(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063441
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】射出成形機
(51)【国際特許分類】
B29C 45/83 20060101AFI20240502BHJP
【FI】
B29C45/83
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171398
(22)【出願日】2022-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】前川 将悟
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206AJ14
4F206AM24
4F206AR14
4F206JA07
4F206JD01
4F206JL02
4F206JL08
4F206JP02
4F206JQ11
4F206JQ90
(57)【要約】
【課題】供給路を介して潤滑剤室に潤滑剤を供給する場合に所望量の潤滑剤を確度高く支持部材に供給することができる射出成形機を提供する。
【解決手段】射出成形機は、筒状部材と、筒状部材の内側に少なくとも一端が収納されるとともに、筒状部材に対して回転可能に設けられる回転体と、筒状部材と回転体との間に設けられて回転体を回転可能に支持する支持部材と、筒状部材と回転体との間に形成され、支持部材を潤滑する潤滑剤を収容する潤滑剤室と、潤滑剤室を密封する密封部材と、潤滑剤室に潤滑剤を供給する供給路と、を備え、支持部材は供給路上に配置されているとともに、回転体には潤滑剤室から支持部材とは反対側に潤滑剤を流出させる流出路が形成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状部材と、
前記筒状部材の内側に少なくとも一端が収納されるとともに、前記筒状部材に対して回転可能に設けられる回転体と、
前記筒状部材と前記回転体との間に設けられて当該回転体を回転可能に支持する支持部材と、
前記筒状部材と前記回転体との間に形成され、前記支持部材を潤滑する潤滑剤を収容する潤滑剤室と、
前記潤滑剤室を密封する密封部材と、
前記潤滑剤室に前記潤滑剤を供給する供給路と、
を備え、
前記支持部材は前記供給路上に配置されているとともに、前記回転体には前記潤滑剤室から当該支持部材とは反対側に前記潤滑剤を流出させる流出路が形成されている、
射出成形機。
【請求項2】
前記流出路は、前記潤滑剤室から前記回転体の回転半径方向の内側に延びる半径方向流路と、当該半径方向流路と連通するとともに当該回転体の回転軸方向に延びる軸方向流路と、を有する、
請求項1に記載の射出成形機。
【請求項3】
前記半径方向流路における前記回転軸方向の位置は、前記支持部材と前記密封部材との間であり、
前記軸方向流路は、前記回転半径方向において、前記密封部材の内側に形成されている、
請求項2に記載の射出成形機。
【請求項4】
前記回転体は、柱状部材と、当該柱状部材の外周に嵌め込まれた環状部材とを有し、
前記流出路は前記環状部材に形成されている、
請求項1に記載の射出成形機。
【請求項5】
前記環状部材は、第1円筒状部と、当該第1円筒状部の外径よりも大きな外径の第2円筒状部とを有し、
前記支持部材は、前記第1円筒状部の外周に嵌め込まれており、
前記潤滑剤室は、前記支持部材、前記筒状部材、前記第2円筒状部及び前記密封部材の間に形成されている、
請求項4に記載の射出成形機。
【請求項6】
前記環状部材は、前記第2円筒状部の外径以下の外径の第3円筒状部をさらに有し、
前記密封部材は、前記環状部材と前記筒状部材との隙間を密封するように前記第3円筒状部と前記筒状部材との間に設けられている、
請求項5に記載の射出成形機。
【請求項7】
前記流出路は、前記潤滑剤室から前記回転体の回転半径方向の内側に延びる半径方向流路と、当該半径方向流路と連通するとともに当該回転体の回転軸方向に延びる軸方向流路と、を有し、
前記半径方向流路は、前記第2円筒状部に形成され、前記軸方向流路は、前記第2円筒状部及び前記第3円筒状部に形成されている、
請求項6に記載の射出成形機。
【請求項8】
前記第2円筒状部及び前記第3円筒状部には、前記第1円筒状部とは反対側の端面から前記支持部材に達するように前記回転体の回転軸方向に貫通する貫通孔が形成され、
前記流出路は、周方向において、前記貫通孔が形成されていない部位に形成されている、
請求項6に記載の射出成形機。
【請求項9】
前記流出路の断面積は前記貫通孔の断面積よりも小さい、
請求項8に記載の射出成形機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、射出成形機に用いられる回転体の回転を支持する、ベアリング等の支持部材の耐久性を向上させることができる技術が提案されている。
例えば、特許文献1に記載された射出成形機は、第1の駆動部と、該第1の駆動部を駆動することによって回転させられ、筒状部を備えた第1の回転体と、第2の駆動部と、前記筒状部に一端が収納され、前記第1の回転体に対して回転自在に配設され、かつ、前記第2の駆動部を駆動することによって回転させられる第2の回転体とを有する。また、特許文献1に記載された射出成形機は、前記第1の回転体に対して第2の回転体を支持する支持部材と、該支持部材を潤滑する潤滑剤を収容する潤滑剤室と、該潤滑剤室に潤滑剤を供給するための潤滑剤供給路と、前記潤滑剤室を密封する密封部材とを有する。この特許文献1に記載された射出成形機によれば、潤滑剤室に潤滑剤が供給され、潤滑剤室が密封されるので、第1、第2の回転体が回転させられるのに伴って、潤滑剤室内の潤滑剤に遠心力が加わっても、支持部材を十分に潤滑することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
潤滑剤の供給路を介して潤滑剤室に初めて潤滑剤を供給する場合には、所望量の潤滑剤が確度高く支持部材に供給されることが望ましい。また、潤滑剤室に既に存在する潤滑剤を新しい潤滑剤に入れ換えるべく、潤滑剤の供給路を介して潤滑剤室に潤滑剤を供給する場合には、所望量の潤滑剤が確度高く支持部材に供給され、支持部材に既に存在する潤滑剤が新たな潤滑剤に入れ換わることが望ましい。
本発明は、供給路を介して潤滑剤室に潤滑剤を供給する場合に所望量の潤滑剤を確度高く支持部材に供給することができる射出成形機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的のもと完成させた本発明は、筒状部材と、前記筒状部材の内側に少なくとも一端が収納されるとともに、前記筒状部材に対して回転可能に設けられる回転体と、前記筒状部材と前記回転体との間に設けられて当該回転体を回転可能に支持する支持部材と、前記筒状部材と前記回転体との間に形成され、前記支持部材を潤滑する潤滑剤を収容する潤滑剤室と、前記潤滑剤室を密封する密封部材と、前記潤滑剤室に前記潤滑剤を供給する供給路と、を備え、前記支持部材は前記供給路上に配置されているとともに、前記回転体には前記潤滑剤室から当該支持部材とは反対側に前記潤滑剤を流出させる流出路が形成されている、射出成形機である。
ここで、前記流出路は、前記潤滑剤室から前記回転体の回転半径方向の内側に延びる半径方向流路と、当該半径方向流路と連通するとともに当該回転体の回転軸方向に延びる軸方向流路と、を有しても良い。
また、前記半径方向流路における前記回転軸方向の位置は、前記支持部材と前記密封部材との間であり、前記軸方向流路は、前記回転半径方向において、前記密封部材の内側に形成されていても良い。
また、前記回転体は、柱状部材と、当該柱状部材の外周に嵌め込まれた環状部材とを有し、前記流出路は前記環状部材に形成されていても良い。
また、前記環状部材は、第1円筒状部と、当該第1円筒状部の外径よりも大きな外径の第2円筒状部とを有し、前記支持部材は、前記第1円筒状部の外周に嵌め込まれており、前記潤滑剤室は、前記支持部材、前記筒状部材、前記第2円筒状部及び前記密封部材の間に形成されていても良い。
また、前記環状部材は、前記第2円筒状部の外径以下の外径の第3円筒状部をさらに有し、前記密封部材は、前記環状部材と前記筒状部材との隙間を密封するように前記第3円筒状部と前記筒状部材との間に設けられていても良い。
また、前記流出路は、前記潤滑剤室から前記回転体の回転半径方向の内側に延びる半径方向流路と、当該半径方向流路と連通するとともに当該回転体の回転軸方向に延びる軸方向流路と、を有し、前記半径方向流路は、前記第2円筒状部に形成され、前記軸方向流路は、前記第2円筒状部及び前記第3円筒状部に形成されていても良い。
また、前記第2円筒状部及び前記第3円筒状部には、前記第1円筒状部とは反対側の端面から前記支持部材に達するように前記回転体の回転軸方向に貫通する貫通孔が形成され、前記流出路は、周方向において、前記貫通孔が形成されていない部位に形成されていても良い。
また、前記流出路の断面積は前記貫通孔の断面積よりも小さくても良い。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、供給路を介して潤滑剤室に潤滑剤を供給する場合に所望量の潤滑剤を確度高く支持部材に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る射出成形機の概略構成の一例を示す図である。
【
図4】(a)は、環状フランジ部材を前方から見た図の一例である。(b)は、(a)のIVb-IVb部の断面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る射出成形機1の概略構成の一例を示す図である。
射出成形機1は、型締装置(不図示)と、溶融樹脂を射出する射出装置2と、射出装置2に成形材料を供給する供給装置3と、装置全体を制御する制御装置4と、ユーザの入力操作を受け付ける操作部5と、操作受付画面や画像を表示する表示部6とを備えている。また、以下の説明において、射出装置2が溶融樹脂を射出する側を前側とし、射出する側とは反対側を後側とする。
【0009】
射出成形機1は、型閉じ工程、型締め工程、射出(充填)工程、保圧工程、冷却工程、計量工程、型開き工程、及び、突き出し工程を1サイクルとし、成形品を繰り返し製造する。型閉じ工程は、固定金型及び可動金型で構成される金型装置を閉じる工程である。型締め工程は、金型装置を締める工程である。射出工程は、金型装置内に溶融樹脂を流し込む工程である。保圧工程は、流し込んだ樹脂に圧力をかける工程である。冷却工程は、保圧工程後に金型装置内で樹脂を固化させる工程である。計量工程は、次の成形品のための溶融樹脂を計量する工程である。型開き工程は、金型装置を開く工程である。突き出し工程は、型開き後の金型装置から成形品を突き出す工程である。なお、成形サイクルの短縮のため、計量工程は、冷却工程が行われている間に行われても良い。
【0010】
(射出装置2)
射出装置2は、成形材料としての樹脂を加熱するための加熱シリンダ11と、加熱シリンダ11の前側の端部に配設されたノズル13とを有する。また、射出装置2は、加熱シリンダ11内に、回転可能であり、かつ、回転軸方向に進退自在に配設されたスクリュ12と、加熱シリンダ11を加熱するヒータh11、h12及びh13と、加熱シリンダ11の後側に配設された駆動装置60とを有する。なお、以下の説明において、スクリュ12の回転半径方向に関して、スクリュ12の回転中心側を「内側」と称し、回転中心軸から離れる側を「外側」と称する場合がある。
【0011】
スクリュ12は、スクリュ本体14と、スクリュ本体14より前側に配設された射出部15とを有し、後端の軸部を介して駆動装置60と連結される。スクリュ本体14は、フライト部16と、フライト部16の前端に対して着脱自在に配設された圧力部材17とを有する。フライト部16は、棒状の本体部16aと、本体部16aの外周面から突出するように形成された螺旋状のフライト16bとを有し、フライト16bに沿って螺旋状のねじ溝18が形成されている。
【0012】
射出部15は、先端に円錐形の部位を備えたヘッド部15aと、ヘッド部15aの後側に隣接させて形成されたロッド部15bと、ロッド部15bの周囲に配設された逆止リング15cと、圧力部材17の前端に取り付けられたシールリング15dとを有する。
計量工程時に、スクリュ12の後退に伴って、ロッド部15bに対して逆止リング15cが前側に移動させられ、シールリング15dから離されると、射出部15の後側から前側に樹脂が送られる。また、射出工程時に、スクリュ12の前進に伴って、逆止リング15cがロッド部15bに対して後側に移動させられ、シールリング15dに接触させられると、樹脂の逆流が防止される。
【0013】
加熱シリンダ11の後部には、成形材料供給口としての樹脂供給口19が形成されている。樹脂供給口19は、スクリュ12を加熱シリンダ11内の最も前側に位置させた状態において、ねじ溝18の後端部と対向する箇所に形成されている。樹脂供給口19には、加熱シリンダ11内に樹脂を供給する供給装置3が取り付けられている。
【0014】
(駆動装置60)
図2は、駆動装置60の概略構成の一例を示す図である。
図3は、
図2のIII部の拡大図である。
図4(a)は、環状フランジ部材89を前方から見た図の一例である。
図4(b)は、
図4(a)のIVb-IVb部の断面の一例を示す図である。
駆動装置60は、加熱シリンダ11内でスクリュ12を回転させたり進退させたりする装置である。
【0015】
駆動装置60は、加熱シリンダ11内でスクリュ12を回転させる駆動源としての計量用モータ22と、加熱シリンダ11内でスクリュ12を回転軸方向に移動させる駆動源としての射出用モータ100とを備える。また、駆動装置60は、射出用モータ100とスクリュ12との間に、射出用モータ100の回転運動をスクリュ12の直線運動に変換する運動変換機構としてのボールねじ83を備える。
【0016】
駆動装置60は、前側に配置されて計量用モータ22を支持する円筒状の前方射出サポート21と、後側に配置されて射出用モータ100を支持する円筒状の後方射出サポート62とを備える。また、駆動装置60は、前方射出サポート21と後方射出サポート62とを連結するロッド63を有する。ロッド63により、前方射出サポート21と後方射出サポート62との間に予め定められた距離が保持される。
【0017】
駆動装置60は、スクリュ12の後端部に連結されるとともに、回転可能であり、かつ、回転軸方向に摺動可能に設けられた回転摺動部材68を備える。回転摺動部材68は、円盤状の連結体64と、ボルト64aにて連結体64と一体化されて、後述する回転体88を回転可能に支持する円筒状の支持体65とを有する。連結体64は、ボルト64bにて連結体64に固定されたカプラ59を介してスクリュ12の後端部に連結されている。支持体65の外周面には雄スプライン67が形成されている。支持体65の回転軸方向における大きさは、スクリュ12の回転軸方向における移動距離以上に設定されている。
【0018】
計量用モータ22は、前方射出サポート21の後端に固定された円環状の前部環状体20と、前部環状体20に固定された円筒状のスリーブ23と、スリーブ23の後端に固定された円環状の後部環状体24とを備える。
また、計量用モータ22は、スリーブ23の回転半径方向における内側に取り付けられたステータ25と、ステータ25の回転半径方向における内側に設けられた円筒状のロータ26と、ロータ26の後端に例えばボルトにて固定されたスプラインナット27とを備える。
【0019】
ステータ25は、スリーブ23に取り付けられたコア25aと、コア25aに巻装されたコイル25bとを有する。ロータ26は、回転摺動部材68の外周面を覆うように設けられた円筒状の筒状体29と、筒状体29の外周面におけるステータ25と対応する箇所に取り付けられた磁石28とを備える。筒状体29と前部環状体20との間にはベアリングb1が設けられ、筒状体29と後部環状体24との間にはベアリングb2が設けられている。また、筒状体29の内周面と回転摺動部材68の連結体64の外周面との間には、シール30が設けられている。ロータ26は、回転摺動部材68の回転軸と同一軸線回りに回転可能であり、計量用モータ22の出力軸として機能する。
【0020】
スプラインナット27は、内周面に形成された雌スプラインに、回転摺動部材68の支持体65の外周面に形成された雄スプライン67が嵌め合わせられている。そして、スプラインナット27は、回転摺動部材68の回転軸方向における相対的な移動を許容しながら、計量用モータ22によって発生させられた回転を回転摺動部材68に伝達する。したがって、計量用モータ22を駆動することによってロータ26を回転させると、回転がスプラインナット27を介して回転摺動部材68に伝達されて回転摺動部材68が回転し、スクリュ12が回転する。
【0021】
以上のように構成された計量用モータ22は、計量工程において回転摺動部材68を回転させる第1の駆動状態に、射出工程において回転摺動部材68に伝達される回転を拘束する第2の駆動状態に制御される。
【0022】
射出用モータ100は、後方射出サポート62に固定されたケース91と、ケース91の回転半径方向における内側に取り付けられたステータ92と、ステータ92の回転半径方向における内側に設けられたロータ93と、ロータ93に取り付けられた円筒状の出力軸94とを備える。
【0023】
ケース91は、後方射出サポート62に固定された円環状の前部環状体91aと、前部環状体91aに固定された円筒状のスリーブ91bと、スリーブ91bの後端に固定された円環状の後部環状体91cと、後部環状体91cにおける後部の開口部を覆う後部プレート91dとを有する。射出用モータ100の出力軸94と前部環状体91aとの間にはベアリングb5が設けられ、出力軸94と後部環状体91cとの間にはベアリングb6が設けられている。
【0024】
また、駆動装置60は、射出用モータ100の出力軸94の回転半径方向における内側に回転軸方向に延びる円筒状の円筒状部951と、円筒状部951における後部の開口部を塞ぐ塞ぎ部952とを有するスリーブ95を備える。円筒状部951の内周面には、雌スプライン95aが形成されている。スリーブ95は、例えばボルトにて出力軸94の後側の端部に固定されている。
また、駆動装置60は、スリーブ95の塞ぎ部952に取り付けられて、射出用モータ100の回転速度を検出するエンコーダ111を備える。
【0025】
ボールねじ83は、前方射出サポート21より後側に配置されるとともに、互いに螺合させられたボールねじ軸81とボールナット82とを有する。
ボールナット82は、例えばボルトにて後方射出サポート62に固定されている。
【0026】
ボールねじ軸81は、前側の端部に設けられた円柱状のシャフト部84と、後側の端部に設けられた円柱状であって外周面に雄スプライン87aが形成されたスプライン部87とを有する。また、ボールねじ軸81は、シャフト部84よりも大径の円柱状であるねじ部85と、ねじ部85とスプライン部87とを連結する連結部86とを有する。シャフト部84、ねじ部85、連結部86及びスプライン部87は、前側から後側にかけて順に形成されている。
【0027】
スプライン部87の雄スプライン87aとスリーブ95の円筒状部951の内周面に形成された雌スプライン95aとは嵌め合わされている。
シャフト部84とねじ部85との段部には、円環状の環状フランジ部材89が嵌め込まれている。シャフト部84と回転摺動部材68の支持体65との間にはベアリングb7が設けられ、環状フランジ部材89と支持体65との間にはベアリングb8が設けられている。
【0028】
環状フランジ部材89は、前側に設けられた第1円筒状部89aと、第1円筒状部89aよりも後側に設けられて、第1円筒状部89aの外径よりも大きな外径の第2円筒状部89bと、第2円筒状部89bよりも後側に設けられて、第2円筒状部89bの外径以下の外径の第3円筒状部89cとを有する。また、環状フランジ部材89には、後で詳述する流出口125及び流出路126が複数(
図4においては2つ)形成されている。また、環状フランジ部材89には、第2円筒状部89b及び第3円筒状部89cを回転軸方向に貫通する貫通孔89dが複数(
図4においては2つ)形成されている。貫通孔89dは、周方向において、流出口125及び流出路126が形成されていない部位に形成されている。ベアリングb8は、第1円筒状部89aの外周に嵌め込まれている。これにより、環状フランジ部材89は、回転摺動部材68の支持体65とともにベアリングb8における回転半径方向及び回転軸方向の位置決めを行う。なお、貫通孔89dは、第1円筒状部89aの外周に嵌め込まれたベアリングb8を、環状フランジ部材89から取り外すのに用いられる孔である。
【0029】
シャフト部84における前側の端部には雄ねじが形成されているとともに、雄ねじにはベアリングナット80が締め付けられている。ベアリングナット80は、回転摺動部材68の支持体65における前側の部位の内周面から回転半径方向の内側に突出した突起90とともにベアリングb7における回転軸方向の位置決めを行う。
【0030】
そして、ボールねじ軸81と環状フランジ部材89とは、ベアリングb7及びベアリングb8によって、回転摺動部材68に対して一体的に回転可能に支持されている。以下において、ボールねじ軸81及び環状フランジ部材89を「回転体88」と称する場合がある。ボールねじ軸81のシャフト部84の後端部は、回転可能にボールナット82に支持されている。
【0031】
射出用モータ100を駆動することによって発生させられた回転が、スリーブ95及びスプライン部87を介してボールねじ軸81に伝達されると、ボールねじ軸81は、ねじ部85とボールナット82とが螺合させられているので、回転しながら回転軸方向に移動させられる。なお、ボールねじ軸81の運動成分は、ボールねじ軸81を回転軸方向に移動(進退)させる直進運動成分、及び、ボールねじ軸81を回転させる回転運動成分から成り、直進運動成分及び回転運動成分は、回転軸方向に配設されたベアリングb7、b8を介して回転摺動部材68に伝達される。
【0032】
そして、回転摺動部材68を回転させることなく、回転軸方向に移動させる射出工程等においては、計量用モータ22を第2の駆動状態、すなわち、回転拘束状態に制御し、射出用モータ100を駆動状態に制御することによって、回転摺動部材68に伝達される回転を拘束し、回転摺動部材68を回転させることなく回転軸方向に移動させる。その結果、回転摺動部材68に一体的に取り付けられたスクリュ12に直進運動が伝達され、スクリュ12を前進(
図1において左方に移動)させることができる。
【0033】
(駆動方法)
先ず、計量工程時に、制御装置4は、計量処理を行い、計量用モータ22を第1の駆動状態に制御する。このとき、ロータ26に発生させられた回転は、スプラインナット27及び回転摺動部材68を介してスクリュ12に伝達され、スクリュ12を正方向に回転させる。制御装置4は、エンコーダ(不図示)によって計量用モータ22の回転速度が検出された検出信号に基づいてフィードバック制御を行う。
【0034】
これに伴って、供給装置3から供給された成形材料がスクリュ12のねじ溝18内を前進させられ、スクリュ12が後退(
図1において右方に移動)させられ、溶融させられた樹脂がヘッド部15aの前方に蓄えられる。このとき、スクリュ12に発生させられる後退力に伴って、回転摺動部材68はスプラインナット27に対して相対的に移動させられ、後退させられる。また、回転摺動部材68の後退に伴って、ボールねじ軸81も回転しながら後退させられる。なお、制御装置4は、スクリュ12が後退させられる間、射出用モータ100を駆動し、スクリュ12に背圧を加える。
【0035】
また、射出工程時に、制御装置4は、射出処理を行い、射出用モータ100を駆動する。このとき、出力軸94に発生させられた回転は、スリーブ95及びスプライン部87を介してボールねじ軸81に伝達され、ボールねじ83によって回転運動が直進運動に変換される。その結果、ボールねじ軸81が回転しながら前進させられる。また、制御装置4は、計量用モータ22を第2の駆動状態に制御し、ロータ26の回転速度を制御して0〔rpm〕にすることによって拘束力を発生させる。そして、拘束力がスプラインナット27を介して回転摺動部材68に伝達され、ボールねじ軸81を介して回転摺動部材68に伝達された回転が拘束される。その結果、回転摺動部材68に一体的に取り付けられたスクリュ12は回転しない状態で前進させられる。
【0036】
この場合、制御装置4は、エンコーダ111によって射出用モータ100の回転速度が検出された検出信号に基づいてフィードバック制御を行う。また、制御装置4は、ロードセル(不図示)によって射出力が検出された検出信号を取得し、充填・保圧の切換制御を行う。また、制御装置4は、計量用モータ22の回転速度の検出信号に基づいてフィードバック制御を行う。
【0037】
このようにして、スクリュ12が前進させられると、ヘッド部15aの前方に蓄えられた溶融樹脂は、ノズル13から射出され、金型装置(不図示)のキャビティ空間に充填される。
【0038】
(潤滑機構)
以下に、ベアリングb7及びベアリングb8に、グリス等の潤滑剤を供給する機構について説明する。
図3に示すように、回転摺動部材68の連結体64の後側の端面における回転半径方向の中央部には、端面から凹んだ凹部64cが形成されている。凹部64cには、ベアリングナット80が収容されている。そして、連結体64、ベアリングナット80及びベアリングb7間に、潤滑剤を収容する第1の潤滑剤室117が形成されている。
【0039】
また、回転摺動部材68の支持体65、ボールねじ軸81のシャフト部84、環状フランジ部材89、ベアリングb7、及び、ベアリングb8間に、潤滑剤を収容する第2の潤滑剤室119が形成されている。
【0040】
また、ベアリングb8の後方における、回転摺動部材68の支持体65と、環状フランジ部材89の第3円筒状部89cとの間にはオイルシール122が設けられている。そして、支持体65、環状フランジ部材89、ベアリングb8、及び、オイルシール122間に、潤滑剤を収容する第3の潤滑剤室120が形成されている。
【0041】
そして、回転摺動部材68の連結体64の前側の端面に、潤滑剤を供給するための潤滑剤供給口115が形成されている。潤滑剤供給口115と第1の潤滑剤室117とは、潤滑剤供給路118によって接続されている。
【0042】
環状フランジ部材89における後側の端面には、潤滑剤を排出可能な流出口125が形成されている。また、環状フランジ部材89には、流出口125と第3の潤滑剤室120とを接続する流出路126が形成されている。流出路126は、流出口125から回転軸方向の前側に延びる軸方向流路127と、第3の潤滑剤室120から回転半径方向の内側に(言い換えれば、回転中心に向かって)延びる半径方向流路128とを有する。流出口125における回転半径方向の位置は、ねじ部85の外周面よりも回転半径方向の外側である。半径方向流路128における回転軸方向の位置は、ベアリングb8とオイルシール122との間である。
【0043】
以上のような構成において、ベアリングb7及びベアリングb8に初めて潤滑剤を供給する際には、前方射出サポート21に形成されたスクリュ12保守用の窓(不図示)から潤滑剤供給具(例えばグリスガン)を前方射出サポート21内に挿入し、グリスニップル123を介して、潤滑剤供給口115に潤滑剤を供給する。潤滑剤供給口115に供給された潤滑剤は、
図3の矢印に示すように、潤滑剤供給路118を介して第1の潤滑剤室117に到達する。第1の潤滑剤室117に到達した潤滑剤の一部は、
図3の矢印に示すように、ベアリングb7の内部を通って第2の潤滑剤室119に到達する。第2の潤滑剤室119に到達した潤滑剤の一部は、
図3の矢印に示すように、ベアリングb8の内部を通って第3の潤滑剤室120に到達する。このように、潤滑剤が潤滑剤供給路118から第3の潤滑剤室120に至る流路を、第3の潤滑剤室120に潤滑剤を供給する供給路121として機能する。作業者は、予め定められた所定量の潤滑剤を潤滑剤供給具から供給することで、第1の潤滑剤室117、第2の潤滑剤室119及び第3の潤滑剤室120に潤滑剤が充満させられたことを認識する。そして、これにより、ベアリングb7及びベアリングb8にも潤滑剤が供給される。
【0044】
ベアリングb7及びベアリングb8に既に存在する潤滑剤を、新たな潤滑剤と入れ換える場合にも、前方射出サポート21に形成された窓(不図示)から潤滑剤供給具を前方射出サポート21内に挿入し、グリスニップル123を介して、潤滑剤供給口115に潤滑剤を供給する。潤滑剤供給口115に供給された潤滑剤は、潤滑剤供給路118を介して第1の潤滑剤室117に到達し、ベアリングb7の内部を通って第2の潤滑剤室119に到達しようとする。これにより、ベアリングb7に既に存在する潤滑剤がベアリングb7の内部から流出し、第2の潤滑剤室119に到達する。その後、第2の潤滑剤室119に到達した潤滑剤の一部は、ベアリングb8の内部を通って第3の潤滑剤室120に到達しようとする。これにより、ベアリングb8に既に存在する潤滑剤がベアリングb8の内部から流出し、第3の潤滑剤室120に到達する。その後、第3の潤滑剤室120に到達した潤滑剤の一部は、流出路126を介して、流出口125から流出する。つまり、潤滑剤供給口115が潤滑剤を供給する際の潤滑剤の入口、流出口125が潤滑剤の出口となる。作業者が、上記所定量の潤滑剤を潤滑剤供給具から供給することで、第1の潤滑剤室117、第2の潤滑剤室119及び第3の潤滑剤室120に存在した潤滑剤の代わりに新たな潤滑剤が充満させられることとなる。そして、これにより、ベアリングb7及びベアリングb8に存在した潤滑剤の代わりに新たな潤滑剤がベアリングb7及びベアリングb8に供給される。
【0045】
第1の潤滑剤室117及び第2の潤滑剤室119は密閉されているので、回転摺動部材68、ボールねじ軸81等が回転するのに伴って、第1の潤滑剤室117及び第2の潤滑剤室119内の潤滑剤に遠心力が加わっても、ベアリングb7及びベアリングb8を十分に潤滑することができる。その結果、ベアリングb7及びベアリングb8が早期に摩耗することを抑制することができ、駆動装置60の耐久性を向上させることができる。
【0046】
また、第3の潤滑剤室120の後側にはオイルシール122が設けられているので、回転摺動部材68、回転体88(ボールねじ軸81及び環状フランジ部材89)等が回転するのに伴って、第3の潤滑剤室120内の潤滑剤に遠心力が加わっても、第3の潤滑剤室120から潤滑剤が漏れないようにすることができる。また、回転摺動部材68、回転体88等の回転が停止した場合には、第3の潤滑剤室120の潤滑剤の一部が半径方向流路128や軸方向流路127に至るが、再度、回転体88等が回転するのに伴って、流出路126内の潤滑剤に遠心力が加わり第3の潤滑剤室120に戻る。そのため、流出口125から潤滑剤が流出することが抑制される。
【0047】
ここで、
図4に示すように、流出口125及び流出路126は、それぞれ複数形成されていることを例示することができる。そして、複数の流出口125及び流出路126は、周方向に等間隔に形成されていると良い。これにより、ベアリングb8に存在した潤滑剤が周方向に偏りなく新たな潤滑剤に入れ換わり易くなる。
【0048】
また、流出口125及び流出路126の数は、
図4に示すように、2つであることを例示することができる。流出口125及び流出路126の数が多いと、回転体88等の回転が停止したときに、第3の潤滑剤室120の潤滑剤の一部が半径方向流路128や軸方向流路127に至り易くなるからである。
【0049】
また、
図4に示すように、流出路126における潤滑剤の流通方向に直交する面で切断した場合の断面積S126は、貫通孔89dにおける回転軸方向に直交する面で切断した場合の断面積S89dよりも小さい。流出路126の断面積S126を小さくすることで、回転体88等の回転が停止したときに、第3の潤滑剤室120の潤滑剤の一部が半径方向流路128や軸方向流路127に至り難くすることができる。
【0050】
以上のように構成された射出成形機1は、回転摺動部材68の支持体65(筒状部材の一例)と、支持体65の内側に少なくとも一端が収納されるとともに、支持体65に対して回転可能に設けられる回転体88(ボールねじ軸81及び環状フランジ部材89)とを備える。また、射出成形機1は、支持体65に対して回転体88を支持するベアリングb8(支持部材の一例)と、支持体65と回転体88との間に形成され、ベアリングb8を潤滑する潤滑剤を収容する第3の潤滑剤室120(潤滑剤室の一例)とを備える。また、射出成形機1は、第3の潤滑剤室120を密封するオイルシール122(密封部材の一例)と、第3の潤滑剤室120に潤滑剤を供給する供給路121とを備える。そして、ベアリングb8は供給路121上に配置されているとともに、回転体88には第3の潤滑剤室120からベアリングb8とは反対側に潤滑剤を流出させる流出路126が形成されている。
【0051】
このように、ベアリングb8は、第3の潤滑剤室120に潤滑剤を供給する供給路121上に配置されているので、第3の潤滑剤室120に潤滑剤を供給することで潤滑剤を確度高くベアリングb8に供給することができる。また、回転体88には第3の潤滑剤室120からベアリングb8とは反対側に潤滑剤を流出させる流出路126が形成されているので、第3の潤滑剤室120に潤滑剤を供給することでベアリングb8に既に存在する潤滑剤を新たな潤滑剤に確度高く入れ換えることができる。
【0052】
また、上述した実施形態においては、ベアリングb7は、第3の潤滑剤室120に潤滑剤を供給する供給路121上に配置されているので、第3の潤滑剤室120に潤滑剤を供給することで潤滑剤を確度高くベアリングb7に供給することができる。また、ベアリングb7は、供給路121上におけるベアリングb8の上流に配置されているので、第3の潤滑剤室120に潤滑剤を供給することでベアリングb7に既に存在する潤滑剤を新たな潤滑剤に確度高く入れ換えることができる。
【0053】
流出路126は、第3の潤滑剤室120から回転半径方向の内側に延びる半径方向流路128と、半径方向流路128と連通するとともに回転軸方向に延びる軸方向流路127と、を有する。つまり、
図3等の断面図に示すように、半径方向流路128と軸方向流路127とは直角に交わり、半径方向流路128及び軸方向流路127はL字状である。これにより、回転体88が回転しているときに、第3の潤滑剤室120から流出路126に潤滑剤が向かうのを抑制したり、流出路126から第3の潤滑剤室120に向かうのを促進したりすることができるので、潤滑剤が流出口125から流出するのを抑制することができる。
【0054】
なお、潤滑剤供給具を用いて、潤滑剤供給口115及び供給路121を介して、第1の潤滑剤室117、第2の潤滑剤室119及び第3の潤滑剤室120に潤滑剤を供給した後に、例えばプラグ(不図示)によって流出口125を塞いでも良い。
【0055】
また、
図4に示した例においては、半径方向流路128は、第2円筒状部89bの外周面から軸方向流路127まで形成されているが、特にかかる態様に限定されない。半径方向流路128は、第2円筒状部89bを回転半径方向に貫通する孔であっても良い。
【0056】
また、
図4に示した例においては、軸方向流路127は、流出口125から半径方向流路128まで形成されているが、特にかかる態様に限定されない。軸方向流路127は、第2円筒状部89b及び第3円筒状部89cを回転軸方向に貫通する孔であっても良い。例えばベアリングb8がスラスト自動調心ころ軸受である場合には、第1円筒状部89aの外周面に嵌め込まれている環状の部材により、第2円筒状部89bを回転軸方向に貫通する軸方向流路127における前側の開口部が塞がれるためである。なお、軸方向流路127における前側の開口部が塞がれるとは、ベアリングb7,b8を潤滑するという目的に対して、当該開口部からの潤滑剤の流出量を無視できる程度に塞がれるという意味であり、当該開口部から潤滑剤を流出させないように完全に塞がれているという意味ではない。
【0057】
また、軸方向流路127の形状は、ベアリングb8を環状フランジ部材89から取り外すのに用いられる貫通孔89dと同じ形状であっても良い。つまり、貫通孔89dを用いてベアリングb8を取り外すのと同様の手法にて、軸方向流路127を用いてベアリングb8を取り外すことが可能であっても良い。半径方向流路128の断面積が、軸方向流路127の断面積よりも小さければ、軸方向流路127に潤滑剤が向かうのを抑制することができる。ただし、半径方向流路128の断面積が小さすぎると、圧力損失が大きくなりすぎ、グリス等の潤滑剤が出ていかないため、潤滑するという目的に対して塞がれない程度の大きさが必要であり、十分な圧力損失を生じさせることができ、かつ、軸方向流路127に潤滑剤が向かうのを抑制することができる程度の断面積とするのが好ましい。なお、圧力損失の大小は断面積に加えて、断面形状にも依存するが、加工の都合を考えれば断面形状が円または矩形となる。したがって、ここでは断面積を中心に記載したが、断面形状を変えることで圧力損失を制御しても良い。
【0058】
そして、半径方向流路128における回転軸方向の位置は、ベアリングb8とオイルシール122との間であり、軸方向流路127は、回転半径方向において、オイルシール122の内側に形成されている。これにより、オイルシール122にて密封された第3の潤滑剤室120から、潤滑剤供給口115が設けられた前側とは逆側である、第3の潤滑剤室120の後側に潤滑剤を流出することができる。
【0059】
回転体88は、ボールねじ軸81(柱状部材の一例)と、ボールねじ軸81の外周に嵌め込まれた環状フランジ部材89(環状部材の一例)とを有し、流出路126は環状フランジ部材89に形成されている。これにより、第3の潤滑剤室120の後側に潤滑剤を流出させる流出路126の形成を実現することができる。
【符号の説明】
【0060】
1…射出成形機、2…射出装置、11…加熱シリンダ、12…スクリュ、22…計量用モータ、60…駆動装置、65…支持体、68…回転摺動部材、81…ボールねじ軸、83…ボールねじ、88…回転体、89…環状フランジ部材、89a…第1円筒状部、89b…第2円筒状部、89c…第3円筒状部、89d…貫通孔、100…射出用モータ、117…第1の潤滑剤室、119…第2の潤滑剤室、120…第3の潤滑剤室、121…供給路、122…オイルシール、125…流出口、126…流出路、127…軸方向流路、128…半径方向流路、b7,b8…ベアリング