IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱重工メカトロシステムズ株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063345
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20240502BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20240502BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20240502BHJP
   B05C 13/02 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
B41J2/01 109
B41J2/01 305
B41J2/01 303
B41J2/01 401
B05C11/10
B05C5/00 101
B05C13/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171214
(22)【出願日】2022-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】上田 敦士
(72)【発明者】
【氏名】山西 美実
【テーマコード(参考)】
2C056
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
2C056EA01
2C056EA04
2C056EC11
2C056EC12
2C056EC13
2C056FB07
2C056FB09
2C056HA29
2C056HA38
2C056HA44
2C056HA60
4F041AA03
4F041AB01
4F041BA01
4F041BA10
4F041BA13
4F041BA22
4F041BA38
4F042AA11
4F042AB00
4F042BA05
4F042BA08
4F042BA10
4F042DB42
4F042DF28
4F042DF32
4F042DF33
(57)【要約】
【課題】丸型容器と角型容器の何れに対しても品質が確保された装飾を施すことのできる印刷装置を提供すること。
【解決手段】印刷装置は円弧状の搬送経路に沿って移動し、それぞれが自転中心軸の周りに回転可能とされる複数の自転テーブルと、自転テーブルに載せられる容器に向けて塗料を吐出する、搬送経路の周囲に設けられる印刷ヘッドと、を備える。印刷装置は、定速度で回転する自転テーブルに丸型容器を載せて印刷する第1モードと、第1モードとは異なる動作をする自転テーブルに角型容器を載せて印刷する第2モードと、を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円弧状の搬送経路に沿って移動し、それぞれが自転中心軸の周りに回転可能とされる複数の自転テーブルと、
前記自転テーブルに載せられる容器に向けて塗料を吐出する、前記搬送経路の周囲に設けられる印刷ヘッドと、を備え、
定速度で回転する前記自転テーブルに前記容器を載せて印刷する第1モードと、
前記第1モードとは異なる動作をする前記自転テーブルに前記容器を載せて印刷する第2モードと、を実行する、印刷装置。
【請求項2】
前記第2モードにおいて、
前記自転テーブルが前記搬送経路を定速で移動し、
回転が停止される前記自転テーブルが前記塗料を吐出する前記印刷ヘッドの前を通過する過程で前記容器が印刷される、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記第2モードにおいて、
前記自転テーブルが前記搬送経路を定速で移動し、
前記印刷ヘッドから前記容器の印刷対象面までの距離を一定に維持するための動作が行われる、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記第2モードにおける前記距離を一定に維持するための動作は、
前記自転テーブルが前記印刷ヘッドを通過する過程で、前記自転テーブルが前記自転中心軸の周りに所定の回転角の範囲で回転するかまたは揺動運動する、
請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記搬送経路の上流側に設けられる第1印刷ヘッドと、
前記第1印刷ヘッドよりも前記搬送経路の下流側に設けられる第2印刷ヘッドと、を備え、
前記自転テーブルが前記第1印刷ヘッドを通過する過程で、前記自転テーブルが所定の回転角の範囲で回転するかまたは揺動運動して、前記容器の第1印刷面を印刷し、
次いで、前記第1印刷面とは異なる前記容器の第2印刷面が前記第2印刷ヘッドに対向するように前記自転テーブルを所定角度だけ回転させ、
次いで、前記自転テーブルが前記第2印刷ヘッドを通過する過程で、前記自転テーブルが所定の回転角の範囲で回転するかまたは揺動運動して、前記容器の前記第2印刷面を印刷する、
請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記距離を一定に維持するための動作は、
前記自転テーブルが回転を停止した状態で、
前記自転テーブルおよび前記印刷ヘッドの一方が他方に対して前進または後退する、
請求項3に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記搬送経路の上流側に設けられる第1印刷ヘッドと、
前記第1印刷ヘッドよりも前記搬送経路の下流側に設けられる第2印刷ヘッドと、を備え、
前記自転テーブルが前記第1印刷ヘッドを通過する過程で、前記自転テーブルおよび前記印刷ヘッドの一方が他方に対して前進または後退して、前記容器の第1印刷面を印刷し、
次いで、前記第1印刷面とは異なる前記容器の第2印刷面が前記第2印刷ヘッドに対向するように前記自転テーブルを所定角度だけ回転させ、
次いで、前記自転テーブルが前記第2印刷ヘッドを通過する過程で、前記自転テーブルおよび前記印刷ヘッドの一方が他方に対して前進または後退して、前記容器の第2印刷面を印刷する、
請求項6に記載の印刷装置。
【請求項8】
同じ色を吐出する複数の前記印刷ヘッドを備え、
前記第2モードにおいて、複数の前記容器に対して複数の前記印刷ヘッドにおいて同時に印刷する、
請求項3に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記第2モードにおいて、
回転が停止される前記自転テーブルが前記塗料を吐出する前記印刷ヘッドの前を通過する過程で前記容器の第1印刷面が印刷され、
次いで、前記第1印刷面とは異なる前記容器の第2印刷面が前記印刷ヘッドに正対するように前記自転テーブルを所定角度だけ回転させつつ、前記自転テーブルを前記印刷ヘッドの手前まで戻し、
次いで、回転が停止される前記自転テーブルが前記塗料を吐出する前記印刷ヘッドの前を通過する過程で前記容器の前記第2印刷面が印刷される、
請求項2に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記第2モードにおいて、
前記自転テーブルは、前記搬送経路に沿った移動および移動の停止を交互に行い、
前記自転テーブルの前記搬送経路に沿った移動が停止された状態において、前記印刷ヘッドから前記容器までの距離を一定にするための動作を行いつつ、前記自転テーブルを回転させながら前記印刷ヘッドから前記塗料を吐出して印刷する、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記第1モードにおいて、軸対象な前記容器を印刷し、
前記第2モードにおいて、非軸対象な前記容器を印刷する、
請求項1に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、印刷対象物としての例えば飲料用の容器に文字、模様などの装飾を印刷する印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂材料製の容器に充填された飲料製品において、環境保護の観点から、樹脂材料製のフィルムからなるラベルをなくすラベルレス化が推奨されている。ラベルレス化を実現するために、例えば特許文献1に開示されるように、容器の表面に印刷を施すことによるラベルの代替としての文字、模様などの装飾を施す印刷装置が検討されている。
【0003】
特許文献1に開示される印刷装置は、所定の向きに回転する平面視して円形のロータ(3)と、ロータ(3)の周縁に周方向に間隔を設けて配置され、それぞれが所定の向きに回転する複数の容器プレート(9)と、を備える。特許文献1の印刷装置は、ロータ(3)の外周縁よりも径方向の外側に例えばインクジェット方式のプリントヘッドを備える。特許文献1の印刷装置は、容器が載せられる容器プレート(9)を回転させながら容器の外周面にプリントヘッドからインクを塗布することで、容器に装飾を施す。
【0004】
特許文献1を含め、これまでに提案されている印刷装置は、平面視した外周の形状が円形の容器を対象としている。この円形の容器は中心軸線から容器の外周までの距離が周方向において一定となる軸対象な形状としているから、容器プレート(9)の上で回転させたとしても、定位置に置かれるプリントヘッドから印刷される外周面までの距離は一定とみなし得る。したがって、円形の容器については、容器プレート(9)により一回転させれば、その外周面に要求される装飾を施すことができる。
【0005】
ところが、外周が矩形をなす角型容器の場合、容器の中心軸線から容器の外周までの距離が周方向において変動する非軸対象の形状となっている。つまり、角型容器は、中心軸線からそれぞれの角部までの寸法が最も大きく、中心軸線から隣接する角部と角部の中間位置までの寸法が最も小さい。したがって、定位置に置かれるプリントヘッドから角型容器の外周面までの距離は、角型容器が一回転する間に変化する。そうすると、印刷にずれが生じるなどして、要求される装飾を施すことが難しい。しかし、角型容器を対象とする専用の印刷装置を丸型容器を対象とする印刷装置の他に用意することは、容器の印刷コストを押し上げるとともに、それぞれの印刷装置を設置する工場内のスペースを広くしてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2012-520801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上より、本開示は、丸型容器のような軸対象な容器と角型容器のような非軸対象な容器の何れに対しても品質が確保された装飾を施すことのできる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る印刷装置は円弧状の搬送経路に沿って移動し、それぞれが自転中心軸の周りに回転可能とされる複数の自転テーブルと、自転テーブルに載せられる容器に向けて塗料を吐出する、搬送経路の周囲に設けられる印刷ヘッドと、を備える。
本開示の印刷装置は、定速度で回転する自転テーブルに容器を載せて印刷する第1モードと、第1モードとは異なる動作をする自転テーブルに容器を載せて印刷する第2モードと、を実行する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、第1モードと第2モードとで、自転テーブルが異なる動作をすることにより、同じ印刷装置でありながら、丸型容器のような軸対象な容器と角型容器のような非軸対象な容器のそれぞれに対して品質が確保された装飾を印刷できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る印刷装置を示す平面図である。
図2】実施形態に係る印刷装置を示す正面図である。
図3】実施形態に係る印刷装置により丸型容器を印刷するときの第1モードに係る印刷動作を示す平面図である。
図4】実施形態に係る印刷装置により丸型容器を印刷するときの第1モードに係る印刷動作を示すタイミングチャートである。
図5】実施形態に係る印刷装置により丸型容器を印刷するときの第2-1-1モードにかかる印刷動作を示す平面図である。
図6】実施形態に係る印刷装置により丸型容器を印刷するときの第2-1-1モードにかかる印刷動作を示すタイミングチャートである。
図7】実施形態に係る印刷装置により角型容器を印刷するときの第2-1-2aモードにかかる印刷動作を示す平面図である。
図8】実施形態に係る印刷装置により角型容器を印刷するときの第2-1-2aモードにかかる印刷動作を示すタイミングチャートである。
図9】実施形態に係る印刷装置により角型容器を印刷するときの第2-1-2bモードにかかる印刷動作を示す平面図である。
図10】実施形態に係る印刷装置により角型容器を印刷するときの第2-1-2bモードにかかる印刷動作を示すタイミングチャートである。
図11】実施形態に係る印刷装置により角型容器を印刷するときの第2-1-2cモードにかかる印刷動作を示す平面図である。
図12】実施形態に係る印刷装置により角型容器を印刷するときの第2-1-2cモードにかかる印刷動作を示すタイミングチャートである。
図13】実施形態に係る印刷装置により角型容器を印刷するときの第2-2-1モードにかかる印刷動作を示す平面図である。
図14】実施形態に係る印刷装置により角型容器を印刷するときの第2-2-1モードにかかる印刷動作を示すタイミングチャートである。
図15】実施形態に係る印刷装置により角型容器を印刷するときの第2-2-2モードにかかる印刷動作を示す平面図である。
図16】実施形態に係る印刷装置により角型容器を印刷するときの第2-2-2モードにかかる印刷動作を示すタイミングチャートである。
図17】実施形態に係る印刷装置により角型容器を印刷するときの第2-2-3モードにかかる印刷動作を示す平面図である。
図18】実施形態に係る印刷装置により角型容器を印刷するときの第2-2-3モードにかかる印刷動作を示すタイミングチャートである。
図19】角型容器を第2-3モードにより印刷する印刷装置を示す平面図である。
図20】実施形態に係る印刷装置により角型容器を印刷するときの第2-2-4aモードにかかる印刷動作を示す平面図である。
図21】実施形態に係る印刷装置により角型容器を印刷するときの第2-2-4aモードにかかる印刷動作を示すタイミングチャートである。
図22】実施形態に係る印刷装置により角型容器を印刷するときの第2-2-4bモードにかかる印刷動作を示す平面図である。
図23】実施形態に係る印刷装置により角型容器を印刷するときの第2-2-4bモードにかかる印刷動作を示すタイミングチャートである。
図24】実施形態に係る印刷装置により角型容器を印刷するときの第2-3モードにかかる印刷動作を示す平面図である。
図25】実施形態に係る印刷装置により角型容器を印刷するときの第2-3モードにかかる印刷動作を示すタイミングチャートである。
図26】実施形態に係る印刷装置により角型容器を印刷するときの第2-4-1モードにかかる印刷動作を示す平面図である。
図27】実施形態に係る印刷装置により角型容器を印刷するときの第2-4-1モードにかかる印刷動作を示すタイミングチャートである。
図28】実施形態に係る印刷装置により角型容器を印刷するときの第2-4-2モードにかかる印刷動作を示す平面図である。
図29】実施形態に係る印刷装置により角型容器を印刷するときの第2-4-2モードにかかる印刷動作を示すタイミングチャートである。
図30】第2-1-2aモードおよび第2-1-2cモードにおける印刷ヘッドから角型容器の印刷面までの距離を一定にできる条件を説明するのに用いる図である。
図31】第2-1-2bモードおよび第2-4-1モードにおける印刷ヘッドから角型容器の印刷面までの距離を一定にできる条件を説明するのに用いる図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、実施形態について説明する。
以下説明する実施形態は、その動作を制御することにより、平面視した外周が円形の丸型容器BCに装飾を施すことができるのに加えて、平面視した外周が矩形の角型容器BRに装飾を施すことができる印刷装置1,2を提供する。つまり、印刷装置1,2は、丸型容器BCを印刷する第1モードと角型容器BRを印刷する第2モードの二つの動作モードを備える。なお、丸型容器BCは本開示における軸対象容器の一例であり、角型容器BRは非軸対象容器の一例である。
この中で、印刷装置1は、一本の単位で丸型容器BCを搬送しながら印刷することができるし、または、一本の単位で角型容器BRを搬送しながら印刷できる。また、印刷装置2は、複数本の単位で丸型容器BCを搬送しながら印刷できるし、または、複数本の単位で角型容器BRを搬送しながら印刷できる。なお、丸型容器BCと角型容器BRを区別する必要がないときには、両者を容器PBと総称する。
【0012】
[印刷装置1の構成:図1図2
印刷装置1は、図1および図2に示すように、容器PBの搬送を担う搬送部10と、搬送部10により搬送される容器PBに装飾を印刷する印刷部20と、を備える。また、印刷装置1は搬送部10と印刷部20の動作を制御するコントローラ50を備える。コントローラ50は、一例として、演算処理手段としてのCPU(Central Processing Unit)と半導体メモリ、SSD(Solid State Drive)およびHDD(Hard Disk Drive)などの記憶手段とを備えるコンピュータ装置から構成される。なお、図1および図2には、例示として、丸型の容器PBが示されている。
【0013】
[搬送部10の説明:図1図2
搬送部10は、印刷対象物である容器PBを円弧状の搬送経路12に沿って搬送する公転テーブル11と、公転テーブル11における円弧状の搬送経路12上に設けられ、それぞれが容器PBを回転させる複数の自転テーブル13と、を備える。自転テーブル13は、公転テーブル11の外周縁の近傍に円周方向に一例として均等間隔で設けられる。これら自転テーブル13が円周方向に並び、公転テーブル11が回転することにより、円弧状の搬送経路12が構成される。また、自転テーブル13は、容器PBを載せた状態で、自転駆動源17により回転駆動される。印刷装置1においては一例として24台の自転テーブル13が設けられているが、この台数はあくまで一例である。自転および公転の表現は、容器PBを基準にする表現である。つまり、容器PBが自転中心軸C2の周りに回転することが自転であり、容器PBが円弧状の搬送経路12に沿って回転することが公転である。
【0014】
公転テーブル11は、公転中心軸C1を中心にして正転または逆転する。この正転または逆転は、公転テーブル11が一回転またはそれを越えて行われることもある。公転テーブル11における正転または逆転は、所定の期間に亘って連続的に行われることもあれば、断続的に行われることもある。断続的な正転または断続的な逆転は、一時的な公転テーブル11の停止を含む。
自転テーブル13は、容器PBを載せた状態で、自転中心軸C2を中心にして正転または逆転する。この正転または逆転は、自転テーブル13が一回転またはそれを越えて行われることもあるし、一回転未満のこともある。自転テーブル13における正転または逆転は、所定の期間に亘って連続的に行われることもあれば、断続的に行われることもある。断続的な正転または断続的な逆転は、一時的な自転テーブル13の停止含む。自転テーブル13において、正転した後に逆転する揺動運動をすることもある。また、図示は省略されるが、それぞれの自転テーブル13が印刷ヘッド21に対して前進または後退する進退移動ができるような機構を備えることができる。
【0015】
本開示において、以上のように公転テーブル11により容器PBが回転することを公転と称し、以上のように自転テーブル13により容器PBが回転することを容器PBの自転と称する。本開示において、正転および逆転は、特定の向きの回転を特定するものではなく互いが逆向きであることを意味するが、本実施形態において、便宜上、図中の時計回りを正転とし、反時計回りを逆転とする。
【0016】
搬送部10は、公転テーブル11を回転させる公転駆動源15と、自転テーブル13を回転させる自転駆動源17と、を備える。公転駆動源15および自転駆動源17は、例えば回転電機から構成され、印刷装置1のコントローラ50により、上述した種々の回転動作が行われるように制御される。
【0017】
搬送部10は、装飾が施される容器PBを公転テーブル11および自転テーブル13に搬入する搬入機16と、装飾が施された容器PBを公転テーブル11および自転テーブル13から搬出する搬出機18とを備えている。搬入機16と搬出機18は、一例として、回転体であるスターホィールから構成される。
【0018】
[印刷部20の構成:図1図2
印刷部20は、図1および図2に示すように、公転テーブル11の径方向の外側に、公転テーブル11の周方向に沿って所定間隔、ここでは均等間隔を空けて設けられる複数の印刷ヘッド21と、それぞれの印刷ヘッド21に対応して設けられる紫外線照射ランプ23と、を備える。印刷部20は、印刷ヘッド21と紫外線照射ランプ23とが交互に設けられる。
【0019】
印刷ヘッド21は、一例として、紫外線が照射されると硬化するUV硬化インク(以下、単に塗料)を容器PBに向けて吐出して容器PBに文字、図形などの装飾を印刷する。印刷装置1において、印刷ヘッド21は、一例としてブラック、シアン、マゼンタ、イエローおよびグレーの5色のそれぞれに対応する印刷ヘッド21A,21B,21C,21D,21Eを備えることで、カラー印刷による装飾を施すことができる。容器PBは、印刷ヘッド21Aから印刷が始まり、次いで、印刷ヘッド21B、印刷ヘッド21C、印刷ヘッド21Dおよび印刷ヘッド21Eの順で印刷される。つまり、印刷ヘッド21Aが搬送経路12の最も上流側に配置され、印刷ヘッド21Eが搬送経路12の最も下流側に配置される。また、図示は省略されるが、それぞれの印刷ヘッド21が自転テーブル13に対して前進または後退する進退移動ができるような機構を備えることができる。
【0020】
紫外線照射ランプ23は、印刷ヘッド21A,21B,21C,21D,21Eのそれぞれに対応して設けられる紫外線照射器23A,23B,23C,23D,23Eを備えている。つまり、印刷ヘッド21Aで印刷された塗料からなる装飾に対して紫外線照射器23Aから紫外線を照射することで、装飾を硬化させる。次の印刷ヘッド21Bで印刷された塗料からなる装飾に対して紫外線照射器23Bから紫外線を照射することで、装飾を硬化させる。
【0021】
以上のように、印刷装置1は、公転テーブル11と自転テーブル13が正転または逆転することに加えて、任意の回転動作、自転テーブル13の進退移動および印刷ヘッド21の進退動作を行えることができる。印刷装置1は、これらの回転動作および進退移動を選択することにより、丸型容器BCおよび角型容器BRの両方に対して、品質が確保された印刷を施すことができる。
【0022】
[コントローラ50:図1図2
コントローラ50は、搬送部10および印刷部20の動作を制御する。特に、コントローラ50は、印刷装置1において行われる丸型容器BCおよび角型容器BRを印刷する動作を制御する。この印刷動作は、印刷装置1が丸型容器BCを印刷する第1モードと、角型容器BRを印刷する第2モードと、を含んでいる。コントローラ50は、第1モードおよび第2モードのそれぞれに対応する第1制御プログラムをおよび第2制御プログラムを備えている。丸型容器BCを印刷する際には、コントローラ50は第1モードに対応する第1制御プログラムが選択され、コントローラ50は第1モードに対応する動作をするように搬送部10および印刷部20を制御する。角型容器BRを印刷する際には、コントローラ50おいて第2モードに対応する第2制御プログラムが選択され、コントローラ50は第2モードに対応する動作をするように搬送部10および印刷部20を制御する。
【0023】
第1モードおよび第2モードの具体的な内容は、次の印刷動作において説明するが、第1モードは一種類のみであるのに対して、第2モードは後述するように複数種類ある。つまり、第2モードという表記は複数種類の印刷動作の総称であり、複数種類のそれぞれについて、第2-1モード、第2-2モードなどと表記して区別する。
【0024】
[印刷装置1による第1モードの動作:図3図4
はじめに、丸型容器BCに装飾を施す第1モードについて、図3および図4を参照して説明する。第1モードは、丸型容器BCの外表面の周方向の全域に装飾を施すことを前提とする。
【0025】
[STEP1:図3
第1モードにおいて、図3(STEP1)に示すように、印刷ヘッド21Aの前に丸型容器BC1が搬送されたところから印刷が開始される。なお、この説明において、最初に搬送されることから丸型容器BC1と表記される。以後、搬送される順番の数値が丸型容器BCに添えられる。後述する角型容器BRも同様である。
【0026】
丸型容器BC1が印刷ヘッド21Aの前に搬送されると、公転テーブル11の動作、つまり回転(正転)が停止される。公転テーブル11の回転が停止すると、丸型容器BC1への印刷が始まる。丸型容器BC1への印刷は、丸型容器BC1を載せた自転テーブル13が自転駆動源17により回転されるとともに、印刷ヘッド21Aから塗料を容器PBの外表面に向けて吐出することにより行われる。
【0027】
[STEP2~STEP3:図3
所定の回転停止時間を経た後に、公転テーブル11は所定の角度だけ回転(正転)する。そうすると、丸型容器BC1が紫外線照射器23Aの前まで搬送されるのに加えて、次の丸型容器BC2が印刷ヘッド21Aの前まで搬送され、公転テーブル11の回転が停止される(図3 STEP2)。
公転テーブル11の回転が停止すると、丸型容器BC1への紫外線照射器23Aによる紫外線の照射および丸型容器BC2への印刷ヘッド21Aによる印刷が行われる。この間、丸型容器BC1を載せた自転テーブル13および丸型容器BC2を載せた自転テーブル13は回転(正転)する。丸型容器BC1および丸型容器BC2の回転、紫外線照射器23Aによる紫外線の照射、ならびに、印刷ヘッド21Aからの塗料の吐出は、公転テーブル11の回転が停止している間に行われる。
その後、以上と同様の動作が行われることにより、丸型容器BC1が印刷ヘッド21B、丸型容器BC2が紫外線照射器23Aの前まで搬送されるのに加えて、次の丸型容器BC3が印刷ヘッド21Aの前まで搬送され、塗料の吐出、紫外線の照射が行われる(図3 STEP3)。
【0028】
丸型容器BC1,BC2…の搬送、印刷ヘッド21A~21Eによる印刷、紫外線照射器23A~23Eによる紫外線照射を繰り返すことにより、丸型容器BC1,BC2…の外周面に所望する文字、図形、模様などを含む装飾が印刷される。
【0029】
以上の動作が行われる過程の公転テーブル11、自転テーブル13および印刷ヘッド21の動作に関するタイミングチャートが図4に示されている。図4に示されるように、公転テーブル11が回転から停止に至る。公転テーブル11が停止すると、回転する自転テーブル13に載せられた丸型容器BCに向けて印刷ヘッド21から塗料が吐出されることで印刷が開始される。印刷が開始されてから自転テーブル13が1回転すると、印刷ヘッド21からの塗料の吐出が止められ、一本の丸型容器BCに対する印刷が終了する。そうすると、公転テーブル11の回転が再開される。図4には紫外線照射ランプ23の動作の記載は省略されている。
【0030】
以上説明した動作が繰り返されることで、連続的に搬送される丸型容器BCに順番に印刷される。
この過程において、印刷ヘッド21による印刷の開始および終了、公転テーブル11の公転の再開は、図4に示されるように、自転テーブル13の回転位置に対応する定位相信号に基づいて行われる。
また、自転テーブル13に載せられ状態で回転する丸型容器BCは、その回転中心から外周面までの距離が一定であることから、この外周面に印刷される装飾は品質が高い。
なお、公転テーブル11が回転、停止、回転、停止…というように、公転テーブル11の間欠的な動作をインデキシング動作という。インデキシング動作により容器PBが間欠的に搬送されることをインデキシング搬送という。
【0031】
[印刷装置1による第2モードの動作:図5図18
次に、印刷装置1を用いて角型容器BRを印刷する第2モードを説明する。
この第2モードは、以下に要旨が示される示す第2-1モード、第2-2モード、第2-3モードおよび第2-4モードを含む。なお、以降の説明において、第2-1モード、第2-2モード、第2-3モードおよび第2-4モードは角型容器BRを印刷するものとして説明するが、これらの第2モードで丸型容器BCを印刷することもできる。つまり、本開示に係る印刷装置1は、丸型容器BCの印刷に特化される第1モードと、角型容器BRの印刷に加えて丸型容器BCの印刷ができる第2モードと、を実行できる。
【0032】
[第2-1モード]:角型容器BRの四面の中の一面だけを印刷
第2-1-1モード:自転テーブル13が固定~自転せず
第2-1-2モード:印刷ヘッド21から角型容器BRまでの距離L1を一定に維持する
第2-1-2aモード:自転テーブル13が揺動運動(所定回転角の範囲で正転/逆転)
第2-1-2bモード:印刷ヘッド21が前進/後退
第2-1-2cモード:自転テーブル13が前進/後退
【0033】
[第2-2モード]:角型容器BRの四面の中の複数面を印刷する。
第2-2-1モード:第2-1-2aモードの適用
第2-2-2モード:第2-1-2bモードの適用
第2-2-3モード:第2-1-2cモードの適用
第2-2-4モード:複数本の角型容器BRへの同時印刷
【0034】
[第2-3モード]:公転テーブル11の正転・逆転/自転テーブル13の回転
[第2-4モード]:公転テーブル11のインデキシング動作
第2-4-1モード:角型容器BRの一つの印刷面PSだけを印刷
第2-4-2モード:角型容器BRの印刷面PS1および印刷面PS2の二面を印刷
【0035】
[第2-1-1モード:図5図6
図5および図6を参照して、角型容器BRの一面を印刷する第2-1-1モードを説明する。
第2-1-1モードは、図6に示すように、公転テーブル11は一定の速度で回転(定速回転)し続けるが、自転テーブル13は回転せずに停止し続ける。つまり、第2-1-1モードは、動作の制御が簡易である。この自転テーブル13が停止された状態で、印刷ヘッド21Aの前に角型容器BR1が搬送されたところから印刷が開始される(図5 STEP1)。第2-1-1モードにおいて、印刷対象となる一つの平面からなる印刷面PSが印刷ヘッド21Aに対向する向きで角型容器BR1は自転テーブル13に載せられる。印刷面PSは公転テーブル11の周方向または回転方向と略平行である。
【0036】
角型容器BR1が印刷ヘッド21Aの前に搬送されるが、公転テーブル11が定速回転を続けており、かつ、自転テーブル13は回転が停止されたままである。したがって、印刷ヘッド21Aで印刷された丸型容器BC1は、印刷面PSが紫外線照射器23Aに対向する姿勢を保ったまま紫外線照射器23Aの前まで搬送される。加えて、次の角型容器BR2が印刷ヘッド21Aの前まで搬送される。角型容器BR2の印刷面PSも印刷ヘッド21Aに対向する。(図5 STEP2)。このとき、角型容器BR1が紫外線照射器23Aの前を通過する過程で印刷面PSへの紫外線照射器23Aによる紫外線の照射および角型容器BR2が印刷ヘッド21Aの前を通過する過程で印刷が行われる(図5 STEP2)。
以後は、以上と同様の動作により、角型容器BR1,BR2,BR3は、それぞれ、印刷ヘッド21Bによる印刷、紫外線照射器23Aによる紫外線照射、印刷ヘッド21Aによる印刷が行われる(図5 STEP3)。
【0037】
角型容器BR1,BR2…の搬送、印刷ヘッド21A~21Eによる印刷、紫外線照射器23A~23Eによる紫外線照射を繰り返すことにより、角型容器BR1,BR2…の四つの平面の中の印刷面PSに所望する文字、図形、模様などを含む装飾が印刷される。
【0038】
[第2-1-1モードによる効果]
第2-1-1モードによれば、丸型容器BCを印刷する第1モードと同じ基本的な構成を有する印刷装置1において、自転テーブル13の回転を行わずに停止させることによって、角型容器BRの印刷面PSに印刷を施すことができる。しかも、第2-1-1モードは、公転テーブル11を回転し続けているので、単位時間当たりの印刷能力が高い。
【0039】
角型容器BR1,BR2…が印刷ヘッド21A~21Eの前を通過する過程において、印刷ヘッド21A~21Eから印刷面PSまでの距離が変動する。しかし、公転テーブル11の直径が相当程度に大きければ、この変動量は微小といえる。したがって、格別に高い精度が要求される装飾を除けば、簡易な動作で行われる第2-1-1モードにより位置ずれなどが抑制された正確な装飾を得ることができる。
【0040】
前述したように、第2-1-1モードにおいても丸型容器BCを印刷できるが、自転テーブル13が固定されている。したがって、第2-1-1モードにおいて印刷できるのは、丸型容器BCの外周面であって印刷ヘッド21に対向する周方向の所定範囲に限られる。ただし、丸型容器BCにおける外周面の所定範囲だけに印刷を施す要求もあり、このような場合には第2-1-1モードにおいて丸型容器BCを印刷の対象にできる。この第2-1-1モードを実行する印刷装置1は、同じ動作により丸型容器BCと角型容器BRを印刷できる。
【0041】
[第2-1-2モード]
第2-1-2モードは、印刷の過程において、印刷ヘッド21から角型容器BRの印刷面PSまでの距離L1を一定に維持するための動作を行うことで、前述した第2-1-1モードよりも印刷の品質を向上できる。第2-1-2モードは、距離L1を一定に維持するための動作を行う具体的な手段が異なる第2-1-2aモード、第2-1-2bモードおよび第2-1-2cモードの三つの動作モードを含んでいる。以下、この順に第2-1-2モードを説明する。なお、距離L1を一定に維持するための動作を行うことにより、理想的には距離L1が一定に維持されるが、この動作に関わる機械的な要素の公差などにより厳密な意味では距離L1に対して誤差を有することもある。本開示においては、当該動作を行った場合には、距離L1が一定に維持されるものとして扱う。
【0042】
[第2-1-2aモード:図7図8
図7および図8を参照して、角型容器BRの一つの印刷面PSを印刷する第2-1-2aモードを説明する。第2-1-2aモードは、自転テーブル13を介して角型容器BRを揺動運動させることにより、印刷ヘッド21から印刷面PSまでの距離L1を一定に維持する。なお、図7は印刷装置1の中で本モードを説明するのに必要な部分のみを示し、S1,S2,S3の順に動作が進む。
【0043】
第2-1-2aモードは、図8に示すように、公転テーブル11は定速回転し続ける。自転テーブル13は、印刷ヘッド21の前を角型容器BRが通過する過程で、角型容器BRを正転および逆転させる。つまり、印刷ヘッド21の手前まで角型容器BRが搬送されると(図7 S1,図8 FR1)、図7および図8に示すように、自転テーブル13が所定の回転角の範囲で正転する。一例として、図7 S1に示すように、角型容器BRの先行する角部CN1が印刷ヘッド21の中心軸線C21と接する印刷開始位置まで角型容器BRが搬送されると印刷ヘッド21による印刷が開始される。
【0044】
この正転が行われた後に、自転テーブル13は所定の回転角の範囲だけ逆転される(図7 S2,図8 RR1)。この逆転RR1は、印刷面PSの幅方向(W)の中央と印刷ヘッド21の中心軸線C21とが一致する印刷中央位置まで減速し、それ以降は加速が再度行われる。この自転テーブル13の正転FR1および逆転RR1の間において、印刷ヘッド21から角型容器BRの印刷面PSまでの距離L1は一定である。
角型容器BRが印刷中央位置を過ぎる逆転が再開される(図7 S3,図8 RR2)。逆転RR2は、角型容器BRの後続する角部CN2が印刷ヘッド21の中心軸線C21と接する印刷終了位置S3まで角型容器BRが搬送されると印刷ヘッド21による印刷が終了するとともに、自転テーブル13の逆転RR2が終わり、次の印刷に備えて自転テーブル13は正転される。
【0045】
ここで、揺動運動において印刷ヘッド21から角型容器BRの印刷面PSまでの距離L1を一定にできる条件について、図30<2-1-2a>を参照して説明する。同図の公転テーブル11の回転角度θに対する自転テーブル13の回転角度αを制御対象とすることにより距離L1を一定にすることができる。
同図において、以下の式(1)~式(5)が前提として成り立つ。
γ=π/2+θ―β …(1)
A+a/2=Acosθ+Asinθ×tanγ …(2)
α=β-cos-1(a/2×cosγ/Asinθ)
=β-cos-1(a/2×cos(π/2+θ-β)/Asinθ) …(3)
式(2),(1)より
γ=tan-1((A+a/2-Acosθ)/Asinθ)
π/2+θ-β=tan-1((A+a/2-Acosθ)/Asinθ)
β=π/2+θ-tan-1((1+a/2A-cosθ)/sinθ) …(4)
x=a/2×tan-1(β-α)…(5)
【0046】
回転角度θは以下の式で表される。
θの範囲 θmax=cos-1((2A+A×a-a/4)/(2A×(A+a/2))
θmax≧θ≧-θmax
【0047】
回転角度θに応じた制御対象である回転角度αは以下の式により定まる。
θ>0 α=β-cos-1(a/2×cos(π/2+θ-β)/Asinθ)
θ=0 α=0
θ<0 α=β+cos-1(a/2×cos(π/2+θ-β)/Asinθ)
【0048】
第2-1-2aモードは、公転テーブル11を定速回転させるとともに、自転テーブル13を正転および逆転させることにより、印刷開始位置S1から印刷終了位置S3までの間において、印刷ヘッド21から角型容器BRの印刷面PSまでの距離L1を一定に維持することができる。距離L1が一定に維持された中で、角型容器BR1,BR2…の搬送、印刷ヘッド21A~21Eによる印刷、紫外線照射器23A~23Eによる紫外線照射を繰り返すことにより、角型容器BR1,BR2…の四つの平面の中の印刷面PSに所望する文字、図形、模様などを含む装飾が印刷される。
【0049】
[第2-1-2aモードによる効果]
第2-1-2aモードによれば、第2-1-1モードに加えて、以下の効果を奏する。
第2-1-2aモードによれば、印刷ヘッド21から印刷面PSまでの距離を一定に維持することができる。したがって、印刷面PSに施される印刷の品質は高い。
なお、印刷開始位置、印刷中央位置および印刷終了位置は、以後説明する実施形態においても同義として用いられる。
第2-1-2aモードと次の第2-1-2bモードとは、自転テーブル(13)および印刷ヘッド(21)の一方が他方に対して前進または後退する、という上位概念に含まれる。
【0050】
[第2-1-2bモード:図9図10
図9および図10を参照して、角型容器BRの一つの印刷面PSを印刷する第2-1-2bモードを説明する。第2-1-2bモードは、印刷ヘッド21を自転テーブル13に対して前進または後退させることにより、印刷ヘッド21から印刷面PSまでの距離L1を一定に維持する。
【0051】
第2-1-2bモードは、図10に示すように、公転テーブル11は定速回転し続ける。印刷ヘッド21の前を角型容器BRが通過する過程で、印刷ヘッド21を前進または後退させる。ここでいう前進とは印刷ヘッド21が公転テーブル11に近づく動作をいい、後退とは印刷ヘッド21が公転テーブル11から離れる動作をいう。自転テーブル13は公転テーブル11の回転に伴って搬送経路12を移動する。
具体的には、印刷開始位置の手前まで角型容器BRが搬送されると(図9 S1,図10 RT1)、図9および図10に示すように、印刷ヘッド21が正規の位置よりも後退する。印刷ヘッド21が後退した後に、印刷が開始されると、今度は印刷中央位置までは印刷ヘッド21は前進する(図9 S2,図10 AD)。印刷中央位置を過ぎると、再度、印刷ヘッド21は印刷終了位置まで後退される(図9 S3,図10 RT2)。
【0052】
第2-1-2bモードは、公転テーブル11を定速回転させるとともに、印刷ヘッド21を前進または後退させることにより、印刷開始位置S1から印刷終了位置S3までの間において、印刷ヘッド21から角型容器BRの印刷面PSまでの距離L1を一定に維持することができる。距離L1が一定に維持された中で、角型容器BR1,BR2…の搬送、印刷ヘッド21A~21Eによる印刷、紫外線照射器23A~23Eによる紫外線照射を繰り返すことにより、角型容器BR1,BR2…の四つの平面の中の印刷面PSに所望する文字、図形、模様などを含む装飾が印刷される。
【0053】
第2-1-2bモードおける揺動運動において印刷ヘッド21から角型容器BRの印刷面PSまでの距離L1を一定にできる条件について、図31<2-1-2b>を参照して説明する。同図におけるdH/dθを制御対象とすることにより距離L1を一定にすることができる。dH/dθは回転角度θに対する公転テーブル11の中心から印刷面PSまでの距離Hの変化量である。
同図において、以下の式(6)~式(8)が前提として成り立つ。
a/2=(A+a/2)tanθmax …(6)
θmax=tanθ-1(a/(2A+a)) …(7)
H=(A+a/2)/cosθ…(8)
【0054】
回転角度θmaxおよび制御対象であるdH/dθはそれぞれ式(7)および式(8)を微分して以下の式で定まる。
θmax≧θ≧-θmax
dH/dθ=(A+a/2)sinθ/(cosθ)
【0055】
[第2-1-2bモードによる効果]
第2-1-2bモードによれば、第2-1-2aモードと同様の高い印刷品質が得られるという効果に加えて、以下の効果を奏する。
つまり、第2-1-2bモードによれば、角型容器BR以外の任意の外観形状の容器であっても対応して印刷ができる。
【0056】
[第2-1-2cモード:図11図12
図11および図12を参照して、角型容器BRの一つの印刷面PSを印刷する第2-1-2cモードを説明する。第2-1-2cモードは、自転テーブル13を印刷ヘッド21に対して前進または後退させることにより、印刷ヘッド21から印刷面PSまでの距離L1を一定に維持する。
【0057】
第2-1-2cモードは、図12に示すように、公転テーブル11は定速回転し続ける。印刷ヘッド21の前を角型容器BRが通過する過程で、自転テーブル13を前進または後退させる。ここでいう前進とは自転テーブル13が印刷ヘッド21に近づく動作をいい、後退とは自転テーブル13が印刷ヘッド21から離れる動作をいう。印刷ヘッド21はその位置が固定される。
印刷開始位置の手前まで角型容器BRが搬送されると(図11 S1,図10 RT1)、図11および図12に示すように、自転テーブル13が正規の位置よりも後退する。自転テーブル13が後退した後に、印刷が開始されると、今度は印刷中央位置までは自転テーブル13は前進する(図11 S2,図12 AD)。印刷中央位置を過ぎると、再度、自転テーブル13は印刷終了位置まで後退される(図11 S3,図12 RT2)。
【0058】
第2-1-2cモードは、公転テーブル11を定速回転させるとともに、自転テーブル13を前進または後退させることにより、印刷開始位置S1から印刷終了位置S3までの間において、印刷ヘッド21から角型容器BRの印刷面PSまでの距離L1を一定に維持することができる。距離L1が一定に維持された中で、角型容器BR1,BR2…の搬送、印刷ヘッド21A~21Eによる印刷、紫外線照射器23A~23Eによる紫外線照射を繰り返すことにより、角型容器BR1,BR2…の四つの平面の中の印刷面PSに所望する文字、図形、模様などを含む装飾が印刷される。
【0059】
第2-1-2cモードおける揺動運動において印刷ヘッド21から角型容器BRの印刷面PSまでの距離L1を一定にできる条件について、図30<2-1-2c>を参照して説明する。同図におけるdH/dθを制御対象とすることにより距離L1を一定にすることができる。dH/dθは、回転角度θに対する公転テーブル11の中心から自転テーブル13の中心までの距離の変化量である。
同図において、以下の式(9)~式(11)が前提として成り立つ。
a/2=(L+a/2)sinθmax …(9)=(6)
θmax=sin-1(a/(2L+a)) …(10)
H=(L+a/2)/cosθ-a/2 …(11)
【0060】
回転角度θmaxおよび制御対象であるdH/dθはそれぞれ式(10)および式(11)を微分して以下の式で定まる。
θmax≧θ≧-θmax
dH/dθ=(L+a/2)sinθ
【0061】
[第2-1-2cモードによる効果]
第2-1-2cモードによれば、第2-1-2aモードと同様の高い印刷品質が得られるという効果に加えて、以下の効果を奏する。
つまり、第2-1-2cモードによれば、第2-1-2bモードと同様に、角型容器BR以外の任意の外観形状の容器であっても対応して印刷ができる。
【0062】
[第2-2-1モード:図13図14
次に、図13および図14を参照して、角型容器BRの対向する二つの印刷面PSを印刷する第2-2-1モードを説明する。第2-2-1モードは、自転テーブル13を介して角型容器BRを揺動運動させる第2-1-2aモードを実行する過程で、それまでに印刷されていた印刷面PS1と対向する印刷面PS2との公転テーブル11における径方向の位置を入れ替える。換言すると、それまで印刷ヘッド21を向いていた印刷面PS1が公転中心軸C1を向き、それまで公転中心軸C1を向いていた印刷面PS2が印刷ヘッド21に対向するように自転テーブル13を180°だけ回転(正転)させる。以下、この動作をより具体的に説明する。
【0063】
第2-2-1モードにおいても、第2-1-2aモードと同様に、図13に示されるS1,S2,S3からなる一単位の角型容器BRの揺動運動が行われる。ただし、第2-2-1モードは、一単位の揺動運動により印刷面PS1を印刷した後に、印刷面PS1と印刷面PS2の位置を180°入れ替えて、次の一単位の揺動運動により印刷面PS2を印刷する。
【0064】
この二つの印刷面PSを印刷するための公転テーブル11などの動作を図14に示されるタイミングチャートを参照して説明する。
印刷ポジションP1においては、第2-1-2aモードと同様に、自転テーブル13は正転FR1、逆転RR1および正転FR2、逆転RR2を行う過程で印刷面PS1が印刷される。この印刷は、例えば、角型容器BR1が印刷ヘッド21Aaで行われるものとする。なお、ここでは、同じ色の塗料を吐出する2台の印刷ヘッド21Aa,21Abを備えるものとする。
【0065】
印刷ヘッド21Aaによる印刷面PS1の印刷が終了すると、公転テーブル11が正転することで角型容器BR1は次の印刷ヘッド21Abによる印刷ポジションP2に向けて搬送される。この搬送の過程で、自転テーブル13が180°だけ回転されることにより、印刷面PS2が印刷ヘッド21Abを向く反転動作(180°IV)が行われる。この反転動作は高速で行われる。以後は、第2-1-2aモードによる印刷面PS1と同様にして印刷される。印刷面PS1における印刷の内容と印刷面PS2における印刷の内容とは同じであってもよいし、異なっていてもよい。もっとも、印刷ヘッド21Aaと印刷ヘッド21Abは同じ色の塗料を吐出、印刷するものであるから、印刷面PS1と印刷面PS2のそれぞれの印刷は少なくとも色彩が同じである。ただし、異なる色を吐出、印刷する二台の印刷ヘッド21A,21Bを隣接させて、上記と同様に印刷すれば、印刷面PS1と印刷面PS2のそれぞれに色の異なる印刷を施すことができる。これらのことは、第2-2-2モード、第2-2-3モードなどでも同様に適用される。
【0066】
印刷ヘッド21Abによる印刷面PS2の印刷が終了すると、公転テーブル11が正転することで角型容器BR1は次の印刷ヘッド21(Ba)による印刷ポジションP3に向けて搬送される。この搬送の過程で、自転テーブル13がさらに180°だけ回転されることにより、印刷面PS1が印刷ヘッド21(Ba)に対向する。以後は、第2-1-2aモードと同様にして印刷される。
【0067】
印刷ヘッド21(Ba)による印刷面PS1の印刷が終了すると、公転テーブル11が正転することで角型容器BR1は次の印刷ヘッド21(Bb)による印刷ポジションP4に向けて搬送される。この搬送の過程で、自転テーブル13がさらに180°だけ回転されることにより、印刷面PS2が印刷ヘッド21(Bb)に対向する。以後は、第2-1-2aモードと同様にして印刷される。
【0068】
以上の動作を繰り返すことにより、連続的に公転テーブル11に供給される角型容器BRの対向する印刷面PS1と印刷面PS2に印刷を施すことができる。
【0069】
[第2-2-1モードによる効果]
第2-2-1モードによれば、第2-1-2aモードと同様の高い印刷品質を備える印刷が、角型容器BRの対向する二つの印刷面PS1と印刷面PS2で得られる。
なお、以上では自転テーブル13を180°回転させることで、対向する二つの面を印刷したが、自転テーブル13の回転を90°にすれば、角型容器BRの外周を構成する四面の全てを印刷することもできる。
【0070】
[第2-2-2モード:図15図16
次に、図15および図16を参照して、角型容器BRの対向する二つの印刷面PSを印刷する第2-2-2モードを説明する。第2-2-2モードは、印刷ヘッド21を前進または後退させる第2-1-2bモードを実行する過程で、それまでに印刷されていた印刷面PS1と対向する印刷面PS2との公転テーブル11における径方向の位置を入れ替える。換言すると、それまで印刷ヘッド21を向いていた印刷面PS1が公転中心軸C1を向き、それまで公転中心軸C1を向いていた印刷面PS2が印刷ヘッド21に対向するように自転テーブル13を180°だけ回転させる。以下、この動作をより具体的に説明する。
【0071】
第2-2-2モードにおいても、第2-1-2bモードと同様に、図15に示されるS1,S2,S3からなる一単位の印刷ヘッド21の前進または後退が行われる。ただし、第2-2-2モードは、一単位の前進または後退により印刷面PS1を印刷した後に、印刷面PS1と印刷面PS2の位置を180°入れ替えて、次の一単位の前進または後退により印刷面PS2を印刷する。
【0072】
この二つの印刷面PSを印刷するための公転テーブル11などの動作を図16に示されるタイミングチャートも参照して説明する。
印刷ポジションP1においては、第2-1-2bモードと同様に、印刷ヘッド21が後退または前進する過程で印刷面PS1が印刷される。この印刷は、例えば、角型容器BR1が印刷ヘッド21Aaで行われるものとする。
【0073】
印刷ヘッド21Aaによる印刷面PS1の印刷が終了すると、公転テーブル11が正転することで角型容器BR1は次の印刷ヘッド21Abによる印刷ポジションP2に向けて搬送される。この搬送の過程で、自転テーブル13が180°だけ回転(正転)されることにより、印刷面PS2が印刷ヘッド21Abに対向する反転動作(180°IV)が行われる。以後は、第2-1-2bモードによる印刷面PS1と同様にして印刷される。
【0074】
印刷ヘッド21Bによる印刷面PS2の印刷が終了すると、公転テーブル11が正転することで角型容器BR1は次の印刷ヘッド21Baによる印刷ポジションP3に向けて搬送される。この搬送の過程で、自転テーブル13がさらに180°だけ回転されることにより、印刷面PS1が印刷ヘッド21Baに対向する。以後は、第2-1-2bモードと同様にして印刷される。
【0075】
印刷ヘッド21Cによる印刷面PS1の印刷が終了すると、公転テーブル11が正転することで角型容器BR1は次の印刷ヘッド21Bbによる印刷ポジションP4に向けて搬送される。この搬送の過程で、自転テーブル13がさらに180°だけ回転されることにより、印刷面PS2が印刷ヘッド21Bbに対向する。以後は、第2-1-2bモードと同様にして印刷される。
【0076】
以上の動作を繰り返すことにより、連続的に公転テーブル11に供給される角型容器BRの対向する印刷面PS1と印刷面PS2に印刷を施すことができる。
【0077】
[第2-2-2モードによる効果]
第2-2-2モードによれば、第2-1-2bモードと同様の高い印刷品質を備える印刷が、角型容器BRの対向する二つの印刷面PS1と印刷面PS2で得られる。
なお、以上では自転テーブル13を180°回転させることで、対向する二つの面を印刷したが、自転テーブル13の回転を90°にすれば、角型容器BRの外周を構成する四面の全てを印刷することもできる。
【0078】
[第2-2-3モード:図17図18
次に、図17および図18を参照して、角型容器BRの対向する二つの印刷面PSを印刷する第2-2-3モードを説明する。第2-2-3モードは、自転テーブル13を前進または後退させる第2-1-2cモードを実行する過程で、それまでに印刷されていた印刷面PS1と対向する印刷面PS2との公転テーブル11における径方向の位置を入れ替える。換言すると、それまで印刷ヘッド21を向いていた印刷面PS1が公転中心軸C1を向き、それまで公転中心軸C1を向いていた印刷面PS2が印刷ヘッド21に対向するように自転テーブル13を180°だけ回転させる。以下、この動作をより具体的に説明する。
【0079】
第2-2-3モードにおいても、第2-1-2cモードと同様に、図17に示されるS1,S2,S3からなる一単位の自転テーブル13の前進または後退が行われる。ただし、第2-2-3モードは、一単位の前進または後退により印刷面PS1を印刷した後に、印刷面PS1と印刷面PS2の位置を180°入れ替えて、次の一単位の前進または後退により印刷面PS2を印刷する。
【0080】
この二つの印刷面PSを印刷するための公転テーブル11などの動作を図18に示されるタイミングチャートを参照して説明する。
印刷ポジションP1においては、第2-1-2cモードと同様に、自転テーブル13が後退または前進する過程で印刷面PS1が印刷される。この印刷は、例えば、角型容器BR1が印刷ヘッド21Aaで行われるものとする。
【0081】
印刷ヘッド21Aaによる印刷面PS1の印刷が終了すると、公転テーブル11が正転することで角型容器BR1は次の印刷ヘッド21Abによる印刷ポジションP2に向けて搬送される。この搬送の過程で、自転テーブル13が180°だけ回転(正転)されることにより、印刷面PS2が印刷ヘッド21Abに対向する反転動作(180°IV)が行われる。以後は、第2-1-2cモードによる印刷面PS1と同様にして印刷される。
【0082】
印刷ヘッド21Abによる印刷面PS2の印刷が終了すると、公転テーブル11が正転することで角型容器BR1は次の印刷ヘッド21Baによる印刷ポジションP3に向けて搬送される。この搬送の過程で、自転テーブル13がさらに180°だけ回転されることにより、印刷面PS1が印刷ヘッド21Baに対向する。以後は、第2-1-2cモードと同様にして印刷される。
【0083】
印刷ヘッド21Baによる印刷面PS1の印刷が終了すると、公転テーブル11が正転することで角型容器BR1は次の印刷ヘッド21Bbによる印刷ポジションP4に向けて搬送される。この搬送の過程で、自転テーブル13がさらに180°だけ回転されることにより、印刷面PS2が印刷ヘッド21Bbに対向する。以後は、第2-1-2cモードと同様にして印刷される。
【0084】
以上の動作を繰り返すことにより、連続的に公転テーブル11に供給される角型容器BRの対向する印刷面PS1と印刷面PS2に印刷を施すことができる。
【0085】
[第2-2-3モードによる効果]
第2-2-3モードによれば、第2-1-2cモードと同様の高い印刷品質を備える印刷が、角型容器BRの対向する二つの印刷面PS1と印刷面PS2で得られる。
なお、以上では自転テーブル13を180°回転させることで、対向する二つの面を印刷したが、自転テーブル13の回転を90°にすれば、角型容器BRの外周を構成する四つの面を印刷することもできる。
【0086】
[第2-2-4モード:図19図20図21図22図23
次に、複数本の角型容器BRを同時に印刷できる印刷装置2を用いて、角型容器BRの対向する二つの印刷面PSを印刷する第2-2-4モードを説明する。
これまで説明した印刷装置1は一本の角型容器BRについて順番に異なる色を印刷するものであったが、印刷装置2は複数本、例えば四本の角型容器BRについて同じ色により印刷し、次いで四本の角型容器BRについて異なる色により印刷するという手順を繰り返すものである。印刷装置2の基本的な構成および動作は、印刷装置1と同じであるので、以下では、図19を参照しながら、印刷装置1との相違点を中心にして印刷装置2の構成および基本的な動作を説明する。そして、その後に、図20図23を参照して第2-2-4モードの動作を説明する。なお、第2-2-4モードは、第2-2-4aモードと第2-2-4bモードの二つのモードを含む。また、第2-2-4モードは、前述した第2-1-1モードを利用している。
【0087】
[搬送部10:図19
搬送部10は、図19に示すように、公転テーブル11に複数の自転テーブル13を備えるが、自転テーブル13の台数が印刷装置1よりも多い。公転テーブル11およびそれぞれの自転テーブル13は、図示が省略されるが、印刷装置1と同様に、コントローラ50により動作が制御される公転駆動源15および自転駆動源17で駆動されるものとする。
【0088】
[印刷部20:図19
印刷部20は、図19に示すように、複数の印刷ヘッド21および複数の紫外線照射ランプ23が交互に設けられる。ただし、印刷部20は、一例として、印刷ヘッド21A,21B,21C,21D,21E,21Fのそれぞれが四台ずつ、紫外線照射器23A,23B,23C,23D,23E,23Fのそれぞれが四台ずつ設けられる。そして、同じ色を印刷する四台の例えば印刷ヘッド21Aが並んで設けられ、四台の印刷ヘッド21Aのそれぞれに対応する四台の紫外線照射器23Aは、印刷ヘッド21Aの下流側に並んで設けられる。この構成は、四本の容器Bに同じ色を同時に印刷することを前提としている。例えば、六本の容器Bに同じ色を同時に印刷することを前提とすれば、印刷ヘッド21A~21Fのそれぞれを六台として、紫外線照射器23A~23Fのそれぞれを六台とすればよい。
【0089】
[印刷装置2の基本的な動作]
図示は省略するが、印刷装置2の基本的な動作は、四本の単位で容器PBが搬送、印刷、塗料の硬化されることを除けば、印刷装置1と同じである。
【0090】
[第2-2-4aモード:図20図21
印刷装置2を用いて角型容器BRの対向する二つの印刷面PSを印刷する第2-2-4aモードを、図20および図21を参照して説明する。なお、第2-2-4aモードと次に説明する第2-2-4bモードとの違いは、印刷面PS1および印刷面PS2のそれぞれを印刷するのに要する公転テーブル11の回転動作である。公転テーブル11は、図21に示されるように、高速回転および低速回転される。
【0091】
第2-2-4aモードは、図20に示すように、角型容器BR1,BR2が二台の印刷ヘッド21Ab,21Aaの前を通過する過程で、角型容器BR1,BR2のそれぞれの印刷面PS1,PS1に印刷される(図20 STEP1)。この印刷が図21における表印刷である。このとき、図21に示すように、公転テーブル11は低速回転(正転)し、自転テーブル13は回転が停止している。
【0092】
角型容器BR1,BR2の印刷面PS1,PS1の印刷が終わると、公転テーブル11は高速回転し、それまで停止していた自転テーブル13は180°だけ正転する。これらの回転により、角型容器BR1,BR2は、それまでとは180°だけ向きを変えて印刷ヘッド21Ad,21Acの前まで搬送されるとともに、角型容器BR3,BR4が印刷ヘッド21Ab,21Aaの前まで搬送される。そうすると、公転テーブル11は低速回転となり、自転テーブル13は回転を停止する。角型容器BR1,BR2が二台の印刷ヘッド21Ad,21Acの前を通過する過程で、角型容器BR1,BR2のそれぞれの裏面である印刷面PS2,PS2に印刷される(図20 STEP2)。これと同期して、角型容器BR3,BR4が二台の印刷ヘッド21Ab,21Aaの前を通過する過程で、角型容器BR3,BR4のそれぞれの表面である印刷面PS1,PS1に印刷される。
【0093】
角型容器BR1,BR2の印刷面PS2,PS2および角型容器BR3,BR4の印刷面PS1,PS1の印刷が終わると、公転テーブル11は高速回転し、それまで停止していた自転テーブル13は180°だけ正転する。これらの回転により、角型容器BR1,BR2は、それまでとは180°だけ向きを変えて紫外線照射器23Ab,23Abの前まで搬送されるとともに、角型容器BR3,BR4が印刷ヘッド21Ad,21Acの前まで搬送される。さらに、角型容器BR5,BR6が印刷ヘッド21Ab,21Aaの前まで搬送される(図20 STEP3)。
【0094】
以後は、以上の動作を繰り返すことにより、複数本の単位で角型容器BRのそれぞれの印刷面PS1および印刷面PS2に印刷される。
以上の印刷動作において、二本の角型容器BR,BRが、二台の印刷ヘッド21A,21Aを単位として搬送されることを2スパン搬送という。したがって、一本の角型容器BRが一台の印刷ヘッド21Aを単位として、つまり隣の印刷ヘッド21Aに搬送されることを1スパン搬送という。また、三本の角型容器BR,BR,BRが、三台の印刷ヘッド21A,21A,21Aを単位として搬送されることを3スパン搬送という。第2-2-4aモードは、表印刷(印刷面PS1の印刷)を行う際には、公転テーブル11が2スパン搬送に相当する回転角だけ回転することにより角型容器BRを搬送する。第2-2-4aモードは、2スパン搬送を間欠的に行う。
【0095】
[第2-2-4aモードによる効果]
第2-2-4aモードによれば、複数本の角型容器BRに対して品質が確保された印刷が施される。この効果は第2-2-4bモードについても同様に当てはまる。
【0096】
[第2-2-4bモード:図22図23
次に、図22および図23を参照して、第2-2-4bモードの動作を説明する。
第2-2-4bモードは、以下説明するように、1ステップ搬送と3ステップ搬送を組み合わせて印刷を行う。
第2-2-4bモードは、図22に示すように、角型容器BR1が一台目の印刷ヘッド21Aaの前を通過する過程で、角型容器BR1の印刷面PS1に印刷される(図22 STEP1)。この印刷が図22における表印刷である。このとき、図23に示すように、公転テーブル11は低速回転し、自転テーブル13は回転が停止している。
【0097】
角型容器BR1の印刷面PS1の印刷が終わると、公転テーブル11は低速回転のままの一方、それまで停止していた自転テーブル13は180°だけ正転する。これらの回転により、角型容器BR1は、それまでとは180°だけ向きを変えて印刷ヘッド21Abの前まで搬送されるとともに、角型容器BR2が印刷ヘッド21Aaの手前まで搬送される。このときの公転テーブル11によるのが1スパン搬送である。そうすると、公転テーブル11は低速回転のままである一方、自転テーブル13は回転を停止する。角型容器BR1が印刷ヘッド21Abの前を通過する過程で、角型容器BR1の裏面である印刷面PS2が印刷される(図22 STEP2)。これと同期して、角型容器BR2が印刷ヘッド21Aaの前を通過する過程で、角型容器BR2の表面である印刷面PS1が印刷される。
【0098】
角型容器BR1の印刷面PS2および角型容器BR2の印刷面PS1の印刷が終わると、公転テーブル11は3スパンに相当する分だけ高速回転し、それまで停止していた自転テーブル13はこの間に180°だけ正転する。これらの回転により、角型容器BR1は、それまでとは180°だけ向きを変えて紫外線照射器23Aaの前まで搬送されるとともに、角型容器RB2はそれまでとは180°だけ向きを変えて印刷ヘッド21Abの手前まで搬送される。さらに、角型容器BR3が印刷ヘッド21Aaの手前まで搬送される(図22 STEP3)。
【0099】
以後は、以上の動作を繰り返すことにより、複数本の単位で角型容器BRのそれぞれの印刷面PS1および印刷面PS2に印刷される。
【0100】
[第2-3モード:図24図25
次に、図24および図25を参照して、第2-3モードの動作を説明する。
第2-3モードは、公転テーブル11を正転および逆転させるとともに、自転テーブル13を回転して角型容器BRの印刷ヘッド21に対する向きを180°だけ変えることにより、角型容器BRの印刷面PS1と印刷面PS2の二面を印刷する。具体的には、以下の通りである。印刷ヘッド21の前を通過することで角型容器BRの印刷面PS1を印刷した後に、それまで正転していた公転テーブル11を逆転させることで角型容器BRを印刷ヘッド21の手前まで戻すとともに、この角型容器BRが戻るまでの間に印刷面PS2が印刷ヘッド21に対向するようにその向きを180°だけ向きを変える。その後、公転テーブル11を正転させることにより、印刷ヘッド21の前を通過する過程で、角型容器BRの角型容器BRの印刷面PS1と印刷面PS2の二面が印刷される。また、第2-3モードは、前述した第2-1-1モードを利用している。
【0101】
図24において、角型容器BR1はすでに印刷ヘッド21Aにおいて、印刷面PS1と印刷面PS2の二面が印刷され、次の印刷ヘッド21Bに向けて搬送されている。これと同期して、次の印刷対象である角型容器BR2が印刷ヘッド21Aに向けて搬送されている(図24 S1,図25 S1)。このとき、公転テーブル11は正転し、図示が省略される自転テーブル13は回転が停止されている。なお、印刷ヘッド21Aから吐出される塗料の色を色BL、印刷ヘッド21Bから吐出される塗料の色を色CYとする。
【0102】
次に、角型容器BR1が印刷ヘッド21Bの前を通過し、角型容器BR2が印刷ヘッド21Aの前を通過する。そうすると、角型容器BR1の印刷面PS1に色CYによる印刷がなされ、角型容器BR2の印刷面PS1に色BLの印刷がなされる(図24 S2,図25 S2)。
【0103】
次に、角型容器BR1および角型容器BR2をそれぞれ載せる自転テーブル13,13が180°だけ正転し(図24 S3,図25 S3)、さらに、公転テーブル11が所定の回転角だけ逆転する(図24 S4,図25 S4)。これで、角型容器BR1および角型容器BR2が、それぞれ印刷ヘッド21Bおよび印刷ヘッド21Aの手前まで戻り、かつ、それぞれの印刷面PS2および印刷面PS2が印刷ヘッド21Bおよび印刷ヘッド21Aの側、つまり公転テーブル11の径方向の外側を向く(図24 S4,図25 S4)。
【0104】
次に、自転テーブル13,13の回転を停止したままで、公転テーブル11を正転させる(図24 S5,図25 S5)。そうすると、角型容器BR1の印刷面PS2の側には色BLによる印刷に加えて色CYによる印刷がなされ、角型容器BR2の印刷面PS2の側には色BLによる印刷がなされる。
【0105】
以後は、以上の動作を繰り返すことで、公転テーブル11に対して連続的に供給される角型容器BR1~BRnに対して、印刷面PS1および印刷面PS2の二面に対して複数色、本実施形態においては四色の印刷を行うことができる。
なお、以上では印刷面PS1および印刷面PS2の対向する二面を印刷する例を示したが、例えば180°の回転を90度にすれば、第2-3モードにおいても角型容器BRの四面を印刷できる。また、一色について1台の印刷ヘッド21を有する例を示したが第2-3モードにおいても一色について複数台の印刷ヘッド21を有する印刷装置2で印刷できる。
【0106】
[第2-3モードによる効果]
第2-3モードによれは、公転テーブル11の正転と逆転と、自転テーブル13の回転を組み合わせることにより、複数本の角型容器BRの複数の面に同時に印刷を施すことができる。
【0107】
[第2-4モード:図26図27図28図29
次に、図26図29を参照して、第2-4モードの動作を説明する。
第2-4モードは、第1モードで採用されるインデキシング動作、搬送を用いて角型容器BRに印刷する。インデキシング動作による印刷の際には、公転テーブル11の回転が停止している一方、容器PBを載せる自転テーブル13は回転する。丸型容器BCの場合には、第1モードで説明したように、丸型容器BCが回転しても印刷ヘッド21から丸型容器BCの外周面までの距離L1が一定である。しかし、先に説明したように、角型容器BRの場合には、印刷ヘッド21から角型容器BRの外周面までの距離L1が変化する。そこで、第2-4モードにおいては、一例として第2-1-2bモードで採用した自転テーブル13の前進および後退の動作を適用する。なお、ここでは自転テーブル13の前進および後退の動作を例示するが、第2-1-2aモードで採用する自転テーブル13の揺動動作、第2-1-2cモードで採用する印刷ヘッド21の前進および後退の動作などの、距離L1を一定にする動作を、2-4モードに適用できる。
【0108】
第2-4モードは、角型容器BRの一つの印刷面PSだけを印刷する第2-4-1モードと、角型容器BRの印刷面PS1と印刷面PS2の二つの印刷面PSを印刷する第2-4-2モードと、を含む。以下、第2-4-1モード、第2-4-2モードの順に説明する。
【0109】
[第2-4-1モード:図26図27
第2-4-1モードは、図26および図27に示すように、公転テーブル11はインデキシング動作、つまり正転による回転(正転)と停止を交互に繰り返す。角型容器BRへの印刷は公転テーブル11が停止している間に行われる。そのために、自転テーブル13は少なくとも公転テーブル11が停止している間に回転(正転)する。
【0110】
一本の角型容器BRへの印刷は、角型容器BRの角部CN1が印刷ヘッド21に正対する印刷開始位置S1から始まり、印刷面PSが印刷ヘッド21に正対する印刷途中位置S2を過ぎて、角部CN1の隣の角部CN2が印刷ヘッド21に正対する印刷終了位置S3までの間で行われる。この間、印刷ヘッド21から角型容器BRの印刷面PSまでの距離L1を一定に維持するために、自転テーブル13を前進または後退させる。この自転テーブル13の前進または後退は、先に説明した第2-2-3モードによるものである。
【0111】
第2-4-1モードおける揺動運動において印刷ヘッド21から角型容器BRの印刷面PSまでの距離L1を一定にできる条件について、図31<2-4-1>を参照して説明する。同図におけるdH/dαを制御対象とすることにより距離L1を一定にすることができる。dH/dαは、回転角度αに対する公転テーブル11の中心から自転テーブル13の中心までの距離の変化量である。
同図において、以下の式(12)が前提として成り立つ。
H=a/2/cosα …(12)
【0112】
回転角度αおよび制御対象であるdH/dαは式(12)を微分して以下の式で定まる。
π/2≧α≧-π/2
dH/dα=a/2×sinα/(cosα)
【0113】
[第2-4-1モードによる効果]
第2-4-1モードによれは、丸型容器BCの印刷と同様のインデキシング動作を用いながら、角型容器BRに品質が確保された印刷を施すことができる。これは第2-4-2モードについても同様に当てはまる。
【0114】
[第2-4-2モード:図28図29
第2-4-2モードの基本的な動作は、図28および図29に示すように、第2-4-1モードと同じである。つまり、第2-4-2モードにおいても、公転テーブル11はインデキシング動作、つまり正転による回転(正転)と停止を交互に繰り返す。角型容器BRへの印刷は公転テーブル11が停止している間に行われる。そのために、自転テーブル13は少なくとも公転テーブル11が停止している間に回転(正転)する。
【0115】
一本の角型容器BRへの印刷は、角型容器BRの角部CN1が印刷ヘッド21に正対する印刷開始位置S1から始まり、印刷面PS1が印刷ヘッド21に正対する印刷途中位置S2を過ぎて、角部CN1の隣の角部CN2が印刷ヘッド21に正対する印刷終了位置S3までの間で行われる。この間、印刷ヘッド21から角型容器BRの印刷面PS1までの距離L1を一定に維持するために、自転テーブル13を前進または後退させる。この自転テーブル13の前進または後退は、先に説明した第2-2-3モードによるものである。
【0116】
以上の動作による印刷面PS1の印刷が終了するが、第2-4-2モードは印刷面PS2への印刷を継続する。つまり、図29に示すように、公転テーブル11の停止および自転テーブル13の回転を継続させるとともに、自転テーブル13の前進および後退をも繰り返す。これら動作により、印刷面PS1の隣の印刷面PS2を印刷する。
【0117】
図29には印刷面PS1と印刷面PS2という二つの面に印刷する例が示されているが、公転テーブル11の停止および自転テーブル13の回転を継続させるとともに、自転テーブル13の前進および後退を繰り返すという動作をさらに継続すれば、印刷面PS3、印刷面PS4を含む、角型容器BRの全ての外周面に印刷できる。
【0118】
上記以外にも、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
実施形態の説明においては、丸型容器BCを印刷するのが第1モードであり、角型容器BRを印刷するのが第2モードであるものとして説明したが、本開示はこれに限らない。丸型容器BCを印刷するのに第2モード(第2-1モード、第2-2モード、第2-3モードおよび第2-4モード)のいずれかを用いることができる。丸型容器BCを第2-1モード、第2-2モードおよび第2-3モードのいずれかで印刷する場合、その印刷範囲は、外周面の周方向の所定範囲に限られる。丸型容器BCに第2-4モードを適用すれば、外周面の周方向の全域を印刷できる。
【0119】
また、本実施形態に係る印刷装置1,2は、搬送部10として公転テーブル11を備えることにより、自転テーブル13を円弧状の搬送経路に沿って移動させるが、本開示は他の手段、例えば、円弧型のリニアモータを採用できる。円弧型のリニアモータを採用する場合、固定子の側を円形とし、固定子に沿って移動する複数の可動子に自転テーブル13に関する機能を設ける。リニアモータが適用される搬送部10によれば、複数の自転テーブル13のそれぞれの搬送経路に沿った移動を独立して制御できる。
【0120】
[付記]
本開示の印刷装置は、円弧状の搬送経路(12)に沿って移動し、それぞれが自転中心軸(C2)の周りに回転可能とされる複数の自転テーブル(13)と、自転テーブル(13)に載せられる容器(PB)に向けて塗料を吐出する、搬送経路(12)の周囲に設けられる印刷ヘッド(21)と、を備える。
本開示の印刷装置は、定速度で回転する自転テーブル(13)に容器(PB)、例えば軸対象容器としての丸型容器(BC)を載せて印刷する第1モードと、第1モードとは異なる動作をする自転テーブル(13)に容器(PB)、例えば非軸対象容器としての角型容器(BR)を載せて印刷する第2モードと、を実行する。
本開示の印刷装置によれば、第1モードと第2モードとで、自転テーブルが異なる動作をすることにより、同じ印刷装置でありながら、丸型容器と角型容器のそれぞれに対して品質が確保された装飾を印刷できる。
【0121】
本開示の印刷装置において、好ましくは、第2モードにおいて、自転テーブル(13)が搬送経路(12)を定速で移動し、回転が停止される自転テーブル(13)が塗料を吐出する印刷ヘッド(21)の前を通過する過程で角型容器(BR)が印刷される第2-1-1モードとすることができる。
【0122】
本開示の印刷装置において、好ましくは、第2モードにおいて、自転テーブル(13)が搬送経路(12)を定速で移動し、印刷ヘッド(21)から容器(PB)の印刷対象面までの距離を一定に維持するための動作が行われる第2-1-2モードとすることができる。
【0123】
第2モードにおける距離を一定に維持するための動作は、好ましくは、自転テーブル(13)が印刷ヘッド(21)を通過する過程で、自転テーブル(13)が自転中心軸周りに所定の回転角の範囲で回転するかまたは揺動運動する第2-1-2aモードとすることができる。
【0124】
揺動運動を採用する第2-1-2aモードにおいて、好ましくは、搬送経路(12)の上流側に設けられる第1印刷ヘッド(21A)と、第1印刷ヘッド(21A)よりも搬送経路(12)の下流側に設けられる第2印刷ヘッド(21B)と、を備える。そして、 自転テーブル(13)が第1印刷ヘッド(21A)を通過する過程で、自転テーブル(13)が所定角度で回転するかまたは揺動運動して、容器(PB)の第1印刷面(PS1)を印刷し、次いで、第1印刷面(PS1)とは異なる容器(PB)の第2印刷面(PS2)が第2印刷ヘッド(21B)に対向するように自転テーブル(13)を所定角度だけ回転させ、次いで、自転テーブル(13)が第2印刷ヘッド(21B)を通過する過程で、自転テーブル(13)が所定角度で回転するかまたは揺動運動して、容器(PB)の第2印刷面(PS2)を印刷することができる。
【0125】
距離を一定に維持するための動作は、好ましくは、自転テーブル(13)が回転を停止した状態で、自転テーブル(13)および印刷ヘッド(21)の一方が他方に対して前進または後退する第2-1-2bまたは第2-1-2cモードとすることができる。
【0126】
第2-1-2bまたは第2-1-2cモードにおいて、好ましくは、見、搬送経路(12)の上流側に設けられる第1印刷ヘッド(21A)と、第1印刷ヘッド(21A)よりも搬送経路(12)の下流側に設けられる第2印刷ヘッド(21B)と、を備え、自転テーブル(13)が第1印刷ヘッド(21A)を通過する過程で、自転テーブル(13)および印刷ヘッド(21)の一方が他方に対して前進または後退して、容器(PB)の第1印刷面(PS1)を印刷し、次いで、第1印刷面(PS1)とは異なる容器(PB)の第2印刷面(PS2)が第2印刷ヘッド(21B)に対向するように自転テーブル(13)を所定角度だけ回転させ、次いで、自転テーブル(13)が第2印刷ヘッド(21B)を通過する過程で、自転テーブル(13)および印刷ヘッド(21)の一方が他方に対して前進または後退して、容器(PB)の第2印刷面(PS2)を印刷することができる。
【0127】
本開示における印刷装置(2)は、好ましくは、同じ色を吐出する複数の印刷ヘッド(21Aa,21Ab…)を備え、第2モードにおいて、複数の容器(角型容器BR1,BR2…)に対して複数の印刷ヘッド(21Aa,21Ab…)において同時に印刷する第2-2-4モードとすることができる。
【0128】
第2-1-1モードにおいて、好ましくは、回転が停止される自転テーブル(13)が塗料を吐出する印刷ヘッド(21)の前を通過する過程で角型容器(BR)の第1印刷面(PS1)が印刷され、次いで、第1印刷面(PS1)とは異なる容器(PB)の第2印刷面(PS2)が印刷ヘッド(21)に正対するように自転テーブル(13)を所定角度だけ回転させつつ、自転テーブル(13)を印刷ヘッド(21)の手前まで戻し、 次いで、回転が停止される自転テーブル(13)が塗料を吐出する印刷ヘッド(21)の前を通過する過程で角型容器(BR)の第2印刷面(PS2)が印刷される第2-3モードとすることができる。
【0129】
第2モードにおいて、好ましくは、自転テーブル(13)は、搬送経路(12)に沿った移動および移動の停止を交互に行い、自転テーブル(13)の搬送経路(12)に沿った移動が停止された状態において、印刷ヘッド(21)から容器(PB)までの距離を一定にするための動作を行いつつ、自転テーブル(13)を回転させながら印刷ヘッド(21)から塗料を吐出して印刷することができる。
【符号の説明】
【0130】
1 印刷装置
10 搬送部
11 公転テーブル
13 自転テーブル
15 公転駆動源
16 搬入機
17 自転駆動源
18 搬出機
20 印刷部
21A,21B,21C,21D,21E 印刷ヘッド
23A,23B,23C,23D,23E 紫外線照射器
50 コントローラ
PB 容器
BC 丸型容器
BR 角型容器
C1 公転中心軸
C2 自転中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31