(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063427
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】配線器具用取付枠
(51)【国際特許分類】
H02G 3/02 20060101AFI20240502BHJP
H01H 9/02 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
H02G3/02
H01H9/02 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171367
(22)【出願日】2022-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】500268270
【氏名又は名称】小林 聰高
(72)【発明者】
【氏名】小林聰高
【テーマコード(参考)】
5G052
5G357
【Fターム(参考)】
5G052AA12
5G052HA21
5G052HB04
5G052HB06
5G357CA06
5G357CB02
5G357CC01
5G357CD01
5G357CE01
5G357CF02
(57)【要約】
【課題】 配線埋込ボックスにおいて、壁面に取付けた配線埋込ボックスにケーブルを接続した配線器具を装着し固定を容易に施工できる配線器具用取付枠を提供する。
【解決手段】 壁面に取付けた配線埋込ボックスに配線器具用取付枠を取付固定するにあたり、配線埋込ボックスに用いる固定ネジを該配線器具用取付枠のネジ孔の通し、該配線埋込ボックスのネジ受に挿入、ネジ込む作業を容易にする手段として、該配線器具用取付枠の上下に固定ネジのネジ部を通す固定ネジ孔と固定ネジの頭部を通す固定ネジ頭部通し孔と連通の連通部を形成し、前記ネジ部を前記連通部より移動を可能にし、固定ネジ頭部通し孔の周縁より前面方向に凸設する。
又は、固定ネジ頭部通し孔の縁辺に補助リブを前方に突出状に形成し、剛性を高めた配線器具用取付枠。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓孔を有する配線器具用取付枠において、前記窓孔の対向に一対の挟持部を三か所形成し、前記窓孔にコンセント類の配線器具を前記一対の挟持部で挟持し保持する前記配線器具用取付枠であって、
前記配線器具用取付枠の上下に固定ネジのネジ部を挿通する固定ネジ孔と固定ネジの頭部を挿通する固定ネジ頭部通し孔と、前記ネジ部を前記固定ネジ頭部通し孔より前記固定ネジ孔へ移動を可能とする連通部を形成し、
前記配線器具用取付枠は左右側の両端縁の前面方向に突起した一対の縁リブの形成において、両端縁、又は前記固定ネジ頭部通し孔側の一方端縁の前記縁リブ端部に前記固定ネジ頭部通し孔の端部の位置まで延長の補強縁リブを形成することで前記配線器具用取付枠の剛性を高めることを特徴とする配線器具用取付枠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気配線工事の施工において、コンセント、スイッチ等の取付けにおいて、ボックスに用いる配線器具用取付枠に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気配線工事に用いる埋込ボックスを壁面に埋込取付し、コンセント、スイッチ又はコントロール等を配線器具用取付枠に装着し、固定ネジを用いて、取付枠の固定ネジ通し孔に通し、該埋込ボックスのネジ受孔に締付け取付固定をする。
また、既存の埋込ボックスに取付けたスイッチ、コンセント等の経年変化によるトラブルで交換作業をおこなうにおいても、既存の配線器具埋込ボックスに前記記載と同様に取付固定をする。
【0003】
しかし、埋込ボックスへの配線器具を装着した取付枠を固定ネジで締付け取付固定作業において、取付枠の固定ネジ孔に固定ネジを通し、該埋込ボックスのネジ受孔に締付け取付固定を施工を行うとき、埋込ボックスの状況により固定ネジがネジ受孔の位置へ正確に入らず、かなり苦労を要する。
このことは、2本の固定ネジの最後の1本をネジ受孔が見えず時間を要してしまう問題が多々ある。
【0004】
そこで、上記の問題を解決することから配線器具用取付枠を用いて、取付枠に配線器具を装着し、取付枠の上下にネジ通し孔を形成し、該ネジ通し孔の一方端に枠端よりネジ部がスライドできる切込みを設け、ネジ部がネジ通し孔に移動できるように形成した取付枠がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上下のねじ通し孔一方端に取付枠の端よりネジ幅の切込みを上下に形成することは、取付枠の剛性を著しく低くし、プラグの出し入れ等を繰り返すことで、取付枠の剛性を低くし、変形をすることで電気的にトラブルを問題の発生がある。
本来、取付枠は経年変化により変形を防ぐため取付枠の左右方向における両端縁から前方に突出する一対のリブを設け、さらに一部に一対の突起状を上下に設けて取付枠の剛性を高める構成である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明は、上記の課題になされたもので、従来の取付枠の剛性の高い状態を保ち、容易に埋込ボックスに配線器具を装着した取付枠を容易に取付固定できる構造とした配線器具用取付枠を提供するものである。
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は窓孔を有する金属製、又は樹脂製の配線器具用取付枠において、前記窓孔の対向に一対の挟持部を三か所形成し、前記窓孔にコンセント類の配線器具を前記一対の挟持部で狭持し保持する前記配線器具用取付枠であって、
前記配線器具用取付枠の上下に固定ネジのネジ部を挿通する固定ネジ孔と固定ネジの頭部を挿通する固定ネジ頭部通し孔と、前記ネジ部を前記固定ネジ頭部通し孔より前記固定ネジ孔へ移動を可能とする連通部を形成し、
前記配線器具用取付枠は左右側の両端縁の前面方向に突起した一対の縁リブの形成において、両端縁、又は前記固定ネジ頭部通し孔の一方端縁の前記縁リブ端部に前記固定ネジ頭部通し孔の端部の位置まで延長の補強縁リブを形成することで前記配線器具用取付枠の剛性を高めることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、壁面(造営物)に設けた埋込ボックスに配線接続をした配線器具をネジ止により取付固定作業において、新築の取付作業、あるいは故障における交換作業にネジ止作業の取付を容易にでき、特に作業のし難い場所であって2本目のネジ止めを容易に取付固定することができる。
よって、配線器具のコンセント、スイッチ等を装着した取付枠を壁面に取付けた配線用埋込ボックスに短時間で取付固定を可能とすることができ作業効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第一実施例において、固定ネジ頭部通し孔による取付枠の剛性の劣化を防ぐ補強縁リブを形成した図で、a)図は左右側の両端縁一対の縁リブの形成より凹溝に一対の補強縁リブを形成した正面図。b)図は固定ネジ頭部通し孔側の凹溝に一方端縁まで補強縁リブを形成した正面図。 c)図はa)図b)図の側面図である。
【
図2】第一実施例の
図1のa)図、b)図の要部拡大斜視図である。
【
図3】第一実施例における取付枠の端縁に補強縁リブを形成した図で、a)図は取付枠の一方端縁に突起した縁リブを上端位置まで補強縁リブを形成、b)図は両端縁の前面方向に突起した一対の縁リブを上端位置まで補強縁リブを形成した要部拡大斜視図である。
【
図4】第一実施例において、配線器具用取付枠の窓孔に配線器具コンセントを取付けた状態の正面図である。
【
図5】第一実施例の配線器具用取付枠を壁面(造営物)に設けた埋込ボックスに取付ける状態を側面の断面図である。
【
図6】第一実施例の
図5において、埋込ボックスに先端をネジ込んだ固定ネジの頭部を取付枠の固定ネジ頭部通し孔に挿通し、固定ネジ孔に移動する状態の要部拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の第一実施例について図を参照しながら説明する。
【0012】
最初に、本発明の第一実施例の形態について、
図1から
図6までを参照して説明する。
ここで、
図1から
図4において、
図1は本発明の第一実施例の構成は配線器具用取付枠1の取付枠2の端縁に補強縁リブ91を形成した図で、固定ネジ頭部通し孔4による取付枠2の剛性の劣化を防ぐ補強縁リブ91を形成した図で、
図1a)図は左右側の両端縁一対の縁リブ9の形成より凹溝に一対の補強縁リブ91を形成した正面図。
図1b)図は固定ネジ頭部通し孔側4の凹溝に一方端縁まで補強縁リブ91を形成した正面図。
図1c)図はa)、図b)図の側面図である。
図2は
図1a図、b図、及びc図の要部拡大図を示す取付枠2。
また、
図3は取付枠2の端縁に補強縁リブ92を形成した図で、
図3a)図は取付枠2の一方端縁に突起した縁リブ9を上端位置まで補強縁リブ92を形成、
図3b)図は両端縁の前面方向に突起した一対の縁リブ9を上端位置まで補強縁リブ92を形成した要部拡大斜視図を示す取付枠2のそれぞれの構成において、
窓孔21を有する配線器具用取付枠1の取付枠2において、前記窓孔21の対向に一対の挟持部を三か所形成し、配線器具のコンセント、スイッチ、又はコントロール等を前記取付枠2の窓孔21に嵌め、前記器具の一方端を受係合突出12に係合し、配線器具のもう一方端をカシメ部10と係合突出11に-ドライバー等で係合突出11を嵌合し前記配線器具の固定をする。
また、取付枠2の窓孔21の上下の部分に固定ネジ頭部16を挿通する固定ネジ頭部通し孔4と連通部5を経て固定ネジ孔3を形成し、両サイドに補助金具を用いて取付可能な引掛部15が設けられている。
前記取付枠2の構造により、固定ネジ頭部通し孔4と固定ネジ孔3を連通して形成することで取付枠2の剛性が低下することで、取付枠2の強度の劣化が配線器具の抜き差しを長年利用することで経年変化により取付枠2の変形等が発生することを防ぐことから、
配線器具用取付枠1、又は
図4の配線器具コンセント8付の取付枠2の左右側の両端縁の前面方向に突起した一対の縁リブ9の形成より前記固定ネジ頭部通し孔4の上端位置まで
図3の補強縁リブ92を延長して形成する。
又は、
図2の凹溝14に補強縁リブ91を延長して形成する。
なお、突起13は取付枠2の連接するときの位置をきめて配線器具用取付枠1を連結する取付工事に利用するものである。
【0013】
また、
図5及び
図6においては壁面に取付けた配線埋込ボックス22に配線器具用取付枠1を装着し、固定ネジを用いて締付け取付、固定する要部断面側面図で、
図5は配線埋込ボックス22の固定ネジ止め部25に固定ネジ17の先端をねじ込み仮止めの状態において、固定ネジ頭部通し孔4に固定ネジ頭部16の部分のみを挿通した後に連通部5を経て固定ネジ孔3に固定ネジ部を点線の
図6に示すように移動をする状態の要部拡大斜視図である。
なお、取付枠2の上下端にプレート取付台19とプレート取付台19の中央にプレートネジ孔18を設け化粧プレートを固定する。
【0014】
以上の構成により、本発明を用いて壁面27(造営物)に設けた配線埋込ボックス22への取付作業の一例について説明をする。
図5に示すように、壁面27の裏側に配線埋込ボックス22の取付において、壁面27の厚みが10mm~20mm程において用いる固定ネジ17の全長の長さは40mm~50mmの長さを用いることが望ましい、これらの条件での作業において、
壁、柱等に配線埋込ボックス22のボックス取付ネジ孔25より木ネジ23を通し締付け、配線埋込ボックス22を固定し、配線埋込ボックス22に配線工事済みのFケーブル26を通し、壁面27の前面に出した状態で、
配線器具用取付枠1に配線器具のコンセント8、又はスイッチ類を取付けた配線器具コンセント8、又は配線器具スイッチ等のケーブル接続端子にFケーブル26の線を接続する。
一方、壁面27に取付けた配線埋込ボックス22の固定ネジ止部25に全長40mm~50mmの先端部分の僅かにねじ込み、壁面27の前面に15mm~23mm程突出した状態にし、
Fケーブル26を接続した配線器具コンセント8等を壁面22に取付けた該配線埋込ボックス22に装着した固定ネジ17の固定ネジ頭部の2本を固定ネジ頭部通し孔4に挿通し、挿通した固定ネジ17の固定ネジ部17が連通部5を経て固定ネジ孔3に移動をすることで線器具取付枠1の本体を配線埋込ボックス22の取付位置に整え、固定ネジ17の2本を締付け、壁面27の前面に取付固定をする。
よって、従来の作業で造営物に取付けた配線埋込ボックスに配線器具用取付枠1を取付固定において、固定ネジ孔25の締付けの手間のかかる作業において、配線器具用取付枠1の取付枠2の構造により容易にでき、作業時間の短縮が可能となる。
【0015】
尚、窓孔を有する配線器具用取付枠1の取付枠2において、該取付枠2の上下に固定ネジ17を挿通する固定ネジ孔3と前記固定ネジの頭部16を挿通する固定ネジ頭部通し孔4に形成し、前記固定ネジ孔3と前記固定ネジ頭部通し孔4は接する連通部5を形成した配線器具用取付枠1の取付枠2。
該取付枠2の極めて高い剛性の材質を用いることで、経年変化により容易に変形がしない取付枠2を用いることで、補強リブ7の補強縁リブ91、92を形成をしない取付枠2も可能である。
【符号の説明】
【0016】
1は配線器具用取付枠
2は取付枠
3は固定ネジ孔
4は固定ネジ頭部通し孔
5は連通部
8は配線器具コンセント
9は縁リブ
91:92は補強縁リブ
10はカシメ部
11は係合突出
12は受係合突出
13は連設位置きめ突起
14は凹溝
15は引掛部
16は固定ネジ頭部
17は:固定ネジ
171:固定ネジのネジ部
18はプレートネジ孔
19はプレート取付台
20はプラグ栓刃受孔
21は窓孔(配線器具取付窓孔)
22は配線埋込ボックス
23は木ネジ
24はボックス取付ネジ孔
25は固定ネジ止部
26はFケーブル
27は壁面