(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063361
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】電子部品、センサーモジュール、及び電子部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
G01C 19/5783 20120101AFI20240502BHJP
H01L 25/00 20060101ALI20240502BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
G01C19/5783
H01L25/00 A
H05K1/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171237
(22)【出願日】2022-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】近藤 学
【テーマコード(参考)】
2F105
5E338
【Fターム(参考)】
2F105BB12
2F105BB15
2F105CD13
5E338AA12
5E338BB19
5E338BB54
5E338BB72
5E338BB75
5E338EE27
5E338EE60
(57)【要約】
【課題】電気的接続信頼性の高い電子部品、センサーモジュール、及び電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】電子部品は、表裏関係にある第1面21aと第2面21bとを有するフレキシブル配線板21及び第1開口部23を有しフレキシブル配線板21の第1面21aに接合した支持板22を備えた基板20と、基板20に配置された第1部品及び第2部品と、を備え、基板20は、第1面21aが互いに直交する第1方向及び第2方向に沿った第1領域26と、第1領域26の第1方向における一方側に配置され、第1面21aが第1方向及び第2方向と直交する第3方向に沿った第2領域27と、第1領域26と第2領域27との間に位置し、支持板22側が内側となるように折り曲げられた第1接続領域29と、を含み、第1部品は、第1開口部23を介して第1領域26の第1面21aに取り付けられており、第2部品は、第2領域27に取り付けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏関係にある第1面と第2面とを有するフレキシブル配線板及び第1開口部を有し前記フレキシブル配線板の前記第1面に接合された支持板を備えた基板と、
前記基板に配置された第1部品及び第2部品と、を備え、
前記基板は、
前記第1面が互いに直交する第1方向及び第2方向に沿った第1領域と、
前記第1領域の前記第1方向における一方側に配置され、前記第1面が前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向に沿った第2領域と、
前記第1領域と前記第2領域との間に位置し、前記支持板側が内側となるように折り曲げられた第1接続領域と、を含み、
前記第1部品は、前記第1開口部を介して前記第1領域の前記第1面に取り付けられており、
前記第2部品は、前記第2領域に取り付けられている、
電子部品。
【請求項2】
前記第2部品は、前記第2領域の前記第2面に取り付けられている、
請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記支持板は、前記第2領域に第2開口部を備え、
前記第2部品は、前記第2領域の前記第2開口部を介して前記第1面に取り付けられている、
請求項1に記載の電子部品。
【請求項4】
前記基板は、
前記第1領域の前記第2方向における一方側に配置され、前記第1面が前記第3方向に沿った第3領域と、
前記第1領域と前記第3領域との間に位置し、前記支持板側が内側となるように折り曲げられた第2接続領域と、を含み、
前記第3領域に取り付けられている第3部品を有する、
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の電子部品。
【請求項5】
前記第3部品は、前記第3領域の前記第2面に取り付けられている、
請求項4に記載の電子部品。
【請求項6】
前記支持板は、前記第3領域に第3開口部を備え、
前記第3部品は、前記第3領域の前記第3開口部を介して前記第1面に取り付けられている、
請求項4に記載の電子部品。
【請求項7】
前記第1部品、前記第2部品、及び前記第3部品は、それぞれ、前記第1面に取り付けられた実装面、前記実装面とは反対側のリッド面、前記実装面と前記リッド面とを繋いでいる側面、及び前記実装面から前記側面に亘って配置された端子、を備え、
前記端子と前記フレキシブル配線板の配線とは、導電性接合材を介して電気的に接続されている、
請求項4に記載の電子部品。
【請求項8】
前記第1接続領域における前記支持板の厚みは、前記第1領域及び前記第2領域における前記支持板の厚みよりも薄い、
請求項3に記載の電子部品。
【請求項9】
前記第2領域の前記第2開口部は、前記第2領域から前記第1接続領域に亘って配置されており、
前記第1接続領域における前記フレキシブル配線板の前記第2方向に沿った長さは、前記第1接続領域における前記第2開口部の前記第2方向に沿った長さの範囲内にある、
請求項3に記載の電子部品。
【請求項10】
表裏関係にある第1面と第2面とを有するフレキシブル配線板及び第1開口部を有し前記フレキシブル配線板の前記第1面に接合された支持板を備えた基板と、
前記基板に配置された第1センサーデバイス及び第2センサーデバイスと、を備え、
互いに直交する3つの軸をX軸、Y軸、Z軸としたとき、
前記第1センサーデバイスは、第1センサー素子及び前記第1センサー素子を収容し前記X軸及び前記Y軸に沿った面と前記Z軸に沿った厚さとを有する第1パッケージを含み、前記第1パッケージの前記厚さの方向が、前記基板に取り付けられた前記第1パッケージの実装面に対して交差しており、
前記第2センサーデバイスは、第2センサー素子及び前記第2センサー素子を収容し前記Y軸及び前記Z軸に沿った面と前記X軸に沿った厚さとを有する第2パッケージを含み、前記第2パッケージの前記厚さの方向が、前記基板に取り付けられた前記第2パッケージの実装面に対して交差しており、
前記基板は、
前記第1面が互いに直交する第1方向及び第2方向に沿った第1領域と、
前記第1領域の前記第1方向における一方側に配置され、前記第1面が前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向に沿った第2領域と、
前記第1領域と前記第2領域との間に位置し、前記支持板側が内側となるように折り曲げられた第1接続領域と、を含み、
前記第1センサーデバイスは、前記第1開口部を介して前記第1領域の前記第1面に取り付けられており、
前記第2センサーデバイスは、前記第2領域に取り付けられている、
センサーモジュール。
【請求項11】
前記第2センサーデバイスは、前記第2領域の前記第2面に取り付けられている、
請求項10に記載のセンサーモジュール。
【請求項12】
前記支持板は、前記第2領域に第2開口部を備え、
前記第2センサーデバイスは、前記第2領域の前記第2開口部を介して前記第1面に取り付けられている、
請求項10に記載のセンサーモジュール。
【請求項13】
前記基板は、
前記第1領域の前記第2方向における一方側に配置され、前記第1面が前記第3方向に沿った第3領域と、
前記第1領域と前記第3領域との間に位置し、前記支持板側が内側となるように折り曲げられた第2接続領域と、を含み、
前記第3領域に取り付けられている第3センサーデバイスを有し、
前記第3センサーデバイスは、第3センサー素子及び前記第3センサー素子を収容し前記X軸及び前記Z軸に沿った面と前記Y軸に沿った厚さとを有する第3パッケージを含み、
前記第3パッケージの前記厚さの方向は、前記基板に取り付けられた前記第3パッケージの実装面に対して交差している、
請求項10乃至請求項12の何れか一項に記載のセンサーモジュール。
【請求項14】
前記支持板は、前記第3領域に第3開口部を備え、
前記第3センサーデバイスは、前記第3領域の前記第3開口部を介して前記第1面に取り付けられている、
請求項13に記載のセンサーモジュール。
【請求項15】
表裏関係にある第1面と第2面とを有するフレキシブル配線板と、第1部品及び第2部品とを準備し、前記フレキシブル配線板の前記第1面に前記第1部品を取り付け、前記第1面又は前記第2面に前記第2部品を取り付ける部品取り付け工程と、
第1開口部を有する支持板を準備し、前記第1開口部内に前記第1部品が配置されるよう、前記支持板を前記フレキシブル配線板の前記第1面に接合して基板を形成する基板形成工程と、
前記基板を、前記第1部品を含む第1領域と、前記第2部品を含む第2領域との間の第1接続領域を前記支持板側が内側となるように折り曲げる折り曲げ工程と、を含む、
電子部品の製造方法。
【請求項16】
前記支持板は、前記第2領域に第2開口部を備え、
前記部品取り付け工程において、前記第2部品は、前記フレキシブル配線板の前記第1面に取り付けられ、
前記基板形成工程において、前記第2領域の前記第2開口部内に前記第2部品が配置されるよう、前記支持板を前記フレキシブル配線板の前記第1面に接合する、
請求項15に記載の電子部品の製造方法。
【請求項17】
前記部品取り付け工程において、前記フレキシブル配線板の前記第1面又は前記第2面に第3部品が取り付けられ、
前記折り曲げ工程において、前記第3部品を含む第3領域と前記第1領域との間の第2接合領域を前記支持板側が内側となるように折り曲げる、
請求項15に記載の電子部品の製造方法。
【請求項18】
前記支持板は、前記第3領域に第3開口部を備え、
前記部品取り付け工程において、前記第3部品は、前記フレキシブル配線板の前記第1面に取り付けられ、
前記基板形成工程において、前記第3領域の前記第3開口部内に前記第3部品が配置されるよう、前記支持板を前記フレキシブル配線板の前記第1面に接合する、
請求項17に記載の電子部品の製造方法。
【請求項19】
前記第1領域における前記第1面が互いに直交する第1方向及び第2方向に沿っているとき、
前記第2領域は、前記第1領域の前記第1方向における一方側に位置し、
前記第3領域は、前記第1領域の前記第2方向における一方側に位置しており、
前記折り曲げ工程において、前記第2領域の前記第1面及び前記第3領域の前記第1面が、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向に沿うように前記基板を折り曲げる、
請求項17に記載の電子部品の製造方法。
【請求項20】
前記基板形成工程において、前記フレキシブル配線板は複数の前記電子部品を構成する領域が連結しており、前記支持板を複数準備し、前記フレキシブル配線板に複数の前記支持板を接合した後、前記基板を個片化する工程を含む、
請求項15乃至請求項19の何れか一項に記載の電子部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品、センサーモジュール、及び電子部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、フレキシブル配線板と、フレキシブル配線板の第1の面に沿って位置する第1の基板と、フレキシブル配線板の第1の面と反対の面側に位置する回路チップと、フレキシブル配線板が載置される窪みを有する第2の基板と、を有し、フレキシブル配線板は、回路チップ側を内側にして折り曲げられている電子部品が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の電子部品は、回路チップの端子とフレキシブル配線板の配線とが、また、フレキシブル配線板の配線と第2の基板の端子とが、ボンディングワイヤーによって電気的に接続されているため、振動や衝撃が加わった場合、ボンディングワイヤーが断線する虞があり、電気的な接続の信頼性に課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
電子部品は、表裏関係にある第1面と第2面とを有するフレキシブル配線板及び第1開口部を有し前記フレキシブル配線板の前記第1面に接合された支持板を備えた基板と、前記基板に配置された第1部品及び第2部品と、を備え、前記基板は、前記第1面が互いに直交する第1方向及び第2方向に沿った第1領域と、前記第1領域の前記第1方向における一方側に配置され、前記第1面が前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向に沿った第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に位置し、前記支持板側が内側となるように折り曲げられた第1接続領域と、を含み、前記第1部品は、前記第1開口部を介して前記第1領域の前記第1面に取り付けられており、前記第2部品は、前記第2領域に取り付けられている。
【0006】
センサーモジュールは、表裏関係にある第1面と第2面とを有するフレキシブル配線板及び第1開口部を有し前記フレキシブル配線板の前記第1面に接合された支持板を備えた基板と、前記基板に配置された第1センサーデバイス及び第2センサーデバイスと、を備え、互いに直交する3つの軸をX軸、Y軸、Z軸としたとき、前記第1センサーデバイスは、第1センサー素子及び前記第1センサー素子を収容し前記X軸及び前記Y軸に沿った面と前記Z軸に沿った厚さとを有する第1パッケージを含み、前記第1パッケージの前記厚さの方向が、前記基板に取り付けられた前記第1パッケージの実装面に対して交差しており、前記第2センサーデバイスは、第2センサー素子及び前記第2センサー素子を収容し前記Y軸及び前記Z軸に沿った面と前記X軸に沿った厚さとを有する第2パッケージを含み、前記第2パッケージの前記厚さの方向が、前記基板に取り付けられた前記第2パッケージの実装面に対して交差しており、前記基板は、前記第1面が互いに直交する第1方向及び第2方向に沿った第1領域と、前記第1領域の前記第1方向における一方側に配置され、前記第1面が前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向に沿った第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に位置し、前記支持板側が内側となるように折り曲げられた第1接続領域と、を含み、前記第1センサーデバイスは、前記第1開口部を介して前記第1領域の前記第1面に取り付けられており、前記第2センサーデバイスは、前記第2領域に取り付けられている。
【0007】
電子部品の製造方法は、表裏関係にある第1面と第2面とを有するフレキシブル配線板と、第1部品及び第2部品とを準備し、前記フレキシブル配線板の前記第1面に前記第1部品を取り付け、前記第1面又は前記第2面に前記第2部品を取り付ける部品取り付け工程と、第1開口部を有する支持板を準備し、前記第1開口部内に前記第1部品が配置されるよう、前記支持板を前記フレキシブル配線板の前記第1面に接合して基板を形成する基板形成工程と、前記基板を、前記第1部品を含む第1領域と、前記第2部品を含む第2領域との間の第1接続領域を前記支持板側が内側となるように折り曲げる折り曲げ工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る電子部品の構成を示す斜視図。
【
図2】第1実施形態に係る電子部品の構成を示す斜視図。
【
図3】第1実施形態に係る電子部品が備えるセンサー部の構成を示す斜視図。
【
図4】第1実施形態に係る電子部品が備えるセンサー部の構成を示す側面図。
【
図5】第1実施形態に係る電子部品が備えるセンサー部の構成を示す斜視図。
【
図6】第1実施形態に係る電子部品の製造方法を示すフローチャート図。
【
図12】変形例1に係る電子部品の製造方法を示すフローチャート図。
【
図13】電子部品の製造方法の変形例を説明する斜視図。
【
図14】電子部品の製造方法の変形例を説明する平面図。
【
図15】第2実施形態に係る電子部品が備えるセンサー部の構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.第1実施形態
1.1.電子部品
先ず、第1実施形態に係る電子部品として3軸ジャイロセンサーを備えたセンサーモジュール1を一例として挙げ、
図1~
図5を参照して説明する。
【0010】
尚、
図2において、センサーモジュール1の内部構成を説明する便宜上、ケース12を取り外した状態を図示している。また、説明の便宜上、以降の
図1~
図5、及び
図15には、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、及びZ軸を図示している。また、X軸に沿った方向を「X方向」、Y軸に沿った方向を「Y方向」、Z軸に沿った方向を「Z方向」と言う。また、各軸の矢印側を「プラス側」、矢印と反対側を「マイナス側」とも言う。また、Z方向プラス側を「上」、Z方向マイナス側を「下」とも言う。
【0011】
本実施形態のセンサーモジュール1は、互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸まわりの角速度を検出する3軸ジャイロセンサーであり、
図1及び
図2に示すように、ベース基板11と、センサー部13を収容するケース12と、3軸まわりの角速度を検出するセンサー部13と、を有する。
【0012】
ベース基板11は、矩形状の平板で、ケース12側の平面である上面に複数の端子が設けられており、半田等を介して、互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸まわりの角速度を検出するセンサー部13が実装されている。また、下面には、複数の外部端子が設けられている。
【0013】
ケース12は、ベース基板11側に開口する凹部を有し、その凹部内にセンサー部13を収容する。ケース12は、接着剤等の接合材を介してベース基板11に接合されている。
【0014】
センサー部13は、
図3に示すように、基板20と、基板20に配置された第1部品としての第1センサーデバイス31、第2部品としての第2センサーデバイス32、及び第3部品としての第3センサーデバイス33と、を備えている。
【0015】
基板20は、表裏関係にある第1面21aと第2面21bとを有するフレキシブル配線板21と、第1開口部23、第2開口部24、及び第3開口部25を有しフレキシブル配線板21の第1面21aに接着剤60を介して接合された支持板22と、を備えている。
【0016】
基板20は、第1面21aが互いに直交する第1方向としてのX方向及び第2方向としてのY方向に沿っている第1領域26と、第1領域26のX方向における一方側であるX方向マイナス側に配置され、第1面21aがX方向及びY方向に直交する第3方向としてのZ方向に沿った第2領域27と、第1領域26のY方向における一方側であるY方向プラス側に配置され、第1面21aがZ方向に沿った第3領域28と、第1領域26と第2領域27との間に位置し、支持板22側が内側となるように折り曲げられた第1接続領域29と、第1領域26と第3領域28との間に位置し、支持板22側が内側となるように折り曲げられた第2接続領域30と、を含む。
【0017】
支持板22は、
図4に示すように、第1接続領域29における支持板22の厚みT3は、第1領域26及び第2領域27における支持板22の厚みT1,T2よりも薄い。そのため、支持板22を第1接続領域29において、折り曲げ加工がし易くなる。また、同様に、折り曲げ加工がし易いように、第2接続領域30における支持板22の厚みも、他の領域の支持板22の厚みよりも薄くしている。
【0018】
支持板22において、第2領域27の第2開口部24は、
図4及び
図5に示すように、第2領域27から第1接続領域29に亘って配置されており、第1接続領域29におけるフレキシブル配線板21のY方向に沿った長さL1は、第1接続領域29における第2開口部24のY方向に沿った長さL2の範囲内にある。そのため、支持板22を折り曲げた部分にフレキシブル配線板21が無く、第2開口部24内でフレキシブル配線板21を緩やかに折り曲げることができるため、フレキシブル配線板21の歪を緩和できる。また、同様に、フレキシブル配線板21の歪を緩和できるように、第3領域28の第3開口部25は、第3領域28から第2接続領域30に亘って配置されており、第2接続領域30におけるフレキシブル配線板21のX方向に沿った長さは、第2接続領域30における第3開口部25のX方向に沿った長さの範囲内にある。
【0019】
フレキシブル配線板21の第1面21aには、各センサーデバイス31,32,33と電気的に接続するための配線が設けられており、フレキシブル配線板21の第2面21bには、第1面21aに設けられた配線と、貫通配線等を介して電気的に接続する配線が設けられている。尚、第2面21bに設けられた配線は、ベース基板11の上面に設けられた端子と導電性接合材を介して電気的に接続される。
【0020】
第1センサーデバイス31は、Z軸まわりの角速度を検出するジャイロセンサーであり、第1センサー素子41と、第1センサー素子41を収容しX軸及びY軸に沿った面とZ軸に沿った厚さとを有する第1パッケージ51と、第1センサー素子41を収容した第1パッケージ51を封止するリッド54と、を有し、第1領域26に取り付けられている。より具体的には、第1センサーデバイス31は、第1開口部23を介して第1領域26の第1面21aに取り付けられている。尚、第1パッケージ51の厚さの方向が、基板20に取り付けられた第1パッケージ51の実装面に対して交差している。
【0021】
第2センサーデバイス32は、X軸まわりの角速度を検出するジャイロセンサーであり、第2センサー素子42と、第2センサー素子42を収容しY軸及びZ軸に沿った面とX軸に沿った厚さとを有する第2パッケージ52と、第2センサー素子42を収容した第2パッケージ52を封止するリッド55と、を有し、第2領域27に取り付けられている。より具体的には、第2センサーデバイス32は、第2開口部24を介して第2領域27の第1面21aに取り付けられている。尚、第2パッケージ52の厚さの方向が、基板20に取り付けられた第2パッケージ52の実装面に対して交差している。
【0022】
第3センサーデバイス33は、Y軸まわりの角速度を検出するジャイロセンサーであり、第3センサー素子43と、第3センサー素子43を収容しX軸及びZ軸に沿った面とY軸に沿った厚さとを有する第3パッケージ53と、第3センサー素子43を収容した第3パッケージ53を封止するリッド56と、を有し、第3領域28に取り付けられている。より具体的には、第3センサーデバイス33は、第3開口部25を介して第3領域28の第1面21aに取り付けられている。尚、第3パッケージ53の厚さの方向が、基板20に取り付けられた第3パッケージ53の実装面に対して交差している。
【0023】
第1センサーデバイス31、第2センサーデバイス32、及び第3センサーデバイス33は、それぞれ、第1面21aに取り付けられた実装面、実装面とは反対側のリッド面、実装面とリッド面とを繋いでいる側面、及び実装面から側面に亘って配置された端子、を備え、端子とフレキシブル配線板21の第1面21aに設けられた配線とは、導電性接合材を介して電気的に接続されている。そのため、ボンディングワイヤーによる電気的な接続をする必要がなくなり、振動や衝撃が加わった場合でも電気的な接続の信頼性を高めることができる。
【0024】
以上で述べたように本実施形態の電子部品としてのセンサーモジュール1は、各センサーデバイス31,32,33とフレキシブル配線板21の配線との電気的な接続に導電性接合材を介している。また、センサー部13とベース基板11との電気的な接続に導電性接合材を介している。そのため、各電気的な接続においてボンディングワイヤーを用いないため、振動や衝撃が加わった場合にボンディングワイヤーの断線の虞がなくなり、電気的な接続の信頼性を高めることができる。従って、電気的な接続の信頼性が高いセンサーモジュール1を得ることができる。
【0025】
1.2.電子部品の製造方法
次に、第1実施形態に係る電子部品としてのセンサーモジュール1の製造方法について、
図6~
図11を参照して説明する。
【0026】
本実施形態のセンサーモジュール1の製造方法は、
図6に示すように、部品取り付け工程、基板形成工程、折り曲げ工程、センサー部実装工程、及びケース接合工程を含む。
【0027】
1.2.1.部品取り付け工程
先ず、ステップS1において、表裏関係にある第1面21aと第2面21bとを有するフレキシブル配線板21と、第1部品としての第1センサーデバイス31、第2部品としての第2センサーデバイス32、及び第3部品としての第3センサーデバイス33と、を準備する。次に、
図7に示すように、第1センサーデバイス31、第2センサーデバイス32、及び第3センサーデバイス33をフレキシブル配線板21の第1面21aに設けられた配線に導電性の接合材を介して取り付ける。
【0028】
1.2.2.基板形成工程
ステップS2において、第1領域26に第1開口部23を、第2領域27に第2開口部24を、及び第3領域28に第3開口部25を、有する支持板22を準備する。次に、
図8に示すように、第1開口部23内に第1センサーデバイス31が、第2開口部24内に第2センサーデバイス32が、第3開口部25内に第3センサーデバイス33が、それぞれ配置されるように、支持板22をフレキシブル配線板21の第1面21aに接着剤60を介して接合して基板20を形成する。
【0029】
1.2.3.折り曲げ工程
ステップS3において、
図9に示すような、先ず、基板20を、第1センサーデバイス31を含む第1領域26と、第2センサーデバイス32を含む第2領域27と、の間の第1接続領域29を支持板22側が内側となるように折り曲げる。より具体的には、第2領域27の第1面21aがZ方向に沿うように基板20を折り曲げる。次に、基板20を、第1センサーデバイス31を含む第1領域26と、第3センサーデバイス33を含む第3領域28と、の間の第2接続領域30を支持板22側が内側となるように折り曲げる。より具体的には、第3領域28の第1面21aがZ方向に沿うように基板20を折り曲げる。
【0030】
1.2.4.センサー部実装工程
ステップS4において、ベース基板11を準備し、
図10に示すような、ベース基板11の上面にセンサー部13を配置し、ベース基板11とセンサー部13とを導電性の接合材で接合する。より具体的には、ベース基板11に設けられた端子と、センサー部13のフレキシブル配線板21の第2面21bに設けられた配線とを導電性接合材で電気的に接続する。
【0031】
1.2.5.ケース接合工程
ステップS5において、ケース12を準備し、
図11に示すような、ベース基板11に実装されたセンサー部13を覆うようにケース12を配置し、接合材によりベース基板11に接合する。
以上の工程を経て、センサーモジュール1が完成する。
尚、本実施形態では、部品取り付け工程の後に、基板形成工程を行っているがこれに限定される必要はなく、基板形成工程後に部品取り付け工程を行っても良い。
【0032】
以上述べたように本実施形態に係る電子部品としてのセンサーモジュール1の製造方法は、部品取り付け工程において、各センサーデバイス31,32,33とフレキシブル配線板21の配線との電気的な接続に導電性接合材を介している。また、センサー部実装工程において、センサー部13とベース基板11との電気的な接続に導電性接合材を介している。そのため、各電気的な接続においてボンディングワイヤーを用いていないため、振動や衝撃が加わった場合に、ボンディングワイヤーの断線の虞がなくなり、電気的な接続の信頼性を高めることができる。従って、電気的な接続の信頼性が高いセンサーモジュール1を製造することができる。
【0033】
1.3.1.電子部品の製造方法の変形例1
次に、電子部品としてのセンサーモジュール1の製造方法の変形例1について、
図12及び
図13を参照して説明する。
【0034】
変形例1のセンサーモジュール1の製造方法は、
図12に示すように、部品取り付け工程、基板形成工程、個片化工程、折り曲げ工程、センサー部実装工程、及びケース接合工程を含む。
【0035】
先ず、ステップS11の部品取り付け工程において、複数の第1センサーデバイス31、第2センサーデバイス32、及び第3センサーデバイス33を構成する領域が連結している長方形状のフレキシブル配線板61と、複数の第1センサーデバイス31、第2センサーデバイス32、及び第3センサーデバイス33と、を準備し、各センサーデバイス31,32,33をフレキシブル配線板61上に取り付ける。
【0036】
次に、ステップS12の基板形成工程において、複数の支持板22を準備し、
図13に示すように、複数の支持板22をフレキシブル配線板61に配置して接着する。
【0037】
次に、ステップS13の個片化工程において、フレキシブル配線板61を切断し、支持板22が接着した基板20に個片化する。
【0038】
次に、ステップS14の折り曲げ工程において、第1接続領域29及び第2接続領域30を支持板22側が内側となるように折り曲げて、センサー部13が完成する。
【0039】
このような製造方法により、複数の基板20を一括して製造することができ、製造コストを下げることができる。
【0040】
1.3.2.電子部品の製造方法の変形例2
次に、電子部品の製造方法の変形例2について、
図14を参照して説明する。
変形例2の製造工程は、変形例1の製造工程と同じであり、ステップS12の基板形成工程において、
図14に示すように、枠部63を介して複数の支持板22bが形成された支持板用基板62を準備し、支持板用基板62の支持板22bのみを長方形状のフレキシブル配線板61に接着した後に、ステップS13の個片化工程において、枠部63を除去しフレキシブル配線板61を切断することで、支持板22bが接着した基板20に個片化する。その後、ステップS14の折り曲げ工程において、第1接続領域29及び第2接続領域30を支持板22b側が内側となるように折り曲げて、センサー部13が完成する。
【0041】
このような製造方法により、支持板22bをフレキシブル配線板61に接着する工数が減り、変形例1と同様に、複数の基板20を一括して製造することができるので、製造コストを更に下げることができる。
【0042】
2.第2実施形態
次に、第2実施形態に係る電子部品としてのセンサーモジュール1aについて、
図15を参照して説明する。
尚、
図15では、センサーモジュール1aの内部構成を説明する便宜上、センサー部13aのみを図示している。
【0043】
本実施形態のセンサーモジュール1aは、第1実施形態のセンサーモジュール1に比べ、センサー部13aの構造が異なること以外は、第1実施形態のセンサーモジュール1と同様である。尚、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項は同じ符号を付してその説明を省略する。
【0044】
本実施形態のセンサーモジュール1aは、図示しないベース基板11と、センサー部13aを収容する図示しないケース12と、3軸まわりの角速度を検出するセンサー部13aと、を有する。
【0045】
センサー部13aは、
図15に示すように、基板20aと、基板20aに配置された第1部品としての第1センサーデバイス31、第2部品としての第2センサーデバイス32、及び第3部品としての第3センサーデバイス33と、を備えている。
【0046】
基板20aは、表裏関係にある第1面21aと第2面21bとを有するフレキシブル配線板21cと、第1開口部23を有しフレキシブル配線板21cの第1面21aに接合された支持板22aと、を備えている。
【0047】
第1センサーデバイス31は、Z軸まわりの角速度を検出するジャイロセンサーであり、第1領域26に取り付けられている。より具体的には、第1センサーデバイス31は、第1開口部23を介して第1領域26の第1面21aに取り付けられている。
【0048】
第2センサーデバイス32は、X軸まわりの角速度を検出するジャイロセンサーであり、第2領域27の第2面21bに取り付けられている。
【0049】
第3センサーデバイス33は、Y軸まわりの角速度を検出するジャイロセンサーであり、第3領域28の第2面21bに取り付けられている。
【0050】
このような構成とすることで、第1実施形態で得られる効果と同等の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0051】
1,1a…電子部品としてのセンサーモジュール、11…ベース基板、12…ケース、13…センサー部、20…基板、21…フレキシブル配線板、21a…第1面、21b…第2面、22…支持板、23…第1開口部、24…第2開口部、25…第3開口部、26…第1領域、27…第2領域、28…第3領域、29…第1接続領域、30…第2接続領域、31…第1部品としての第1センサーデバイス、32…第2部品としての第2センサーデバイス、33…第3部品としての第3センサーデバイス、41…第1センサー素子、42…第2センサー素子、43…第3センサー素子、51…第1パッケージ、52…第2パッケージ、53…第3パッケージ、54,55,56…リッド、60…接着剤、L1、L2…長さ、T1,T2,T3…厚み。