(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063410
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】排水処理装置および排水処理方法
(51)【国際特許分類】
C02F 11/13 20190101AFI20240502BHJP
C02F 11/122 20190101ALI20240502BHJP
B01D 25/12 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
C02F11/13
C02F11/122 ZAB
B01D25/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171329
(22)【出願日】2022-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智哉
【テーマコード(参考)】
4D059
4D116
【Fターム(参考)】
4D059AA06
4D059BD01
4D059BE16
4D059BK11
4D116BC01
4D116BC63
4D116DD04
4D116EE02
4D116KK04
4D116QA25C
4D116QA25G
4D116QA32C
4D116QA32G
4D116QA55C
4D116QA55F
4D116SS02
4D116SS05
4D116VV12
(57)【要約】
【課題】産業廃棄物に関する費用を低減できる、シリカ微粒子を含む排水を処理するための排水処理装置および排水処理方法を提供する。
【解決手段】ガラス母材製造時の排出ガスの処理設備から排出され、シリカ微粒子を含む排水を処理するための排水処理装置であって、前記排水を脱水して固形物を分離する脱水機と、前記脱水機で分離された前記固形物を収容するコンテナと、前記固形物に気体を吹き付ける送風機と、を備える、排水処理装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス母材製造時の排出ガスの処理設備から排出され、シリカ微粒子を含む排水を処理するための排水処理装置であって、
前記排水を脱水して固形物を分離する脱水機と、
前記脱水機で分離された前記固形物を収容するコンテナと、
前記固形物に気体を吹き付ける送風機と、
を備える、排水処理装置。
【請求項2】
前記送風機は、高温エア、乾燥エアまたは高温乾燥エアを吹き付ける送風機である、
請求項1に記載の排水処理装置。
【請求項3】
前記脱水機は、前記コンテナの鉛直方向における上方向に配置されたフィルタープレスであり、
前記フィルタープレスの鉛直方向における下方向に配置され、前記コンテナの鉛直方向における上方向に配置された、前記フィルタープレスから落下する固形物を破砕するブレードをさらに備える、
請求項1または請求項2に記載の排水処理装置。
【請求項4】
前記コンテナを秤量する秤量ユニットを備える、
請求項1または請求項2に記載の排水処理装置。
【請求項5】
ガラス母材製造時の排出ガスの処理設備から排出され、シリカ微粒子を含む排水を処理するための排水処理方法であって、
前記排水を脱水して固形物を分離する脱水ステップと、
前記脱水ステップで分離された前記固形物をコンテナに収容するステップと、
前記固形物に気体を吹き付ける送風ステップと、
を備える、排水処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガラス母材製造時の排出ガスの処理設備から排出されるシリカ微粒子を含む排水を処理するための排水処理装置および排水処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、光ファイバ母材製造装置用廃ガス処理設備の排水処理方法を開示している。同文献の排水処理方法では、シリカを含んだ酸性排水をpH調整した後、そのpH調整済み廃水を脱水することで、産業廃棄物である固形物から凝集剤の分の重量を減少させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガラス母材製造時の排出ガスの処理設備から排出されるシリカ微粒子を含む排水から分離される固形物は、産業廃棄物として処理する必要がある、産業廃棄物の処理は処理対象の重量に応じて処理費用が発生する。また、産業廃棄物の輸送によって輸送費用も発生する。
【0005】
本開示は、産業廃棄物に関する費用を低減できる、シリカ微粒子を含む排水を処理するための排水処理装置および排水処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の光ファイバ用母材の排水処理装置は、
ガラス母材製造時の排出ガスの処理設備から排出され、シリカ微粒子を含む排水を処理するための排水処理装置であって、
前記排水を脱水して固形物を分離する脱水機と、
前記脱水機で分離された前記固形物を収容するコンテナと、
前記固形物に気体を吹き付ける送風機と、
を備える。
【0007】
上記排水処理装置によれば、脱水機で分離された水分を含む固形物をコンテナに収容しつつ、送風機から固形物に気体を吹き付けることができる。これにより、固形物に含まれる水分を減少させることができ、固形物中の固形分の比率を増加させることができる。すなわち、固形物の産業廃棄物としての処理費用を低減できる。
【0008】
本開示の光ファイバ用母材の排水処理方法は、
ガラス母材製造時の排出ガスの処理設備から排出され、シリカ微粒子を含む排水を処理するための排水処理方法であって、
前記排水を脱水して固形物を分離する脱水ステップと、
前記脱水ステップで分離された前記固形物をコンテナに収容するステップと、
前記固形物に気体を吹き付ける送風ステップと、
を備える。
【0009】
上記排水処理方法によれば、脱水ステップで分離された水分を含む固形物をコンテナに収容しつつ、固形物に気体を吹き付けることができる。これにより、固形物に含まれる水分を減少させることができ、固形物中の固形分の比率を増加させることができる。すなわち、固形物の産業廃棄物としての処理費用を低減できる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、産業廃棄物に関する費用を低減できる、シリカ微粒子を含む排水を処理するための排水処理装置および排水処理方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は実施形態における排水処理の全体像を示す図である。
【
図2】
図2は実施形態における排水処理装置を示す図である。
【
図3】
図3は実施形態に係る秤量ユニットにコンテナが載せられた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。
実施形態に係る排水処理装置は、
(1)ガラス母材製造時の排出ガスの処理設備から排出され、シリカ微粒子を含む排水を処理するための排水処理装置であって、
前記排水を脱水して固形物を分離する脱水機と、
前記脱水機で分離された前記固形物を収容するコンテナと、
前記固形物に気体を吹き付ける送風機と、
を備える。
【0013】
上記排水処理装置によれば、脱水機で分離された水分を含む固形物をコンテナに収容しつつ、送風機から固形物に気体を吹き付けることができる。これにより、固形物に含まれる水分を減少させることができ、固形物中の固形分の比率を増加させることができる。すなわち、固形物の産業廃棄物としての処理費用を低減できる。
【0014】
(2)上記(1)の排水処理装置において、
前記送風機は、高温エア、乾燥エアまたは高温乾燥エアを吹き付ける送風機であってもよい。
【0015】
高温エアを吹き付ける送風機を用いることにより、固形物の周囲温度を上昇させて飽和蒸気量を増やすことができる。また、乾燥エアを吹き付ける送風機を用いることにより、相対湿度の低い雰囲気を維持することができる。これらを単独でまたは組み合わせて固形物に吹き付けることで、固形物に含まれる水分を効率良く減少させることができ、固形物の産業廃棄物としての処理費用をさらに低減できる。
【0016】
(3)上記(1)または(2)の排水処理装置において、
前記脱水機は、前記コンテナの鉛直方向における上方向に配置されたフィルタープレスであり、
前記フィルタープレスの鉛直方向における下方向に配置され、前記コンテナの鉛直方向における上方向に配置された、前記フィルタープレスから落下する固形物を破砕するブレードをさらに備えてもよい。
【0017】
フィルタープレスから固形物が自然に落下してコンテナに収容される排水処理装置において、フィルタープレスとコンテナの間に固形物を破砕するブレードを設けることで、固形物が落下する勢いを利用して固形物を破砕してコンテナに収容できる。破砕されて収容された固形物では破砕前よりも表面積が増加するため、送風機から吹き付けられる気体によって、固形物に含まれる水分を効率良く減少させることができ、固形物の産業廃棄物としての処理費用をさらに低減できる。
【0018】
(4)上記(1)から(3)のいずれかの排水処理装置は、
前記コンテナを秤量する秤量ユニットを備えてもよい。
【0019】
コンテナを秤量する秤量ユニットを備えることで、固形物に含まれる水分が減少しても、コンテナの重量を正確に把握できる。輸送車に積載できる重量は制限されているところ、固形物の分離を行いつつも正確にコンテナの重量の変化を把握できるので、積載可能な重量を大きく下回る重量で輸送することを回避でき、固形物の輸送費用を低減できる。これにより、産業廃棄物に関する費用をさらに低減できる。
【0020】
実施形態に係る排水処理方法は、
(5)ガラス母材製造時の排出ガスの処理設備から排出され、シリカ微粒子を含む排水を処理するための排水処理方法であって、
前記排水を脱水して固形物を分離する脱水ステップと、
前記脱水ステップで分離された前記固形物をコンテナに収容するステップと、
前記固形物に気体を吹き付ける送風ステップと、
を備える。
【0021】
上記排水処理方法によれば、脱水ステップで分離された水分を含む固形物をコンテナに収容しつつ、固形物に気体を吹き付けることができる。これにより、固形物に含まれる水分を減少させることができ、固形物中の固形分の比率を増加させることができる。すなわち、固形物の産業廃棄物としての処理費用を低減できる。
【0022】
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の排水処理装置および排水処理方法の実施形態の詳細を、図面を参照しつつ説明する。
【0023】
図1は、実施形態におけるガラス母材製造時の排出ガスの処理設備から排出される排水の排水処理の全体像を示す図である。
図2は、実施形態における排水処理装置1を示す図である。排水処理装置1は、ガラス母材製造時の排出ガスの処理設備から排出される排水を処理するための装置である。ガラス母材は、好ましくは光ファイバ製造用のものである。
【0024】
排水処理装置1は、排水を脱水して固形物12を分離する脱水機10と、脱水機10で分離された固形物12を収容するコンテナ20と、コンテナ20に収容された固形物12に気体を吹き付ける送風機30と、を備える。
【0025】
脱水機10は、遠心分離式または濾過式の脱水機を使用できるが、濾過式の脱水機を使用することが好ましい。濾過式の脱水機としては、スクリュープレス、ベルトプレス、フィルタープレスなどを使用できるが、フィルタープレスを使用することが好ましい。
脱水機10にはガラス母材製造時の排出ガスの処理設備P1から排出される排水が導入される。この排水はシリカ微粒子を含む。排出ガスの処理設備P1は、湿式集塵装置等である。処理設備P1から排出された排液には凝集剤が加えられて、沈降分離槽8により汚泥6と上澄み4に分離され、このうちの汚泥6が脱水機10に導入される。
脱水機10はコンテナ20の鉛直方向における上方向に配置されたフィルタープレスであると好ましい。この態様とすることで、フィルタープレスから固形物12が自然に落下してコンテナ20に収容できる。
【0026】
送風機30は、加熱装置および/または除湿装置によって気体を処理して固形物12(集積固形物16)にエアを吹き付ける装置であると好ましい。高温エアは加熱装置によりコンテナ20の周辺温度より高温であればよいが、送風管などの耐久性を考慮して例えば70℃前後に設定してもよい。乾燥エアは除湿装置によってコンテナ20の周辺湿度より低湿度とされたエアであればよい。
なお、脱水機10がコンテナ20の鉛直方向における上方向に配置されたフィルタープレスである場合には、送風機30の送風口は落下する固形物12と干渉しないように配置される。例えば、送風口はコンテナ20の縁に配置されてもよい。コンテナ20が平面視で四角形状である場合には、送風口はコンテナ20の4隅に配置されてもよい。
【0027】
排水処理装置1は、脱水機10とコンテナ20の間に固形物12を破砕するブレード40を備えると好ましい。ブレード40は複数枚の金属製の刃で構成される。この態様では、固形物12をブレード40によって破砕して粉砕固形物14としてコンテナ20に収容でき、固形物12の表面積が増大することで固形物12に含まれる水分の蒸発が促進される。脱水機10がコンテナ20の鉛直方向における上方向に配置されたフィルタープレスである場合には、更にブレード40を備えることで、固形物12が落下する勢いを利用して固形物12を破砕してコンテナ20に収容できる。
【0028】
排水処理装置1は、コンテナ20を秤量する秤量ユニット50を備えると好ましい。
図3は、実施形態に係る秤量ユニット50にコンテナ20が載せられた状態を示す図である。秤量ユニット50はジャッキ54を備えるロードセル52であると好ましい。フィルタープレスから断続的に固形物12をコンテナ20に収容している際にはジャッキ54を上げてコンテナ20が床から浮いた状態として秤量し、集積固形物16を収容するコンテナ20を輸送車へ移送する際にはジャッキ54を下げてコンテナ20を床につけて秤量ユニット50を移動させてもよい。
【0029】
ここで、排水処理装置1を使用した排水処理方法を説明する。排水処理方法は、排水を脱水して固形物12を分離する脱水ステップと、脱水ステップで分離された固形物12をコンテナ20に収容するステップと、コンテナ20に収容された固形物12に気体を吹き付ける送風ステップと、を備える。
図1に示す例では、処理設備P1から排出された排液に凝集剤が加えられて、沈降分離槽8により汚泥6と上澄み4に分離され、このうちの汚泥6が脱水機10に導入される。脱水機10で脱水された液体分は上澄み4と併せて液体回収部P2に集められて放流される。脱水機10で分離された固形物12は、ブレード40によって破砕されて粉砕固形物14としてコンテナ20に収容される。そして、粉砕固形物14として集積された集積固形物16に、送風機30から気体を吹き付ける。
送風機30から気体を吹き付ける時間は脱水機10の処理条件により適宜設定される。例えば送風機30は、脱水機10から10秒~10分間隔で落下する粉砕固形物14に継続的に気体を吹き付けてもよい。また例えば送風機30は、コンテナ20が空の状態から規定の重量となるまでの1時間~120時間の間、集積固形物16に気体を吹き付け続ける態様としてもよい。
秤量ユニット50によって秤量するコンテナ20の総重量が規定の値になったところで、秤量ユニット50のジャッキ54を下げて輸送車にコンテナ20を移送する。
【0030】
(作用・効果)
上記排水処理装置1によれば、脱水機10で分離された水分を含む固形物12をコンテナ20に収容しつつ、送風機30から固形物12に気体を吹き付けることができる。これにより、固形物12に含まれる水分を減少させることができ、固形物12中の固形分の比率を増加させることができる。すなわち、固形物12の産業廃棄物としての処理費用を低減できる。
【0031】
また、高温エアを吹き付ける送風機30を用いることにより、固形物12の周囲温度を上昇させて飽和蒸気量を増やすことができる。また、乾燥エアを吹き付ける送風機30を用いることにより、相対湿度の低い雰囲気を維持することができる。これらを単独でまたは組み合わせて固形物12に吹き付けることで、固形物12に含まれる水分を効率良く減少させることができ、固形物12の産業廃棄物としての処理費用をさらに低減できる。
【0032】
また、フィルタープレス(脱水機10)から固形物12が自然に落下してコンテナ20に収容される排水処理装置1とする場合に、フィルタープレスとコンテナ20の間に固形物を破砕するブレード40を設けることで、固形物12が落下する勢いを利用して固形物12を破砕してコンテナ20に収容できる。破砕されて収容された固形物12(粉砕固形物14)では破砕前よりも表面積が増加するため、送風機30から吹き付けられる気体によって、固形物12に含まれる水分を効率良く減少させることができ、固形物12の産業廃棄物としての処理費用をさらに低減できる。
【0033】
また、コンテナ20を秤量する秤量ユニット50を備えることで、固形物12に含まれる水分が減少しても、コンテナ20の重量を正確に把握できる。輸送車に積載できる重量は制限されているところ、固形物12の分離を行いつつも正確にコンテナ20の重量の変化を把握できるので、積載可能な重量を大きく下回る重量で輸送することを回避でき、固形物12の輸送費用を低減できる。これにより、産業廃棄物に関する費用をさらに低減できる。
【0034】
また、上記排水処理方法によれば、脱水ステップで分離された水分を含む固形物12をコンテナ20に収容しつつ、固形物12に気体を吹き付けることができる。これにより、固形物12に含まれる水分を減少させることができ、固形物12中の固形分の比率を増加させることができる。すなわち、固形物12の産業廃棄物としての処理費用を低減できる。
【0035】
なお、上記実施形態においてブレード40を使用する態様を説明したが、別の態様として送風機30を任意の構成として、ブレード40を使用する排水処理装置を構成することも可能である。すなわち、脱水機10と、コンテナ20と、ブレード40と、を備える排水処理装置としてもよい。また、上記実施形態において秤量ユニット50を使用する態様を説明したが、別の態様として送風機30を任意の構成として、秤量ユニット50を使用する排水処理装置を構成することも可能である。すなわち、脱水機10と、コンテナ20と、秤量ユニット50と、を備える排水処理装置としてもよい。
【実施例0036】
(例1)
図2に示される、脱水機10と、コンテナ20と、送風機30と、ブレード40と、秤量ユニット50と、を備える排水処理装置1を使用して、ガラス母材製造時の排出ガスの処理設備から排出される排水(汚泥6、
図1参照)を処理して、コンテナ20に集積された固形物12の平均サイズ、表面温度、落下時から引取時の含水率を評価した。なお、含水率は固形物12の重量に対する水の重量の割合である。
【0037】
(落下時の含水率)
フィルタープレスから落下する固形物12に送風機30から気体を吹き付けながら、コンテナ20に固形物12を積載した。落下直後の固形物12の一部をサンプルとして採取し、落下直後のサンプルの重量を測定した。サンプルを完全に乾燥させてサンプル中の固形分の重量を求め、落下直後のサンプル重量からサンプル中の固形分の重量を引いてサンプル中の水の重量を求めた。サンプル中の水の重量を落下直後のサンプルの重量で割ることで、落下時の含水率を求めた。
【0038】
(引取時の含水率)
フィルタープレスから落下する固形物12に送風機30から気体を吹き付けながら、コンテナ20に固形物12を積載した。コンテナ20に積載された固形物12の重量が引取1回あたりの重量の上限に達した状態でコンテナ20に集積された固形物12の重量(コンテナ積載重量)を測定した。固形物12を完全に乾燥させて固形分の重量を求め、コンテナ積載重量から固形分の重量を引いて水の重量を求めた。水の重量をコンテナ積載重量で割ることで、引取時の含水率を求めた。
【0039】
また、後述する例2と比較した固形物12の処理費用(処分費)を評価した。結果を表1に示す。
【0040】
(例2)
送風機30と、ブレード40と、秤量ユニット50と、を備えず、脱水機10と、コンテナ20と、を備える従来の排水処理装置を使用した以外は例1と同様の態様により、ガラス母材製造時の排出ガスの処理設備から排出される排水(汚泥6、
図1参照)を処理して、各種評価を行った。
【0041】
(落下時の含水率)
落下時の含水率はフィルタープレスから落下する固形物12に送風機30から気体を吹き付けない以外は例1と同様に求めた。
【0042】
(引取時の含水率)
フィルタープレスから落下する固形物12に気体を吹き付けることなく、コンテナ20に固形物12を積載した。引取1回あたりのコンテナ積載重量が規定の上限重量を超えないように余裕を見て目視により引取のタイミングを判断してコンテナ20を引取った後に、コンテナ20を重量計に載せてコンテナ積載重量を測定した。
コンテナ積載重量を測定した後に固形物12を完全に乾燥させて固形分の重量を求め、コンテナ積載重量から固形分の重量を引いて水の重量を求めた。水の重量をコンテナ積載重量で割ることで、引取時の含水率を求めた。
結果を表1に示す。
【0043】
【0044】
表1の結果から、例1の排水処理装置1によればコンテナ20に収容された固形物12の含水率を好適に低減でき、固形物12の処分費を好適に低減できることが確認された。
【0045】
以上、特定の実施形態および実施例に基づいて本開示を説明したが、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1:排水処理装置、4:上澄み、6:汚泥、8:沈降分離槽、10:脱水機、12:固形物、14:粉砕固形物、16:集積固形物、20:コンテナ、30:送風機、40:ブレード、50:秤量ユニット、52:ロードセル、54:ジャッキ、P1:処理設備、P2:液体回収部