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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063357
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】ショベル
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/00 20060101AFI20240502BHJP
   B60K 11/04 20060101ALN20240502BHJP
【FI】
E02F9/00 M
B60K11/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171231
(22)【出願日】2022-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】502246528
【氏名又は名称】住友建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】中村 明博
【テーマコード(参考)】
2D015
3D038
【Fターム(参考)】
2D015CA02
3D038AA04
3D038AB09
3D038AC02
3D038AC14
3D038AC23
(57)【要約】
【課題】粉塵等による水抜き孔の閉塞を抑制すること。
【解決手段】ショベル100は、下部走行体1と、下部走行体1に旋回可能に搭載される上部旋回体2と、上部旋回体2に搭載されるエンジン8と、エンジン8に設けられるウォータポンプ50と、を有する。ウォータポンプ50のハウジング51には、ウォータポンプ50の内部空間51Sと外部空間とを繋ぐ貫通孔51Hが設けられている。そして、貫通孔51Hには、管TBが取り付けられている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体と、
前記下部走行体に旋回可能に搭載される上部旋回体と、
前記上部旋回体に搭載される原動機と、
前記原動機に設けられるウォータポンプと、を有し、
前記ウォータポンプのハウジングには、前記ウォータポンプの内部空間と外部空間とを繋ぐ貫通孔が設けられ、
前記貫通孔には、管が取り付けられている、
ショベル。
【請求項2】
前記管の外側端部には栓が取り付けられている、
請求項1に記載のショベル。
【請求項3】
前記管は、前記原動機に沿って上方又は下方に向かって配策されている、
請求項1に記載のショベル。
【請求項4】
前記管の外側端部は、前記上部旋回体の底部に固定されている、
請求項1に記載のショベル。
【請求項5】
前記管は、固定具によって前記原動機に沿うように配策されている、
請求項1に記載のショベル。
【請求項6】
前記ウォータポンプは、前記原動機を冷却する冷却ファンと前記原動機との間に配置されている、
請求項1に記載のショベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ショベルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンを冷却するための冷却水を循環させるウォータポンプを備えたショベルが知られている(特許文献1参照)。ウォータポンプの回転軸にはメカニカルシール等のシールが配置され、回転軸からの冷却水の流出を抑制している。なお、シールは、構造上、冷却水を完全に密封するものではなく、微小な冷却水が回転軸から滲み出すのを許容している。そのため、ウォータポンプには、回転軸から滲み出た冷却水がシールの周囲に滞留しないよう、シールを覆うハウジングには、滲み出た冷却水を外に排出するための水抜き孔が設けられている場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-153115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、粉塵が多い雰囲気でショベルが作業する場合、水抜き孔を滲み出る冷却水は、粉塵を吸着してしまい、水抜き孔を閉塞してしまうおそれがある。そして、水抜き孔が閉塞すると、冷却水は、シールの周囲に滞留し、ウォータポンプの軸受等の腐食を促し、ひいては軸受等の破損を引き起こしてしまうおそれがある。
【0005】
そこで、粉塵等による水抜き孔の閉塞を抑制することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態に係るショベルは、下部走行体と、前記下部走行体に旋回可能に搭載される上部旋回体と、前記上部旋回体に搭載される原動機と、前記原動機に設けられるウォータポンプと、を有し、前記ウォータポンプのハウジングには、前記ウォータポンプの内部空間と外部空間とを繋ぐ貫通孔が設けられ、前記貫通孔には、管が取り付けられている。
【発明の効果】
【0007】
上述のショベルは、粉塵等による水抜き孔の閉塞を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るショベルの左側面図である。
図2】上部旋回体の概略構成を示す平面図である。
図3】排気ガス処理装置の構成例を示す図である。
図4】エンジンルーム内部の概略構成を示す側面図である。
図5】ウォータポンプの断面図である。
図6】エンジンに取り付けられているウォータポンプの斜視図である。
図7】エンジンに沿って配策される下側管の斜視図である。
図8】下側栓に接続された下側管の斜視図である。
図9】上部旋回体の後端上部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0010】
なお、以下の説明において、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向は互いに垂直な方向であり、典型的には、X軸方向及びY軸方向は水平方向、Z軸方向は鉛直方向である。X軸方向は、ショベル100の前後方向であり、前方側が+X方向であり、後方側が-X方向である。Y軸方向は、ショベル100の左右幅方向であり、右側が+Y方向、左側が-Y方向である。Z軸方向は、ショベル100の高さ方向であり、上側が+Z方向、下側が-Z方向である。
【0011】
図1は本発明の一実施形態に係るショベル100の左側面図である。図1に示すように、ショベル100は、下部走行体1、上部旋回体2、キャブ3、ブーム4、アーム5、及びバケット6を有する。上部旋回体2は、旋回機構(図示せず)を介して下部走行体1上に搭載される。上部旋回体2の左側前部にキャブ3が設けられる。上部旋回体2の前部中央にブーム4の一端が回動可能に取り付けられる。アーム5は、ブーム4の先端部に回動可能に取り付けられる。エンドアタッチメントであるバケット6は、アーム5の先端部に回動可能に取り付けられる。ブーム4、アーム5、及びバケット6はアタッチメントの一例である掘削アタッチメントを構成している。バケット6の代わりに、ブレーカ又は破砕機等のエンドアタッチメントがアーム5の先端部に取り付けられてもよい。
【0012】
上部旋回体2の後部には、エンジン8(図2参照)及びエンジン8に付随する構成部品が搭載されており、エンジン8及び構成部品を覆うようにエンジンフード200が取り付けられている。
【0013】
図2は上部旋回体2の概略構成を示す平面図である。図2に示すように、上部旋回体2の後部にはエンジンルーム7が形成されている。図2では、エンジンルーム7の範囲が一点鎖線で表されている。エンジンルーム7の上部は、図1に示すようなエンジンフード200等によって覆われているが、図2ではエンジンルーム7の内部を図示するためにエンジンフード200等の図示が省略された状態で示されている。
【0014】
図2に示すように、エンジンルーム7内には原動機の一例であるエンジン8が設置される。図示例では、エンジン8は、ディーゼルエンジンである。原動機は、電動モータ又は水素エンジン等であってもよい。
エンジン8には冷却ファン12が設けられ、ラジエータを含む熱交換装置13が冷却ファン12の左側(+Y側)に設置されている。
【0015】
熱交換装置13の前側(+X側)には、エアフィルタを含むエアクリーナ63が配置される。エアクリーナ63は吸気管64を介してエンジン8に接続されている。エアクリーナ63で濾過された空気は、吸気管64を通じてエンジン8に供給される。
【0016】
エンジン8には、排気ガスを放出するための排気管9が接続されている。排気管9の下流側の端部には排気ガス処理装置10が設置されている。本実施形態では、排気ガス処理装置10として、尿素水溶液(液体還元剤)を用いた尿素選択還元型のNOx処理装置が用いられる。なお、排気ガス処理装置10は、ディーゼル微粒子除去装置(DPD)であってもよく、消音機(サイレンサ)であってもよい。例えば、排気管9は、消音機に直接接続されていてもよい。
【0017】
キャブ3は上部旋回体2の前部の左側に配置されている。本実施形態では、上部旋回体2の前部とは、上部旋回体の中央から見てブーム4が取り付けられている側の部分である。
【0018】
エンジンルーム7の前方の右側には、油圧システムで用いられる作動油を貯蔵する作動油タンク120が配置されている。作動油タンク120の前方には軽油等の燃料を貯蔵する燃料タンク19が配置されている。燃料タンク19に貯蔵された燃料は、燃料供給管を介してエンジン8に供給される。
【0019】
燃料タンク19の前方には排気ガス処理装置10が使用する処理剤の一例である尿素水溶液(液体還元剤)を貯蔵する尿素水タンク20が配置されている。尿素水タンク20に貯蔵された処理剤は、尿素水供給ライン69(図4参照)により排気ガス処理装置10に供給される。
【0020】
ブーム4は、図2に示すように、上部旋回体2の旋回フレーム21の前部の中央に固定されたブーム支持ブラケット17によって回動可能に支持されている。具体的には、ブーム4は、ブーム支持ブラケット17を構成している右側ブラケット17Rと左側ブラケット17Lとの間に挟まれた状態で、右側ブラケット17R、ブーム4、及び左側ブラケット17Lを貫通して設けられるブームフートピン4Pにより支持される。
【0021】
エンジンルーム7には、燃料をエンジン8に供給するための燃料供給系の各種構成部品が配置されている。具体的には、プレフィルタ、燃料ポンプ、メインフィルタ、三方弁、及びそれらを接続する管がエンジンルーム7内に配置されている。より具体的には、燃料タンク19からエンジン8へ燃料を供給するための燃料供給管がエンジンルーム7内に延在し、燃料供給管の途中に、プレフィルタ、燃料ポンプ、メインフィルタ、及び三方弁等が設けられる。一方、三方弁は、戻り管を介して燃料タンク19に繋がれており、三方弁を切り替えて燃料を燃料タンク19に戻すことができる。
【0022】
また、エンジンルーム7には油圧ポンプ24が配置(図4参照)されている。油圧ポンプ24は、作動油供給管、作動油戻り管により作動油タンク120と接続されている。油圧ポンプ24は、作動油供給管から供給された作動油を、ショベル100内の油圧システムの各油圧要素を制御するコントロールバルブへと作動油ラインを介して供給する。また、油圧ポンプ24は、作動油戻り管を介して作動油を作動油タンク120へ戻すことができる。
【0023】
次に、排気ガス処理装置10について、図3を参照しながら詳細に説明する。図3は排気ガス処理装置10の構成例を示す図である。本実施形態では、排気ガス処理装置10はエンジン8から排出される排気ガスを浄化する。エンジン8は、制御モジュール60により制御される。
【0024】
エンジン8から排出される排気ガスは、ターボチャージャ61を通じて排気管9に流れる。そして、排気ガスは、排気管9から排気ガス処理装置10に流入する。そして、排気ガスは、排気ガス処理装置10において浄化された後で大気に放出される。
【0025】
一方、エアクリーナ63を通じて吸気管64内に導入された吸入空気は、ターボチャージャ61と熱交換装置13に含まれるインタークーラ65とを通過してエンジン8に供給される。
【0026】
排気管9には、第1排気処理部として、排気ガス中の粒子状物質を捕集する微粒子フィルタ66であるディーゼルパティキュレートフィルタと、第2排気処理部として、排気ガス中のNOxを還元除去する選択触媒還元装置67とが直列に設けられている。微粒子フィルタ66と選択触媒還元装置67との間は、排気管9Aにより接続されている。第1排気処理部として、微粒子フィルタ66の他に、ディーゼル酸化触媒装置を設けてもよい。
【0027】
選択触媒還元装置67は、液体還元剤の供給を受けて排気ガス中のNOxを連続的に還元することでNOxを除去する。本実施形態では取り扱いの容易さの観点から、液体還元剤として尿素水が用いられている。しかし、NOxを連続的に還元することのできる処理剤であれば、尿素水以外の他の処理剤が用いられてもよい。
【0028】
排気管9における選択触媒還元装置67の上流側には、選択触媒還元装置67に尿素水を供給するための尿素水噴射弁68が設けられる。尿素水噴射弁68は、尿素水供給ライン69を介して尿素水タンク20に接続される。
【0029】
尿素水供給ライン69には尿素水供給ポンプ70が設けられる。尿素水タンク20と尿素水供給ポンプ70との間にはフィルタ71が設けられる。尿素水タンク20内に貯留された尿素水は、尿素水供給ポンプ70により尿素水噴射弁68に供給される。そして、尿素水は、尿素水噴射弁68から排気管9における選択触媒還元装置67の上流位置において排気管9内に噴射される。
【0030】
尿素水噴射弁68から噴射された尿素水は、選択触媒還元装置67に供給される。供給された尿素水は、選択触媒還元装置67内において加水分解されてアンモニアが生成される。生成されたアンモニアは選択触媒還元装置67内で排気ガスに含まれるNOxを還元する。これによりエンジン8から排出された排気ガスが浄化される。
【0031】
第1のNOxセンサ72は、尿素水噴射弁68の上流側に配設される。第2のNOxセンサ73は、選択触媒還元装置67の下流側に配設される。第1のNOxセンサ72及び第2のNOxセンサ73は、各々の配設位置における排気ガスに含まれるNOxの濃度を検出する。
【0032】
尿素水タンク20には尿素水残量センサ74が配設される。尿素水残量センサ74は、尿素水タンク20内の尿素水の残量を検出する。
【0033】
第1のNOxセンサ72、第2のNOxセンサ73、尿素水残量センサ74、尿素水噴射弁68、及び尿素水供給ポンプ70は、排気ガスコントローラ75に接続される。排気ガスコントローラ75は、第1のNOxセンサ72及び第2のNOxセンサ73のそれぞれで検出されるNOx濃度に基づき、尿素水噴射弁68及び尿素水供給ポンプ70により適正量の尿素水が噴射されるよう噴射量制御を行う。
【0034】
排気ガスコントローラ75は、尿素水残量センサ74から出力される尿素水の残量に基づき、尿素水タンク20の全容積に対する尿素水の残量の割合を算出する。本実施形態では、尿素水タンク20の全容積に対する尿素水の残量の割合を尿素水残量比と定義する。例えば、尿素水残量比50%は、尿素水タンク20の容量の半分の尿素水が尿素水タンク20内に残存していることを示す。
【0035】
排気ガスコントローラ75は、通信手段によりエンジン8の制御を行う制御モジュール60に接続されている。また、制御モジュール60は通信手段によりショベルコントローラ76に接続されている。
【0036】
排気ガスコントローラ75が有している排気ガス処理装置10の各種情報は、ショベルコントローラ76も共有し得る。図示例では、制御モジュール60、排気ガスコントローラ75、及びショベルコントローラ76のそれぞれは、CPU、RAM、ROM、入出力ポート、及び記憶装置等を含むマイクロコンピュータである。
【0037】
ショベルコントローラ76には、表示装置としてのモニター77が接続される。モニター77には、例えば、警告及び運転条件表示等の情報又はデータが表示される。
【0038】
図4はエンジンルーム7の内部の概略構成を示すエンジンルーム7の側面図である。図4は、上部旋回体2の後側(-X側)から視たときのエンジンルーム7を示している。
【0039】
エンジンルーム7内には、エンジン8、排気ガス処理装置10、熱交換装置13、及びハウスフレーム31等が配設されている。
【0040】
エンジン8は、旋回フレーム21に配設されたエンジン取り付け座22の上部に、マウント23を介して支持されている。マウント23は防振マウントであり、エンジン8で発生する振動が旋回フレーム21に伝達されるのを防止している。
【0041】
エンジン8の+Y側(左側)には、冷却ファン12が配設されている。また、冷却ファン12の+Y側(左側)には熱交換装置13が配設されている。
【0042】
冷却ファン12は、エンジン8により回転駆動される。冷却ファン12が回転駆動されることより、外気が冷却風としてエンジンルーム7内に取り込まれる。熱交換装置13は、このエンジンルーム7に取り込まれた冷却風により熱交換処理を行う。
【0043】
熱交換装置13は、エンジン8内を流れる冷却水を冷却するラジエータ、ブームシリンダ、アームシリンダ、及びバケットシリンダ等の油圧機器で用いられる作動油の放熱を行うためのオイルクーラ、並びに、エンジン8に供給される空気を冷却するためのインタークーラが並設された冷却ユニット13Aと、燃料タンク19に戻る余剰燃料を冷却する燃料クーラ13Bと、エアコン用のコンデンサ13Cとを有して構成されている。
【0044】
また、エンジン8の-Y側には、油圧ポンプ24が一体的に取り付けられている。油圧ポンプ24は、アタッチメントを駆動するブームシリンダ、アームシリンダ、及びバケットシリンダ等の油圧源である。油圧ポンプ24はエンジン8により駆動される。
【0045】
排気ガス処理装置10は、エンジン8から排出される排気ガスを浄化する装置であるため、エンジン8の近傍位置に配設される。また、冷却風の流れ方向においてエンジン8の上流側には熱交換装置13が配設されるため、排気ガス処理装置10はエンジン8の下流側に配設される。
【0046】
本実施形態では、排気ガス処理装置10は、ハウスフレーム31に取り付けられ、ハウスフレーム31によって支持されるように構成されている。また、仮に排気ガス処理装置10を構成する微粒子フィルタ66と選択触媒還元装置67をX軸方向(前後方向)に一列に並べて配設した場合、その幅はエンジン8の幅に比べて長くなってしまい、エンジンルーム7のコンパクト化が図れない。このため、本実施形態では、排気ガス処理装置10は、微粒子フィルタ66と選択触媒還元装置67とが分離されて略平行となるよう並設された構成となっている。
【0047】
エンジンルーム7は、下部が旋回フレーム21に覆われ、側面及び上面の一部が外装カバー18により覆われ、上面開口がエンジンフード200により覆われている。外装カバー18は、上部旋回体2の側面を覆うサイドカバー18Aと、上面を覆う天井カバー18Bとを含む。なお、図4では、外装カバー18、旋回フレーム21、及びエンジンフード200は断面で示されている。
【0048】
次に、図5及び図6を参照し、エンジン8を冷却する冷却水を循環させるウォータポンプ50の構成例について説明する。図5は、ウォータポンプ50の断面図である。具体的には、図5は、図4の破線で囲まれた範囲R1内の、YZ平面に平行な仮想平面におけるウォータポンプ50の断面図である。図6は、エンジン8に取り付けられたウォータポンプ50の斜視図である。なお、図6では、明瞭化のため、エンジン8の詳細な構造の図示は省略されている。また、図6では、明瞭化のため、図5の一点鎖線L1で示す仮想平面よりも左側(+Y側)にある部分の図示は省略され、仮想平面上にある断面の詳細の図示も省略されている。
【0049】
図5に示すように、ウォータポンプ50は、ハウジング51、回転シャフト52、フィン53、回転連結部54、軸受55、及び軸シール56を含む。
【0050】
ハウジング51は、ウォータポンプ50を構成する静止部材である。図示例では、ハウジング51は金属で形成されている。
【0051】
回転シャフト52は、フィン53の回転軸として機能するように構成された棒状部材である。図示例では、回転シャフト52は、ハウジング51の内部に設置された軸受55によって回転可能に支持されている。また、回転シャフト52は、冷却ファン12の回転軸としても機能するように構成されている。
【0052】
フィン53は、流入管CDを通じてウォータポンプ50内に冷却水を引き込むための部材である。図示例では、フィン53は金属で形成されている。なお、フィン53は、合成樹脂等の他の材料で形成されていてもよい。
【0053】
回転連結部54は、回転シャフト52と冷却ファン12及びプーリ40のそれぞれとを連結するための部材である。図示例では、回転連結部54は、回転シャフト52とともに回転するように回転シャフト52の左端部(+Y側の端部)に固定されている。また、回転連結部54は、締結部材BTの一例であるボルトによって冷却ファン12及びプーリ40のそれぞれに固定されている。
【0054】
軸受55は、回転シャフト52を回転可能に支持する部材である。図示例では、軸受55は、第1軸受55A、第2軸受55B、及び第3軸受55Cを含む。第1軸受55A、第2軸受55B、及び第3軸受55Cのそれぞれは、例えば、アンギュラ玉軸受である。
【0055】
軸シール56は、ウォータポンプ50のポンプ室51P内にある冷却水が漏れ出すのを抑制するための部材である。図示例では、軸シール56は、メカニカルシールである。図5では、明瞭化のため、軸シール56にはクロスハッチングが付され、軸シール56の詳細な形状の図示は省略されている。
【0056】
具体的には、軸シール56は、スプリングによって軸方向に移動可能なシールリングと、静止部材側に取り付けられるメイティングリングとを含む。シールリングとメイティングリングとは、相対的に回転しながら、回転軸に垂直な摺動面で互いに接触することにより、ウォータポンプ50内の冷却水が軸シール56を介して漏れ出すのを抑制する。
【0057】
ウォータポンプ50のハウジング51には、軸シール56を介して漏れ出した冷却水が入る内部空間51Sが形成されている。内部空間51Sは「水抜きスペース」とも称される。軸シール56を介して漏れ出した冷却水は、内部空間51Sを通って外部空間に排出される。しかしながら、内部空間51Sに滞留する冷却水の量が増えると、内部空間51Sに隣接して配置されている軸受55と内部空間51Sに滞留している冷却水とが接触してしまうおそれがある。軸受55にはグリスが塗布されているが、冷却水に接触すると腐食してしまうおそれがある。そのため、内部空間51Sの下方に位置するハウジング51の下部には、冷却水が速やかに外部空間に排出されるよう、内部空間51Sと外部空間とを繋ぐ貫通孔51Hの一例である下側貫通孔51HDが形成されている。下側貫通孔51HDは、内部空間51Sに入った冷却水を排出するための孔であり、「水抜き孔」とも称される。貫通孔51Hは、内部空間51S内に滞留する冷却水の量が過度に大きくなってしまうのを抑制できる。但し、貫通孔51Hの外側開口にある冷却水に粉塵等の異物が付着すると、冷却水に付着した異物は大きな塊となって外側開口を塞いでしまうおそれがある。そのため、下側貫通孔51HDの外側開口には金属製のドレインパイプ81が接続されている。また、ドレインパイプ81の外側端部には可撓性のホース80が取り付けられている。また、ホース80の外側端部には、栓PLの一例である下側栓PLDが取り付けられている。この構成は、貫通孔51Hの外側開口に異物が付着するのを抑制し、ひいては、異物によって外側開口が塞がれてしまうのを抑制できる。
【0058】
また、内部空間51Sの上方に位置するハウジング51の上部には、内部空間51Sと外部空間とを繋ぐ貫通孔51Hの別の一例である上側貫通孔51HUが形成されている。上側貫通孔51HUは、内部空間51Sに空気を送り込むための孔である。また、上側貫通孔51HUの外側開口には金属製のパイプ91が接続されている。また、パイプ91の外側端部には可撓性のホース90が取り付けられている。また、ホース90の外側端部には、栓PLの別の一例である上側栓PLUが取り付けられている。この構成は、上側貫通孔51HUを通じて吹き込まれる空気により、内部空間51Sに滞留している冷却水が下側貫通孔51HDを通じて吹き出されるのを可能にするという効果をもたらす。なお、上側貫通孔51HUを通じて空気が吹き込まれる際には、ホース80の外側端部は、下側栓PLDから取り外される。
【0059】
なお、以下では、ホース80及びドレインパイプ81の組み合わせは「上側管TBU」とも称され、ホース90及びパイプ91の組み合わせは「下側管TBD」とも称される。そして、上側管TBU及び下側管TBDは「管TB」とも称される。また、ドレインパイプ81及びパイプ91の少なくとも一つは、ウォータポンプ50のハウジング51に一体化されていてもよい。
【0060】
プーリ40は、ベルトBLを介して軸から軸へ回転力を伝える機械部品である。図示例では、プーリ40は、図6に示すように、ウォータポンプ50の回転軸である回転シャフト52(図5参照)に取り付けられる第1プーリ40Aと、エンジン8の回転軸に取り付けられる第2プーリ40Bと、発電機であるオルタネータANの回転軸に取り付けられる第3プーリ40Cとを含む。ベルトBLは、三つのプーリ40(第1プーリ40A、第2プーリ40B、及び第3プーリ40C)のそれぞれに掛け渡されている。この構成により、プーリ40は、エンジン8の回転軸からウォータポンプ50及びオルタネータANのそれぞれの回転軸に回転力を伝えることができる。
【0061】
フライホイール43は、エンジン8の回転速度を安定化させる機械部品である。図示例では、フライホイール43は、第2プーリ40Bの右側(-Y側)においてエンジン8の回転軸に取り付けられている。
【0062】
次に、図6図7、及び図8を参照し、下側管TBDを構成しているホース80の配策について説明する。図7は、エンジン8に沿って配策される下側管TBDの斜視図である。具体的には、図7の左図は、図6の破線で囲まれた範囲R2内の部分を斜め下側から見たときの下側管TBDの斜視図である。図7の右図は、下側管TBDの別の構成例の斜視図である。なお、図7では、明瞭化のため、第2プーリ40B及びベルトBLの図示は省略されている。図8は、下側栓PLDに接続された下側管TBDの斜視図である。具体的には、図8は、図6の破線で囲まれた範囲R3の部分を斜め上側から見たときのホース80(下側管TBD)の外側端部の斜視図である。
【0063】
図7の左図に示すように、下側管TBDのホース80は、耐熱性のゴム又は合成樹脂等で形成された可撓性の管であり、固定具FMによって固定されている。
【0064】
固定具FMは、エンジン8の表面に沿うように且つエンジン8の表面に接触しないようにホース80を固定できるように構成されている。エンジン8と下側管TBD(ホース80)とを一緒に振動させることにより、エンジン8と下側管TBD(ホース80)とが別々に振動することでエンジン8と下側管TBD(ホース80)とが接触して下側管TBD(ホース80)が損傷してしまうのを抑制するためである。図示例では、固定具FMは、薄い金属板で形成されたクリップであり、ボルト又はネジ等の締結部材BTを受け入れる貫通孔を有し、締結部材BTによってエンジン8に固定されている。
【0065】
具体的には、図7の左図に示すように、固定具FMは、第1クリップFM1、第2クリップFM2、及び第3クリップFM3を含み、締結部材BTは、第1ボルトBT1、第2ボルトBT2、及び第3ボルトBT3を含む。図示例では、第1クリップFM1、第2クリップFM2、及び第3クリップFM3は、金属板に曲げ加工を施すことによって形成された部材であり、同じ大きさ及び同じ形状を有する。そして、第1クリップFM1は、第1ボルトBT1によってエンジン8に固定され、第2クリップFM2は、第2ボルトBT2によってエンジン8に固定され、第3クリップFM3は、第3ボルトBT3によってエンジン8に固定されている。第1クリップFM1、第2クリップFM2、及び第3クリップFM3のそれぞれは、折り曲げられた部分にホース80を挟み込むことにより、ホース80を固定できる。
【0066】
下側管TBDのホース80は、図7の右図に示すように、耐熱性のゴム又は合成樹脂で形成された可撓性の管と金属管との組み合わせであってもよい。具体的には、図7の右図に示すホース80は、第1可撓性管80A、金属管80B、及び第2可撓性管80Cの組み合わせで構成される点で、図7の左図に示すホース80とは異なる。また、図7の右図に示す固定具FMは、金属管80Bに一体化されている点で、図7の左図に示すホース80とは異なる。
【0067】
図7の右図に示す例では、固定具FMは、金属管80Bの外周面から外に延びるように形成された平板状の舌部であり、ボルト又はネジ等の締結部材BTを受け入れる貫通孔を有し、締結部材BTによってエンジン8に固定されている。
【0068】
具体的には、図7の右図に示すように、固定具FMは、第1舌部FM11及び第2舌部FM12を含み、締結部材BTは、第1ボルトBT11及び第2ボルトBT12を含む。そして、第1舌部FM11は、第1ボルトBT11によってエンジン8に固定され、第2舌部FM12は、第2ボルトBT12によってエンジン8に固定されている。図示例では、第1舌部FM11及び第2舌部FM12は、同じ大きさ及び同じ形状を有する。
【0069】
なお、図7の左図に示す例では、ホース80は、三つの固定具FMによってエンジン8に固定されているが、一つ若しくは二つ又は四つ以上の固定具FMによってエンジン8に固定されていてもよい。同様に、図7の右図に示す例では、ホース80は、二つの固定具FMによってエンジン8に固定されているが、一つ又は三つ以上の固定具FMによってエンジン8に固定されていてもよい。
【0070】
下側管TBDのホース80の外側端部は、図8に示すように、上部旋回体2の底面(+Z側の面)から上方に延びる棒状の金属部材である下側栓PLDに取り付けられている。
【0071】
図示例では、下側栓PLDは、L字状に折り曲げられた金属棒であり、上部旋回体2の旋回フレーム21の上面(+Z側の面)に溶接されている。下側栓PLDは、上方に突出した後で垂直に折れ曲がり、+X方向に延びるように構成されている。そして、+X方向に延びる下側栓PLDの上端部はホース80の外側端部に挿し込まれている。この構成では、ホース80は、アンダーカバー25が外されるときにアンダーカバー25と一緒に下方に引っ張られてしまうことはない。
【0072】
この構成は、ホース80の外側端部が揺れ動いてしまうのを抑制でき、且つ、ホース80の外側端部から冷却水が撒き散らされて旋回フレーム21の上面又はアンダーカバー25の上面等に付着してしまうのを抑制できる。
【0073】
また、下側栓PLDは、アンダーカバー25に形成されたメンテナンスホールMHの近くに設けられている。上部旋回体2の下方の空間にいる作業者がメンテナンスホールMHに手を入れ、ホース80の外側端部を下側栓PLDから引き抜くことができるようにするためである。なお、メンテナンスホールMHは、上部旋回体2の内部空間と外部空間とを繋ぐ、アンダーカバー25に形成された貫通孔であり、上部旋回体2の下方の空間で作業する作業者が取り外し可能な底蓋26によって塞がれている。具体的には、作業者は、メンテナンスホールMHを覆う底蓋26を取り外してメンテナンスホールMHに手を入れてホース80の外側端部を下側栓PLDから引き抜いた後で、ホース80の外側端部を上部旋回体2の外に引き出すことができる。この作業により、作業者は、ホース80及び内部空間51Sの少なくとも一方の内部に滞留している冷却水を上部旋回体2の外に排出することができる。なお、下側栓PLDは、上部旋回体2のアンダーカバー25の上面(+Z側の面)に溶接されていてもよい。この構成では、ホース80は、底蓋26が外されるときに底蓋26と一緒に下方に引っ張られてしまうことはない。図8に示す例では、底蓋26は、アンダーカバー25の上面に溶接されたナットNT(第1ナットNT21及び第2ナットNT22)と締結部材BT(第1底板ボルトBT21及び第2底板ボルトBT22)とによってアンダーカバー25の下面に取り付けられている。
【0074】
なお、下側栓PLDは、底蓋26の上面(+Z側の面)に溶接されていてもよい。この場合、ホース80は、底蓋26が外されて下方に動かされたときであっても過度に引っ張られることがないよう、長めに形成されていてもよい。また、ホース80の外側端部にはダックビルバルブ等の可撓性の逆止弁が取り付けられていてもよい。この場合、作業者は、逆止弁の先端部を指で摘まむことにより、逆止弁を開いてホース80及び内部空間51Sの少なくとも一方の内部に滞留している冷却水を外に排出できる。
【0075】
次に、図6及び図9を参照し、上側管TBUを構成しているホース90の配策について説明する。図9は、上部旋回体2の後端上部(エンジン8が収容されている部分)をエンジンフード200の前方に位置する斜め上の視点から見たときの上部旋回体2の後端上部の斜視図である。具体的には、図9は、エンジンフード200が開放されてエンジン8の上部が露出した状態を示している。なお、図6及び図9は、互いに異なる位置に設けられた上側栓PLUによってホース90の外側端部が固定される様子を示している。
【0076】
上側管TBUのホース90は、耐熱性のゴム又は合成樹脂で形成された可撓性の管である。図6に示す例では、ホース90の外側端部は、上部旋回体2の天井面に設けられた上側栓PLUに取り付けられている。上側栓PLUは、上部旋回体2の天井面に固定された円筒状のラバーキャップである。作業者は、ホース90の外側端部を上側栓PLUに挿し込むことにより、ホース90の外側端部を固定できる。なお、作業者は、エンジンフード200を開くことによって上側栓PLUに挿し込まれているホース90にアクセスできる。そして、作業者は、エアブローガン等によってホース90の外側端部からウォータポンプ50のハウジング51の内部空間51Sに圧縮空気を送り込むことができる。
【0077】
また、図6に示す例では、ホース90は、ホース80のようには固定具FMによる固定が行われていないが、ホース80と同じように、エンジン8の表面に沿うように且つエンジン8の表面に接触しないように固定具FMによって固定されていてもよい。
【0078】
図9に示す例では、上側管TBUを構成しているホース90の外側端部は、上部旋回体2の上面に設けられた上側栓PLUに取り付けられている。図9に示す上側栓PLUは、作業用の足場として機能する上部旋回体2の上面の一部である突出台TFの上面から上方に突出する棒状の金属部材である。具体的には、図9に示す上側栓PLUは、エンジンフード200が開けられたときに露出する位置に設けられている。すなわち、突出台TF及び上側栓PLUは、エンジンフード200が閉じられているときには外部に露出しておらず、エンジンフード200によって覆われている。作業者は、エンジンフード200が開けられた状態で、突出台TFの上面から上方に延びるように設けられた上側栓PLUからホース90の外側端部を引き抜くことができる。そして、作業者は、エアブローガン等によってホース90の外側端部からウォータポンプ50のハウジング51の内部空間51Sに圧縮空気を送り込むことができる。
【0079】
この構成により、作業者は、下側管TBD(ホース80)の外側端部を下側栓PLDから取り外した状態で、上側管TBU(ホース90)の外側端部から圧縮空気を吹き込むことにより、内部空間51S内に滞留している冷却水等を外に排出することができる。
【0080】
上述のように、本開示の実施形態に係るショベル100は、下部走行体1と、下部走行体1に旋回可能に搭載される上部旋回体2と、上部旋回体2に搭載される原動機(エンジン8)と、原動機(エンジン8)に設けられるウォータポンプ50と、を有する。ウォータポンプ50のハウジング51には、図5に示すように、ウォータポンプ50の内部空間51Sと外部空間とを繋ぐ貫通孔51Hが設けられている。そして、貫通孔51Hには、管TBが取り付けられている。
【0081】
この構成では、例えば、貫通孔51Hとしての下側貫通孔51HD(水抜き孔)に管TBとしての下側管TBDが取り付けられている場合、下側管TBDによって水抜き孔の外側開口が覆われるため、水抜き孔の外側開口に粉塵等の異物が付着するのが抑制される。そのため、この構成は、粉塵等の異物による水抜き孔の閉塞を抑制することができる。
【0082】
また、この構成では、例えば、貫通孔51Hとしての上側貫通孔51HUに管TBとしての上側管TBUが取り付けられている場合、作業者は、上側管TBUを通じて内部空間51S内に空気を送り込むことができる。そのため、作業者は、内部空間に滞留している冷却水を水抜き孔の外側開口を通じて外に押し出すことができる。したがって、この構成は、粉塵等の異物による水抜き孔の閉塞を抑制することができる。
【0083】
なお、上述の実施形態では、ウォータポンプ50のハウジング51には上側貫通孔51HU及び下側貫通孔51HDが形成されているが、上側貫通孔51HUは省略されてもよい。上側貫通孔51HUが形成されていなくとも、下側貫通孔51HDとしての水抜き孔の外側開口に下側管TBDが取り付けられることにより、水抜き孔の外側開口への異物の付着が抑制されるためである。
【0084】
また、管TBの外側端部には栓PLが取り付けられていてもよい。図6に示す例では、管TBの一例である上側管TBUの外側端部には栓PLの一例である上側栓PLUが取り付けられている。また、図6に示す例では、管TBの別の一例である下側管TBDの外側端部には栓PLの別の一例である下側栓PLDが取り付けられている。この構成は、管TBの外側端部を通じて粉塵等の異物がウォータポンプ50内に入るのを抑制できるという効果をもたらす。
【0085】
また、管TBは、原動機(エンジン8)に沿って上方又は下方に向かって配策されていてもよい。図6に示す例では、上側管TBUは、エンジン8に沿って上方に向かって配策されている。また、図6及び図7に示す例では、下側管TBDは、エンジン8に沿って下方に向かって配策されている。この構成は、管TBが他の部材と接触して損傷してしまうのを抑制できるという効果をもたらす。
【0086】
また、管TBの外側端部は、上部旋回体2の底部に固定されていてもよい。図8に示す例では、下側管TBDの外側端部は、上部旋回体2の旋回フレーム21の上面から上方に延びる下側栓PLDが挿し込まれている。この構成は、下側管TBDの外側端部が揺れ動いてしまうのを抑制でき、且つ、下側管TBDの外側端部から冷却水が撒き散らされて旋回フレーム21の上面又はアンダーカバー25の上面に付着してしまうのを抑制できるという効果をもたらす。
【0087】
また、管TBは、固定具FMによって原動機(エンジン8)に沿うように配策されていてもよい。図7に示す例では、下側管TBDは、複数の固定具FMにより、エンジン8の表面に沿うように且つエンジン8の表面に接触しないように固定されている。この構成は、下側管TBDがエンジン8又はエンジン8の周辺にある部材に接触して損傷してしまうのを抑制できるという効果をもたらす。
【0088】
また、ウォータポンプ50は、原動機(エンジン8)を冷却する冷却ファン12と原動機(エンジン8)との間に配置されていてもよい。この構成は、冷却ファン12の回転軸とウォータポンプ50の回転軸とを一体化できるという効果をもたらす。
【0089】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形、置換等が適用され得る。また、別々に説明された特徴は、技術的な矛盾が生じない限り、組み合わせが可能である。
【符号の説明】
【0090】
1・・・下部走行体 2・・・上部旋回体 3・・・キャブ 4・・・ブーム 4P・・・ブームフートピン 5・・・アーム 6・・・バケット 7・・・エンジンルーム 8・・・エンジン 9、9A・・・排気管 10・・・排気ガス処理装置 12・・・冷却ファン 13・・・熱交換装置 13A・・・冷却ユニット 13B・・・燃料クーラ 13C・・・コンデンサ 17・・・ブーム支持ブラケット 17L・・・左側ブラケット 17R・・・右側ブラケット 18・・・外装カバー 18A・・・サイドカバー 18B・・・天井カバー 19・・・燃料タンク 20・・・尿素水タンク 21・・・旋回フレーム 22・・・エンジン取り付け座 23・・・マウント 24・・・油圧ポンプ 25・・・アンダーカバー 26・・・底蓋 31・・・ハウスフレーム 40・・・プーリ 40A・・・第1プーリ 40B・・・第2プーリ 40C・・・第3プーリ 43・・・フライホイール 50・・・ウォータポンプ 51・・・ハウジング 51H・・・貫通孔 51HD・・・下側貫通孔 51HU・・・上側貫通孔 51P・・・ポンプ室 51S・・・内部空間 52・・・回転シャフト 53・・・フィン 54・・・回転連結部 55・・・軸受 55A・・・第1軸受 55B・・・第2軸受 55C・・・第3軸受 56・・・軸シール 60・・・制御モジュール 61・・・ターボチャージャ 63・・・エアクリーナ 64・・・吸気管 65・・・インタークーラ 66・・・微粒子フィルタ 67・・・選択触媒還元装置 68・・・尿素水噴射弁 69・・・尿素水供給ライン 70・・・尿素水供給ポンプ 71・・・フィルタ 72・・・第1のNOxセンサ 73・・・第2のNOxセンサ 74・・・尿素水残量センサ 75・・・排気ガスコントローラ 76・・・ショベルコントローラ 77・・・モニター 80・・・ホース 80A・・・第1可撓性管 80B・・・金属管 80C・・・第2可撓性管 81・・・ドレインパイプ 90・・・ホース 91・・・パイプ 100・・・ショベル 200・・・エンジンフード AN・・・オルタネータ BL・・・ベルト BT・・・締結部材 BT1・・・第1ボルト BT2・・・第2ボルト BT3・・・第3ボルト BT11・・・第1ボルト BT12・・・第2ボルト BT21・・・第1底板ボルト BT22・・・第2底板ボルト CD・・・流入管 FM・・・固定具 FM1・・・第1クリップ FM2・・・第2クリップ FM3・・・第3クリップ FM11・・・第1舌部 FM12・・・第2舌部 MH・・・メンテナンスホール NT・・・ナット NT21・・・第1ナット NT22・・・第2ナット PL・・・栓 PLD・・・下側栓 PLU・・・上側栓 TB・・・管 TBD・・・下側管 TBU・・・上側管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9