(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063340
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
B60W 30/06 20060101AFI20240502BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20240502BHJP
【FI】
B60W30/06
B60W50/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171192
(22)【出願日】2022-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡 敬祐
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 瞬
(72)【発明者】
【氏名】石川 翔太
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA21
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC17
3D241CE04
3D241CE05
3D241CE08
3D241DA52Z
3D241DB01Z
3D241DB02Z
3D241DB32Z
3D241DC31Z
3D241DC33Z
3D241DC35Z
3D241DC50Z
3D241DD11Z
(57)【要約】
【課題】目標位置に車両を自動運転制御する際のユーザビリティを向上させることが可能な制御装置、制御方法、及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】車両10の外界の認識データを取得する外界認識部55と、目標位置に車両10を移動させる自動運転制御部56と、目標位置に関わる目標位置情報を記憶する記憶部54と、認識データに基づいて目標位置の検出を行う目標位置検出部57を備える。自動運転制御部56は、目標位置が検出された場合、認識データと目標位置情報の比較に基づいて目標位置に対する車両10の自己位置推定ができるか否かを判定し、自己位置推定ができた場合、目標位置情報に含まれていない物標82が目標位置の周辺に存在するか否かを判定し、物標82が存在する場合、ユーザに目標位置への自動運転制御の実行要否を問い合わせる通知を行い、物標82が存在しない場合、自動運転制御を実行する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の外界の認識データを取得する外界認識部と、
目標位置に前記移動体を移動させるための自動運転制御を行う自動運転制御部と、
前記目標位置に関わる目標位置情報を記憶する記憶部と、
前記認識データに基づいて前記目標位置の検出を行う目標位置検出部と、を備え、
前記自動運転制御部は、
前記目標位置が検出された場合に、
前記認識データと前記目標位置情報との比較に基づいて、前記目標位置に対する前記移動体の自己位置推定ができるか否かを判定する第1判定処理を実行し、
前記第1判定処理において前記自己位置推定ができた場合に、前記目標位置情報に含まれていない物標が前記目標位置の周辺に存在するか否かを判定する第2判定処理を実行し、
前記第2判定処理において前記物標が存在すると判定した場合は、前記移動体のユーザに前記目標位置への前記自動運転制御の実行要否を問い合わせる通知を行い、
前記第2判定処理において前記物標が存在しないと判定した場合は、前記自動運転制御を実行する、
制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記目標位置情報は、前記目標位置の特徴点である、
制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記自動運転制御部は、前記第2判定処理において前記物標が存在すると判定した場合に、前記自動運転制御の実行要否を問い合わせる通知を行った後、前記移動体のユーザからの回答に応じて前記自動運転制御を実行する、
制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記自動運転制御部は、前記第1判定処理において前記自己位置推定ができなかった場合に、前記自動運転制御を実行しない、
制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の制御装置であって、
前記自動運転制御部は、前記第1判定処理において前記自己位置推定ができなかった場合に、前記自動運転制御の目標位置の選択を前記移動体のユーザから受け付ける、
制御装置。
【請求項6】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記自動運転制御部は、前記第2判定処理において、前記ユーザの視線検出結果と、前記ユーザの視線の履歴情報と、の比較に基づいて前記物標が存在するか否かを判定する、
制御装置。
【請求項7】
請求項6に記載の制御装置であって、
前記自動運転制御部は、前記第2判定処理において、前記視線の履歴情報の中から、前記目標位置と前記移動体の相対位置に対応する履歴情報を抽出し、前記視線検出結果と、抽出した前記履歴情報と、の比較に基づいて前記物標が存在するか否かを判定する、
制御装置。
【請求項8】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記自動運転制御部は、前記第1判定処理において前記自己位置推定ができた場合であって、前記目標位置に対する前記自動運転制御の履歴情報が所定条件を満たす場合は、前記物標が存在しなくても、前記移動体のユーザに前記自動運転制御の実行要否を問い合わせる通知を行う、
制御装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の制御装置であって、
前記目標位置は、前記移動体の駐車位置であり、
前記自動運転制御は、前記駐車位置への自動駐車制御である、
制御装置。
【請求項10】
移動体の外界の認識データを取得し、目標位置に前記移動体を移動させるための自動運転制御を行い、前記目標位置に関わる目標位置情報を記憶し、前記認識データに基づいて前記目標位置の検出を行う制御装置による制御方法であって、
前記制御装置のプロセッサが、
前記目標位置が検出された場合に、
前記認識データと前記目標位置情報との比較に基づいて、前記目標位置に対する前記移動体の自己位置推定ができるか否かを判定する第1判定処理を実行し、
前記第1判定処理において前記自己位置推定ができた場合に、前記目標位置情報に含まれていない物標が前記目標位置の周辺に存在するか否かを判定する第2判定処理を実行し、
前記第2判定処理において前記物標が存在すると判定した場合は、前記移動体のユーザに前記目標位置への前記自動運転制御の実行要否を問い合わせる通知を行い、
前記第2判定処理において前記物標が存在しないと判定した場合は、前記自動運転制御を実行する、
制御方法。
【請求項11】
移動体の外界の認識データを取得し、目標位置に前記移動体を移動させるための自動運転制御を行い、前記目標位置に関わる目標位置情報を記憶し、前記認識データに基づいて前記目標位置の検出を行う制御装置の制御プログラムであって、
前記制御装置のプロセッサに、
前記目標位置が検出された場合に、
前記認識データと前記目標位置情報との比較に基づいて、前記目標位置に対する前記移動体の自己位置推定ができるか否かを判定する第1判定処理を実行し、
前記第1判定処理において前記自己位置推定ができた場合に、前記目標位置情報に含まれていない物標が前記目標位置の周辺に存在するか否かを判定する第2判定処理を実行し、
前記第2判定処理において前記物標が存在すると判定した場合は、前記移動体のユーザに前記目標位置への前記自動運転制御の実行要否を問い合わせる通知を行い、
前記第2判定処理において前記物標が存在しないと判定した場合は、前記自動運転制御を実行する、
処理を実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通参加者の中でも脆弱な立場にある人々にも配慮した持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが活発化している。この実現に向けて自動運転技術に関する研究開発を通して交通の安全性や利便性をより一層改善する研究開発に注力している。
【0003】
従来、所定の駐車スペースに車両を自動的に移動させて駐車させる自動駐車制御が知られている。特許文献1には、過去の駐車時に行われた運転操作を、カメラが撮像した画像と関連させて記憶手段に記憶し、新たに駐車を行おうとするときのカメラで撮像した画像と記憶手段に記憶されている画像とに類似性があると判定されれば、つまり、過去に同様の状態(同一の場所)で駐車を行っていれば、記憶された運転操作に従って車両を駐車させるように制御する車両の運転支援装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、カメラで撮像した画像の類似性に基づいて過去に利用した駐車位置であるか否かを判定する場合、過去に利用した駐車位置であったとしても過去の駐車時の画像には撮像されていなかった対象物が新たな駐車時に撮像されると、類似性がないと判定されることがある。その場合には、撮像された対象物のいかんにかかわらず自動駐車を実行できないためユーザの負担になることもある。特許文献1には、過去の駐車時の画像と異なる対象物が撮像された場合の制御処理については記載されていない。したがって、この点について従来技術には改良の余地がある。
【0006】
本発明は、目標位置に車両を自動運転制御する際のユーザビリティを向上させることが可能な制御装置、制御方法、及び制御プログラムを提供することを目的とする。そして、延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
移動体の外界の認識データを取得する外界認識部と、
目標位置に前記移動体を移動させるための自動運転制御を行う自動運転制御部と、
前記目標位置に関わる目標位置情報を記憶する記憶部と、
前記認識データに基づいて前記目標位置の検出を行う目標位置検出部と、を備え、
前記自動運転制御部は、
前記目標位置が検出された場合に、
前記認識データと前記目標位置情報との比較に基づいて、前記目標位置に対する前記移動体の自己位置推定ができるか否かを判定する第1判定処理を実行し、
前記第1判定処理において前記自己位置推定ができた場合に、前記目標位置情報に含まれていない物標が前記目標位置の周辺に存在するか否かを判定する第2判定処理を実行し、
前記第2判定処理において前記物標が存在すると判定した場合は、前記移動体のユーザに前記目標位置への前記自動運転制御の実行要否を問い合わせる通知を行い、
前記第2判定処理において前記物標が存在しないと判定した場合は、前記自動運転制御を実行する、
制御装置である。
【0008】
本発明は、
移動体の外界の認識データを取得し、目標位置に前記移動体を移動させるための自動運転制御を行い、前記目標位置に関わる目標位置情報を記憶し、前記認識データに基づいて前記目標位置の検出を行う制御装置による制御方法であって、
前記制御装置のプロセッサが、
前記目標位置が検出された場合に、
前記認識データと前記目標位置情報との比較に基づいて、前記目標位置に対する前記移動体の自己位置推定ができるか否かを判定する第1判定処理を実行し、
前記第1判定処理において前記自己位置推定ができた場合に、前記目標位置情報に含まれていない物標が前記目標位置の周辺に存在するか否かを判定する第2判定処理を実行し、
前記第2判定処理において前記物標が存在すると判定した場合は、前記移動体のユーザに前記目標位置への前記自動運転制御の実行要否を問い合わせる通知を行い、
前記第2判定処理において前記物標が存在しないと判定した場合は、前記自動運転制御を実行する、
制御方法である。
【0009】
本発明は、
移動体の外界の認識データを取得し、目標位置に前記移動体を移動させるための自動運転制御を行い、前記目標位置に関わる目標位置情報を記憶し、前記認識データに基づいて前記目標位置の検出を行う制御装置の制御プログラムであって、
前記制御装置のプロセッサに、
前記目標位置が検出された場合に、
前記認識データと前記目標位置情報との比較に基づいて、前記目標位置に対する前記移動体の自己位置推定ができるか否かを判定する第1判定処理を実行し、
前記第1判定処理において前記自己位置推定ができた場合に、前記目標位置情報に含まれていない物標が前記目標位置の周辺に存在するか否かを判定する第2判定処理を実行し、
前記第2判定処理において前記物標が存在すると判定した場合は、前記移動体のユーザに前記目標位置への前記自動運転制御の実行要否を問い合わせる通知を行い、
前記第2判定処理において前記物標が存在しないと判定した場合は、前記自動運転制御を実行する、
処理を実行させるための制御プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の制御装置、制御方法、及び制御プログラムによれば、目標位置に車両を自動運転制御する際のユーザビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態の制御装置を搭載した車両の一例を示す側面図である。
【
図3】
図1に示す車両の内部構成を示すブロック図である。
【
図4】車両を自動駐車する際にナビゲーション装置に表示される画像の一例を示す図である。
【
図5】新たな目標位置に車両を駐車させるための自動駐車の処理を示すフローチャートである。
【
図6】カメラの撮像画像に基づいて生成された俯瞰画像に目標位置を設定した図である。
【
図7】
図6に示す目標位置に対する周辺の特徴点を示した図である。
【
図8】記憶部に登録される目標位置のマップの一例を示す図である。
【
図9】登録済み目標位置に車両を自動駐車させるための処理を示すフローチャートである。
【
図10】登録時になかった物標が検出されたときの問い合わせ画面の一例を示す図である。
【
図11】登録済み目標位置に車両を自動駐車させる処理の第1変形例を示すフローチャートである。
【
図12】登録済み目標位置に車両を自動駐車させる処理の第2変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の制御装置、制御方法、及び制御プログラムの一実施形態を、添付図面に基づいて説明する。なお、図面は、符号の向きに見るものとする。また、本明細書等では説明を簡単かつ明確にするために、前後、左右、上下の各方向は、
図1及び
図2に示す車両10の運転者から見た方向に従って記載し、図面には、車両10の前方をFr、後方をRr、左方をL、右方をR、上方をU、下方をD、として示す。
【0013】
<本発明の制御装置を搭載した車両10>
図1は、本発明の制御装置を搭載した車両10の側面図である。
図2は、
図1に示した車両10の上面図である。車両10は、本発明の移動体の一例である。
【0014】
車両10は、駆動源(図示略)と、駆動源の動力によって駆動される駆動輪及び転舵可能な転舵輪を含む車輪と、を有する自動車である。本実施形態では、車両10は、左右一対の前輪及び後輪を有する四輪の自動車である。車両10の駆動源は、例えば電動機である。なお、車両10の駆動源は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であってもよいし、電動機と内燃機関との組み合わせであってもよい。また、車両10の駆動源は、左右一対の前輪を駆動してもよいし、左右一対の後輪を駆動してもよいし、左右一対の前輪及び後輪の四輪を駆動してもよい。前輪及び後輪は、双方が転舵可能な転舵輪であってもよいし、いずれか一方が転舵可能な転舵輪であってもよい。
【0015】
車両10は、さらにサイドミラー11L,11Rを備える。サイドミラー11L,11Rは、車両10の前席ドアの外側に設けられた、運転者が後方及び後側方を確認するためのミラー(バックミラー)である。サイドミラー11L,11Rは、それぞれ垂直方向に延びる回転軸によって車両10の本体に固定されており、この回転軸を中心に回転することにより開閉可能である。
【0016】
車両10は、さらに前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rを備える。前方カメラ12Frは、車両10の前方に設けられ、車両10の前方を撮像するデジタルカメラである。後方カメラ12Rrは、車両10の後方に設けられ、車両10の後方を撮像するデジタルカメラである。左側方カメラ12Lは、車両10の左のサイドミラー11Lに設けられ、車両10の左側方を撮像するデジタルカメラである。右側方カメラ12Rは、車両10の右のサイドミラー11Rに設けられ、車両10の右側方を撮像するデジタルカメラである。
【0017】
<車両10の内部構成>
図3は、
図1に示した車両10の内部構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、車両10は、センサ群16と、ナビゲーション装置18と、制御ECU(Electronic Control Unit)20と、EPS(Electric Power Steering)システム22と、通信部24と、を有する。車両10は、さらに駆動力制御システム26と、制動力制御システム28と、を有する。
【0018】
センサ群16は、制御ECU20による制御に用いられる各種の検出値を取得する。センサ群16には、前方カメラ12Frと、後方カメラ12Rrと、左側方カメラ12Lと、右側方カメラ12Rとが含まれる。また、センサ群16には、前方ソナー群32aと、後方ソナー群32bと、左側方ソナー群32cと、右側方ソナー群32dとが含まれる。また、センサ群16には、車輪センサ34a,34bと、車速センサ36と、操作検出部38とが含まれる。
【0019】
前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rは、車両10の周辺を撮像することにより、車両10の外界を認識するための認識データ(例えば、周辺画像)を取得する。前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、右側方カメラ12Rによって撮像される周辺画像は、それぞれ前方画像、後方画像、左側方画像、右側方画像と称される。左側方画像と右側方画像とによって構成される画像を側方画像と称してもよい。
【0020】
前方ソナー群32aと、後方ソナー群32bと、左側方ソナー群32cと、右側方ソナー群32dとは、車両10の周辺に音波を発射すると共に、他物体からの反射音を受信する。前方ソナー群32aは、例えば4つのソナーを含む。前方ソナー群32aを構成するソナーは、車両10の左斜め前方、前方左側、前方右側及び右斜め前方にそれぞれ設けられている。後方ソナー群32bは、例えば4つのソナーを含む。後方ソナー群32bを構成するソナーは、車両10の左斜め後方、後方左側、後方右側及び右斜め後方にそれぞれ設けられている。左側方ソナー群32cは、例えば2つのソナーを含む。左側方ソナー群32cを構成するソナーは、車両10の左側部前方及び左側部後方にそれぞれ設けられている。右側方ソナー群32dは、例えば2つのソナーを含む。右側方ソナー群32dを構成するソナーは、車両10の右側部前方及び右側部後方にそれぞれ設けられている。
【0021】
車輪センサ34a,34bは、車両10の車輪の回転角度を検出する。車輪センサ34a,34bは、角度センサによって構成されていてもよいし、変位センサによって構成されていてもよい。車輪センサ34a,34bは、車輪が所定角度回転する毎に検出パルスを出力する。車輪センサ34a,34bから出力される検出パルスは、車輪の回転角度及び車輪の回転速度の算出に用いられる。車輪の回転角度に基づいて、車両10の移動距離が算出される。車輪センサ34aは、例えば、左後輪の回転角度θaを検出する。車輪センサ34bは、例えば、右後輪の回転角度θbを検出する。
【0022】
車速センサ36は、車両10の車体の速度、すなわち車速Vを検出し、検出した車速Vを制御ECU20に出力する。車速センサ36は、例えば、トランスミッションのカウンタシャフトの回転に基づいて車速Vを検出する。
【0023】
操作検出部38は、操作入力部14を用いて行われるユーザによる操作内容を検出し、検出した操作内容を制御ECU20に出力する。操作入力部14には、例えばサイドミラー11L,11Rの開閉状態を切り替えるサイドミラースイッチや、シフトレバー(セレクトレバーやセレクタ)など各種のユーザインタフェースが含まれる。
【0024】
ナビゲーション装置18は、例えばGPS(Global Positioning System)を用いて車両10の現在位置を検出すると共に、目的地までの経路をユーザに案内する。ナビゲーション装置18は、地図情報データベースが備えられた不図示の記憶装置を有する。
【0025】
ナビゲーション装置18には、タッチパネル42と、スピーカ44とが備えられている。タッチパネル42は、制御ECU20の入力装置及び表示装置として機能する。スピーカ44は、車両10のユーザ(搭乗者)に対して各種の案内情報を音声で出力する。
【0026】
タッチパネル42は、制御ECU20に対する各種の指令を入力することができるように構成されている。例えば、ユーザは、タッチパネル42を介して、車両10の移動支援に関する指令を入力することが可能である。移動支援には、車両10の駐車支援及び出庫支援が含まれる。また、タッチパネル42は、制御ECU20の制御内容に関する各種の画面を表示するように構成されている。例えば、タッチパネル42には、車両10の移動支援に関する画面が表示される。具体的には、タッチパネル42には、車両10の駐車支援を要求する駐車支援ボタンや出庫支援を要求する出庫支援ボタンが表示される。駐車支援ボタンには、制御ECU20の自動操舵による駐車を要求する自動駐車ボタンや、運転者の操作で駐車する際の補助を要求する補助駐車ボタンが含まれる。出庫支援ボタンには、制御ECU20の自動操舵による出庫を要求する自動出庫ボタンや、運転者の操作で出庫する際の補助を要求する補助出庫ボタン含まれる。なお、タッチパネル42以外の構成要素、例えばスマートフォンやタブレット端末等の情報端末を入力装置又は表示装置として用いるようにしてもよい。また、HUD(Head-Up Display)を表示装置として用いるようにしてもよい。
【0027】
制御ECU20は、入出力部50と、演算部52と、記憶部54とを有する。演算部52は、例えばCPU(Central Processing Unit)によって構成される。演算部52は、記憶部54に記憶されているプログラムに基づいて各部を制御することにより各種の制御を行う。また、演算部52は、入出力部50を介して、制御ECU20に接続される各部との間で信号を入出力する。制御ECU20は、本発明の制御装置の一例である。
【0028】
演算部52は、車両10の外界の認識データを取得する外界認識部55と、目標位置に車両10を移動させるための自動運転制御を行う自動運転制御部56と、認識データに基づいて目標位置の検出を行う目標位置検出部57と、を有する。
【0029】
外界認識部55は、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rによって撮像された車両10の周辺画像(外界の認識データ)を各カメラから取得する。外界認識部55は、ソナー群32a~32d又はレーダによって取得された車両10の外界の認識データを取得することも可能である。
【0030】
自動運転制御部56は、ステアリング110の操作を自動運転制御部56の制御によって自動で行う自動操舵による車両10の移動支援を行う。自動操舵の支援では、アクセルペダル(図示せず)、ブレーキペダル(図示せず)及び操作入力部14の操作が自動で行われる。また、自動運転制御部56は、アクセルペダル、ブレーキペダル及び操作入力部14の操作を運転者が行って車両10を手動移動させる際の補助支援を行う。
【0031】
例えば、自動運転制御部56は、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rによって取得された車両10の外界の認識データと、ユーザから指定された所定の目標位置とに基づいて、車両10を指定された所定の目標位置に移動させる自動運転の制御を行う。所定の目標位置には、ユーザにより記憶部54に登録された登録済み目標位置、及び登録されてはいないが車両10を駐車することが可能な未登録目標位置を含む。登録済み目標位置とは、ユーザにとって特定の目標位置のこと、例えば、ユーザの車両10を頻繁に駐車する機会が多い駐車スペースのことをいう。登録済み目標位置には、例えば、月極の駐車場や、自宅の駐車場や、駐車頻度の高いコインパーキング等が含まれる。登録済み目標位置は、車両10を駐車する位置に関する「目標位置情報」を比較することにより検出される。目標位置情報とは、カメラ、ソナー、及びレーダのセンシングデータから検出される目標位置の「特徴点」のことである。
【0032】
目標位置検出部57は、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rによって取得された車両10の外界の認識データに基づいて目標位置の検出を行う。目標位置検出部57は、現在検出されている目標位置に対する外界の認識データの特徴点と、ユーザが過去に登録した目標位置に対する外界の認識データの特徴点とを比較して目標位置を検出する。目標位置検出部57は、例えば、現在の外界の認識データの特徴点と過去の外界の認識データの特徴点との一致率が閾値以上であると判定した場合に、現在検出されている目標位置を過去にユーザが登録した登録済み目標位置として検出する。目標位置の検出は、例えば、GPS等の位置情報に基づいて、車両10が目標位置に近づいた際(例えば半径100m以内に近づいた際)に実行される。ただし、目標位置の検出は、車両10の移動中に常時行われるようにしてもよい。
【0033】
また、目標位置検出部57は、ユーザから指定された目標位置を記憶部54に登録する。目標位置検出部57は、登録する目標位置に対して、車両10の外界の認識データにおける特徴点(目標位置情報)を対応させて登録する。目標位置に関する特徴点には、目標位置そのものの特徴点や、目標位置の周辺の特徴点等が含まれる。目標位置そのものの特徴点としては、例えば、目標位置内に「駐車」という文字が表示されているような特徴点等が挙げられる。目標位置の周辺の特徴点としては、例えば、周辺に存在する特徴的な建築物や、障害物等が挙げられる。目標位置は、車両10の周辺画像における特徴点を含むマップとして記憶部54に登録されている。
【0034】
具体的には、自動運転制御部56は、目標位置検出部57によって目標位置が検出された場合に、車両10の現在の外界の認識データと記憶部54に登録されている目標位置情報との比較に基づいて、検出された目標位置に対する車両10の自己位置推定ができるか否かを判定する第1判定処理を実行する。自己位置推定とは、現在の外界の認識データ中に検出される特徴点と登録済み目標位置の目標位置情報(特徴点)とを照合して、検出された目標位置に対する車両10の現在の相対的な位置を認識することをいう。
【0035】
自動運転制御部56は、第1判定処理において自己位置推定ができた場合に、目標位置情報に含まれていない物標が、検出された目標位置の周辺に存在するか否かを判定する第2判定処理を実行する。目標位置の周辺には、目標位置内の領域及び目標位置外周囲の領域を含む。物標とは、カメラ、ソナー、レーダによるセンシングの対処となるものである。基本的には物(例えば、人、物、自転車、動物など)であるが、穴(例えば、地面の亀裂など)であってもよい。
【0036】
自動運転制御部56は、第2判定処理において物標が存在すると判定した場合には、車両10のユーザに目標位置への自動運転制御の実行要否を問い合わせる通知を行い、ユーザからの回答に応じて自動運転制御を実行する。自動運転制御部56は、第2判定処理において物標が存在しないと判定した場合には、自動運転制御の実行要否の問い合わせを行わずに自動運転制御を実行する。
【0037】
自動運転制御部56は、第1判定処理において自己位置推定ができなかった場合には、自動運転制御を実行しない。自動運転制御部56は、第1判定処理において自己位置推定ができなかった場合には、自動運転制御の目標位置の選択を車両10のユーザから受け付ける。自動運転制御部56は、自己位置推定できない場合であっても直ちには自動運転制御を中止せずに、車両10を移動させたい目標位置の指定をユーザから受け付ける。
【0038】
自動運転制御部56は、第2判定処理において、ユーザの視線検出結果(現在の視線)と、ユーザの視線の履歴情報(過去の視線)と、の比較に基づいて物標が存在するか否かを判定する。例えば、過去に同じ目標位置に自動駐車した際のユーザの視線の履歴の代表値に対して現在の視線が大きく外れていたら、「物標あり」と判定する。ユーザの視線の履歴とは、自動駐車の際にユーザが見ることが多い方向、場所など(ユーザの癖)が含まれる。履歴の代表値とは、例えば、複数回の履歴における平均値であってもよい。自動運転制御部56は、第2判定処理において、ユーザの視線の履歴情報の中から、車両10の今回の目標位置に対する現在の車両10の相対位置と同じ相対位置の視線の履歴情報を抽出し、ユーザの視線検出結果と、抽出した視線の履歴情報と、の比較に基づいて物標が存在するか否かを判定する。
【0039】
自動運転制御部56は、第1判定処理において自己位置推定ができた場合であって、目標位置に対する自動運転制御の履歴情報が所定条件を満たす場合には、物標が存在しなくても、車両10のユーザに自動運転制御の実行要否を問い合わせる通知を行う。所定条件とは、目標位置に対する自動運転制御の利用回数や利用頻度などの実績がユーザに少ないことである。
【0040】
なお、「駐車」は、例えば「パーキング」と同義である。例えば、「駐車」は、乗員の乗り降りを伴う停止であり、交通信号等での一時的な停止は除く。また、「目標位置」は、移動体を駐車させる駐車位置のことである。「駐車位置」とは移動体を停止させる位置、すなわちパーキングする位置のことである。
【0041】
EPSシステム22は、舵角センサ100と、トルクセンサ102と、EPSモータ104と、レゾルバ106と、EPS ECU108と、を有する。舵角センサ100は、ステアリング110の舵角θstを検出する。トルクセンサ102は、ステアリング110に加わるトルクTQを検出する。
【0042】
EPSモータ104は、ステアリング110に連結されたステアリングコラム112に対して駆動力又は反力を付与することにより、乗員によるステアリング110の操作支援や駐車支援時の自動操舵を可能とする。レゾルバ106は、EPSモータ104の回転角度θmを検出する。EPS ECU108は、EPSシステム22の全体の制御を司る。EPS ECU108には、入出力部(図示せず)と、演算部(図示せず)と、記憶部(図示せず)とが備えられている。
【0043】
通信部24は、他の通信装置120との間で無線通信を行うことを可能とするものである。他の通信装置120とは、基地局や、他車両の通信装置や、車両10の搭乗者が所持するスマートフォン等の情報端末などである。
【0044】
駆動力制御システム26には、駆動ECU130が備えられている。駆動力制御システム26は、車両10の駆動力制御を実行する。駆動ECU130は、不図示のアクセルペダルに対するユーザによる操作に基づいて、不図示のエンジン等を制御することによって、車両10の駆動力を制御する。
【0045】
制動力制御システム28には、制動ECU132が備えられている。制動力制御システム28は、車両10の制動力制御を実行する。制動ECU132は、不図示のブレーキペダルに対するユーザによる操作に基づいて、不図示のブレーキ機構等を制御することによって、車両10の制動力を制御する。
【0046】
<制御装置(制御ECU20)による自動駐車>
次に、制御ECU20による車両10の自動駐車について
図4から
図10を参照して説明する。
【0047】
[自動駐車時の表示画像]
図4は、車両10を自動駐車する際に、ナビゲーション装置18のタッチパネル42に表示される「自動駐車メニュー」の一例を示す図である。自動駐車メニューの画像は、タッチパネル42に表示される自動駐車ボタン60をタッチ操作することにより表示される。自動駐車ボタン60は、例えば、車両10を駐車させようとするユーザが駐車場の近くまで来たときに、自動駐車メニューを表示させるためにタッチ操作する。
【0048】
図4に示すように、自動駐車メニューの画像には、新規登録ボタン61と、登録済み目標位置画像ボタン62が表示される。新規登録ボタン61は、新たに目標位置として登録する駐車位置に車両10を駐車させる際に操作するボタンである。登録済み目標位置画像ボタン62は、既に登録されている登録済み目標位置に車両10を駐車させる際に操作するボタンである。登録済み目標位置画像ボタン62としては、例えば、No.1画像ボタン62aに示すように自宅の駐車場を目標位置として登録した登録済み目標位置画像ボタンや、No.2画像ボタン62bに示すように駐車頻度の高いコインパーキングを目標位置として登録した登録済み目標位置画像ボタンなどが挙げられる。登録済み目標位置画像ボタン62に表示されている画像は、登録した際の車両10の例えば前方カメラ12Frで撮像された画像である。
【0049】
[新たな目標位置の登録処理]
先ず、新規登録ボタン61がタッチ操作されたときの目標位置の登録処理について
図5から
図8を参照して説明する。
【0050】
図5は、新たな目標位置に車両10を駐車させるための自動駐車の処理を示すフローチャートである。
図6は、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rによって取得される車両10の外界の認識データにより生成された俯瞰画像71(合成画像)に目標位置76を設定した図である。
図7は、
図6に示す目標位置76に対する周辺の特徴点を示した図である。
図8は、記憶部54に登録される目標位置76のマップの一例を示す図である。自動運転制御部56は、新規登録ボタン61がタッチ操作されると、
図5に示す処理を開始する。
【0051】
自動運転制御部56は、車両10の目標位置を設定するためのユーザによる手動設定を受け付ける(ステップS11)。
【0052】
図6に示すように、俯瞰画像71には、ユーザの住居(建築物)73と、複数の植栽(障害物)74a~74fが撮像される。駐車場72は、建築物73と障害物74a~74fとの間に設けられている。ユーザの車両10が駐車場72の前に停車されている。なお、俯瞰画像71で表示される車両は、車両10を上方から見た様子を示す画像であり、予め生成(撮像)されて記憶部54等に記憶されている車両画像75である。目標位置の手動設定は、タッチパネル42上をタッチ操作することにより行うことができる。具体的には、俯瞰画像71上に表示される矩形状の破線枠76aをタッチ操作して、
図6に示すように駐車場72を囲むように移動させる。これにより、駐車場72を囲むように移動した破線枠76aが目標位置76として設定される。
【0053】
ステップS11において、目標位置76の手動設定を受け付けると、自動運転制御部56は、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rにより取得された外界の認識データから、指定された目標位置76に関する特徴点を検出する。自動運転制御部56は、検出した特徴点、及び前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rにより取得される外界の認識データに基づいて、車両10を目標位置76に自動駐車する(ステップS12)。
【0054】
図7に示す俯瞰画像71のように、自動運転制御部56は、指定された目標位置76に関する特徴点として、目標位置76に近い側の建築物73の輪郭の位置を示す建築物特徴点77a~77dや、目標位置76の周囲に存在する障害物74a~74fの位置を示す障害物特徴点78a~78f等を検出する。なお、
図7では、車両10が指定された目標位置76に駐車されている状態を示している。
【0055】
次に、自動運転制御部56は、ステップS11で手動設定された目標位置76とステップS12で検出された目標位置76に関する特徴点とで構成される特徴点マップを記憶部54に登録する(ステップS13)。
【0056】
目標位置76とその特徴点とで構成される特徴点マップは、
図8に示すような特徴点マップ91として登録される。特徴点マップ91は、
図7に示すように検出された建築物特徴点77a~77d及び障害物特徴点78a~78fと、手動設定された目標位置76との関連を示すマップとして登録される。
【0057】
これにより、ユーザが指定する目標位置76が目標位置76の周囲に存在する障害物等を示す特徴点と関連付けられて記憶部54に登録されるとともに、登録済み目標位置画像ボタン62の一つとして自動駐車メニュー(
図4参照)に表示される。
【0058】
[登録済み目標位置への自動駐車]
次に、登録済み目標位置への車両10の自動駐車について
図9及び
図10を参照して説明する。
図9は、登録済み目標位置に車両10を自動駐車させるための処理の一例を示すフローチャートである。
図10は、目標位置の登録時になかった物標が検出されたときの問い合わせ画面の一例を示す図である。制御ECU20は、例えば、GPS等により車両10の位置を認識し、車両10が目標位置の近傍に到達したと判断すると、
図9に示す処理を開始する。車両10を駐車させる目標位置は、
図4の自動駐車メニューのNo.1画像ボタン62aに示されている自宅の駐車場であるとして以下に説明する。
【0059】
先ず、外界認識部55は、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rによって撮像された車両10の外界の認識データを取得する(ステップS21)。
【0060】
次に、目標位置検出部57は、目標位置を検出できたか否か、すなわち、登録済み目標位置の自宅の駐車場を検出できたか否かを判定する(ステップS22)。目標位置の検出は、上述したように、現在検出されている目標位置に対する外界の認識データの特徴点と、登録済みの目標位置に対する外界の認識データの特徴点とを比較して検出する。
【0061】
ステップS22において、目標位置を検出できなかった場合(ステップS22:No)には、目標位置検出部57は、ステップS21に戻り、各処理を繰り返す。
【0062】
ステップS22において、目標位置を検出できた場合(ステップS22:Yes)には、自動運転制御部56は、目標位置に対する車両10の自己位置推定処理を行う(ステップS23)。自己位置推定処理は、上述したように、現在の外界の認識データ中に検出される特徴点と登録済み目標位置の特徴点とを照合して、現在検出されている目標位置に対する車両10の現在の相対的な位置を認識することにより行う。
【0063】
次に、自動運転制御部56は、ステップS23の自己位置推定処理において、自己位置を推定することができたか否かを判定する(ステップS24)。
【0064】
ステップS24において、自己位置の推定ができなかった場合(ステップS24:No)には、自動運転制御部56は、本自動駐車の処理を終了する。なお、自己位置の推定ができなかった場合、自動運転制御部56は、例えば、目標位置に対する自己位置の推定ができないことをユーザに通知した後、ユーザが希望する場合には、
図5で説明した新たな目標位置の登録処理を実行するようにしてもよい。
【0065】
ステップS24において、自己位置の推定ができた場合(ステップS24:Yes)には、自動運転制御部56は、登録済み目標位置の特徴点に含まれていない物標が、ステップS21で取得した現在の外界の認識データにおける目標位置の周辺に存在するか否かを判定する(ステップS25)。
【0066】
ステップS25において、登録済み目標位置の特徴点に含まれない物標が存在しない場合(ステップS25:No)には、自動運転制御部56は、現在検出されている目標位置に車両10を自動駐車する(ステップS26)。この自動駐車の処理は、上述した
図5におけるステップS12と同様の処理である。
【0067】
ステップS25において、登録済み目標位置の特徴点に含まれない物標が存在した場合(ステップS25:Yes)には、自動運転制御部56は、自動駐車の実行要否をユーザに問い合わせる(ステップS27)。
【0068】
例えば、
図10に示すように、登録済み目標位置である自宅の駐車場の周辺に、その目標位置の特徴点として登録されていない物標82を検出したとする。その場合、自動運転制御部56は、
図10に示すような問い合わせ画面80をタッチパネル42に表示する。問い合わせ画面80には、検出された物標82が撮像されている現在の目標位置(自宅駐車場)の映像81が表示されるとともに、通知メッセージ83「登録された目標位置を検出しました。」、及び問い合わせメッセージ84「登録時にはなかったものを検知しましたが自動駐車しますか?」が表示される。また、問い合わせ画面80には、車両10の自動駐車を実行させる「自動駐車する」ボタン85と、自動駐車を実行させない「自動駐車しない」ボタン86が表示される。なお、検出した登録されていない物標82が、例えば「猫」であることを認識して、「猫を検知しましたが自動駐車しますか?」等の問い合わせメッセージ84を表示してもよい。また、問い合わせ画面80は、HUDやスマートフォンに表示してもよい。メッセージは、スピーカ44やスマートフォンから音声出力するようにしてもよい。
【0069】
次に、自動運転制御部56は、ステップS27の問い合わせに対して、ユーザから実行要の回答(「自動駐車する」)ボタン85のタッチ操作)を受け付けたか否かを判定する(ステップS28)。
【0070】
ステップS28において、実行要の回答を受け付けた場合(ステップS28:Yes)には、自動運転制御部56は、ステップS26に進み、現在検出されている目標位置に車両10を自動駐車する。ステップS28において、実行要の回答を受け付けない場合(ステップS28:No)には、自動運転制御部56は、本自動駐車の処理を終了する。
【0071】
以上説明したように、制御装置の自動運転制御部56は、目標位置が検出された場合に、車両10の外界の認識データと目標位置の特徴点である目標位置情報との比較に基づいて、目標位置に対する車両10の自己位置推定ができるか否かを判定し、自己位置推定ができた場合に、目標位置情報に含まれていない物標82が目標位置の周辺に存在するか否かを判定し、物標82が存在すると判定した場合は、車両10のユーザに目標位置への自動駐車制御の実行要否を問い合わせる通知を行い、物標が存在しないと判定した場合は、自動駐車制御を実行する。
【0072】
この構成によれば、目標位置に対する車両10自己位置推定ができた場合であっても、目標位置情報に含まれていない物標が目標位置の周辺に存在する場合は、自動駐車制御の実行要否をユーザに問い合わせる。このため、自動駐車制御の安全性を維持することができる。また、目標位置情報に含まれていない物標が外界の認識データに存在する場合でも、問い合わせに対してユーザから自動駐車制御の実行指示を受け付けた場合は、自動駐車制御を実行することが可能である。このため、例えば、画像の類似性のみで自動駐車を実行する場合と異なり、特徴点が記憶されている登録済み目標位置においての自動運転制御が実行できない事態を抑制することができる。これにより、登録済み目標位置において自動運転制御を実行できる機会を増加でき、ユーザビリティを向上させることができる。また、目標位置情報に含まれていない物標が外界の認識データに存在しない場合は、ユーザへ問い合わせすることなくシームレスに自動運転制御を実行できるため、ユーザの負担を軽減できユーザビリティを向上させることができる。
【0073】
<登録済み目標位置への自動駐車の変形例>
次に、登録済み目標位置への車両10の自動駐車の変形例について
図11及び
図12を参照して説明する。
【0074】
[第1変形例]
図11は、登録済み目標位置に車両10を自動駐車させる処理の第1変形例を示すフローチャートである。第1変形例の場合も、
図9と同様にNo.1画像ボタン62aに示されている自宅の駐車場に車両10を駐車させるものとする。
【0075】
図11に示すように、第1変形例において、ステップS21からステップS24までの各処理は、
図9で説明した自動駐車の処理におけるステップS21からステップS24までの各処理と同様の処理である。このため、ステップS21からステップS24までの説明は省略する。
【0076】
ステップS24において、自己位置の推定ができた場合(ステップS24:Yes)には、自動運転制御部56は、今回の自動駐車におけるユーザの現在の視線を検出し、検出されたユーザの視線が過去の自動駐車におけるユーザの視線(視線の履歴情報)と一致しているか否かを判定する(ステップS25a)。
【0077】
例えば、車両10が停止され自動駐車が開始される前の段階において、ユーザがどこを見ているかを検出し、その見ている方向、位置が過去の自動駐車のときに見ていた方向、位置と一致しているか否か判定する。この場合、自動運転制御部56は、ユーザの視線の履歴情報の中から、車両10の今回の目標位置に対する現在の車両10の相対位置と同じ相対位置の履歴情報を抽出してユーザの視線が一致しているか否かを判定する。例えば、車両10が左後方の目標位置にバック駐車する場合には、その位置関係と同じ相対位置の履歴情報を記憶部54から抽出して視線の一致を判定する。
【0078】
ステップS25aにおいて、ユーザの視線が履歴情報と一致している場合(ステップS25a:Yes)には、自動運転制御部56は、登録済み目標位置である自宅の駐車場の周辺に、認識されている登録特徴点と異なる物標はないと判定し、現在検出されている目標位置に車両10を自動駐車する(ステップS26)。自動駐車の処理は、上述した
図5におけるステップS12と同様の処理である。
【0079】
ステップS25aにおいて、ユーザの視線が履歴情報と一致していない場合(ステップS25a:No)には、自動運転制御部56は、登録済み目標位置である自宅の駐車場の周辺に、認識されている登録特徴点と異なる物標が存在すると判定し、自動駐車の実行要否をユーザに問い合わせる(ステップS27)。
【0080】
なお、ステップS27における問い合わせの仕方(
図10参照)及びステップS28の処理は、
図9で説明したステップS27及びステップS28の各処理と同様の処理である。このため、ステップS27及びステップS28の説明は省略する。
【0081】
このように、自動駐車制御の第1変形例によれば、自動運転制御部56は、今回の自動駐車におけるユーザの現在の視線を検出した視線検出結果と、過去に自動駐車を行った際のユーザの視線の履歴情報と、の比較に基づいて物標が存在するか否かを判定する。このため、例えば、過去に同じ目標位置に自動駐車した際のユーザの視線の履歴の代表値(例えば視線履歴の平均値)に対して現在の視線が大きく外れている場合に「物標あり」と判定することが可能である。これにより、登録済み目標位置へ車両10を自動駐車する際のユーザの特性(癖など)に応じて、過去の自動駐車時には存在しなかった物標を精度よく検出することができる。
【0082】
また、自動運転制御部56は、視線の履歴情報の中から、目標位置と車両10の相対位置に対応する履歴情報を抽出し、その抽出した履歴情報と、現在のユーザの視線の検出結果と、の比較に基づいて物標が存在するか否かを判定する。このため、過去に同じ目標位置に自動駐車した際のユーザの視線の履歴を、目標位置と車両10の相対位置が現在の相対位置と近い履歴に絞り込んで物標の有無を判定することができる。これにより、さらに精度よく物標の有無を判定することが可能である。
【0083】
[第2変形例]
図12は、登録済み目標位置に車両10を自動駐車させる処理の第2変形例を示すフローチャートである。第2変形例の場合も、
図9と同様にNo.1画像ボタン62aに示されている自宅の駐車場に車両10を駐車させるものとする。
【0084】
図12に示すように、第2変形例において、ステップS21からステップS24までの各処理は、
図9で説明した自動駐車の処理におけるステップS21からステップS24までの各処理と同様の処理である。このため、ステップS21からステップS24までの説明は省略する。
【0085】
ステップS24において、自己位置の推定ができた場合(ステップS24:Yes)には、自動運転制御部56は、自動駐車の履歴情報が所定条件を満たすか否かを判定する(ステップS25b)。履歴情報が所定条件を満たすとは、目標位置に車両10を自動駐車させるユーザの利用回数又は利用頻度が少ないことをいう。
【0086】
ステップS25bにおいて、履歴情報が所定条件を満たさない場合(ステップS25b:No)には、自動運転制御部56は、登録済み目標位置の特徴点に含まれていない物標が、ステップS21で取得した現在の外界の認識データにおける目標位置の周辺に存在するか否かを判定する(ステップS25c)。なお、このステップS25cの処理に代えて、上述した第1変形例(
図11)のステップS25aの処理を実行するようにしてもよい。
【0087】
ステップS25bにおいて、履歴情報が所定条件を満たす場合(ステップS25b:Yes)には、自動運転制御部56は、自動駐車の実行要否をユーザに問い合わせる(ステップS27)。すなわち、自動運転制御部56は、目標位置に車両10を自動駐車させるユーザの利用回数又は利用頻度が少ない場合には、登録済み目標位置の特徴点に含まれない物標が存在するか否かにかかわらず、自動駐車の実行要否をユーザに問い合わせる。
【0088】
なお、ステップS25c以降の処理及びステップS27以降の処理は、
図9で説明したステップS25以降の処理及びステップS27以降の処理と同様の処理である。このため、ステップS25c以降の処理及びステップS27以降の処理の説明は省略する。
【0089】
このように、自動駐車制御の第2変形例によれば、自動運転制御部56は、目標位置に対する車両10の自己位置推定ができた場合であっても、目標位置に対する自動駐車制御の履歴情報が所定条件を満たす場合には、登録済み目標位置の特徴点に含まれていない物標が存在しなくても、車両10のユーザに自動駐車制御の実行要否を問い合わせる通知を行う。これにより、自動駐車制御を初めて利用するユーザや利用回数が少ないユーザに対しては、シームレスに自動駐車制御を実行するのではなく、実行要否を問い合わせる通知を行った後、ユーザの回答に基づいて自動駐車制御を実行することができる。このため、シームレスに自動駐車制御が実行されて、ユーザに不安を与えてしまう事態を防止することができる。
【0090】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
【0091】
例えば、上記実施形態では、自動運転制御部56の自動操舵によって車両10を自動駐車する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、運転者の操作によって車両10を駐車させる際の補助を行う補助駐車支援に本発明を適用するようにしてもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rの俯瞰画像(合成画像)を用いて車両10の駐車位置や駐車位置及び周辺の特徴点を説明しているが、これに限定されない。例えば、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、右側方カメラ12Rのうちのいずれかのカメラで撮像された画像を用いて説明してもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、自動運転制御部56が俯瞰画像71等を車両10のタッチパネル42に表示する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、自動運転制御部56は、通信部24を介して、車両10の搭乗者が所持する情報端末(例えばスマートフォン等)の表示画面上に俯瞰画像71等を表示するようにしてもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、目標位置に関する特徴点を含むマップなどの情報を車両10の記憶部54に登録する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、車両10と通信可能に接続されるスマートフォンやサーバ等の他装置の記憶部にこれらの情報を登録するようにしてもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、移動体を車両(四輪の自動車)とした例を説明したが、これに限らない。例えば、二輪車、セグウェイ等の車両であってもよい。さらに、本発明の思想は、車両に限らず、駆動源を備えて駆動源の動力により移動可能なロボット、船舶、航空機などにも適用することができる。
【0096】
なお、前述した実施形態で説明した制御方法は、予め用意された制御プログラムをコンピュータで実行することにより実現できる。本制御プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録され、記憶媒体から読み出されることによって実行される。また、本制御プログラムは、フラッシュメモリ等の非一過性の記憶媒体に記憶された形で提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介して提供されてもよい。本制御プログラムを実行するコンピュータは、制御装置に含まれるものであってもよいし、制御装置と通信可能なスマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等の電子機器に含まれるものでもあってもよいし、これら制御装置及び電子機器と通信可能なサーバ装置に含まれるものであってもよい。
【0097】
また、本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
【0098】
(1) 移動体(車両10)の外界の認識データを取得する外界認識部(外界認識部55)と、
目標位置に前記移動体を移動させるための自動運転制御を行う自動運転制御部(自動運転制御部56)と、
前記目標位置に関わる目標位置情報を記憶する記憶部(記憶部54)と、
前記認識データに基づいて前記目標位置の検出を行う目標位置検出部(目標位置検出部57)と、を備え、
前記自動運転制御部は、
前記目標位置が検出された場合に、
前記認識データと前記目標位置情報との比較に基づいて、前記目標位置に対する前記移動体の自己位置推定ができるか否かを判定する第1判定処理を実行し、
前記第1判定処理において前記自己位置推定ができた場合に、前記目標位置情報に含まれていない物標(物標82)が前記目標位置の周辺に存在するか否かを判定する第2判定処理を実行し、
前記第2判定処理において前記物標が存在すると判定した場合は、前記移動体のユーザに前記目標位置への前記自動運転制御の実行要否を問い合わせる通知を行い、
前記第2判定処理において前記物標が存在しないと判定した場合は、前記自動運転制御を実行する、
制御装置。
【0099】
(1)によれば、移動体の自己位置推定ができた場合であっても、目標位置情報に含まれていない物標が目標位置の周辺に存在する場合は、自動運転制御の実行要否をユーザに問い合わせるので、自動運転制御の安全性を向上させることができる。また、目標位置情報に含まれていない物標が外界の認識データに存在する場合でも、上記の問い合わせに対してユーザから自動運転制御の実行指示を受け付けた場合は、自動運転制御を実行することが可能であるため、画像の類似性のみで自動駐車を実行する従来技術と異なり、目標位置情報が記憶済みの場所において自動運転制御が実行できない事態を抑制することができる。このため、自動運転制御を実行できる機会を増加でき、ユーザビリティを向上させることができる。また、目標位置情報に含まれていない物標が外界の認識データに存在しない場合は、シームレス(ユーザへの問い合わせ無し)に自動運転制御を実行できるため、ユーザの負担を軽減することが可能となる。
【0100】
(2) (1)に記載の制御装置であって、
前記目標位置情報は、前記目標位置の特徴点である、
制御装置。
【0101】
(2)によれば、目標位置情報に含まれていない物標を検出するには目標位置の特徴点を比較することが好ましい。
【0102】
(3) (1)又は(2)に記載の制御装置であって、
前記自動運転制御部は、前記第2判定処理において前記物標が存在すると判定した場合に、前記自動運転制御の実行要否を問い合わせる通知を行った後、前記移動体のユーザからの回答に応じて前記自動運転制御を実行する、
制御装置。
【0103】
(3)によれば、ユーザからの回答に応じて自動運転制御を実行することで、目標位置情報が記憶済みの場所における自動運転制御が実行できない事態を抑制することができ、ユーザビリティを向上させることができる。
【0104】
(4) (1)から(3)のいずれかに記載の制御装置であって、
前記自動運転制御部は、前記第1判定処理において前記自己位置推定ができなかった場合に、前記自動運転制御を実行しない、
制御装置。
【0105】
(4)によれば、自動運転制御の高い安全性を維持できる。
【0106】
(5) (4)に記載の制御装置であって、
前記自動運転制御部は、前記第1判定処理において前記自己位置推定ができなかった場合に、前記自動運転制御の目標位置の選択を前記移動体のユーザから受け付ける、
制御装置。
【0107】
(5)によれば、駐車位置の指定を受け付け、新規の目標位置として登録できるのでユーザビリティを向上できる。
【0108】
(6) (1)から(5)のいずれかに記載の制御装置であって、
前記自動運転制御部は、前記第2判定処理において、前記ユーザの視線検出結果と、前記ユーザの視線の履歴情報と、の比較に基づいて前記物標が存在するか否かを判定する、
制御装置。
【0109】
(6)によれば、例えば、過去に同じ目標位置に自動駐車した際のユーザの視線の履歴の代表値(例えば平均値)に対して現在の視線が大きく外れている場合に「物標あり」と判定できるので、ユーザの特性(癖など)に応じて精度よく物標の有無を判定できる。
【0110】
(7) (6)に記載の制御装置であって、
前記自動運転制御部は、前記第2判定処理において、前記視線の履歴情報の中から、前記目標位置と前記移動体の相対位置に対応する履歴情報を抽出し、前記視線検出結果と、抽出した前記履歴情報と、の比較に基づいて前記物標が存在するか否かを判定する、
制御装置。
【0111】
(7)によれば、過去に同じ目標位置に自動駐車した際のユーザの視線の履歴を、目標位置と移動体の相対位置が現在の相対位置と近い履歴に絞り込むことができ、さらに精度よく物標の有無を判定できる。
【0112】
(8) (1)から(7)のいずれかに記載の制御装置であって、
前記自動運転制御部は、前記第1判定処理において前記自己位置推定ができた場合であって、前記目標位置に対する前記自動運転制御の履歴情報が所定条件を満たす場合は、前記物標が存在しなくても、前記移動体のユーザに前記自動運転制御の実行要否を問い合わせる通知を行う、
制御装置。
【0113】
(8)によれば、自動運転制御を初めて利用するユーザや利用回数が少ないユーザに対しては、シームレスに自動運転制御を実行するのではなく、実行要否を問い合わせる通知を行った後、ユーザの回答に基づいて自動運転制御を実行するため、シームレスに自動運転制御が実行され、ユーザに不安を与えてしまう事態を防止でき、ユーザビリティが向上する。
【0114】
(9) (1)から(8)のいずれかに記載の制御装置であって、
前記目標位置は、前記移動体の駐車位置であり、
前記自動運転制御は、前記駐車位置への自動駐車制御である、
制御装置。
【0115】
(9)によれば、移動体の駐車位置への自動駐車制御に適用することにより、ユーザビリティを向上させることができる。
【0116】
(10) 移動体の外界の認識データを取得し、目標位置に前記移動体を移動させるための自動運転制御を行い、前記目標位置に関わる目標位置情報を記憶し、前記認識データに基づいて前記目標位置の検出を行う制御装置による制御方法であって、
前記制御装置のプロセッサが、
前記目標位置が検出された場合に、
前記認識データと前記目標位置情報との比較に基づいて、前記目標位置に対する前記移動体の自己位置推定ができるか否かを判定する第1判定処理を実行し、
前記第1判定処理において前記自己位置推定ができた場合に、前記目標位置情報に含まれていない物標が前記目標位置の周辺に存在するか否かを判定する第2判定処理を実行し、
前記第2判定処理において前記物標が存在すると判定した場合は、前記移動体のユーザに前記目標位置への前記自動運転制御の実行要否を問い合わせる通知を行い、
前記第2判定処理において前記物標が存在しないと判定した場合は、前記自動運転制御を実行する、
制御方法。
【0117】
(10)によれば、移動体の自己位置推定ができた場合であっても、目標位置情報に含まれていない物標が目標位置の周辺に存在する場合は、自動運転制御の実行要否をユーザに問い合わせるので、自動運転制御の安全性を向上させることができる。また、目標位置情報に含まれていない物標が外界の認識データに存在する場合でも、上記の問い合わせに対してユーザから自動運転制御の実行指示を受け付けた場合は、自動運転制御を実行することが可能であるため、目標位置情報が記憶済みの場所において自動運転制御が実行できない事態を抑制することができる。このため、自動運転制御を実行できる機会を増加でき、ユーザビリティを向上させることができる。また、目標位置情報に含まれていない物標が外界の認識データに存在しない場合は、シームレスに自動運転制御を実行できるため、ユーザの負担を軽減することが可能となる。
【0118】
(11) 移動体の外界の認識データを取得し、目標位置に前記移動体を移動させるための自動運転制御を行い、前記目標位置に関わる目標位置情報を記憶し、前記認識データに基づいて前記目標位置の検出を行う制御装置の制御プログラムであって、
前記制御装置のプロセッサに、
前記目標位置が検出された場合に、
前記認識データと前記目標位置情報との比較に基づいて、前記目標位置に対する前記移動体の自己位置推定ができるか否かを判定する第1判定処理を実行し、
前記第1判定処理において前記自己位置推定ができた場合に、前記目標位置情報に含まれていない物標が前記目標位置の周辺に存在するか否かを判定する第2判定処理を実行し、
前記第2判定処理において前記物標が存在すると判定した場合は、前記移動体のユーザに前記目標位置への前記自動運転制御の実行要否を問い合わせる通知を行い、
前記第2判定処理において前記物標が存在しないと判定した場合は、前記自動運転制御を実行する、
処理を実行させるための制御プログラム。
【0119】
(11)によれば、移動体の自己位置推定ができた場合であっても、目標位置情報に含まれていない物標が目標位置の周辺に存在する場合は、自動運転制御の実行要否をユーザに問い合わせるので、自動運転制御の安全性を向上させることができる。また、目標位置情報に含まれていない物標が外界の認識データに存在する場合でも、上記の問い合わせに対してユーザから自動運転制御の実行指示を受け付けた場合は、自動運転制御を実行することが可能であるため、目標位置情報が記憶済みの場所において自動運転制御が実行できない事態を抑制することができる。このため、自動運転制御を実行できる機会を増加でき、ユーザビリティを向上させることができる。また、目標位置情報に含まれていない物標が外界の認識データに存在しない場合は、シームレスに自動運転制御を実行できるため、ユーザの負担を軽減することが可能となる。
【符号の説明】
【0120】
10 車両(移動体)
20 制御ECU(制御装置)
54 記憶部
55 外界認識部
56 自動運転制御部
57 目標位置検出部