(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063252
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】カートリッジメモリ、記録媒体カートリッジおよび記録再生システム
(51)【国際特許分類】
G11B 23/107 20060101AFI20240501BHJP
G11B 23/30 20060101ALI20240501BHJP
G11B 15/68 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
G11B23/107
G11B23/30 Z
G11B15/68
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024038468
(22)【出願日】2024-03-12
(62)【分割の表示】P 2020520829の分割
【原出願日】2019-10-21
(31)【優先権主張番号】P 2018200365
(32)【優先日】2018-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003236
【氏名又は名称】弁理士法人杉浦特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100123973
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 拓真
(74)【代理人】
【識別番号】100082762
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 正知
(74)【代理人】
【識別番号】100160440
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】栃久保 伸哉
(72)【発明者】
【氏名】岩間 孝信
(72)【発明者】
【氏名】中塩 栄治
(72)【発明者】
【氏名】阿武 和男
(72)【発明者】
【氏名】足立 直大
(57)【要約】
【課題】安定した通信を行うことができるカートリッジメモリを提供することにある。
【解決手段】カートリッジメモリは、記録媒体カートリッジに用いられるカートリッジメモリであって、電磁誘導により誘起電圧を誘起するアンテナ部と、負荷の大きさが可変である負荷変調部と、誘起電圧を測定し、測定した誘起電圧に応じて負荷変調部を制御する制御部とを備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体カートリッジに用いられるカートリッジメモリであって、
電磁誘導により誘起電圧を誘起するアンテナ部と、
負荷の大きさが可変である負荷変調部と、
前記誘起電圧を測定し、測定した前記誘起電圧に応じて前記負荷変調部を制御する制御部と
を備えるカートリッジメモリ。
【請求項2】
前記負荷変調部は、抵抗が可変である抵抗可変部である請求項1に記載のカートリッジメモリ。
【請求項3】
前記制御部は、前記誘起電圧が小さくなるほど、前記抵抗を大きくする請求項2に記載のカートリッジメモリ。
【請求項4】
前記負荷変調部は、静電容量が可変である容量可変部である請求項1に記載のカートリッジメモリ。
【請求項5】
前記制御部は、前記誘起電圧が規定値より小さい場合には、前記負荷変調部を制御して共振周波数のズレ量を補正する請求項4に記載のカートリッジメモリ。
【請求項6】
前記制御部は、前記記録媒体カートリッジがロードされた後、アンロードされるまでは、最初に制御された負荷の大きさを保持する請求項1に記載のカートリッジメモリ。
【請求項7】
前記制御部は、前記誘起電圧を繰り返し測定し、前記誘起電圧が測定される度に、前記負荷変調部を制御する請求項1に記載のカートリッジメモリ。
【請求項8】
前記記録媒体カートリッジが、磁気テープカートリッジである請求項1に記載のカートリッジメモリ。
【請求項9】
請求項1に記載された前記カートリッジメモリを備える記録媒体カートリッジ。
【請求項10】
請求項1に記載された前記カートリッジメモリを備える記録媒体カートリッジと、
前記記録媒体カートリッジの記録再生を行う記録再生装置と
を備える記録再生システム。
【請求項11】
前記記録再生装置は、ドライブ、オートローダまたはライブラリ装置である請求項10に記載の記録再生システム。
【請求項12】
記録媒体カートリッジに用いられるカートリッジメモリの制御方法であって、
アンテナコイルに誘起された誘起電圧を測定し、測定した前記誘起電圧に応じて負荷変調を制御するカートリッジメモリの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カートリッジメモリおよびその制御方法、カートリッジならびに記録再生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子データの保存のために、磁気記録媒体が広く利用されている。特にデータ単位容量あたりのコストが安い磁気テープは再注目されており、クラウドストレージサービスで用いられる記録媒体として、HDD(Hard Disk Drive)と共にデータセンター等で活用されている。
【0003】
磁気テープはLinier Tape Open(LTO)Ultrium規格の磁気テープが広く普及している。LTO Ultium規格のテープカートリッジには、カートリッジメモリ(Cartridge Memory:CM)と呼ばれるRF無線通信を用いた非接触型の不揮発性メモリが内臓されている(例えば特許文献1参照)。カートリッジメモリには、例えば、製造情報、ドライブ使用履歴、ベンダー固有の管理情報等のデータが書き込まれる。カートリッジがドライブにロードされた後、ドライブがカートリッジメモリから上記のデータを読み取ることで、わずかな時間でカートリッジの使用状況等を調べることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ドライブ等の記録再生装置が有するアンテナの形状は、メーカーにより異なっている。また、カートリッジメモリに対するアンテナの位置も、記録再生装置のメーカーにより異なっている。このため、記録再生装置によっては、ヌル点が発生したり、消費電力が低下したりすることがで、安定した通信ができなくなる虞がある。
【0006】
本開示の目的は、安定した通信を行うことができるカートリッジメモリおよびその制御方法、カートリッジならびに記録再生システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、第1の開示は、記録媒体カートリッジに用いられるカートリッジメモリであって、電磁誘導により誘起電圧を誘起するアンテナ部と、負荷の大きさが可変である負荷変調部と、誘起電圧を測定し、測定した誘起電圧に応じて負荷変調部を制御する制御部とを備えるカートリッジメモリである。
【0008】
第2の開示は、第1の開示のカートリッジメモリを備える記録媒体カートリッジである。
【0009】
第3の開示は、第1の開示のカートリッジメモリを備える記録媒体カートリッジと、記録媒体カートリッジの記録再生を行う記録再生装置とを備える記録再生システムである。
【0010】
第4の開示は、記録媒体カートリッジに用いられるカートリッジメモリの制御方法であって、アンテナコイルに誘起された誘起電圧を測定し、測定した誘起電圧に応じて負荷変調を制御するカートリッジメモリの制御方法である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の第1の実施形態に係る記録再生システムの構成の一例を示す概略図である。
【
図2】カートリッジの構成の一例を示す分解斜視図である。
【
図3】磁気テープの構成の一例を示す断面図である。
【
図4】カートリッジメモリの構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】カートリッジメモリの状態遷移の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図6】カートリッジメモリの負荷変調の制御動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図7】本開示の第2の実施形態に係るカートリッジメモリの構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の実施形態について以下の順序で説明する。
1 第1の実施形態(記録再生システム、カートリッジおよびカートリッジメモリの例)
2 第2の実施形態(カートリッジメモリの例)
【0013】
<1 第1の実施形態>
[記録再生システムの構成]
図1は、本開示の一実施形態に係る記録再生システム100の構成の一例を示す。記録再生システム100は、磁気テープ記録再生システムであり、磁気テープMTおよびカートリッジメモリ11を有するカートリッジ10と、カートリッジ10をロードおよびアンロード可能に構成された記録再生装置20とを備える。
【0014】
[記録再生装置の構成]
記録再生装置20は、いわゆる磁気テープドライブであり、通信部としてのリーダライタ21と、記録再生部22と、制御部としてのシステムコントローラ23と、インタフェース24とを備える。記録再生装置20は、インタフェース24を介して外部コンピュータ200に対して接続されている。
【0015】
リーダライタ21は、規定の無線通信規格でカートリッジメモリ11と通信を行う。ここで、規定の通信規格は、例えば、LTO(Linear Tape-Open)規格でカートリッジメモリ11用に定められている通信規格(以下「LTO規定の通信規格」という。)である。
【0016】
LTO規格の通信規格は、ISO14443-2のTypeA方式(NXP)をベースにLTO用にカスタマイズされた近距離無線通信規格である。なお、LTO規格は、LTO1~8のいずれの規格であってもよいし、今後策定が見込まれるLTO9以降の規格であってもよい。
【0017】
記録再生部22は、磁気テープMTを走行させるためのモータ(図示せず)、およびヘッドユニット(図示せず)等を備え、磁気テープMTに対するデータの記録および再生を行う。
【0018】
システムコントローラ23は、リーダライタ21や記録再生部22等の記録再生装置20の各部を制御する。システムコントローラ23は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等を備える。
【0019】
インタフェース24は、記録再生部22および外部コンピュータ200と接続されている。記録再生部22によって磁気テープMTから読み出された信号は、インタフェース24を介して外部コンピュータ200に出力される。一方、記録再生部22によって磁気テープMTに記録される信号は、インタフェース24を介して外部コンピュータ200から供給される。
【0020】
インタフェース24がリーダライタ21と接続されていてもよい。この場合には、インタフェース24と接続された外部コンピュータ200からの操作入力により、リーダライタ21の制御が行われる構成とすることができる。
【0021】
[カートリッジの構成]
図2は、カートリッジ10の構成の一例を示す。カートリッジ10は、LTO規格に準拠した磁気テープカートリッジ(記録媒体カートリッジ)であり、下シェル12Aと上シェル12Bとで構成されるカートリッジケース12の内部に、磁気テープMTが巻かれたリール13と、リール13の回転をロックするためのリールロック14およびリールスプリング15と、リール13のロック状態を解除するためのスパイダ16と、下シェル12Aと上シェル12Bに跨ってカートリッジケース12に設けられたテープ引出口12Cを開閉するスライドドア17と、スライドドア17をテープ引出口12Cの閉位置に付勢するドアスプリング18と、誤消去を防止するためのライトプロテクト19と、カートリッジメモリ11とを備える。リール13は、中心部に開口を有する略円盤状であって、プラスチック等の硬質の材料からなるリールハブ13Aとフランジ13Bとにより構成される。
【0022】
カートリッジメモリ11は、カートリッジ10の1つの角部の近傍に設けられている。カートリッジ10が記録再生装置20にロードされた状態において、カートリッジメモリ11は、記録再生装置20のリーダライタ21と対向するようになっている。カートリッジメモリ11は、上述のように規定の無線通信規格でリーダライタ21、すなわち記録再生装置20と通信を行う。
【0023】
[磁気テープの構成]
図3は、磁気テープMTの構成の一例を示す。磁気テープMTは、いわゆる塗布型の磁気テープであって、長尺状の基体31と、基体31の一方の主面上に設けられた下地層32と、下地層32上に設けられた磁性層33とを備える。なお、下地層32は必要に応じて備えられるものであって、なくてもよい。磁気テープMTが、必要に応じて、基体31の他方の主面上に設けられたバックコート層34をさらに備えるようにしてもよい。
【0024】
(基体)
支持体となる基体31は、可撓性を有する長尺状の非磁性基体である。非磁性基体はフィルムであり、フィルムの厚さは、例えば3μm以上8μm以下である。基体31の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロースダイアセテート、セルロースブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド等のプラスチック、アルミニウム合金、チタン合金等の軽金属、またはアルミナガラス等のセラミック等を用いることができる。
【0025】
(磁性層)
磁性層33は、信号を記録するための記録層である。磁性層33は、垂直方向に磁気異方性を有していることが好ましい。すなわち、磁性層33の磁化容易軸は、垂直方向に向いていることが好ましい。磁性層33は、複数のサーボバンドと複数のデータバンドとを予め有していることが好ましい。複数のサーボバンドは、磁気テープMTの幅方向に等間隔で設けられている。隣り合うサーボバンドの間には、データバンドが設けられている。サーボバンドには、磁気ヘッドのトラッキング制御をするためのサーボ信号が予め書き込まれている。データバンドには、ユーザデータが記録される。
【0026】
磁性層33は、例えば、磁性粉および結着剤を含む。磁性層33が、必要に応じて、潤滑剤、導電性粒子、研磨剤および防錆剤等のうちの少なくとも1種の添加剤をさらに含んでいてもよい。
【0027】
磁性粉は、磁気テープMTの厚み方向(垂直方向)に配向されていることが好ましい。磁性粉は、例えば、ε酸化鉄粒子、Co含有スピネルフェライト粒子または六方晶フェライト粒子(例えばバリウムフェライト粒子)等を含む。
【0028】
結着剤としては、ポリウレタン系樹脂または塩化ビニル系樹脂等に架橋反応を付与した構造の樹脂が好ましい。しかしながら結着剤はこれらに限定されるものではなく、磁気テープMTに対して要求される物性等に応じて、その他の樹脂を適宜配合してもよい。配合する樹脂としては、通常、塗布型の磁気テープにおいて一般的に用いられる樹脂であれば、特に限定されない。
【0029】
例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル-アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル-アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル-塩化ビニル-塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル-アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル-アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル-塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル-塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル-塩化ビニル共重合体、メタクリル酸エステル-エチレン共重合体、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロース)、スチレンブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂および合成ゴム等のうちの少なくとも1種を用いることができる。
【0030】
磁性層33の平均厚みは、好ましくは30nm以上120nm以下、より好ましくは50nm以上70nm以下である。磁性層33の平均厚みは、断面TEM(Transmission Electron Microscope)像から磁気テープMTの長手方向に少なくとも10点以上の位置で磁性層33の厚みを測定した後、それらの測定値を単純に平均(算術平均)することことにより求められる。
【0031】
(下地層)
下地層32は、基体31の表面の凹凸を緩和し、磁性層33の表面の凹凸を調整するためのものである。下地層32は、非磁性粉および結着剤を含む非磁性層である。下地層32が、必要に応じて、潤滑剤、帯電防止剤、硬化剤および防錆剤等のうちの少なくとも1種の添加剤をさらに含んでいてもよい。
【0032】
非磁性粉は、無機物質でも有機物質でもよい。また、非磁性粉は、カーボンブラック等でもよい。無機物質としては、例えば、金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物および金属硫化物等のうちの少なくとも1種を用いることができる。非磁性粉の形状としては、例えば、針状、球状、立方体状または板状等の各種形状が挙げられるが、これらの形状に限定されるものではない。結着剤は、上述の磁性層33と同様である。
【0033】
下地層32の平均厚みは、好ましくは0.5μm以上2.0μm以下、より好ましくは0.6μm以上1.4μm以下である。下地層32の平均厚みは、磁性層33の平均厚みと同様にして求められる。
【0034】
[カートリッジメモリの構成]
図4は、カートリッジ10に用いられるカートリッジメモリ11の構成の一例を示す。カートリッジメモリ11は、アンテナコイル(アンテナ部)111と、アナログ部112と、メモリ(記憶部)113と、制御部114とを備える。
【0035】
アンテナコイル111は、電磁誘導により誘起電圧を誘起する。また、アンテナコイル111は、リーダライタ21との間で電波により非接触でデータの送信および受信を行う。具体的には、アンテナコイル111は、リーダライタ21から送信された電波を受信し、アナログ部112に供給する。また、アンテナコイル111は、アナログ部112から供給された信号(アナログ部112で負荷変調された信号)をリーダライタ21に送信する。
【0036】
アナログ部112は、検波、変復調、クロック抽出等、アンテナ部101から送受信されるアナログ信号の処理を行なう。アナログ部112は、負荷の大きさが可変である負荷変調部112Aを備える。負荷変調部112Aは、アンテナコイル111と並列に接続されている。負荷変調部112Aは、負荷として抵抗を用い、送信信号に抵抗負荷変調を行う抵抗可変部である。
【0037】
負荷変調部112Aは、並列に接続された複数の抵抗R1~Rnと、複数の抵抗R1~Rnにそれぞれ直列に接続された複数のスイッチSW1~SWnとを備える。スイッチSW1~SWnは、例えば、金属酸化物半導体を用いた電界効果トランジスタ(MOSFET)などの半導体スイッチであり、制御部114により制御される。オンおよびオフされるスイッチSW1~SWnの個数により、負荷変調部112Aの負荷の大きさ(合成抵抗の大きさ)が調整される。
【0038】
アナログ部112は、整流回路(図示せず)を備える。整流回路は、アンテナコイル111で発生した交流の誘起電圧を直流の誘起電圧に変換するためのものである。整流回路から出力される直流の誘起電圧は、カートリッジメモリ11の内部に設けられた各部の動作のための電源電圧として使用される。
【0039】
メモリ113は、カートリッジ10に関連するデータ等を記憶する記憶部である。メモリ113は、不揮発性メモリ(Non Volatile Memory:NVM)である。不揮発性メモリとしては、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)を使用するのが一般的であるが、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、ReRAM(Resistive Random Access Memory)等を使用してもよい。
【0040】
制御部114は、アンテナコイル111を介して、記録再生装置20と通信を行う。具体的には例えば、相互認証、コマンドの送受信またはデータのやり取りなどを行う。制御部114は、スイッチSW1~SWnのオンオフを制御して、負荷変調部112Aの負荷の大きさを調整する。オフされるスイッチSW1~SWnの個数が多いほど、負荷が大きくなる。カートリッジ10が記録再生装置20にロードされたのち、最初のスイッチSW1~SWnの駆動制御がなされる前のデフォルトの状態(初期設定の状態)においては、スイッチSW1~SWnがすべてオンの状態となっていてもよいし、スイッチSW1~SWnのうちの規定の個数のスイッチSW1~SWm(mは、n未満の正の整数)、例えば半数のスイッチSW1~SWn/2がオンの状態となっていてもよい。
【0041】
制御部114は、整流回路で変換された直流の誘起電圧を測定し、電圧値の大きさに応じて、負荷変調部112Aを制御する。具体的には、制御部114は、測定された電圧値が小さい程、オフするスイッチSW1~SWnの個数を増やし、負荷を大きくする。
【0042】
負荷変調部112Aに流れる電流をI、負荷変調部112Aの合成抵抗をRとると、負荷変調部112Aで消費される電力Pは、P=RI2で表される。また、アンテナコイル111で誘起される誘起電圧をVとすると、負荷変調部112Aに流れる電流Iは、I=V/Rで表される。したがって、負荷変調部112Aで消費される電力Pは、P=V2/Rで表される。この式から、オフされるスイッチSW1~SWnの個数を増やし、負荷変調部112Aの負荷(合成抵抗)を大きくするほど、負荷変調部112Aの消費電力が低減されることがわかる。
【0043】
制御部114は、複数のしきい値電圧V1~Vnを有しており、このしきい値電圧V1~Vnに基づき、負荷変調部112Aでの消費電力が小さくなり、かつ、ヌル点による通信強度の低下を抑制するように、オンおよびオフするスイッチSW1~SWnの個数を制御する。また、メモリ113が、電圧値の範囲と、オフするスイッチSW1~SWnの個数とが関係付けられたテーブルを記憶し、制御部114がこのテーブルに基づき、負荷変調部112Aでの消費電力が小さくなり、かつ、ヌル点による通信強度の低下を抑制するように、オンおよびオフするスイッチSW1~SWnを制御するようにしてもよい。
【0044】
[カートリッジメモリの状態遷移]
以下、
図5を参照して、カートリッジメモリ11の状態遷移の一例を説明する。
ステップS11において、カートリッジメモリ11、すなわち制御部114は、非動作状態にある。ステップS12において、通信対象機器である記録再生装置20から発せられる交流磁界をアンテナコイル111により受信して、制御部114が起動し待機状態(INIT状態)となる。この状態において、制御部114が記録再生装置20からRequest AllコマンドまたはRequest Standardコマンドをアンテナコイル111を介して受け取った場合には、ステップS13において、制御部114はPRESELECT状態に遷移する。ここで、PRESELECT状態は、カートリッジメモリ11と記録再生装置20との間で通信が可能となる状態である。Request Allコマンド、Request Standardコマンドは、LTO規格に準拠した記録再生装置20があるか否かを検出するためのポーリング動作を行うコマンドである。
【0045】
[負荷変調の動作]
以下、
図6を参照して、カートリッジメモリ11の負荷変調の制御動作の一例を説明する。この負荷変調の制御動作は、
図5に示したステップS12の待機状態(INIT状態)またはステップS13のPRESELECT状態にて行われる。
【0046】
まず、ステップS21において、制御部114は、整流回路により整流された直流の誘起電圧を測定する。次に、ステップS22において、制御部114は、ステップS21にて測定した直流電圧に応じて、オンおよびオフするスイッチSW1~SWnの個数を決定する。
【0047】
次に、ステップS23において、制御部114は、上記決定に基づき、負荷変調部112Aを制御する。より具体的には、制御部114は、ステップS21にて測定された直流の誘起電圧が小さいほど、負荷変調部112Aの負荷(合成抵抗)が大きくなるように、オフするスイッチSW1~SWnの個数を制御する。
【0048】
[効果]
第1の実施形態に係るカートリッジメモリ11では、制御部114が、アンテナコイル111で誘起された誘起電圧を測定し、測定した誘起電圧に応じて負荷変調部112Aを制御するので、負荷変調部112Aの負荷(内部抵抗)を変化させて、カートリッジメモリ11の駆動に必要な電力を確保することができる。
また、オンおよびオフするスイッチSW1~SWnの個数を制御し、負荷変調部112Aの負荷(合成抵抗)を変化させることで、ヌル点が発生する距離をずらすことができる。したがって、ヌル点により通信できない、またはヌル点により通信強度が低下することを回避することができる。なお、ヌル点は、特定の記録再生装置20(具体的には特定のリーダライタ21)との組み合わせ、カートリッジ10の生産上のバラツキ、および使用環境(ノイズ、温度等)の変化等により発生する虞がある。
したがって、記録再生装置20との通信を安定化することができる。
【0049】
ストレージメディアの場合、カートリッジ10を複数のドライブで使用するのが一般的であり、またカートリッジ10を持ち出して全く別の場所で使用されることもあるため、上記のようにヌル点による不具合を回避できることで、カートリッジ10をより使いやすいものとすることができる。
【0050】
ドライブ等のアンテナの形状や配置位置は、メーカーにより異なっているが、これらの違いがあっても、ドライブ等との安定した通信を行うことができる。すなわち、ドライブ等のメーカーの違いによらず、ドライブ等との安定した通信を行うことができる。また、カートリッジメモリ11自体の製造のばらつきによって駆動電圧が変化することがあるが、このようなばらつきがある場合でも、ドライブ等との安定した通信を行うことができる。
【0051】
近年の磁気テープの記録密度向上に伴い、保存するトラック情報が増加し、カートリッジメモリの容量も増加する傾向にある。このため、カートリッジメモリには、高速通信においても、ドライブ等と安定して通信できることが望まれている。第1の実施形態に係るカートリッジメモリ11では、上述のように、制御部114が、誘起電圧に応じて負荷変調部112Aを制御するので、高速通信においても安定した通信を行うことができる。また、温湿度環境が変化した場合や、記録再生装置20のモーダ駆動等によりノイズが発生した場合にも、安定した通信を行うことができる。したがって、記録再生装置20との安定した通信が可能になり、データの健全性が保証される。
【0052】
[変形例]
上述の第1の実施形態では、記録再生装置が磁気テープドライブである場合について説明したが、記録再生装置は磁気テープオートローダまたは磁気テープライブラリ装置であってもよい。
【0053】
上述の第1の実施形態では、記録再生システムが磁気テープ記録再生システムである場合について説明したが、記録再生システムが光ディスク記録再生システムであってもよい。すなわち、カートリッジメモリ、記録再生装置がそれぞれ、光ディスクカートリッジ、光ディスク記録再生装置であってもよい。
【0054】
制御部114は、カートリッジ10が記録再生装置20にロードされた後、カートリッジ10が記録再生装置20からアンロードされるまでは、最初に制御された負荷の大きさを保持するようにしてもよい。具体的には、制御部114は、カートリッジ10が記録再生装置20にロードされた後に、オンおよびオフされた最初のスイッチSW1~SWnの個数(すなわち最初に制御された負荷の大きさ)をメモリ113に記憶しておき、カートリッジ10が記録再生装置20からアンロードされるまでは、メモリ113に記憶された、オンおよびオフされた最初のスイッチSW1~SWnの個数に基づき、負荷変調部112Aを制御するようにしてもよい。
【0055】
この場合、誘起電圧に応じた負荷の大きさ(すなわちオンおよびオフされる最初のスイッチSW1~SWnの個数)が最初に算出された後は、負荷の大きさを算出する処理を再度行わなくてもよくなる。したがって、カートリッジメモリ11の処理を簡略化することができる。
【0056】
制御部114は、誘起電圧を規定の時間間隔で繰り返し測定し、誘起電圧が測定される度に、負荷変調部112Aを制御するようにしてもよい。より具体的には、誘起電圧が測定される度に、スイッチSW1~SWnのオンオフを制御するようにしてもよい。
【0057】
この場合、ノイズや温度等による通信環境の変化があっても、負荷変調部112Aの負荷の大きさを適切に調整することができる。したがって、より安定した通信を記録再生装置20との間で行うことができる。
【0058】
<2 第2の実施形態>
[カートリッジメモリの構成]
図7は、本開示の第2の実施形態に係るカートリッジメモリ211の構成の一例を示す。カートリッジメモリ211は、負荷としてキャパシタを用い、送信信号に容量負荷変調を行う負荷変調部212Aを有するアナログ部212と、誘起電圧を測定し、測定した誘起電圧に応じて負荷変調部212Aを制御する制御部213を備える点において、第1の実施形態に係るカートリッジメモリ11とは異なっている。なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同様の箇所には同一の符号を付して説明を省略する。
【0059】
負荷変調部212Aは、静電容量が可変である容量可変部である。より具体的には、負荷変調部212Aは、並列に接続された複数のキャパシタC1~Cnと、複数のキャパシタC1~Cnにそれぞれ直列に接続された複数のスイッチSW1~SWnとを備える。オンおよびオフされるスイッチSW1~SWnの個数により、カートリッジメモリ211の共振周波数を調整することができる。制御部213は、規定値以上の誘起電圧(すなわち整流回路で変換された直流の誘起電圧)が得られるように、スイッチSW1~SWnのオンオフを制御して、共振周波数のズレ量を補正する。
【0060】
[効果]
第2の実施形態に係るカートリッジメモリ211では、共振周波数を調整することで、高い誘起電圧を得ることができる。したがって、S/Nを向上し、通信強度を確保することができる。また、カートリッジメモリ11自体の製造のばらつきによって周波数特性が変化することがあるが、このようなばらつきがある場合でも、安定した通信を行うことができる。
【0061】
以上、本開示の第1、第2の実施形態および変形例について具体的に説明したが、本開示は、上述の第1、第2の実施形態および変形例に限定されるものではなく、本開示の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0062】
例えば、上述の第1、第2の実施形態および変形例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
【0063】
また、上述の第1、第2の実施形態および変形例の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本開示の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
【0064】
また、本開示は以下の構成を採用することもできる。
(1)
記録媒体カートリッジに用いられるカートリッジメモリであって、
電磁誘導により誘起電圧を誘起するアンテナ部と、
負荷の大きさが可変である負荷変調部と、
前記誘起電圧を測定し、測定した前記誘起電圧に応じて前記負荷変調部を制御する制御部と
を備えるカートリッジメモリ。
(2)
前記負荷変調部は、抵抗が可変である抵抗可変部である(1)に記載のカートリッジメモリ。
(3)
前記制御部は、前記誘起電圧が小さくなるほど、前記抵抗を大きくする(2)に記載のカートリッジメモリ。
(4)
前記負荷変調部は、静電容量が可変である容量可変部である(1)に記載のカートリッジメモリ。
(5)
前記制御部は、前記誘起電圧が規定値より小さい場合には、前記負荷変調部を制御して共振周波数のズレ量を補正する(4)に記載のカートリッジメモリ。
(6)
前記制御部は、前記記録媒体カートリッジがロードされた後、アンロードされるまでは、最初に制御された負荷の大きさを保持する(1)から(5)のいずれかに記載のカートリッジメモリ。
(7)
前記制御部は、前記誘起電圧を繰り返し測定し、前記誘起電圧が測定される度に、前記負荷変調部を制御する(1)から(5)のいずれかに記載のカートリッジメモリ。
(8)
前記記録媒体カートリッジが、磁気テープカートリッジである(1)から(7)のいずれかに記載のカートリッジメモリ。
(9)
(1)から(8)のいずれかに記載された前記カートリッジメモリを備える記録媒体カートリッジ。
(10)
(1)から(8)のいずれかに記載された前記カートリッジメモリを備える記録媒体カートリッジと、
前記記録媒体カートリッジの記録再生を行う記録再生装置と
を備える記録再生システム。
(11)
前記記録再生装置は、ドライブ、オートローダまたはライブラリ装置である(10)に記載の記録再生システム。
(12)
記録媒体カートリッジに用いられるカートリッジメモリの制御方法であって、
アンテナコイルに誘起された誘起電圧を測定し、測定した前記誘起電圧に応じて負荷変調を制御するカートリッジメモリの制御方法。
【符号の説明】
【0065】
10 カートリッジ
11 カートリッジメモリ
12 カートリッジケース
12A 下シェル12A
12B 上シェル12B
12C 引出口
13 リール
13A リールハブ
13B フランジ
14 リールロック
15 リールスプリング
16 スパイダ
17 スライドドア
18 ドアスプリング
19 ライトプロテクト
20 記録再生装置
21 リーダライタ
22 記録再生部
23 システムコントローラ
24 インタフェース
31 基体
32 下地層
33 磁性層
34 バックコート層
100 記録再生システム
200 外部コンピュータ
111 アンテナコイル
112 アナログ部
112A 負荷回路
113 メモリ
114 制御部
MT 磁気テープ
C1~Cn キャパシタ
R1~Rn 抵抗
Sw1~Swn スイッチ
【手続補正書】
【提出日】2024-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体カートリッジに用いられるカートリッジメモリであって、
電磁誘導により誘起電圧を誘起するアンテナ部と、
負荷の大きさが可変である負荷変調部と、
前記誘起電圧を測定し、測定した前記誘起電圧に応じて前記負荷変調部を制御する制御部と、
を備え、
前記負荷変調部は、並列に接続された複数のスイッチと、並列に接続された複数のキャパシタとを含み、前記スイッチのそれぞれは前記キャパシタの1つに対して直列に接続され、
前記カートリッジメモリの共振周波数は、前記制御部によって前記誘起電圧を所定値以上に保つために前記制御部によって調整される
カートリッジメモリ。
【請求項2】
前記負荷変調部は、静電容量が可変である容量可変部である
請求項1に記載のカートリッジメモリ。
【請求項3】
前記制御部は、前記記録媒体カートリッジがロードされた後、アンロードされるまでは、最初に制御された負荷の大きさを保持する
請求項1に記載のカートリッジメモリ。
【請求項4】
前記制御部は、前記誘起電圧を繰り返し測定し、前記誘起電圧が測定される度に、前記負荷変調部を制御する
請求項1に記載のカートリッジメモリ。
【請求項5】
前記記録媒体カートリッジが、磁気テープカートリッジである
請求項1に記載のカートリッジメモリ。
【請求項6】
磁気テープと、
カートリッジメモリと、
を備え、
前記カートリッジメモリは、
電磁誘導により誘起電圧を誘起するアンテナ部と、
負荷の大きさが可変である負荷変調部と、
前記誘起電圧を測定し、測定した前記誘起電圧に応じて前記負荷変調部を制御する制御部と、
を備え、
前記負荷変調部は、並列に接続された複数のスイッチと、並列に接続された複数のキャパシタとを含み、前記スイッチのそれぞれは前記キャパシタの1つに対して直列に接続され、
前記カートリッジメモリの共振周波数は、前記制御部によって前記誘起電圧を所定値以上に保つために前記制御部によって調整される
記録媒体カートリッジ。
【請求項7】
カートリッジメモリを含む記録媒体カートリッジと、
前記記録媒体カートリッジの記録再生を行う記録再生装置と、
を備える記録再生システムであって、
前記カートリッジメモリは、
電磁誘導により誘起電圧を誘起するアンテナ部と、
負荷の大きさが可変である負荷変調部と、
前記誘起電圧を測定し、測定した前記誘起電圧に応じて前記負荷変調部を制御する制御部と、
を備え、
前記負荷変調部は、並列に接続された複数のスイッチと、並列に接続された複数のキャパシタとを含み、前記スイッチのそれぞれは前記キャパシタの1つに対して直列に接続され、
前記カートリッジメモリの共振周波数は、前記制御部によって前記誘起電圧を所定値以上に保つために前記制御部によって調整される
記録再生システム。
【請求項8】
前記記録再生装置は、ドライブ装置、オートローダ装置、またはライブラリ装置を含む
請求項7に記載の記録再生システム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本開示は、カートリッジメモリ、記録媒体カートリッジおよび記録再生システムに関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本開示の目的は、安定した通信を行うことができるカートリッジメモリ、記録媒体カートリッジおよび記録再生システムを提供することにある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上述の課題を解決するために、第1の開示は、
記録媒体カートリッジに用いられるカートリッジメモリであって、
電磁誘導により誘起電圧を誘起するアンテナ部と、
負荷の大きさが可変である負荷変調部と、誘起電圧を測定し、測定した誘起電圧に応じて負荷変調部を制御する制御部と、
を備え、
負荷変調部は、並列に接続された複数のスイッチと、並列に接続された複数のキャパシタとを含み、スイッチのそれぞれはキャパシタの1つに対して直列に接続され、
カートリッジメモリの共振周波数は、制御部によって誘起電圧を所定値以上に保つために制御部によって調整される
カートリッジメモリである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
第2の開示は、
磁気テープと、
カートリッジメモリと、
を備え、
カートリッジメモリは、
電磁誘導により誘起電圧を誘起するアンテナ部と、
負荷の大きさが可変である負荷変調部と、
誘起電圧を測定し、測定した誘起電圧に応じて負荷変調部を制御する制御部と、
を備え、
負荷変調部は、並列に接続された複数のスイッチと、並列に接続された複数のキャパシタとを含み、スイッチのそれぞれはキャパシタの1つに対して直列に接続され、
カートリッジメモリの共振周波数は、制御部によって誘起電圧を所定値以上に保つために制御部によって調整される
記録媒体カートリッジである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
第3の開示は、
カートリッジメモリを含む記録媒体カートリッジと、
記録媒体カートリッジの記録再生を行う記録再生装置と、
を備える記録再生システムであって、
カートリッジメモリは、
電磁誘導により誘起電圧を誘起するアンテナ部と、
負荷の大きさが可変である負荷変調部と、
誘起電圧を測定し、測定した誘起電圧に応じて負荷変調部を制御する制御部と、
を備え、
負荷変調部は、並列に接続された複数のスイッチと、並列に接続された複数のキャパシタとを含み、スイッチのそれぞれはキャパシタの1つに対して直列に接続され、
カートリッジメモリの共振周波数は、制御部によって誘起電圧を所定値以上に保つために制御部によって調整される
記録再生システムである。