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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063316
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】減容装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B65F 1/16 20060101AFI20240502BHJP
   B65F 1/00 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
B65F1/16
B65F1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171140
(22)【出願日】2022-10-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)2022年6月23日-10月11日に株式会社スーパーアルプス豊田南店にて展示及び使用
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】塩谷 昇一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 貴則
【テーマコード(参考)】
3E023
【Fターム(参考)】
3E023AA20
3E023MA07
3E023MB01
(57)【要約】
【課題】
載置部に規格外のペットボトルが置かれた場合であっても、効率の良い減容回収が行える減容装置を提供することを課題とする。
【解決手段】
空容器を減容する減容部と、空容器を投入する投入口を覆う外扉と、前記投入口から前記減容部へ通じる通路に設けられた内扉と、前記外扉と前記内扉の開閉を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記外扉が閉まり切らないと判定された場合であっても前記内扉を開放させることを特徴とする減容装置によって、上記課題を解決した。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空容器を減容する減容部と、
空容器を投入する投入口を覆う外扉と、
前記投入口から前記減容部へ通じる通路に設けられた内扉と、
前記外扉と前記内扉の開閉を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記外扉が閉まり切らないと判定された場合であっても前記内扉を開放させる
ことを特徴とする減容装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記減容部での減容を開始する条件として、少なくとも前記内扉を開放後に前記外扉が閉まったことを条件としている
ことを特徴とする請求項1に記載の減容装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記内扉を開放後に前記外扉が閉まらない場合に、前記外扉を再度開く
ことを特徴とする請求項1に記載の減容装置。
【請求項4】
前記投入口へ投入された対象が減容対象としての空容器であるか否かを判定する判定手段を備え、
前記制御部は、前記判定手段により、減容対象であると判定され、かつ、減容対象以外の物が前記投入口へ投入されていないことを条件に前記内扉の開放を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の減容装置。
【請求項5】
外扉と内扉と減容部を備える減容装置のコンピュータに、
前記外扉を開放させる外扉駆動制御ステップと、
前記外扉が閉まり切らないことを判定する判定ステップと、
前記判定ステップの後に、前記内扉を開放させる内扉駆動ステップ
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減容装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
減容装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の減容装置は、外扉と内扉を備え、外扉が開いた状態でペットボトル等の空容器が載置部に置かれ、外扉が閉まった後に内扉が開き、空容器を減容部へ導き、減容し回収するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-189553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の減容装置では、安全性の観点から、外扉が完全に閉状態となってから、内扉が開状態とされるようになっている。そのため、外扉が閉まらなくなるような規格外のペットボトルが置かれた場合には、外扉が完全には閉まらなくなり、回収スピードの低下に繋がっていた。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、載置部に規格外のペットボトルが置かれた場合であっても、効率の良い減容回収が行える減容装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の減容装置は、少なくとも以下の構成を具備するものである。
空容器を減容する減容部と、空容器を投入する投入口を覆う外扉と、前記投入口から前記減容部へ通じる通路に設けられた内扉と、前記外扉と前記内扉の開閉を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記外扉が閉まり切らないと判定された場合であっても前記内扉を開放させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、効率の良いペットボトルの回収及び減容が可能な減容装置を提供することができる。なお、所定量を適正に設定すれば、安全面に関して深刻な問題とはならない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る減容装置(空容器回収装置)を有する回収システムの構成の一例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る減容装置の全体概念図であり、(a)は減容装置の正面図、(b)は減容装置の側面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る減容装置の一例を示す側断面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る減容装置の電気的な機能ブロック図である。
図5】本発明の一実施形態に係る減容装置の容器投入部の一例を示す概念図である。
図6】前提となる減容装置において、外扉が閉状態で内扉が閉状態の容器投入部の一例を示す側面概念図である。
図7】前提となる減容装置において、外扉が開状態で内扉が閉状態の容器投入部の一例を示す側面概念図である。
図8】前提となる減容装置において、外扉が閉状態とされた後に、内扉が開状態とされている容器投入部の一例を示す側面概念図である。
図9】本発明の一実施形態に係る減容装置において、外扉が所定量までしか閉まらない状態となった後に、内扉が開状態とされている容器投入部の一例を示す側面概念図である。
図10】本発明の一実施形態に係る減容装置の動作の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る減容装置は、概略、空容器を投入する投入部と、投入部に投入された空容器を減容する減容部と、空容器を回収する回収部とを有する。
【0010】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明するが、以下の図面は説明を目的に作成されたもので、分かりやすくするため、説明に不要な部材を意図的に図示していない場合がある。また、説明のため、部材を意図的に大きくまたは小さく図示している場合があり、正確な縮尺を示す図面ではない。また、本発明の実施形態は図示の内容を含むが、これのみに限定されるものではない。尚、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
【0011】
(回収システムのシステム構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る減容装置(空容器回収装置)を有する回収システムの構成の一例を示す図である。
図1に示す例では、複数の店舗CS毎に減容装置(空容器回収装置100や回収装置100という場合もある)が設置されている。回収装置100は、店舗CSの建物内に設置されてもよいし、例えば店舗CSの敷地内において、軒下などの屋外に面するような場所に設置されていてもよい。店舗CSは、例えば同じ系列店である。一具体例として、店舗CSは、同系列におけるコンビニエンスストアである。
【0012】
回収装置100は、リサイクル品としてのペットボトルの集積設備として機能する。店舗CSに赴いた客Cは、例えば自分が飲料などを飲んで中身が空いたペットボトル(空容器)を回収装置100に投入する。本実施形態の回収装置100は、投入されたペットボトル(空容器)を減容した後、回収装置内に収納する。
【0013】
また、回収装置100は、ネットワークNT経由で回収管理サーバ200と通信可能に接続される。回収装置100は、例えば携帯電話通信網等とネットワークNTを介して回収管理サーバ200と通信するように構成されていてもよい。回収装置100は無線により通信を行うことが可能となり、ネットワーク用のケーブルを接続する必要がないことから、例えば設置の自由度が高くなる。
なお、1つの店舗CSにおいて1つの回収装置100が設置された例が示されているが、1つの店舗CSに設置される回収装置100の個数は特に限定されない。
【0014】
回収管理サーバ200は、回収装置100によるペットボトルの回収に関する情報処理を行うサーバである。回収管理サーバ200は、例えば回収装置100を提供する企業により運用される。
回収管理サーバ200は、具体的に、各店舗CSの回収装置100におけるペットボトルの回収に関する履歴を示す回収履歴情報を管理する。そのうえで、回収管理サーバ200は、回収装置100を利用してペットボトルの回収の協力に関する客Cの実績(回収実績)を導出し、導出された回収実績を客Cに報知する。客Cへの回収実績の報知は、回収実績に関する情報を客Cの客端末装置300に表示させることによって行われる。
【0015】
客端末装置300は、客Cが所有する端末装置である。客端末装置300は、例えば据え置き型あるいはノート型のパーソナルコンピュータであってもよいし、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話等の携帯端末であってもよい。
客端末装置300は、ネットワークNT経由で回収管理サーバ200と通信を行うことができる。
【0016】
また、図1に示す客Cは、店舗CSの会員として登録されている。店舗CSの会員である客Cは、会員カードCDを所有する。会員カードCDに記録されるカード情報には、会員識別子が含まれる。会員識別子は、会員カードCDごとに固有となるように割り当てられたカード識別子でもある。会員カードCDは、会員としての客Cごとに1枚ずつ提供されるものであることから、会員カードCDごとに固有となるカード識別子は、会員カードCDの所有者である会員としての客Cを一意に示す会員識別子として扱われる。
【0017】
会員カードCDは、店舗CSにて支払いの際にプリペイドカードとして利用することができる。また、会員カードCDは、ポイントカードとしても利用することができる。例えば、店舗CSでの支払いの際に、会員である客は、会員カードCDを店員に提示する。この場合、ペットボトルの回収実績によっても、ポイントが加算するようにされる。
ところで、このようなポイントシステムを前提とすると、顧客の中には、ペットボトルを住宅地のゴミ集積場に出さずに、貯めておき、店舗CSに一度に大量のペットボトルを持ち込む者も生じるようになる。本回収システムが狙いとするものであり、望ましいことではあるのだが、問題もある。大量のペットボトルを持ち込もうとする顧客は、持ち運びがし易いように、ペットボトルを潰した上で持ち込む傾向にあるが、回収装置100については、本来的には、潰れていないペットボトルが投入されることが想定されているからである。
回収システムの説明を続ける。店員は、店舗CSに設置されたPOSレジスタ400を操作して客の購入する商品に応じた会計を行う際に、会員カードCDに記録されたカード情報を、POSレジスタ400のカードリーダにより読み取らせる操作を行う。
なお、会員カードCDは、無線通信機能付きICカードであってもよいし、会員識別子を示すバーコードや2次元コードなどが印刷されているカードであってもよい。バーコードや2次元コードは、会員識別子に関連付けられている識別情報を示すものであってもよい。
【0018】
POSレジスタ400は、客が買い上げた商品を登録する商品登録処理と、登録された商品に応じた精算処理とを含む会計処理を実行する。
POSレジスタ400は、会計処理において、会員カードCDからカード情報を読み取った場合には、読み取ったカード情報を店舗管理サーバ500に送信する。これにより、店舗管理サーバ500にて、例えばプリペイド残高からの支払いや、支払い金額等に応じたポイントの加算、ポイントのプリペイド残高への変換、プリペイド金額のチャージなどに対応する処理が行われる。
なお、図1では、1つの店舗CSにおいて1つのPOSレジスタ400が設置された例が示されているが、1つの店舗CSに設置されるPOSレジスタ400の個数は特に限定されない。
【0019】
店舗管理サーバ500は、店舗CSを統括して管理するサーバである。店舗管理サーバ500は、店舗CSにより運用される。
店舗管理サーバ500は、具体的に、会員識別子ごとにプリペイド残高、ポイント残高などを管理する。また、店舗管理サーバ500は、例えば、店舗CSごとの商品に関する情報を管理するように構成されていてもよい。
【0020】
(減容装置の全体構成)
図2は本発明の実施形態に係る減容装置として、回収対象(「減容対象」ということがある)の空容器(PETボトル等)を回収する空容器回収装置100の一例を示す図である。
【0021】
空容器回収装置100は、待機時、容器投入部110の外扉111が閉状態であり、容器投入部と容器収容部140の間に開閉自在に設けられた内扉112が閉状態である。空容器回収時に、容器投入部の外扉111が開状態となり、判定手段により、容器投入部の載置部116へ載置された物が回収対象物(例えば、PETボトル等の樹脂製の空容器)であるか否かが判別される。回収対象物の空容器であると判別された場合、外扉111が閉状態となるか、または、外扉が所定量までしか閉まらないと判定された場合に、容器投入部と容器収容部140の間に設けられた内扉112が開状態となる。外扉111が完全な閉状態となったとき、空容器は速やかに減容部120に移動する一方で、外扉が所定量までしか閉まらない場合であっても、内扉112が開状態となることによって、内部空間に余裕ができるとともに、内扉112による支持を失うため、空容器は減容部120に移動する。多少の時間差はあっても、空容器は減容部120で減容された後に、容器収容部140により容器が回収される。
【0022】
詳細には、図2図3に示したように、本発明の実施形態に係る減容装置としての空容器回収装置100は、装置の本体部100Bの上部に容器投入部110が設けられており、容器投入部110の開口部の外側には外扉111が設けられている。装置の本体部100Bは、外扉111よりも上部付近の正面側に、表示操作部3、送受信部4(通信部)、リーダライタ17(カードリーダライタ)が設けられている。また、装置の本体部100Bの正面側には、荷物フック100fが設けられている。
【0023】
また、容器投入部110の下方には、容器収容部140に連通する通路が設けられており、容器投入部110の載置部116から容器収容部140への通路71に内扉112が設けられている。
【0024】
本実施形態では、空容器回収装置100は、内扉112と、容器収容部140の間に減容部120(減容機構)が設けられている。減容部120は、内扉112が開状態の場合、容器投入部110からの空容器Aを押し潰して減容し、減容された容器RAを、下方の容器収容部140に出力する。
また、空容器回収装置100の本体部100Bは、容器収容部140を載置した引出し100C(引出し部材)を有し、正面側には引出用取手100eや、鍵孔100rが設けられており、鍵を鍵孔100rに差込み施解錠可能に構成されている。
また、空容器回収装置100の本体部100Bは、施解錠検出部18を有し、施解錠検出部18は、引出し100Cの鍵孔100rの施錠、解錠を検出する。
【0025】
また、装置の本体部100Bの正面側、詳細には、引出し100Cの正面側には、透光部100A(透光窓)が設けられており、外部から容器収容部140に収容されている空容器を視認可能に構成されている。
【0026】
また、装置の本体部100Bの側面部には、搬送時に用いられる移動用取手100gが設けられている。
【0027】
また、装置の本体部100Bは、正面側にキャップ投入部108を備え、キャップ投入部108から装置の本体部内で下方に向かってキャップ用通路72が設けられ、キャップ投入部108に投入されたキャップがキャップ用通路72を介してキャップ収容部145に収容されるように構成されている。
尚、キャップ用通路72は、キャップと、キャップよりも小さなものを仕分けする機構を有してもよい。具体的には、キャップ用通路72が分岐されて、分岐部に網の目状の部材にて、飲み残し吸い殻、雨水等は別経路で排出、蓄積し、キャップのみキャップ収容部145へ収まるようにしてもよい。
【0028】
減容部120は、例えば、一対の回転軸811、911が回転自在に軸支された構造となっている。
また、減容部120の上部には、送り機構50が設けられており、送り機構50の回転軸51が上記略板形状の支持部材により回転自在に軸支されている。送り機構50は、回転軸51に、パドルとして複数の羽根部52(金属製または樹脂製等)を有する。送り機構50は、回転軸51が回転することにより、羽根部52が回転軸51を回転中心として回転し、空容器Aを減容部120へ案内する。
【0029】
また、減容部120の上部には、傾斜した板形状の規制部材60、規制部材61、及び規制部材61に対して逆勾配の規制部材62が、空容器Aを減容部120の中心へ導くように設けられており、空容器Aをそれ以外の箇所へ移動することを規制する。
【0030】
回転軸811、911、51はそれぞれ所定の間隔をあけて互いに平行に配置されている。一対の回転軸811、911それぞれにおいて、軸方向の両側面に刃面を備えた圧縮ローラ81、91と、当該圧縮ローラ81、91よりも小さい径で当該圧縮ローラ81、91の厚みよりも僅かに厚いスペーサ(不図示)とが軸方向に沿って交互に並設されている。
一方の回転軸に設けられた圧縮ローラの外周部が、他方の回転軸に設けられた圧縮ローラの間に配置されており、当該他方の回転軸に設けられた当該圧縮ローラの間に設けられたスペーサに対して所定の距離だけ離れた位置に配置されている。
【0031】
回転軸811の一方の端部には歯車(不図示)が設けられており、回転軸911の一方の端部に設けられた歯車(不図示)と噛合するように構成されている。この回転軸811、911、51は、駆動モータ(不図示)により回転駆動される。駆動時、回転軸811、回転軸911が互いに逆方向に回転し、中央部に投入された空容器Aが圧縮ローラ81、91により圧縮されて、減容された空容器が下方へ出力される。
剥離部32(剥離部材30)は、減容部120の圧縮ローラ81、91により減容された容器を、圧縮ローラ81、91から剥がすように構成されている。
【0032】
また、図3に示したように、減容部120の上方に第1の飛散防止部75、第2の飛散防止部78を有する。
本発明の一実施形態に係る空容器回収装置100は、本体部内に設けられた減容部120と内扉112との間に、第1の飛散防止部75を有する。第1の飛散防止部75は、例えば、柔軟性を有する板状部材であってもよいし、剛性の板状部材であってもよい。本実施形態では、第1の飛散防止部75は、例えば柔軟性を有するPET帆布等の材料から成る。また、本実施形態では、第1の飛散防止部75は、載置部116から減容部120へ至る通路71の途中に吊設されている。第1の飛散防止部75は、内扉112の開閉動作に応じて可動するように構成されていることが好ましい。
【0033】
第2の飛散防止部78は、減容装置(空容器回収装置100)のメンテナンス用の扉の機能を有する。詳細には、第2の飛散防止部78は、空容器回収装置の内部に設けられた固定部材に蝶番を介して、開口部を開閉自在に軸支されている。メンテナンス時、操作者は、空容器回収装置100の上部の外装カバーを開けた状態で、第2の飛散防止部78の把持部78d(取っ手)を把持して、第2の飛散防止部78を開状態とすることができる。また、減容装置は、第2の飛散防止部78が閉状態でない場合に、減容部120や他の操作ができないように制御可能に構成されていてもよい。
【0034】
また、本発明の実施形態に係る空容器回収装置100は、容器収容部140が満杯になった場合などに、その旨を報知する処理を行う。空容器回収装置100は、例えば、管理者や清掃者等による、容器収容部140の開放に係る操作、詳細には、容器収容部140を備える引出し100Cを引き出すための解錠操作などを検出した場合、容器が載置される載置部の清掃を行うように報知する処理を行う。
【0035】
(減容装置の投入口まわりの構成)
図4は本発明の実施形態に係る減容装置としての空容器回収装置100の機能ブロック図であり、図5は減容装置(空容器回収装置100)の容器投入部110の一例を示す概念図である。両図を用いて、以下に、減容装置の投入口まわりの構成について説明する。
【0036】
空容器回収装置100は、図4に示すように、制御部1(CPU)、記憶部2、表示操作部3、送受信部4、外扉駆動部5、内扉駆動部6、計量部7、金属検出センサ8、PETセンサ901、容器検出センサ902、安全検出センサ903、扉位置センサ10、扉ロック部11、人感センサ12、減容駆動部15、リーダライタ17、施解錠検出部18、撮像部19等を有する。各構成要素は、信号線等により電気的に接続されている。
本実施形態では、例えば、PETセンサ901、容器検出センサ902、及び安全検出センサ903は、光センサ9により構成されている。撮像部19は、その名の通り、CCDカメラ等を中心とする構成であり、載置されたペットボトルが回収対象であるか回収非対象であるかを判定する機能を有する。具体的には、適式なペットボトルの減容対象(回収対象)と、例えば、潰されたペットボトル、キャップが付いたままのペットボトル、ラベルが付いたままのペットボトル、飲み残しがあるペットボトル等の他、その他の物品といった減容非対象(回収非対象)と、を峻別する。
また、計量部7、金属検出センサ8、PETセンサ901、容器検出センサ902、安全検出センサ903、撮像部19は、載置部116の近傍又は載置部116自体に設けられ、載置部116に対して清掃が行われているかを検出する検出部180としても機能する。そして、検出部180からの検出情報を得て、後記する制御部1(CPU)は、載置部に置かれた物品が、回収対象であると判定され、かつ、回収対象以外の物が投入口へ投入されていないかを判定する判定手段として、機能することになる。このことについては、後記する「実施形態に係る減容装置の開閉制御」の項で、詳しく説明する。
【0037】
制御部1(CPU)は、減容装置(空容器回収装置100)の各構成要素を統括的に制御する。制御部1は、例えば、制御用プログラムを実行することにより、本発明に係る機能をコンピュータに実現させる。
【0038】
記憶部2は、RAMやROMなどの記憶装置である。記憶部2は、制御用プログラムなどを記憶する。また、記憶部2は、回収対象物の空容器の特徴を記憶している。空容器の特徴とは、例えば、容器質量の範囲、樹脂材料であるか否かを判別する。また、記憶部2は、会員識別子と属性情報とを関連付けて記憶している。属性情報は、例えば、操作者に関する、年齢、会員/非会員、回収装置の使用回数などの情報である。
【0039】
表示操作部3は、制御部1の制御により所定の表示を行う。また、表示操作部3は、ユーザ等の操作に応じた信号を制御部1へ出力する。表示操作部3は、例えば、タッチパネル式表示装置などである。
【0040】
送受信部4は、制御部1の制御により、無線式通信路または有線式通信路を介して他の端末装置(コンピュータ)と所定の通信を行う。
【0041】
リーダライタ17(カードリーダライタ)は、非接触式ICカードやICタグ等に対して通信を行う送受信装置であり、制御部1の制御により、所定の通信を行う。また、回収装置100は、リーダライタ17の代わりに、会員カードCDに記録されているカード識別子(会員識別子)を示すバーコードや2次元コードを読み取るコードリーダーを有していてもよい。
【0042】
外扉駆動部5は、外扉111を開閉させるためのモータ等であり、制御部1からの制御により、駆動制御される。
【0043】
内扉駆動部6は、内扉112を開閉させるためのモータ等であり、制御部1からの制御により、内扉を開状態、又は閉状態に駆動制御される。
【0044】
計量部7は、容器投入部110の載置部116に載置された空容器、又は非回収対象物の質量を計量する。計量部7はロードセルなどの計量装置である。
また、計量部7は、容器投入部110の載置部116に載置された容器内の飲み残し等を検出することで、回収可否を判断するセンサとして利用される。また、計量部7は、回収可と判断した容器の重量値を積算することで、容器収容部140に収容されている総重量を特定することも可能に構成されている。この機能により、容器収容部140に計量部を設ける必要がなく、大きな容量の容器収容部140を確保することができ、かつ計量部7自体を小さくすることができる。計量する対象が比較的小さいため、大きな計量部7を設ける必要がない。
【0045】
金属検出センサ8は、容器投入部110の載置部116に載置された物が金属であるか非金属であるかを検出する。本実施形態では、制御部1は、金属検出センサ8により載置部116に載置された物が金属であると検出された場合、載置部116に載置された物が非回収対象物であると判別する。
本実施形態では、金属検出センサ8は、内扉112に設けられている。なお、金属検出センサ8は、載置部116に設けられていてもよい。
【0046】
本実施形態では、PETセンサ901、容器検出センサ902、安全検出センサ903は、光センサ9である。光センサ9は、載置部116の左側、右側のうち一方に設けられた発光部からの光を、他方に設けられた受光部で受光するように構成されている。
【0047】
PETセンサ901は、載置部116の左右側壁部のうち一方に設けられた発光部からの光を、他方に設けられた受光部で受光するように構成されている。また、PETセンサ901は偏光板を備え、その偏光板を介して受光するよう構成されており、PETボトルなどの透光性の空容器を透過した偏光した光を検出することにより回収対象の空容器を検出可能に構成されている。
制御部1は、容器投入部の載置部に載置された透光性の空容器を透過して受光した光を、PETセンサ901の受光部(光センサ9)で検出し、その光センサ9からの検出信号に基づいて、回収対象の空容器であるか否かを判別する。
【0048】
容器検出センサ902は、載置部116の左右側壁部のうち一方に設けられた発光部からの光を、他方に設けられた受光部で受光するように構成されている。制御部1は、容器投入部の載置部116に空容器などが載置された場合、容器検出センサ902の受光部で受光される光の強度に基づいて、空容器が載置されているか否かを判別する。
【0049】
安全検出センサ903は、投入口周辺から適宜奥まった位置の左側及び右側に発光部と受光部が設けられており、詳細には、外扉111が所定量まで閉まるような状態(この所定量については後で詳しく述べる。)となる位置に設けられており、左側、右側の一方に設けられた発光部からの光を、他方に設けられた受光部で受光するように構成されている。制御部1は、安全検出センサ903の受光部で受光される光の強度に基づいて、例えば、人の手などが投入口又は投入口の近傍にあるか否かを検出する。制御部1は、安全検出センサ903の発光部からの光が受光部で受光できた場合、投入口周辺から適宜奥まった位置に人の手などがないと判別し、受光部で受光できない場合、投入口周辺から適宜奥まった位置に人の手などがあると判別し、例えば外扉111を安全に閉じることができないと判断する。なお、後記する前提となる減容装置では、投入口近傍に安全検出センサ903が設けられていたが、本実施形態では、潰れた空容器が外扉111に挟まれる場合があることが想定されているため、安全検出センサ903の位置は、従前のものよりも、投入口からやや奥まった位置に配設されるようになっている。もっとも、センサの精度が高く、閾値の設定により、人の手と潰れたペットボトルを峻別できるのであれば、安全検出センサ903の位置は、変える必要がない。
【0050】
本実施形態では、光センサ9とは別に、載置部116を撮像する撮像部19が、載置部116の近傍に設けられている。撮像部19は、例えば、載置部116に載置された容器が回収対象であるか回収非対象であるかを判断するために用いられる。具体的には、適式なペットボトルの回収対象と、例えば、潰されたペットボトル、キャップが付いたままのペットボトル、ラベルが付いたままのペットボトル、飲み残しがあるペットボトル等の他、その他の物品といった回収非対象とを峻別する。光センサ9を用いるか撮像部19を用いるかは切替可能とされているが、回収装置100が設置されている場所の照度の状況によって、光センサ9が上手く機能しないような場合に、自動切替されるようにして、光センサ9を補完するように構成しても良い。また、この撮像部19は、清掃モード時に、清掃者などにより載置部116が清掃されたか否かを判別するために用いられてもよい。
【0051】
尚、減容装置は、載置部周辺に回収要否を判定するための上記センサ類が設けられている。例えば、従来の回収装置では、装置内に容器を取り込み、回収対象であるか否かを判定し、投入口とは異なる排出口から非対象物を排出しており、装置内に判定部が備えられているため、排出口を設ける必要がある。
一方、本発明の実施形態に係る減容装置は、装置の投入口にあたる載置部に回収要否を判定するセンサ類が設けられているため、装置内に回収対象物を取り込む必要がない構成となっている。よって、排出口を設ける必要がなく、小型の減容装置を提供することができる。
【0052】
扉位置センサ10は、外扉111の位置や内扉112の位置(開度)を検出し、外扉111の位置や内扉112の位置に関する信号を制御部1に出力する。制御部1は、その信号に基づいて外扉111、内扉112の開閉状態を制御する。
【0053】
扉ロック部11は、例えば、ソレノイドなどのロック装置を有し、制御部1からの制御により、必要に応じて外扉111や内扉112の移動をロックする。
【0054】
人感センサ12は、例えば、回収装置100の本体部100Bに設けられており、本体部100Bの近傍の操作者などを検知することができる。人感センサ12は、例えば、赤外線センサ、超音波センサ、可視光センサ、又はそれらの組合せにより構成されている。人感センサ12は、検出結果を示す信号を制御部1に出力する。
【0055】
施解錠検出部18は、空容器回収装置100の本体部100Bに設けられており、施解錠検出部18は、引出し100Cの鍵孔100rの施錠、解錠を検出する。
【0056】
図5に示すように、本発明の実施形態に係る空容器回収装置100の容器投入部110は、載置部116、外扉111、内扉112、前方棚部113(図5において不図示、図2を参照)、台座118、計量部7、外扉用支持部S111、内扉用支持部S112、外扉駆動部5、内扉駆動部6、第1の制限部K111、第2の制限部K112などを有する。
【0057】
前方棚部113は、閉状態の外扉111と略接するようにされており(図2参照)、外扉111が開状態のときには、載置部116と連なるようになる。載置部116は、回収対象物などを載置可能に構成されている。載置部116には、例えば載置部116の側壁部116aには、受光部9aや発光部9bなどの光センサ9などが設けられている。また、載置部116の下部には計量部7が設けられている。
【0058】
また、本実施形態では、載置部116は、その載置面が水平ではなく、容器の投入口側(外扉111が開状態のときの開口側)よりも容器収容部140側が低くなるように傾斜をつけて設けられている。すなわち、載置部116は、投入された容器が自重により容器収容部140側(又は減容部120側)へ落ちることを促すように構成されている。これにより、投入された容器を容器収容部140へ送るための搬送機構を設ける必要がなく、小型の減容装置を提供することができる。
また、載置部116は、載置面の表面に表面処理が施され凹凸部が形成されており、投入された容器が載置部に貼りつくことを防止する構造を有する。減容装置が容器回収装置である場合、容器が濡れていたとしても、容器表面と載置部の凹凸形状の表面との接触面積が比較的小さいので濡れによる表面張力が小さくなり、容器が容器収容部140側へ容易に移動する。すなわち、濡れている容器が容器収容部側へ落ちないといった不具合を防ぐことができる。
【0059】
外扉111は、載置部116の外側に設けられている。外扉駆動部5は、外扉111を開閉自在に駆動する。
内扉112は、載置部116と減容部120との間の通路71に設けられている。内扉駆動部6は、内扉112を開閉自在に駆動する。この内扉112には、空容器の載置状態を案内する案内部112Dが設けられている。案内部112Dは、露出され装置本体部から視認可能な位置に設けられている。案内部112Dは、容器(PETボトルなどの空容器等)を規定の向き、規定の位置に載置するように情報として案内表示されている。この案内部112Dは、内扉112の表面に設けられた凹部、凸部、ステッカー、LED表示部、LCDなどであってもよい。
また、減容装置は、撮像部などの検出センサにより、案内部112Dにより示された載置位置に、正しく容器が載置されているかを判定するための判定手段を備えていてもよい。また、撮像処理や光センサなどの検知部により、載置向き及び位置が正しくない場合は、報知などを行うこともできる。
【0060】
図5に示すように、本実施形態では、空容器回収装置100は、台座118を有し、この台座118は外扉111、及び外扉駆動部5を支持する外扉用支持部S118、S111を有する。詳細には、2つの外扉用支持部S118の上端部には外扉駆動部5、回転軸C111が設けられ、回転軸C111に扇形状の外扉用支持部S111が回動自在に設けられ、扇形状の外扉用支持部S111により外扉111が支持されている。2つの回転軸C111のうち一方の回転軸C111は、外扉駆動部5のモータの回転軸に接続されている。
扇形状の外扉用支持部S111には、内扉112の回転軸C112が貫通する孔部S111hが設けられている。
【0061】
計量部7は、台座118と載置部116の間に配置され、載置部116を支持する。
【0062】
また、内扉112は、開状態で、載置部116に載置された空容器を減容部120へ案内するように構成されている。また、本実施形態では、計量部7上に配置され、計量部7と載置部116の間から延出した構造の内扉用支持部S112により、内扉駆動部6や内扉112が支持されている。内扉駆動部6には、内扉112の回転軸C112が設けられ、その回転軸C112に内扉112が設けられている。内扉112を開状態とすることで、回収対象物を装置本体部内の容器収容部140へ案内することができる。このことは、潰れた状態で持ち込まれたペットボトルのはみ出た部分が外扉111に挟まれている状態でも、ほぼ達成される。内扉用支持部S112は、回転軸C111が貫通される孔部S112hを有する。
【0063】
すなわち、台座118の外扉用支持部S111により外扉駆動部5や外扉111が支持され、台座118上に配置された計量部7の上部に載置部116が設けられているので、計量部7により、載置部116に載置された回収対象物などの質量を高精度に計量することができる。詳細には、計量部7上に外扉111や外扉駆動部5が支持されない構造であるので、計量部7は、外扉111や外扉駆動部5の振動等の影響を受けにくい構造となっており、載置部116上の回収対象物の質量を高精度に計量することができる。
【0064】
また、外扉111は、載置部116を露出する開位置と、載置部116を覆う閉位置との間を移動可能に構成されており、外扉111が閉じる場合、外扉111が開位置から、載置部116に向かって閉位置へ移動可能に構成されている。すなわち、外扉111が開状態から、載置部116へ向かって動き閉じるように構成されているので、例えば、ユーザの手や腕などが、外扉111と載置部116の間に挟まれたとき、計量部による計量値が変動し、制御部がその変動を検出することで、ユーザの手や腕、異物などが、外扉111と載置部116の間に挟まれたことを容易に検知することができる。
【0065】
(前提となる減容装置の開閉動作制限の構造)
ここからは、内扉112の開動作の制限についての機構を説明するが、理解を容易にするために、前提となる技術となる減容装置、すなわち、外扉が完全に閉まりきらないと内扉が開動作しない減容装置について、先に説明する。図6は、前提となる減容装置において、外扉111が閉状態で内扉112が閉状態の減容装置(空容器回収装置100)の容器投入部110の一例を示す側面概念図である。図7は、前提となる減容装置において、外扉111が開状態で内扉112が閉状態の容器投入部110の一例を示す側面概念図である。図8は、前提となる減容装置において、外扉111が閉状態で内扉112が開状態の容器投入部110の一例を示す側面概念図である。
【0066】
図6の状態において、外扉111の前端は、前方棚部113に接している。すなわち、外扉111は、完全に閉じた状態である。図示されるように、外扉111は、内扉112の移動を制限する第1の制限部K111を備える。内扉112は、外扉111の移動を制限する第2の制限部K112を備える。第1の制限部K111と、第2の制限部K112により、外扉111及び内扉112の両方が開状態となることを制限する機構を有する。
すなわち、空容器回収装置100は、外扉111に設けられた第1の制限部K111と、内扉112に設けられた第2の制限部K112を有するので、機械的に簡単な構造で、外扉111と内扉112それぞれの開閉状態に応じて、各扉の開閉動作を制限することができる。
【0067】
また、図6に示すように、第1の制限部K111は、外扉111の移動に応動するように構成されている。第2の制限部K112は、内扉112の移動に応動するように構成されている。また、空容器回収装置100は、外扉111が開状態の場合、第1の制限部K111が内扉112の移動を制限するように構成されており、内扉112が開状態の場合、第2の制限部K112が外扉111の移動を制限するように構成されている。
詳細には、前提となる技術では、空容器回収装置100は、外扉111が開状態の場合、内扉112が閉状態のまま、開状態となることを制限するように構成されている。すなわち、外扉111が開口状態で、投入された物が載置部116に載置された時には、内扉112は閉状態であり、開状態とはならず、載置部116に載置された物が、回収対象物、又は非回収対象物であるに関わらず、回収装置の本体部100B内の容器収容部140にそれを収容しないように構成されている。すなわち、この状態では、内扉112に容器(回収対象物、又は非回収物)が当接した状態であり、内扉112は載置部の一部を兼ねる構造となっている。
【0068】
また、この第1の制限部K111と第2の制限部K112は、移動経路が重なるように構成されている。また、前提となる技術では、空容器回収装置100は、第1の制限部K111と第2の制限部K112のうち一方が、他方の移動を制限する場合、第1の制限部K111と第2の制限部K112が弧形状に僅かに間隔をあけて隣接する構造となっている。詳細には、前提となる技術では、第1の制限部K111は略扇形状に形成されている。第1の制限部K111は凸状弧形状部K111aと、凹形状部K111bを有する。また、第2の制限部K112は略扇形状に形成されている。詳細には、第2の制限部K112は、凸状弧形状部K112aと、凹形状部K112bを有する。
【0069】
図7に示されるように、外扉111が開状態で内扉112が閉状態で、第1の制限部K111が、第2の制限部K112の移動を制限する場合、第1の制限部K111の凸状弧形状部K111aと第2の制限部K112の凹形状部K112bが弧形状に僅かに間隔をあけて隣接する構造となっている。
すなわち、本発明の前提となる減容装置では、上述したように、外扉111が開状態の場合、内扉112が閉状態で、第1の制限部K111により、第2の制限部K112の移動が制限されるので、内扉112が閉状態のまま維持され、開状態にはならない。
【0070】
また、図8に示されるように、内扉112が開状態で外扉111が閉状態で、第2の制限部K112が、第1の制限部K111の移動を制限する場合、第2の制限部K112の凸状弧形状部K112aと、第1の制限部K111の凹形状部K111bが弧形状に僅かに間隔をあけて隣接する構造となっている。このとき、外扉111の前端は、前方棚部113に接している。すなわち、外扉111は、完全に閉じた状態である。
【0071】
すなわち、本発明の前提となる減容装置としての空容器回収装置は、外扉111が閉状態で、内扉112が開状態の場合、第2の制限部K112により、第1の制限部K111の移動が制限されるので、外扉111が閉状態のまま維持され、開状態にはならない構造となっている。
【0072】
また、前提となる減容装置では、空容器回収装置100は、第1の制限部K111と第2の制限部K112の一方又は両方の移動を禁止する禁止手段を有してもよい。詳細には、禁止手段は、例えば、ソレノイドを有する。このソレノイドは、例えば、コイル内に金属製の可動ピン(プランジャ)が配置され、コイルに対して非通電時には、付勢部によりコイル端部から可動ピン(プランジャ)が突出した位置に配置された構造であり、コイルに対して通電時に可動ピンがコイル内へ移動するように構成されている。
例えば、外扉111の閉状態から開状態への移動を禁止可能な禁止手段として、外扉用のソレノイドの可動ピン(プランジャ)が、第1の制限部K111に設けられた孔部に係合可能に構成されていてもよく、第1の制限部K111の閉状態を維持し、開状態への動きを禁止する場合には、その孔部に可動ピンを係合し、動きを禁止しない場合には、可動ピンを非係合状態とするように、制御部により制御が行われる構成となっている。すなわち、禁止手段は、簡単な構造で、第1の制限部K111の閉状態から開状態への動きを禁止することができる。
また、内扉112の閉状態から開状態への移動を禁止可能な禁止手段として、内扉用のソレノイドの可動ピン(プランジャ)が、第2の制限部K112に設けられた孔部に係合可能に構成されていてもよく、第2の制限部K112の閉状態を維持し、開状態への動きを禁止する場合には、その孔部に可動ピンを係合し、動きを禁止しない場合には、可動ピンを非係合状態とするように、制御部により制御が行われる構成となっている。すなわち、禁止手段は、簡単な構造で、第2の制限部K112の閉状態から開状態への動きを禁止することができる。
【0073】
このように、本発明の前提となる減容装置は、安全面では申し分のないものである。ところが、顧客の中には、前提となる減容装置においては想定されていない潰した状態のペットボトルを持ち込もうとする者も存在する。大量のペットボトルを持ち込む顧客は、この傾向が強くなる。また、案内部112Dの案内表示をよく理解しない子供が、ペットボトルを横置きでなく縦置きに投入する場合もある。これまで説明したように、前提となる減容装置では、外扉が完全に閉状態となってから、内扉が開状態とされるようになっている。そのため、載置部に潰した大型のペットボトルが置かれたり、潰れてはいないものの、小さめのサイズのペットボトルが縦置きの状態で置かれたりすると、ペットボトルのはみ出した部分が外扉に挟まってしまい、外扉が完全には閉まらなくなる。その結果、載置部にペットボトルが留まり、回収スピードの低下に繋がっていた。
【0074】
(実施形態に係る減容装置の開閉動作制限の構造)
そこで、本発明の実施形態に係る減容装置では、外扉が閉まったと判定された場合に内扉を開放させることに加えて、かつ、外扉が所定量までしか閉まらないと判定された場合であっても内扉を開放させるように、構造上、及び、制御上の工夫がされている。先ず、開閉動作制限の構造について、図9を用いて説明する。図9は、本発明の一実施形態に係る減容装置において、外扉が所定量までしか閉まらない状態となった後に、内扉が開状態とされている容器投入部の一例を示す側面概念図である。
【0075】
図9の状態において、外扉111の前端は、前方棚部113から間隔Gを隔てた位置までしか閉じていない。図示は省略されているが、ペットボトルの潰れてはみ出ている部分や縦置きに置かれたペットボトルの首部等を、外扉111が挟んだ状態となっているからである。すなわち、外扉111は、完全には閉じ切っていない状態である。しかしながら、図示されるように、内扉112は、移動が制限されることなく、開状態となっている。このことは、略扇形状の第1の制限部K111の当該扇部分を小さく加工することにより、実現されている。具体的には、第1の制限部K111の凹形状部K111bが、回転中心側に向けてシフトされた位置に設定されている。図8図9を見比べると理解できるように、前提となる減容装置では、外扉111が完全に閉状態とならなければ、第1の制限部K111は、第2の制限部K112が回転することを妨げていたのであるが、本実施形態に係る減容装置では、外扉111が完全には閉じられなくても、外扉111と前方棚部113の間隔が所定間隔Gとなるまで外扉111が閉まっていれば、第2の制限部K112の回転の妨げが解除されるように、第1の制限部K111の凹形状部K111bの位置が設定されているのである。このときの所定間隔Gの決定の仕方としては、大型のペットボトルが手で押し潰される場合の平均的な厚みを経験的に得た値、若しくは、小型のペットボトルの首部の平均的な厚み等から適宜に設定すれば良い。重要なこととして、手首を奥まで差し入れた状態で外扉111が途中まで閉まったような間隔は、排除されるべきということがある。このように所定間隔Gが設定されることによって、合理的な安全性は確保されることになる。
【0076】
(実施形態に係る減容装置の開閉制御)
本発明の実施形態に係る減容装置に好適な制御について説明する。図10は、本発明の実施形態に係る減容装置の動作の一例である。
【0077】
ステップST1において、空容器回収装置100は待機状態である。制御部1は、送受信部4(通信部)や表示操作部3からの信号を受信した場合には、その信号に応じて処理を行う。また、制御部1は、例えば、「カード(会員証等)をタッチしてください」などと表示操作部3の表示部に表示する処理を行う。カード(会員証等)は、例えば、会員用の非接触式ICカード等である会員カードCD(図1参照)である。
【0078】
ステップST2において、制御部1は、外扉開条件を満たすか否かを判別し、条件を満たす場合に、ステップST3の処理に進む。外扉開条件として、例えば、タッチパネルなどの表示操作部3により、空容器回収開始ボタンなどが操作された場合に、ステップST3の処理に進む。尚、ユーザが所持する会員証と送受信部4が通信を行い、正しく個人認証されたことを条件(外扉開条件)として、ステップST3の処理に進んでもよい。会員証としては、例えば、非接触式ICカード、磁気カード、バーコードや2次元コードが印字されているカード、バーコードや2次元コードが表示されている表示装置、会員証機能を有するスマートフォンや携帯電話、などを挙げることができる。
また、ステップST2において、制御部1は、例えば、「容器を投入してください」などと表示操作部3の表示部に表示する処理を行う。
【0079】
ステップST3において、制御部1は、外扉開処理を行う。詳細には、制御部1は、外扉111の扉ロック部を解除状態とし、外扉駆動部5により外扉111を開状態に移動させる駆動制御を行う。
【0080】
ステップST4において、計量部7、金属検出センサ8、光センサ9、撮像部19などによる各種検出処理により、載置部116に載置された物の質量、材料、内容物の有無などが検出され、各検出系は、制御部1に検出した結果を示す信号を出力する。各種検出処理において、図示は省略しているが、外扉閉条件を満たすか否かの判別も行われる。具体的には、載置部116に載置された物が回収対象物であると判別された場合には、次のステップST5に進み、それ以外の場合(異物など非回収対象物が検出された場合)には、ステップST5には進まず、報知処理などの適宜処理を行う(不図示)。
【0081】
ステップST5において、制御部1は、外扉閉処理を行う。詳細には、制御部1は、外扉111を閉状態とするように、外扉駆動部5を駆動制御する。
【0082】
ステップST6において、制御部1は、外扉111の閉動作が完了したか否かを判定する。完了したと判定された場合には、ステップS7へ進むが、完了していないと判断される場合であっても、ステップST8で閉まり切らない状態であるか否かを判定する。具体的には、扉位置センサ10からの位置情報(開度情報)により、外扉111が前方棚部113と所定間隔Gとなるまで閉まった状態であると判断され、かつ、適宜のタイマー手段等により、その状態が一定時間(例えば、1秒間)継続したという条件を満たした場合に閉まり切らない状態であると判定する。ただし、閉まり切らない状態であっても所定間隔よりも大きな間隔である場合、つまり、外扉111が殆ど閉まっていないような場合には、ステップST9に進み、報知処理が行われる。
【0083】
ステップST6で外扉111が完全に閉まったと判断された場合、又は、ステップST8で外扉111が完全には閉まり切っていないと判断された場合は、それぞれ、ステップST7又はステップST10において、制御部1は、内扉開処理を行う。詳細には、制御部1は、内扉112を開状態とするように、内扉駆動部6を駆動制御する。
【0084】
図示されるように、ステップST7において、内扉開処理が行われるとペットボトルは、減容部へ向かって落下し始める。ステップST12において、ペットボトルが減容部120に落ちたことを確認する落下確認処理がなされる。減容部120にペットボトルが落ちたことを判断する手法としては、撮像部19による判断、秤量がゼロになったことによる判断、ペットセンサー等により載置部116からペットボトルが無くなったことによる判断手法等、適宜のものを採用することができる。この確認が行われると、ステップST13で内扉閉処理が行われた後、ステップST14において、速やかに減容処理が実行される。この際、略同時進行的に、ステップST15において、次容器対応の処理、すなわち、外扉開処理が実行される。ペットボトルが置かれた場合には、連続投入として扱われ、引き続いての減容及び回収処理が行われ、一定時間ペットボトルが置かれない場合には、終了処理として外扉の閉処理が行われる。
一方、ステップST10においては、内扉開処理が行われても、外扉111のペットボトルへの噛み込み具合によっては、減容部へペットボトルが落ち込まないこともある。そこで、ステップST11において、外扉111が完全に閉じたことを確認すると共に、上記ステップST12における落下確認処理の後、ステップST13に進み、内扉閉処理が行われた後、ステップST14において減容処理が実行される。
ステップST11において、外扉が完全には閉じないと判断された場合には、ステップST16にて内扉閉処理が行われた後、ステップST17において外扉開処理が行われると共に、適宜、報知処理(不図示)等も実行される。
【0085】
ここに示した制御態様は、飽くまで一例である。上に説明した例では、異物など非回収対象物が載置されたか否かを判断するための各種検出処理を、ステップST5の前に置いているが、空容器回収装置100が撮像部19を具備せず、光センサ9しか有しないために、暗所でなければ十分な検出が行えないような場合に、各種検出処理を、ステップST6とステップST7との間や、ステップST8とステップST10との間に設けるようにしても良い。載置部116に載置された物が回収対象物であると判別された場合、外扉111が一旦閉じられるものの、外扉が閉まり切るまでの間に非回収対象物が載置または侵入したと判断された場合には、回収を行わず、すなわち内扉開処理を行わず、外扉111は即座に開くように制御される。さらに、このように構成した場合、各種検出処理において、回収対象物と非回収対象物の両者を同時に検出し得るように構成しても良い。このとき、制御部1は、計量部7、金属検出センサ8、光センサ9、撮像部19などの検出結果を利用して、載置部116に載置されたものが、回収対象であると判定され、かつ、回収対象以外の物が載置部116に載置または侵入していない、すなわち、投入口(容器投入部110)へ投入されていないことを条件に、内扉112の開放を行う処理を実行する。外扉111が完全に閉まり切らなくても、ペットボトルが中に吸い込まれて処理されていく様子を目にした子供などが、少しの隙間が空いている時に、シート状の異物を混入させるような悪戯をする虞が考えられなくもない。しかし、回収対象物のみが載置され、それ以外の物が侵入していないことを正確に検出することにより、異物の混入を完全に近い形で排除することが可能となる。
【0086】
この他、ステップST11における判断処理において、外扉111が完全には閉じないとの最終判定を行う前に、減容部120に向けてペットボトルを落ち込ませるための動作を何度か試す処理を実行させるようにしても良い。例えば、内扉112の開閉動作を何回か繰り返して、載置部116の周辺に振動を与えることによってペットボトルの減容部への侵入を促すような制御を行うと有効である。
さらに、規格外のペットボトルが内扉112から減容部120へ向かう途中で、中途半端に引っかかるような事態が生じることもある。図10に示す落下確認処理は、順次処理のための単なる一工程とした例であるが、ステップST12の落下確認処理を、落下判定処理として、落下しないと判定された場合には、それは、内扉112が閉まらなくなり、したがって、外扉111も開かなくなることを意味するため、これに対応する処理を設けても良い。具体的には、店員等を呼ぶための、適宜のエラー報知が行われるように構成する。
【0087】
前提となる減容装置では、安全性を求めて、外扉111が完全に閉じてから内扉112を開くようにしていたが、所定間隔Gを適切な値に設定すれば、安全性は、然程、深刻なものとはならない。それにも関わらず、従来は、潰れた状態で持ち込んだペットボトルが外扉111に挟まって、処理が進まない場合には、店員等の説明の下、潰したペットボトルを広げ直して、投入し直すといったことがされていた。大量にペットボトルを抱え来店する顧客ほど、ペットボトルを潰した状態で持ち込む傾向が強く、全体の処理はさらに遅くなり、他の客は、長い順番待ちを強いられることになる。
本発明の実施形態に係る減容装置によれば、潰れたペットボトルであっても、外扉が所定間隔Gまで閉じる状態であれば、連続投入を妨げることなく、処理を進めることが可能となり、顧客満足度を著しく向上させることができる。
【0088】
<実施形態の総括>
[技術分野]
本発明は、減容装置及びプログラムに関する。
[背景技術]
減容装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の減容装置は、外扉と内扉を備え、外扉が開いた状態でペットボトル等の空容器が載置部に置かれ、外扉が閉まった後に内扉が開き、空容器を減容部へ導き、減容し回収するものである。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2018-189553号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
特許文献1に記載の減容装置では、安全性の観点から、外扉が完全に閉状態となってから、内扉が開状態とされるようになっている。そのため、外扉が閉まらなくなるような規格外のペットボトルが置かれた場合には、外扉が完全には閉まらなくなり、回収スピードの低下に繋がっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、載置部に規格外のペットボトルが置かれた場合であっても、効率の良い減容回収が行える減容装置を提供することを課題とするものである。
[課題を解決するための手段]
(1)以上説明したように、本実施形態の一態様は、空容器を減容する減容部120と、空容器を投入する投入口(容器投入部110)を覆う外扉111と、前記投入口(容器投入部110)から前記減容部120へ通じる通路に設けられた内扉112と、前記外扉111と前記内扉112の開閉を制御する制御部1と、を備え、前記制御部1は、前記外扉111が閉まり切らないと判定された場合であっても前記内扉112を開放させることを特徴とする減容装置(空容器回収装置100)である。
【0089】
上記構成によれば、規格外のペットボトル、例えば、載置部に潰した大型のペットボトルが置かれたり、潰れてはいないものの、小さめのサイズのペットボトルが縦置きの状態で置かれたりしても、載置部にペットボトルが留まらないようにして、効率の良い減容回収が行える。
【0090】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載の減容装置(空容器回収装置100)において、前記制御部1は、前記減容部120での減容を開始する条件として、少なくとも前記内扉112を開放後に前記外扉111が閉まったことを条件としている。
【0091】
上記構成によれば、ペットボトルが確実に減容部に案内されたときにだけ、減容部を作動させるので、無駄がない。
【0092】
(3)本実施形態の一態様は、(1)に記載の減容装置(空容器回収装置100)において、前記制御部1は、前記内扉112を開放後に前記外扉111が閉まらない場合に、前記外扉111を再度開く。
【0093】
上記構成によれば、ペットボトルが減容部に案内されない場合に、ペットボトルを取り除く作業が容易となる。
【0094】
(4)本実施形態の一態様は、(1)に記載の減容装置(空容器回収装置100)において、前記投入口(容器投入部110)へ投入された対象が減容対象としての空容器であるか否かを判定する判定手段(制御部1)を備え、前記制御部1は、前記判定手段(制御部1)により、減容対象であると判定され、かつ、回収対象以外の物が前記投入口へ投入されていないことを条件に前記内扉112の開放を行う。
【0095】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
特に、本発明は、外扉が完全には閉じない状態であっても内扉を開動作させる点に大きな意義が存することに着目してなされた発明、当該点に基本的思想を置く発明である。したがって、本発明は、実施形態として説明された構造的な特徴ないし制御的な特徴にて限定されるべきものではなく、発明思想として広く捉えられるべきものである。
【符号の説明】
【0096】
1…………制御部
2…………記憶部
3…………表示操作部
4…………送受信部
5…………外扉駆動部
6…………内扉駆動部
7…………計量部
8…………金属検出センサ
9…………光センサ
10………扉位置センサ
11………扉ロック部
12………人感センサ
15………減容駆動部
17………リーダライタ
18………施解錠検出部
100……空容器回収装置(減容装置)
100B…装置本体部
110……容器投入部
111……外扉
112……内扉
113……前方棚部
116……載置部
118……台座
120……減容部
140……容器収容部
K111…第1の制限部
K112…第2の制限部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10