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  • 特開-キャップ、及びキャップ付き容器 図1
  • 特開-キャップ、及びキャップ付き容器 図2
  • 特開-キャップ、及びキャップ付き容器 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063459
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】キャップ、及びキャップ付き容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/32 20060101AFI20240502BHJP
【FI】
B65D47/32 300
B65D47/32 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171431
(22)【出願日】2022-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100143786
【弁理士】
【氏名又は名称】根岸 宏子
(72)【発明者】
【氏名】神村 千秋
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AA26
3E084AB01
3E084BA01
3E084CA01
3E084CC05
3E084DA01
3E084DB12
3E084DC05
3E084EA01
3E084EC03
3E084EC04
3E084FA09
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084KA04
3E084KB01
3E084LA17
3E084LB01
3E084LB07
3E084LC01
3E084LD01
(57)【要約】
【課題】収容空間内のガスを外界へ逃がすことによって内圧上昇を解消することができるキャップ、及びキャップ付き容器を提案する。
【解決手段】本発明のキャップ2において、キャップ本体3は、上部開口1eを覆う天壁3aと、口部1dを取り囲む周壁3eとを備え、中蓋4は、天壁3aの下面に接触可能な弾性部4cを有する中央部4aと、装着時に天壁3aの下面と口部1dの上面との間に位置する外縁部4dと、中央部4aと外縁部4dとを連結するとともに装着時に口部1dの内周面に接触するシール部4kを有する弾性連結部4fとを備え、収容空間Sの内圧が高まると弾性連結部4fが弾性変形して中央部4aが上昇し、弾性部4cが弾性変形するとともにシール部4kが口部1dの内周面から離反して収容空間Sと外界とが通気路Tを介して連通する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容する収容空間と、該収容空間に通じる上部開口を有する口部とを備える容器に装着されるキャップであって、
キャップ本体と、該キャップ本体の内側に設けられる中蓋とを備え、
前記キャップ本体は、前記上部開口を覆う天壁と、該口部を取り囲んで該口部に保持される周壁とを備え、
前記中蓋は、前記天壁の下面に接触可能な弾性部を有する中央部と、装着時に該天壁の下面と該口部の上面との間に位置する外縁部と、該中央部と該外縁部とを連結するとともに装着時に該口部の内周面に接触するシール部を有する弾性連結部と、を備え、
装着時に前記口部と前記外縁部との相互間及び前記口部と前記周壁との相互間に外界に通じる通気路が設けられ、
前記収容空間の内圧が高まると前記弾性連結部が弾性変形して前記中央部が上昇し、前記弾性部が弾性変形するとともに前記シール部が前記口部の内周面から離反して前記収容空間と外界とが前記通気路を介して連通するキャップ。
【請求項2】
前記キャップ本体は、前記天壁を貫く開口を有し、
前記中蓋は、前記開口よりも小径であって、前記中央部に連結するとともに該開口から突出する突起部を有し、
前記弾性部は、前記中央部が上昇した状態において前記開口を取り囲んで前記天壁の下面に接触する環状弾性部である、請求項1に記載のキャップ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のキャップと前記容器とを備えるキャップ付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の口部に装着されるキャップ、及びこのキャップと容器を備えるキャップ付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従前より、容器の口部に装着して口部の上部開口を閉鎖するキャップを備えるキャップ付き容器が使用されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-40317号公報
【特許文献2】特許4663181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示した如きキャップ付き容器は、内容物を収容する収容空間を密閉することができるので、内容物と外気との接触を抑制することができる。一方、内容物としてガスが生じる液体(例えば殺菌液)や発酵食品、コーヒー豆等を収容すると、内容物から発生したガスによって収容空間内が高圧になって、開栓時に内容液が噴き出したり容器の変形や破損が生じたりするおそれがある。
【0005】
このようなガスの発生による不具合を防止するものとして、特許文献2に示されているような内圧上昇を解消することができるキャップ付き容器が既知である。特許文献2のキャップ付き容器によれば、ガスが発生して内圧が上昇しても、口部とパッキンの間から収容空間内のガスを外界へ逃がすことができるため、収容空間内を所定の圧力以下に抑えることができる。
【0006】
本発明は、特許文献2に示されているキャップ付き容器の如き機能を有していて、収容空間内のガスを外界へ逃がすことによって内圧上昇を解消することができ、これにより容器の変形や破損等の不具合を防止することができるキャップ、及びこのキャップと容器を備えるキャップ付き容器を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、内容物を収容する収容空間と、該収容空間に通じる上部開口を有する口部とを備える容器に装着されるキャップであって、
キャップ本体と、該キャップ本体の内側に設けられる中蓋とを備え、
前記キャップ本体は、前記上部開口を覆う天壁と、該口部を取り囲んで該口部に保持される周壁とを備え、
前記中蓋は、前記天壁の下面に接触可能な弾性部を有する中央部と、装着時に該天壁の下面と該口部の上面との間に位置する外縁部と、該中央部と該外縁部とを連結するとともに装着時に該口部の内周面に接触するシール部を有する弾性連結部と、を備え、
装着時に前記口部と前記外縁部との相互間及び前記口部と前記周壁との相互間に外界に通じる通気路が設けられ、
前記収容空間の内圧が高まると前記弾性連結部が弾性変形して前記中央部が上昇し、前記弾性部が弾性変形するとともに前記シール部が前記口部の内周面から離反して前記収容空間と外界とが前記通気路を介して連通するキャップである。
【0008】
前記キャップ本体は、前記天壁を貫く開口を有し、
前記中蓋は、前記開口よりも小径であって、前記中央部に連結するとともに該開口から突出する突起部を有し、
前記弾性部は、前記中央部が上昇した状態において前記開口を取り囲んで前記天壁の下面に接触する環状弾性部であることが好ましい。
【0009】
また本発明は、上述したキャップと前記容器とを備えるキャップ付き容器でもある。
【発明の効果】
【0010】
上記のような構成になる本発明のキャップによれば、内容物から発生したガスによって収容空間の内圧が高まると、中蓋の弾性連結部が弾性変形して中央部が上昇し、これにより中蓋のシール部が口部の内周面から離反して収容空間と外界とが通気路を介して連通するため、収容空間内のガスを外界へ逃がすことができる。すなわち、収容空間の内圧を所定の圧力以下に抑えることができるため、容器の変形や破損等の不具合を防止することができる。また中央部が上昇した際、中央部に設けた弾性部はキャップ本体の天壁下面に接触して弾性変形するため、収容空間からガスが逃げて内圧が下がると弾性部は復元してシール部が口部の内周面に再び接触する。すなわち、収容空間からのガスの放出が終了すると、収容空間を自動的に密閉することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係るキャップ付き容器の一実施形態に関し、中蓋の中央部が下降した状態を示した側面視での部分断面図である。
図2図1に示したキャップ付き容器に関し、中蓋の中央部が上昇した状態を示した側面視での部分断面図である。
図3図1に示したキャップ付き容器に関し、突起部を倒して弾性連結部を変形させた状態を示した側面視での部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明に係るキャップ、及びキャップ付き容器の一実施形態について説明する。なお、本明細書等において上下方向とは、図示した中心軸線O(後述する容器1の中心軸線)に沿う向きである。また径方向とは、中心軸線Oに対して垂直な面内で中心軸線Oと直交する方向であり、周方向とは、この面内で中心軸線Oを中心として周回する方向である。
【0013】
本実施形態のキャップ付き容器10は、容器1とキャップ2で構成されている。またキャップ2は、キャップ本体3と、キャップ本体3の内側に設けられる中蓋4で構成されている。本実施形態において、容器1とキャップ本体3は、例えばポリプロピレン等の硬質の素材で形成されていて、中蓋4は、ゴムやエラストマー、軟質ポリエチレン(低密度ポリエチレン)等の比較的軟質で弾性を有する素材で形成されている。
【0014】
容器1は、ボトル状に形作られていて、不図示の底部と、底部の外縁部に連結する円筒状の胴部1aと、胴部1aの上端部から上方に向けて縮径する肩部1cと、肩部1cの上端部から上方に向けて延在する円筒状の口部1dを備えている。口部1dの内側には、上方に向けて開口する上部開口1eが設けられている。また容器1は、口部1dの外周面に設けられた雄ねじ部1fと、雄ねじ部1fの下方において口部1dの外周面から突出するネックリング1gとを備えている。容器1の内側には、内容物を収容する収容空間Sが設けられていて、収容空間Sは上部開口1eに通じている。
【0015】
キャップ本体3は、上部開口1eを覆う天壁3aを備えている。本実施形態の天壁3aは、図1に示したように中央部分は水平方向に延在していて、中央部分の径方向外側には、中央部分よりも上方に位置する外縁部分が設けられている。また天壁3aにおける中心部には、上下方向に天壁3aを貫通する円形状の開口3bが設けられていて、天壁3aの下面には、開口3bを取り囲んで下方に向けて突出する内側環状壁3cが設けられている。天壁3aの下面において内側環状壁3cの径方向外側には、下方に向けて突出する外側環状壁3dが設けられている。
【0016】
またキャップ本体3は、天壁3aの外縁部分に連結し、口部1dよりも大径になる円筒状の周壁3eを備えている。周壁3eの内周面には、雄ねじ部1fに螺合する雌ねじ部3fと、雌ねじ部3fの上方に位置して径方向内側に向けて突出する係合凸部3gが設けられている。
【0017】
中蓋4は、全体的に円板状であって上方に向けて湾曲するように形作られた比較的厚肉の中央部4aを備えている。中央部4aの上面には、円柱状の突起部4bが設けられている。突起部4bは開口3bよりも小径であって、開口3bから突出している。なお、本実施形態の突起部4bの外径は、開口3bの内径の半分程度である。また図1に示すように突起部4bの上端部は、天壁3aの外縁部分よりも下方に位置している。そして中央部4aの上面には、薄肉円環状に形成されて弾性変形可能な環状弾性部4cが設けられている。環状弾性部4cは、上方に向かうにつれて拡径するように形作られていて、その内径は突起部4bの外径よりも大きくなっている。また環状弾性部4cは、図1に示す状態(中央部4aが下降した状態)において、天壁3aの下面に設けた内側環状壁3cに対してその内周面が接触して径方向外側に広がるように弾性変形している。
【0018】
また中蓋4は、円環状をなし、図1に示すように縦断面視での形状が爪状になる外縁部4dを備えている。外縁部4dは、係合凸部3gに係合可能であって、これにより中蓋4はキャップ本体3に保持される。外縁部4dの下面には、径方向に延在する溝部4eが設けられている。なお、中蓋4を取り付けたキャップ本体3を、雄ねじ部1fに雌ねじ部3fを螺合させて口部1dに装着した状態において、外縁部4dは、天壁3aの下面と口部1dの上面との間に位置している。またキャップ本体3を口部1dに装着した状態において、口部1dと周壁3eの間には、雌ねじ部3fと雄ねじ部1fによる螺旋状の通路が設けられている。この螺旋状の通路は、周壁3eの下方において外界と通じている。また螺旋状の通路は、口部1dと溝部4eとによる径方向に延在する通路とも通じている。以下、上述した螺旋状の通路と径方向に延在する通路との総称を通気路Tという。
【0019】
更に中蓋4は、薄肉状であって、中央部4aと外縁部4dとを全周に亘って連結する弾性変形可能な弾性連結部4fを備えている。本実施形態の弾性連結部4fは、中央部4aよりも厚みが薄く、縦断面視が中央部4aと外縁部4dとの間でV字状になるように形作られていて、中央部4aの外縁部から径方向外側に向かうにつれて下方に向けて傾く内側傾斜部分4gと、内側傾斜部分4gの外縁部から径方向外側に向かうにつれて上方に向けて傾く外側傾斜部分4hと、外側傾斜部分4hから上方に向けて延在して外縁部4dの内縁部に連結する縦部分4jを備えている。また弾性連結部4fは、外側傾斜部分4hと縦部分4jが連結して屈曲した如き形状になる部位において径方向外側に向けて突出するシール部4kを備えている。図示したように内側傾斜部分4gと外側傾斜部分4hの連結部は、中央部4aよりも下方に位置している。また縦部分4jの内周面は外側環状壁3dの外周面に接触し、縦部分4jは外側環状壁3dに支持されている。そしてキャップ本体3を口部1dに装着した状態において、縦部分4jの外周面と口部1dの外周面との間には僅かな隙間が全周に亘って設けられている一方、シール部4kは、上述したように外側傾斜部分4hと縦部分4jが連結して屈曲した如き形状になる部位において径方向外側に向けて突出しているため、口部1dの外周面に対して全周に亘って局所的に接触している。
【0020】
このような形態になるキャップ付き容器10は、キャップ2を口部1dから取り外した状態で収容空間Sに内容物(例えば保存中にガスが生じる殺菌液等の液体や発酵食品、コーヒー豆等)を収容した後、図1に示すようにキャップ2を口部1dに装着して使用される。この状態において中蓋4の環状弾性部4cは、内側環状壁3cに接触して径方向外側に広がるように弾性変形しているため、中央部4aは下降した状態にある。また環状弾性部4cは、内側環状壁3cに対して全周に亘って接触しているため、開口3bは環状弾性部4cで閉鎖された状態にある。また図1に示す状態において、シール部4kは口部1dの外周面に対して全周に亘って接触しているため、収容空間Sは外界とは連通しておらず、密閉された状態にある。すなわち、収容空間Sに収容した内容物と外気との接触を抑えることができるため、内容物を保管する際の品質等を維持することができる。なおシール部4kと口部1dの外周面との接触は、上述したように全周に局所的であって、シール部4kは口部1dの外周面に対して強く接触している。すなわち環状弾性部4cは、内側傾斜部分4g、外側傾斜部分4h、及び縦部分4jを備えていて長さが長いために弾性変形しやすい状態にあるが、シール部4kと口部1dの外周面とは全周に亘って密着しているため、収容空間Sの密閉性は確保される。
【0021】
ところで、保管している内容物からガスが発生すると、収容空間Sの内圧が高まることになる。本実施形態の中蓋4において、弾性連結部4fは、中央部4aよりも厚みが薄く、且つ内側傾斜部分4g、外側傾斜部分4h、及び縦部分4jを備えていて長さが長いため、中央部4aよりも弾性変形しやすい状態にある。このため収容空間Sの内圧が高まると、図2に示すように弾性連結部4fが弾性変形して中央部4aは上昇する。ここで、中央部4aが上昇すると、それにつれて内側傾斜部分4gや外側傾斜部分4hも移動する結果、シール部4kは口部1dの内周面から離反する。すなわち、収容空間Sと通気路Tとが連通することになるため、通気路Tを介して収容空間Sのガスを外界へ放出することができる。
【0022】
中央部4aが上昇すると、中央部4aに設けた環状弾性部4cも上昇するため、環状弾性部4cは、天壁3aの下面に設けた内側環状壁3cによって更に径方向外側へ広がるように弾性変形する。すなわち上昇した中央部4aには、環状弾性部4cによる下方への弾性力が作用している。そして収容空間Sのガスが外界へ放出されて収容空間Sの内圧が下がると、環状弾性部4cが復元して中央部4aは下降するため、シール部4kは口部1dの内周面に再び接触する。すなわち、本実施形態のキャップ付き容器10によれば、収容空間Sからのガスの放出が終了すると、収容空間Sを自動的に密閉することができる。
【0023】
なお、収容空間Sに保管した内容物を取り出すにあたっては、口部1dに装着したキャップ2を取り外して容器1を傾ければよい。
【0024】
ところで本実施形態のキャップ付き容器10は、上記のように収容空間Sからのガスを自動的に放出する機能だけでなく、使用者の操作によってガスを意図的に放出することができる機能も有する。
【0025】
収容空間Sからのガスを意図的に放出するにあたっては、図3に示すように突起部4bを径方向外側に向けて傾ける。本実施形態の突起部4bは、開口3bよりも小径であるため、図示したように比較的大きく傾けることができる。これにより突起部4bに連結する中央部4aも傾き、弾性連結部4fが弾性変形する結果、シール部4kは口部1dの内周面から離反する。すなわち収容空間Sと通気路Tとが連通することになるため、収容空間Sと外界とが同圧になるまで収容空間Sのガスを放出することができる。なお、突起部4bを傾けた状態で環状弾性部4cは弾性変形しているため、傾けた突起部4bへの押圧力を解除すると環状弾性部4cは復元し、図1に示した状態へ自動的に復帰させることができる。
【0026】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、上記の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば上述した実施形態の構成は、適宜追加、削除が可能であり、また一の実施形態の構成を他の実施形態に設けることも可能である。また、上記の実施形態における効果は、本発明から生じる効果を例示したに過ぎず、本発明による効果が上記の効果に限定されることを意味するものではない。
【0027】
例えば上述したキャップ付き容器10は、ガスを意図的に放出することができる機能を持たせるべく、キャップ本体3に開口3bを設け、中蓋4に突起部4bを設けたが、この機能が不要である場合は、開口3bや突起部4bは省略してもよい。そして環状弾性部4cは、天壁3aの下面に設けた内側環状壁3cに接触するようにしたが、内側環状壁3cを省略して環状弾性部4cを天壁3aの下面に直接接触させてもよい。また環状弾性部4cは、図1に示した状態で内側環状壁3cに接触し、これにより中央部4aに下方へ向かう弾性力を付与していたが、環状弾性部4cは図1に示した状態で内側環状壁3cから離反していてもよい。なお本実施形態では、上昇した中央部4aに弾性力を付与してこれを自動的に下降させる弾性部として環状弾性部4cを用いたが、弾性部は環状以外の形状であってもよい。
【0028】
また本実施形態では、中蓋4に設けた溝部4eによって通気路Tの一部を構成したが、溝部4eは、容器1における口部1dの上面に設けてもよい。また通気路Tの一部として、本実施形態では雌ねじ部3fと雄ねじ部1fによる螺旋状の通路を用いたが、これに限られず、例えば雄ねじ部1fを縦方向に切り欠く縦溝を容器1に設け、この縦溝による通路で通気路Tの一部を構成してもよい。
【符号の説明】
【0029】
1:容器
1a:胴部
1c:肩部
1d:口部
1e:上部開口
1f:雄ねじ部
1g:ネックリング
2:キャップ
3:キャップ本体
3a:天壁
3b:開口
3c:内側環状壁
3d:外側環状壁
3e:周壁
3f:雌ねじ部
3g:係合凸部
4:中蓋
4a:中央部
4b:突起部
4c:環状弾性部(弾性部)
4d:外縁部
4e:溝部
4f:弾性連結部
4g:内側傾斜部分
4h:外側傾斜部分
4j:縦部分
4k:シール部
10:キャップ付き容器
O:中心軸線
S:収容空間
T:通気路
図1
図2
図3