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特開2024-63409情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図1
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図2A
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図2B
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図2C
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図3
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図4
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図5
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図6
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図7
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063409
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20240502BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171326
(22)【出願日】2022-10-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】591115475
【氏名又は名称】株式会社三菱総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(72)【発明者】
【氏名】花篭 紘
(72)【発明者】
【氏名】一ノ宮 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】攝待 彰久
(72)【発明者】
【氏名】安藤 希美
(72)【発明者】
【氏名】大谷 尚徹
(72)【発明者】
【氏名】藤田 恵
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L050CC06
(57)【要約】
【課題】適切な設備投資と設備投資コスト抑制を実現できる情報処理装置等を提供する。
【解決手段】情報処理装置1は、対象エリアを複数の分割エリアに分割するエリア特定部10と、前記分割エリアにおける電力の需要予想を行う需要予測部20と、前記分割エリアにおける分散型エネルギー源の出力電力量を予測する分散型エネルギー源予測部30と、前記分割エリアにおける電力の需要予想及び分散型エネルギー源の出力電力量の予測を出力する出力部と、を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象エリアを複数の分割エリアに分割するエリア特定部と、
前記分割エリアにおける電力の需要予想を行う需要予測部と、
前記分割エリアにおける分散型エネルギー源の出力電力量を予測する分散型エネルギー源予測部と、
前記分割エリアにおける電力の需要予想及び分散型エネルギー源の出力電力量の予測を出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
エリア特定部は、配電設備の緯度経度に関する情報を用いて対象エリアを決定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
需要予測部は、対象エリアからなる広域エリアにおける需要予測量に、前記広域エリア内に含まる分割エリアにおける需要予測の合算値を整合させることで、電力の需要予測を行う、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
分散型エネルギー源予測部は、対象エリアからなる広域エリアにおける予測出力電力量に、前記広域エリア内に含まる分割エリアにおける予測出力電力量の合算値を整合させることで、出力電力量を予測する、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
5年以上先の電力の需要予想及び分散型エネルギー源の出力電力量の予想を行う、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
3時間以下の単位で需要予想及び分散型エネルギー源の出力電力量の予想を行う、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
配電設備の緯度経度に関する情報を用いて対象エリアを決定するエリア特定部を備える情報処理装置。
【請求項8】
前記エリア特定部は、隣接する同じ種類の配電設備からの距離が閾値以下の同じ種類の配電設備同士又は第一階層までの連結部に繋がれている同じ種類の配電設備同士を同一グループとして取り扱うことで対象エリアを決定する、請求項2又は7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記エリア特定部は、配電線に関する情報を用いてグルーピングを行い、同じグループに属する配電設備をつなぐことで前記対象エリアを複数の分割エリアに分割する、請求項2又は7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記エリア特定部は、配電設備の緯度経度に関する情報を用いて前記対象エリアを分割し、第二階層までの連結部に繋がれている配電設備同士を同一グループとして取り扱うことで前記対象エリアを複数の分割エリアに分割する、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
エリア特定部によって、対象エリアを複数の分割エリアに分割する工程と、
需要予測部によって、前記分割エリアにおける電力の需要予想を行う工程と、
分散型エネルギー源予測部によって、前記分割エリアにおける分散型エネルギー源の出力電力量を予測する工程と、
出力部によって、前記分割エリアにおける電力の需要予想及び分散型エネルギー源の出力電力量の予測を出力する工程と、
を備える情報処理方法。
【請求項12】
情報処理装置にインストールするためのプログラムであって、
プログラムをインストールされた情報処理装置に、
対象エリアを複数の分割エリアに分割するエリア特定機能と、
分割された分割エリアにおける電力の需要予想を行う需要予測機能と、
分割された分割エリアにおける分散型エネルギー源の出力電力量を予測する分散型エネルギー源予測機能と、
前記分割エリアにおける電力の需要予想及び分散型エネルギー源の出力電力量の予測を出力する出力機能と、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力の需要予想と分散型エネルギー源による電力供給予測を用いた情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から電力需要の予測は行われており、電力需要の予測精度向上が試みられている。例えば特許文献1では、複数の顧客グループごとに、データベースに蓄積された複数の教師データに基づいて、変動因子データと電力需要データとの関係を表す需要予測モデルを生成し、複数の顧客グループごとに変動因子の予測データを取得し、複数の顧客グループごとに、変動因子の予測データと、需要予測モデルとに基づいて電力需要の予測データを算出し、複数の顧客グループごとに算出された電力需要の予測データに基づいて、売電事業者に対する総電力需要の予測データを算出することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-084328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カーボンニュートラル宣言により、近年、出力が不安定な分散電源の増加を引き起こし、 設備投資ニーズを増加させている。しかし、レベニューキャップ制度により、一般送配電事業者には設備投資コストの抑制が求められている。一般送配電事業者には適切な設備投資と設備投資コスト抑制の両立する能力が求められる一方で、現時点では分散電源の増加に対応した需要予測機能が存在していない。
【0005】
特許文献1のような従来の発明は、電力需要の予測精度を向上することを目的としており、上記のような課題を解決することはできないものである。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、適切な設備投資と設備投資コスト抑制を実現できる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[概念1]
本発明による情報処理装置は、
対象エリアを複数の分割エリアに分割するエリア特定部と、
前記分割エリアにおける電力の需要予想を行う需要予測部と、
前記分割エリアにおける分散型エネルギー源の出力電力量を予測する分散型エネルギー源予測部と、
前記分割エリアにおける電力の需要予想及び分散型エネルギー源の出力電力量の予測を出力する出力部と、
を備えてもよい。
【0008】
[概念2]
概念1による情報処理装置において、
エリア特定部は、配電設備の緯度経度に関する情報を用いて対象エリアを決定してもよい。
【0009】
[概念3]
概念1又は2による情報処理装置において、
エリア特定部は、配電線に関する情報を用いてグルーピングを行い、同じグループに属する配電設備をつなぐことで前記対象エリアを複数の分割エリアに分割してもよい。
【0010】
[概念4]
概念1乃至3のいずれか1つによる情報処理装置において、
需要予測部は、対象エリアからなる広域エリアにおける需要予測量に、前記広域エリア内に含まる分割エリアにおける需要予測の合算値を整合させることで、電力の需要予測を行ってもよい。
【0011】
[概念5]
概念1乃至4のいずれか1つによる情報処理装置において、
分散型エネルギー源予測部は、対象エリアからなる広域エリアにおける予測出力電力量に、前記広域エリア内に含まる分割エリアにおける予測出力電力量の合算値を整合させることで、出力電力量を予測してもよい。
【0012】
[概念6]
概念1乃至5のいずれか1つによる情報処理装置において、
5年以上先の電力の需要予想及び分散型エネルギー源の出力電力量の予想を行ってもよい。
【0013】
[概念7]
概念1乃至6のいずれか1つによる情報処理装置において、
3時間以下の単位で需要予想及び分散型エネルギー源の出力電力量の予想を行ってもよい。
【0014】
[概念8]
本発明による情報処理装置は、
配電設備の緯度経度に関する情報を用いて対象エリアを決定するエリア特定部を備えてもよい。
【0015】
[概念9]
概念8による情報処理装置において、
前記エリア特定部は、隣接する同じ種類の配電設備からの距離が閾値以下の同じ種類の配電設備同士又は第一階層までの連結部に繋がれている配電設備同士を同一グループとして取り扱うことで対象エリアを決定してもよい。
【0016】
[概念10]
概念8又は9による情報処理装置において、
前記エリア特定部は、配電線に関する情報を用いてグルーピングを行い、同じグループに属する配電設備をつなぐことで前記対象エリアを複数の分割エリアに分割してもよい。
【0017】
[概念11]
概念10による情報処理装置において、
前記エリア特定部は、配電設備の緯度経度に関する情報を用いて前記対象エリアを分割し、第二階層までの連結部に繋がれている配電設備同士を同一グループとして取り扱うことで前記対象エリアを複数の分割エリアに分割してもよい。
【0018】
[概念12]
本発明による情報処理方法は、
エリア特定部によって、対象エリアを複数の分割エリアに分割する工程と、
需要予測部によって、前記分割エリアにおける電力の需要予想を行う工程と、
分散型エネルギー源予測部によって、前記分割エリアにおける分散型エネルギー源の出力電力量を予測する工程と、
出力部によって、前記分割エリアにおける電力の需要予想及び分散型エネルギー源の出力電力量の予測を出力する工程と、
を備えてもよい。
【0019】
[概念13]
本発明によるプログラムは、
情報処理装置にインストールするためのプログラムであって、
プログラムをインストールされた情報処理装置に、
対象エリアを複数の分割エリアに分割するエリア特定機能と、
分割された分割エリアにおける電力の需要予想を行う需要予測機能と、
分割された分割エリアにおける分散型エネルギー源の出力電力量を予測する分散型エネルギー源予測機能と、
前記分割エリアにおける電力の需要予想及び分散型エネルギー源の出力電力量の予測を出力する出力機能と、
を実行させてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、地理的エリアを適切な分割エリアに分割した上で、当該分割エリアにおける需要予想と分散型エネルギー源の出力電力量予測を行うことで、適切な設備投資と設備投資コスト抑制を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の形態による情報処理装置の構成を示した概略図。
図2A】本発明の実施の形態の一例であって、配電設備の緯度経度が地図上で点群として示されている態様を示した図。
図2B図2Aの態様において、配電設備をグルーピングした態様を示した図。
図2C図2Bで示したグループA~Cを統合することで、対象エリアを特定する態様を示した図。
図3】対象エリアを複数の分割エリアに分割した態様の一例を示した図。
図4】分割エリアにおける需要予測を行う態様を説明するための図。
図5】分割エリアにおける分散型エネルギー源の潮流量算出を行う態様を説明するための図。
図6】一般送配電事業者エリア全体予測結果(全系予測結果)と地域別・配電設備別予測結果(ローカル予測結果)とが整合するように調整する態様であって需要予測に関する例を示した図。
図7】一般送配電事業者エリア全体予測結果(全系予測結果)と地域別・配電設備別予測結果(ローカル予測結果)とが整合するように調整する態様であって分散型エネルギー源に関する例を示した図。
図8】需要予測モデル及び出力電力量モデルをアップデートする態様を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
実施の形態
以下、本発明に係る情報処理装置及び情報処理方法の実施の形態について説明する。本実施の形態では、パソコン等のコンピュータにインストールされることで、当該コンピュータによって本実施の形態の情報処理方法を実行できるようにするプログラム及び当該プログラムを記録した記録媒体も提供される。本実施の形態において、「又は」は「及び」を含む概念であり、「A又はB」は、Aだけ、Bだけ、又はA及びBの両方を含む概念である。
【0023】
本実施の形態の情報処理装置はいずれの場所に設置されてもよく、サーバであってもよく、クラウド環境で利用されてもよい。本実施の形態の情報処理装置は、一つの装置から構成されてもよいし複数の装置から構成されてもよい。また、複数の装置から情報処理装置が構成される場合には、各装置が同じ部屋等の同じ空間に設けられる必要はなく、異なる部屋、異なる建物、異なる地域等に設けられてもよい。また、複数の装置から情報処理装置が構成される場合には、その一部を一機関が所有及び/又は管理し、残りを別機関が所有及び/又は管理してもよい。
【0024】
本実施の形態の情報処理装置は、例えばプログラムをインストールすることで生成される。このプログラムは電子メールで配信されてもよいし、所定のURLにアクセスした上でログインすることで入手できてもよいし、記録媒体に記録されてもよい。本実施の形態によるプログラムは以下に示す情報処理装置を生成するために利用され、本実施の形態による記録媒体は当該プログラムを記録するために利用される。また、本実施の形態の情報処理方法は上記プログラムがインストールされた情報処理装置によって実施される。情報処理装置は、情報処理装置にインストールされたアプリケーションを実行することによって、本実施の形態の情報処理方法を実行してもよい。
【0025】
図1に示すように、本実施の形態の情報処理装置1は、対象エリアを複数の分割エリアに分割するエリア特定部10と、分割された分割エリアにおける電力の需要予想を行う需要予測部20と、分割された分割エリアにおける分散型エネルギー源(DER)の出力電力量を予測する分散型エネルギー源予測部30と、を有してもよい。分散型エネルギー源の出力電力量は、分散型エネルギー源における純粋な出力電力量から当該分散型エネルギー源にいて消費される電力量(消費電力量)を引いた値としてもよい。分散型エネルギー源としては、例えば、太陽電池、EV、自家発電機等を挙げることができる。例えばEVが増える分割エリアでは需要電力量が増加し、他方、太陽電池が増える分割エリアでは出力電力量が増加することになる。本実施の形態のように、分割エリアにおける電力の需要を予想し、分割エリアにおける分散型エネルギー源の出力電力量を予測することで、分割エリア毎に電力供給の設備投資が必要かどうかを判断することができるようになる。
【0026】
対象エリアは、ユーザがパソコン、タブレット、スマートフォン等の端末100から入力することで指定されてもよいし、記憶部80に予め記憶された複数の供給エリアからユーザが端末100を介して選択するようにしてもよい。例えば端末100を介して地図上のある地点を選択すると、当該地点を含む対象エリアが選択されるようにしてもよい。対象エリアは典型的には電力供給エリア全体(全系レベル)であるが、当該情報としては電力会社から提供される情報を記憶部80に記憶するようにしてもよい。本実施の形態の情報処理装置1は出力部の一例である通信部5を介して端末100と通信可能となっている。通信部5は情報を受け付ける受付部としての機能も有している。
【0027】
記憶部80に配電設備の緯度経度に関する情報が記憶されており、記憶部80からエリア特定部10が配電設備の緯度経度に関する情報を読み出すことで、対象エリアを決定するようにしてもよい。この際、配電線を含む配電設備の緯度経度とバンクや配電用変電所等の連結部(なお、連結部は配電設備に含まれる概念である。)に関する情報を用いて、対象エリアを決定するようにしてもよい。一例としては、配電設備(同士)の接続情報及び配電設備密集度合いを用いたクラスタリングを行い、必ず塊になっているであろう点群を同一グループとするようにしてもよい。例えば、図2Aに示すように配電設備の緯度経度が点群によって取得された場合には、エリア特定部10がクラスタリングを用いて複数のグループに分割するようにしてもよい(図2B参照)。この際には配電設備の距離を用い、隣接する配電設備からの距離が閾値以下の場合には同じグループに属すると判断し、他方、隣接する配電設備からの距離が閾値超過となっている場合には異なるグループに属すると判断するようにしてもよい。この際、同じ種類の配電設備同士を比較し、その距離が閾値以下となるかどうかを判断するようにしてもよく、隣接する同じ種類の配電設備からの距離が閾値以下の場合には同じグループに属すると判断してもよい。本実施の形態において「隣接する」というのは、対象となっている配電設備から直線距離で最も近い配電設備を意味する。同じ種類の配電設備を用いる場合には、同じ種類の配電設備のうち直線距離で最も近い配電設備を意味することになる。また、下位の層から見て所定の階層(第一階層)までのバンクや配電用変電所等の連結部を一つのグループとして取り扱うことで、対象エリアを特定するようにしてもよく、第一階層までの配電設備同士は同じグループに属するものとして判断してもよい。なお、配電設備の距離の関係だけからすると、Aグループに属するのか又はBグループに属するのかが不明な配電設備であっても、配電設備(同士)の接続情報をあわせて用いることで、当該配電設備を適切なグループに属させるようにグルーピングできる。このような態様を採用することで、複数の配電設備を適切なグループにグルーピングしつつ、電力が供給されていない山間部等を除外エリアとすることができる(図2C参照)。グルーピングを行う際には、クラスタリングを用いてもよい。なお、本願におけるグルーピングは、学習したモデルを用いてグループ分けをする「分類」と、データ間の類似度に基づいてグループ分けをする「クラスタリング」を含む概念である。分類を用いる場合には、配電設備(同士)の接続情報を用いてもよい。クラスタリングを用いる場合には、配電設備の密集度合いに関する情報を用いてもよく、配電設備の密集度合いが閾値以上であれば、同じグループに属すると判断するようにしてもよい。なお本願明細書における配電設備は、配電用変電所、電柱、柱上変圧器、電圧調整器、開閉器等を含む概念である。同じ種類の配電設備同士を比較するというのは、例えば、配電用変電所で比較を行うことを意味している。
【0028】
エリア特定部10は、配電線に関する情報を用いて対象エリアを複数の分割エリアに分割してもよい。記憶部80に配電線に関する情報が記憶されており、エリア特定部10が配電線に関する情報を読み出すことで、対象エリアを複数の分割エリア(例えば送配電設備レベルで分割されるエリア)に分割するようにしてもよい(図3参照)。この際、配電設備の緯度経度に関する情報を用いてもよく、配電設備の緯度経度を用いて対象エリアを分割しつつ、配電設備に含まれるバンクや配電用変電所等の連結部に関する情報を用いて、分割エリアを決定するようにしてもよい。一例として、配電設備同士の中間距離となる地点で分割を行い、その後で下位の層から見て所定の階層(第二階層)までのバンクを一つのグループとして取り扱うことで、対象エリアを分割するようにしてもよい。また、この際には同じ種類の配電設備同士の中間距離となる地点で細かく領域の分割を行い、その後で下位の層から見て所定の階層(第二階層)までのバンクを一つのグループとして取り扱うことで、対象エリアを分割するようにしてもよい。なお、下位の層から見た場合、前述した対象エリアを決定する際に用いる「第一階層」>対象エリアを分割する際に用いる「第二階層」となり、第一階層が第二階層よりも上位の階層となってもよい。配電線に関する情報や配電設備の緯度経度に関する情報は適宜アップデートされ、最新のものが用いられるようにしてもよい(図8参照)。一例としては、各配電設備が紐づいているバンクを記憶部80で記憶しており、同じバンクに紐づいている配電設備を一つの分割エリアとしてもよい。バンク及び配電線に関する情報は電力会社から供給されるものを用いてもよい。この際には、グルーピングの結果、同じグループに属する配電設備だけを特定して分割エリアに分割するようにしてよい。すなわち上位階層において同じバンクにつながっていたとしても、同じグループに属さないものは異なる分割エリアに属するものと判断するようにしてもよい。また、下位から見て所定の階層までの同じバンクにつながっているものを同じ分割エリアに属するものと判断するようにしてもよい。分割エリアは町字レベルであってもよい。市区町村等の地域に区分けする場合と比較すると、配電線に関する情報を用いてエリアを区分けすることによって、配電線による電力供給網を考慮した区分けを行うことができる点で非常に有益である。配電線に関する情報は、配電線の配置情報やバンクの位置に加えて、変圧器や配電設備及び送変電設備等の各種設備の位置も含んでもよい。
【0029】
本実施の形態の情報処理装置1は2年以上の期間の予測を行ってもよく、5年以上の期間の予測を行ってもよく、例えば20~40年先(例えば30年先)といった長期間の予測を行ってもよい。需要予測としては、数分~数時間又は1日~1週間先を予測する短期需要予測、1週間~1年程度先を予測する中期需要予測、及び数年~数十年先を予測する長期需要予測が存在するが、本実施の形態の情報処理装置1は典型的には長期需要予測を行うものである。また本実施の形態では、長期需要予測に加え、長期の分散型エネルギー源の導入量の予測及び長期の電力潮流の予測を行うことから、適切な設備投資やアセット投資を行うことができる。このため、適切な設備投資・アセット投資と設備投資・アセット投資コスト抑制を実現できる。また、本実施の形態によれば、ローカルフレキシビリティ市場の運用計画を適切に行うことができるようになる。
【0030】
記憶部80にはインプット情報としてエネルギー政策、数十年先のGDP予測、人口統計、過去の需要実績、温暖化予測、気象予測、分散型エネルギー源に関する実績情報及び予測情報(例えば政策で掲げられている種類毎の導入数、地域別導入数等)、配電線の実績情報及び予測情報等の情報が入力されて、記憶されてもよい。例えば、過去の人口及び気象情報と、過去の需要実績とに基づいて、需要予測モデルを生成し、生成された需要予測モデルに人口予測値及び気象予測情報を適用することで、需要予測情報を導き出してもよい。また過去のGDP、分散型エネルギー源に関する情報(例えば種類ごとの数や出力量等)及び気象情報と、過去の出力電力量とに基づいて、出力電力量モデルを生成し、生成された出力電力量モデルにGDP予測値、分散型エネルギー源に関する予測情報(例えば政策で掲げられている種類毎の導入数、地域別導入数等)及び気象予測情報(温暖化予測情報を含む。)を適用することで、出力電力量予測情報を導き出してもよい。出力電力量モデルは分散型エネルギー源の種類毎のモデルを有してもよく、例えば太陽電池予測モデル、EV予測モデル、蓄電池予測モデル、ヒートポンプ予測モデル等が生成されて記憶部80で記憶されてもよい。そして、これらの各モデルにインプット情報を入力することで、アウトプット情報として、予測情報を入手するようにしてもよい。需要予測モデル及び出力電力量モデルの各々は生成部40で生成された上で記憶部80に記憶されてもよいし、別途生成されたものが記憶部80で記憶されてもよい。
【0031】
また過去の人口、世帯数、GDP及び所定の統計情報と、過去の配電線情報を含む電力潮流情報とに基づいて、電力潮流予測モデルを生成し、生成された電力潮流予測モデルに予測人口、予測世帯数、予測GDP及び所定の統計情報を適用することで、電力潮流予測情報を導き出してもよい。この電力潮流予測モデルは、需要予測モデル及び出力電力量モデルの各々で用いられてもよい。一例として、地域別・配電設備別(以下「ローカル」ともいう。)の需要予測モデルとして電力潮流予測モデルが用いられ、またローカルの出力電力量モデルとして電力潮流予測モデルが用いられてもよい(図4及び図5参照)。
【0032】
需要予測モデル、出力電力量モデル及び電力潮流予測モデルの各々は機械学習によって生成部40で生成されてもよいし、別途生成されたものが記憶部80で記憶されてもよい。機械学習技術によって、利用する説明変数(要素)と、その係数(重み)を定めてもよい。機械学習の際には様々なモデルを利用でき、例えばツリーモデルやランダムフォレストモデル等のモデルを利用してもよい。
【0033】
需要予測部20は、家庭部門、業務部門及び産業部門といった部門やその下位概念にあたるセクターごとに分析を行って、ピーク需要と一定期間の電力量(例えば年間電力量)を出力するようにしてもよい。一例として、家庭部門においては世帯数及び気象情報を説明変数とし、家庭における、ピーク需要及び年間電力量を目的変数とした第一出力電力量モデルに、20~30年先までといった長期間にわたる世帯数及び気象情報の予測データを適用することで、各年における家庭部門ピーク需要及び家庭部門年間電力量を出力するようにしてもよい。また、業務部門においては、業務用床面積及び冷・暖房度日を説明変数とし、業務部門における、ピーク需要及び年間電力量を目的変数とした第二出力電力量モデルに、20~30年先までといった長期間にわたる業務用床面積及び冷・暖房度日の予測データを適用することで、各年における業務部門ピーク需要及び業務部門年間電力量を出力するようにしてもよい。気象情報は、気温、湿度等を含んでもよい。なお、業務用床面積の予測値は予測GDPから導き出してもよい。また、産業部門においては、鉱工業生産指数(IIP)及び冷・暖房度日を説明変数とし、産業部門における、ピーク需要及び年間電力量を目的変数とした第三出力電力量モデルに、20~30年先までといった長期間にわたる鉱工業生産指数(IIP)及び冷・暖房度日の予測データを適用することで、各年における産業部門ピーク需要及び産業部門年間電力量を出力するようにしてもよい。そして、家庭部門ピーク需要、業務部門ピーク需要及び産業部門ピーク需要を合算することで各年におけるピーク需要を導き出してもよい。また、家庭部門年間電力量、業務部門年間電力量及び産業部門年間電力量を合算することで各年における年間電力量を導き出してもよい。このようにして導き出される需要予測は一般送配電事業者エリア全体(以下「全系」ともいう。)の予測となる。この全系の予測では、広域エリアである対象エリア全体における電力需要量が予測されることになる。
【0034】
分割エリアにおける需要予測では、地域別・セクター別の需要家数実績と、地域別・セクター別の実際の経済指標及び人口動態とから回帰分析を行って需要予測モデルを生成してもよい(図4参照)。ここでセクターとは産業分類(より詳細には鉄鋼等の事業分類等)、住宅、商業等をいい、セクター毎に異なるプロファイル分析(例えばセクター毎の電力需要のグラフ)を作成してもよい。このプロファイル分析では、一例として、3時間以下といった短時間(例えば1時間又は1時間以下)毎の電力潮流量のグラフが生成されてもよく、スマートメータから取得されるセクター別の需要電力潮流量を合算して、セクターに属する需要家数で割ることによって、セクター毎の需要家あたりの需要電力潮流量に関するプロファイル分析(グラフ)が生成されてもよい。なお、対象となっている市区町村等の地域におけるセクター別の導入量[万kW]及び/又は需要家数の予測値が記憶部80から読み出されてもよい。このような予測値は各種統計や政策目標等から予め記憶部80で記憶されてもよい。
【0035】
次に、地域別・セクター別のプロファイル分析を配電線別・セクター別のプロファイル分析に変換してもよい。この際には、市区町村等の地域別の領域(「地域別の領域」は例えば区市町村といった基礎自治体によって分けられる領域である。)と配電線別の領域(「配電線別の領域」は、例えば前述した配電設備に関する情報を用いて対象エリアを分割した分割エリアに対応する。)とを地図上で重ね合わせて、重なりあっている領域について地域別・セクター別のプロファイル分析であるグラフを加算していき、配電線別・セクター別のプロファイル分析に変換してもよい。一例として、市区町村A及び市区町村Bに重複する配電線エリアでは、均等案分し、市区町村Aにおけるセクター別の需要プロファイル分析を50%の大きさにした需要プロファイル分析(グラフ)に、市区町村Bにおけるセクター別の需要プロファイル分析を50%の大きさにした需要プロファイル分析(グラフ)を足し合わせて合算して、当該配電線エリアにおけるセクター別の単位あたりのプロファイル分析(例えば30分単位の潮流量を予測したグラフ:図4参照)を生成するようにしてもよい。
【0036】
次に、配電線別・セクター別の予測需要家数に、需要家単位あたり(一人、一社等)の配電線別・セクター別のプロファイル分析(グラフ)を掛けることで、配電線別・セクター別の予測電力需要量を導き出すようにしてもよい。そして、セクター別の予測電力需要量の各々を足し合わせることで、当該配電線エリアにおける予測電力需要量が需要プロファイル分析(グラフ)として出力されることになる。このようにして導き出される需要予測はローカルの予測となる。この際には、3時間以下といった短時間(例えば1時間又は1時間以下であり、例えば30分単位で潮流予測がされている態様が示されている。)毎の予測電力潮流量を導き出すことになる。短時間毎の予測電力潮流量を導き出すことによってピークシフトを導入することができ、設備投資をすることなく状況の改善が見込めるかを判断することができるようになる。この一連の処理は需要予測部20で行われることになる。
【0037】
分散型エネルギー源予測部30は、広域エリアである対象エリアにおける分散型エネルギー源(DER)の導入実績と政策目標から、太陽電池、EV、自家発電機等の分散型エネルギー源の種類毎の普及を予測するようにしてもよい。政策目標は政府の出している政策や予測統計情報を用いて算出されてもよい。このようにして導き出される予測出力電力量は全系の予測となる。この全系の予測では、広域エリアである対象エリア全体における分散型エネルギー源毎の電力出力量が予測されることになる。
【0038】
分割エリアにおける分散型エネルギー源の予測(予測出力電力量)は、市区町村等の地域別の分散型エネルギー源の導入実績数と、地域別の分散型エネルギー源の導入予測数とを用いて行われてもよい(図5参照)。地域別の分散型エネルギー源の導入実績は電力の出力量で出されてもよい。一例として、地域別・DER別の導入実績数と、地域別・DER別の実際の出力電力量とから回帰分析を行って出力電力量モデルを生成してもよく、この際、DER毎に異なるプロファイル分析(例えばDER毎の出力電力量のグラフ)を作成してもよい。このプロファイル分析では、一例として、3時間以下といった短時間(例えば1時間又は1時間以下であり、例えば30分単位で潮流予測がされている態様が示されている。)毎の電力潮流量のグラフが生成されてもよく、スマートメータから取得されるDER別の出力電力潮流量を合算して、各種のDER数で割ることによって、各種DER毎のプロファイル分析(グラフ)が生成されてもよい。なお、対象となっている地域におけるDER毎の導入数の予測値が記憶部80から読み出されてもよい。このような予測値は各種統計や政策目標等から予め記憶部80で記憶されてもよい。
【0039】
次に、地域別・DER別のプロファイル分析を配電線別・DER別のプロファイル分析に変換してもよい。この際にも、地域の領域と配電線別の領域とを地図上で重ね合わせて、重なりあっている領域について地域別・DER別のプロファイル分析を重ね合わせていき、配電線別・DER別のプロファイル分析に変換してもよい。一例として、市区町村A及び市区町村Bに重複する配電線エリアでは、均等案分し、市区町村AにおけるDER別の電力プロファイル分析を50%の大きさにした電力プロファイル分析(グラフ)に、市区町村BにおけるDER別の電力プロファイル分析を50%の大きさにした電力プロファイル分析(グラフ)を足し合わせて合算して、当該配電線エリアにおけるセクター毎の単位当たりの電力プロファイル分析(例えば30分単位の潮流量を予測したグラフ:図5参照)を生成するようにしてもよい。
【0040】
次に、配電線別・DER別の分散型エネルギー源の予測普及数に、各分散型エネルギー源あたり(太陽電池、自家発電機等の分散型エネルギー源あたり)の配電線別・DER別のプロファイル分析(グラフ)を掛けることで、配電線別・DER別の予測電力潮流量を導き出すようにしてもよい。そして、DER別の予測電力潮流量の各々を足し合わせることで、当該配電線エリアにおける予測電力潮流量が出力電力量プロファイル分析(グラフ)として出力されることになる。このようにして導き出される出力電力量の予測はローカルの予測となる。この際には、短時間(例えば1時間又は1時間以下)毎の予測電力潮流量を導き出すようにしてもよい。短時間毎の予測電力潮流量を導き出すことによってピークシフトを導入することができ、設備投資をすることなく状況の改善が見込めるかを判断することができるようになる。この一連の処理は分散型エネルギー源予測部で行われることになる。
【0041】
例えば2030年、2050年といった長期の将来予測が各種統計から入力されてもよい。そして、長期的な予測と整合するように、各年の予測が行われることになる。その際、市区町村等の地域別の導入ポテンシャル(例えばDERの設置可能性のある土地等のポテンシャル)を考慮した上で、市区町村等の地域別の分散型エネルギー源の導入予測が行われてもよい。例えば、大きな空き地が存在する市区町村では、太陽電池パネルが設置される可能性が高いものとして予測が行われ、導入予測数に加算されてもよい。
【0042】
需要予測は、対象エリアからなる広域エリアと、当該広域エリアに含まれる複数の分割エリアの各々に対して行われてもよい。この場合、需要予測部20は、対象エリアからなる広域エリアにおける需要予測量に、当該広域エリア内に含まる分割エリアにおける需要予測の合算値を整合させることで、電力の需要予測を行ってもよい。この際には、広域エリアにおける需要予測のピーク値や積分値(例えば年間での積分値)と、分割エリアにおける需要予測を合算した値のピーク値や積分値(例えば年間での積分値)が合うように補正をかけるようにしてもよい(図6参照)。需要予測部20は、一次予測として広域エリアにおける需要予測を行ってもよい。また、需要予測部20は、二次予測として対象となっている広域エリア内に含まれる個々の分割エリアにおける需要予測を行い、分割エリアにおける需要予測結果を合算するようにしてもよい。その上で、分割エリアにおける需要予測結果の合算値の値を縮小又は拡大することで、広域エリアにおける需要予測結果と合うように修正してもよい。
【0043】
分散型エネルギー源からの出力電力量予測もまた、対象エリアからなる広域エリアと、当該広域エリアに含まれる複数の分割エリアの各々に対して行われてもよい。この場合、分散型エネルギー源予測部30は、対象エリアからなる広域エリアにおける予測出力電力量に、当該広域エリア内に含まる分割エリアにおける予測出力電力量の合算値を整合させることで、出力電力量を予測するようにしてもよい(図7参照)。この際には、広域エリアにおける予測出力電力量のピーク値と、分割エリアにおける予測出力電力量を合算した値のピーク値が合うように補正をかけるようにしてもよい。分散型エネルギー源予測部30は、一次予測として広域エリアにおける出力電力量の予測を行う。また、分散型エネルギー源予測部30は、二次予測として対象となっている広域エリア内に含まれる個々の分割エリアにおける出力電力量の予測を行い、分割エリアにおける出力電力量の予測結果を合算する。その上で、分割エリアにおける出力電力量の予測結果の合算値の値を縮小又は拡大することで、広域エリアにおける出力電力量の予測結果と合うように修正する。
【0044】
このような予測手法を用いることで、電力の需要予測及び出力電力量予測の各々に関して、全体的な値を適切なものとしつつ、配電線エリアといった各分割エリアでの予測値を適切なものとすることができる。
【0045】
一例として送配電事業者からなるユーザが設備(例えば変圧器、変電設備、バンク、配電線等の最新情報)、顧客属性(例えばDER別の事業者数、セクター別の需要家数)、配電線潮流(例えば過去1年分の配電線潮流実績)及びスマートメータ(例えばセクター別の過去1年分の1時間毎の電力需要に関するプロファイル、DER別の過去1年分の1時間毎の電力供給に関するプロファイル)に関する情報と、政策目標及び各種統計とを所定のタイミング(例えば毎年又は5年ごとに)入力するようにしてもよい。設備、顧客属性、配電線潮流及びスマートメータに関する情報を入力することで需要予測モデル及び出力電力量モデルが生成部40でアップデートされて、最新の需要予測モデル及び出力電力量モデルが記憶部80で記憶されることになる(図8参照)。そして、最新の需要予測モデル及び出力電力量モデルに政策目標及び各種統計の情報を適用することで、アウトプットとして、市区町村等の地域別又は配電線別の需要予測、DER予測及び電力潮流予測が出力されることになる。この態様では、配電線に関する情報や配電設備の緯度経度に関する情報は最新のものが用いられることになる。このため、例えば、最新の情報を用いて配電線別に地域を分割した上で、最新の需要予測モデル及び出力電力量モデルを用いて、配電線別の需要予測のプロファイル及び出力電力量のプロファイルを予測することになる(図4及び図5参照)。
【0046】
通信部5、エリア特定部10、需要予測部20、分散型エネルギー源予測部30、生成部40等は一つのユニット(制御ユニット)によって実現されてもよいし、異なるユニットによって実現されてもよい。複数の「部」による機能が統合されてもよく、例えば需要予測部20及び生成部40や分散型エネルギー源予測部30及び生成部40の機能が一つのユニットによって実現されてもよい。また、通信部5、エリア特定部10、需要予測部20、分散型エネルギー源予測部30、生成部40等は回路構成によって実現されてもよい。
【0047】
上述した実施の形態の記載及び図面の開示は、特許請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した実施の形態の記載又は図面の開示によって特許請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。
【符号の説明】
【0048】
10 エリア特定部
20 需要予測部
30 分散型エネルギー源予測部
40 生成部
80 記憶部
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-03-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象エリアを複数の分割エリアに分割するエリア特定部と、
前記分割エリアにおける電力の需要予想を行う需要予測部と、
前記分割エリアにおける分散型エネルギー源の出力電力量を予測する分散型エネルギー源予測部と、
前記分割エリアにおける電力の需要予想及び分散型エネルギー源の出力電力量の予測を出力する出力部と、
を備え、
エリア特定部は、配電設備の緯度経度に関する情報を用いて対象エリアを分割する、情報処理装置。
【請求項2】
対象エリアを複数の分割エリアに分割するエリア特定部と、
前記分割エリアにおける電力の需要予想を行う需要予測部と、
前記分割エリアにおける分散型エネルギー源の出力電力量を予測する分散型エネルギー源予測部と、
前記分割エリアにおける電力の需要予想及び分散型エネルギー源の出力電力量の予測を出力する出力部と、
を備え、
需要予測部は、対象エリアからなる広域エリアにおける需要予測量に、前記広域エリア内に含まる分割エリアにおける需要予測の合算値を整合させることで、電力の需要予測を行う情報処理装置。
【請求項3】
対象エリアを複数の分割エリアに分割するエリア特定部と、
前記分割エリアにおける電力の需要予想を行う需要予測部と、
前記分割エリアにおける分散型エネルギー源の出力電力量を予測する分散型エネルギー源予測部と、
前記分割エリアにおける電力の需要予想及び分散型エネルギー源の出力電力量の予測を出力する出力部と、
を備え、
分散型エネルギー源予測部は、対象エリアからなる広域エリアにおける予測出力電力量に、前記広域エリア内に含まる分割エリアにおける予測出力電力量の合算値を整合させることで、出力電力量を予測する情報処理装置。
【請求項4】
5年以上先の電力の需要予想及び分散型エネルギー源の出力電力量の予想を行う、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
3時間以下の単位で需要予想及び分散型エネルギー源の出力電力量の予想を行う、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記エリア特定部は、隣接する同じ種類の配電設備からの距離が閾値以下の同じ種類の配電設備同士又は第一階層までの連結部に繋がれている同じ種類の配電設備同士を同一グループとして取り扱うことで対象エリアを決定する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記エリア特定部は、配電線に関する情報を用いてグルーピングを行い、同じグループに属する配電設備をつなぐことで前記対象エリアを複数の分割エリアに分割する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記エリア特定部は、配電設備の緯度経度に関する情報を用いて前記対象エリアを分割し、第二階層までの連結部に繋がれている配電設備同士を同一グループとして取り扱うことで前記対象エリアを複数の分割エリアに分割する、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
エリア特定部によって、配電設備の緯度経度に関する情報を用いて対象エリアを複数の分割エリアに分割する工程と、
需要予測部によって、前記分割エリアにおける電力の需要予想を行う工程と、
分散型エネルギー源予測部によって、前記分割エリアにおける分散型エネルギー源の出力電力量を予測する工程と、
出力部によって、前記分割エリアにおける電力の需要予想及び分散型エネルギー源の出力電力量の予測を出力する工程と、
を備える、情報処理方法。
【請求項10】
情報処理装置にインストールするためのプログラムであって、
プログラムをインストールされた情報処理装置に、
配電設備の緯度経度に関する情報を用いて対象エリアを複数の分割エリアに分割するエリア特定機能と、
分割された分割エリアにおける電力の需要予想を行う需要予測機能と、
分割された分割エリアにおける分散型エネルギー源の出力電力量を予測する分散型エネルギー源予測機能と、
前記分割エリアにおける電力の需要予想及び分散型エネルギー源の出力電力量の予測を出力する出力機能と、
を実行させる、プログラム。
【請求項11】
エリア特定部によって、対象エリアを複数の分割エリアに分割する工程と、
需要予測部によって、前記分割エリアにおける電力の需要予想を行う工程と、
分散型エネルギー源予測部によって、前記分割エリアにおける分散型エネルギー源の出力電力量を予測する工程と、
出力部によって、前記分割エリアにおける電力の需要予想及び分散型エネルギー源の出力電力量の予測を出力する工程と、
を備え
需要予測部は、対象エリアからなる広域エリアにおける需要予測量に、前記広域エリア内に含まる分割エリアにおける需要予測の合算値を整合させることで、電力の需要予測を行う、情報処理方法。
【請求項12】
エリア特定部によって、対象エリアを複数の分割エリアに分割する工程と、
需要予測部によって、前記分割エリアにおける電力の需要予想を行う工程と、
分散型エネルギー源予測部によって、前記分割エリアにおける分散型エネルギー源の出力電力量を予測する工程と、
出力部によって、前記分割エリアにおける電力の需要予想及び分散型エネルギー源の出力電力量の予測を出力する工程と、
を備え
分散型エネルギー源予測部は、対象エリアからなる広域エリアにおける予測出力電力量に、前記広域エリア内に含まる分割エリアにおける予測出力電力量の合算値を整合させることで、出力電力量を予測する、情報処理方法。