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特開2024-63235強い電気エネルギーのためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063235
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】強い電気エネルギーのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H01G 11/32 20130101AFI20240501BHJP
   H01G 4/16 20060101ALI20240501BHJP
   H01G 4/20 20060101ALI20240501BHJP
   H01G 11/36 20130101ALI20240501BHJP
【FI】
H01G11/32
H01G4/16
H01G4/20 300
H01G11/36
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024035697
(22)【出願日】2024-03-08
(62)【分割の表示】P 2019553571の分割
【原出願日】2018-03-28
(31)【優先権主張番号】62/478,553
(32)【優先日】2017-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/540,147
(32)【優先日】2017-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ANDROID
(71)【出願人】
【識別番号】517206454
【氏名又は名称】オーハイ エナジェティクス ピービーシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム クライドン
(57)【要約】
【課題】好適な強い電気エネルギーのためのシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】本開示は、電気エネルギーを貯蔵するためのコンデンサを提供する。コンデンサは、少なくとも部分的に、靱皮繊維、靱皮粉末、硬質材繊維、硬質材粉末、またはその誘導体を含むことができる。いくつかの事例では、コンデンサの誘電体は、靱皮繊維、靱皮粉末、硬質材繊維、硬質材粉末、またはその誘導体から形成されることができる。他の事例では、コンデンサの一方または両方の電極は、靱皮繊維、靱皮粉末、硬質材繊維、硬質材粉末、またはその誘導体から形成されることができる。結果として生じるコンデンサは、種々の最小数の充電/放電サイクルにわたって、ある規定された動作温度範囲において、種々の電力密度および種々のエネルギー密度を有するように構成されることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気エネルギーを貯蔵するためのコンデンサであって、
第1の電極であって、前記第1の電極は、電子を電気負荷へまたは前記電気負荷から伝導させるように構成される材料から形成される、第1の電極と、
前記第1の電極に隣接する誘電体であって、前記誘電体は、靱皮またはオガラ材料の誘導体から形成される、誘電体と、
前記誘電体に隣接する第2の電極であって、前記第2の電極は、電子を前記電気負荷へまたは前記電気負荷から伝導させるように構成される材料から形成され、前記第2の電極は、前記第1の電極から電気的に隔離される、第2の電極と
を備え、
前記コンデンサは、60℃~100℃の温度において、前記電気負荷を介した少なくとも250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも55キロワット(kW)/キログラム(kg)有効質量の電力密度を有する、コンデンサ。
【請求項2】
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも75kW/kg有効質量の電力密度を有し、
随意に、前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも100kW/kg有効質量の電力密度を有する、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項3】
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも500充電/放電サイクルにわたって、少なくとも55kW/kg有効質量の電力密度を有し、
随意に、前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも1000充電/放電サイクルにわたって、少なくとも55kW/kg有効質量の電力密度を有し、
随意に、前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも2000充電/放電サイクルにわたって、少なくとも55kW/kg有効質量の電力密度を有する、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項4】
前記コンデンサは、最大で5kgの質量を有し、
随意に、前記コンデンサは、最大で2kgの質量を有する、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項5】
前記コンデンサは、60℃~100℃の温度において、前記電気負荷を介した少なくとも250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも40W時間(h)/kg有効質量のエネルギー密度を有し、
随意に、前記コンデンサは、60℃~100℃の温度において、前記電気負荷を介した少なくとも250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも60Wh/kg有効質量のエネルギー密度を有する、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項6】
前記誘電体は、前記第1の電極の材料を下回る電気伝導性を有する、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項7】
前記誘導体は、グラフェン状カーボンナノシート、繊維または粉末補強ポリマー複合材である、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項8】
電気エネルギーを貯蔵するための方法であって、
(a)コンデンサを活性化することであって、前記コンデンサは、(i)第1の電極であって、前記第1の電極は、電子を電気負荷へまたは前記電気負荷から伝導させるように構成される材料から形成される、第1の電極と、(ii)前記第1の電極に隣接する誘電体であって、前記誘電体は、靱皮繊維または靱皮粉末の誘導体から形成される、誘電体と、(iii)前記誘電体に隣接する第2の電極であって、前記第2の電極は、電子を前記電気負荷へまたは前記電気負荷から伝導させるように構成される材料から形成され、前記第2の電極は、前記第1の電極から電気的に隔離される、第2の電極とを備え、前記コンデンサは、60℃~100℃の温度において、少なくとも250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも55キロワット(kW)/キログラム(kg)有効質量の電力密度を有する、ことと、
(b)前記コンデンサを前記電気負荷と電気連通させることと、
(c)前記電気負荷を介して、前記コンデンサを充電または放電することと
を含む、方法。
【請求項9】
(a)前記電気負荷は、送電網である、
(b)前記電気負荷は、車両の電気回路を含む、
(c)前記電気負荷は、飛行機の電気回路を含む、
(d)前記電気負荷は、電車の電気回路を含む、または、
(f)前記電気負荷は、船舶の電気回路を含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記誘導体は、グラフェン状カーボンナノシート、繊維または粉末補強ポリマー複合材である、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照)
本願は、2017年3月29日に出願された米国仮特許出願第62/478,553号および2017年8月2日に出願された米国仮特許出願第62/540,147号の利益を主張するものであり、これらの各々は、全体が参照により本明細書中に援用される。
【背景技術】
【0002】
コンデンサは、より高い電力密度を備え得、したがって、いくつかの代替エネルギー貯蔵システム(例えば、バッテリ)より短い時間周期において、エネルギーを放出することが可能である、エネルギー貯蔵システムである。スーパーコンデンサは、通常のコンデンサによって貯蔵されるものを数桁上回る電荷の量(それによって、電気エネルギー)を貯蔵しながら、依然として、より高い電力密度を備えるように構成されることができる。ある場合には、コンデンサおよびスーパーコンデンサの電極および誘電体のための材料等のコンデンサおよびスーパーコンデンサの材料性質は、コンデンサ性能に影響を及ぼし得る。例えば、ある場合には、より大きい表面積を伴う電極は、より少ない表面積を伴う電極を上回る性能を発揮することができる。別の実施例では、ある場合には、より高い相対的誘電率を伴う誘電体は、より低い相対的誘電率を伴う誘電体を上回る性能を発揮することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
提供されるのは、電気エネルギーを貯蔵するためのコンデンサであって、コンデンサは、少なくとも部分的に、靱皮および/またはオガラまたはその誘導体を含む。例えば、コンデンサは、靱皮繊維、靱皮粉末、オガラ繊維、オガラ粉末、またはその誘導体を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コンデンサの誘電体は、靱皮繊維、靱皮粉末、オガラ繊維、オガラ粉末、および/またはその誘導体から形成されることができる。いくつかの実施形態では、コンデンサの一方または両方の電極は、靱皮繊維、靱皮粉末、オガラ繊維、オガラ粉末、および/またはその誘導体から形成されることができる。結果として生じるコンデンサは、種々の電力密度および種々のエネルギー密度を有し、ある規定された動作温度範囲において、種々の最小数の充電/放電サイクルに耐えることが可能であるように構成されることができる。
【0004】
ある側面では、電気エネルギーを貯蔵するためのコンデンサが、提供され、コンデンサの誘電体は、靱皮またはオガラ材料またはその誘導体から形成される。コンデンサは、電子を電気負荷へまたはそこから伝導させることが可能な材料から形成される、第1の電極と、第1の電極に隣接する誘電体であって、靱皮繊維、靱皮粉末、またはその誘導体から形成される、誘電体と、誘電体に隣接する第2の電極であって、電子を電気負荷へまたはそこから伝導させることが可能な材料から形成され、第1の電極から電気的に隔離される、第2の電極とを備えてもよい。
【0005】
電気エネルギーは、コンデンサを活性化し、コンデンサを電気負荷と電気連通させ、電気負荷を介して、コンデンサを充電または放電することによって、靱皮またはオガラ材料またはその誘導体から形成される、誘電体を備える、コンデンサ内に貯蔵されることができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、60℃~100℃の温度において、コンデンサは、電気負荷を介した少なくとも約250/放電サイクルにわたって、少なくとも約55キロワット(kW)/キログラム(kg)有効質量、75kW/kg有効質量、または100kW/kg有効質量の電力密度を有することができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、60℃~100℃の温度において、コンデンサは、電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクル、500充電/放電サイクル、1000充電/放電サイクル、または2000充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55kW/kg有効質量の電力密度を有することができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、60℃~100℃の温度において、コンデンサは、電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約40ワット時(Wh)/kg有効質量または60Wh/kg有効質量のエネルギー密度を有することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、そこへまたはそこからコンデンサの電極が電子を伝導させる電気負荷は、送電網であることができる。代替として、電気負荷は、車両、飛行機、電車、または船舶の電気回路を含むことができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、コンデンサの誘電体は、麻靱皮またはケナフ靱皮等の靱皮材料から形成されることができる。靱皮材料は、靱皮繊維、靱皮粉末、またはその誘導体の形態であってもよい。いくつかの実施形態では、誘電体は、麻オガラまたはケナフオガラ等のオガラ(または破片)材料を含むことができる。オガラ材料は、オガラ繊維またはオガラ粉末の形態であってもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、コンデンサは、最大で約2kgまたは5kgの質量を有することができる。
【0012】
別の側面では、提供されるのは、電気エネルギーを貯蔵するためのコンデンサであって、コンデンサの第1の電極、第2の電極、または第1および第2の電極の両方が、靱皮またはオガラ材料またはその誘導体から形成される。コンデンサは、電子を電気負荷へまたはそこから伝導させることが可能な材料から形成される、第1の電極と、第1の電極に隣接する誘電体であって、第1の電極の材料を下回る電気伝導性を有する、材料から形成される、誘電体と、誘電体に隣接する第2の電極であって、電気負荷へまたはそこから電子を伝導させることが可能な材料から形成され、第1の電極から電気的に隔離される、第2の電極とを備えてもよく、第1の電極、第2の電極、または第1の電極および第2の電極の両方が、靱皮またはオガラ材料またはその誘導体から形成される。
【0013】
電気エネルギーは、コンデンサを活性化し、コンデンサを電気負荷と電気連通させ、電気負荷を介して、コンデンサを充電または放電することによって、靱皮またはオガラ材料またはその誘導体から形成される、第1および/または第2の電極を備える、コンデンサ内に貯蔵されることができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、60℃~100℃の温度において、コンデンサは、電気負荷を介した少なくとも約250/放電サイクルにわたって、少なくとも約55キロワット(kW)/キログラム(kg)有効質量、75kW/kg有効質量、または100kW/kg有効質量の電力密度を有することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、60℃~100℃の温度において、コンデンサは、電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクル、500充電/放電サイクル、1000充電/放電サイクル、または2000充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55kW/kg有効質量の電力密度を有することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、60℃~100℃の温度において、コンデンサは、電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約40Wh/kg有効質量または60Wh/kg有効質量のエネルギー密度を有することができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、そこはまたはそこからコンデンサの電極が電子を伝導させる電気負荷は、送電網であることができる。代替として、電気負荷は、車両、飛行機、電車、または船舶の電気回路を含むことができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、コンデンサの第1および/または第2の電極は、麻靱皮またはケナフ靱皮等の靱皮材料から形成されることができる。靱皮材料は、靱皮繊維、靱皮粉末、またはその誘導体の形態であってもよい。いくつかの実施形態では、第1および/または第2の電極は、麻オガラまたはケナフオガラ等のオガラ(または破片)材料を含むことができる。オガラ材料は、オガラ繊維またはオガラ粉末の形態であってもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、コンデンサは、最大で約2kgまたは5kgの質量を有することができる。
【0020】
別の側面では、提供されるのは、コンデンサを製造する方法であって、(a)植物から導出される靱皮および/またはオガラ材料を取得するステップと、(b)靱皮および/またはオガラ材料を処理済み材料に処理するステップであって、処理された材料は、繊維または粒子の形態である、ステップと、(c)処理された材料を使用して、第1の電極、第2の電極、および/または誘電体を生成するステップと、(d)第1の電極、第2の電極、および誘電体を組み立て、(i)第1の電極と、(ii)第1の電極に隣接する誘電体と、(iii)誘電体に隣接する第2の電極であって、第1の電極から電気的に隔離される、第2の電極とを備える、コンデンサを産出するステップとを含み、コンデンサは、60℃~100℃の温度において、電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55キロワット(kW)/キログラム(kg)有効質量の電力密度を有する。
【0021】
いくつかの実施形態では、植物は、大麻である。
【0022】
いくつかの実施形態では、処理は、靱皮および/またはオガラ材料を粉砕し、靱皮および/またはオガラ材料を含む粒子を形成するステップを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、靱皮および/またはオガラ材料は、靱皮および/またはオガラ繊維を含む。いくつかの実施形態では、靱皮および/またはオガラ材料は、靱皮材料である。いくつかの実施形態では、靱皮および/またはオガラ材料は、オガラ材料である。
【0024】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、コンデンサを布地の中に織り込むステップを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、コンデンサは、60℃~100℃の温度において、電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約75kW/kg有効質量の電力密度を有する。いくつかの実施形態では、コンデンサは、60℃~100℃の温度において、電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約100kW/kg有効質量の電力密度を有する。いくつかの実施形態では、コンデンサは、60℃~100℃の温度において、電気負荷を介した少なくとも約500充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55kW/kg有効質量の電力密度を有する。いくつかの実施形態では、コンデンサは、60℃~100℃の温度において、電気負荷を介した少なくとも約1000充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55kW/kg有効質量の電力密度を有する。いくつかの実施形態では、コンデンサは、60℃~100℃の温度において、電気負荷を介した少なくとも約2000充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55kW/kg有効質量の電力密度を有する。
【0026】
いくつかの実施形態では、電気負荷は、送電網である。いくつかの実施形態では、電気負荷は、車両の電気回路を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、コンデンサは、最大で約5kgの質量を有する。いくつかの実施形態では、コンデンサは、最大で約2kgの質量を有する。
【0028】
いくつかの実施形態では、コンデンサは、60℃~100℃の温度において、電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約40W時間(h)/kg有効質量のエネルギー密度を有する。いくつかの実施形態では、コンデンサは、60℃~100℃の温度において、電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約60Wh/kg有効質量のエネルギー密度を有する。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
電気エネルギーを貯蔵するためのコンデンサであって、
第1の電極であって、前記第1の電極は、電子を電気負荷へまたはそこから伝導させることが可能な材料から形成される、第1の電極と、
前記第1の電極に隣接する誘電体であって、前記誘電体は、靱皮またはオガラ材料またはその誘導体から形成される、誘電体と、
前記誘電体に隣接する第2の電極であって、前記第2の電極は、電子を前記電気負荷へまたはそこから伝導させることが可能な材料から形成され、前記第2の電極は、前記第1の電極から電気的に隔離される、第2の電極と
を備え、
前記コンデンサは、60℃~100℃の温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55キロワット(kW)/キログラム(kg)有効質量の電力密度を有する、コンデンサ。
(項目2)
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約75kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目1に記載のコンデンサ。
(項目3)
前記コンデンサは、60℃~100℃の温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約100kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目2に記載のコンデンサ。
(項目4)
前記コンデンサは、60℃~100℃の温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約500充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目1に記載のコンデンサ。
(項目5)
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約1000充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目4に記載のコンデンサ。
(項目6)
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約2000充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目5に記載のコンデンサ。
(項目7)
前記電気負荷は、送電網である、項目1に記載のコンデンサ。
(項目8)
前記電気負荷は、車両の電気回路を含む、項目1に記載のコンデンサ。
(項目9)
前記電気負荷は、飛行機の電気回路を含む、項目1に記載のコンデンサ。
(項目10)
前記電気負荷は、電車の電気回路を含む、項目1に記載のコンデンサ。
(項目11)
前記電気負荷は、船舶の電気回路を含む、項目1に記載のコンデンサ。
(項目12)
前記誘電体は、前記靱皮材料から形成される、項目1に記載のコンデンサ。
(項目13)
前記靱皮材料は、麻靱皮またはケナフ靱皮である、項目12に記載のコンデンサ。
(項目14)
前記誘電体は、前記オガラ材料から形成される、項目1に記載のコンデンサ。
(項目15)
前記オガラ材料は、麻オガラまたはケナフオガラである、項目14に記載のコンデンサ。
(項目16)
前記誘電体は、オガラまたはその誘導体を含む、項目1に記載のコンデンサ。
(項目17)
前記コンデンサは、最大で約5kgの質量を有する、項目1に記載のコンデンサ。
(項目18)
前記コンデンサは、最大で約2kgの質量を有する、項目17に記載のコンデンサ。
(項目19)
前記コンデンサは、60℃~100℃の温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約40W時間(h)/kg有効質量のエネルギー密度を有する、項目1に記載のコンデンサ。
(項目20)
前記コンデンサは、60℃~100℃の温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約60Wh/kg有効質量のエネルギー密度を有する、項目19に記載のコンデンサ。
(項目21)
前記靱皮および/またはオガラ材料は、靱皮および/またはオガラ繊維または靱皮および/またはオガラ粉末である、項目1に記載のコンデンサ。
(項目22)
電気エネルギーを貯蔵するための方法であって、
(a)コンデンサを活性化することであって、前記コンデンサは、(i)第1の電極であって、前記第1の電極は、電子を電気負荷へまたはそこから伝導させることが可能な材料から形成される、第1の電極と、(ii)前記第1の電極に隣接する誘電体であって、前記誘電体は、靱皮繊維、靱皮粉末、またはその誘導体から形成される、誘電体と、(iii)前記誘電体に隣接する第2の電極であって、前記第2の電極は、前記電気負荷へまたはそこから伝導させることが可能な材料から形成され、前記第2の電極は、前記第1の電極から電気的に隔離される、第2の電極とを備え、前記コンデンサは、60℃~100℃の温度において、少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55キロワット(kW)/キログラム(kg)有効質量の電力密度を有する、ことと、
(b)前記コンデンサを前記電気負荷と電気連通させることと、
(c)前記電気負荷を介して、前記コンデンサを充電または放電することと
を含む、方法。
(項目23)
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約75kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約100kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約500充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目22に記載の方法。
(項目26)
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約1000充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約2000充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記電気負荷は、送電網である、項目22に記載の方法。
(項目29)
前記電気負荷は、車両の電気回路を含む、項目22に記載の方法。
(項目30)
前記電気負荷は、飛行機の電気回路を含む、項目22に記載の方法。
(項目31)
前記電気負荷は、電車の電気回路を含む、項目22に記載の方法。
(項目32)
前記電気負荷は、船舶の電気回路を含む、項目22に記載の方法。
(項目33)
前記誘電体は、靱皮繊維から形成される、項目22に記載の方法。
(項目34)
前記靱皮繊維は、麻靱皮繊維である、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記誘電体は、靱皮粉末から形成される、項目22に記載の方法。
(項目36)
前記靱皮粉末は、麻靱皮粉末またはケナフ靱皮粉末である、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記誘電体は、オガラまたはその誘導体を含む、項目22に記載の方法。
(項目38)
前記コンデンサは、最大で約5kgの質量を有する、項目22に記載の方法。
(項目39)
前記コンデンサは、最大で約2kgの質量を有する、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記コンデンサは、60℃~100℃の温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約40W時間(h)/kg有効質量のエネルギー密度を有する、項目22に記載の方法。
(項目41)
前記コンデンサは、60℃~100℃の温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約60Wh/kg有効質量のエネルギー密度を有する、項目40に記載の方法。
(項目42)
電気エネルギーを貯蔵するためのコンデンサであって、
第1の電極であって、前記第1の電極は、電子を電気負荷へまたはそこから伝導させることが可能な材料から形成される、第1の電極と、
前記第1の電極に隣接する誘電体であって、前記誘電体は、前記第1の電極の材料を下回る電気伝導性を有する材料から形成される、誘電体と、
前記誘電体に隣接する第2の電極であって、前記第2の電極は、電気負荷へまたはそこから電子を伝導させることが可能な材料から形成され、前記第2の電極は、前記第1の電極から電気的に隔離される、第2の電極と
を備え、
前記第1の電極、前記第2の電極、または前記第1の電極および前記第2の電極の両方が、靱皮および/またはオガラ材料から形成され、
前記コンデンサは、60℃~100℃の温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55キロワット(kW)/キログラム(kg)有効質量の電力密度を有する、コンデンサ。
(項目43)
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約75kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目42に記載のコンデンサ。
(項目44)
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約100kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目43に記載のコンデンサ。
(項目45)
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約500充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目42に記載のコンデンサ。
(項目46)
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約1000充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目45に記載のコンデンサ。
(項目47)
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約2000充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目46に記載のコンデンサ。
(項目48)
前記電気負荷は、送電網である、項目42に記載のコンデンサ。
(項目49)
前記電気負荷は、車両の電気回路を含む、項目42に記載のコンデンサ。
(項目50)
前記電気負荷は、飛行機の電気回路を含む、項目42に記載のコンデンサ。
(項目51)
前記電気負荷は、電車の電気回路を含む、項目42に記載のコンデンサ。
(項目52)
前記電気負荷は、船舶の電気回路を含む、項目42に記載のコンデンサ。
(項目53)
前記第1の電極は、靱皮繊維から形成される、項目42に記載のコンデンサ。
(項目54)
前記靱皮繊維は、麻靱皮繊維である、項目53に記載のコンデンサ。
(項目55)
前記第1の電極は、靱皮粉末から形成される、項目42に記載のコンデンサ。
(項目56)
前記靱皮粉末は、麻靱皮粉末またはケナフ靱皮粉末である、項目55に記載のコンデンサ。
(項目57)
前記第1の電極は、オガラまたはその誘導体を含む、項目42に記載のコンデンサ。
(項目58)
前記コンデンサは、最大で約5kgの質量を有する、項目42に記載のコンデンサ。
(項目59)
前記コンデンサは、最大で約2kgの質量を有する、項目58に記載のコンデンサ。
(項目60)
前記コンデンサは、60℃~100℃の温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約40W時間(h)/kg有効質量のエネルギー密度を有する、項目42に記載のコンデンサ。
(項目61)
前記コンデンサは、60℃~100℃の温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約60Wh/kg有効質量のエネルギー密度を有する、項目60に記載のコンデンサ。
(項目62)
電気エネルギーを貯蔵するための方法であって、
(a)コンデンサを活性化することであって、前記コンデンサは、(i)第1の電極であって、前記第1の電極は、電子を電気負荷へまたはそこから伝導させることが可能な材料から形成される、第1の電極と、(ii)前記第1の電極に隣接する誘電体であって、前記誘電体は、前記第1の電極の材料を下回る電気伝導性を有する材料から形成される、誘電体と、(iii)前記誘電体に隣接する第2の電極であって、前記第2の電極は、電気負荷へまたはそこから電子を伝導させることが可能な材料から形成され、前記第2の電極は、前記第1の電極から電気的に隔離される、第2の電極とを備え、前記第1の電極、前記第2の電極、または前記第1の電極および前記第2の電極の両方が、靱皮繊維、靱皮粉末、またはその誘導体から形成され、前記コンデンサは、60℃~100℃の温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55キロワット(kW)/キログラム(kg)有効質量の電力密度を有する、ことと、
(b)前記コンデンサを前記電気負荷と電気連通させることと、
(c)前記電気負荷を介して、前記コンデンサを充電または放電することと
を含む、方法。
(項目63)
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約75kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目62に記載の方法。
(項目64)
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約100kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目63に記載の方法。
(項目65)
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約500充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目62に記載の方法。
(項目66)
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約1000充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目65に記載の方法。
(項目67)
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約2000充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目66に記載の方法。
(項目68)
前記電気負荷は、送電網である、項目62に記載の方法。
(項目69)
前記電気負荷は、車両の電気回路を含む、項目62に記載の方法。
(項目70)
前記電気負荷は、飛行機の電気回路を含む、項目62に記載の方法。
(項目71)
前記電気負荷は、電車の電気回路を含む、項目62に記載の方法。
(項目72)
前記電気負荷は、船舶の電気回路を含む、項目62に記載の方法。
(項目73)
前記第1の電極は、靱皮繊維から形成される、項目62に記載の方法。
(項目74)
前記靱皮繊維は、麻靱皮繊維である、項目73に記載の方法。
(項目75)
前記第1の電極は、靱皮粉末から形成される、項目62に記載の方法。
(項目76)
前記靱皮粉末は、麻靱皮粉末またはケナフ靱皮粉末である、項目75に記載の方法。
(項目77)
前記第1の電極は、オガラまたはその誘導体を含む、項目62に記載の方法。
(項目78)
前記コンデンサは、最大で約5kgの質量を有する、項目62に記載の方法。
(項目79)
前記コンデンサは、最大で約2kgの質量を有する、項目78に記載の方法。
(項目80)
前記コンデンサは、60℃~100℃の温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約500充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約40W時間(h)/kg有効質量のエネルギー密度を有する、項目62に記載の方法。
(項目81)
前記コンデンサは、60℃~100℃の温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約500充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約60W時間(h)/kg有効質量のエネルギー密度を有する、項目80に記載の方法。
(項目82)
コンデンサを製造する方法であって、
(a)植物から導出される靱皮および/またはオガラ材料を取得することと、
(b)前記靱皮および/またはオガラ材料を処理済み材料に処理することであって、処理された材料は、繊維または粒子の形態である、ことと、
(c)前記処理された材料を使用して、第1の電極、第2の電極、および/または誘電体を生成することと、
(d)前記第1の電極、第2の電極、および前記誘電体を組み立て、コンデンサを産出することであって、前記コンデンサは、(i)前記第1の電極と、(ii)前記第1の電極に隣接する誘電体と、(iii)前記誘電体に隣接する第2の電極であって、前記第2の電極は、前記第1の電極から電気的に隔離される、第2の電極とを備え、前記コンデンサは、60℃~100℃の温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55キロワット(kW)/キログラム(kg)有効質量の電力密度を有する、ことと
を含む、方法。
(項目83)
前記植物は、大麻である、項目82に記載の方法。
(項目84)
前記処理は、前記靱皮および/またはオガラ材料を粉砕し、前記靱皮および/またはオガラ材料を含む粒子を形成することを含む、項目82に記載の方法。
(項目85)
前記靱皮および/またはオガラ材料は、靱皮および/またはオガラ繊維を含む、項目82に記載の方法。
(項目86)
前記靱皮および/またはオガラ材料は、靱皮材料である、項目82に記載の方法。
(項目87)
前記靱皮および/またはオガラ材料は、オガラ材料である、項目82に記載の方法。
(項目88)
前記コンデンサを布地の中に織り込むことをさらに含む、項目82に記載の方法。
(項目89)
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約75kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目82に記載のコンデンサ。
(項目90)
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約100kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目89に記載のコンデンサ。
(項目91)
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約500充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目90に記載のコンデンサ。
(項目92)
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約1000充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目91に記載のコンデンサ。
(項目93)
前記コンデンサは、60℃~100℃の前記温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約2000充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55kW/kg有効質量の電力密度を有する、項目92に記載のコンデンサ。
(項目94)
前記電気負荷は、送電網である、項目82に記載のコンデンサ。
(項目95)
前記電気負荷は、車両の電気回路を含む、項目82に記載のコンデンサ。
(項目96)
前記コンデンサは、最大で約5kgの質量を有する、項目82に記載のコンデンサ。
(項目97)
前記コンデンサは、最大で約2kgの質量を有する、項目96に記載のコンデンサ。
(項目98)
前記コンデンサは、60℃~100℃の温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約40W時間(h)/kg有効質量のエネルギー密度を有する、項目82に記載のコンデンサ。
(項目99)
前記コンデンサは、60℃~100℃の温度において、前記電気負荷を介した少なくとも約250充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約60Wh/kg有効質量のエネルギー密度を有する、項目98に記載のコンデンサ。
【0029】
本開示の付加的側面および利点は、本開示の例証的実施形態のみが示され、説明される、以下の詳細な説明から、当業者に容易に明白となるであろう。認識されるであろうように、本開示は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、全て本開示から逸脱することなく、種々の明白な点で修正が可能である。故に、図面および説明は、制限的ではなくて本質的に例証的と考えられるべきである。
参照による引用
【0030】
本明細書で記述される全ての出版物、特許、および特許出願は、各個々の出版物、特許、または特許出願が、参照することによって組み込まれるように具体的かつ個別に示された場合と同一の程度に、参照することによって本明細書に組み込まれる。参照することによって組み込まれる出版物および特許または特許出願が、本明細書に含有される本開示と矛盾する限り、本明細書は、いずれのそのような矛盾する資料にも取って代わる、および/または優先することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明の新規の特徴は、添付の請求項で詳細に記載される。本発明の特徴および利点のさらなる理解は、本発明の原理が利用される例証的実施形態を記載する、以下の詳細な説明、および付随する図面(また、本明細書では「図」(FigureおよびFIG.))を参照して、得られるであろう。
【0032】
図1図1は、コンデンサまたはスーパーコンデンサの概略図を示す。
【0033】
図2図2は、靱皮繊維または靱皮粉末コンデンサを使用する方法を図示する。
【0034】
図3図3は、電気負荷と電気連通するコンデンサの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の種々の実施形態が、本明細書で示され、説明されているが、そのような実施形態は一例のみとして提供されることが当業者に明白となるであろう。多数の変形例、変更、および代用が、本発明から逸脱することなく、当業者に想起され得る。本明細書で説明される本発明の実施形態の種々の代替案が採用され得ることを理解されたい。
【0036】
用語「靱皮繊維」は、本明細書で使用されるように、概して、ある双子葉類植物の幹を囲繞する師部(「内樹皮」、時として、「皮」と呼ばれる)または靱皮から収集される、天然(例えば、植物)繊維および/または他の材料を指す。そのような植物は、例えば、大麻植物を含んでもよい。靱皮繊維は、例えば、亜麻、麻、黄麻、サイザル麻、ケナフ、または真麻等の農業において栽培された薬草から取得されてもよい。靱皮繊維は、イラクサおよびシナノキ、菩提樹、フジ、またはクワ等の樹木等の野生植物から取得されてもよい。靱皮繊維は、例えば、浸水、または別様に、植物の内部木質部または表皮(例えば、樹皮表面)から抽出することを通して、そのような天然材料から取得されてもよい。例えば、浸水(例えば、水浸水、雨露浸水、化学浸水等)プロセスは、接着(ペクチナーゼ)物質を靱皮繊維から除去し、その隔離を可能にすることができる。ある事例では、靱皮繊維は、植物からの剥皮または手動または機械的剥脱を介して取得されてもよい。いくつかの事例では、靱皮繊維の抽出後(例えば、剥脱を介して)、オガラまたは破片等の植物の茎、幹、または樹芯が、取得されてもよい。
【0037】
用語「靱皮粉末」は、本明細書で使用されるように、概して、ある双子葉類植物の幹を囲繞する師部または靱皮の粉末状靱皮繊維および/または粉末を指す。ある場合には、靱皮粉末は、ナノメートルまたはマイクロメートル範囲内の粒子を含むことができる。粒子は、靱皮または靱皮繊維から導出される、マイクロ結晶性セルロース(MCC)およびナノ結晶性セルロース(NCC)等のセルロース粒子であってもよい。ある場合には、MCCおよびNCCは、酸加水分解(例えば、塩酸加水分解)を介して、靱皮または靱皮繊維から隔離および/または導出されてもよい。靱皮粉末は、ナノ粒子および/またはマイクロ粒子を含んでもよい。靱皮粉末は、麻靱皮粉末、ケナフ靱皮粉末、サイザル麻靱皮粉末、および/または黄麻靱皮粉末であることができる。
【0038】
用語「オガラ繊維」または「破片繊維」は、本明細書で使用されるように、概して、ある双子葉類植物の茎、幹、または樹芯から収集される、天然(例えば、植物)繊維および/または他の材料を指す。そのような植物は、例えば、大麻植物を含んでもよい。オガラ繊維は、例えば、亜麻、麻、黄麻、サイザル麻、ケナフ、または真麻等の農業において栽培された薬草から取得されてもよい。オガラ繊維は、イラクサおよびシナノキ、菩提樹、フジ、またはクワ等の樹木等の野生植物から取得されてもよい。オガラ繊維は、例えば、浸水、または別様に、植物の内部木質部または表皮(例えば、樹皮表面)からの靱皮を抽出し、植物の内側の茎、幹、または樹芯を回収することを通して、そのような天然材料から取得されてもよい。ある事例では、オガラ繊維は、植物からの靱皮の剥皮または手動または機械的剥脱を介して取得されてもよい。いくつかの事例では、靱皮繊維の抽出(例えば、剥脱を介して)後、オガラまたは破片等の植物の茎、幹、または樹芯が、取得されてもよい。
【0039】
用語「オガラ粉末」は、本明細書で使用されるように、概して、ある双子葉類植物の幹、茎、または樹芯の粉末状オガラ繊維および/または粉末を指す。ある場合には、オガラ粉末は、ナノメートルまたはマイクロメートル範囲内の粒子を含むことができる。粒子は、オガラまたはオガラ繊維から導出される、セルロース粒子であってもよい。オガラ粉末は、ナノ粒子および/またはマイクロ粒子を含んでもよい。
【0040】
コンデンサは、より高い電力密度を備え得、したがって、いくつかの代替エネルギー貯蔵システム(例えば、バッテリ)より短い時間周期において、エネルギーを放出することが可能である、エネルギー貯蔵システムのタイプである。電気二重層コンデンサ、電気化学コンデンサ、またはウルトラコンデンサとしても知られる、スーパーコンデンサは、通常のコンデンサによって貯蔵されるものを数桁上回る電荷の量(それによって、電気エネルギー)を貯蔵しながら、依然として、高電力密度を備えるように構成されることができる。コンデンサは、多様な使用を有し、エネルギーの短いが強力なバーストを要求する、電気用途に給電するように構成されることができる(例えば、エンジンの始動、高速加速、信号の安定化等)。
【0041】
コンデンサは、分離材料によって相互から隔離された2つの電極を備えてもよい。分離材料は、誘電体、またはスーパーコンデンサの場合、電解質中に浸漬されたセパレータであることができる。コンデンサおよび/またはスーパーコンデンサの性能は、電極材料および誘電体材料等のコンデンサの個々の構成要素のために選択された個別の材料に応じて、有意に向上または減少されることができる。
【0042】
提供されるのは、少なくとも部分的に、天然誘導体を備える、コンデンサである。いくつかの事例では、天然誘導体は、靱皮繊維、靱皮粉末、またはその誘導体であってもよい。いくつかの事例では、天然誘導体は、薬草または植物(例えば、亜麻、麻、黄麻、サイザル麻、ケナフ、または真麻)の茎、幹、および/または樹芯からの誘導体または植物を含んでもよい。例えば、誘導体は、麻または亜麻からのオガラ、オガラ繊維、オガラ粉末、破片、破片繊維、または破片粉末を含んでもよい。例えば、コンデンサの誘電体は、靱皮繊維、靱皮粉末、麻オガラ、またはその誘導体から形成されることができる。別の実施例では、コンデンサの一方または両方の電極は、靱皮繊維、靱皮粉末、麻オガラ、またはその誘導体から形成されることができる。そのようなコンデンサは、規定された動作温度範囲において、種々の電力密度および種々のエネルギー密度を有するように構成されることができる。コンデンサは、規定された動作温度範囲において、繰り返される充電/放電サイクルに耐えることが可能であり得る。本開示のコンデンサは、スーパーコンデンサであってもよい。
【0043】
本開示のコンデンサは、実質的に高エネルギー密度(例えば、少なくとも約40、50、または60Wh/kg)および実質的に高電力密度(例えば、少なくとも約20、40または60kW/kg)を可能にし得る。これらのコンデンサは、建物、車両(例えば、車、トラック、電車、ジェット機)、または電子機器内のエネルギーの連続または断続供給等、種々の使用を有してもよい。コンデンサは、運搬可能であってもよい。
【0044】
ここで、図を参照する。図およびその中の特徴は、必ずしも、正確な縮尺で描かれていないことを理解されたい。
【0045】
図1は、コンデンサの概略図を示す。そのようなコンデンサは、スーパーコンデンサであってもよい。コンデンサは、電位を2つの伝導性電極とその間の少なくとも1つの非伝導性誘電体との間に蓄積することを可能にすることによって、電気エネルギーを貯蔵することができる。図示されるコンデンサは、第1の電極104と、誘電体106と、第2の電極108とを含む。誘電体106は、絶縁材料を含むことができる。誘電体106は、2つの電極のいずれかより低い伝導性の材料を含むことができる。2つの電極104、108はそれぞれ、電子を伝導させることが可能であることができる。
【0046】
単一誘電体106が、示されるが、コンデンサは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、またはそれを上回る誘電体等の複数の誘電体を含んでもよい。誘電体は、別個の層として、相互に隣接して配置されてもよい。誘電体は、均一プロファイルを有してもよい、または非均一プロファイルを有してもよい。例えば、誘電体は、略平坦境界または湾曲境界を有してもよい。誘電体は、同一材料または異なる材料を含んでもよい。
【0047】
第1の電極104は、第1の端子115を介して、回路114と電気連通する、第1の伝導性材料を含むことができる。第1の端子115は、第1の伝導性材料104と別個の伝導性構成要素(例えば、金属プレート)であることができる、または、回路114へおよび/またはそこからの第1の電極104の接続点であることができる。第2の電極108は、第2の端子116を介して、共通回路114と電気連通する、第2の伝導性材料を含むことができる。第2の端子116は、第2の伝導性材料108と別個の伝導性構成要素であることができる、または、回路114へおよび/またはそこからの第2の伝導性材料108の接続点であることができる。
【0048】
いくつかの事例では、各電極104、108は、伝導性材料の1つ以上の隣り合った層を備えることができる。いくつかの事例では、誘電体106は、絶縁材料(例えば、ガラス、空気、セラミック等)の1つ以上の隣り合った層を備えることができる。第1の電極104および第2の電極108は、同一材料または異なる材料を含むことができる。
【0049】
コンデンサの静電容量は、他の要因の中でもとりわけ、2つの電極104、108間の距離、個別の伝導性電極の表面積、および誘電体の誘電率等の種々の要因に依存し得る。例えば、静電容量は、2つの電極間の距離が減少する、および/または個別の伝導性電極の表面積が増加するにつれて、増加することができる。
【0050】
コンデンサは、電気負荷112をコンデンサに印加することによって、充電または放電され得る。例えば、コンデンサは、電圧が、別のエネルギー貯蔵または電力提供システム(例えば、電力端子、バッテリ等)を介して、コンデンサに印加されると、充電されることができる。電流の流動は、非伝導性誘電体によって中断され得、その結果、反対電荷が、コンデンサの2つの電極上に蓄積し得る。電位は、2つの電極間の誘電体を横断して作成され、続いて、貯蔵されることができる。別の実施例では、コンデンサは、電力を消費する電気負荷112をコンデンサと電気連通させることによって、放電され得る。電極上の電位は、電気負荷112を介して、放電され得る。
【0051】
電気二重層コンデンサ、電気化学コンデンサ、またはウルトラコンデンサとしても知られる、スーパーコンデンサは、通常のコンデンサによって貯蔵されるものを数桁上回る電荷の量(それによって、電気エネルギー)を貯蔵するように構成されることができる。本開示のコンデンサは、典型的コンデンサを少なくとも約1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、1000、または10000倍上回る量の電荷を貯蔵し得る。スーパーコンデンサは、電位が2つの伝導性電極104、108間に誘電体106または誘電体均等物を横断して蓄積することを可能にすることによって、電気エネルギーを貯蔵し得、2つの伝導性電極104、108はそれぞれ、その間に位置付けられる誘電体106によって、他方から隔離される。
【0052】
誘電体106は、電解質および/またはセパレータを備えることができる。例えば、2つの電極104、108およびセパレータは、電解質中に浸漬されることができる。第1の電極104および第2の電極108は、スーパーコンデンサが充電されると、反対電荷が、電解質を通したイオン移動を介して、誘電体セパレータと各電極との間の誘電体セパレータの両側上に形成され得るように、相互にイオン連通することができる。バッテリ内と異なり、電極は、電解質と化学的に反応しない。その結果、2つの対の反対電荷層は、電位を貯蔵することができる。
【0053】
2つの電極はそれぞれ、電子を伝導させることが可能であることができる。スーパーコンデンサの第1の電極104は、第1の端子115を介して、回路114と電気連通する、第1の伝導性材料を含むことができる。第1の端子115は、第1の伝導性材料と別個の伝導性構成要素であることができる、または、回路114へおよび/またはそこからの第1の電極104の接続点であることができる。例えば、第1の伝導性材料は、第1の端子115を介して回路114と連通する、多孔性伝導性材料(例えば、活性炭、グラフェン、カーボンナノチューブ、カーボンブラック等)から形成されてもよい。多孔性伝導性材料は、有益なこととして、電極の実際の表面積を増加させ、電荷(例えば、イオン)を貯蔵し、それによって、コンデンサ(例えば、スーパーコンデンサ)の静電容量を増加させ得る。同様に、スーパーコンデンサの第2の電極108は、第2の端子116を介して共通回路114と電気連通する、第2の伝導性材料を含むことができる。第2の端子116は、第2の伝導性材料と別個の伝導性構成要素であることができる、または、回路114へおよび/またはそこからの第2の電極108の接続点であることができる。例えば、第2の伝導性材料はまた、第2の端子116を介して回路114と連通する、多孔性伝導性材料から形成されてもよい。
【0054】
異なる材料が、コンデンサの電極および/または誘電体を形成し、電力密度およびエネルギー密度等のコンデンサの性能容量を変化させるために選択されることができる。いくつかの事例では、所望の性能容量は、動作可能温度範囲、熱安定性(例えば、可燃性)、構造安定性、耐久性、毒性、環境影響、寸法限界(例えば、サイズ、重量等)、製造の経済性、および/またはそれらの組み合わせ等の他の考慮点と比較検討されなければならない。
【0055】
いくつかの事例では、第1の電解質組成物(例えば、第1の塩および第1の溶媒等)を第2の材料(例えば、活性炭)から作製される電極と組み合わせて使用する等、コンデンサ内の対合される異なる材料は、異なる結果を生産し得る。例えば、より大きい電極表面積は、概して、静電容量を増加させることができる。しかしながら、電極が、多孔性構造を備えるとき、電極の多孔性構造を通した、またはその間の(電解質中の)イオンの輸送能力は、より大きい利用可能な表面積の有効性に影響を及ぼし得る。例えば、特定の電解質組成物中のイオンは、小さすぎ、または大きすぎ、多孔性構造の表面と効果的に界面接触することができなくなり得る。
【0056】
グラフェン(例えば、活性グラフェン、湾曲グラフェン、レーザスクライブグラフェン、超薄平面グラフェン、海綿体状グラフェン等)または大きくかつ平坦な吸着表面および高面内電気伝導性を備える他の炭素マイクロまたはナノ材料等のコンデンサ電極として使用されるために比較的に最適な構造を備える材料は、他の代替と比較して、製造が高価であり得る。例えば、グラフェン状材料は、剥離(例えば、修正Hummers法)、化学蒸着、またはマイクロ波合成等の比較的にコストのかかる方法を使用して合成されることができる。対照的に、石油またはバイオ廃棄物から導出される炭素は、熱分解または水熱方法を通して合成されることができる。
【0057】
いくつかの事例では、靱皮繊維材料、靱皮粉末材料、または麻オガラ材料(例えば、繊維または粉末)等のバイオマスが、水熱合成等の従来のプロセスを使用して、例えば、グラフェン状カーボンナノシート構造(例えば、1ナノメートル~最大で1000ナノメートルまたは500ナノメートルの寸法を有する炭素シート)等の本開示のコンデンサの構成要素を製造するための前駆体として使用されることができる。そのような前駆体は、例えば、シート、管、またはロールの形態で形成されてもよい。靱皮繊維、靱皮粉末、麻オガラ、またはその誘導体は、コンデンサの1つ以上の構成要素(例えば、電極)のための活性材料であり得る。
【0058】
例えば、靱皮繊維および/またはオガラ繊維は、最初に、水熱炭化を受け、繊維の最初の糸様構造をより小さい断片に分解することができる。水熱合成プロセスは、高酸素含有率(例えば、酸素含有官能基)をもたらし、産生物を水酸化カリウム(KOH)等の活性化試薬を使用した後続活性化プロセスを受けやすくすることができる。水熱プロセス後、繊維は、次いで、例えば、繊維に浸透し、カーボンナノシートを生成するために、KOHで活性化されることができる。活性化温度は、少なくとも摂氏約600度(℃)、650℃、700℃、705℃、710℃、715℃、720℃、725℃、730℃、735℃、740℃、745℃、750℃、755℃、760℃、765℃、770℃、775℃、780℃、785℃、790℃、795℃、800℃、またはより高くあることができる。代替として、活性化温度は、約800℃、790℃、780℃、770℃、760℃、750℃、740℃、730℃、720℃、710℃、700℃、650℃、600℃、またはそれを下回る温度未満またはそれと等しくあることができる。靱皮繊維および/またはオガラ繊維は、サイズを低減させる、または繊維構造を広げるため等、事前に処理される場合とそうではない場合がある。
【0059】
水熱炭化プロセスは、黒鉛薄片を生成し得る。黒鉛薄片は、少なくとも約10マイクロメートル(μm)、50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、またはそれを上回る直径を有することができる。代替として、黒鉛薄片の直径は、約500μm、400μm、300μm、200μm、100μm、50μm、10μm、またはより小さい直径未満またはそれと等しくあることができる。黒鉛薄片は、少なくとも約0.1μm、1μm、10μm、20μm、40μm、80μm、100μm、120μm、150μm、またはそれを上回る厚さを有することができる。代替として、黒鉛薄片の厚さは、約150μm、120μm、100μm、80μm、40μm、20μm、10μm、1μm、0.1μm、またはより小さい厚さ未満またはそれと等しくあることができる。代替として、またはそれに加え、靱皮繊維、靱皮粉末、オガラ繊維、またはオガラ粉末材料の水熱炭化は、カーボンナノシートの少なくとも1つのスタックを生成し得る。
【0060】
水熱炭化プロセスからの黒鉛薄片またはカーボンナノシートの少なくとも1つのスタックは、1個の炭素原子の厚さを有する少なくとも1つのカーボンナノシートを生成するために、1つ以上の剥離技法を用いて処理されてもよい。剥離技法は、高スケーラビリティ、再現性、処理性、および/または低生産コストを有することができる。1つ以上の剥離技法は、流体動態に基づいて、液相剥離(LPE)デバイスを利用してもよい。LPEデバイスのための好適な溶媒は、有機溶媒(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド)、界面活性剤/水溶液、芳香族溶媒、またはイオン性液体であり得る。LPEデバイスは、流体動態を使用して、黒鉛薄片またはカーボンナノシートの少なくとも1つのスタックを集約的剪断力下で好適な溶媒のうちの1つまたはその混合物中に分散させ得る。集約的剪断力は、少なくとも1つのカーボンナノシートをカーボンナノシートの少なくとも1つのスタックから剥離または剥脱させるために十分であり得る。流体動態を利用する、LPEデバイスは、渦流体デバイス、圧力駆動式流体動態デバイス、または回転式ミキサ駆動式流体動態デバイスであってもよい。渦流体デバイスの動作速度は、少なくとも約10回転/分(r.p.m.)、100r.p.m.、1,000r.p.m.、または10,000r.p.m.、またはより高くてもよい。代替として、動作速度は、約10,000r.p.m.、1,000r.p.m.、100r.p.m.、10r.p.m.、またはそれを下回る速度未満またはそれと等しくてもよい。圧力駆動式流体動態デバイスの圧力は、少なくとも約1メガパスカル(MPa)、5MPa、10MPa、20MPa、30MPa、40MPa、50MPa、100MPa、またはより高くてもよい。代替として、圧力は、100MPa、50MPa、40MPa、30MPa、20MPa、10MPa、5MPa、またはより低い圧力未満またはそれと等しくてもよい。回転式ミキサ駆動式流体動態デバイスのロータ速度は、少なくとも約10r.p.m.、100r.p.m.、1,000r.p.m.、または10,000r.p.m.、またはより高くてもよい。代替として、ロータ速度は、約10,000r.p.m.、1,000r.p.m.、100r.p.m.、10r.p.m.、またはより低い速度未満またはそれと等しくてもよい。
【0061】
別の実施例では、靱皮またはオガラ粉末は、靱皮またはオガラから導出される、マイクロ結晶性セルロース(MCC)、ナノ結晶性セルロース(NCC)、またはセルロースナノ結晶(CNC)等のミクロンサイズまたはナノサイズのセルロース粒子を含むことができる。粉末は、ナノ粒子および/またはマイクロ粒子を含んでもよい。ある場合には、MCC、NCC、およびCNCは、酸加水分解(例えば、塩酸加水分解)を介して、靱皮またはオガラから隔離および/または導出されてもよい。例えば、靱皮またはオガラ繊維は、回収後、10%未満の湿気含有率まで乾燥され(例えば、産業用オーブン内で)、細粉され(例えば、カッティングミル粉砕機を介して)、靱皮またはオガラ粉末(例えば、麻靱皮粉末、ケナフ靱皮粉末、麻オガラ粉末等)をもたらすことができる。粉末は、アルカリ処理および洗浄を受けることができる。ある場合には、アルカリ処理および洗浄は、4%(w/w)水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を用いた80℃で約2時間にわたる処理、蒸留水を用いた洗浄、および濾過を含むことができる。アルカリ処理および洗浄は、繰り返されることができる(例えば、2サイクル、3サイクル、4サイクル等)。アルカリ処理および洗浄に続いて、漂白処理が、実施されることができる。ある場合には、漂白処理は、等量の酢酸緩衝剤、塩化物水溶液1.7%(w/w)、および蒸留水を含有する溶液中に浸漬させ、蒸留水で洗浄し、および濾過するステップを含むことができる。漂白処理は、繰り返されることができる(例えば、2サイクル、3サイクル、4サイクル等)。靱皮またはオガラは、次いで、酸加水分解(例えば、塩酸加水分解、硫酸加水分解等)を受けることができる。いくつかの事例では、酸加水分解は、4~6%(w/w)漂白繊維を予熱された65%硫酸中に50℃で60分にわたって晒し、懸濁液を混合し(例えば、磁気攪拌器を介して)、4000回転/分(rpm)に維持され、蒸留水で透析される、遠心分離機を介して、30分にわたって分離するステップを含むことができる。髭結晶懸濁液は、均質化され、靱皮またはオガラ導出ナノセルロース髭結晶をもたらすことができる。別の実施例では、NCCまたはCNC(例えば、ナノ粒子)は、酸加水分解(例えば、塩酸加水分解、硫酸加水分解)等を介して、靱皮またはオガラから隔離されたセルロースを使用して調製されることができる。靱皮またはオガラ導出マイクロまたはナノ粉末は、高縦横比、高表面積、および高弾性等の性質を実証し得る。ある場合には、靱皮粉末は、ナノメートルまたはマイクロメートル範囲内の粒子を含むことができる。例えば、靱皮またはオガラ粉末粒子は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500ナノメートル(nm)、またはそれを上回る直径を有してもよい。代替として、靱皮またはオガラ粉末粒子は、最大で約500、450、400、350、300、250、150、100、90、80、70、60、50nm、またはそれ未満の直径を有してもよい。代替として、靱皮またはオガラ粉末粒子は、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500マイクロメートル(μm)、またはそれを上回る直径を有してもよい。代替として、靱皮またはオガラ粉末粒子は、最大で約500、450、400、350、300、250、150、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10μm、またはそれ未満の直径を有してもよい。
【0062】
上記の考慮点に照らして、コンデンサは、少なくとも部分的に、靱皮繊維、靱皮粉末、麻オガラ(例えば、繊維、粉末等)、またはその誘導体を含んでもよい。例えば、2つの電極のうちの1つまたは両方の電極は、靱皮繊維、靱皮粉末、麻オガラ、またはその誘導体を含むことができる。いくつかの事例では、靱皮繊維ベース、靱皮粉末ベース、または麻オガラベースの電極は、従来のイオン性液体電解質における好ましい電気化学性質を実証する、高レベルのメソ孔率を含有する、カーボンナノシートまたはカーボンナノチューブを含むことができる。代替として、または加えて、誘電体または誘電体の少なくとも一部は、靱皮繊維、靱皮粉末、麻オガラ、またはその誘導体を含むことができる。例えば、NFCおよびCNCの二重層は、スーパーコンデンサ内の誘電体として使用されることができる。いくつかの事例では、CNCおよびNFC誘電体は、CNC溶液(例えば、水中0.8重量%)の薄フィルムをスプレーコーティングし、CNCフィルムを乾燥させ(例えば、60℃で)、NFCゲル(例えば、水中0.8重量%)をドロップキャストし、脱水のために、ゲルを乾燥させる(例えば、室温で)ことによって、各電極上に堆積されることができる。機械的マスク(例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)マスク)が、堆積の間に使用されてもよい。
【0063】
いくつかの事例では、コンデンサは、少なくとも部分的に、麻(例えば、Cnnabis sativa L.)靱皮繊維、麻靱皮粉末、麻オガラ(繊維または粉末)、またはその誘導体を含んでもよい。麻繊維(例えば、靱皮繊維、オガラ繊維等)は、セルロース、セミセルロース、およびリグニンの1つ以上の層を含み得る。特に、麻繊維は、結晶性セルロース原繊維から成る、層状微小繊維を含み得る。麻繊維の水熱プロセス(例えば、約170~200℃で行われる)の間、他の反応(例えば、リグニンの加水分解、脱水、分解、凝縮等)の中でもとりわけ、結晶性セルロースは、部分的に、炭化され得る。水熱プロセスは、セルロース微小繊維の相互結合層を弛緩させながら、セミセルロースの大部分およびリグニンの一部を可溶性有機化合物に変換することができる。セミセルロースおよびリグニンは、溶解され、弛緩されたセルロース微小繊維を隔離することができる。
【0064】
後続活性化プロセス(例えば、約700~800℃で行われる)の間、例えば、KOH等の活性化試薬が、弛緩された微小繊維層に浸透し、それによって、層をシートとして分離することができる。KOHはさらに、分離された層を炭化および活性化し、その個別の厚さを低減させ、マイクロ多孔率およびメソ多孔率を炭素シート構造内に生成することができる。特に、麻前駆体の結晶性セルロース含有率は、KOH活性化プロセスからの誘導体形成が、その構造性質においてある整合度(例えば、黒鉛秩序)を備えることを可能にする。代替として、熱分解プロセスは、靱皮またはオガラ繊維誘導体を合成するために使用されることができる。
【0065】
麻繊維の結果として生じる誘導体は、コンデンサシステムにおいて使用するための好ましいマイクロ多孔率、メソ多孔率、および黒鉛整合度を伴う、カーボンナノシートを含むことができる。いくつかの事例では、そのような繊維(例えば、純麻)またはその誘導体(例えば、グラフェン状カーボンナノシート)は、第1の電極のための第1の伝導性材料(例えば、図1における第1の電極104の材料)、第2の電極のための第2の伝導性材料(例えば、図1における第2の電極108の材料)、または第1および第2の電極の両方のための伝導性材料として使用されることができる。誘電体、電解質、および/またはセパレータは、第1の電極と第2の電極との間に設置され、コンデンサを完成することができる。代替として、靱皮、オガラ、または破片繊維は、亜麻、真麻、黄麻、ケナフ、シナノキ、菩提樹、および/または他の植物から取得されることができる。
【0066】
他の事例では、靱皮繊維、靱皮粉末、オガラ、またはその誘導体は、誘電体材料(例えば、図1における誘電体106)として使用されることができる。例えば、靱皮またはオガラ(例えば、繊維または粉末)中のセルロース繊維または粉末は、比較的に高電気誘電率を備えることができ、これは、コンデンサ性能のために有利であり得る。いくつかの事例では、天然繊維または粉末(例えば、靱皮繊維、靱皮粉末、オガラ繊維、オガラ粉末等)は、可変割合において、合成繊維または粉末と混合され、電気抵抗および/または電気誘電率を変動させることができる。いくつかの事例では、湿気含有率(例えば、湿度)は、改変され、靱皮またはオガラ材料の電気抵抗および/または電気誘電率を変動させることができる。例えば、靱皮またはオガラ材料は、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはそれを上回る湿気含有率を有することができる。代替として、靱皮またはオガラ材料は、約95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、またはそれを下回る含有率未満またはそれと等しい湿気含有率を有することができる。
【0067】
いくつかの事例では、動作温度は、変動され、電気抵抗および/または電気誘電率を変動されることができる。例えば、動作温度は、最大で約-50℃、-40℃、-30℃、-20℃、-10℃、0℃、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、またはより高くあることができる。代替として、動作温度は、150℃、140℃、130℃、120℃、110℃、100℃、90℃、80℃、70℃、60℃、50℃、40℃、30℃、20℃、10℃、0℃、-10℃、-20℃、-30℃、-40℃、-50℃またはそれを下回る温度未満またはそれと等しくあることができる。いくつかの事例では、靱皮材料は、ある湿度範囲および/または動作温度範囲にわたって可変電気抵抗および/または電気誘電率を伴って、性能を発揮するように構成されることができる。いくつかの事例では、靱皮またはオガラ繊維内のセルロース繊維内の波状構造の厚さ、表面質量、密度(例えば、ねじ山の数/単位長)、および/または他の構成(例えば、縦糸および横糸)は、改変され、電気抵抗および/または電気誘電率を変動させることができる。
【0068】
いくつかの事例では、そのような靱皮またはオガラ材料(例えば、純麻)またはその誘導体(例えば、グラフェン状カーボンナノシート、靱皮繊維補強ポリマー複合材、CNC、NCC等)は、誘電体材料(例えば、図1における誘電体106)として使用されることができる。例えば、ポリマー(例えば、純ポリプロピレン、純不飽和ポリエステル材料等)は、1つ以上の靱皮またはオガラ繊維または粉末(例えば、麻、黄麻等)で補強され、より高い誘電体定数(例えば、誘電率)を有する、ハイブリッド繊維または粉末複合材を形成することができる。第1の電極および第2の電極は、それぞれ、誘電体より高い電気伝導性を有し、それぞれ、誘電体に隣接して設置されることができ、第1および第2の電極は、相互から電気的に隔離される。
【0069】
いくつかの事例では、靱皮材料、オガラ材料、またはその誘導体は、電界紡糸、溶液鋳造、溶融物処理、および/または原位置重合プロセス等のプロセスを受け、大表面対体積比率等の所望の材料性質を伴うポリマー複合材を形成することができる。例えば、電界紡糸は、グラフェン、カーボンナノシート、カーボンナノチューブ、グラフェンナノリボン、および他の炭素ナノファイバ複合材等の高度に誘引性のナノ材料の堆積および分散を制御することができる。電界紡糸を通して、1マイクロメートル(ミクロン)未満の直径を伴う炭素繊維が、比較的に高制御を用いて形成されることができる。
【0070】
電界紡糸設定は、ポリマー溶液と、高電圧電力供給源と、針(例えば、吐糸管、ノズル等)と、電極コレクタとを備えることができる。高電圧電力供給源は、強電場を発生させるように構成される、任意の印加ユニットであることができる。ポリマー溶液は、針を通して、容器から退出し得る。電極コレクタは、針の先端からある距離を空けて配置されてもよい。ポリマー溶液および電極コレクタは、高電圧電力供給源等によって印加される、強電場を被り得る。ポリマー溶液の液滴は、針から退出し得る。電場内の電気力が、ポリマー溶液液滴の表面張力を克服すると、液滴は、略鞭状軌道において伸長され、溶液ジェットまたは集束流体流を形成することができる。強電場の方向下、溶液ジェットは、屈曲または叩打され、より薄く伸展し得る。その後、ジェットからの溶媒蒸発は、電極コレクタ上に無作為に堆積し、ナノファイバウェブを形成し得る、乾燥または半乾燥繊維をもたらし得る。電界紡糸された繊維直径は、約1ミクロン~約10ナノメートルの規模であり得る。結果として生じる繊維の小繊維直径および大縦横比は、有意に高い表面/体積比率につながり得る。
【0071】
いくつかの事例では、液滴は、ガス支援電界紡糸(GAES)システムにおけるように、強電場に加え、高速の円周方向に均一な空気流を受けることができる。GAESシステムは、繊維のはるかに高いスループット、より薄い繊維、および流体ジェットの向上された伸展性、および、例えば、近隣または隣接するノズル間の低電気干渉を伴って繊維をコレクタに向かって指向することのより良好な制御を提供することができる。
【0072】
入力ポリマー溶液は、グラフェン、カーボンナノシート、カーボンナノチューブ、グラフェンナノリボン、および他の炭素ナノファイバ複合材等の良好に分散された繊維量(例えば、靱皮、オガラ等)またはその誘導体を含むことができる。いくつかの事例では、本ポリマー/分散溶液は、ポリマー溶液を分散溶液と別個に作製し、それらをともに混合することによって調製されることができる。ポリマー/分散溶液は、均質溶液であることができる。本ポリマー/分散溶液を電界紡糸することは、良好に分散された埋設ナノ構造を有する、結果として生じるナノ複合材繊維を生成することができる。例えば、電界紡糸を受ける、カーボンナノチューブ(CNT)/ポリマー複合材は、CNTがナノファイバ軸と略平行に配向される、より良好に整合されたナノ複合材繊維をもたらし得る。いくつかの事例では、CNTの安定分散は、疎水性ナノチューブ上に吸着され得る、界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、大両親媒性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン)、および/または天然マクロ分子(例えば、多糖類、アラビアガム)を使用することによって達成されることができる。いくつかの事例では、分散は、溶液の超音波処理を介して促進されることができる。
【0073】
有益なこととして、電界紡糸靱皮繊維/ポリマー複合材(例えば、CNT/ポリマー複合材)は、本明細書に説明されるコンデンサおよび/またはスーパーコンデンサにおける用途に好適な有意に改良された機械的および電気性質を実証し得る。ポリマー繊維内のナノチューブの改良された分散および配向およびナノチューブ表面修飾に起因した強界面接着力は、ポリマーの引張強度およびヤング率を有意に改良することができる。繊維/ポリマー複合材はまた、滑脱および応力を遮蔽する繊維表面上のナノ細孔およびポリマー基質から機械的負荷を受ける繊維軸に沿って高度に整合されたナノチューブ等に起因して、機械的歪み(例えば、破砕歪み)に対する改良された抵抗を有し得る。さらに、繊維/ポリマー複合材内の伝導性天然繊維(例えば、靱皮繊維、オガラ繊維等)または繊維誘導体の存在は、そうでなければ比較的に低伝導性ポリマーが種々の用途のための伝導性を改良するための方法を提供することができる。
【0074】
ナノファイバ天然繊維/ポリマー複合材は、本明細書に説明されるようなコンデンサまたはスーパーコンデンサにおける電極および/または誘電体等のための材料として使用されることができる。
【0075】
いくつかの事例では、コンデンサの電極、誘電体、および/または全てが、靱皮またはオガラ材料(例えば、麻、亜麻等)繊維または粉末が、入力および/または出力材料である、3次元(3D)印刷を介して、生産され、および/または組み立てられてもよい。3D印刷は、3Dナノ印刷であることができる。例えば、コンデンサの個々の構成要素は、高モジュール性および可撓性を伴って、所望の場所(例えば、パネル、ウィング、布地等)上に層毎に印刷されてもよい。
【0076】
少なくとも部分的に、靱皮繊維、靱皮粉末、オガラ繊維、オガラ粉末、またはその誘導体を含むコンデンサは、最大で約10グラム(g)、20g、30g、40g、50g、100g、200g、300g、400g、500g、600g、700g、800g、900g、1キログラム(kg)、1.1kg、1.2kg、1.3kg、1.4kg、1.5kg、2kg、3kg、4kg、5kg、6kg、7kg、8kg、9kg、10kg、15kg、20kg、30kg、またはより高い質量を有することができる。いくつかの事例では、コンデンサの質量は、コンデンサに電気的に結合される、特定のタイプの電気負荷(送電網、スマートグリッド、または車両、ガス車、電気自動車、飛行機、ジェット機、電車、鉄道車両、船舶、モータ船舶、電子デバイス、再生可能エネルギー回収および/または貯蔵システムの電気回路等)の電力ニーズを満たすように調整されることができる。
【0077】
図2は、天然繊維または粉末コンデンサを使用して、電気エネルギーを貯蔵する方法を図示する。第1の動作201では、靱皮繊維、靱皮粉末、オガラ、またはその誘導体を含むコンデンサが、活性化される。コンデンサは、少なくとも部分的に、靱皮繊維、靱皮粉末、オガラ、またはその誘導体を含むことができる。いくつかの事例では、コンデンサの第1の電極、第2の電極、または第1および第2の電極の両方は、靱皮繊維、靱皮粉末、オガラ、またはその誘導体を含むことができる。他の事例では、コンデンサの誘電体は、靱皮繊維、靱皮粉末、オガラ、またはその誘導体を含むことができる。さらにある他の事例では、誘電体およびコンデンサの一方または両方の電極の両方は、靱皮繊維、靱皮粉末、オガラ、またはその誘導体を含むことができる。例えば、コンデンサは、全体として、靱皮材料(例えば、繊維、粉末)、靱皮導出、オガラ材料(例えば、繊維、粉末)、またはオガラ導出生成物から成ることができる。ある場合には、一方または両方の電極は、靱皮またはオガラ誘導体(例えば、麻靱皮またはオガラ繊維のグラフェン状誘導体)を含むことができ、誘電体は、純靱皮またはオガラ材料(例えば、純麻繊維)または靱皮またはオガラ材料の混合物(例えば、合成繊維、粉末等の有無にかかわらず)を含むことができる。
【0078】
第1および第2の電極は、電子が、直接、2つの電極へまたはそこから伝導されないように、相互から電気的に隔離されることができる。誘電体は、第1の電極および第2の電極のそれぞれに隣接して、かつ2つの電極間に設置されることができる。いくつかの事例では、スーパーコンデンサに関して、誘電体は、電解質および/または電解質中に浸漬されたセパレータを備えることができる。第1および第2の電極はそれぞれ、電解質と接触し、電解質と化学的に反応しないように構成されることができる。例えば、電解質中に存在する複数のイオンは、電極-電解質界面上に集中することができる。
【0079】
いったんコンデンサが、次の動作202において活性化されると、コンデンサは、電気負荷および/または電源と電気連通されることができる。例えば、第1の電極の端子および第2の電極の端子および電気負荷および/または電源は、同一回路に電気的に接続されることができる(例えば、伝導性ワイヤを介して)。次の203では、コンデンサは、電気負荷および/または電源を介して、充電または放電されることができる。いくつかの事例では、コンデンサは、コンデンサを充電する電源に電気的に接続されることができる。例えば、電源は、代替エネルギー貯蔵システム(例えば、バッテリ)または電力供給源であることができる。他の事例では、コンデンサは、電力を消費し、コンデンサを放電させる、電気負荷に電気的に接続されることができる。
【0080】
図3は、電気負荷302と電気連通する、コンデンサ304の概略図を示す。いくつかの事例では、第1の電子構成要素(例えば、コンデンサ、電気負荷等)は、第1および第2の電子構成要素が同一電気回路の構成要素であるとき、第2の電子構成要素と電気連通することができる。電気負荷302は、送電網または車両、飛行機、ジェット機、電車、鉄道車両、船舶、電子デバイス、送電網、スマートグリッドの電気回路、または電力を消費または発生させることが可能な別のデバイスであることができる。車両の実施例は、ガス自動車、電気自動車、ハイブリッドガス/電気車両、モータ船舶、または他の電気または非電気車両を含む。電子デバイスは、パーソナルコンピュータ(例えば、ポータブルPC、デスクトップPC等)、スレートまたはタブレットPC(例えば、Apple(登録商標)iPad(登録商標)、Samsung(登録商標)Galaxy Tab等)、電話、スマートフォン(例えば、Apple(登録商標)iPhone(登録商標)、Android対応デバイス、Blackberry(登録商標)等)、または携帯情報端末であってもよい。一例として、コンデンサ304は、車両または他の輸送ユニット(例えば、飛行機)のエンジンの始動、制動、および/または車輪における加速の提供等、短いが、電力の強力なバーストを要求する、電気負荷に給電するために使用されてもよい。例えば、コンデンサ304と電気連通する飛行機は、離陸のために要求される滑走路の長さを短縮させる等のために、離陸の際および/またはその近傍においてその車輪を加速させるための十分な電力のバーストを受け得る。
【0081】
コンデンサ304は、種々の高処理およびコンピューティングシステムに給電するために使用されることができる。例えば、ブロックチェーンマイニングシステム(例えば、暗号通貨トークン等のため)、人工知能システム、量子システム、機械学習システム、暗号化システム(任意の解読方法を含む、)、ネットワークオペレーティングシステム、高精細グラフィックシステム、または他の大型システム等の任意の高負荷処理作業に適用されるコンピューティングシステムは、本開示のコンデンサによって給電されてもよい。代替として、または加えて、コンデンサは、上記のシステムを有意に冷却し、過熱を防止するために使用されてもよい。
【0082】
コンデンサ304は、種々の水平離陸および着陸(HOTOL)または垂直離陸および着陸(VTOL)航空機システムに給電するために使用されることができる。例えば、離陸、飛行、または着陸するために使用される、ロータ、プロップロータ、およびプロペラは、本開示のコンデンサによって給電されてもよい。ロータ、プロップロータ、またはプロペラは、電気またはハイブリッドガス/電気式であってもよい。HOTOL航空機システムは、分散型電気推進システムであってもよい。VTOL航空機システムは、ドローン等の無人航空機(UAV)であってもよい。UAVは、遠隔場所におけるパイロットによって無線周波数を使用して遠隔で飛行される、または事前にプログラムされた飛行に従って、自律的に飛行してもよい。コンデンサ304によって給電される航空機システムは、少なくとも1人の乗客、1つの荷物、または両方を搬送するための輸送システムとして使用されてもよい。
【0083】
コンデンサ304は、装着可能エネルギー貯蔵装置として装着可能な織物の中に組み込まれることができる。いくつかの事例では、靱皮またはオガラ材料またはその誘導体(例えば、カーボンナノシート)は、誘電体材料の一部として、高縦横比を伴う2次元スーパーコンデンサ内に統合されることができる(例えば、ワイヤ、糸等)。2次元スーパーコンデンサは、可撓性であってもよい。2次元スーパーコンデンサは、装着可能エネルギー貯蔵装置として、装着可能織物の中に織り込まれ、種々のコンピューティングシステムまたは電子デバイスに給電および/または充電してもよい。装着可能織物は、手袋、靴下、シャツ、ネクタイ、ベルト、および軍用ベストを含んでもよい。種々のコンピューティングシステムまたは電気デバイスは、装着可能織物(例えば、温度センサ、加熱器、発光ダイオードディスプレイ、心拍数モニタ、フィットネストラッカ等)または別個のポータブルデバイス(例えば、モバイルデバイス、スマートウォッチ、スマートグラス、フィットネストラッカ等)の一部であってもよい。2次元スーパーコンデンサは、少なくとも0.1、1、10、100、1000マイクロメートル、またはそれを上回る断面寸法を有する、マイクロスーパーコンデンサであってもよい。2次元スーパーコンデンサは、限定ではないが、伝導性材料および靱皮材料またはその誘導体の階層的に構造化された組成物であってもよい。階層的構造組成物は、層毎(LBL)アセンブリであってもよい。ある実施例では、少なくとも1つの伝導性ポリマーを含む、伝導性層と、少なくとも靱皮および/またはオガラ材料またはその誘導体を含む、誘電体層とを含む、2層膜が、2次元スーパーコンデンサ糸に巻装されてもよい。アクチュエータが、2層膜を2次元スーパーコンデンサ糸に巻装するために使用されてもよい。誘電体層は、2次元スーパーコンデンサ糸の長さに沿って整合される、マスト繊維を含んでもよい。誘電体層はさらに、液体または固体電解質および/またはセパレータを備えてもよい。誘電体層は、セパレータとして、好ましいマイクロ多孔率および/またはメソ多孔率の空気の程度を含有してもよい。2次元スーパーコンデンサ糸は、伝導性層および誘電体層の複数のLBLアセンブリを構成してもよい。2次元スーパーコンデンサ糸は、伝導性層および誘電体層の少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、またはそれを上回るLBLアセンブリを有してもよい。
【0084】
いくつかの事例では、コンデンサ304は、都市または複数の都市と同規模の領域のための送電網またはスマートグリッドの一部として統合されることができる。いくつかの事例では、電気負荷302は、限定ではないが、太陽発電、風力発電、水力発電、地熱発電、および重力支援発電システム等の代替および/または再生可能エネルギー回収または貯蔵システムであることができる。いくつかの事例では、コンデンサ304は、エネルギー回収または貯蔵システムのための電力バッファとして作用してもよい。
【0085】
いくつかの事例では、同一電気負荷(例えば、車両、エネルギー回収または貯蔵システム等)は、電気負荷の異なる用途等のために、コンデンサの充電および放電の両方を行うことができる。いくつかの事例では、第1の電気負荷は、コンデンサを充電することができ、第2の電気負荷は、コンデンサを放電することができる。コンデンサ304と、電気負荷302とを備える、回路は、他の電気構成要素(例えば、スイッチ、トランジスタ、調整器等)を備え、コンデンサ304と電気負荷302との間の電気連通を促進することができる。いくつかの事例では、コンデンサ304は、複数の電気負荷と電気連通することができる。いくつかの事例では、電気負荷302は、複数のコンデンサ304と電気連通することができ、これは、連続して直列に、連続して並行して、および/または非連続して接続される。いくつかの事例では、回路は、複数のコンデンサと、複数の電気負荷とを備えてもよい。いくつかの事例では、回路は、コンデンサ304を含む、複数の電源(例えば、燃料電池、バッテリ、他のコンデンサ等)を備えてもよい。上記にまたはさらに下記に説明される任意の回路のための回路アーキテクチャは、図3の概略図に示されるものに限定されない。
【0086】
靱皮繊維、靱皮粉末、オガラ、またはその誘導体を含むコンデンサは、少なくとも約-100℃、-50℃、-40℃、-30℃、-20℃、-10℃、0℃、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、200℃、250℃、300℃、350℃、またはより高い温度において、電力を充電または放電することが可能であることができる。代替として、コンデンサは、350℃、300℃、250℃、200℃、150℃、100℃、90℃、80℃、70℃、60℃、50℃、40℃、30℃、20℃、10℃、0℃、-10℃、-20℃、-30℃、-40℃、-50℃、-100℃、またはそれを下回る温度未満またはそれと等しい温度において、電力を充電または放電することが可能であることができる。いくつかの事例では、コンデンサは、約60~100℃等の温度範囲において、電力を充電または放電することが可能であることができる。例えば、ある温度を下回ると、充電および/または放電率は、限定され得る。例えば、ある温度を上回る、コンデンサは、不安定となり得る(例えば、電極材料および/または誘電体材料の熱安定性、可燃性に起因して)。いくつかの事例では、コンデンサは、別の温度範囲よりある温度範囲(例えば、60~100℃)において、より良好な性能(例えば、より高い電力密度、より高いエネルギー密度等)を有することができる。
【0087】
いくつかの事例では、約60~100℃の温度範囲にわたって、コンデンサは、少なくとも約55キロワット/キログラム(kW/kg)の有効質量の電力密度を有するように構成されることができる。より比較的に高い電力密度は、コンデンサが、比較的により短い時間周期において、ある量の電気エネルギーを再充電および/または供給することを可能にすることができる。代替として、コンデンサは、少なくとも約1kW/kg、5kW/kg、10kW/kg、15kW/kg、20kW/kg、25kW/kg、50kW/kg、55kW/kg、60kW/kg、65kW/kg、70kW/kg、75kW/kg、80kW/kg、85kW/kg、90kW/kg、95kW/kg、100kW/kg、110kW/kg、120kW/kg、130kW/kg、140kW/kg、150kW/kg、200kW/kg、250kW/kg、300kW/kg、350kW/kg、400kW/kg、またはより高い電力密度を有することができる。いくつかの事例では、コンデンサは、別の温度範囲よりある温度範囲において、より高い電力密度を有することができる。
【0088】
いくつかの事例では、約60~100℃の温度範囲にわたって、コンデンサは、少なくとも約40ワット時/キログラム(Wh/kg)の有効質量のエネルギー密度を有するように構成されることができる。より比較的に高いエネルギー密度は、コンデンサが、固定量の有効質量において(例えば、コンデンサあたり)、比較的により高い量のエネルギーを貯蔵することを可能にすることができる。代替として、コンデンサは、少なくとも約1Wh/kg、5Wh/kg、10Wh/kg、15Wh/kg、20Wh/kg、25Wh/kg、50Wh/kg、55Wh/kg、60Wh/kg、65Wh/kg、70Wh/kg、75Wh/kg、80Wh/kg、85Wh/kg、90Wh/kg、95Wh/kg、100Wh/kg、110Wh/kg、120Wh/kg、130Wh/kg、140Wh/kg、150Wh/kg、200Wh/kg、250Wh/kg、300Wh/kg、350Wh/kg、400Wh/kg、またはより高いエネルギー密度を有することができる。そのようなエネルギー密度は、コンデンサの少なくとも約10、25、50、75、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、またはそれを上回る充電/放電サイクルにわたってもよい。いくつかの事例では、コンデンサは、別の温度範囲よりある温度範囲において、より高いエネルギー密度を有することができる。
【0089】
いくつかの事例では、約60~100℃の温度範囲にわたって、コンデンサは、少なくとも約250充電/放電サイクルに耐えながら、少なくとも約55kW/kg有効質量の電力密度および/または少なくとも約40Wh/kg有効質量のエネルギー密度を維持するように構成されることができる。コンデンサが耐え得る充電/放電サイクルが多くなるほど、より長く、コンデンサが、交換の必要なく、回路内に留まることができる。代替として、コンデンサは、少なくとも約10、25、50、75、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、またはそれを上回る充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約55kW/kg有効質量の電力密度および/または少なくとも約40Wh/kg有効質量のエネルギー密度を維持することができる。代替として、コンデンサは、少なくとも約10、25、50、75、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、またはそれを上回る充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約75kW/kg有効質量の電力密度および/または少なくとも約60Wh/kg有効質量のエネルギー密度を維持することができる。代替として、コンデンサは、少なくとも約10、25、50、75、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、またはそれを上回る充電/放電サイクルにわたって、少なくとも約100kW/kg有効質量の電力密度および/または少なくとも約80Wh/kg有効質量のエネルギー密度を維持することができる。いくつかの事例では、コンデンサは、別の温度範囲よりある温度範囲において、より多くの充電/放電サイクルに耐えることができる。
【0090】
いくつかの事例では、約60~100℃の温度範囲にわたって、コンデンサは、約10秒未満の充電および/または放電時間を有するように構成されることができる。代替として、コンデンサは、最大で約60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.1、0.01、またはそれより短い充電/放電時間を有することができる。いくつかの事例では、コンデンサは、別の温度範囲よりある温度範囲において、より高いエネルギー密度を有することができる。
【0091】
靱皮繊維、靱皮粉末、オガラ、またはその誘導体を含む電極または誘電体材料等の本明細書に説明されるコンデンサの1つ以上の構成要素は、バッテリ(例えば、ソリッドステートバッテリ)、燃料電池、電気化学セル、再充電可能セル(例えば、二次セル)、または他の貯蔵システム等の他の電力またはエネルギー貯蔵システムのための構成要素として使用されてもよい。例えば、バッテリは、コンデンサにおいて使用するための本明細書のいずれかに説明される電極等、靱皮繊維、靱皮粉末、オガラ、またはその誘導体を含む1つ以上の電極を備えてもよい。靱皮繊維、靱皮粉末、オガラ、またはその誘導体は、電極のための活性材料であり得る。いくつかの事例では、バッテリは、靱皮繊維、靱皮粉末、オガラ、またはその誘導体を含む1つの電極を備えてもよい。いくつかの事例では、バッテリは、2つの電極を備えてもよく、それぞれ、靱皮繊維、靱皮粉末、オガラ、またはその誘導体の同一または異なる組成物を含む。電力またはエネルギー貯蔵システムは、他の植物導出材料(例えば、麻導出、亜麻導出等)を含んでもよい。
【実施例0092】
(実施例)
【0093】
ある実施例では、コンデンサにおいて使用するための電極は、麻靱皮繊維の水熱生成物を炭化および活性化することによって形成された。麻靱皮繊維および希釈された硫酸が、鋼鉄オートクレーブの内側に密閉された。オートクレーブは、180℃で24時間にわたって加熱され、次いで、室温(例えば、約20~25℃)まで冷却された。オートクレーブ内の内容物は、濾過され、蒸留水で洗浄され、乾燥され、炭素質固体(例えば、バイオ炭)をもたらした。バイオ炭および水酸化カリウム(KOH)が、1:1質量比率で混合され、混合物は、700~800℃(例えば3℃/分)で1時間にわたってアルゴン流動下で加熱された。活性化されたサンプルは、次いで、10重量%(重量%)塩酸(HCl)および蒸留水で洗浄された。炭素は、オーブン内で100℃で12時間にわたって乾燥された。上記のプロセスを通して700℃で活性化されたカーボンナノシート(CNS-700)は、1690平方メートル/グラム(m-1)の表面積密度を有し、上記のプロセスを通して750℃で活性化されたカーボンナノシート(CNS-750)は、2287m-1の表面積密度を有し、上記のプロセスを通して800℃で活性化されたカーボンナノシートで活性化されたカーボンナノシート(CNS-800)は、1505m-1の表面積密度を有した。CNS-700、CNS-750、およびCNS-800に関する電気伝導性は、それぞれ、217ジーメンス/メートル(Sm-1)、211Sm-1、および226Sm-1であった。20℃の動作温度では、CNS-750およびCNS-800は、それぞれ、19ワット時/キログラム(Whkg-1)および18Whkg-1のエネルギー密度を呈した。60℃の動作温度では、CNS-750およびCNS-800は、それぞれ、34Whkg-1および31Whkg-1のエネルギー密度を呈した。100℃の動作温度では、CNS-750およびCNS-800は、それぞれ、40Whkg-1および34Whkg-1のエネルギー密度を呈した。動作温度20℃、60℃、および100℃における最大電力密度CNS-800は、それぞれ、28キロワット/キログラム(kWkg-1)、49kWkg-1、および77kWkg-1であった。CNS-800は、10,000サイクル後も、初期静電容量の96%を留保することができた。
【0094】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書で示され、説明されているが、そのような実施形態は、一例のみとして提供されることが当業者に明白となるであろう。本発明が本明細書内で提供される具体的実施例によって限定されることは、意図されない。本発明は、前述の明細書を参照して説明されているが、本明細書の実施形態の説明および例証は、限定的な意味で解釈されるように意図されていない。多数の変形例、変更、および代用が、ここで、本発明から逸脱することなく、当業者に想起されるであろう。さらに、本発明の全ての側面は、種々の条件および変数に依存する、本明細書に記載される具体的描写、構成、または相対的割合に限定されないことを理解されたい。本明細書に説明される本発明の実施形態の種々の代替物が、本発明を実践する際に採用され得ることを理解されたい。したがって、本発明はまた、任意のそのような代替物、修正、変形例、または均等物も網羅するものとすると考慮される。以下の請求項は、本発明の範囲を定義し、それにより、これらの請求項およびそれらの均等物の範囲内の方法および構造がカバーされることが意図される。
図1
図2
図3
【外国語明細書】