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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063310
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】美容システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20240502BHJP
   A61H 7/00 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
G16H20/00
A61H7/00 300Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171128
(22)【出願日】2022-10-26
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】森河 朋彦
【テーマコード(参考)】
4C100
5L099
【Fターム(参考)】
4C100BA01
4C100BB01
4C100BB02
4C100CA01
4C100DA02
4C100EA05
4C100EA09
4C100EA11
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】被験者の心の状態を示す心状態データを取得し、心状態データを用いて肌に刺激を与える処置部の動作データを生成し、動作データに基づき処置部の動作を制御する技術を提供する。
【解決手段】美容システムは、ユーザの肌に刺激を与える処置部と、データを受信可能な受信部と、受信部で受信した前記データに基づき処置部を制御する制御部と、を有する美容機器手段と、ユーザが美容機器手段を用いる美容施術を行う時点の心の状態を示す心状態データを取得する取得手段と、取得手段によって取得したデータを解析する解析手段と、解析手段による解析結果に基づき、処置部によってユーザの肌に与える刺激を制御するための動作データを生成するデータ生成手段と、データ生成手段によって生成した動作データを受信部へ出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの肌に近接または接触させて用いられて前記肌に刺激を与える処置部と、
データを受信可能な受信部と、
前記受信部で受信した前記データに基づき前記処置部を制御する制御部と、を有する美容機器手段と、
前記ユーザが前記美容機器手段を用いる美容施術を行う時点の心の状態を示す心状態データを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得したデータを解析する解析手段と、
前記解析手段による解析結果に基づき、前記処置部によって前記ユーザの肌に与える刺激を制御するための動作データを生成するデータ生成手段と、
前記データ生成手段によって生成した前記動作データを前記受信部へ出力する出力手段と、を備えることを特徴とする美容システム。
【請求項2】
前記取得手段は、前記ユーザが前記美容機器手段を用いる美容施術を行う時点の肌の状態を示す肌状態データをさらに取得することを特徴とする請求項1に記載の美容システム。
【請求項3】
前記取得手段は、前記ユーザが前記美容機器手段を用いる美容施術を行う時点の身体の状態を示す身体状態データをさらに取得することを特徴とする請求項1または2に記載の美容システム。
【請求項4】
前記取得手段は、前記出力手段によって出力された前記動作データに基づき動作させる前記美容機器手段を用いた前記美容施術を行う前記時点よりも後であって美容施術中以降の所定タイミングの前記ユーザの心の状態を示す施術心状態データをさらに取得し、
前記解析手段は、前記取得手段が取得した前記施術心状態データに基づいて解析し、
前記データ生成手段は、前記施術心状態データに基づいて行われた解析結果に基づき、前記処置部によって前記ユーザの肌に与える刺激を制御するための動作データを生成することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の美容システム。
【請求項5】
前記取得手段は、前記施術心状態データを複数回取得し、
前記解析手段は、前記取得手段が前記施術心状態データを取得するごとに前記解析を行い、
前記データ生成手段は、前記解析手段によって前記解析が行われるごとに前記動作データを生成することを特徴とする請求項4に記載の美容システム。
【請求項6】
前記取得手段は、前記出力手段によって出力された前記動作データに基づき動作させる前記美容機器手段を用いた前記美容施術を行う前記時点よりも後であって美容施術中以降の所定タイミングの前記ユーザの肌の状態を示す施術肌状態データをさらに取得し、
前記解析手段は、前記施術肌状態データに基づいて解析し、
前記データ生成手段は、前記施術肌状態データに基づいて行われた解析結果に基づき、前記処置部によって前記ユーザの肌に与える刺激を制御するための動作データを生成することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の美容システム。
【請求項7】
前記取得手段は、前記施術肌状態データを複数回取得し、
前記解析手段は、前記取得手段が前記施術肌状態データを取得するごとに前記解析を行い、
前記データ生成手段は、前記解析手段によって前記解析が行われるごとに前記動作データを生成することを特徴とする請求項6に記載の美容システム。
【請求項8】
前記取得手段は、前記出力手段によって出力された前記動作データに基づき動作させる前記美容機器手段を用いた前記美容施術を行う前記時点よりも後であって美容施術中以降の所定タイミングの前記ユーザの身体の状態を示す施術身体状態データをさらに取得し、
前記解析手段は、前記施術身体状態データに基づいて解析し、
前記データ生成手段は、前記施術身体状態データに基づいて行われた解析結果に基づき、前記処置部によって前記ユーザの肌に与える刺激を制御するための動作データを生成することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の美容システム。
【請求項9】
前記取得手段は、前記施術身体状態データを複数回取得し、
前記解析手段は、前記取得手段が前記施術身体状態データを取得するごとに前記解析を行い、
前記データ生成手段は、前記解析手段によって前記解析が行われるごとに前記動作データを生成することを特徴とする請求項8に記載の美容システム。
【請求項10】
前記取得手段によって取得するデータは、前記ユーザの主観的指標および客観的指標に基づくデータであることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の美容システム。
【請求項11】
前記取得手段によって取得するデータが客観的指標に基づくデータであって、
前記客観的指標に基づくデータは、前記ユーザの肌画像および前記ユーザの生体情報の少なくとも何れか1つを含むことを特徴とする請求項10に記載の美容システム。
【請求項12】
前記動作データは、前記処置部の温度および/または前記処置部の振動に関するデータであることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の美容システム。
【請求項13】
音声を出力する音声出力手段をさらに備え、
前記データ生成手段は、前記解析手段による解析結果に基づき前記音声出力手段から出力する音声に関するデータを生成する請求項1から12のいずれか一項に記載の美容システム。
【請求項14】
画像を表示する表示手段をさらに備え、
前記データ生成手段は、前記解析手段による解析結果に基づき前記表示手段から出力する画像に関するデータを生成する請求項1から13のいずれか一項に記載の美容システム。
【請求項15】
香りを出力する香り出力手段をさらに備え、
前記データ生成手段は、前記解析手段による解析結果に基づき前記香り出力手段から出力する香りに関するデータを生成する請求項1から14のいずれか一項に記載の美容システム。
【請求項16】
前記取得手段は、複数の被験者の心状態データ、肌状態データ、身体状態データ、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態データの少なくとも何れか1つを取得し、
前記解析手段は、前記取得手段によって取得した前記複数の被験者の心状態データ、肌状態データ、身体状態データ、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態データを解析し、
前記データ生成手段は、前記複数の被験者のデータの解析結果を用いて、出力するデータを生成することを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の美容システム。
【請求項17】
ユーザが所定の美容施術を行う時点の心の状態を示す心状態データを取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得したデータを解析する解析工程と、
前記解析工程による解析結果に基づき、前記ユーザを含む美容施術者が当該ユーザを美容施術する情報を作成する情報作成工程と、
前記情報作成工程によって作成した前記美容施術する情報を出力する出力工程と、を含むことを特徴とする美容方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容システムに関する。
【背景技術】
【0002】
被験者の顔の画像と顔の画像に対する質問事項への回答とから感情および疲労状態を分析し、改善する装置がある(特許文献1)。
また、マッサージ装置にカメラが搭載されており、被験者の撮影画像を用いてマッサージ動作内容を決める情報処理装置がある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-85856号公報
【特許文献2】特開2019-170655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、被験者の体調、生活習慣、感情などを推定するまでに留まっており、推定結果をどのように用いるか研究の余地があった。
また、特許文献2は、被験者の撮影画像に基づきマッサージ動作内容を決めているが、マッサージ動作による効果は被験者の身体の改善だけでなく心の改善にもつながるため、被験者の撮影画像でマッサージ動作内容を決めるのでは不十分であり、研究の余地があった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、被験者の心の状態を示す心状態データを取得し、心状態データを用いて肌に刺激を与える処置部の動作データを生成し、動作データに基づき処置部の動作を制御する美容システムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ユーザの肌に近接または接触させて用いられて前記肌に刺激を与える処置部と、データを受信可能な受信部と、前記受信部で受信した前記データに基づき前記処置部を制御する制御部と、を有する美容機器手段と、前記ユーザが前記美容機器手段を用いる美容施術を行う時点の心の状態を示す心状態データを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得したデータを解析する解析手段と、前記解析手段による解析結果に基づき、前記処置部によって前記ユーザの肌に与える刺激を制御するための動作データを生成するデータ生成手段と、前記データ生成手段によって生成した前記動作データを前記受信部へ出力する出力手段と、を備えることを特徴とする美容システムに関する。
【0007】
また、本発明は、ユーザが所定の美容施術を行う時点の心の状態を示す心状態データを取得する取得工程と、前記取得工程によって取得したデータを解析する解析工程と、前記解析工程による解析結果に基づき、前記ユーザを含む美容施術者が当該ユーザを美容施術する情報を作成する情報作成工程と、前記情報作成工程によって作成した前記美容施術する情報を出力する出力工程と、を含むことを特徴とする美容方法に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明により提供される美容システムによれば、美容施術を行う時点のユーザの心の状態に基づき美容機器手段の処置部がユーザの肌に与える刺激を制御することができるため、美容機器手段を用いるユーザの心の状態に応じた美容施術を行うことができ、その結果、心の状態を改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】美容システムの概念図である。
図2】美容システムのブロック図である。
図3】本システムのメインフローチャートである。
図4】心状態データ、肌状態データ、および身体状態データを取得する処理のフローチャートである。
図5】心状態データ、肌状態データ、および身体状態データに基づき行われる解析内容のイメージを示す図である。
図6】心状態データ、肌状態データ、および身体状態データを解析する処理のフローチャートである。
図7-1】本システムのメインフローチャート(別実施形態)である。
図7-2】本システムのメインフローチャート(別実施形態)である。
図8】心状態データ、肌状態データ、身体状態データ、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態データを解析する処理のフローチャートである。
図9】施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態データを取得する処理のフローチャートである。
図10】動作データに用いるデータを示した図である。
図11】美容方法のフローチャートある。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施形態の例について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態の図面は、いずれも本発明の技術思想、構成及び動作を説明するためのものであり、その構成を具体的に限定するものではない。また、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0011】
<概要>
本実施形態における美容システムの概要について説明する。
本実施形態の美容システム100(以下、本システムと表示する場合がある)は、美容機器手段に相当する美容機器200と情報処理端末300を備える。図1に示すように、例えば、ユーザが情報処理端末300を用いて、美容施術を行う時点の心の状態を入力する。情報処理端末300は入力内容に基づき、美容機器200の動作データを生成し、生成した動作データを美容機器200に出力する。美容機器200は受信した動作データに基づき美容機器200の処置部210を動作させ、ユーザはその美容機器200で美容施術を行う。このように、ユーザの心の状態に応じて美容機器200の処置部210を動作させることを特徴とする美容システムである。
【0012】
これまで、被験者を撮影した画像などから被験者の体調、生活習慣、感情などを推定する技術(例えば、特許文献1)や、被験者を撮影した画像に基づきマッサージ動作内容を決める技術(例えば、特許文献2)があった。しかし、被験者の美容施術時の心の状態に基づき美容機器の動作内容を決めることを行っていないため、被験者の心の状態の改善につながる美容施術を行うことができていなかった。そこで、本発明者らは、被験者の美容施術時の心の状態を取得し、取得した心の状態を解析し、解析結果に基づき美容機器200の動作データを作成し、作成した動作データに基づき動作する美容機器200を用いて美容施術する美容システムを提案する。
【0013】
図2に、美容システム100のブロック図を示す。
図2に示すように、美容システム100は美容機器200と情報処理端末300とから構成される。美容機器200は処置部210、受信部220、および制御部230を備える。情報処理端末300は取得手段に相当する取得部310、解析手段に相当する解析部320、データ生成手段に相当するデータ生成部330、出力手段に相当する出力部340を備える。なお、美容機器200と情報処理端末300は別体でも一体でもどちらでもよい。
【0014】
美容機器200は、ユーザの肌に刺激を与えるものであり、肌に接触させることにより肌に温度、振動、湿度、水分、微弱電流、EMS(Electrical Muscle Stimulation)、イオン導入、RF(Radio Frequency)、低周波、超音波、光、風などによる刺激を与えるもの、肌に接触はさせないが、肌の近傍に設けることにより、肌に温度、振動、湿度、微弱電流、EMS(Electrical Muscle Stimulation)、イオン導入、RF(Radio Frequency)、低周波、超音波、光、風などによる刺激を与えるものなどである。ユーザが美容機器200を持って使用するもの、ユーザの所定位置(例えば、顔面)に美容機器200を載せて使用するもの、ユーザの所定部位に美容機器200を装着して使用するもの、美容機器200を載置した状態で使用するもの、ユーザが美容機器200に載って使用するものなど、使用形態は問わない。ユーザの肌に刺激を与えるものに限らず、頭皮や髪に対し刺激を与えるものでもよい。本実施形態では、美容機器200は少なくとも、肌に振動による刺激と温度による刺激を与えるため、振動駆動手段(例えば、振動駆動回路(図示しない))、温度調節手段(例えば、電熱線ヒーター(図示しない)、ペルチェ素子(図示しない)、ピエゾ素子(図示しない))などを備えている。また、制御部230が処置部210の温度制御を行う際に処置部210の温度を検知する必要があるため、処置部210の温度を検知する温度センサ(図示しない)も備えていることが好ましい。
処置部210は、ユーザの肌に近接または接触させて用いられ肌に刺激を与える処理を行う。
「肌」とは、ユーザの皮膚であり、顔、首、手、腕、足など体の部位は問わない。また、頭皮も含むものとする。
「近接」とは、処置部210からの所定の刺激を肌に対し与えられる距離分離れた位置であり、刺激の種類によって異なる距離である。また、肌に所定の剤を塗布した状態で処置部210を用いる場合も近接にあたることとする。これは、肌に所定の剤を塗布した状態で処置部210を用いた場合、ユーザは肌に処置部210を接触させるように操作していても肌と処置部210との間には所定の剤があり、処置部210は肌には接触していないためである。
「接触」とは、肌に対し処置部210と肌が触れる位置であり、処置部210を肌に押し込むように触れることも含まれる。
受信部220は、データを受信する機能を備えており、主に、情報処理端末300から出力される動作データを受信する処理を行う。美容機器200に、情報処理端末300とBluetooth、赤外線通信などの無線通信を用いてデータの授受を行うもの、または、所定のケーブルを用いてデータ授受を行うものなど通信方式は問わない。
制御部230は、受信部220で受信した動作データに基づき処置部210を制御する処理を行う。処置部210が備える機能によって異なるが、制御部230は、受信した動作データに基づき処置部210から所定の刺激を肌に与えるように制御する。
美容機器200には上記部位の他、処置部210の動作状態をユーザが確認可能な表示部や操作ボタンなどを設けてもよい。
【0015】
情報処理端末300は、ユーザから美容施術時点の心の状態を示す心状態データを取得し、取得したデータを解析し、解析結果に基づき動作データを生成する。動作データは処置部210によってユーザの肌に与える刺激を制御するためのデータである。作成した動作データは受信部220へ出力する。情報処理端末300は、取得部310、解析部320、データ生成部330、出力部340、音声出力部350、表示部360、記憶部370、演算処理装置、入出力部、キーボード、ポインティングデバイスなどの入力装置を備えている、携帯電話、タブレットなどの携帯端末やパーソナルコンピュータなどである。
取得部310は、ユーザが美容機器200を用いる美容施術時点の心の状態を示す心状態を取得する処理を行う。
「美容施術を行う時点」とは、美容施術を開始する時点、および美容施術中の何れも含むものとする。ユーザが美容機器200を用いる美容施術を開始する時点とは、例えば、美容機器200の処置部210を肌に近接または接触させる前の心の状態であり、具体的には、美容機器200の処置部210の動作を開始する前である。また、ユーザが美容機器200を用いる美容施術中とは、例えば、美容機器200の処置部210を肌に近接または接触させているときの心の状態である。1回の美容施術は数分間から数時間で行われることが通常であり、「美容施術を行う時点」とは一続きに行われる当該1回の美容施術を開始する時点または当該1回の美容施術の実行中の所定の時点をいう。
「心の状態」とは、心理状態、精神状態であり、具体的には、疲れている、ストレスがある、落ち着かない、不安がある、緊張している、鎮静状態である、心地よい、満足な気持ち、幸せな気持ち、贅沢な気持ち、活力が湧く、嬉しい、期待感がある、気持ち良い、自信が出た、わくわくした、がっかりした、不満、眠い、シャキッとしている、リラックスしている、リフレッシュしている、楽しい気持ちである、やる気に満ち溢れている、覚醒状態であるなどである。心の状態は、ユーザが所定の問診項目に答えることにより取得したデータ、ユーザの心拍数、表情、顔や手の表面温度、呼吸、脳波、体温、瞬き、血圧、施術速度から取得したデータなどから特定したデータであり、これらを示したデータを「心の状態を示す心状態データ」という。本実施形態では何れの心状態データも含むものとする。
「取得する」とは、上述したように、ユーザが所定の問診項目に回答することにより取得すること、ユーザの心拍数、表情、顔や手の表面温度、呼吸、脳波、体温、瞬き、血圧、施術速度などを解析することにより取得することである。詳細は後述するが、本実施形態では、情報処理端末300に所定の問診項目を表示し、問診項目にユーザが回答することにより取得する心状態データ、情報処理端末300に設けられたカメラを用いてユーザの所定領域の画像を撮影し、撮影画像から心拍数を抽出し、解析することにより取得する心状態データを用いたり、情報処理端末300と連携して動作するユーザが使用しているスマートウォッチ(図示しない)やスマートバンド(図示しない)に搭載されている機能を用いて取得した心拍数を情報処理端末300で取得し用いることとする。また、取得部310は、ユーザが所定の問診項目に回答することにより取得したデータ、ユーザの心拍数、表情、顔や手の表面温度、呼吸、脳波、体温、瞬き、血圧、施術速度などを解析することにより取得したデータから心の状態を特定すること(心状態データを特定すること)も含まれる。取得部310は情報処理端末300に備えられている演算処理装置に設けられる。
解析部320は、取得部310によって取得したデータを解析する処理を行う。
「解析する」とは、取得した心状態データを予め準備してあったテーブル、アルゴリズムなどを用いてどのような美容施術を行うこと、すなわち、処置部210を用いてどのような刺激を与える美容施術を行うことで、心の状態を改善できるか、または、ユーザが望む心の状態に近づけることができるかを解析する。解析部320は情報処理端末300に備えられている演算処理装置に設けられる。
データ生成部330は、解析部320による解析結果に基づき、処置部210によってユーザの肌に与える刺激を制御するための動作データを生成する処理を行う。
「制御するための動作データ」は、処置部210が備える機能によって異なるが、本実施形態では、処置部210の温度および振動を制御するデータを作成する。詳細は後述するが、動作データに含まれる温度は、美容施術の際の温度(数値)、または、予め決められた所定段階を動作データに含めるようにする。また動作データに含まれる振動は、美容施術の際の振動強度(数値)、振動速度(振動テンポ)(数値)、リズム、周波数(数値)、予め決められた所定段階の振動強度、振動速度(振動テンポ)、リズム、周波数、または、振動強度、振動速度(振動テンポ)、および周波数を含めた振動パターンを動作データに含めるようにする。データ生成部330は情報処理端末300に備えられている演算処理装置に設けられる。
出力部340は、データ生成部330によって生成した動作データを受信部220へ出力する処理を行う。上述したように、受信部220との動作データの授受は、Bluetooth、赤外線通信などの無線通信を用いてデータの授受を行うもの、または、所定のケーブルを用いてデータ授受を行うものなど通信方式は問わない。情報処理端末300に備えられている入出力部に設けられる。
【0016】
美容システム100には、上述した他、情報処理端末300に音声出力手段に相当する音声出力部350および表示手段に相当する表示部360、記憶部370、撮影部(図示しない)、ならびにサーバー400を備えることが好ましい。
音声出力部350は、音声を出力する処理を行う。詳細は後述するが、解析部320によって、ユーザにどのような音楽を提供することにより、心の状態を改善できるか、または、ユーザが望む心の状態に近づけることができるかを解析し、解析結果に基づき出力部340が作成した音声に関するデータを用いて、音声出力部350は音声を出力する。音声出力部350は、情報処理端末300に備えられたスピーカーでもよいし、情報処理端末300に接続可能なスピーカーでもよい。
「音声に関するデータ」は、詳細は後述するが、音声データそのものを指定するデータ、予め定められた音声の種類を指定するデータ(例えば、クラッシック、ヒーリング音楽など)などである。
表示部360は、画像を表示する処理を行う。詳細は後述するが、解析部320によって、ユーザにどのような画像を提供することにより、心の状態を改善できるか、または、ユーザが望む心の状態に近づけることができるかを解析し、解析結果に基づき出力部340が作成した画像に関するデータを用いて、表示部360は画像を表示する。表示部360は、情報処理端末300に備えられた表示画面でもよいし、情報処理端末300に接続可能な表示装置でもよい。
「画像に関するデータ」は、詳細は後述するが、画像データそのものを指定するデータ、予め定められた画像の種類を指定するデータ(例えば、森林画像、星空画像など)などである。また、画像とは、静止画像および動画像いずれも含まれるものとする。
記憶部370は、取得部310、解析部320、データ生成部330、出力部340、音声出力部350、および表示部360で行われる処理を実行するのに必要なプログラムやデータ、ユーザの心状態データ、肌状態データ、身体状態(体調)データ、施術心状態データ、施術肌状態データ、施術身体状態(体調)データ、動作データなど、本システムでの処理を実行するのに必要なデータを記憶している。
「撮影部」は、情報処理端末300が備えているカメラである。
サーバー400は、本システムを制御するのに必要なデータ、特に、ユーザの心状態データ、肌状態データ、身体状態(体調)データ、施術心状態データ、施術肌状態データ、施術身体状態(体調)データや音声データ、画像データなど、情報処理端末300の記憶部370の容量に制約がある場合は、サーバー400に記憶するようにしてもよい。また、取得部310、解析部320、データ生成部330、出力部340、音声出力部350、および表示部360で行われる処理のうち、情報処理端末300外で処理可能な処理をサーバー400で行ってもよい。このようにすることで情報処理端末300の処理性能に制約がある場合でも、情報処理端末300に負荷をかけることなく処理を行うことが可能となる。
【0017】
<第一実施形態>
図3に示す、本システムのメインフローチャートを用いて本システムの処理について説明する。
【0018】
ステップS10は、ユーザが美容機器200を用いた美容施術を行う時点の心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データを取得する処理である。本システムは、美容機器200を用いた美容施術を行う時点のユーザの心の状態に応じて美容機器200の動作内容を決定するようにすることで、ユーザの心の状態に適した美容施術を行うことを可能としている。本実施形態では、美容施術を行う時点のユーザの心の状態を示す心状態データに加え、肌の状態を示す肌状態データ、および/または身体の状態(体調)を示すデータを取得し、美容機器200の動作内容を決定する際に用いることとする。
「肌の状態」とは、肌表面の状態、肌組織の状態であり、具体的には、潤っている、色むらがない、くすんでいる、くまがある、血色が悪い、乾燥している、べたついている、毛穴が目立つ、たるんでいる、ひきしまっている、赤味がある、はりがある、つやがある、つっぱっている、透明感があるなどである。肌の状態は、ユーザが所定の問診項目に答えることにより取得したデータ、ユーザの顔画像、所定の測定器(例えば、経皮水分蒸散量測定器)から取得したデータなどから特定したデータであり、これらを示したものを「肌の状態を示す肌状態データ」という。本実施形態では何れの肌状態データも含むものとする。
「身体の状態」とは、いわゆる「体調」のことであり、具体的には、やる気がでない、なんだか体が重い、なんだかだるい、眠たい、休息をとりたい、ボーとする、頭がすっきりしている、身体が軽いなどである。身体の状態は、ユーザが所定の問診項目に答えることにより取得したデータ、ユーザの心拍数、表情、顔や手の表面温度、呼吸、脳波、体温、瞬き、血圧、歩幅、歩くスピードなどから特定したデータであり、これらを示したものを「身体の状態を示す身体状態データ(身体状態(体調)データということもある)」という。本実施形態では何れの身体状態データも含むものとする。
ステップS10の処理について図4を用いて説明する。
【0019】
ステップS100は、表示部360に問診項目が表示され、ユーザが表示された問診項目に対し回答を入力する処理である。
表1に問診項目の例を示す。
【表1】
【0020】
表1に示された問診項目が表示部360に表示され、ユーザは情報処理端末300の入力装置を用いて、問診項目に回答する。表1に示した項目のうち、初期設定の項目は、初めて美容機器200を用いる場合や前回美容機器200使用してから所定期間経過している場合に入力装置を用いて回答するようにしてもよい。初期設定の項目は、数日では変化しない項目が含まれているためである。また、2回目以降は、初期設定の項目のうち、ユーザが、変化があったと思う項目のみ回答するようにしてもよい。このようにすることで、ユーザが問診項目への入力を煩わしく思わないため、継続的な使用につながる可能性が高まる。
回答欄は問診項目に応じて、具体的な値や文言を入力するようする、または、例えば、「はい」、「いいえ」の二択や、「大変あてはまる」、「あてはまる」、「どちらともいえない」、「あてはまらない」、「全くあてはまらない」の五択のようにユーザが選択入力するようにする。また、美容機器200の動作内容に美容施術を行う時点の心の状態のみ用いる場合は、肌の状態や身体の状態に特化した問診項目は含めないようにしてもよい。表1に示した問診項目は一例であり、これに限るものではない。
また、問診項目に回答するのはユーザ自身であるため、問診項目の回答は主観的指標といえる。
ユーザは全ての項目に回答すると、全ての項目に回答した旨の入力を行う。
【0021】
ステップS110は、ユーザの心拍データを取得する処理である。ユーザの心拍データは、情報処理端末300と連携して動作するユーザが使用しているスマートウォッチやスマートバンドに搭載されている機能を用いて取得した心拍数を情報処理端末300に入力する、心拍を計測する専用機器で計測した値を情報処理端末300に入力する、予め情報処理端末300の撮像部で撮影したユーザの画像から心拍数を算出するアプリケーションを記憶しておき、このアプリケーションを用いて取得した心拍データを用いるなど何れの方法でもよい。本実施形態では、情報処理端末300と連携して動作するユーザが使用しているスマートウォッチやスマートバンドに搭載されている機能を用いて取得した心拍データを用いることとする。
【0022】
本実施形態では、心拍データとして心拍数を取得することとする。心拍は自律神経の働きによって調整される。自律神経には交感神経と副交感神経の2種類あり、交感神経は体の働きを活性化させ、副交感神経はリラックスさせる。交感神経が高まると心拍数が多くなり、副交感神経が優位になると心拍数が少なくなる。また、自律神経にはサーカディアンリズムがあり、朝は交感神経活性化、夜は副交感神経活性化が一般的で、いつもと比べてユーザ自身の自律神経の活動がどうか(夜なのにいつもより副交感神経の活性化が弱く、交感神経が高いままなど)ということも出力刺激に影響を与える。そこで、取得した心拍データを用いることで心状態データや身体状態(体調)データの性能を高めることが可能となる。
なお、ユーザが問診項目に回答した結果に基づき心状態データおよび身体状態(体調)データを特定することに加え、心状態データおよび身体状態(体調)データを特定する際に心拍データのような客観的指標を含めることで、ユーザの心状態および身体状態(体調)により適した動作データを作成できるからである。情報処理端末300の処理能力や利便性を考慮し、どのようなデータを心状態データおよび身体状態(体調)データに用いるか決定すればよい。
【0023】
ステップS120は、ユーザの顔画像を取得する処理である。ユーザの顔画像は情報処理端末300とは別に設けられた撮像装置で撮像された画像を情報処理端末300に入力する、情報処理端末300の撮像部で撮影した画像の何れの方法でもよい。本実施形態では、情報処理端末300の撮像部で撮影した画像を用いることとする。
【0024】
本実施形態では、顔画像を取得し、例えば、AI(Artificial Intelligence)モデルを用いて、肌の質感を判定し、肌状態データ特定することとする。具体的には、顔画像と肌の質感(例えば、透明感、つや、キメの整い感、うるおい感、なめらかさ、ハリ、乾燥感、肌の色、肌の黄み、色むらなど)とについて学習させたAIモデルを用いて、取得した顔画像から肌の質感を判定し、肌状態データ特定することとする。
このように、ユーザが問診項目に回答した結果に基づき肌状態データを特定することに加え、肌状態データを特定する際に顔画像から判定した肌の質感のような客観的指標を含めることで、ユーザの肌状態に適した動作データを作成できる。
【0025】
ステップS130は、ステップS110でユーザの心拍データを取得したか否かを判定する処理である。ユーザの心拍データを取得していないと判定した場合はステップS140へ、取得したと判定した場合はステップS150へ進む。
【0026】
ステップS140は、ステップS130で心拍データを取得しなかったと判定した場合にステップS100でユーザが回答した問診項目に基づき、心状態データおよび身体状態(体調)データを特定する処理である。
表2に心状態データの一例を、表3に身体状態(体調)データの一例を示す。
【0027】
【表2】
【0028】
本実施形態では、心状態データとして、表2に示した「疲れている」、「イライラしている」、「リラックスしたい」、「リフレッシュしたい」の4種類について、それぞれ1から5の状態を設ける。
「疲れている」とは、動きたくない状態、やる気がでない状態、休息をとりたい気分の状態である。
「イライラしている」とは、過度なストレスがかかった状態、思い通りにいかず行き詰った状態、心が落ち着かない状態である。
「リラックスしたい」とは、心地よくなりたい状態、くつろいだ気分になりたい状態、ゆったりとした気分になりたい状態である。
「リフレッシュしたい」とは、快適な気分になりたい状態、晴れ晴れしい気分になりたい状態、すっきりとした気分になりたい状態である。
問診項目の各回答と心状態データと、には、例えば、予め得点を対応付けて定めており、ステップS100でユーザが入力した問診項目への回答内容から心状態データの特定を行う。特定された心状態データを表示部360に表示することで、ユーザが把握できるようにすることが好ましい。
【0029】
【表3】
【0030】
本実施形態では、身体状態(体調)データとして、表3に示した「やる気がでない」、「なんだか身体が重い」の2種類について、それぞれ1から5の状態を設ける。
「やる気がでない」とは、活動したいと思えない状態、動きたくない状態である。
「なんだか身体が重い」とは、頭が重い感じの状態、足や肩に疲労がある感じの状態である。
問診項目の各回答と身体状態(体調)データと、には、例えば、予め得点を対応付けて定めており、ステップS100でユーザが入力した問診項目への回答内容から身体状態(体調)データの特定を行う。特定された身体状態(体調)データを表示部360に表示することで、ユーザが把握できるようにすることが好ましい。
【0031】
そして、詳細は後述するが、このように特定した心状態データを用いて、現在の心の状態、例えば、疲れているのか、イライラしているのかを判定し、ユーザをリラックスした状態(心地よい鎮静した状態)へ誘導するか、リフレッシュした状態(心地よい覚醒した状態)へ誘導するかを判定した後、表2に示した心状態データ、表3に示す身体状態(体調)データ、および後述する表4に示す肌状態データを用いて、それぞれの状態へどの程度、誘導するかを判定し、動作データを生成するようにする。
なお、ステップS140で特定した心状態データおよび身体状態(体調)データは、ユーザ自身が自身について回答した問診項目のみに基づき特定するため、主観的指標のみによる心状態・身体状態データである。また、表2に示した心状態データは一例であり、例えば、鎮静状態、覚醒状態、興奮状態など、心の状態であればよい。表3に示した身体状態(体調)データも一例であり、身体の状態に関わる内容であればよい。
【0032】
ステップS150は、ステップS130で心拍データを取得したと判定した場合に、ステップS100でユーザが回答した問診項目およびステップS110で取得した心拍データに基づき心状態データおよび身体状態(体調)データを特定する処理である。本実施形態では、ユーザが回答した問診項目およびユーザの心拍データに基づき心状態データを特定する場合も表2に示す心状態データを特定するようにし、また、ユーザが回答した問診項目およびユーザの心拍データに基づき身体状態(体調)データを特定する場合は、表3に示す身体状態(体調)データを特定するようにする。したがって、問診項目の各回答、心拍データ、および心状態・身体状態データには、例えば、予め得点を対応付けて定めており、ステップS100でユーザが入力した問診項目への回答内容およびステップS110で取得した心拍データから心状態・身体状態データの特定を行う。このように、ステップS150では、主観的指標および客観的指標により心状態データおよび身体状態(体調)データを特定する。特定された心状態データおよび身体状態(体調)データを表示部360に表示することで、ユーザが把握できるようにすることが好ましい。なお、本実施形態では、主観的指標のみによる心状態データと、主観的指標および客観的指標による心状態データとを同じデータとしたが、異なる心状態データとしてもよい。同様に、本実施形態では、主観的指標のみによる身体状態(体調)データと、主観的指標および客観的指標による身体状態(体調)データとを同じデータとしたが、異なる身体状態(体調)データとしてもよい。
【0033】
ステップS160は、ステップS120でユーザの顔画像を取得したか否かを判定する処理である。ユーザの顔画像を取得していないと判定された場合はステップS170へ、取得したと判定された場合はステップS180へ進む。
【0034】
ステップS170は、ステップS160で顔画像を取得しなかったと判定した場合にステップS100でユーザが回答した問診項目に基づき、肌状態データを特定する処理である。
表4に肌状態データの一例を示す。
【0035】
【表4】
【0036】
本実施形態では、表4に示したように肌状態データとして、「潤っている」、「色むらがない」、の2種類とし、それぞれ1から5の状態としている。
「潤っている」とは、水分量が保たれている状態、しっとりした状態であり、乾燥していない状態である。
「色むらがない」とは、肌のくすみや赤みなどのない状態、肌の色が均一な状態であり、くすんでいない状態である。
問診項目の各回答と肌状態データには、例えば、予め得点を対応付けて定めており、ステップS100でユーザが入力した問診項目への回答内容から肌状態データの特定を行う。特定された肌状態データを表示部360に表示することで、ユーザが把握できるようにすることが好ましい。
なお、ステップS170で特定した肌状態データは、ユーザ自身が自身について回答した問診項目に基づき特定するため、主観的指標のみによる肌状態データである。また、ステップS170で特定した肌状態データは一例であり、例えば、透明感、つや、キメの整い感、うるおい感、なめらかさ、ハリ、乾燥感、肌の色、肌の黄み、凹凸がないなど、肌の状態であればよい。
【0037】
ステップS180は、ステップS160で顔画像を取得したと判定した場合にステップS100でユーザが回答した問診項目およびステップS120で取得した顔画像に基づき肌状態データを特定する処理である。本実施形態では、ユーザが回答した問診項目およびユーザの顔画像に基づき肌状態データを特定する場合も表4に示す肌状態データを特定するようにする。したがって、問診項目の各回答、顔画像、および肌状態データには、予め得点を対応付けて定めており、ステップS100でユーザが入力した問診項目への回答内容およびステップS120で取得した顔画像から肌状態データの特定を行う。このように、ステップS180では、主観的指標および客観的指標により肌状態データを特定する。特定された肌状態データを表示部360に表示することで、ユーザが把握できるようにすることが好ましい。なお、本実施形態では、主観的指標のみによる肌状態データと、主観的指標および客観的指標による肌状態データとを同じデータとしたが、異なる肌状態データとしてもよい。
【0038】
図3のメインフローチャートの説明に戻る。
ステップS20は、ステップS10で取得した心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データを解析する処理である。取得した心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データからどのような動作データで美容機器200を動作させ美容施術することにより、心状態、肌状態、および身体状態(体調)が改善するかを解析する。詳細は後述するが、解析内容としては、心状態データ、肌状態データおよび身体状態(体調)データの全てがあるか否か、各データの内容はどのようなデータであるか、各心状態データ、各肌状態データ、および各身体状態(体調)データの優劣関係などを解析する。
図5に心の状態、肌の状態、および身体状態(体調)に基づき行われる解析内容のイメージを示す。
図5に示す解析処理では、まず、第一優先事項として、心の状態を用いてリラックス方向(鎮静方向)またはリフレッシュ方向(覚醒方向)のいずれに誘導するような美容施術を行うか判定する。「リラックス」とは、心の状態がリラックスできており、緊張していない状態であり、副交感神経が優位な状態である。「リラックス方向」とは、現状の心の状態よりリラックスした心の状態となる(リラックスした心の状態に近づける)方向のことであり、図5の横軸の右側方向である。例えば、心の状態がリラックスしていなかったり、交感神経が活発な状態である、イライラや興奮状態の場合に、リラックス方向に誘導するようにする。「リフレッシュ」とは、心の状態がリフレッシュできており、やる気のある元気な身体の状態であり、交感神経活動が活性化している状態である。「リフレッシュ方向」とは、現状の心の状態よりリフレッシュした心の状態となる(リフレッシュした心の状態に近づける)方向のことであり、図5の横軸の左側方向である。例えば、心の状態がリフレッシュしていなかったり、気持ちがふさいだ感じであり、身体がシャキッとしない、やる気がでない状態である場合はリフレッシュ方向へ誘導できるような動作データとする。
次に、第二優先事項として、心の状態、肌の状態、および身体の状態(体調)の全てを用いて、どの程度(レベル)リラックス方向へまたはリフレッシュ方向へ誘導できるような動作データとするかを決定する。程度(レベル)は、常に心の状態を肌の状態および身体の状態(体調)より優先するのではなく、心状態データの内容、肌状態データの内容、および身体状態(体調)データの内容によって決定する。
本実施形態では、リラックス方向に誘導する場合、「ディープリラックスモード」と「ライトリラックスモード」の2つのモードを設け、心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データの内容によってどちらのモードとするか判定し、動作データを決定する。
「ディープリラックスモード」とは、心の状態が非常にストレスを感じていて、疲れた状態であり、また、肌の状態もうるおいがなく、色ムラがあり、さらに、身体の状態(体調)もなんだかだるい、身体が重い状態である。図5の縦軸の上側方向の状態である。「ライトリラックスモード」はディープリラックスモードよりはストレスが少なく、心の状態が疲れていない状態であり、肌の状態もディープリラックスモードほど悪い状態ではなく、身体の状態(体調)もディープリラックスモードほど悪くはない状態である。図5の縦軸の下側方向の状態である。
また、本実施形態では、リフレッシュ方向に誘導する場合、「ディープリフレッシュモード」と「ライトリフレッシュモード」の2つのモードを設け、心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データの内容によってどちらのモードとするか判定し、動作データを決定する。
「ディープリフレッシュモード」とは、心の状態がもやもやしていたり、気持ちがふさいだ状態であり、また、肌の状態もうるおいがなく、色ムラがあり、さらに、身体の状態(体調)も全くやる気がでない、頭がぼーっとする状態である。図5の縦軸の上側方向の状態である。「ライトリフレッシュスモード」はディープリフレッシュモードよりは心の状態がもやもやしていない状態であり、肌の状態もディープリフレッシュモードほど悪い状態ではなく、身体の状態(体調)もディープリラックスモードほど悪くはない状態である。図5の縦軸の下側方向の状態である。
そして、例えば、心の状態がすごく疲れていて癒されたい場合、強めの刺激が必要とされており、肌の状態が肌色はよく血流もよい場合は弱めの刺激でよいとされている場合、心の状態を優先して強めの刺激に決定する。また例えば、心の状態だけでなく身体の状態(体調)もすごく疲れていて癒されたい場合、強めの刺激が必要とされており、肌の状態が肌色はよく血流もよい場合は弱めの刺激でよいとされている場合、心の状態と身体の状態(体調)を優先して強めの刺激を長めの時間に決定する。また例えば、心の状態はすごくリラックスしており、肌の状態は潤っていなく、色ムラがある場合は、肌の状態を優先し、強さは弱めだが振動回数を多くし比較的温かい温度を出力するように決定する。また例えば、心の状態はすごくリラックスしているが、身体の状態(体調)は少し身体が重い状態で、肌の状態は潤っていなく、色ムラがある場合は、肌の状態と身体の状態(体調)を優先し、強めの刺激を短い時間出力して身体の状態(体調)を軽減した後、強さは弱めだが振動回数を多くし比較的温かい温度を出力するように決定する。また例えば、予め被験者が心の状態、肌の状態、および身体の状態(体調)の何れを優先とした施術としたいかを指定できるようにし(解析モードの指定)、指定された優先度を考慮して決定してもよい。このような解析は、予め記憶しているテーブル、アルゴリズム、AI(Artificial Intelligence)モデル、機械学習(Machine Learning(ML))モデルなどを用いて行う。
図5に示した各モードとそれぞれの気分・体調、交感神経/副交感神経の状態、適した振動、および適した温度の一例を表5に示す。
【0039】
【表5】
【0040】
図5および表5は一例であって、解析内容はこの限りではない。また、例えば、各モードにおけるユーザの好みを学習させることによって、ユーザ用の解析内容が作成されるようにしてもよい。
【0041】
ここで、ステップS20で行う解析内容について図6を用いて説明する。
【0042】
ステップS210は、肌状態データおよび身体状態(体調)データがあるか否かを判定する処理である。肌状態データがあると判定された場合はステップS215へ、肌状態および身体状態(体調)データがないと判定された場合はステップS265へ移行する。
【0043】
ステップS215は、ステップS210で肌状態データおよび身体状態(体調)データがあると判定された場合である。第一優先事項として、心状態データを基にリラックス方向またはリフレッシュ方向の何れに誘導するかを判定する処理である。
【0044】
ステップS220は、ステップS215の判定結果がリラックス方向か否かを判定する処理である。
【0045】
ステップS225は、ステップS220でリラックス方向と判定された場合、第二優先事項として、心状態データ、肌状態データおよび身体状態(体調)データを基に、どの程度(レベル)リラックス方向へ誘導できるような動作データとするかを決定する。
【0046】
ステップS230は、ステップS225の判定結果がディープリラックスモードか否かを判定する。
【0047】
ステップS235は、ステップS230でディープリラックスモードではないと判定された場合、すなわち、ライトリラックスモードと判定された場合であるため、ライトリラックスモードの中から動作データを決定する。
【0048】
ステップS240は、ステップS230でディープリラックスモードであると判定された場合であるため、ディープリラックスモードの中から動作データを決定する。
【0049】
ステップS245は、ステップS220でリラックス方向と判定されなかった場合、すなわち、リフレッシュ方向と判定された場合、第二優先事項として、心状態データ、肌状態データおよび身体状態(体調)データを基に、どの程度(レベル)リフレッシュ方向へ誘導できるような動作データとするかを決定する。
【0050】
ステップS250は、ステップS245の判定結果がディープリフレッシュモードか否かを判定する。
【0051】
ステップS255は、ステップS250でディープリフレッシュモードである判定された場合であるため、ディープリフレッシュモードの中から動作データを決定する。
【0052】
ステップS260は、ステップS250でディープリフレッシュモードではないと判定された場合、すなわち、ライトリフレッシュモードと判定された場合であるため、ライトリフレッシュモードの中から動作データを決定する。
【0053】
ステップS265は、ステップS210で肌状態データおよび身体状態(体調)データはないと判定された場合であるため、心状態データのみでライトリラックスモード、ディープリラックスモード、ディープリフレッシュモード、およびライトリフレッシュモードの何れとするか決定し、決定したモードの中から動作データを決定する。
【0054】
このように、心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データを解析し、どのような動作データを生成すればよいか解析する。なお、上述した解析内容は一例であり、例えば、第一優先事項で2方向ではなく、3方向、4方向としてもよい。また、第二優先事項で、それぞれ2モードとしたが、3モード、4モードとしてもよい。
【0055】
図3のメインフローチャートの説明に戻る。
ステップS30は、ステップS20での解析結果に基づき処置部210によってユーザの肌に与える刺激を制御するための動作データを生成する処理である。美容機器200の処理能力および処理負荷を考慮し、動作データは処置部210を制御可能な形式が好ましい。動作データには、心状態、肌状態、および身体状態の改善に適した美容施術時間を含めることが好ましい。作成した動作データは受信部220へ出力する。
【0056】
ステップS40は、ステップS30で作成・出力された動作データに基づき、制御部230が受信部220を制御し、ユーザの肌に刺激を与える処理である。
【0057】
ステップS50は、ステップS40での美容施術が開始されてから所定期間mを経過したか否かを判定する処理である。本実施形態では、美容施術を開始してから所定期間mを経過した時点で、美容施術を行う時点のユーザの心の状態を示す心状態データを取得するからである。所定時間mを経過した時点でのユーザの心状態データ、肌状態データおよび身体状態データを取得し、必要に応じて処置部210によってユーザの肌に与える刺激内容を見直すためである。このようにすることで、仮に、美容施術時点でのユーザの心状態、肌状態、および身体の状態(体調)に適していない刺激による美容施術を継続することを避け、ユーザの心状態、肌状態、および身体の状態(体調)の改善につながる刺激による美容施術を行うことが可能となる。所定期間mは、ステップS30で出力された動作データに含まれていてもよいし、制御部230で所定期間mを設定してもよい。所定期間mになったと判定されるとステップS60へ移行する。
【0058】
ステップS60は、ステップS50でユーザが美容機器200を用いた美容施術を開始してから所定期間mを経過したと判定されたときに行う処理であり、所定期間mを経過したときの心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データを取得する処理である。処理の内容はステップS10の処理と同様であるが、ステップS100で行われる問診とは項目が異なる。表6に所定期間mを経過したときに行う問診項目の一例を示す。
【0059】
【表6】
【0060】
ステップS10と同様に、表6に示された問診項目が表示部360に表示され、ユーザは情報処理端末300の入力装置を用いて、問診項目に回答する。回答欄は問診項目に応じて、具体的な値や文言を入力するようする、または、例えば、「はい」、「いいえ」の二択や、「大変あてはまる」、「あてはまる」、「どちらともいえない」、「あてはまらない」、「全くあてはまらない」の五択のようにユーザが選択入力するようにする。
表6に示したように、美容施術を開始してから所定期間mを経過したときの問診項目は、行っている美容施術に対する質問が中心である。このような問診項目とすることで、美容施術による心状態、肌状態、身体状態(体調)への影響を把握することが可能となる。なお、本実施形態ではステップS60の処理を行っている間もステップS40で開始した美容施術を継続するようにしているが、美容施術を休止するようにしてもよい。
【0061】
ステップS65は、ステップS60で新たな心状態データ、肌状態データ、および身体状態データを取得したか否かを判定する処理である。ユーザによっては美容施術に満足している、もしくは入力する気分でないため、所定期間mとなったときに表示される問診項目に回答しない場合もあるからである。新たな心状態データ、肌状態データ、および身体状態データがないと判定された場合はステップS70へ移行し、新たな心状態データ、肌状態データ、および身体状態データがあると判定された場合はステップS75へ移行する。
【0062】
ステップS70は、ステップS60で新たな心状態データ、肌状態データ、および身体状態データを取得しなかったためステップS40で開始した美容施術を美容施術終了期間である所定期間nになるまで継続するものとする。所定期間nになると本処理を終了する。
【0063】
ステップS75は、ステップS60で新たな心状態データ、肌状態データ、および身体状態データを取得した旨の判定がされたため、新たな心状態データ、肌状態データ、および身体状態データの解析を行う。処理内容はステップS20と同様である。
【0064】
ステップS80は、ステップS75での解析結果に基づき処置部210によってユーザの肌に与える刺激を制御するための動作データを生成する処理である。処理内容はステップS30と同様である。
【0065】
ステップS85は、ステップS80で作成・出力された動作データに基づき、制御部230が受信部220を制御し、ユーザの肌に刺激を与える処理である。処理内容はステップS40と同様である。
【0066】
ステップS90は、美容施術終了期間である所定期間nになったか否かを判定する。所定期間nになると本処理を終了する。
【0067】
このような処理を行うことで、美容施術を行う時点のユーザの心の状態、肌の状態、および身体の状態(体調)に基づき美容機器200の処置部210がユーザの肌に与える刺激を制御することができるため、美容機器200を用いるユーザの心の状態、肌の状態、および身体の状態(体調)に応じた美容施術を行うことができ、その結果、心の状態、肌の状態、および身体の状態(体調)を改善することが可能となる。また、ユーザへの問診項目の他、ユーザの心拍データおよび顔画像も用いて心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データを特定することにより、心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データの精度を高めることが可能となる。さらに、美容施術開始時点のユーザの心の状態、肌の状態、および身体の状態(体調)に加え、美容施術後、所定時間経過した時点のユーザの心の状態、肌の状態、および身体の状態(体調)を動作データに反映すること、すなわち、美容施術に伴う心の状態、肌の状態、および身体の状態(体調)の変化を反映できるため、心の状態、肌の状態、および身体の状態(体調)を改善することが可能となる。
【0068】
<第二実施形態>
次に、第一実施形態に対し、出力部340から出力された動作データに基づき動作させる美容機器200を用いた美容施術を行う時点よりも後であって美容施術中以降の所定タイミングのユーザの心の状態を示す施術心状態データを取得し、解析部320は取得部310が取得した施術心状態データに基づいて解析し、データ生成部330は施術心状態データに基づいて行われた解析結果に基づき処置部210によってユーザの肌に与える刺激を制御するための動作データを生成することを加えた第二実施形態について説明する。
第一実施形態は、美容施術を行う時点のユーザの心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データに基づき動作データを生成した。すなわち、今回美容施術を行う際の動作データを今回の美容施術を行う時点のユーザの心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データに基づき動作データを生成した。一方、第二実施形態は、今回美容施術を行う時点のユーザの心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データに加え、過去に行われた美容施術中以降の所定タイミングのユーザの心の状態を示す施術心状態データ、過去に行われた美容施術中以降の所定タイミングのユーザの肌の状態を示す施術肌状態データ、および過去に行われた美容施術中以降の所定タイミングのユーザの身体の状態(体調)を示す施術身体状態(体調)データを用いて動作データを生成する。すなわち、今回の美容施術を行う際の動作データを過去に行われた美容施術中以降の所定タイミングの心の状態、肌の状態、および身体の状態(体調)を考慮して生成する。
図7-1および図7-2に、第二実施形態のメインフローチャートを示す。図7-1および図7-2を用いて第二実施形態について説明する。なお、第一実施形態のメインフローチャート(図3)と同じ処理については説明を省略する。
【0069】
ステップS10は、第一実施形態と同様である。
【0070】
ステップS25は、心状態データ、肌状態データ、身体状態(体調)データ、後述する施術心状態データ、後述する施術肌状態データ、および後述する施術身体状態(体調)データを解析する処理であり、第一実施形態のステップS20にあたる処理である。詳細は後述するが、「施術心状態データ」は、ユーザが動作データに基づき動作させる美容機器200を用いた美容施術を行う時点よりも後であって美容施術中以降の所定タイミングのユーザの心の状態を示すデータである。また、「施術肌状態データ」は、ユーザが動作データに基づき動作させる美容機器200を用いた美容施術を行う時点よりも後であって美容施術中以降の所定タイミングのユーザの肌の状態を示すデータである。さらに、「施術身体状態(体調)データ」は、ユーザが動作データに基づき動作させる美容機器200を用いた美容施術を行う時点よりも後であって美容施術中以降の所定タイミングのユーザの身体の状態(体調)を示すデータである。言い換えると、「施術心状態データ」は、動作データの基とした心状態データを取得した時点より後のタイミングの動作データに基づく美容施術による心状態データであり、また、「施術肌状態データ」は、動作データの基とした肌状態データを取得した時点より後のタイミングの動作データに基づく美容施術による肌状態データである。さらに、「施術身体状態(体調)データ」は、動作データの基とした身体状態(体調)状態データを取得した時点より後のタイミングの動作データに基づく美容施術による身体状態(体調)状態データである。そして施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データは、データを取得したとき以降の美容施術で動作データを生成する際に用いる。すなわち、過去(前回)の美容施術結果を今回の美容施術で生成する動作データに反映するためのデータである。
第一実施形態のステップS20では、ステップS10で取得した今回の美容施術時点でのユーザの心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データを解析するが、ステップS25では、今回の美容施術時点でのユーザの心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データに加え、過去(前回)に行った美容施術後の施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データを解析する。このようにすることで、過去に行った美容施術の結果(施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データ)を今回の美容施術に反映できるため、継続的に美容機器200を使うことによる効果を高めることが可能となる。
【0071】
ステップS25では、第一実施形態のステップS20と同様に、心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データの種類によって解析結果が異なる。また、ステップS25では、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データも解析に用いる。
解析内容の一例について図8を用いて説明する。
【0072】
ステップS310は、肌状態データおよび身体状態(体調)データがあるか否かを判定する処理である。肌状態データおよび身体状態(体調)データがあると判定された場合はステップS315へ、肌状態データおよび身体状態(体調)データがないと判定された場合はステップS365へ移行する。
【0073】
ステップS315は、ステップS310で肌状態データおよび身体状態(体調)データがあると判定された場合である。第一優先事項として、心状態データを基にリラックス方向またはリフレッシュ方向の何れに誘導するかを判定する処理である。
【0074】
ステップS320は、ステップS315の判定結果がリラックス方向か否かを判定する処理である。
【0075】
ステップS325は、ステップS320でリラックス方向と判定された場合、第二優先事項として、心状態データ、肌状態データ、身体状態(体調)データ、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データを基に、どの程度(レベル)リラックス方向へ誘導できるような動作データとするかを決定する。第二実施形態では、どの程度リラックス方向へ誘導できるような動作データとするかを決定する際に、以前に行った美容施術時(前回の美容施術時や過去に行った美容施術時)の施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データも合わせて用いる。例えば、心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データと施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データとを比較して、どの程度(レベル)リラックス方向へ誘導できるような動作データとするかを決定する。このようにすることで、例えば、継続的に(慢性的に)リラックス方向へ誘導する必要があるか否かを判定することで、どの程度(レベル)リラックス方向へ誘導できるようすればよいかの決定材料にすることが可能となる。
【0076】
ステップS330は、ステップS325の判定結果がディープリラックスモードか否かを判定する。
【0077】
ステップS335は、ステップS330でディープリラックスモードではないと判定された場合、すなわち、ライトリラックスモードと判定された場合であるため、ライトリラックスモードの中から動作データを決定する。第二実施形態では、動作データとするかを決定する際にも以前(前回)に行った美容施術時の施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データも合わせて用いることが好ましい。例えば、心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データと施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データとを比較して、心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データが施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データより改善していれば、前回の動作データを踏襲した動作データに決定する。また、心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データと施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データとを比較して、心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データが施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データより悪化していれば、別の動作データの活用、または動作データに改良を加えて決定する。
【0078】
ステップS340は、ステップS330でディープリラックスモードであると判定された場合であるため、ディープリラックスモードの中から動作データを決定する。ステップS340の処理でも、ステップS335の処理と同様に、以前(前回)に行った美容施術時の施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データも合わせて用いることが好ましい。
【0079】
ステップS345は、ステップS320でリラックス方向と判定されなかった場合、すなわち、リフレッシュ方向と判定された場合、第二優先事項として、心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データを基に、どの程度(レベル)リフレッシュ方向へ誘導できるような動作データとするかを決定する。ステップS345の処理でも、ステップS325の処理と同様に、以前(前回)に行った美容施術時の施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データも合わせて用いることが好ましい。
【0080】
ステップS350は、ステップS345の判定結果がディープリフレッシュモードか否かを判定する。
【0081】
ステップS355は、ステップS350でディープリフレッシュモードであると判定された場合であるため、ディープリフレッシュモードの中から動作データを決定する。ステップS355の処理でも、ステップS335の処理と同様に、以前(前回)に行った美容施術時の施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データも合わせて用いることが好ましい。
【0082】
ステップS360は、ステップS350でディープリフレッシュモードではないと判定された場合、すなわち、ライトリフレッシュモードと判定された場合であるため、ライトリフレッシュモードの中から動作データを決定する。ステップS360の処理でも、ステップS335の処理と同様に、以前(前回)に行った美容施術時の施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データも合わせて用いることが好ましい。
【0083】
ステップS365は、ステップS310で肌状態データおよび身体状態(体調)データはないと判定された場合であるため、心状態データおよび施術心状態データより動作データを決定する。なお、施術肌状態データおよび/または施術身体状態(体調)データがあれば施術肌状態データおよび/または施術身体状態(体調)データも用いて動作データを決定する。
【0084】
このように、以前(前回)に行った美容施術時の施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データも合わせて用いることで、継続して美容施術を行っているユーザはこれまでの美容施術結果、美容施術内容を反映した動作データを作成することができるため、改善効果を高められる。また、前回に行った美容施術時の施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データだけでなく、複数回分の施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データを参照し、データの推移を解析し、解析結果に反映するようにすることが好ましい。また、例えば、継続的に美容施術を行っているユーザであれば、施術心状態データおよび施術身体状態(体調)データにより、自律神経活動のサーカディアンリズムを把握したり、普段の状態と比べて今回はどのような状態かを判定し、動作データに反映でき、ユーザにあった動作データを作成することが可能となる。なお、一般的に、自律神経は、朝は交感神経活動が活性化され、夜は副交感神経が活性化(交感神経の活性化は抑えられ、副交感神経優位な状態)が好ましいため、美容施術を行う時間も動作データの作成に考慮することが好ましい。例えば、夜、美容施術をしようとして心状態データおよび身体状態(体調)データを特定した際に、副交感神経活動の活性化レベル(もしくは、交換神経の不活性化レベル)がいつもより不十分な場合、より強くリラックス(鎮静)方向へ誘導できるように動作データを作成する。また、例えば、朝、美容施術しようとして心状態データ、および身体状態(体調)データを特定した際に、いつもより交感神経活動が高まっていない場合、より強くリフレッシュ(覚醒)方向へ誘導できるように動作データを作成する。
【0085】
図7-1のメインフローチャートに戻って説明する。
ステップS35は、ステップS25の解析結果ならびに施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データを解析し、作成した動作データを含めて、今回の美容施術で処置部210によってユーザの肌に与える刺激を制御するための動作データを生成する処理である。ステップS35の処理は、第一実施形態のステップS30にあたる処理である。ステップS35では、過去(前回)に行った美容施術後の施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データに基づく動作データも反映した動作データを生成できる。
【0086】
ステップS40からステップS90の処理は、第一実施形態と同様である。
【0087】
ステップS91は、ステップS70またはステップS90によって美容施術期間である所定期間nとなったことにより移行される処理である。
【0088】
ステップS92は、ユーザが動作データに基づき動作させる美容機器200を用いた美容施術を行う時点よりも後であって美容施術中以降の所定タイミングのユーザの心の状態を示す施術心状態データ、肌の状態を示す施術肌状態データ、および身体の状態を示す施術身体状態データを取得する処理である。
「動作データに基づき動作させる美容機器200を用いた美容施術を行う時点よりも後」とは、美容機器200を用いた美容施術を行う際の動作データを用いた心の状態、肌の状態、および身体状態データを取得した時点よりも後であり、例えば、美容機器200を用いた美容施術中(図7-1ステップS85以降が相当)、および美容施術後(図7-2ステップS91、ステップS92が相当)である。
「美容施術中以降の所定タイミング」とは、美容機器200を用いた美容施術を行う時点よりも後であり、美容施術中または美容施術後の何れのタイミングでもよい。本実施形態では、所定タイミングは美容施術後とする。
ステップS92の処理について図9を用いて説明する。なお、図9に示す処理は、図4に示す処理と共通する部分が多いため、共通する部分は省略するものとする。
【0089】
ステップS900は、表示部360に問診項目が表示され、ユーザが表示された問診項目に対し回答を入力する処理である。
表7にステップS900で表示される問診項目の例を示す。
【0090】
【表7】
【0091】
表7に示された問診項目が表示部360に表示され、ユーザは情報処理端末300の入力装置を用いて、問診項目に回答する。回答欄は問診項目に応じて、具体的な値や文言を入力するようする、または、例えば、「はい」、「いいえ」の二択や、「大変あてはまる」、「あてはまる」、「どちらともいえない」、「あてはまらない」、「全くあてはまらない」の五択のようにユーザが選択入力するようにする。
表7に示した施術後の問診項目は、実施された美容施術はどうだったか、美容施術を行ったことにより、心状態、肌状態、および身体状態(体調)はどのように変化したか、などに関する項目である。
また、表7に示した施術の翌朝の問診項目は、美容施術を行った次の日の朝、施術を行うとき、または施術は行わないが情報処理端末300を用いてユーザが入力可能な項目である。美容施術を行った次の日の朝の状態が良好だった場合、その美容施術を行った際の動作データを後の美容施術の動作データに反映することは美容施術効果を高められるため重要な項目である。問診項目としては、睡眠に関すること、目覚めに関することなどとすることが好ましい。
また、表7に示した朝施術を行った日の夜の問診項目は、朝に美容施術を行った日の夜に施術を行うとき、または施術は行わないが情報処理端末を用いてユーザが入力可能な項目である。朝に美容施術を行った後、その日の状態が良好だった場合、その美容施術を行った際の動作データを後の美容施術の動作データに反映することは美容施術効果を高められるため重要な項目である。問診項目としては、その日1日の仕事、家事、勉強などがはかどったか、気持ちはどんなだったか(活き活きとしていたか)などとすることがこのましい。
また、問診項目に回答するのはユーザ自身であるため、問診項目の回答は主観的指標といえる。
ユーザは全ての項目に回答すると、全ての項目に回答した旨の入力を行う。
【0092】
ステップS910は、ユーザの心拍データを取得する処理である。処理内容はステップS110と同様であるため、説明は省略する。
【0093】
ステップS920は、ユーザの顔画像を取得する処理である。処理内容はステップS120と同様であるため、説明は省略する。
【0094】
ステップS930は、ステップS910でユーザの心拍データを取得したか否かを判定する処理である。ユーザの心拍データを取得していないと判定した場合はステップS940へ、取得していると判定した場合はステップS950へ進む。
【0095】
ステップS940は、ステップS930で心拍データを取得しなかったと判定した場合にステップS900でユーザが回答した問診項目に基づき、施術心状態データおよび施術身体状態(体調)データを特定する処理である。
本実施形態では、施術心状態データは表2に示した心状態データと、施術身体状態(体調)データは表3に示した身体状態(体調)データと同じものとするが、異なるデータとしてもよい。なお、施術心状態データは表2に示した心状態データと、施術身体状態(体調)データは表3に示した身体状態(体調)データと同じものとしたため、処理内容はステップS140と同様であるため、説明は省略する。
【0096】
ステップS950は、ステップS930で心拍データを取得したと判定した場合に、ステップS900でユーザが回答した問診項目およびステップS910で取得した心拍データに基づき施術心状態データおよび施術身体状態(体調)データを特定する処理である。本実施形態では、ユーザが回答した問診項目およびユーザの心拍データに基づき施術心状態データを特定する場合も表2に示す心状態データ(施術心状態データ)を特定するようにする。また、ユーザが回答した問診項目およびユーザの心拍データに基づき施術身体状態(体調)データを特定する場合も表3に示す身体状態(体調)データ(施術身体状態(体調))を特定するようにする。処理内容はステップS150と同様であるため、説明は省略する。
【0097】
ステップS960は、ステップS920でユーザの顔画像を取得したか否かを判定する処理である。ユーザの顔画像を取得していないと判定された場合はステップS970へ、取得したと判定された場合はステップS980へ進む。
【0098】
ステップS970は、ステップS960で顔画像を取得しなかったと判定した場合にステップS900でユーザが回答した問診項目に基づき、施術肌状態データを特定する処理である。
本実施形態では、施術肌状態データは表4に示した肌状態データと同じものとするが、異なるデータとしてもよい。なお、施術肌状態データは表4に示した肌状態データと同じものとしたので、処理内容はステップS170と同様であるため、説明は省略する。
【0099】
ステップS980は、ステップS960で顔画像を取得したと判定した場合にステップS900でユーザが回答した問診項目およびステップS920で取得した顔画像に基づき肌状態データの特定する処理である。本実施形態では、ユーザが回答した問診項目およびユーザの顔画像に基づき施術肌状態データを特定する場合も表4に示す肌状態データ(施術肌状態データ)を特定するようにする。したがって、問診項目の各回答、顔画像、および施術肌状態データには、予め得点を対応付けて定めており、ステップS900でユーザが入力した問診項目への回答内容およびステップS920で取得した顔画像から施術肌状態データの特定を行う。このように、ステップS980では、主観的指標および客観的指標により施術肌状態データを特定する。特定された施術肌状態データを表示部360に表示することで、ユーザが把握できるようにすることが好ましい。なお、本実施形態では、主観的指標のみによる施術肌状態データと、主観的指標および客観的指標による施術肌状態データとを同じデータとしたが、異なる施術肌状態データとしてもよい。
【0100】
図7-2のメインフローチャートの説明に戻る。
ステップS93は、ステップS92で取得した施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データを解析する処理である。取得した施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データからどのような動作データで美容機器200を動作させ美容施術することにより、心状態、肌状態、および身体状態(体調)が改善するかを解析する。解析内容としては、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態データの全て、もしくは何れかのデータがあるか否か、各データの内容はどのようなデータであるか、各施術心状態データ、各施術肌状態データ、および各施術身体状態(体調)データの優劣関係などを解析する。例えば、ステップS20の処理(図3に示した処理)と同様の処理を取得した施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データを用いて行う。
【0101】
ステップS94は、ステップS93の解析結果より次回の美容施術で処置部210によってユーザの肌に与える刺激を制御するための動作データに反映する動作データを作成する処理である。このように、今回の美容施術結果を次回の美容施術に反映できる、すなわち、今回の美容施術結果を次回の美容施術にフィードバックすることが可能となる。
なお、図7-1、図7-2、および図9に示した、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態データを、美容施術を行う度に取得し(すなわち、複数回美容施術を実施すると施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態データを複数回取得することとなる)、取得するごとに解析を行い(ステップS93の処理を行い)、解析が行われるごとに動作データを生成する(ステップS94の処理を行う)ようにすることが好ましい。このようにすることで、本システムを利用して継続的に美容施術を行う場合、処置部210の動作データに過去の美容施術結果をフィードバックできるため、継続的に美容機器200を使用した際の効果を高めることが可能となる。
【0102】
なお、上述ではステップS93およびステップS94の処理は、表7に示した、施術後、施術の翌朝、朝施術を行った日の夜の問診項目の入力を終えないと行われない流れで記載したが、ユーザによって美容施術は朝のみ、夜のみ、または不定期であったり、また、問診項目への入力忘れもある。そこで、施術後の項目の入力を終えるとステップS93およびステップS94の処理が行われ、その後、施術の翌朝の項目の入力があった場合に、再度、ステップS93およびステップS94の処理が行われ、施術の翌朝の項目の入力内容を反映した動作データを作成するようにしてもよい。同様に、朝施術を行った日の夜の問診項目の入力があった場合に、再度、ステップS93およびステップS94の処理が行われ、朝施術を行った日の夜の問診項目の入力内容を反映した動作データを作成するようにしてもよい。
【0103】
上述したように、第一実施形態および第二実施形態とも、処置部210を制御する動作データをユーザから取得した複数種類のデータに基づき生成する。図10に、第一実施形態および第二実施形態のそれぞれで用いるデータについて整理する。また、表8に、ユーザからどのようなデータを取得するか整理する。
図10(1)に示したように、第一実施形態では、美容施術を行う時点での心の状態を示す心状態データを用いる。第一実施形態では、美容施術を行う時点での肌の状態を示す肌状態データも用いる。第一実施形態では、美容施術を行う時点での身体の状態を示す身体状態(体調)データも用いる。心状態データは、主観的指標に基づくデータ(例えば、ユーザに対して行う問診に基づくデータ)と客観的指標に基づくデータ(例えば、心拍データ)の両方を用いることが好ましい。肌状態データは、主観的指標に基づくデータ(例えば、ユーザに対して行う問診に基づくデータ)と客観的指標に基づくデータ(例えば、顔画像)の両方を用いることが好ましい。身体状態(体調)データは、主観的指標に基づくデータ(例えば、ユーザに対して行う問診に基づくデータ)と客観的指標に基づくデータ(例えば、心拍)の両方を用いることが好ましい。なお、全ての種類のデータがなくても動作データを生成することは可能である。
図10(2)に示したように、第二実施形態では、美容施術を行う時点での心の状態を示す心状態データに加え、美容施術を行う時点より後であって美容施術中以降の所定タイミングの心の状態を示す施術心状態データを用いる。第二実施形態では、美容施術を行う時点での肌の状態を示す肌状態データおよび美容施術を行う時点より後であって美容施術中以降の所定タイミングの肌の状態を示す施術肌状態データを用いる。第二実施形態では、美容施術を行う時点での身体の状態を示す身体状態(体調)データおよび美容施術を行う時点より後であって美容施術中以降の所定タイミングの身体の状態を示す施術身体状態(体調)データを用いるとさらによい。このように、美容施術を行う時点より後であって美容施術中以降の所定タイミングのデータ(前回以前の美容施術中以降の所定タイミングのデータ)も用いることで、継続的な効果を、生成する動作データに反映できる。心状態データおよび施術心状態データは、主観的指標に基づくデータ(例えば、ユーザに対して行う問診に基づくデータ)と客観的指標に基づくデータ(例えば、心拍データ)の両方用いることが好ましい。肌状態データおよび施術肌状態データは、主観的指標に基づくデータ(例えば、ユーザに対して行う問診に基づくデータ)と客観的指標に基づくデータ(例えば、顔画像)の両方用いることが好ましい。身体状態(体調)データおよび施術身体状態(体調)データは、主観的指標に基づくデータ(例えば、ユーザに対して行う問診に基づくデータ)と客観的指標に基づくデータ(例えば、心拍データ)の両方用いることが好ましい。なお、全ての種類のデータがなくても動作データを生成することは可能である。
【表8】
【0104】
表8に示したように、ユーザの心状態、肌状態、身体状態(体調)、および生活スタイル等に関する主観的指標および客観的指標を取得し、動作データを生成する。また、施術頻度に応じて、取得した心拍数を心の状態を示す心状態データまたは身体の状態を示す身体状態データとして用いるようにする。
【0105】
<美容方法>
次に、ユーザが所定の美容施術を行う時点の心の状態を示す心状態データに基づいて、ユーザを美容施術する情報を作成する美容方法(以下、「本方法」ということもある)について説明する。本方法は、「取得工程(ステップS500)」、「解析工程(ステップS510)」、「情報作成工程(ステップS520)」、および「出力工程(ステップS530)」からなる。本方法について、図11を用いて説明する。
【0106】
取得工程(ステップS500)は、ユーザが所定の美容施術を行う時点の心の状態を示す心状態データを取得する工程である。
「ユーザが所定の美容施術を行う」とは、医療行為を除いた、美容マッサージ、スキンケアなど心、肌、身体の美容に関わる様々な施術のことであり、フェイシャルマッサージ、ハンドマッサージ、つぼ押し棒のような美容器具を用いたマッサージなどである。
「美容施術を行う時点」とは、美容施術を開始する時点、および美容施術中の何れも含むものとする。ユーザが美容施術を開始する時点とは、例えば、ユーザ自身や美容施術者の手や所定の美容器具を用いて施術を開始する前である。また、美容施術中とは、例えば、ユーザ自身や美容施術者の手や所定の美容器具を用いて施術が行われているときである。
「心の状態」とは、上述したように、心理状態、精神状態であり、具体的には、疲れている、ストレスがある、落ち着かない、不安がある、緊張している、鎮静状態である、心地よい、満足な気持ち、幸せな気持ち、贅沢な気持ち、活力が湧く、嬉しい、期待感がある、気持ち良い、自信が出た、わくわくした、がっかりした、不満、眠い、シャキッとしている、リラックスしている、リフレッシュしている、楽しい気持ちである、やる気に満ち溢れている、覚醒状態であるなどである。心の状態は、ユーザが所定の問診項目に答えることにより取得したデータ、ユーザの心拍数、表情、顔や手の表面温度、呼吸、脳波、体温、瞬き、血圧、施術速度から取得したデータなどから特定したデータであり、これらを示したデータを「心の状態を示す心状態データ」という。心状態データは、ユーザが所定の問診項目に答えることにより取得可能なデータ、ユーザの心拍数、表情、顔や手の表面温度、呼吸、脳波、体温、瞬き、血圧、施術速度などから取得可能なデータなどがあり、本実施形態では何れの心状態データも含むものとする。
「取得する」とは、上述したように、ユーザが所定の問診項目に回答することにより取得すること、ユーザの心拍数、表情、顔や手の表面温度を解析することにより取得することである。本実施形態では、所定の問診項目にユーザが回答することにより取得する心状態データ、ユーザの心拍数を抽出し、解析することにより取得する心状態データを用いることとする。また、ユーザが所定の問診項目に答えることにより取得可能なデータ、ユーザの心拍数、表情、顔や手の表面温度から取得可能なデータから心の状態を特定することも含まれる。
【0107】
解析工程(ステップS510)は、取得工程によって取得したデータを解析する解析工程である。
「解析する」とは、取得した心状態データを予め準備してあったテーブル、アルゴリズムなどを用いてどのような美容施術を行うことで、心の状態を改善できるか、または、ユーザが望む心の状態に近づけることができるかを解析する。
【0108】
情報作成工程(ステップS520)は、解析工程による解析結果に基づき、ユーザを含む美容施術者がユーザを美容施術する情報を作成する工程である。
「ユーザを含む美容施術者」とは、本方法の美容施術はユーザ自身で美容施術を行うことおよびユーザ自身以外の美容施術者が美容施術を行うこと何れも含むこととする。
「美容施術する情報」とは、美容施術内容であり、具体的には、マッサージの力加減、マッサージスピード、マッサージ時間、施術する際の手の温度、施術環境などの情報である。
【0109】
出力工程(ステップS530)は、情報作成工程によって作成した美容施術する情報を出力する工程である。
「出力する」とは、美容施術者が美容施術する情報を把握できる形態であればよく、例えば、紙媒体に出力する、電子データで出力する、音声により美容施術情報を指示するなどである。
【0110】
本方法によって美容施術する情報を作成する場合、心の状態を示す心状態データの他、肌状態データ、身体状態(体調)データ、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データを用いてもよい。なお、心状態データ、肌状態データ、身体状態(体調)データ、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データの内容は、美容システム100に説明した内容と同様である。
このように、本方法は、美容施術する時点でのユーザの心の状態、肌の状態や身体の状態(体調)に基づいて美容施術内容を作成するため、ユーザの心の状態、肌の状態、および身体の状態(体調)にあった美容施術を行うことが可能となる。また、美容施術する情報を作成する場合に、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データも用いることにより、継続的な美容施術を行うことができ、継続的な改善効果も可能となる。
【0111】
<変形例>
本実施形態では、ユーザ自身の心状態データ、肌状態データ、身体状態(体調)データに基づいて動作データを生成したがこれに限らない。例えば、同一タイプ(性能)の美容機器200を使用する他の複数の被験者の心状態データ、肌状態データ、身体状態(体調)データ、施術心状態データ、施術肌状態データ、施術身体状態(体調)データ、および動作データの少なくとも何れか1つを用いて動作データを生成するようにしてもよい。具体的には、他の被験者の年代、性別、ライフスタイル、嗜好、自律神経活動の特性、職業、趣味、生活習慣、肌状態、肌タイプ(肌悩みを含む)など他ユーザの情報、および、この被験者が美容施術した際の動作データをサーバーに登録し、例えば、ユーザと同じ年代の他の複数の被験者のデータを用いる、ユーザと同様の肌状態データの他の複数の被験者で肌状態が改善した被験者のデータを用いるなどすればよい。このように、他の複数の被験者のデータを用いることで、動作データを生成する際に用いるデータの種類が増え、ユーザの心の状態、肌の状態、および身体の状態(体調)を改善可能な動作データを生成することが可能となる。
【0112】
本実施形態では、顔画像から肌状態データおよび施術肌状態データを取得したが、顔画像から心状態データ、施術心状態データ、身体状態(体調)データ、施術身体状態(体調)データを取得してもよい。具体的には、人工知能を用いて顔画像から表情を分析し、心の状態や身体の状態(体調)を取得してもよい。また、呼吸、脳波、体温、瞬き、血圧など、ユーザの生体情報を取得し、AI、テーブル、アルゴリズムなどを用いて心の状態や身体の状態を取得してもよい。また、施術速度、話し方などを、例えばモーションキャプチャーを用いて取得し、心の状態や身体の状態を取得するようにしてもよい。このようにすることで、心状態データ、施術心状態データ、身体状態(体調)データ、施術身体状態(体調)データにさらに客観的指標を含めることができ、ユーザの心の状態、肌の状態、および身体の状態(体調)を改善可能な動作データを生成することが可能となる。
【0113】
本実施形態では、問診項目から主観的指標の心状態データ、肌状態データ、身体状態(体調)データ、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データを取得したが、第三者が問診項目の質問項目に回答した結果から各データを取得することにより、客観的指標のデータになる。特に、ユーザにとって肌の状態はどのように見えるかが重要でもあるため、第三者が回答した結果(すなわち、客観的指標)から取得してもよい。
【0114】
本実施形態では、心状態データ、肌状態データ、身体状態(体調)データ、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データを解析する処理(ステップS20、ステップS25)では、心状態データ、肌状態データ、身体状態(体調)データ、それぞれのスコアで判定したが、これに限らない。例えば、心状態データ、肌状態データ、身体状態(体調)データの合計スコアで判定してもよいし、心状態データのスコアと、肌状態データと身体状態(体調)データの合計スコアとで判定してもよい。
【0115】
本実施形態では、心の状態、肌の状態、および身体の状態(体調)に基づき行われる解析を行う際に、肌状態データおよび身体状態データの有無を判定したが(ステップS210、ステップS310)、これに限らない。肌状態データの有無を判定する処理と身体状態(体調)データの有無を判定する処理を個々に設け、肌状態データのみある場合、身体状態(体調)データのみある場合、肌状態データおよび身体状態(体調)データがある場合で、その後の処理(例えば、第二優先事項に基づく、どの程度(レベル)リラックス方向へまたはリフレッシュ方向へ誘導できるような動作データとするかを決定する処理)を異なるようにしてもよい。このようにすることで、肌状態データおよび身体状態(体調)データの何れかしかない場合でも、どの程度(レベル)リラックス方向へまたはリフレッシュ方向へ誘導できるような動作データとするかを決定する際に反映することが可能となる。このように、特定できたデータのみを用いるようにすることで、特定できたデータが多ければ、ユーザの心の状態、肌の状態、身体の状態(体調)により適した施術を行うことができる一方、特定できたデータが少なくてもユーザの心の状態、肌の状態、身体の状態(体調)に応じた施術を行えるため、例えば、時間がなく全ての問診に答えるのが難しい場合や顔画像を取得できない場合など、施術時の状況に応じた動作データを作成でき、施術を行うことが可能となる。
【0116】
本実施形態では、施術中に新たな心状態データ、肌状態データ、および身体状態データを取得したか否かを判定し(ステップS65)、全てを取得した場合は新たな心状態データ、肌状態データ、および身体状態データの解析を行うようにしたがこれに限らない。例えば、いずれか1つのデータを取得していれば、取得したデータに対し解析を行い、解析結果に基づき動作データの見直しを行うようにしてもよい。このようにすることで、取得したデータが1つの場合でも、動作データの見直しを行うことが可能となる。
【0117】
本実施形態では、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データの解析が行われるごとに動作データを生成するようにしたがこれに限らない。例えば、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データを取得するごとに解析を行い、この解析結果とユーザが美容施術を行うときに行う心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データの解析結果とを合わせて動作データを作成するようにしてもよい。このようにしても、前回(過去)の美容施術内容を反映した動作データを作成することが可能となる。
【0118】
施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データを含めた解析(第二実施形態、ステップS25の処理)内容は上述した限りではなく、次のようなものでもよい。
心の状態の改善には、ユーザ自身の美容施術に対する好みも影響すると思われる。一方、肌の状態の改善は、肌細胞などへ適切な振動、温度、時間などで美容施術するほうが、改善効果が高い。そこで、問診項目にユーザの好みの刺激が把握できる項目を含め、例えば、肌状態データは良好であるが、心状態データが良好でない場合は、好みの刺激を考慮した動作データを生成する解析結果となるようにしてもよい。
【0119】
また、解析結果により、振動:強めおよび温度:高めの動作データを生成することとなった場合、美容施術開始時点から振動および温度の刺激を強める(高める)と、刺激が強すぎて(高すぎて)心の状態に悪影響を及ぼす可能性がある。そこで、解析結果により、振動:強めおよび温度:高めの動作データを生成することとなった場合、何れか一方の刺激(例えば、温度を高めで開始)を与えた後、振動を強めに制御するようにしてもよい。なお、何れの刺激を先に強めにするかは、ユーザ自身の美容施術に対する好みを考慮して決定してもよい。
【0120】
また、複数回の施術心状態データ、複数回の施術肌状態データ、および複数回の施術身体状態(体調)データの推移を考慮するようにしてもよい。例えば、複数回の施術心状態データ、複数回の施術肌状態データ、および複数回の施術身体状態(体調)データが改善方向に推移しているのであれば、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データを心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データより優先するようにするとよい。一方、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データの推移にばらつきがあるのであれば、心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データを優先するようにするとよい。これは、施術心状態データ、施術肌状態データ、および身体状態(体調)データの推移にばらつきがある場合は、一定した効果が得られていると考えにくいため、美容施術時のユーザの心の状態、肌の状態、および身体状態(体調)データを優先するほうが、改善効果が高い可能性が高いためである。
【0121】
施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データを取得した時と心状態データ、肌状態データ、および身体状態(体調)データを取得した時とが所定期間以上の場合は、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データを解析に用いないこととしてもよい。所定期間以上前の施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態(体調)データでは、現状の心状態、肌状態、身体状態(体調)には適したデータではない可能性が高いからである。
【0122】
本実施形態では、データ生成部330は、処置部210によってユーザの肌に与える刺激を制御するための動作データを生成したが、これに限らない。例えば、音声出力部350から出力する音声に関するデータをユーザの心状態データ、肌状態データ、身体状態(体調)データ、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態データに基づいて生成してもよい。ユーザの状態の改善には、処置部210によってユーザの肌に刺激を与える以外にも心の状態にあった音楽を聴くこと(音の刺激を与えること)も重要であり、心の状態にあった音楽を生成した動作データによる美容施術時に合わせて聴くことで、心の状態の改善につながる可能性が高い。そこで、美容施術時点でもユーザの心状態データ、肌状態データ、身体状態(体調)データ、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態データに基づき、音声に関するデータを生成し、生成した動作データによる美容施術時に合わせて聴くようにすることが好ましい。また、生成した動作データ(特に、振動速度、振動テンポ)と出力される音声の速度、テンポは同期していることが好ましい。
本実施形態における「音声に関するデータ」とは、音声データ自体、音声の種類(例えば、クラッシック、ロック、スローテンポ、アップテンポなど)、音声タイトル(曲名)などである。
【0123】
本実施形態では、データ生成部330は、処置部210によってユーザの肌に与える刺激を制御するための動作データを生成したが、これに限らない。例えば、表示部360から出力する画像に関するデータをユーザの心状態データ、肌状態データ、身体状態(体調)データ、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態データに基づいて生成してもよい。ユーザの状態の改善には、処置部210によってユーザの肌に刺激を与える以外にも心の状態にあった画像を観ること(画像の刺激を与えること)も重要であり、心の状態にあった画像を生成した動作データによる美容施術時に合わせて観ることで、心の状態の改善につながる可能性が高い。そこで、美容施術時点でもユーザの心状態データ、肌状態データ、身体状態(体調)データ、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態データに基づき、画像に関するデータを生成し、生成した動作データによる美容施術時に合わせて観るようにすることが好ましい。このとき、無音で画像を観てもよいが、ユーザの心状態データ、肌状態データ、身体状態(体調)データ、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態データに基づき、生成された音声に関するデータを聴きながら画像をみるとさらに好ましい。
本実施形態における「画像に関するデータ」とは、画像自体、画像の種類(例えば、星空画像、海画像、モノクロ画像など)、画像タイトルなどである。なお、画像とは静止画像および動画像いずれも含まれ、また、アニメーション画像も含まれる。
【0124】
また例えば、香り出力手段であるアロマシュータ―(図示しない)を設け、アロマシューターから出力する香りに関するデータをユーザの心状態データ、肌状態データ、身体状態(体調)データ、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態データに基づいて生成してもよい。ユーザの状態の改善には、処置部210によってユーザの肌に刺激を与える以外にも心の状態にあった香りを嗅ぐこと(香りの刺激を与えること)も重要であり、心の状態にあった香りを生成した動作データによる美容施術時に合わせて嗅ぐことで、心の状態の改善につながる可能性が高い。そこで、美容施術時点でもユーザの心状態データ、肌状態データ、身体状態(体調)データ、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態データに基づき、香りに関するデータを生成し、生成した動作データによる美容施術時に合わせて嗅ぐようにすることが好ましい。このとき、音声や画像はなくてもよいがユーザの心状態データ、肌状態データ、身体状態(体調)データ、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態データに基づき、生成された音声に関するデータを聴き、ユーザの心状態データ、肌状態データ、身体状態(体調)データ、施術心状態データ、施術肌状態データ、および施術身体状態データに基づき、生成された画像に関するデータを観ながら、香りを嗅ぐとさらに好ましい。
【0125】
作成する動作データの振動は、取得したユーザの心拍と連動するようにしてもよい。動作データの振動をユーザの心拍と連動するようにすることで、自分の心の状態や身体の状態を感じたり、より、心の状態や身体の状態を整えられる可能性を高めることができる。この場合、例えば、施術中はユーザの心拍を取得し続け、心拍の変化に伴い、動作データの振動を変化(連動)させることが好ましい。
【0126】
本実施形態では、AIモデルを用いて、肌の質感を判定し、肌状態データを特定するようにしたがこれに限らない。例えば、顔画像から経皮水分蒸散量および肌の赤みを取得する。顔画像は、情報処理端末300が備えている撮影部で撮影した画像および美容システム100とは別に設けられた撮影装置で撮影した画像の何れでもよい。経皮水分蒸散量は、汗によらず角層を通って蒸散する僅かな水分量のことであり、この値を用いて皮膚の乾燥状態を把握することができる。また、肌の赤みは、肌から視認される赤の色味を示す情報であり、赤色の濃度または赤色のムラの度合いであり、この情報により、肌トラブルの要因を把握することができる、そこで、取得した経皮水分蒸散量および肌の赤みを用いて肌状態データを特定することで、肌状態データの性能を高めることが可能となる。
【0127】
本実施形態では、音声出力部350を情報処理端末300に備えられるようにしたがこれに限らない。例えば、美容機器200に音声出力部を設け、情報処理端末300からBluetoothや赤外線通信を用いて美容機器200に設けた音声出力部から音声を出力するようにしてもよい。また、美容機器200に骨伝導を利用した音声出力部を設け、音声を出力するようにしてもよい。このようにすることで、美容機器200から音声を出力できるため、小さな音でもユーザは音声を楽しむことが可能となり、特に、骨伝導を利用することで、静かな空間でも音声を楽しむことが可能となる。例えば、エステサロンのような複数のユーザが利用する空間でも、個々のユーザが音声を楽しみながら美容施術を行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0128】
100 美容システム
200 美容機器
210 処置部
220 受信部
230 制御部
300 情報処理端末
310 取得部
320 解析部
330 データ生成部
340 出力部
350 音声出力部
360 表示部
370 記憶部
400 サーバー
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