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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063334
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】竪型型締装置、および竪型射出成形機
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/64 20060101AFI20240502BHJP
   B29C 45/17 20060101ALI20240502BHJP
   B22D 17/26 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
B29C45/64
B29C45/17
B22D17/26 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171180
(22)【出願日】2022-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100097696
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 嘉昭
(74)【代理人】
【識別番号】100147072
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 裕通
(72)【発明者】
【氏名】川北 聖人
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4F202AR07
4F202CA11
4F202CB01
4F202CC01
4F202CL02
4F202CL32
4F202CL39
4F202CL42
4F202CL44
4F202CR01
4F202CR03
4F206AR07
4F206JA07
4F206JC02
4F206JC08
4F206JL03
4F206JL05
4F206JQ82
4F206JQ90
4F206JT38
(57)【要約】
【課題】ターンテーブルの駆動機構の保守が容易な竪型型締装置、および竪型射出成形機を提供する。
【解決手段】竪型型締装置(2)は、固定盤(9)と、その上方と下方とに設けられている上可動盤(10)と下可動盤(11)と、上可動盤(10)と下可動盤(11)とを連結している複数本のタイバー(12)と、型締機構と、固定盤(9)の上に設けられているターンテーブル(15)と、を備えている。本開示は、複数本のタイバー(12)についてターンテーブル(15)を避けて外側に配置させるように構成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定盤と、
前記固定盤の上方に設けられている上可動盤と、
前記固定盤の下方に設けられている下可動盤と、
前記上可動盤と前記下可動盤とを連結している複数本のタイバーと、
前記固定盤と前記下可動盤の間に設けられている型締機構と、
前記固定盤の上に回転自在に設けられているターンテーブルと、を備え、
複数本の前記タイバーは前記ターンテーブルを避けて外側に配置されている、竪型型締装置。
【請求項2】
上面から見たとき複数本の前記タイバーを各頂点とする図形は線対称になっている、請求項1に記載の竪型型締装置。
【請求項3】
前記ターンテーブルは、前記ターンテーブルに設けられる金型の上面図形の重心を前記図形の重心と鉛直方向において一致させることができるように配置されている、請求項2に記載の竪型型締装置。
【請求項4】
前記タイバーは4本からなると共に前記図形は長方形になっている、請求項2または3に記載の竪型型締装置。
【請求項5】
前記タイバーは、スプライン軸と、ボールが収納され前記スプライン軸をスライドするボール保持器とからなるボールスプラインからなり、前記ボール保持器が前記固定盤に対して設けられていると共に前記スプライン軸が前記上可動盤と前記下可動盤とを連結している、請求項1~3のいずれかの項に記載の竪型型締装置。
【請求項6】
前記タイバーは、スプライン軸と、ボールが収納され前記スプライン軸をスライドするボール保持器とからなるボールスプラインからなり、前記ボール保持器が前記固定盤に対して設けられていると共に前記スプライン軸が前記上可動盤と前記下可動盤とを連結している、請求項4に記載の竪型型締装置。
【請求項7】
竪型型締装置と、
前記竪型型締装置の上に設けられている射出装置と、から構成され、
前記竪型型締装置は、固定盤と、
前記固定盤の上方に設けられている上可動盤と、
前記固定盤の下方に設けられている下可動盤と、
前記上可動盤と前記下可動盤とを連結している複数本のタイバーと、
前記固定盤と前記下可動盤の間に設けられている型締機構と、
前記固定盤の上に回転自在に設けられているターンテーブルと、を備え、
複数本の前記タイバーは前記ターンテーブルを避けて外側に配置されている、竪型射出成形機。
【請求項8】
上面から見たとき複数本の前記タイバーを各頂点とする図形は線対称になっている、請求項7に記載の竪型射出成形機。
【請求項9】
前記ターンテーブルは、前記ターンテーブルに設けられる金型の上面図形の重心を前記図形の重心と鉛直方向において一致させることができるように配置されている、請求項8に記載の竪型射出成形機。
【請求項10】
前記タイバーは4本からなると共に前記図形は長方形になっている、請求項8または9に記載の竪型射出成形機。
【請求項11】
前記タイバーは、スプライン軸と、ボールが収納され前記スプライン軸をスライドするボール保持器とからなるボールスプラインからなり、前記ボール保持器が前記固定盤に対して設けられていると共に前記スプライン軸が前記上可動盤と前記下可動盤とを連結している、請求項7~9のいずれかの項に記載の竪型射出成形機。
【請求項12】
前記タイバーは、スプライン軸と、ボールが収納され前記スプライン軸をスライドするボール保持器とからなるボールスプラインからなり、前記ボール保持器が前記固定盤に対して設けられていると共に前記スプライン軸が前記上可動盤と前記下可動盤とを連結している、請求項10に記載の竪型射出成形機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下に型開閉される竪型型締装置、および竪型射出成形機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
竪型射出成形機は、上下方向に型開閉される竪型型締装置と射出装置とを備えている。竪型型締装置は、フレームに固定されている固定盤と、この固定盤の上方に設けられている上可動盤と、下方に設けられている下可動盤とを備えている。上可動盤と下可動盤は複数本のタイバーで連結され、下可動盤と固定盤の間に型締機構が、例えばトグル機構が設けられている。
【0003】
特許文献1に記載されているように、ターンテーブルを備えた竪型射出成形機の場合、ターンテーブルは固定盤の上に設けられている。タイバーは一般的に3本設けられており、1本がターンテーブルを貫通し、他の2本はターンテーブルの外側に配置されており、上面から見たとき3本のタイバーから二等辺三角形が形成されている。ターンテーブルは二等辺三角形の頂角に位置している1本のタイバーを中心に回転するようになっている。上可動盤には1個の上側金型が設けられ、ターンテーブルには複数個、例えば2個の下側金型が設けられている。ターンテーブルの回転位置に応じて上側金型と型締めされる下側金型が切り換えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-205877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ターンテーブルを備えた竪型射出成形機は、複数の下側金型を切り換えて射出成形することができ、生産性に優れている。しかしながら解決すべき課題も見受けられる。具体的にはターンテーブルの駆動機構について保守が困難であるという課題がある。ターンテーブルの駆動機構は、モータと、モータによって回転される駆動プーリと、ターンテーブルと駆動プーリとに掛け回されているタイミングベルトと、を備えている。あるいはターンテーブルにはターンテーブルと一体的に回転する大プーリが設けられ、タイミングベルトはこの大プーリと駆動プーリとに掛け回されている。前記したようにターンテーブルには1本のタイバーが貫通している。そうすると、必然的にこの1本のタイバーを抜き取らなければ、タイミングベルトを交換することができない。つまり保守が困難になっている。
【0006】
本開示において、ターンテーブルの駆動機構の保守が容易な竪型型締装置、および竪型射出成形機を提供する。
【0007】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
竪型型締装置は、固定盤と、その上方と下方とに設けられている上可動盤と下可動盤と、上可動盤と下可動盤とを連結している複数本のタイバーと、固定盤と下可動盤の間に設けられている型締機構と、固定盤の上に設けられているターンテーブルと、を備えている。本開示は、複数本のタイバーについてターンテーブルを避けて外側に配置させるように構成する。
【発明の効果】
【0009】
本開示は、ターンテーブルの駆動機構の保守を容易に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る竪型射出成形機の正面図である。
図2】第1の実施形態に係る竪型型締装置の上面図である。
図3】比較例に係る竪型型締装置の上面図である。
図4】比較例に係る竪型型締装置の正面図である。
図5】第2の実施形態に係る竪型射出成形機の正面図である。
図6】第2の実施形態に係る竪型射出成形機の上面図である。
図7A】第3の実施形態に係る竪型型締装置の上面図である。
図7B】第4の実施形態に係る竪型型締装置の上面図である。
図7C】第5の実施形態に係る竪型型締装置の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、以下の実施の形態に限定される訳ではない。説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜簡略化されている。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。また、図面が煩雑にならないように、ハッチングが省略されている部分がある。
【0012】
[第1の実施形態]
<竪型射出成形機>
第1の実施形態に係る竪型射出成形機1は、図1に示されているように、竪型型締装置2と、この竪型型締装置2の上部に設けられている射出装置3と、これらを制御する制御装置4と、を備えている。
【0013】
<竪型型締装置>
竪型型締装置2は、ベッド7に固定されている固定盤9と、この固定盤9の上方に設けられている上可動盤10と、ベッド7内に設けられている下可動盤11とを備えている。上可動盤10と下可動盤11は複数本のタイバー12、12、…で連結されている。これらタイバー12、12、…はその配置に特徴があり、後で説明する。竪型型締装置2において下可動盤11と固定盤9の間には型締機構としてトグル機構14が設けられている。トグル機構14は、図1に示されているようにボールねじ機構17と、このボールねじ機構17を駆動する型開閉モータ18とによって駆動されるようになっている。
【0014】
固定盤9の上にはターンテーブル15が設けられている。ターンテーブル15は、駆動モータ25と、駆動プーリ26と、タイミングベルト27とからなる駆動機構によって回転されるようになっている。上可動盤10には1個の上側金型19が、そしてターンテーブル15には複数個の、この実施形態では2個の下側金型20、20が設けられている。ただし、図1において2個の下側金型20、20は作図上重なった配置になっているので、1個のみが示されている。
【0015】
<タイバー>
第1の実施形態においてタイバー12、12、…の本数は、図2に示されているように、4本になっている。4本のタイバー12、12、…はいずれもターンテーブル15を避けて外側に配置されている。ターンテーブル15の駆動機構を構成しているタイミングベルト27は駆動プーリ26とターンテーブル15とに掛け回されているが、このタイミングベルト27を貫通しているタイバー12はない。ターンテーブル15を避けてタイバー12、12、…が配置されているからである。したがって、タイミングベルト27を交換するときタイバー12が妨げになることはなく、容易に交換することができる。つまり第1の実施形態ではタイバー12、12、…の配置によって、ターンテーブル15の駆動機構の保守が容易になっている。
【0016】
第1の実施形態において4本のタイバー12、12、…からなる図形にも特徴がある。すなわち、これら4本のタイバー12、12、…は図2に示されているように、長方形の各頂点に配置されている。したがって上可動盤10も長方形状になっている。長方形は線対称であり、図形の重心Gは長方形の中心になる。第1の実施形態に係る竪型型締装置2は、下側金型20をターンテーブル15に設けるとき、その上面図形の重心gが4本のタイバー12、12、…からなる長方形の重心Gに鉛直方向において一致させるように配置できるようになっている。これらの重心G、gが鉛直方向において一致しているとき、型締時に4本のタイバー12、12、…に均等に張力が発生する。これによって高い精度で型締めすることができることになる。
【0017】
<射出装置>
射出装置3は、図1に示されているように、竪型型締装置2の上可動盤10の上に設けられている。射出装置3は、加熱シリンダ31と、加熱シリンダ31内に設けられているスクリュ32と、スクリュ32を駆動するスクリュ駆動機構33と、射出装置3全体を昇降する昇降装置35と、を備えている。射出装置3は、スクリュ32を回転して射出材料を溶融し、スクリュ32を軸方向に駆動して射出材料を射出するようになっている。
【0018】
[比較例]
比較例に係る竪型射出成形機51について、図3図4によって説明する。比較例に係る竪型射出成形機51は、竪型型締装置52について一部の構成が第1の実施形態に係る竪型射出成形機1(図1図2参照)と相違しているが、他の装置、部材については第1の実施形態と同様に構成されている。同様に構成されている装置、部材については同じ符号を付して説明を省略する。また竪型型締装置52についても、第1の実施形態に係る竪型型締装置2(図1図2参照)と同様に構成されている部材には同じ符号を付して説明を省略する。
【0019】
<竪型型締装置>
比較例に係る竪型型締装置52は、まずタイバー54、54、…が第1の実施形態に係る竪型型締装置2と相違している。タイバー54、54、…は3本からなり、図3に示されているように2本のタイバー54、54はターンテーブル15を避けて外側に配置されているが、1本のタイバー54はターンテーブル15の中心を貫通している。タイバー54、54、…は二等辺三角形の各頂点に配置されており、上可動盤53も略三角形に形成されている。比較例に係る竪型型締装置52は、ターンテーブル15が1本のタイバー54を中心に回転するようになっている。
【0020】
比較例に係る竪型型締装置52は、ターンテーブル15の駆動機構も相違している。比較例に係る竪型型締装置52では、図4に示されているように、駆動機構はベッド7内に設けられている。すなわち、ターンテーブル15の駆動機構は、ターンテーブル15と一体的に回転するようになっている大プーリ56と、駆動モータ57と、駆動モータ57に設けられている駆動プーリ58と、タイミングベルト60とから構成されている。タイミングベルト60は、図3に示されているように、大プーリ56と駆動プーリ58とに掛け回されている。比較例に係る竪型型締装置52では、このタイミングベルト60が、ターンテーブル15を貫通している1本のタイバー54によって貫通されている。したがって、タイミングベルト60の交換時に、この1本のタイバー54を抜かなければならない。つまり保守が困難になっている。
【0021】
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る竪型射出成形機1Aについて、図5図6によって説明する。第2の実施形態に係る竪型射出成形機1Aは、竪型型締装置2Aについて一部が第1の実施形態に係る竪型射出成形機1(図1図2参照)と相違しているが、他の装置、部材については第1の実施形態と同様に構成されている。同様に構成されている装置、部材について同じ符号を付して説明を省略する。また竪型型締装置2Aについても、第1の実施形態に係る竪型型締装置2(図1図2参照)と同様に構成されている部材には同じ符号を付して説明を省略する。
【0022】
<竪型型締装置>
第2の実施形態に係る竪型型締装置2Aは、まずタイバー12A、12A、…が第1の実施形態に係る竪型型締装置2と相違している。第2の実施形態においてタイバー12A、12Aは、ボールスプライン…が採用されている。ボールスプライン…は、図5に示されているように、スプライン軸22、22、…と、このスプライン軸22、22、…をスライドするボール保持器23、23、…とから構成されている。ボール保持器23、23、…には、内部に多数のボールが保持され、ボールの転動によってボール保持器23、23、…はスプライン軸22、22、…を滑らかにスライドするようになっている。固定盤9にボール保持器23、23、…が設けられており、上可動盤10と下可動盤11とがスプライン軸22、22、…によって連結されている。したがって、上可動盤10と下可動盤11は、固定盤9に対して摺動抵抗をほとんど受けること無くスライドするようになっている。
【0023】
第2の実施形態においても、ボールスプラインからなるタイバー12A、12A、…は、図6に示されているように、ターンテーブル15を避けて外側に配置されている。したがって、ターンテーブル15の駆動機構を構成しているタイミングベルト27を容易に交換することができる。
【0024】
次に、第2の実施形態に係る竪型型締装置2Aは型締機構が第1の実施形態に係る竪型型締装置2(図1参照)と相違している。第2の実施形態に係る竪型型締装置2Aの型締機構は、ボールねじ機構40と型開閉モータ18Aと回転伝達機構44と、から構成されている。ボールねじ機構40のボールナット42は下可動盤11に設けられ、そしてボールねじ41は固定盤9とボールナット42の間で回転自在に設けられている。型開閉モータ18Aは回転伝達機構44を介してボールねじ41を回転するようになっている。したがって、型開閉モータ18Aを駆動すると竪型型締装置2Aが型開閉する。なお、ボールナット42はロードセル43を介して下可動盤11に設けられているので、ロードセル43によって型締力が検出されるようになっている。
【0025】
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る竪型射出成形機1Bについて、図7Aによって説明する。第3の実施形態に係る竪型射出成形機1Bは、竪型型締装置2Bについて一部が第1の実施形態に係る竪型射出成形機1(図1図2参照)と相違しているが、他の装置、部材については第1の実施形態と同様に構成されている。同様に構成されている装置、部材について説明を省略する。また竪型型締装置2Bについても、第1の実施形態に係る竪型型締装置2(図1図2参照)と同様に構成されている部材について同じ符号を付して説明を省略する。
【0026】
第3の実施形態に係る竪型型締装置2Bは、タイバー12B、12B、…の本数が、第1の実施形態に係る竪型型締装置2と相違している。第3の実施形態においてタイバー12B、12B、…は3本からなる。ただしこれらのタイバー12B、12B、…も、第1の実施形態と同様に、いずれもターンテーブル15を避けて外側に配置されている。したがって、第3の実施形態に係る竪型型締装置2Bにおいてもタイミングベルト27の交換時にタイバー12Bが妨げになることはない。
【0027】
第3の実施形態に係る竪型型締装置2Bは、3本のタイバー12B、12B、…からなる図形は二等辺三角形になっており線対称になっている。そしてこの二等辺三角形の重心Gに対して、下側金型20の重心gを合わせるように下側金型20をターンテーブル15に設けることができるようになっている。つまり第3の実施形態に係る竪型型締装置2Bも型締時にタイバー12B、12B、…に均等に張力を発生させることができ、型締めが安定する。
【0028】
[第4、第5の実施形態]
第4の実施形態に係る竪型射出成形機1C、第5の実施形態に係る竪型射出成形機1Dについて、図7B図7Cによって説明する。第4、第5の実施形態に係る竪型射出成形機1C、1Dは、竪型型締装置2C、2Dについて一部が第1の実施形態に係る竪型射出成形機1(図1図2参照)と相違しているが、他の装置、部材については第1の実施形態と同様に構成されている。同様に構成されている装置、部材について説明を省略する。また竪型型締装置2C、2Dについても、第1の実施形態に係る竪型型締装置2(図1図2参照)と同様に構成されている部材には同じ符号を付して説明を省略する。
【0029】
第4の実施形態に係る竪型型締装置2Cは、図7Bに示されているように、タイバー12C、12C、…の本数は4本からなる。これらタイバー12C、12C、…は上面から見て台形の各頂点に配置されている。上可動盤10Cも台形状に形成されている。タイバー12C、12C、…からなる台形は線対称になっている。この台形の重心Gに対して、下側金型20の重心gを合わせるように下側金型20をターンテーブル15に設けることができる。
【0030】
第5の実施形態に係る竪型型締装置2Dは、図7Cに示されているように、タイバー12D、12D、…の本数は6本からなる。4本のタイバー12D、12D、…は上面から見て長方形の各頂点に配置されており、2本のタイバー12D、12Dは長方形の両短辺の中点に配置されている。上可動盤10Dは長方形状に形成されている。6本のタイバー12D、12D、…からなる長方形も線対称になっており、長方形の重心Gに対して、下側金型20の重心gを合わせるように下側金型20をターンテーブル15に設けることができる。
【0031】
第4の実施形態に係る竪型型締装置2Cも、第5の実施形態に係る竪型型締装置2Dも、いずれも複数本のタイバー12C、12C、12D、12D、…はターンテーブル15を避けて外側に配置されている。したがって、ターンテーブル15の駆動機構を構成しているタイミングベルト27の交換が容易になっている。
【0032】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。以上で説明した複数の例は、適宜組み合わせて実施されることもできる。
【符号の説明】
【0033】
1 竪型射出成形機 2 竪型型締装置
3 射出装置 4 制御装置
7 ベッド 9 固定盤
10 上可動盤 11 下可動盤
12 タイバー 14 トグル機構
15 ターンテーブル 17 ボールねじ機構
18 型開閉モータ 19 上側金型
20 下側金型 22 スプライン軸
23 ボール保持器 25 駆動モータ
26 駆動プーリ 27 タイミングベルト
31 加熱シリンダ 32 スクリュ
33 スクリュ駆動機構 35 昇降装置
40 ボールねじ機構 41 ボールねじ
42 ボールナット 43 ロードセル
44 回転伝達機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C