じて前記モータの回転を制御する、
請求項1に記載の一軸偏心ねじポンプ。
【請求項9】
前記制御装置は、前記雌ねじ部材を構成する材料のヤング率が低いほど、所定の流体を吐出させる際の前記モータの総回転数を多くするように構成されている、
請求項8に記載の一軸偏心ねじポンプ。
【請求項10】
請求項1に記載の一軸偏心ねじポンプと、
前記一軸偏心ねじポンプを移動させる移動装置と、
前記一軸偏心ねじポンプ及び前記移動装置に電気的に接続された制御装置と、を備え、
前記一軸偏心ねじポンプは前記雄ねじ部材を回転駆動させるモータを有し、
前記制御装置は、前記移動装置を制御して前記一軸偏心ねじポンプを移動させることができるとともに、前記一軸偏心ねじポンプの前記モータを制御して積層材料の吐出を制御することができる、3Dプリンタ。
【請求項11】
請求項1に記載の一軸偏心ねじポンプの製造方法であって、
3Dプリンタにより前記雄ねじ部と前記シャフト部が一体になるように、前記雄ねじ部材を形成するステップと、
3Dプリンタにより前記雌ねじ部材を形成するステップと、
前記雌ねじ部材の長孔内に前記雄ねじ部材を配置するステップと、
を含む、一軸偏心ねじポンプの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一軸偏心ねじポンプ、3Dプリンタ、及び、一軸偏心ねじポンプの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一軸偏心ねじポンプは、雄ねじ状の金属製のロータと、雌ねじ状の孔を有する金属製のステータとを有し、ロータが自転するとともにステータに対して公転することによりロータとステータとの間の隙間が軸方向に移動し、隙間に収容された流体が搬送される。ロータはシャフトを介してモータに接続されており、モータの回転駆動がシャフトを介してロータに伝達される。また、ロータの偏心回転(自転及び公転)を可能にするようにロータとシャフトとの間には、フレキシブルジョイント、オルダムジョイント等の動力伝達部が設けられている(例えば、特許文献1の段落0050参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-203465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような一軸偏心ねじポンプはロータの偏心回転を可能にするための動力伝達部が必要になるため、構成する部材の数が多く、製造コストが大きくなるとともに、組立に手間がかかる。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、製造コストを抑えることができる一軸偏心ねじポンプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明者は、鋭意検討の結果、従来の金属製の一軸偏心ねじポンプと全く異なる製造方法及び構成を採用することにより、廉価で生産可能な一軸偏心ねじポンプを製造するに至った。
すなわち、本発明は、従来のように金属製の強固な構成を採用するのではなく、柔軟な材料からなる構成を採用することにより、例えば、3Dプリンタなどによる製造を可能にし、低価格での製造を可能にした。そして、発明者は、このような柔軟な材料により雄ねじ部材とシャフトとを一体に形成することにより、フレキシブルジョイント、オルダムジョイント等の動力伝達部を省略することが可能であることを発見した。
【0007】
従来の金属製の一軸偏心ねじポンプは金属製であるため、長期間の使用に耐えうるのに対して、本発明の一軸偏心ねじポンプの雄ねじ部材は樹脂製であるため、耐用年数が短い。しかしながら、本発明は、3Dプリンタにより各部品を廉価で容易に製造できるため、新たな部品の製造交換が容易になり、結果的にランニングコストを抑えることができる。
このように本発明は、廉価で容易に部品交換ができるものを製造するという、従来の高価であるものの耐用年数の高いポンプを製造するのとは逆の技術思想に基づくものである。
【0008】
本発明の一態様によれば、雌ねじ形状の貫通孔を有する雌ねじ部材と、貫通孔内に配置され、雄ねじ形状の雄ねじ部、及び、雄ねじ部に接続されたシャフト部を有する雄ねじ部材と、を備え、雄ねじ部の軸心がシャフト部の軸心と平行になり、かつ、雄ねじ部の軸心がシャフト部の軸心に対して偏心するように、雄ねじ部及びシャフト部が樹脂により一体に形成されている、一軸偏心ねじポンプが提供される。
上記態様によれば、シャフト部に対して雄ねじ部が平行であるため、組立状態において雄ねじ部がその軸線が雌ねじ部材の貫通孔の延びる方向に延びるように配置される。この状態で雄ねじ部に回転駆動が伝達されると、雄ねじ部の移動が雌ねじ部材により規制される。この際、雄ねじ部及びシャフト部が樹脂により一体形成されているため、シャフト部が湾曲して雌ねじ部材に対して実質的に自転及び公転する。これにより、フレキシブルジョイント、オルダムジョイント等の動力伝達部を設けることなく、雄ねじ部と雌ねじ部材の間の隙間に流れ込んだ流体をスムーズに搬送することができる。また、上記の態様によれば、雄ねじ部材が樹脂製であるため、廉価で雄ねじ部材を製造することができ、また、フレキシブルジョイント、オルダムジョイント等の動力伝達部が不要になるため、部材数を削減することができる。これにより、廉価で一軸偏心ねじポンプを提供することができる。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、さらに、雌ねじ部材の少なくとも一部を収容可能な収容空間を有する第1のアダプタを備え、雌ねじ部材は貫通孔が伸びる方向に垂直な断面が多角形状であり、収容空間の貫通孔の延びる方向に垂直な断面が、雌ねじ部材の断面に対応する多角形状である。
雄ねじ部材を雌ねじ部材に対して回転させると、雌ねじ部材に回転力が伝達される。これに対して、上記態様によれば、第1のアダプタの収容空間内に雌ねじ部材を収容するのみで、ねじなどで固定することなく、雌ねじ部材の回転を規制することができる。このため、部材点数を減らすことができるとともに、例えば、雌ねじ部材を流体の種類や流量に応じて交換する場合に、容易に交換作業を行うことができる。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、第1のアダプタの収容空間は下流側の部分が下流側に向かって断面積が小さくなるように形成されており、収容空間の雌ねじ部材の下流側に配置され、上流側の面が平坦に形成されたサポータをさらに有する。
3Dプリンタで物品を製造する場合には、層を積層することにより物品を製造するため、オーバーハングとなる構造を有する物品を製造することができない。このため、雌ねじ部材を収容するアダプタの収容空間の底面を平坦に形成することができず、下流側に向かって断面積が小さくなるように形成せざるを得ない。この場合には、収容空間の雌ねじ部材の下流側に流体だまりが形成されるおそれがあるが、本態様によればサポータを有するため、このような流体だまりが形成されるのを防止できる。
【0011】
また、本発明の一態様によれば、雌ねじ部材及びサポータの少なくとも一方は樹脂製であり、雌ねじ部材の下流側の面は平坦に形成され、サポータの上流側の面と直接当接している。
本態様によれば、このように雌ねじ部材及びサポータの少なくとも一方は樹脂製であるため、雌ねじ部材の下流側の面と、サポータの上流側の面とを直接当接させることにより、シール部材を設けることなく、雌ねじ部材及びサポータの間からの流体の漏洩を防止できる。
【0012】
また、本発明の一態様によれば、第1のアダプタの上流側に配置された第2のアダプタをさらに有し、第1のアダプタ及び第2のアダプタにより雄ねじ部材及びサポータが押圧された状態で挟み込まれている。
本態様によれば、第1のアダプタ及び第2のアダプタにより雄ねじ部材及びサポータが押圧された状態で挟み込まれている。これにより、雄ねじ部材とサポータとが密着するため、より強固に流体の漏洩を防止できる。
【0013】
また、本発明の一態様によれば、雄ねじ部材を形成する樹脂のヤング率は、816kPa以下である。雌ねじ部材を形成する樹脂のヤング率が816kPa以下の場合には、ロータの回転数に対する吐出量がより少ない。このため、本態様によれば、一軸偏心ねじポンプの搬送量をより正確に制御することができる。
【0014】
また、本発明の一態様によれば、雄ねじ部材を形成する樹脂はゲル状である。
本態様によれば、移送流体へ作用するトルクが小さくなり、移送流体の変質を防止できる。
【0015】
また、本発明の一態様によれば、雄ねじ部材を回転駆動させるモータと、モータの回転数を制御する制御装置と、をさらに有し、制御装置は、雌ねじ部材を構成する材料のヤング率に応じてモータの回転を制御する。
発明者らは、上記の構成の一軸偏心ねじポンプでは、雌ねじ部材を構成する材料のヤング率に応じて、一回転あたりに吐出される流体の量が変わることを見出した。これに対して、本態様によれば、制御装置により雌ねじ部材を構成する材料のヤング率に応じてモータの回転を制御することで、所望の量の流体を搬送することができる。
【0016】
また、本発明の一態様によれば、制御装置は、雌ねじ部材を構成する材料のヤング率が低いほど、所定の流体を吐出させる際のモータの総回転数を多くするように構成されている。
発明者らは、雌ねじ部材を構成する材料のヤング率が小さいほど、一回転あたりに吐出される流体の量が少ないことを見出した。これに対して、本態様によれば、制御装置により雌ねじ部材を構成する材料のヤング率に応じてモータの回転を制御することで、所望の量の流体を搬送することができる。
【0017】
また、本発明の一態様によれば、上記の一軸偏心ねじポンプと、一軸偏心ねじポンプを移動させる移動装置と、一軸偏心ねじポンプ及び移動装置に電気的に接続された制御装置と、を備え、一軸偏心ねじポンプは雄ねじ部材を回転駆動させるモータを有し、制御装置は、移動装置を制御して一軸偏心ねじポンプを移動させることができるとともに、一軸偏心ねじポンプのモータを制御して積層材料の吐出を制御することができる、3Dプリンタが提供される。
本態様によれば、廉価な3Dポンプを提供することができる。
【0018】
また、本発明の一態様によれば、上記の一軸偏心ねじポンプの製造方法であって、3Dプリンタにより雄ねじ部とシャフト部が一体になるように、雄ねじ部材を形成するステップと、3Dプリンタにより雌ねじ部材を形成するステップと、雌ねじ部材の長孔内に雄ねじ部材を配置するステップと、を含む、一軸偏心ねじポンプの製造方法が提供される。
本態様によれば、3Dプリンタを用いて雄ねじ部材及び雌ねじ部材を製造することができ、廉価で簡単に一軸偏心ねじポンプを構成する部品を製造することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、製造コストを抑えることができる一軸偏心ねじポンプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態による一軸偏心ねじポンプを示す正面図である。
図2】本発明の一実施形態による一軸偏心ねじポンプを示す鉛直断面図である。
図3】本発明の一実施形態による一軸偏心ねじポンプを示す分解正面図である。
図4A】一軸偏心ねじポンプの上部アダプタを示す斜視図である。
図4B】一軸偏心ねじポンプの上部アダプタを示す正面図である。
図4C】一軸偏心ねじポンプの上部アダプタを示す上面図である。
図5A】一軸偏心ねじポンプのロックナットを示す斜視図である。
図5B】一軸偏心ねじポンプのロックナットを示す正面図である。
図5C】一軸偏心ねじポンプのロックナットを示す上面図である。
図5D図5CにおけるD-D断面図である。
図6A】一軸偏心ねじポンプの中間アダプタを示す斜視図である。
図6B】一軸偏心ねじポンプの中間アダプタを示す左側面図である。
図6C】一軸偏心ねじポンプの中間アダプタを示す正面図である。
図6D】一軸偏心ねじポンプの中間アダプタを示す前後方向断面図である。
図6E】一軸偏心ねじポンプの中間アダプタを示す横方向断面図である。
図7A】一軸偏心ねじポンプの下部アダプタを示す斜視図である。
図7B】一軸偏心ねじポンプの下部アダプタを示す正面図である。
図7C】一軸偏心ねじポンプの下部アダプタを示す上面図である。
図7D】一軸偏心ねじポンプの下部アダプタを示す横方向断面図である。
図7E】一軸偏心ねじポンプの下部アダプタを示す下面図である。
図8A】一軸偏心ねじポンプのステータを示す斜視図である。
図8B】一軸偏心ねじポンプのステータを示す平面図である。
図8C】一軸偏心ねじポンプのステータを示す底面図である。
図8D】一軸偏心ねじポンプのステータを示す正面図である。
図8E】一軸偏心ねじポンプのステータを示す左側面図である。
図8F図8BのF-F断面図である。
図8G図8BのG-G断面図である。
図9A】一軸偏心ねじポンプの下部サポータを示す斜視図である。
図9B】一軸偏心ねじポンプの下部サポータを示す正面図である。
図9C】一軸偏心ねじポンプの下部サポータを示す上面図である。
図9D】一軸偏心ねじポンプの下部サポータを示す下面図である。
図9E】一軸偏心ねじポンプの下部サポータを示す横方向断面図である。
図10A】一軸偏心ねじポンプのロータを示す正面図である。
図10B】一軸偏心ねじポンプのロータを示す背面図である。
図10C】一軸偏心ねじポンプのロータを示す左側面図である。
図10D】一軸偏心ねじポンプのロータを示す右側面図である。
図10E】一軸偏心ねじポンプのロータを示す平面図である。
図10F】一軸偏心ねじポンプのロータを示す底面図である。
図11A】一軸偏心ねじポンプのロータを示す正面図である。
図11B】一軸偏心ねじポンプのロータを示す正面断面図である。
図12】本発明の一実施形態による一軸偏心ねじポンプを用いた3Dプリンタを示す正面図である。
図13A】理論吐出量を算出するためのステータの各寸法を示す上面図である。
図13B】理論吐出量を算出するためのステータの各寸法を示す鉛直断面図である。
図14】回転速度を一定とした場合の理論吐出量、及び、実験例1~4のロータの総回転数と吐出量の関係を示すグラフである。
図15】総回転数を一定とした場合の理論吐出量、及び、実験例1~4のロータの回転速度と吐出量の関係を示すグラフである。
図16】総回転数を10回転とした場合の、ヤング係数と吐出量との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一軸偏心ねじポンプ及びこの一軸偏心ねじポンプを用いた3Dプリンタの一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、一軸偏心ねじポンプが下方に向かって流体を搬送し、下端から吐出する場合について説明するが、本発明の一軸偏心ねじポンプは例えば、水平方向に流体を搬送する場合であっても用いることができる。以下の説明では、一軸偏心ねじポンプが下方に向かって流体を搬送する場合について説明するため、上方が流体搬送方向を基準とした上流側に当たり、下方が流体搬送方向を基準とした下流側に当たる。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態による一軸偏心ねじポンプを示す正面図である。図2は、本発明の一実施形態による一軸偏心ねじポンプを示す鉛直断面図である。図3は、本発明の一実施形態による一軸偏心ねじポンプを示す分解正面図である。
【0023】
図1図3に示すように、本実施形態の一軸偏心ねじポンプ1は、モータ10と、上部アダプタ20と、ロックナット30と、中間アダプタ40と、下部アダプタ50と、ステータ60と、下部サポータ70と、ロータ80と、ノズル95と、を備える。これら上部アダプタ20と、ロックナット30と、中間アダプタ40と、下部アダプタ50と、ステータ60と、下部サポータ70と、ロータ80とは樹脂により形成されている。これら部材は、3Dプリンタにより製造するのが好ましい。3Dプリンタで成形可能な樹脂としては、例えば、ステータ60にはゲルやシリコーン樹脂などの柔らかい樹脂が好ましい。また、流体に接する部品である中間アダプタ40と、下部アダプタ50と、下部サポータ70と、ロータ80とは光硬化性樹脂や金属が好ましい。流体と接する部材は、製造精度が流量に影響を及ぼすため、設計通り製造可能であることが望まれる。光硬化性樹脂は、3Dプリンタによる成形の際に、設計通り高い設計制度で成形を行うことができる。流体に接しない部品である上部アダプタ20と、ロックナット30とは熱可塑性樹脂や、光硬化性樹脂、金属などが好ましい。また、ノズル95は例えばステンレスなどの金属製の部材である。
また、一軸偏心ねじポンプ1は、モータ10に電気的に接続された制御装置140を備える。なお、本実施形態の一軸偏心ねじポンプ1は、ステータ60を交換可能であり、複数の材料からなるステータ60を準備しておくとよい。
【0024】
モータ10は電気モータであり、外部の電源装置から電源が供給されてシャフト11を回転させる。モータ10に供給される電力は外部の制御装置により制御可能であり、電力を制御することによりシャフト11の回転速度を制御することができる。
【0025】
図4A図4Cは、一軸偏心ねじポンプの上部アダプタを示し、図4Aは斜視図、図4Bは正面図、図4Cは上面図である。図4A図4Cに示すように、上部アダプタ20は、モータ10を支持するための部材である。上部アダプタ20は、平板矩形状の基部21と、基部21の四隅から下方に延びる4本の脚部22と、後方の脚部22から側方に延びる平板状の一対の取付部23と、を備える。基部21は、中央に円形の開口部21Aが形成されている。脚部22はそれぞれ水平断面が正方形状である。各取付部23には、一軸偏心ねじポンプ1を他の部材に取り付けるための取付穴23Aが形成されている。また、各脚部22には、脚部22を上下方向に貫通し、基部21の上面に開口する取付穴22Aが形成されている。
【0026】
図5A図5Dは、一軸偏心ねじポンプのロックナットを示し、図5Aは斜視図、図5Bは正面図、図5Cは上面図、図5D図5CにおけるD-D断面図である。ロックナット30は、上部アダプタ20と中間アダプタ40とを接続するための部材である。図5A図5Dに示すように、ロックナット30は、基部31と、基部31から下方に延びる接続部32とを有する。基部31は、正方形の板状に形成されている。接続部32は円筒状であり、接続部32の中心軸は基部31の中心と一致している。ロックナット30の中心には円柱状の貫通孔33が形成されている。貫通孔33の上部は、中間部よりも直径が大きな拡径部34として形成されている。貫通孔33は円筒状の接続部32により囲まれた空間35内に開口している。基部31の各角部には、上部アダプタ20の取付穴22Aに対応する取付穴36が形成されている。また、ロックナット30の貫通孔33の周囲には4つの上下に貫通する取付穴37が形成されている。
【0027】
図6A図6Eは、一軸偏心ねじポンプの中間アダプタを示し、図6Aは斜視図、図6Bは左側面図、図6Cは正面図、図6Dは前後方向断面図、図6Eは横方向断面図である。図6A図6Eに示すように、中間アダプタ40は、上部取付部41と、下部取付部42と、上部取付部41と下部取付部42との間を延びる中間部43と、中間部43の側部に設けられたホッパ部44とを有する。上部取付部41及び下部取付部42は端部側が円盤状に形成されており、中間部43側は円錐台状に形成されている。中間アダプタ40には上下方向に延びる貫通孔45が形成されている。中間部43はホッパ部44側が開口しており、貫通孔45がホッパ部44の内の投入空間44Aに連通している。ホッパ部44は斜め前方向かって幅が広がるように形成されており、投入空間44Aは上部が外部に開口している。貫通孔45の下部には、水平断面が正方形状のステータ収容空間48が形成されている。上部取付部41には貫通孔45の周囲のロックナット30の貫通孔33に対応する位置に4つの上下に貫通する取付穴46が形成されている。また、下部取付部42の貫通孔45の周囲には4つの上下の貫通する取付穴47が形成されている。
【0028】
図7A図7Eは、一軸偏心ねじポンプの下部アダプタを示し、図7Aは斜視図、図7Bは正面図、図7Cは上面図、図7Dは横方向断面図、図7Eは下面図である。図7A図7Eに示すように、下部アダプタ50は、取付部51と、取付部51から下方に延びる筒状部52と、筒状部52の下方に位置する錐体部53と、錐体部53から下方に延びる吐出部54と、錐体部53から吐出部54の周囲に下方に向かって立設された包囲部55と、を有する。取付部51は円盤状に形成されている。筒状部52は水平断面が略矩形の筒状に形成されており、取付部51から下方に延びている。錐体部53は、四角錐状であり、下方に向かって幅及び奥行が狭まっている。吐出部54は円筒状であり、錐体部53の下端から下方に延びている。包囲部55は錐体部53の中間部から下方に延びており、内面に螺状が形成されている。下部アダプタ50には、上下に延びる貫通孔56が形成されている。貫通孔56はステータ60及び下部サポータ70を収容する収容空間を含む。貫通孔56の筒状部52に対応する高さ範囲には水平断面が正方形状で上下方向の延びるステータ収容空間57が形成されている。また、貫通孔56の錐体部53に対応する高さ範囲は断面正方形の四角錐状であり、下方に向かって幅及び奥行が減少するサポータ収容空間59が形成されている。サポータ収容空間59は下流側に向かって断面積が小さくなっている。貫通孔56の吐出部54に対応する高さ範囲は円柱状である。取付部51の貫通孔56の周囲には、上下方向に貫通する取付穴58が形成されている。
【0029】
図8A図8Gは、一軸偏心ねじポンプのステータを示し、図8Aは斜視図、図8Bは平面図、図8Cは底面図、図8Dは正面図、図8Eは左側面図、図8F図8BのF-F断面図、図8G図8BのG-G断面図である。なお、ステータの背面図は正面図と同一であり、ステータの右側面図は左側面図と同一である。図面に表されている破切れた細線は、模様を表す線ではなく、いずれも立体表面の形状を表す線である。図8A図8Gに示すように、ステータ60は、全体として略直方体状に形成されており、水平断面が正方形状である。ステータ60には上下方向に延びる貫通孔61が形成されている。貫通孔61は内周面に2条の螺旋状(二重螺旋状)の溝62及び突条63が形成された雌ねじ形状となっている。このように、ステータ60は螺旋状の溝を有する貫通孔61が形成された雌ねじ部材である。貫通孔61のステータ60の上面への開口縁は前後方向に長尺な形状となっている。すなわち、開口縁の前部及び後部は半円弧状であり、これら前部及び後部の間の中間部は平行に前後方向に延びている長孔である。
また、ステータ60はゲル状の樹脂により製造することも可能である。ステータ60をゲルで形成することにより、移送流体へ作用するトルクが小さくなり、移送流体の変質を防止できる。
【0030】
図9A図9Eは、一軸偏心ねじポンプの下部サポータを示し、図9Aは斜視図、図9Bは正面図、図9Cは上面図、図9Dは下面図、図9Eは横方向断面図である。図9A図9Eに示すように、下部サポータ70は矩形平板上の矩形部71と、矩形部71の下方に延びる四角錐状の切頭錐体部72とを有する。下部サポータ70には中心軸に沿うように貫通孔73が形成されている。貫通孔73は、上部が円柱状であり、中間部が円錐形状であり、下端部が円柱状に形成されている。貫通孔73の中間部の円錐形状は、内面が切頭錐体部72の外面と平行になっている。
【0031】
なお、後述するように、本実施形態の一軸偏心ねじポンプ1は、ヤング率の異なる材料からなるステータ60を用いることにより、ロータ一回転あたりの搬送対象となる流体の流量を変更することができる。このため、本実施形態の一軸偏心ねじポンプ1は、ステータ60がねじ止めされることなく固定されており、ステータ60を容易に交換することができる。
【0032】
図10A図10Fは、一軸偏心ねじポンプのロータを示し、図10Aは正面図、図10Bは平面図、図10Cは左側面図、図10Dは右側面図、図10Eは平面図、図10Fは底面図である。図面に表されている破切れた細線は、模様を表す線ではなく、いずれも立体表面の形状を表す線である。図10A図10Fに示すように、ロータ80は、雄ねじ部81と雄ねじ部81から上方に延びるシャフト部82とを備える。雄ねじ部81は、外周面に1条の螺旋状の溝83及び突条84が形成された雄ねじ形状となっている。シャフト部82は円柱状である雄ねじ部81は樹脂製であり、雄ねじ部81及びシャフト部82が後述するように3Dプリンタにより一体の部材として形成されている。また、雄ねじ部81の中心軸L1(螺旋の中心)とシャフト部82の中心軸L2とは平行である。なお、雄ねじ部81の外径は、ステータ60の貫通孔61の内径と略等しい。そして、雄ねじ部81の中心軸L1(螺旋の中心)は、シャフト部82の中心軸L2に対して側方に所定の距離だけ偏心している。
【0033】
図11A及び図11Bは、一軸偏心ポンプのノズルを示し、図11Aは正面図、図11Bは正面断面図である。図11A及び図11Bに示すように、ノズル95は、円盤状の基部97と、基部97の上方に設けられた円筒部96と、基部97の下方に設けられた円錐台部98と、を有する。円筒部96は円筒状であり、外面に螺条が形成されている。ノズル95には円筒部96内から下端まで貫通する貫通孔99が形成されている。
【0034】
図2に示すように、組立状態において、上部アダプタ20の下方にはロックナット30が接続されている。接続状態において、上部アダプタ20は、上部アダプタ20の脚部22の下端面をロックナット30の上面に当接するとともに、上部アダプタ20の取付穴22Aと、ロックナット30の貫通孔33とが連通している。この状態で、ボルトを上部アダプタ20の取付穴22A、及び、ロックナット30の貫通孔33に挿通させてボルトにナットを締め付けることにより、上部アダプタ20の下面をロックナット30の上面に密着させることができる。なお、上部アダプタ20及びロックナット30との接続面の間にはシール部材が介在しておらず、接続面同士が直接当接している。
【0035】
図1及び図2に示すように、組立状態において、ロックナット30の下方には中間アダプタ40が接続されている。接続状態において、中間アダプタ40の上部取付部41がロックナット30の接続部32により囲まれた空間35内に配置されている。そして、ロックナット30の取付穴37と中間アダプタ40の取付穴46を連通させた状態で、ロックナット30の取付穴37及び中間アダプタ40の取付穴46にボルトを挿通させて、ボルトにナットを締め付けることにより、ロックナット30と中間アダプタ40とを接続することができる。
【0036】
また、組立状態において、中間アダプタ40の下方には下部アダプタ50が接続されている。接続状態において、中間アダプタ40の下部取付部42の下面と、下部アダプタ50の取付部51の上面とが当接するとともに、中間アダプタ40の取付穴47と、下部アダプタ50の取付穴58とが連通している。この状態で、ボルトを中間アダプタ40の取付穴47、及び、下部アダプタ50の取付穴58に挿通させてボルトにナットを締め付けることにより、中間アダプタ40の下面を下部アダプタ50の上面に密着させることができる。なお、中間アダプタ40の下部取付部42の下面と、下部アダプタ50の取付部51の上面との間にはシール部材が設けられていないが、中間アダプタ40及び下部アダプタ50が樹脂製であるため、中間アダプタ40と下部アダプタ50とを密着させることにより、貫通孔内を流れる流体の漏出を防止できる。
【0037】
また、組立状態において、下部サポータ70は下部アダプタ50のサポータ収容空間59内に配置されている。下部サポータ70の外面は、下部アダプタ50のサポータ収容空間59の内面と隙間なく密着している。また、下部サポータ70の上面は平坦に形成されており、ステータ60の下面と直接当接している。
【0038】
ステータ60は、中間アダプタ40及び下部アダプタ50のステータ収容空間48、57内に収容されている。中間アダプタ40及び下部アダプタ50がボルト及びナットにより固定しているため、ステータ60の下面は下部サポータ70の上面に密着している。また、ステータ60の外面は、ステータ収容空間48、57の内面に隙間なく密着している。中間アダプタ40及び下部アダプタ50のステータ収容空間48、57の内面の水平断面形状が矩形であり、ステータ60の外面の水平断面形状が同様な矩形であるため、ロータ80が回転駆動されたとしてもステータ60が回転することを防止できる。
【0039】
中間アダプタ40と下部アダプタ50をボルト及びナットで締め付け固定することにより、内部に収容されたステータ60及び下部サポータ70が中間アダプタ40と下部アダプタ50により挟み込まれ、上下方向に押圧された状態で固定される。ステータ60及び下部サポータ70が樹脂製であるため、ステータ60の下面と下部サポータ70上面とが密着し、シール部材を設けることなく内部を流れる流体の漏出を防止できる。
【0040】
下部アダプタ50の下端にはノズル95が接続されている。ノズル95は、下部アダプタ50の包囲部55の内面に形成された螺条と、ノズル95の円筒部96の外面の螺条とを螺合させることにより接続されている。下部アダプタ50の吐出部54はノズル95の貫通孔99内に挿入されており、下部アダプタ50の貫通孔56とノズル95の貫通孔99とが連通している。
【0041】
組立状態において、ロックナット30の貫通孔33と、中間アダプタ40の貫通孔45と、ステータ60の貫通孔61と、下部サポータ70の貫通孔73と、下部アダプタ50の貫通孔56とが連通している。ロータ80は、雄ねじ部81がステータ60の貫通孔61内に位置し、シャフト部82がロックナット30の貫通孔33と、中間アダプタ40の貫通孔45を挿通するように配置されている。ロータ80の上端部はロックナット30の拡径部34内まで到達している。ロータ80のシャフト部82の上端部はカップリング90によりモータ10のシャフト11に接続されている。
【0042】
制御装置140は、CPUを有し、モータ10への電力供給を制御することができる装置であり、例えば、パーソナルコンピュータに接続された電源装置などを用いることができる。制御装置140は、入力装置を備えており、入力装置により一軸偏心ねじポンプ1のステータ60を構成する材料に関する情報の指定を受け付ける。
【0043】
一軸偏心ねじポンプ1は、以下のようにして製造することができる。
まず、3Dプリンタにより上部アダプタ20と、ロックナット30と、中間アダプタ40と、下部アダプタ50と、ステータ60と、下部サポータ70と、ロータ80とを、それぞれ樹脂により形成する。ロータ80を形成する際には、雄ねじ部81とシャフト部82とを一体に形成する。そして、下部アダプタ50にノズル95を取り付ける。
【0044】
次に、ロータ80の雄ねじ部81をステータ60の貫通孔61内にねじりながら挿入し、雄ねじ部81をステータの貫通孔61内に配置する。
次に、下部サポータ70を下部アダプタ50のサポータ収容空間59に配置し、その上方からステータ60の下部をステータ収容空間57内に配置する。
【0045】
次に、ステータ60の上部がステータ収容空間48内に位置し、シャフト部82が貫通孔45内に位置するように中間アダプタ40を下部アダプタ50の上方に配置する。そして、ボルト及びナットにより中間アダプタ40と下部アダプタ50とを接続する。また、下部アダプタ50の下端にノズル95を取り付ける。
次に、中間アダプタ40の上方にロックナット30を接続する。そして、ロックナット30の上方に上部アダプタ20を配置する。
【0046】
そして、モータ10を上部アダプタ20の上方に配置し、モータ10のシャフト11をロータ80のシャフト部82にカップリング90により接続する。
以上の工程により一軸偏心ねじポンプ1を製造することができる。
【0047】
本実施形態の一軸偏心ねじポンプによれば、以下のようにして流体を所望の流量ずつ吐出することが可能になる。
搬送の対象となる流体を中間アダプタ40のホッパ部44内の投入空間44A内に投入する。ホッパ部44内の投入空間44Aに投入された流体は、中間アダプタ40の貫通孔45内に流れ込む。
【0048】
次に、モータ10によりシャフト11を回転させる。モータ10のシャフト11が回転すると、この回転駆動はカップリング90を介してロータ80のシャフト部82に伝達される。ロータ80のシャフト部82が回転すると雄ねじ部81が自転する。
【0049】
また、ロータ80の雄ねじ部81の中心軸が、シャフト部82の中心軸に対して偏心しているため、雄ねじ部81の中心軸はシャフト部82の中心軸回りに回転するような力が働く。これに対して、ステータ60の貫通孔61の上面の開口縁が前後方向に延びる形状であるため、雄ねじ部81のシャフト部82の中心軸回りの回転運動が規制され、シャフト部82が撓みながら雄ねじ部81の中心軸が前後方向に往復動することになる。これにより、雄ねじ部81は実質的に自転及び公転する場合と同様の挙動となる。
【0050】
このようにステータ60に対してロータ80が前後に移動しながら回転することにより、ステータ60の貫通孔61の上面の開口端部には、前方と後方に交互に隙間が生じる。そして、この隙間からステータ60の貫通孔61の内面と雄ねじ部81の外面との間に形成された隙間へ、中間アダプタ40の貫通孔45内の流体が流れこむ。さらに、ステータ60に対してロータ80が回転すると、このステータ60の貫通孔61の内面と雄ねじ部81の外面との間に形成された隙間は封鎖された状態で、下方に向かって移動する。これにより、流体が下方に向かって搬送される。そして、ステータ60の貫通孔61の内面と雄ねじ部81の外面との間に形成された隙間は下端まで移動すると、貫通孔61の下面において下部サポータ70の貫通孔73内に開口し、流体が貫通孔73内に押し出される。そして、流体がロータ80のステータ60に対する開口により流体が順次搬送されることにより、下部サポータ70の貫通孔73内に放出された流体は、下部アダプタ50の吐出部54から吐出され、ノズル95の貫通孔99の先端から吐出される。
【0051】
ステータ60の貫通孔61の水平断面の断面積は高さによらず一定であり、ロータ80の雄ねじ部81の水平断面の断面積も高さによらず一定である。これにより、ステータ60の貫通孔61の内面と雄ねじ部81の外面との間に形成される隙間の水平断面の断面積も高さによらず一定である。このため、ロータ80を一定速度で回転させることにより、流体を一定の流量で搬送することができる。また、ロータ80の回転速度を調整することにより流体の搬送量を調整することができる。
【0052】
また、本実施形態の一軸偏心ねじポンプ1は、搬送対象の流体の性質や、搬送速度に応じてステータ60を簡単に交換することができる。
具体的には、まず、ロータ80をカップリング90から取り外すとともに、ロックナット30を上部アダプタ20から取り外す。次に、ロックナット30及び中間アダプタ40を下部アダプタ50から取り外す。次に、ステータ60及びロータ80を下部アダプタ50から取り外す。ロータ80をねじりながらステータ60から引き抜く。これにより、ステータ60を取り外すことができる。
【0053】
そして、新たなステータ60の貫通孔61のロータ80を挿入する。そして、ロータ80を取り付けた状態のステータ60の下部を下部アダプタ50のステータ収容空間57内に配置する。次に、ロックナット30が取り付けられた状態の中間アダプタ40を下部アダプタに取り付け、ボルト及びナットにより工程する。次に、ロックナット30を上部アダプタ20にボルト及びナットにより固定する。そして、カップリング90によりロータ80をモータ10のシャフト11に接続する。
【0054】
以上の工程により、ステータ60を交換することができる。本実施形態の一軸偏心ねじポンプ1は、ステータ60をねじ等で固定することなく、下部アダプタ50のステータ収容空間57内にはめ込むのみで固定することができるため、ステータ60を容易に交換することができる。
【0055】
なお、後述するように発明者は、本実施形態の一軸偏心ねじポンプ1においてステータ60を構成する材料としてヤング率の異なる材料を用いると、ヤング率に応じてモータ10の一回転あたりの流量を変更することができることを実験的に発見した。ヤング率が低いほどモータ10の一回転あたりに吐出される積層材料の量が低下する。このため、本実施形態では、制御装置140は、一軸偏心ねじポンプ1を制御する際に、ヤング率に応じてモータ10の回転数を制御する。すなわち、例えば、所定量の流体を吐出させる際に、制御装置140は、選択された材料のヤング率に応じて、ヤング率が低いほど必要な総回転数が大きくなるような係数を乗じて算出された回転数だけモータ10がシャフト11を回転させるように駆動する。
【0056】
また、本実施形態では、シャフト部82及び雄ねじ部81を有する雄ねじ部材をロータとして回転させ、貫通孔61が形成された雌ねじ部材をステータとしたが、これに限らず、雌ねじ部材に対して雄ねじ部材を回転させてもよいし、雌ねじ部材及び雄ねじ部材を回転させてもよい。
【0057】
また、本実施形態では、ステータ60の水平断面、すなわち、貫通孔61が伸びる方向に垂直な断面が矩形状であり、下部アダプタ50及び中間アダプタ40のステータ収容空間57、48の水平断面を矩形状としたが、これに限らず、多角形状としてもよく、要するにステータ60の回転を規制できる形状であればよい。
【0058】
次に、図2図4に示す一軸偏心ねじポンプを用いた3Dプリンタについて説明する。
図12は、本発明の一実施形態による一軸偏心ねじポンプを用いた3Dプリンタを示す正面図である。同図に示すように、3Dプリンタ100は、基台110と、積層材料を吐出するための一軸偏心ねじポンプ1と、一軸偏心ねじポンプ1により吐出された積層材料を硬化させるための硬化装置120と、一軸偏心ねじポンプ1及び硬化装置120を基台110に対して移動させる移動装置130と、一軸偏心ねじポンプ1、硬化装置120、及び移動装置130を制御する制御装置140と、を含む。積層材料としては、例えば、ABS、ASA、PC-ABS,PLA、Ultem、石膏、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、光硬化性樹脂、ポリカーボネート、ポリプロピレン(PP)、ワックスなどである。
【0059】
基台110は、平坦な板状の部材であり、基台110上に一軸偏心ねじポンプから積層材料が吐出される。
一軸偏心ねじポンプ1は、上述したポンプである。一軸偏心ねじポンプ1は、制御装置140に電気的に接続されており、制御装置140から供給される電気によりモータ10が駆動されて積層材料を吐出する。
【0060】
硬化装置120は、一軸偏心ねじポンプ1から吐出された積層材料を硬化させるための装置である。例えば、積層材料として加熱又は冷却することにより硬化する材料を用いる場合には、硬化装置120としては冷却ファンや加熱ヒータを用いることができ、積載材料として光硬化性の材料を用いる場合には、硬化装置120として紫外線照射装置などの光照射装置を用いることができる。硬化装置120は、制御装置140に電気的に接続されており、制御装置140によりその駆動が制御される。
【0061】
移動装置130は、制御装置140からの制御信号に応じて高さ方向及び前後左右方向に一軸偏心ねじポンプ1及び硬化装置120を移動させる。本実施形態では、移動装置130は前後方向に延びる一対の前後レール131と、前後レール131に沿って移動可能なフレーム部材132と、フレーム部材132を前後レール131に対して前後に移動させる前後駆動装置(図示せず)と、フレーム部材132の横方向に延びる横方向レール132Aに沿って移動可能な保持部材133と、保持部材133を横方向に移動させる横方向駆動装置(図示せず)と、を備える。
【0062】
一対の前後レール131は例えば柱体状の金属部材からなり、前後方向に平行に延びている。
フレーム部材132は、一対の前後レール131にそれぞれ係合する一対のスライド部材132Bと、一対のスライド部材132Bの間にかけ渡された基台132Cと、基台132Cの両側部に垂直に立設された縦フレーム132Dと、縦フレーム132Dの間に横方向に水平にかけ渡された横方向レール132Aと、を備える。
【0063】
保持部材133は板状の部材である。一軸偏心ねじポンプ1は、保持部材133に打ち込まれたねじ部材(図示せず)に、上部アダプタ20の取付穴23Aを掛けることにより保持部材133に設置されている。一軸偏心ねじポンプ1はその射出方向が下方に向くように設置されている。また、硬化装置120は、下方に位置する積層材料を硬化できるように、例えば、加熱ファンや加熱ヒータが熱を下方に送るように設置されている。
【0064】
前後駆動装置及び横方向駆動装置は、制御装置140に電気的に接続されている。制御装置140が前後駆動装置に供給する電力を制御することにより、フレーム部材132が前後方向に移動する。また、制御装置140が横方向駆動装置に供給する電力を制御することにより、保持部材133が前後方向に移動する。このようにして、制御装置140により保持部材133を前後左右に移動させて、一軸偏心ねじポンプ1及び硬化装置120の位置を前後左右に調整することができる。
【0065】
制御装置140は、例えば、パーソナルコンピュータなどであり、一軸偏心ねじポンプ1、硬化装置120、及び、移動装置130へ電力を供給するとともに駆動を制御することができる。制御装置140は、入力装置を備えており、入力装置により一軸偏心ねじポンプ1のステータ60を構成する材料に関する情報の指定を受け付ける。なお、3Dプリンタ100の制御装置140は、図2に示す、一軸偏心ねじポンプ1の制御装置140の機能も兼ねている。
【0066】
3Dプリンタ100においても、制御装置140は、一軸偏心ねじポンプ1を制御する際に、ヤング率に応じてモータ10の回転数を制御する。すなわち、例えば、所定量の積層材料を吐出させる際に、制御装置140は、選択された材料のヤング率に応じて、ヤング率が低いほど必要な回転数が大きくなるような係数を乗じて算出された回転数だけモータ10がシャフト11を回転させるように駆動する。
【0067】
図12に示す3Dプリンタによれば以下のようにして物品を製造することができる。まず、3Dプリンタに製造する物体の形状を示す3DCADデータを制御装置140に入力する。そして、制御装置140は、3DCADデータに基づき、移動装置130を駆動して製造すべき物品の水平断面内に当たる位置に一軸偏心ねじポンプ1を移動し、一軸偏心ねじポンプ1により積層材料を吐出させる。そして、制御装置140は、移動装置130を駆動して硬化装置120を移動し、一軸偏心ねじポンプ1を硬化させる。このような工程を繰り返し、製造する物体の断面形状に対応する積層材料による層を形成する。このような層を多数積層することにより所望の形状の3次元的な物品を製造することができる。
【0068】
なお、上記の説明では、一軸偏心ねじポンプを3Dプリンタに適用した場合について説明したが、これに限らず、流体を搬送するものであれば、適用の対象は限られない。
【0069】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
上記の通り、本実施形態によれば、シャフト部82に対して雄ねじ部81が平行であるため、組立状態において雄ねじ部81がその軸線がステータ60の貫通孔61の延びる方向に延びるように配置される。この状態で雄ねじ部81に回転駆動が伝達されると、雄ねじ部81の移動がステータ60により規制される。この際、雄ねじ部81及びシャフト部82が樹脂により一体形成されているため、シャフト部82が湾曲してステータ60に対して実質的に自転及び公転する。これにより、フレキシブルジョイント、オルダムジョイント等の動力伝達部を設けることなく、雄ねじ部81とステータ60の間の隙間に流れ込んだ流体をスムーズに搬送することができる。そして、本実施形態によれば、ステータ60が樹脂製であるため、廉価でステータ60を製造することができ、また、フレキシブルジョイント、オルダムジョイント等の動力伝達部が不要になるため、部材数を削減することができる。これにより、廉価で一軸偏心ねじポンプ1を提供することができる。
【0070】
ロータ80をステータ60に対して回転させると、ステータ60に回転力が伝達される。これに対して、本実施形態によれば、下部アダプタ50の収容空間内にステータ60を収容するのみで、ねじなどで固定することなく、ステータ60の回転を規制することができる。このため、例えば、ステータ60を流体の種類や流量に応じて交換する場合に、容易に交換作業を行うことができる。
【0071】
また、3Dプリンタで物品を製造する場合には、層を積層することにより物品を製造するため、オーバーハングとなる構造を有する物品を製造することができない。このため、ステータ60を収容する下部アダプタ50の収容空間の底面を平坦に形成することができず、下流側に向かって断面積が小さくなるように形成せざるを得ない。この場合には、収容空間のステータ60の下流側に流体だまりが形成されるおそれがあるが、本実施形態によれば下部サポータ70を有するため、このような流体だまりが形成されるのを防止できる。
【0072】
また、本実施形態によれば、ステータ60及び下部サポータ70が樹脂製であるため、ステータ60の下流側の面と、下部サポータ70の上流側の面とを直接当接させることにより、シール部材を設けることなく、ステータ60及び下部サポータ70との間からの流体の漏洩を防止できる。なお、本実施形態では、ステータ60及び下部サポータ70の両方が樹脂製である場合について説明したが、ステータ60及び下部サポータ70の少なくとも一方が樹脂製であれば、シール部材を設けることなく、流体の漏洩を防止できる。
【0073】
また、本実施形態によれば、下部アダプタ50及び中間アダプタ40によりステータ60及び下部サポータ70が押圧された状態で挟み込まれている。これにより、ステータ60と下部サポータ70とが密着するため、より強固に流体の漏洩を防止できる。
【0074】
また、本実施形態によれば、ステータ60を形成する樹脂のヤング率は、816kPa以下である。ステータ60を形成する樹脂のヤング率が816kPa以下の場合には、ロータの回転数に対する吐出量がより少ない。これにより、一軸偏心ねじポンプ1の搬送量をより正確に制御することができる。
【0075】
また、本実施形態によれば、ステータ60をゲルにより製造することにより、移送流体へ作用するトルクが小さくなり、移送流体の変質を防止できる。
【0076】
また、発明者らは、ステータ60を構成する材料のヤング率に応じて、一回転あたりに吐出される流体の量が変わることを見出した。これに対して、本実施形態によれば、制御装置140によりステータ60を構成する材料のヤング率に応じてモータ10の回転を制御することで、所望の量の流体を搬送することができる。
【0077】
また、発明者らは、ステータ60を構成する材料のヤング率が小さいほど、一回転あたりに吐出される流体の量が少ないことを見出した。これに対して、本実施形態によれば、制御装置140によりステータ60を構成する材料のヤング率に応じてモータ10の回転を制御することで、所望の量の流体を搬送することができる。
【0078】
また、本実施形態によれば、3Dプリンタを用いてロータ80及びステータ60を製造することができ、廉価で簡単に一軸偏心ねじポンプ1を構成する部品を製造することができる。
【0079】
なお、発明者は、本実施形態の一軸偏心ねじポンプにおいてステータを構成する材料としてヤング率の異なる材料を用いると、ヤング率に応じてモータ一回転あたりの流量を変更することができることを実験的に発見したので、以下説明する。
【0080】
本実験では、ステータ60を構成する材料として、食品用シリコーン(実験例1)と、Ecoflex(登録商標)-30(実験例2)と、Ecoflex(登録商標)-10(実験例3)と、ICNゲル(実験例4)を用い、その他の部品については変更せずに一軸偏心ねじポンプ1に各材料からなるステータ60を設置してモータ10の回転数を流体の吐出量との関係を調べた。
【0081】
各材料のヤング率は以下の通りである
(実験例1)食品用シリコーン 816[kPa]
(実験例2)Ecoflex-30 176[kPa]
(実験例3)Ecoflex-10 84.0[kPa]
(実験例4)ICNゲル 43.8[kPa]
流体としては、シリコーンオイルを用いた。流体の吐出量は、吐出された流体を集めて重量を測定し、その重量を密度で割って吐出量(mm3)を算出した。
【0082】
また、一軸偏心ねじポンプ1について、以下の式によりロータ80の1回転あたりの理論吐出量Qth[mm3/rev]を算出した。
理論吐出量Qth[mm3/rev]=4×e[mm]×D[mm]×λS[mm]/N[rev]
e:ステータ貫通孔の偏心量[mm]
D:ステータ貫通孔の内径[mm]
λS:ステータピッチ[mm]
N:ロータの回転数[rev]
なお、図13A及び図13Bは、理論吐出量を算出するためのステータの各寸法を示し、図13Aは上面図であり、図13Bは鉛直断面図である。図13A及び図13Bに示すように、ステータ60の上面図において、貫通孔61の長手方向長さが4e+D[mm]となり、貫通孔61の短手方向長さがD[mm]となる。
【0083】
まず、発明者は、回転速度を一定として総回転数[rev]と吐出量の関係を実験的に調べた。
図14は、回転速度を一定とした場合の理論吐出量、及び、実験例1~4のロータの総回転数と吐出量の関係を示すグラフである。図14に示すように、実施例1~4において、ロータの総回転数と吐出量は理論吐出量と同様にほぼ比例関係になっている。そして、ヤング係数が大きいほど、吐出量が理論吐出量に近くなっており、ヤング係数が小さいほど、吐出量は理論吐出量に比べて小さくなっている。
【0084】
次に、発明者は、総回転数を一定(10回転)として回転速度[rpm]と吐出量の関係を実験的に調べた。
図15は、総回転数を一定とした場合の理論吐出量、及び、実験例1~4のロータの回転速度と吐出量の関係を示すグラフである。図15に示すように、実施例1~4において、ロータの回転速度によらず吐出量は一定となっている。したがって、回転速度は吐出量に影響を及ぼさないことが確認された。
【0085】
図16は、総回転数を10回転とした場合の、ヤング係数と吐出量との関係を示すグラフである。図16に示すように、ステータのヤング係数が小さいほど吐出量が少なくなっている。そして、ヤング率が816[kPa]以下ではヤング率の減少に対する吐出量の減少の割合が大きくなっている。また、ゲル状である実験例4では、ヤング係数に対する吐出量が特に小さくなっている。このように、本実験により、ロータを構成する材料が、少なくともヤング係数が43.8~816[kPa]の範囲であれば、理論吐出量よりも実際の吐出量が少なくなることが確認された。さらに、ロータを構成する材料のヤング率としては、より好ましくは176[kPa]以下であり、さらに好ましくは、84.0[kPa]以下であることが確認された。
【符号の説明】
【0086】
1 :一軸偏心ねじポンプ
6 :ナイロン
10 :モータ
11 :シャフト
12 :ナイロン
20 :上部アダプタ
21 :基部
21A :開口部
22 :脚部
22A :取付穴
23 :取付部
23A :取付穴
30 :ロックナット
31 :基部
32 :接続部
33 :貫通孔
34 :拡径部
35 :空間
36 :取付穴
37 :取付穴
40 :中間アダプタ
41 :上部取付部
42 :下部取付部
43 :中間部
44 :ホッパ部
44A :投入空間
45 :貫通孔
46 :取付穴
47 :取付穴
48 :ステータ収容空間
50 :下部アダプタ
51 :取付部
52 :筒状部
53 :錐体部
54 :吐出部
55 :包囲部
56 :貫通孔
57 :ステータ収容空間
58 :取付穴
59 :サポータ収容空間
60 :ステータ
61 :貫通孔
62 :溝
63 :突条
70 :下部サポータ
71 :矩形部
72 :切頭錐体部
73 :貫通孔
80 :ロータ
81 :雄ねじ部
82 :シャフト部
83 :溝
84 :突条
90 :カップリング
95 :ノズル
96 :円筒部
97 :基部
98 :円錐台部
99 :貫通孔
100 :3Dプリンタ
110 :基台
120 :硬化装置
130 :移動装置
131 :前後レール
132 :フレーム部材
132A :横方向レール
132B :スライド部材
132C :基台
132D :縦フレーム
133 :保持部材
140 :制御装置
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16