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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063399
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】電子錠取付けユニット及び取付部材
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20240502BHJP
   E05B 47/00 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
E05B49/00 J
E05B47/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171312
(22)【出願日】2022-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 和聡
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA02
2E250BB24
2E250CC18
2E250FF36
(57)【要約】
【課題】ドア面からの電子錠の脱落を抑制することが可能な電子錠取付けユニット及び取付部材を提供すること。
【解決手段】電子錠取付けユニット1は、サムターン12を有するドア10に取り付け可能でかつ遠隔でサムターン12を操作可能な電子錠100と、ドア10に電子錠を取り付けるための取付部材200と、を備える。電子錠100は、突出部110と、本体部120と、を有する。取付部材200は、ドアに固定されるベースプレート201と、電子錠をベースプレートに固定するための中間プレート202と、を有する。ベースプレート201は、フロントプレートが固定される固定部11に固定される端面板部210と、ドア面に接触ないし対向する取付板部220と、を有する。中間プレート202は、第1締結部材によって対向面に固定されることが可能であり、かつ、第2締結部材B2によって取付板部に固定されることが可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サムターンを有するドアに取り付け可能でかつ遠隔で前記サムターンを操作可能な電子錠と、
前記ドアに前記電子錠を取り付けるための取付部材と、を備え、
前記電子錠は、
前記サムターンが取り付けられたドア面と対向する対向面を含み、前記ドア面から離間する方向に突出する突出部と、
前記対向面から前記突出部が突出する方向と直交する方向に前記突出部から延びる形状を有し、前記サムターンに係合する本体部と、を有し、
前記取付部材は、
前記ドアに固定されるベースプレートと、
前記電子錠を前記ベースプレートに固定するための中間プレートと、を有し、
前記ベースプレートは、
前記ドアの端面のうちフロントプレートが固定される固定部に固定部材によって固定される端面板部と、
前記端面板部につながっており、前記ドア面に接触ないし対向する取付板部と、を有し、
前記中間プレートは、第1締結部材によって前記対向面に固定されることが可能であり、かつ、第2締結部材によって前記取付板部に固定されることが可能である、電子錠取付けユニット。
【請求項2】
前記取付板部は、
前記端面板部につながっており、平板状に形成された平板部と、
前記平板部につながっており、前記中間プレートを上下方向における両側から挟み込むことが可能で、かつ、水平方向に延びる形状を有する一対の横レールと、を有し、
前記一対の横レールの各々及び前記中間プレートには、上下方向に前記第2締結部材を挿通させることが可能な第2挿通孔が形成されている、請求項1に記載の電子錠取付けユニット。
【請求項3】
前記横レールに形成された前記第2挿通孔は、前記平板部と直交する方向における長さよりも前記横レールの長手方向に沿う方向における長さの方が長い長孔で構成されている、請求項2に記載の電子錠取付けユニット。
【請求項4】
前記取付板部は、
前記端面板部につながっており、平板状に形成された平板部と、
前記平板部につながっており、前記中間プレートを水平方向における両側から挟み込むことが可能で、かつ、上下方向に延びる形状を有する一対の縦レールと、を有し、
前記一対の縦レールの各々及び前記中間プレートには、水平方向に前記第2締結部材を挿通させることが可能な第2挿通孔が形成されている、請求項1に記載の電子錠取付けユニット。
【請求項5】
前記縦レールに形成された前記第2挿通孔は、前記平板部と直交する方向における長さよりも前記縦レールの長手方向に沿う方向における長さの方が長い長孔で構成されている、請求項4に記載の電子錠取付けユニット。
【請求項6】
前記取付板部は、前記端面板部につながっており、平板状に形成された平板部を有し、
前記平板部及び前記中間プレートには、前記平板部と直交する方向に前記第2締結部材を挿通させることが可能な第2挿通孔が形成されている、請求項1に記載の電子錠取付けユニット。
【請求項7】
前記平板部に形成された前記第2挿通孔は、上下方向における長さよりも水平方向における長さの方が長い長孔で構成されている、請求項6に記載の電子錠取付けユニット。
【請求項8】
前記端面板部は、
前記固定部材によって前記固定部に固定されることが可能であり、前記フロントプレートを構成するフロントプレート部と、
前記フロントプレート部から上方に延びる延出部と、を有し、
前記取付板部は、前記延出部につながっている、請求項1に記載の電子錠取付けユニット。
【請求項9】
前記端面板部は、前記フロントプレートに重ね合わされた状態で前記フロントプレートともに前記固定部材によって前記固定部に固定可能に構成されている、請求項1に記載の電子錠取付けユニット。
【請求項10】
サムターンを有するドアに取り付け可能でかつ遠隔で前記サムターンを操作可能な電子錠であって、前記サムターンが取り付けられたドア面と対向する対向面を含み、前記ドア面から離間する方向に突出する突出部と、前記対向面から前記突出部が突出する方向と直交する方向に前記突出部から延びる形状を有し、前記サムターンに係合する本体部と、を有する前記電子錠を前記ドアに取り付けるための取付部材であって、
前記ドアに固定されるベースプレートと、
前記電子錠を前記ベースプレートに固定するための中間プレートと、を有し、
前記ベースプレートは、
前記ドアの端面のうちフロントプレートが固定される固定部に固定部材によって固定される端面板部と、
前記端面板部につながっており、前記ドア面に接触ないし対向する取付板部と、を有し、
前記中間プレートは、第1締結部材によって前記対向面に固定されることが可能であり、かつ、第2締結部材によって前記取付板部に固定されることが可能である、取付部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、電子錠取付けユニット及び取付部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドアに付設することによってサムターンを遠隔操作することが可能な電子錠が知られている。例えば、特開2018-13020号公報には、サムターンのツマミを挟持する挟持機構を備える電子錠が開示されている。挟持機構は、無線の開錠指示信号又は施錠指示信号に基づいてサムターンを回転操作することが可能である。この電子錠は、両面テープによりドア面に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-13020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2018-13020号公報に記載されるような電子錠は、両面テープによりドア面に固定されるため、電子錠の自重に起因して電子錠がドア面から落下する懸念がある。
【0005】
本開示の目的は、ドア面からの電子錠の脱落を抑制することが可能な電子錠取付けユニット及び取付部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この開示に従った電子錠取付けユニットは、サムターンを有するドアに取り付け可能でかつ遠隔で前記サムターンを操作可能な電子錠と、前記ドアに前記電子錠を取り付けるための取付部材と、を備え、前記電子錠は、前記サムターンが取り付けられたドア面と対向する対向面を含み、前記ドア面から離間する方向に突出する突出部と、前記対向面から前記突出部が突出する方向と直交する方向に前記突出部から延びる形状を有し、前記サムターンに係合する本体部と、を有し、前記取付部材は、前記ドアに固定されるベースプレートと、前記電子錠を前記ベースプレートに固定するための中間プレートと、を有し、前記ベースプレートは、前記ドアの端面のうちフロントプレートが固定される固定部に固定部材によって固定される端面板部と、前記端面板部につながっており、前記ドア面に接触ないし対向する取付板部と、を有し、前記中間プレートは、第1締結部材によって前記対向面に固定されることが可能であり、かつ、第2締結部材によって前記取付板部に固定されることが可能である。
【0007】
この開示に従った取付部材は、サムターンを有するドアに取り付け可能でかつ遠隔で前記サムターンを操作可能な電子錠であって、前記サムターンが取り付けられたドア面と対向する対向面を含み、前記ドア面から離間する方向に突出する突出部と、前記対向面から前記突出部が突出する方向と直交する方向に前記突出部から延びる形状を有し、前記サムターンに係合する本体部と、を有する前記電子錠を前記ドアに取り付けるための取付部材であって、前記ドアに固定されるベースプレートと、前記電子錠を前記ベースプレートに固定するための中間プレートと、を有し、前記ベースプレートは、前記ドアの端面のうちフロントプレートが固定される固定部に固定部材によって固定される端面板部と、前記端面板部につながっており、前記ドア面に接触ないし対向する取付板部と、を有し、前記中間プレートは、第1締結部材によって前記対向面に固定されることが可能であり、かつ、第2締結部材によって前記取付板部に固定されることが可能である、取付部材。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ドア面からの電子錠の脱落を抑制することが可能な電子錠取付けユニット及び取付部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の第1実施形態における電子錠取付けユニットの斜視図である。
図2】電子錠取付けユニットの正面図である。
図3図2におけるIII-III線での断面図である。
図4】ベースプレートの斜視図である。
図5】中間プレートの斜視図である。
図6】電子錠及び中間プレートを背面側から見た斜視図である。
図7】電子錠及び中間プレートの背面図である。
図8図7におけるVIII-VIII線での断面図である。
図9】本開示の第2実施形態における電子錠取付けユニットの斜視図である。
図10図9に示される電子錠取付けユニットの正面図である。
図11図10におけるXI-XI線での断面図である。
図12図9に示される電子錠取付けユニットにおけるベースプレートの斜視図である。
図13図12において実線XIIIで示される範囲の拡大図である。
図14】本開示の第3実施形態における電子錠取付けユニットの斜視図である。
図15図14に示される電子錠取付けユニットの正面図である。
図16図15におけるXVI-XVI線での断面図である。
図17図14に示される電子錠取付けユニットにおけるベースプレートの斜視図である。
図18】ベースプレートの変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、本開示の第1実施形態における電子錠取付けユニットの斜視図である。この電子錠取付けユニット1は、玄関のドア等に好ましく取り付けられる。
【0012】
図1に示されるように、電子錠取付けユニット1は、電子錠100と、取付部材200と、を備えている。
【0013】
電子錠100は、サムターン12を有するドア10に着脱自在に取り付け可能である。電子錠100は、スマートホン等の機器により遠隔でサムターン12を操作可能である。
【0014】
図1に示されるように、ドア10は、サムターン12が取り付けられたドア面S1と、端面S2と、を有している。端面S2には、フロントプレートを固定するための固定部11が形成されている。
【0015】
図1図3に示されるように、電子錠100は、突出部110と、本体部120と、を有している。
【0016】
突出部110は、ドア面S1から離間する方向(図3における右方向)に突出している。図3に示されるように、突出部110は、ドア面S1に対向する対向面111を有している。この対向面111に後述の中間プレート202がボルト等の第1締結部材B1(図8を参照)によって固定される。図8に示されるように、対向面111には、第1締結部材B1を挿通させるための第1挿通孔h1が形成されている。突出部110には、電池等(図示略)が収容されている。
【0017】
本体部120は、対向面111から突出部110が突出する方向(図3における右方向)と直交する方向に突出部110から延びる形状を有している。本体部120は、サムターン12に係合する。具体的に、本体部120は、サムターン12を操作可能な操作部121を有している。本体部120には、操作部121を回転操作させる信号を受信可能な受信部(図示略)が内蔵されている。
【0018】
取付部材200は、ドア10に電子錠100を取り付けるための部材である。取付部材200は、ベースプレート201(図4を参照)と、中間プレート202(図5を参照)と、を有している。
【0019】
ベースプレート201は、ドア10に固定される。ベースプレート201は、例えば金属からなる。図1及び図4に示されるように、ベースプレート201は、端面板部210と、取付板部220と、を有している。
【0020】
端面板部210は、端面S2の固定部11にネジ等の固定部材(図示略)によって固定される。端面板部210は、フロントプレート部212と、延出部214と、を有している。
【0021】
フロントプレート部212は、固定部材によって固定部11に固定されることが可能である。フロントプレート部212は、平板状に形成されており、フロントプレートを構成している。
【0022】
延出部214は、フロントプレート部212から上方に延びている。延出部214は、平板状に形成されている。なお、延出部214とフロントプレート部212との間には、段部が形成されている。
【0023】
取付板部220は、端面板部210につながっている。より詳細には、取付板部220は、延出部214につながっている。端面板部210及び取付板部220は、一枚の金属板の折曲げ加工等により形成されてもよい。取付板部220は、平板部222と、一対の横レール224と、を有している。
【0024】
平板部222は、端面板部210の延出部214につながっている。平板部222は、平板状に形成されている。平板部222は、端面板部210が固定部11に固定された状態において、ドア面S1に接触ないし隙間を置いて対向している。平板部222は、実質的に延出部214と直交している。
【0025】
一対の横レール224は、平板部222につながっている。一対の横レール224は、中間プレート202を上下方向における両側から挟み込むことが可能で、かつ、水平方向に延びる形状を有している。図4に示されるように、各横レール224は、レール部224aと、規制部224bと、を有している。
【0026】
レール部224aは、平板部222と直交する方向に平板部222から突出するとともに水平方向に延びる形状を有している。レール部224aは、平板状に形成されている。レール部224aには、上下方向に第2締結部材B2(図1等を参照)を挿通させることが可能な第2挿通孔h11が形成されている。第2挿通孔h11は、平板部222と直交する方向における長さよりもレール部224aの長手方向(水平方向)に沿う方向における長さの方が長い長孔で構成されている。
【0027】
一対の規制部224bは、平板部222からレール部224aが突出する方向における当該レール部224aの先端部から互いに近づく方向に向かって突出するとともに水平方向に延びる形状を有している。
【0028】
中間プレート202は、電子錠100をベースプレート201に固定するためのプレートである。中間プレート202は、合成樹脂等からなる。中間プレート202は、第1締結部材B1(図7及び図8を参照)によって対向面111に固定されることが可能である。中間プレート202は、第2締結部材B2によって取付板部220に固定されることが可能である。中間プレート202は、プレート本体250と、補強部260と、を有している。
【0029】
プレート本体250は、平板状に形成されている。プレート本体250は、一対の横レール224間を水平方向に摺動可能である。プレート本体250には、プレート本体250を上下方向に貫通する第2挿通孔h12が形成されている。
【0030】
補強部260は、プレート本体250の厚み方向にプレート本体250から突出している。補強部260の外形は、対向面111の外形と概ね同じである。補強部260は、格子状リブを含んでいる。図5図8に示されるように、プレート本体250及び補強部260には、第1締結部材B1を挿通させるための第1挿通孔h2が形成されている。第1挿通孔h2は、プレート本体250の厚み方向に中間プレート202を貫通する貫通孔で構成されている。なお、図7では、一部の第1締結部材B1のみが図示されている。
【0031】
次に、ドア10への電子錠取付けユニット1の取付方法について説明する。この取付方法は、第1取付工程と、第2取付工程と、第3取付工程と、を含んでいる。
【0032】
第1取付工程では、ドア10の端面S2からフロントプレートを取り外し、固定部11にベースプレート201におけるフロントプレート部212をネジ等の固定部材によって固定する。これにより、ベースプレート201における平板部222は、ドア面S1に接触ないし隙間を置いて対向する。
【0033】
第2取付工程では、電子錠100の対向面111に中間プレート202における補強部260が接触した状態において、中間プレート202に形成された第1挿通孔h2及び対向面111に形成されたh1に第1締結部材B1を挿入することにより、中間プレート202を電子錠100に固定する。なお、第1取付工程及び第2取付工程は、いずれの順に行われてもよいし、同時に行われてもよい。
【0034】
第3取付工程では、中間プレート202におけるプレート本体250を一対の横レール224間に水平方向における端部から挿入し、操作部121がサムターン12を操作可能な位置まで電子錠100及び中間プレート202をスライドさせる。そして、横レール224に形成された第2挿通孔h11及び中間プレート202に形成された第2挿通孔h12に第2締結部材B2を挿入し、ナットN2で固定する。
【0035】
以上に説明したように、本実施形態における電子錠取付けユニット1では、ドア10の端面S2における固定部11に端面板部210が固定部材により固定され、電子錠100の対向面111に中間プレート202が第1締結部材B1によって固定され、その中間プレート202が取付板部220に第2締結部材B2によって固定される。よって、電子錠100がドア面S1に強固に取り付けられるため、ドア面S1からの電子錠100の脱落が抑制される。
【0036】
(第2実施形態)
次に、図9図13を参照しながら、本開示の第2実施形態の電子錠取付けユニットについて説明する。なお、第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、第1実施形態と同じ構造、作用及び効果の説明は繰り返さない。
【0037】
本実施形態では、取付板部220は、一対の横レール224ではなく、一対の縦レール226を有している。一対の縦レール226は、平板部222につながっている。一対の縦レール226は、中間プレート202を水平方向における両側から挟み込むことが可能で、かつ、上下方向に延びる形状を有している。図11及び図12に示されるように、各縦レール226は、各縦レール226は、レール部226aと、規制部226bと、を有している。
【0038】
レール部226aは、平板部222と直交する方向に平板部222から突出するとともに上下方向に延びる形状を有している。レール部226aは、平板状に形成されている。レール部226aには、水平方向に第2締結部材B2を挿通させることが可能な第2挿通孔h21が形成されている。第2挿通孔h21は、平板部222と直交する方向における長さよりもレール部226aの長手方向(上下方向)に沿う方向における長さの方が長い長孔で構成されている。
【0039】
図13に示されるように、第2挿通孔h21は、複数の保持部227を有している。各保持部227は、第2締結部材B2を保持可能である。複数の保持部227は、上下方向に間隔を置いて形成されている。
【0040】
一対の規制部226bは、平板部222からレール部226aが突出する方向における当該レール部226aの先端部から互いに近づく方向に向かって突出するとともに水平方向に延びる形状を有している。
【0041】
本実施形態では、中間プレート202におけるプレート本体250には、水平方向に第2締結部材B2を挿通させることが可能な第2挿通孔h22(図5及び図11を参照)が形成されている。
【0042】
本実施形態における第3取付工程では、中間プレート202におけるプレート本体250を一対の縦レール226間に上下方向における端部から挿入し、操作部121がサムターン12を操作可能な位置まで電子錠100及び中間プレート202をスライドさせる。そして、縦レール226に形成された第2挿通孔h21及び中間プレート202に形成された第2挿通孔h22に第2締結部材B2を挿入する。このとき、保持部227により、第2締結部材B2が保持される。そして、第2締結部材B2にナットN2を固定する。
【0043】
(第3実施形態)
次に、図14図17を参照しながら、本開示の第3実施形態の電子錠取付けユニットについて説明する。なお、第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、第1実施形態と同じ構造、作用及び効果の説明は繰り返さない。
【0044】
本実施形態では、取付板部220は、平板部222のみで構成されている。図15図17で示されるように、平板部222には、第2締結部材B2を挿通させることが可能な第2挿通孔h31が形成されている。第2挿通孔h31は、上下方向における長さよりも水平方向における長さの方が長い長孔で構成されている。
【0045】
本実施形態では、中間プレート202におけるプレート本体250には、プレート本体250の厚み方向に第2締結部材B2を挿通させることが可能な第2挿通孔h32(図5及び図16を参照)が形成されている。
【0046】
図16に示されるように、本実施形態では、端面板部210が固定部11に固定された状態(第1取付工程が終了した状態)において、平板部222とドア面S1との間には隙間が形成されている。平板部222のうちドア面S1と対向する面であって、平板部222の厚み方向に第2挿通孔h32と重なる部位に、ナットN2が設けられている。なお、平板部222のうちドア面S1と対向する面に、ナットN2が水平方向に移動可能な状態で当該ナットN2を保持するナット保持部が設けられてもよい。
【0047】
本実施形態における第3取付工程では、中間プレート202に形成された第2挿通孔h32と取付板部220に形成された第2挿通孔h31との高さ位置を一致させるとともに、操作部121がサムターン12を操作可能な位置まで電子錠100及び中間プレート202をスライドさせる。そして、中間プレート202に形成された第2挿通孔h32及び取付板部220に形成された第2挿通孔h31に第2締結部材B2を挿入するとともに、第2締結部材B2にナットN2を固定する。
【0048】
(変形例)
図18に示されるように、ベースプレート201における端面板部210は、フロントプレートFPに重ね合わされた状態でフロントプレートFPともに固定部材によって固定部11に固定可能に構成されていてもよい。このことは、いずれの実施形態においても同様である。
【0049】
上述した例示的な実施形態は、以下に記載される態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0050】
[態様1]
サムターンを有するドアに取り付け可能でかつ遠隔で前記サムターンを操作可能な電子錠と、
前記ドアに前記電子錠を取り付けるための取付部材と、を備え、
前記電子錠は、
前記サムターンが取り付けられたドア面と対向する対向面を含み、前記ドア面から離間する方向に突出する突出部と、
前記対向面から前記突出部が突出する方向と直交する方向に前記突出部から延びる形状を有し、前記サムターンに係合する本体部と、を有し、
前記取付部材は、
前記ドアに固定されるベースプレートと、
前記電子錠を前記ベースプレートに固定するための中間プレートと、を有し、
前記ベースプレートは、
前記ドアの端面のうちフロントプレートが固定される固定部に固定部材によって固定される端面板部と、
前記端面板部につながっており、前記ドア面に接触ないし対向する取付板部と、を有し、
前記中間プレートは、第1締結部材によって前記対向面に固定されることが可能であり、かつ、第2締結部材によって前記取付板部に固定されることが可能である、電子錠取付けユニット。
【0051】
この電子錠取付けユニットでは、ドアの端面における固定部に端面板部が固定部材により固定され、電子錠の対向面に中間プレートが第1締結部材によって固定され、その中間プレートが取付板部に第2締結部材によって固定される。よって、電子錠がドア面に強固に取り付けられるため、ドア面からの電子錠の脱落が抑制される。
【0052】
[態様2]
前記取付板部は、
前記端面板部につながっており、平板状に形成された平板部と、
前記平板部につながっており、前記中間プレートを上下方向における両側から挟み込むことが可能で、かつ、水平方向に延びる形状を有する一対の横レールと、を有し、
前記一対の横レールの各々及び前記中間プレートには、上下方向に前記第2締結部材を挿通させることが可能な第2挿通孔が形成されている、態様1に記載の電子錠取付けユニット。
【0053】
[態様3]
前記横レールに形成された前記第2挿通孔は、前記平板部と直交する方向における長さよりも前記横レールの長手方向に沿う方向における長さの方が長い長孔で構成されている、態様2に記載の電子錠取付けユニット。
【0054】
この態様では、取付板部に対する電子錠の水平方向における位置の調整が可能となる。
【0055】
[態様4]
前記取付板部は、
前記端面板部につながっており、平板状に形成された平板部と、
前記平板部につながっており、前記中間プレートを水平方向における両側から挟み込むことが可能で、かつ、上下方向に延びる形状を有する一対の縦レールと、を有し、
前記一対の縦レールの各々及び前記中間プレートには、水平方向に前記第2締結部材を挿通させることが可能な第2挿通孔が形成されている、態様1に記載の電子錠取付けユニット。
【0056】
[態様5]
前記縦レールに形成された前記第2挿通孔は、前記平板部と直交する方向における長さよりも前記縦レールの長手方向に沿う方向における長さの方が長い長孔で構成されている、態様4に記載の電子錠取付けユニット。
【0057】
この態様では、取付板部に対する電子錠の上下方向における位置の調整が可能となる。
【0058】
[態様6]
前記取付板部は、前記端面板部につながっており、平板状に形成された平板部を有し、
前記平板部及び前記中間プレートには、前記平板部と直交する方向に前記第2締結部材を挿通させることが可能な第2挿通孔が形成されている、態様1に記載の電子錠取付けユニット。
【0059】
[態様7]
前記平板部に形成された前記第2挿通孔は、上下方向における長さよりも水平方向における長さの方が長い長孔で構成されている、態様6に記載の電子錠取付けユニット。
【0060】
この態様では、取付板部に対する電子錠の水平方向における位置の調整が可能となる。
【0061】
[態様8]
前記端面板部は、
前記固定部材によって前記固定部に固定されることが可能であり、前記フロントプレートを構成するフロントプレート部と、
前記フロントプレート部から上方に延びる延出部と、を有し、
前記取付板部は、前記延出部につながっている、態様1から7のいずれかに記載の電子錠取付けユニット。
【0062】
[態様9]
前記端面板部は、前記フロントプレートに重ね合わされた状態で前記フロントプレートともに前記固定部材によって前記固定部に固定可能に構成されている、態様1から7のいずれかに記載の電子錠取付けユニット。
【0063】
[態様10]
サムターンを有するドアに取り付け可能でかつ遠隔で前記サムターンを操作可能な電子錠であって、前記サムターンが取り付けられたドア面と対向する対向面を含み、前記ドア面から離間する方向に突出する突出部と、前記対向面から前記突出部が突出する方向と直交する方向に前記突出部から延びる形状を有し、前記サムターンに係合する本体部と、を有する前記電子錠を前記ドアに取り付けるための取付部材であって、
前記ドアに固定されるベースプレートと、
前記電子錠を前記ベースプレートに固定するための中間プレートと、を有し、
前記ベースプレートは、
前記ドアの端面のうちフロントプレートが固定される固定部に固定部材によって固定される端面板部と、
前記端面板部につながっており、前記ドア面に接触ないし対向する取付板部と、を有し、
前記中間プレートは、第1締結部材によって前記対向面に固定されることが可能であり、かつ、第2締結部材によって前記取付板部に固定されることが可能である、取付部材。
【0064】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0065】
1 電子錠取付けユニット、10 ドア、11 固定部、12 サムターン、100 電子錠、110 突出部、111 対向面、120 本体部、121 操作部、200 取付部材、201 ベースプレート、202 中間プレート、210 端面板部、212 フロントプレート部、214 延出部、220 取付板部、222 平板部、224 横レール、226 縦レール、250 プレート本体、260 補強部、B1 第1締結部材、B2 第2締結部材、FP フロントプレート、h1 第1挿通孔、h2 第1挿通孔、h11 第2挿通孔、h12 第2挿通孔、h21 第2挿通孔、h22 第2挿通孔、h31 第2挿通孔、h32 第2挿通孔、S1 ドア面、S2 端面。
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