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特開2024-63417組立ブロック用ヒンジ機能付ジョイント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063417
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】組立ブロック用ヒンジ機能付ジョイント
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/08 20060101AFI20240502BHJP
【FI】
A63H33/08 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171348
(22)【出願日】2022-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000115371
【氏名又は名称】ヨシリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】吉條 宏
(72)【発明者】
【氏名】新井 陽香
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA13
2C150BA24
2C150BA42
2C150BB01
2C150CA08
2C150CA26
2C150EH06
2C150EH16
(57)【要約】
【課題】ドアのようなヒンジ動作部を有する立体作品を組み立て可能な組立ブロックのジョイントを提供する。
【解決手段】ブロック板11の受口にそれぞれ各方向のプラグ22を差し込んで、ブロック板11同士を連結する組立ブロック用ヒンジ機能付きジョイント25において、プラグ22をそれぞれ備えた同一形状の一対の分割部材1から成り、分割部材1は、プラグ22の基部の一側から側延部24が延び、他側に軸支部2を備え、軸支部2から突出する連結軸3と、側延部24に形成された軸受穴4とは軸線が一致し、側延部24に刻設された軸入溝5が軸受穴4まで連通する形状とし、一対の分割部材1を側延部24と連結軸3とが互いに反対側となる方向へ向け、一方の分割部材1の連結軸3を他方の分割部材1の軸受穴4に挿入して、一対の分割部材1同士を軸線の回りに回動自在に結合したものとする。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロック板(11)の受口(12)にそれぞれ各方向のプラグ(22)を差し込んで、前記ブロック板(11)同士を連結する組立ブロック用ヒンジ機能付ジョイント(25)であって、
前記プラグ(22)をそれぞれ備えた同一形状の一対の分割部材(1)から成り、
前記分割部材(1)は、前記プラグ(22)の基部の一側から側延部(24)が延び、他側に軸支部(2)を備えると共に、前記側延部(24)と前記軸支部(2)との間に前記軸支部(2)に対応する間隔を有し、前記軸支部(2)から突出する連結軸(3)と、前記側延部(24)に形成された軸受穴(4)とは軸線が一致し、前記側延部(24)に前記プラグ(22)の反対側から刻設された軸入溝(5)が前記軸受穴(4)まで連通する形状とされ、
前記一対の分割部材(1)は、前記側延部(24)と前記連結軸(3)とが互いに反対側となる方向へ向けられ、一方の分割部材(1)の側延部(24)と軸支部(2)の間に他方の分割部材(1)の軸支部(2)が嵌め込まれ、一方の分割部材(1)の連結軸(3)が他方の分割部材(1)の側延部(24)を弾性変形させつつ、前記軸入溝(5)を介し前記軸受穴(4)に挿入されて、前記一対の分割部材(1)同士が軸線の回りに回動自在に結合されていることを特徴とする組立ブロック用ヒンジ機能付ジョイント。
【請求項2】
前記分割部材(1)のプラグ(22)の基部には、前記一対の分割部材(1)同士の回動範囲を所定範囲に規制する規制面(6)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の組立ブロック用ヒンジ機能付ジョイント。
【請求項3】
前記分割部材(1)の側延部(24)には、前記軸入溝(5)の開放口の両側方の外面に切り欠かれた面取状の逃曲面(7)が形成され、
前記一対の分割部材(1)同士が軸線の回りに相対的に回動したとき、一方の分割部材(1)に結合されたブロック板(11)の外周面と他方の分割部材(1)の側延部(24)との干渉が前記逃曲面(7)により回避されることを特徴とする請求項1又は2に記載の組立ブロック用ヒンジ機能付ジョイント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、可動部分を有する3次元の立体を組み立てることができる組立ブロックのジョイントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、下記特許文献1に記載された発明に基づいて、図10に示すように、平面形状が正方形及び正三角形のブロック板11と、このブロック板11同士を連結するジョイント21の組み合わせから成るプラスチック製の組立ブロック[商品名:LaQ(登録商標)]を提供している。このような組立ブロックは、既に広く流通している(実際の形状は下記特許文献2~4参照)。
【0003】
このブロック板11の周囲各辺には、表面側と裏面側が窪んだ受口12が形成され、受口12には突条13が設けられている。ジョイント21には、プラグ22が少なくとも2方向へ向けて突設され、プラグ22の内面に彫溝23が設けられている。また、プラグ22の基部間には両側へ延びる角柱状の側延部24が張り出している。
【0004】
このようなブロック板11同士を連結する際、ブロック板11の受口12にジョイント21のプラグ22を差し込むと、プラグ22の外縁が受口12の奥側の段差に当接すると共に、突条13が彫溝23に係合し、側延部24がブロック板11の外周面に当接して、連結状態が安定する。
【0005】
ジョイント21には連結態様に応じて複数の種類が存在し、図示したように、プラグ22が同一平面で2方向に突出する形状の基本的なタイプのほか、プラグ22が直交する2方向に突出するもの、直交する3方向に突出するもの、120°の角度で2方向に突出するもの、プラグ22の基端間の距離が大きなものなどが用意されている。これらのジョイント21を介して正方形及び正三角形のブロック板11を連結すると、動物や乗物などの様々な形状の立体を組み立てることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3221637号公報
【特許文献2】意匠登録第929785号公報
【特許文献3】意匠登録第929786号公報
【特許文献4】意匠登録第929787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のような組立ブロックの基本パーツだけでは、例えば、自動車のドア等の可動部を有する作品を組み立てようとした場合、車体に対しドアを開閉できるようにすることができない。
【0008】
そこで、この発明は、開閉等のヒンジ動作部を有する立体作品を組み立て可能な組立ブロックのジョイントを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、この発明は、ブロック板の受口にそれぞれ各方向のプラグを差し込んで、前記ブロック板同士を連結する組立ブロック用ヒンジ機能付ジョイントであって、
前記プラグをそれぞれ備えた同一形状の一対の分割部材から成り、
前記分割部材は、前記プラグの基部の一側から側延部が延び、他側に軸支部を備えると共に、前記側延部と前記軸支部との間に前記軸支部に対応する間隔を有し、前記軸支部から突出する連結軸と、前記側延部に形成された軸受穴とは軸線が一致し、前記側延部に前記プラグの反対側から刻設された軸入溝が前記軸受穴まで連通する形状とされ、
前記一対の分割部材は、前記側延部と前記連結軸とが互いに反対側となる方向へ向けられ、一方の分割部材の側延部と軸支部の間に他方の分割部材の軸支部が嵌め込まれ、一方の分割部材の連結軸が他方の分割部材の側延部を弾性変形させつつ、前記軸入溝を介し前記軸受穴に挿入されて、前記一対の分割部材同士が軸線の回りに回動自在に結合されているものとしたのである。
【0010】
また、前記分割部材のプラグの基部には、前記一対の分割部材同士の回動範囲を所定範囲に規制する規制面が形成されているものとしたのである。
【0011】
また、前記分割部材の側延部には、前記軸入溝の開放口の両側方の外面に切り欠かれた面取状の逃曲面が形成され、
前記一対の分割部材同士が軸線の回りに相対的に回動したとき、一方の分割部材に結合されたブロック板の外周面と他方の分割部材の側延部との干渉が前記逃曲面により回避されるものとしたのである。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係るジョイントを使用すると、回動自在に結合された一対の分割部材のそれぞれのプラグを、連結対象となるそれぞれのブロック板の受口に差し込むことにより、連結されたブロック板同士が一対の分割部材の軸線の回りに回動可能となるので、開閉等のヒンジ動作部を有する多様な立体作品を組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】この発明に係る組立ブロック用ヒンジ機能付ジョイントを示す全体斜視図
図2】同上の図1のA-A線に沿った断面図
図3】同上の図2のB-B線に沿った断面図
図4】同上の一対の分割部材の分離状態を示す斜視図
図5】同上のヒンジ機能付ジョイントによるブロック板の連結状態を示す斜視図
図6】同上のブロック板同士の回動過程を示す平面図
図7】同上のブロック板同士が回動して直角をなす状態を示す斜視図
図8】同上のヒンジ機能付ジョイントを使用した自動車の作品を示す斜視図
図9】同上の自動車のドアを開けた状態を示す部分拡大斜視図
図10】組立ブロックの基本パーツを示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0015】
図1乃至図3に示すヒンジ機能付ジョイント25は、上述の組立ブロックの構成要素として、ジョイント21の一種となるプラスチック製のものであり、図4に示すように、同一形状の一対の分割部材1から構成される。分割部材1は、それぞれプラグ22を備えており、プラグ22の内面には、彫溝23が設けられている。
【0016】
そして、分割部材1は、プラグ22の基部の一側に側延部24が延設され、他側に軸支部2を備えると共に、側延部24と軸支部2との間に軸支部2に対応した間隔を有するものとされ、軸支部2から突出する連結軸3と、側延部24に形成された軸受穴4とは軸線が一致している。軸受穴4の内径は、連結軸3の外径よりも僅かに大きくなっている。
【0017】
側延部24には、プラグ22の反対側から軸受穴4まで連通する軸入溝5が刻設され、軸入溝5は、軸受穴4に臨む部分の幅が括れるように狭くなっており、その最小幅は連結軸3の外径よりも小さくなっている。
【0018】
プラグ22の基部の両側には、一対の分割部材1同士の回動範囲を所定範囲に規制する規制面6が形成されている。両側の規制面6は、プラグ22の外側面に対し、軸支部2へかけてそれぞれ45°の角度をなすように傾斜している。
【0019】
分割部材1の側延部24には、軸入溝5の開放口の両側方の外面に切り欠かれた面取状の逃曲面7が形成されている。
【0020】
分割部材1の軸支部2は円筒状とされ、プラグ22の基部には、側延部24と軸支部2の間の部分に、凹入した受曲面8が形成されている。受曲面8は、対をなす分割部材1の軸支部2の外径面が摺動する曲面となっている。
【0021】
このヒンジ機能付ジョイント25の組み立てに際しては、一対の分割部材1を、側延部24と連結軸3とが互いに反対側となる方向へ向け、一方の分割部材1の側延部24と軸支部2の間に他方の分割部材1の軸支部2を嵌め込む。
【0022】
このとき、一方の分割部材1の連結軸3が他方の分割部材1の側延部24を弾性変形させつつ、軸入溝5を介し軸受穴4に挿入されるようにすると、一対の分割部材1同士が軸線の回りに回動自在に結合される。
【0023】
そして、図5に示すように、ブロック板11同士を連結するには、一対の分割部材1のプラグ22を、それぞれブロック板11の受口12に差し込む。これに伴い、突条13が彫溝23に係合し、側延部24の平坦な端面がブロック板11の外周面に当接して、ブロック板11とヒンジ機能付ジョイント25の連結状態が安定する。
【0024】
このように連結した一対のブロック板11は、図6及び図7に示すように、ヒンジ機能付ジョイント25の軸線を中心として、互いに回動させることができる。
【0025】
一対の分割部材1同士が軸線の回りに相対的に回動したとき、一方の分割部材1に結合されたブロック板11の外周面と他方の分割部材1の側延部24との干渉は、逃曲面7により回避される。
【0026】
なお、一対の分割部材1同士の回動範囲は、図3及び図7に示すように、一対の分割部材1の規制面6同士が当接することにより、ブロック板11へのプラグ22の差込方向に対し、両方向へそれぞれ90°に制限される。
【0027】
上記のようなヒンジ機能付ジョイント25を使用すると、回動自在に結合された一対の分割部材1のそれぞれのプラグ22を、連結対象となるそれぞれのブロック板11の受口12に差し込むことにより、連結されたブロック板11同士が一対の分割部材1の軸線の回りに回動可能となるので、例えば、図8及び図9に示すように、車体に対して開閉可能なドアを有する自動車のような作品を組み立てることができる。
【0028】
また、このヒンジ機能付ジョイント25は、既存の組立ブロックのジョイント21の一種とされ、基本パーツのブロック板11に接続できるので、既存の組立ブロックのユーザーは、このヒンジ機能付ジョイント25を追加購入することにより、組み立てられる作品の多様性をさらに広げることができる。
【符号の説明】
【0029】
1 分割部材
2 軸支部
3 連結軸
4 軸受穴
5 軸入溝
6 規制面
7 逃曲面
8 受曲面
11 ブロック板
12 受口
13 突条
21 ジョイント
22 プラグ
23 彫溝
24 側延部
25 ヒンジ機能付ジョイント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10