(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063413
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】バットおよびパーツ
(51)【国際特許分類】
A63B 60/06 20150101AFI20240502BHJP
A63B 69/00 20060101ALI20240502BHJP
A63B 102/18 20150101ALN20240502BHJP
【FI】
A63B60/06
A63B69/00 505A
A63B102:18
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171340
(22)【出願日】2022-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005935
【氏名又は名称】美津濃株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田渕 規之
(72)【発明者】
【氏名】見邨 康平
(72)【発明者】
【氏名】城市 直也
(57)【要約】
【課題】グリップエンド側の小指および薬指でしっかり握ることができるバットおよびパーツを提供する。
【解決手段】バット1は、グリップエンド11およびグリップ部12を含むハンドル部10と、ハンドル部10のグリップ部12に接続されたテーパ部20と、テーパ部20に接続されたバレル部30とを備えている。グリップ部12は、グリップエンド11側の手で把持される把持部12aと、グリップ部12の径方向に把持部12aよりも外側に張り出した突起部12bとを含んでいる。突起部12bは、把持部12aよりもバレル部30側に配置されており、かつバレル部30側の手で把持されるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリップエンドおよびグリップ部を含むハンドル部と、
前記ハンドル部の前記グリップ部に接続されたテーパ部と、
前記テーパ部に接続されたバレル部とを備え、
前記グリップ部は、前記グリップエンド側の手で把持される把持部と、前記グリップ部の径方向に前記把持部よりも外側に張り出した突起部とを含み、
前記突起部は、前記把持部よりも前記バレル部側に配置されており、かつ前記バレル部側の手で把持されるように構成されている、バット。
【請求項2】
前記突起部の最大の外径は、前記把持部の最大の外径よりも4mm以上20mm以下大きい、請求項1に記載のバット。
【請求項3】
前記突起部の前記グリップエンド側の端部は、前記把持部に沿って前記グリップエンドから50mm以上200mm以下離れて配置されている、請求項1に記載のバット。
【請求項4】
前記突起部は、前記グリップ部の延在方向に沿って延在する円柱形状を含む、請求項1に記載のバット。
【請求項5】
前記突起部は、前記グリップ部の延在方向に沿って前記グリップ部の中心に向けて傾斜する傾斜部を含む、請求項1に記載のバット。
【請求項6】
グリップエンドおよびグリップ部を含むハンドル部と、前記ハンドル部の前記グリップ部に接続されたテーパ部と、前記テーパ部に接続されたバレル部とを備えたバットの前記グリップ部に取り付けられるパーツであって、
前記パーツは、前記グリップ部の径方向に前記グリップ部の前記グリップエンド側の手で把持される把持部よりも外側に張り出しており、前記把持部よりも前記バレル部側に配置されており、かつ前記バレル部側の手で把持されるように構成されている、パーツ。
【請求項7】
前記パーツの最大の外径は、前記把持部の最大の外径よりも4mm以上20mm以下大きい、請求項6に記載のパーツ。
【請求項8】
前記パーツの前記グリップエンド側の端部は、前記把持部に沿って前記グリップエンドから50mm以上200mm以下離れて配置されている、請求項6に記載のパーツ。
【請求項9】
前記パーツは、前記グリップ部の延在方向に沿って延在する円筒形状を含む、請求項6に記載のパーツ。
【請求項10】
前記パーツは、前記グリップ部の延在方向に沿って前記グリップ部の中心に向けて傾斜する傾斜部を含む、請求項6に記載のパーツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バットおよびパーツに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、両手で把持してスイングする打具の把持を最適化する観点から打具の把持部が提案されている。たとえば、特開2015-084964号公報(特許文献1)には、グリップの後端部に設けられた突起部によって正しい手首の使い方の会得が容易になるグリップ補助具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
両手で把持してスイングする打具を操作する際には、特にグリップエンド側に配置される手の小指および薬指でしっかり握ることが運動連鎖の観点から効果的である。しかしながら、上記公報に記載されたグリップ補助具では、グリップの後端部に突起部が設けられているため、グリップエンド側に配置される手の小指および薬指でしっかり握ることは困難である。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的はグリップエンド側に配置される手の小指および薬指でしっかり握ることができるバットおよびパーツを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のバットは、グリップエンドおよびグリップ部を含むハンドル部と、ハンドル部のグリップ部に接続されたテーパ部と、テーパ部に接続されたバレル部とを備えている。グリップ部は、グリップエンド側の手で把持される把持部と、グリップ部の径方向に把持部よりも外側に張り出した突起部とを含んでいる。突起部は、把持部よりもバレル部側に配置されており、かつバレル部側の手で把持されるように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、グリップエンド側に配置される手の小指および薬指でしっかり握ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1におけるバットの概略正面図である。
【
図2】実施の形態1におけるバットのハンドル部の概略斜視図である。
【
図3】実施の形態2におけるバットに取り付けられたパーツの概略正面図である。
【
図4】実施の形態2におけるパーツの概略斜視図である。
【
図5】実施の形態3におけるバットまたはパーツの概略部分拡大側面図である。
【
図6】実施の形態3の変形例1におけるバットまたはパーツの概略部分拡大側面図である。
【
図7】実施の形態3の変形例2におけるバットまたはパーツの概略部分拡大側面図である。
【
図8】実施の形態3の変形例3におけるバットまたはパーツの概略部分拡大側面図である。
【
図9】実施の形態3の変形例4におけるバットまたはパーツの概略部分拡大側面図である。
【
図10】実施例におけるスコアと太さの増加幅との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、特に言及しない限り、以下の図面において同一または対応する部分には同一の参照符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0010】
(実施の形態1)
図1および
図2を参照して、本発明の実施の形態1におけるバット1の構成について説明する。バット1は、野球用またはソフトボール用のバットである。バット1は、ハンドル部10、テーパ部20およびバレル部30を備えている。ハンドル部10、テーパ部20およびバレル部30は、バット1の延在方向に並んで配置されている。ハンドル部10、テーパ部20およびバレル部30は一体に構成されている。ハンドル部10、テーパ部20およびバレル部30の材料はたとえばアルミニウム合金である。
【0011】
ハンドル部10は打者がバット1を握るための部分である。ハンドル部10はグリップエンド11およびグリップ部12を含んでいる。グリップエンド11はバット1の根元側の端部に設けられている。グリップエンド11は、バット1の根元側の端から一旦直径が太くなってから、グリップ部12側に向けて直径が細くなるように構成されている。バット1の根元側の端からグリップ部12側に向けて直径が最も急激に小さくなるポイントがグリップエンド11の端(グリップエンド11とグリップ部12との境界)とみなされる。グリップ部12はグリップエンド11に接続されている。グリップ部12はグリップエンド11に対してバット1の先端側に設けられている。
【0012】
テーパ部20はハンドル部10のグリップ部12に接続されている。また、テーパ部20はバレル部30に接続されている。テーパ部20は、ハンドル部10とバレル部30との間に設けられている。テーパ部20はハンドル部10のグリップ部12からバレル部30に向かって徐々に径が太くなっている。
【0013】
バレル部30はボールを打つための部分である。バレル部30はテーパ部20に接続されている。バレル部30はテーパ部20に対してハンドル部10と反対側に設けられている。
【0014】
グリップ部12は、把持部12aと、突起部12bとを含んでいる。把持部12aは、グリップエンド11側の手で把持される。突起部12bは、グリップ部12の径方向に把持部12aよりも外側に張り出している。突起部12bは、把持部12aよりもバレル部30側に配置されている。突起部12bは、バレル部30側の手で把持されるように構成されている。右打者の場合、把持部12aは左手で把持され、突起部12bは右手で把持される。他方、左打者の場合、把持部12aは右手で把持され、突起部12bは左手で把持される。
【0015】
突起部12bの最大の外径は、把持部12aの最大の外径よりも4mm以上20mm以下大きいことが好ましい。本実施の形態では、突起部12bの直径は、把持部12aの直径よりも4mm以上20mm以下大きい。
【0016】
突起部12bは、把持部12aに沿ってグリップエンド11からグリップエンド側の手の手幅の寸法以上離れて配置されている。突起部12bのグリップエンド11側の端部は、把持部12aに沿ってグリップエンド11から50mm以上200mm以下離れて配置されていることが好ましい。突起部12bは、グリップ部12の延在方向に沿ってグリップエンド11から50mm以上200mm以下離れて配置されていることが好ましい。
【0017】
突起部12bは、グリップ部12の延在方向に沿って延在する円柱形状を含んでいることが好ましい。本実施の形態では、突起部12bは全体として円柱形状に構成されている。そのため、本実施の形態では、突起部12bは、グリップ部12の延在方向に沿って均一の直径を有している。
【0018】
突起部12bは、グリップ部12の延在方向に沿ってバレル部30側の手の手幅の寸法以上の長さを有していることが好ましい。突起部12bは、グリップ部12の延在方向に沿って50mm以上200mm以下の長さを有していることが好ましい。
【0019】
次に、実施の形態1におけるバット1の作用効果について説明する。
【0020】
実施の形態1におけるバット1によれば、グリップ部12の径方向に把持部12aよりも外側に張り出した突起部12bは、バレル部30側の手で把持されるように構成されている。このため、突起部12bによってバレル部30側の手を握りにくくすることでバレル部30側の手の力を抜かせることができる。バレル部30側の手の力を抜かせることにより、グリップエンド11側に配置される手の小指および薬指で把持部12aをしっかり握ることができる。
【0021】
実施の形態1におけるバット1によれば、突起部12bの最大の外径は、把持部12aの最大の外径よりも4mm以上20mm以下大きい。このため、グリップエンド11側の手を主動させる感覚を向上させつつ、違和感を抑制することができる。
【0022】
実施の形態1におけるバット1によれば、突起部12bのグリップエンド11側の端部は、把持部12aに沿ってグリップエンド11から50mm以上200mm以下離れて配置されている。大人および子供の手幅のサイズのデータに基づいて突起部12bの配置を検討したところ、突起部12bのグリップエンド11側の端部が把持部12aに沿ってグリップエンド11から50mm以上200mm以下離れて配置されていることが好ましいことがわかった。
【0023】
実施の形態1におけるバット1によれば、突起部12bは、グリップ部12の延在方向に沿って延在する円柱形状を含んでいる。このため、円柱形状の円周方向のいずれからも同様に突起部12bをバレル部30側の手で把持することができる。また、バレル部30側の手で把持される突起部12bの直径を太くすることによってバレル部30側の手の把持をしにくくしてグリップエンド11側に配置される手でしっかり握りやすくできることに加えて、太い部分をバレル部30側の手の配置部分だけでなくグリップエンド11側の手の親指から中指が配置される部分まで伸ばすことによってグリップエンド11側の手の薬指および小指でよりしっかり握ることを強調させることもできる。
【0024】
(実施の形態2)
実施の形態2は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
【0025】
図3および
図4を参照して、本発明の実施の形態2におけるパーツ100の構成について説明する。パーツ100は、バット1のグリップ部12に取付けられる。パーツ100は、バット1のグリップ部12に着脱可能に構成されていてもよい。パーツ100は、バット1のグリップ部12よりも軟らかいことが好ましい。バット1は、グリップエンド11およびグリップ部12を含むハンドル部10と、ハンドル部10のグリップ部12に接続されたテーパ部20と、テーパ部20に接続されたバレル部30とを備えている。
【0026】
パーツ100は、グリップ部12の径方向にグリップ部12のグリップエンド11側の手で把持される把持部12aよりも外側に張り出している。パーツ100は、把持部12aよりもバレル部30側に配置されている。パーツ100は、バレル部30側の手で把持されるように構成されている。右打者の場合、把持部12aは左手で把持され、パーツ100は右手で把持される。他方、左打者の場合、把持部12aは右手で把持され、パーツ100は左手で把持される。
【0027】
パーツ100の最大の外径は、把持部12aの最大の外径よりも4mm以上20mm以下大きいことが好ましい。
【0028】
パーツ100のグリップエンド11側の端部は、把持部12aに沿ってグリップエンド11から50mm以上200mm以下離れて配置されていることが好ましい。
【0029】
パーツ100は、グリップ部12の延在方向に沿って延在する円筒形状を含んでいることが好ましい。本実施の形態では、パーツ100は全体として円筒形状に構成されている。円筒形状の軸方向に円筒形状を貫通する穴100aが設けられている。穴100aにグリップ部12が挿入される。また、パーツ100は、グリップ部12に巻きつきやすい構造を有するように構成されていてもよい。たとえば、パーツ100は、開閉可能に構成されている。パーツ100が開いた状態でグリップ部12がパーツ100の内側に挿入される。グリップ部12がパーツ100の内側に挿入された状態でパーツ100が閉じられることによりパーツ100がグリップ部12に巻きつく。
【0030】
次に、実施の形態2におけるパーツ100の作用効果について説明する。
【0031】
実施の形態2におけるパーツ100は、グリップ部12の径方向に把持部12aよりも外側に張り出しており、バレル部30側の手で把持されるように構成されている。このため、パーツ100によってバレル部30側の手を握りにくくすることでバレル部30側の手の力を抜かせることができる。バレル部30側の手の力を抜かせることにより、グリップエンド11側の手の小指および薬指で把持部12aをしっかり握ることができる。
【0032】
実施の形態1におけるパーツ100の最大の外径は、把持部12aの最大の外径よりも4mm以上20mm以下大きい。このため、グリップエンド11側の手を主動させる感覚を向上させつつ、違和感を抑制することができる。
【0033】
実施の形態1におけるパーツ100のグリップエンド11側の端部は、把持部12aに沿ってグリップエンド11から50mm以上200mm以下離れて配置されている。大人および子供の手幅のサイズのデータに基づいてパーツ100の配置を検討したところ、パーツ100のグリップエンド11側の端部が把持部12aに沿ってグリップエンド11から50mm以上200mm以下離れて配置されていることが好ましい。
【0034】
実施の形態1におけるパーツ100は、グリップ部12の延在方向に沿って延在する円筒形状を含んでいる。このため、円筒形状の円周方向のいずれからも同様にパーツ100をバレル部側の手で把持することができる。
【0035】
(実施の形態3)
実施の形態3は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1および2と同一の構成および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態1および2と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
【0036】
図5を参照して、実施の形態3における突起部12bは、グリップ部12の延在方向に沿ってグリップ部12の中心に向けて傾斜する傾斜部SPを含んでいる。傾斜部SPは、グリップ部12の延在方向に沿って突起部12bの両端に設けられている。傾斜部SPに挟まれた突起部12bの中央部は円柱形状に構成されている。また、実施の形態3におけるパーツ100は、グリップ部12の延在方向に沿ってグリップ部12の中心に向けて傾斜する傾斜部SPを含んでいる。傾斜部SPは、グリップ部12の延在方向に沿ってパーツ100の両端に設けられている。傾斜部SPに挟まれたパーツ100の中央部は円柱形状に構成されている。
【0037】
図6を参照して、実施の形態3の変形例1における突起部12bまたはパーツ100では、傾斜部SPは、グリップ部12の延在方向に沿って突起部12bまたはパーツ100の中央から両端に向けてグリップ部12の中心に向けて傾斜している。
【0038】
図7を参照して、実施の形態3の変形例2における突起部12bまたはパーツ100では、傾斜部SPはグリップエンド11に近づくに従ってグリップ部12の中心に近づくように傾斜している。
【0039】
図8を参照して、実施の形態3の変形例3における突起部12bまたはパーツ100では、傾斜部SPはグリップエンド11から離れるに従ってグリップ部12の中心に近づくように傾斜している。
【0040】
図9を参照して、実施の形態3の変形例4における突起部12bまたはパーツ100では、傾斜部SPに挟まれた突起部12bまたはパーツ100の中央部に波形の凹凸部BPが設けられている。
【0041】
次に、実施の形態3の作用効果について説明する。
【0042】
実施の形態3におけるバット1によれば、突起部12bは、グリップ部12の延在方向に沿ってグリップ部12の中心に向けて傾斜する傾斜部SPを含んでいる。このため、傾斜部SPによって、バレル部30側の手の力を抜かせたい指にあたる部位を太くすることができる。
【0043】
実施の形態3におけるパーツ100は、グリップ部12の延在方向に沿ってグリップ部12の中心に向けて傾斜する傾斜部SPを含んでいる。このため、傾斜部SPによって、バレル部30側の手の力を抜かせたい指にあたる部位を太くすることができる。
【0044】
また、傾斜部SPが突起部12bまたはパーツ100の両端に設けられているため、バレル部30側の手の指を傾斜部SPかけて把持しやすくすることができる。
【0045】
また、凹凸部BPによってバレル部30側の手を滑り難くすることができる。
【実施例0046】
パーツが取り付けられたバットでボールを打撃した際の官能試験について説明する。
【0047】
被験者は、野球競技の経験者4名(いずれも右打者)である。グリップ部の構造の異なるソフトボール用バット7種類でティー打撃が実施された。ベースとなるバットはミズノ製ソフトボールバットX(83cm、680g、グリッブ部直径22mm)である。パーツは、グリップエンドの上端(ヘッド側)から100mm~200mmの領域に取り付けられた。パーツによる太さの増加幅は、0mm(増大なし)、4mm、8mm、12mm、16mm、20mm、24mmの7段階である。順序効果の影響が出ないように被験者ごとに異なる順序で計測が行われた。
【0048】
評価方法として、被験者が各バットについて以下の2項目について主観評価を行った。スコアは、各バットについて2回の評価を行った平均点である。違和感は、バットとしてのグリップ部の違和感である。とても違和感があるを1点とし、やや違和感があるを2点とし、どちらでもないを3点とし、ほとんど違和感がないを4点とし、まったく違和感がないを5点として評価した。主動感は、グリップエンド側の手が主動しているという感覚である。まったくないを1点とし、あまりないを2点とし、どちらでもないを3点とし、ややあるを4点とし、非常にあるを5点として評価した。総合評価は、違和感と主動感の合計点である。
【0049】
図10は、総合評価と太さの増加幅との関係を示している。
図10に示されるように、総合評価は太さの増加幅が4mmで大きく上昇し、20mmを超えると急激に低下した。したがって、総合評価は、太さの増加幅が4mm以上20mm以下で高くなった。これにより、太さの増加幅が4mm以上20mm以下においてグリップエンド側の手を主動させる感覚を向上させつつ、違和感を抑制することができた。
【0050】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
1 バット、10 ハンドル部、11 グリップエンド、12 グリップ部、12a 把持部、12b 突起部、20 テーパ部、30 バレル部、100 パーツ、SP 傾斜部。