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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006347
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】超音波診断装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/00 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
A61B8/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107151
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】320011683
【氏名又は名称】富士フイルムヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笠原 英司
(72)【発明者】
【氏名】脇 康治
(72)【発明者】
【氏名】日下部 彰
(72)【発明者】
【氏名】石黒 俊
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601EE10
4C601KK31
4C601KK39
4C601KK47
4C601LL21
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、情報端末に超音波画像情報を送信する超音波診断装置につき、情報端末によって不正に超音波画像情報が取得されることを防止することである。
【解決手段】超音波診断装置10は、無線通信部34および制御部30を備える。無線通信部34は、通信回線16に無線中継機12を介して接続され、通信回線16を介して情報端末14との間で通信を行い、情報端末14に超音波画像情報を送信する。制御部30は、予め登録された複数の登録グループIDのうちの1つである共有グループIDを、ユーザの操作に応じて選択する処理を実行する。制御部30は、共有グループIDを無線中継機12に送信する処理を無線通信部34と共に実行する。無線中継機12は、情報端末14から所属グループIDを受信し、共有グループIDと一致する所属グループIDが受信された情報端末14との間の無線通信を確立する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線に無線中継機を介して接続され、前記通信回線を介して情報端末との間で通信を行い、前記情報端末に超音波画像情報を送信する無線通信部と、
前記無線通信部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
予め登録された複数の登録グループIDのうちの1つである共有グループIDを、ユーザの操作に応じて選択するグループ選択処理を実行し、
前記共有グループIDを前記無線中継機に送信する処理を前記無線通信部と共に実行し、
前記無線中継機は、
前記情報端末から所属グループIDを受信し、前記共有グループIDと一致する前記所属グループIDが受信された前記情報端末との間の無線通信を確立することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記制御部は、
同一の前記所属グループIDを前記無線中継機に送信した複数の前記情報端末との間で、前記通信回線を介した通信を、前記無線通信部と共に行うことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の超音波診断装置において、
前記制御部は、
前記共有グループIDと一致しない前記所属グループIDが前記無線中継機で受信された前記情報端末について、その通信動作に基づいて、不正アクセス無線端末であるか否かを判定することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項4】
情報端末との間で無線通信を行い、前記情報端末に超音波画像情報を送信する認証無線部と、
前記認証無線部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
予め登録された複数の登録グループIDのうちの1つである共有グループIDを、ユーザの操作に応じて選択するグループ選択処理を実行し、
前記情報端末から所属グループIDを受信する処理を前記認証無線部と共に実行し、
前記共有グループIDと一致する前記所属グループIDが受信された前記情報端末との間の無線通信を、前記認証無線部に行わせることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項5】
請求項4に記載の超音波診断装置において、
前記制御部は、
同一の前記所属グループIDが受信された複数の前記情報端末との間の無線通信を、前記認証無線部に行わせることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の超音波診断装置において、
前記制御部は、
前記共有グループIDと一致しない前記所属グループIDが受信された前記情報端末について、その通信動作に基づいて、不正アクセス無線端末であるか否かを判定することを特徴とする超音波診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置に関し、特に、情報端末に超音波画像情報を送信する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置で生成された超音波画像情報を、無線LAN(Local Area Network)を介してタブレット、スマートフォン等の情報端末に送信し、超音波画像を情報端末に表示させる超音波診断システムにつき研究開発が行われている。超音波診断システムには、情報端末が超音波診断装置に対してセキュリティ情報を照合することで、超音波診断装置と情報端末との間の通信のセキュリティが確保されるものがある。例えば、情報端末は、特定のセキュリティ情報を含む照合信号を無線LANのアクセスポイントに送信し、照合信号に含まれているセキュリティ情報がアクセスポイントに設定されている場合に、アクセスポイントは情報端末と超音波診断装置との間の通信を確立する。
【0003】
以下の特許文献1には、本発明に関連する技術として、超音波プローブと超音波観測器との間で無線通信が行われる超音波診断システムが記載されている。超音波観測器は、超音波プローブから送信された認証情報に基づいて、超音波プローブとの無線通信の確立可否を判断する。特許文献2には、超音波プローブと、複数の超音波診断装置の各本体とが無線接続される医用画像診断システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-72583号公報
【特許文献2】特開2008-104595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の超音波診断システムでは、無線LANに不変のセキュリティ情報が設定されていたため、超音波診断装置に不正アクセスされる可能性があった。例えば、超音波診断装置で行われている診断とは無関係な者が所有する情報端末が超音波診断装置にアクセスし、超音波画像を取得してしまう可能性があった。
【0006】
本発明の目的は、情報端末に超音波画像情報を送信する超音波診断装置につき、情報端末によって不正に超音波画像情報が取得されることを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、通信回線に無線中継機を介して接続され、前記通信回線を介して情報端末との間で通信を行い、前記情報端末に超音波画像情報を送信する無線通信部と、前記無線通信部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、予め登録された複数の登録グループIDのうちの1つである共有グループIDを、ユーザの操作に応じて選択するグループ選択処理を実行し、前記共有グループIDを前記無線中継機に送信する処理を前記無線通信部と共に実行し、前記無線中継機は、前記情報端末から所属グループIDを受信し、前記共有グループIDと一致する前記所属グループIDが受信された前記情報端末との間の無線通信を確立することを特徴とする。
【0008】
望ましくは、前記制御部は、同一の前記所属グループIDを前記無線中継機に送信した複数の前記情報端末との間で、前記通信回線を介した通信を、前記無線通信部と共に行う。
【0009】
望ましくは、前記制御部は、前記共有グループIDと一致しない前記所属グループIDが前記無線中継機で受信された前記情報端末について、その通信動作に基づいて、不正アクセス無線端末であるか否かを判定する。
【0010】
また、本発明は、情報端末との間で無線通信を行い、前記情報端末に超音波画像情報を送信する認証無線部と、前記認証無線部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、予め登録された複数の登録グループIDのうちの1つである共有グループIDを、ユーザの操作に応じて選択するグループ選択処理を実行し、前記情報端末から所属グループIDを受信する処理を前記認証無線部と共に実行し、前記共有グループIDと一致する前記所属グループIDが受信された前記情報端末との間の無線通信を、前記認証無線部に行わせることを特徴とする。
【0011】
望ましくは、前記制御部は、同一の前記所属グループIDが受信された複数の前記情報端末との間の無線通信を、前記認証無線部に行わせる。
【0012】
望ましくは、前記制御部は、前記共有グループIDと一致しない前記所属グループIDが受信された前記情報端末について、その通信動作に基づいて、不正アクセス無線端末であるか否かを判定する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、情報端末に超音波画像情報を送信する超音波診断装置につき、情報端末による不正な超音波画像情報の取得を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態に係る超音波診断システムの構成を示す図である。
図2】第1実施形態に係る超音波診断装置の構成を示す図である。
図3】第1実施形態に係る超音波診断装置が実行する処理のフローチャートである。
図4】表示部に表示される操作画像を示す図である。
図5】情報端末に表示される超音波画像および無線接続情報の例を示す図である。
図6】第2実施形態に係る超音波診断システムの構成を示す図である。
図7】第2実施形態に係る超音波診断装置の構成を示す図である。
図8】第2実施形態に係る超音波診断装置が実行する処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
各図を参照して本発明の実施形態について説明する。複数の図面に示された同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0016】
図1には、本発明の第1実施形態に係る超音波診断システム100の構成が示されている。超音波診断システム100は、超音波診断装置10、無線中継機12および情報端末14-1~14-n(nは1以上の整数)を備えている。無線中継機12は、インターネット等の通信回線16に接続されている。このような無線中継機としては、Wi-Fi(登録商標)等の規格に従うアクセスポイントがある。情報端末14-1~14-nのそれぞれは、無線通信機能を有するパーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン等であってよい。なお、以下の説明では、情報端末14-1~14-nのいずれかを示す符号として符号「14」が用いられる。
【0017】
超音波診断装置10および各情報端末14は、無線中継機12との間の無線通信によって通信回線16に接続される。超音波診断装置10と各情報端末14との間では、無線中継機12および通信回線16を介して情報の送信および受信が行われる。例えば、超音波診断装置10は、被検体に対する超音波の送受信によって得られた画像を示す超音波画像データを、無線中継機12から通信回線16に至り、通信回線16から無線中継機12を経由する通信経路を介して各情報端末14に送信する。各情報端末14は、超音波画像データに基づく画像を表示する。なお、以下の説明では、無線中継機12から通信回線16に至り、通信回線16から無線中継機12を経由する通信経路を介することを、単に、通信回線16を介すると表現することがある。
【0018】
図2には、超音波診断装置10の構成が示されている。超音波診断装置10は、超音波プローブ20、送受信部22、信号処理部24、画像生成部26、表示部28、制御部30、操作部32、無線通信部34、無線セキュリティ設定部36および接続情報記憶部38を備えている。
【0019】
信号処理部24、画像生成部26、制御部30および無線セキュリティ設定部36は、プログラムを実行することで、これらの構成要素(信号処理部24、画像生成部26、制御部30および無線セキュリティ設定部36)の機能を実現するプロセッサおよび電子回路を含んでよい。無線通信部34は、無線通信機能を実現する電子回路を含んでいる。
【0020】
制御部30は、超音波診断装置10の全体的な制御を実行する。操作部32は、ボタン、レバー、キーボード、マウス等を備えてもよい。操作部32は、表示部28に設けられるタッチパネルであってもよい。制御部30は、超音波診断装置10のユーザ(以下、診断装置ユーザという)による操作に基づいて、超音波診断装置10の制御を実行してもよい。接続情報記憶部38は、無線通信部34が通信を行うためのデータベースを記憶する。
【0021】
超音波プローブ20は複数の超音波振動子を備えている。送受信部22は、複数の超音波振動子に電気信号である送信信号を出力する。各超音波振動子は送信信号を超音波に変換し、被検体に向けて送信する。送受信部22が、各超音波振動子に出力する送信信号の遅延時間を調整することで、特定の方向に超音波ビームが形成される。
【0022】
各超音波振動子は、被検体内で反射した超音波を受信し、電気信号である受信信号に変換して信号処理部24に出力する。信号処理部24は、超音波ビームが向けられた方向から到来する超音波による受信信号が互いに強め合うように、各超音波振動子から出力された受信信号の遅延時間を調整し、遅延時間調整後の各受信信号を加算合計する。信号処理部24は、このようにして生成された整相加算信号を、画像生成部26に出力する。
【0023】
なお、送受信部22は、被検体における特定の観測断面内で超音波ビームが走査されるように、各超音波振動子に出力する送信信号の遅延時間を変化させる。また、信号処理部24は、被検体内で走査された超音波ビームの方向に対応する整相加算信号を生成するように、各超音波振動子から出力された受信信号の遅延時間を変化させ、遅延時間調整後の各受信信号を加算合計する。
【0024】
画像生成部26は、観測断面内の各方向について取得された整相加算信号に基づいて、Bモード画像データを生成する。送受信部22、信号処理部24および画像生成部26は、所定のフレームレートで、時間経過と共に順次、Bモード画像データを生成する。ここで、フレームレートとは、単位時間当たりに生成されるBモード画像の枚数をいう。
【0025】
画像生成部26は、時間経過と共に順次生成されたBモード画像データに基づいて、映像信号を生成し、表示部28に出力する。表示部28は、画像やテキストデータ等の情報を表示するディスプレイ装置であってよい。表示部28は、映像信号に基づいて、時間経過と共に順次生成されたBモード画像データに基づく画像、すなわち、Bモード画像のリアルタイム画像を表示する。
【0026】
上記では、超音波ビームを被検体内で走査し、各方向の超音波ビームに対応する整相加算信号に基づいて、Bモード画像を生成する処理が示された。超音波診断装置10は、送信信号の周波数に対する整相加算信号の周波数の相違(ドプラシフト)に基づいて、血流の速度を求めるドプラモードの動作を実行してもよい。信号処理部24は、例えば、各方向の超音波ビーム上に定められた所定範囲(ドプラゲート)における血流の速度を表すドプラデータを生成し、画像生成部26に出力する。画像生成部26は、血流速度を示す画像をBモード画像上に重ねたドプラ画像を示す映像信号を生成し、表示部28に出力してよい。表示部28はドプラ画像を表示する。
【0027】
無線通信部34は、無線中継機12との間で無線通信を行い、無線中継機12を介して通信回線16に通信接続される。無線通信部34は、情報端末14との間で通信回線16を介した通信を行う。無線通信部34が情報端末14との間で通信を開始する前に、次に示されるような通信接続処理が行われる。
【0028】
無線通信部34は、無線中継機12との無線通信によって、無線中継機12に対して通信機IDおよびセキュリティ情報を設定する。通信機IDは、無線中継機12を識別するためのID(Identification)であり、セキュリティ情報は、無線中継機12との間で無線通信を確立するための暗号である。ここで、無線通信が確立した状態とは、例えば、複数の通信装置が同一の通信プロトコルに従って通信可能となっている状態をいう。
【0029】
無線中継機12がWi-Fiのアクセスポイントである場合、通信機IDおよびセキュリティ情報は、それぞれ、SSID(Service Set Identifier)およびセキュリティキーである。無線セキュリティ設定部36は、例えば、通信機IDを接続情報記憶部38から読み込み、操作部32から制御部30に読みまれたセキュリティ情報を制御部30から取得する。無線セキュリティ設定部36は、通信機IDおよびセキュリティ情報を無線通信部34に出力する。無線通信部34は、通信機IDおよびセキュリティ情報を含む設定信号を無線中継機12に送信し、無線中継機12の通信機IDおよびセキュリティ情報を設定する。無線通信部34は、自らが無線中継機12に対して設定した通信機IDおよびセキュリティ情報を用いて、無線中継機12との間の無線通信を確立する。これによって、無線通信部34が通信回線16に通信接続される。
【0030】
超音波診断装置10の動作例について説明する。図3には、本実施形態に係る超音波診断装置10が実行する処理のフローチャートが示されている。最初の状態において、超音波診断装置10の電源はオンであるものの、無線通信部34の電源はオフにされている。また、無線中継機12には、ある符号が通信機IDとして設定されている。
【0031】
診断装置ユーザによる操作部32の操作に従って、制御部30はグループ選択GUI(Graphical User Interface)を起動する(S102)。ここで、グループ選択GUIは、複数の登録グループから1つのグループをユーザに選択させるためのGUIである。複数の登録グループのそれぞれは、1つまたは複数の情報端末14によって形成される。各登録グループを識別する登録グループID(Identification)は、予め超音波診断装置10に登録されている。登録グループIDが登録されている状態とは、接続情報記憶部38に登録グループIDが記憶されている状態をいう。また、通信回線16に接続された外部のコンピュータとの間で、制御部30が、無線通信部34を介して情報の送受信を行うことができる場合には、登録グループIDが登録されている状態は、外部のコンピュータに登録グループIDが記憶されている状態であってもよい。
【0032】
後述する処理によって、グループ選択GUIによって選択されたグループに所属する情報端末14のみが、通信回線16を介して無線通信部34との間で通信を行うことが許される。すなわち、グループ選択GUIによって選択された登録グループIDである共有グループIDと、自らの所属グループIDとが一致する情報端末14のみが、通信回線16を介して無線通信部34との間で通信を行うことが許される。
【0033】
図4には、グループ選択GUIを起動することによって、制御部30が表示部28に表示させる操作画像が示されている。図4に示されている操作画像には、登録グループの名称として、「Cardio」、「RAD」、「Breast」、「Uro」、・・・・・が記された12個のボタンが示されている。この例では、予め登録され、かつ、共有グループとして選択され得る登録グループが12グループある。
【0034】
表示部28に操作画像が表示されているときに、ユーザによって共有グループが選択される(S104)。表示部28がタッチパネルである場合には、超音波診断装置10のユーザの指がボタン42に接触することで、そのボタン42に対応する登録グループが選択される。表示部28が通常のディスプレイである場合には、カーソル等によってボタン42が押下されることで、そのボタン42に対応する登録グループが選択される。
【0035】
制御部30は、ユーザの操作によって押下されたボタンに対応する登録グループIDを、共有グループIDとして接続情報記憶部38から読み込む。
【0036】
制御部30は、無線通信部34の電源をオンにし(S106)、共有グループIDを無線セキュリティ設定部36に出力する。無線セキュリティ設定部36は、セキュリティ情報として共有グループIDを無線通信部34に出力する。無線通信部34は、制御部30の制御に従って、共有グループIDを含む設定信号を無線中継機12に送信し、無線中継機12のセキュリティ情報を共有グループIDとする(S108)。これによって、無線通信部34は、情報端末14との間で通信回線16を介した通信の確立を待機する状態となる(S110)。
【0037】
情報端末14は、複数の登録グループのうちいずれかに属する。登録グループは、例えば、患者の特定の部位に関する研究組織ごとに形成されてもよいし、病院の診療科ごとに形成されてもよい。また、大学等の研究機関における研究チームごとに形成されてもよい。例えば、情報端末14のユーザ(以下、端末ユーザという)が、循環器に関する研究組織に属している場合、その情報端末14は、循環器に関する研究組織において形成された登録グループ(循環器登録グループ)に属してよい。その情報端末14には、循環器登録グループに対して予め与えられた所属グループIDが割り当てられる。また、端末ユーザには、情報端末14が超音波診断装置10に通信接続するための通信機IDが、自らが所属する研究組織等から知らされる。
【0038】
端末ユーザは、通信機IDおよび所属グループIDを情報端末14に入力する。情報端末14は、端末ユーザの操作に応じて通信機IDおよび所属グループIDを読み込み、それぞれを照合通信機IDおよび照合セキュリティ情報とする。情報端末14は、照合通信機IDおよび照合セキュリティ情報を含む照合信号を無線中継機12に送信する。
【0039】
無線中継機12は、照合信号を受信し、照合通信機IDおよび照合セキュリティ情報を照合信号から抽出する。無線中継機12は、照合通信機IDおよび照合セキュリティ情報(所属グループID)が、それぞれ、自らに設定された通信機IDおよびセキュリティ情報(共有グループID)と一致するか否かを判定する。照合通信機IDおよび照合セキュリティ情報(所属グループID)が、それぞれ、通信機IDおよびセキュリティ情報(共有グループID)と一致するときは、無線中継機12は、情報端末14との間の無線通信を確立すると共に、通信回線16を介した情報端末14と超音波診断装置10との間の通信を確立する。
【0040】
照合通信機IDが通信機IDに一致せず、または、照合セキュリティ情報(所属グループID)がセキュリティ情報(共有グループID)に一致しないときは、無線中継機12は、情報端末14との間の無線通信を確立しない。これによって、通信回線16を介した情報端末14と超音波診断装置10との間の通信は確立しない。
【0041】
図3のステップS112以降の処理について説明する。制御部30は、無線通信部34と情報端末14との間の通信が確立したか否かを判定し(S112)、無線通信部34と情報端末14との間の通信が確立していないときは、通信の確立を待機する(S110)。制御部30は、無線通信部34と情報端末14との間の通信が確立したと判定したときは、診断開始の操作がされたか否かを判定する(S114)。
【0042】
制御部30は、診断開始の操作がされたときは、診断動作を開始する(S116)。診断動作とは、上記のように、Bモード画像データ、ドプラデータ等を信号処理部24で生成し、Bモード画像、ドプラ画像等の超音波画像を表示部28が表示する動作をいう。一方、診断開始の操作がされなかったときは、制御部30は、後述するステップS120の処理に進む。
【0043】
制御部30は、診断動作と共に画像送信処理を実行する(S116)。画像送信処理とは、超音波画像情報を情報端末14に送信する処理をいう。超音波画像情報は、画像生成部26で生成された超音波画像データまたは超音波画像データに基づく映像信号を含む情報であってよい。
【0044】
情報端末14は、無線通信部34から通信回線16を介して送信された超音波画像情報を受信し、超音波画像情報に基づく超音波画像を表示する。
【0045】
制御部30は、無線接続情報を送信する処理を実行する(S118)。ここで、無線接続情報とは、超音波診断装置10との間で通信を確立した1つまたは複数の情報端末14を示す情報をいう。
【0046】
無線接続情報は、無線中継機12に対して不正にアクセスしようとした無線端末があることを示す不正アクセス情報を含んでもよい。不正アクセス情報は、不正にアクセスしようとした無線端末の台数を示す情報であってもよい。制御部30は、無線通信部34を介して無線中継機12との間で無線通信を行い、例えば、予め定められたN回数以上に亘って認証が成功しなかった無線端末があるか否かの情報を取得する。あるいは、制御部30は、そのような不正アクセス無線端末の台数を、無線中継機12から取得する。すなわち、制御部30は、照合通信機IDが通信機IDに一致せず、または、照合セキュリティ情報(所属グループID)がセキュリティ情報(共有グループID)と一致しないような照合信号を、N回以上に亘って送信した不正アクセス無線端末があるか否かの情報を取得する。あるいは、制御部30は、不正アクセス無線端末の台数を取得する。Nは、操作誤り等の範囲で想定される回数を超える数値であってよい。
【0047】
不正アクセス情報は、予め定められたN回数以上に亘って認証が成功しなかったという通信動作や、その他の通信動作が記録された情報を含んでよい。例えば、認証が成功しなかった照合信号が受信された頻度(単位時間当たりに照合信号を受信した回数)や、複数回に亘って送信された照合信号に含まれる情報が変化するパターン等によって特定される通信動作が記録された情報が、不正アクセス情報に含まれてもよい。
【0048】
ステップS118の処理において制御部30は、無線通信部34を介して、無線接続情報を情報端末14に送信する。無線接続情報は、情報端末14が超音波画像と共に表示してよい。
【0049】
このように、制御部30は、予め登録された複数の登録グループIDのうちの1つである共有グループIDを、ユーザの操作に応じて選択するグループ選択処理を実行し、(S102,S104)、情報端末14から無線中継機12に送信された照合信号に共有グループIDと同一の所属グループIDが含まれる場合に、無線通信部34と共に画像送信処理を実行し(S116)、無線接続情報を送信する処理(以下、接続情報送信処理という)を実行する(S118)。
【0050】
制御部30は、同一の所属グループIDを無線中継機12に送信した複数の情報端末14との間で、通信回線16を介した通信を、無線通信部34と共に行ってよい。この場合、制御部30は、複数の情報端末14に対し、無線通信部34と共に画像送信処理を実行し(S116)、接続情報送信処理を実行する(S118)。
【0051】
画像送信処理および接続情報送信処理は、通信回線16を利用した会議システムによって行われてもよい。通信回線16を利用した会議システムには、Zoom、Teams等のWeb会議システムがある。図5には、会議システムを起動した情報端末14に表示される超音波画像44および無線接続情報46の例が示されている。図5には、超音波画像44としてBモード画像が例示されている。超音波画像44の右側には、無線接続情報46が示されている。図5に示される無線接続情報46は、端末ユーザA~Hが使用する情報端末A~Hが同一の登録グループに属していることが示されている。端末ユーザA~Dが「参加者」として表示されており、情報端末A~Dが超音波診断装置10との間で通信を確立していることが示されている。また、端末ユーザE~Hが「参加可能者」として表示されている。すなわち、情報端末E~Hは、現時点では超音波診断装置10との間で通信を確立していないものの、今後、通信を確立する可能性があることが示されている。さらに、1台の不正アクセス無線端末があることが、端末ユーザXとして表示されている。また、Web会議システムでの音声接続状況を示す図形48や、チャットを開始するためのボタン50が表示部28に示されている。
【0052】
図3に戻って説明する。診断動作が終了し、画像送信処理および接続情報送信処理を実行した後、制御部30は、無線通信部34の電源をオフにする(S120)。制御部30は、超音波診断装置10の電源(装置電源)がオフにされる操作がされたか否かを判定する(S122)。制御部30は、装置電源がオフにされる操作がされなかったときは、ステップS102の処理に戻る。制御部30は、装置電源がオフにされる操作がされたときは、処理を終了する。
【0053】
制御部30は、ステップS102において再びグループ選択GUIを起動する。診断装置ユーザによる操作部32の操作に応じて、制御部30は次の共有グループIDを選択する(S104)。ステップS102以降の処理では、先の共有グループIDに対して実行された処理と同様の動作が、次の共有グループIDに対しても実行される。
【0054】
ステップS108の処理では、無線中継機12のセキュリティ情報として共有グループIDが設定される。したがって、無線中継機12は、共有グループIDと同一の所属グループIDを照合セキュリティ情報として含む照合信号を送信した情報端末14との間で、無線通信を確立する。照合セキュリティ情報としての所属グループIDは、端末ユーザの操作によって情報端末14に読み込まれる。したがって、自らの所属グループIDを知っている端末ユーザが所持する情報端末14に対して、超音波画像情報および無線接続情報が送信される。さらに、共有グループIDは、ステップS104が実行されるごとに更新される。したがって、共有グループとは無関係な者による不正なアクセスが回避され、超音波診断装置10から情報端末14に超音波画像情報および無線接続情報を送信する際の秘匿性が高まる。
【0055】
また、無線通信部34の電源は、共有グループの1回の選択に対する処理(S106~S118)が実行される間にオンにされ、共有グループの1回の選択に対する処理が終了し、次の共有グループが選択されるまでの間はオフにされる。これによって、超音波診断装置10に対して不正アクセスがされる機会が減少する。
【0056】
なお、図3に示された処理では、診断装置ユーザの操作によって、複数の登録グループの中から共有グループが選択され、セキュリティ情報が共有グループIDに設定される。このような処理に加えて、超音波診断装置10が、診断装置ユーザの操作によって無線中継機12の通信機IDを設定する処理を実行してもよい。この場合、制御部30は、診断装置ユーザの操作に応じて、操作部32から通信機IDを読み込む。制御部30は、通信機IDおよび共有グループIDを無線セキュリティ設定部36に出力する。無線セキュリティ設定部36は、通信機IDおよび共有グループIDを無線通信部34に出力する。無線通信部34は、制御部30の制御に従って、通信機IDおよび共有グループIDを含む設定信号を無線中継機12に送信し、無線中継機12の通信機IDを設定すると共に、セキュリティ情報を共有グループIDとする。
【0057】
端末ユーザは、通信機IDと所属グループIDを自らが所属する研究組織等から知らされる。端末ユーザは、通信機IDおよび所属グループIDを情報端末14に入力する。情報端末14は、端末ユーザの操作に応じて通信機IDおよび所属グループIDを読み込み、それぞれを照合通信機IDおよび照合セキュリティ情報とする。
【0058】
情報端末14は、照合通信機IDおよび照合セキュリティ情報を含む照合信号を無線中継機12に送信する。無線中継機12は、照合通信機IDおよび照合セキュリティ情報(所属グループID)が、それぞれ、超音波診断装置10によって設定された通信機IDおよびセキュリティ情報(共有グループID)に一致したときに、情報端末14との間の無線通信を確立する。無線中継機12と情報端末14との間の無線通信が確立することで、情報端末14が通信回線16に通信接続される。
【0059】
このような処理によれば、共有グループIDの他、通信機IDも、不変の情報ではなく随時変更される。これによって、超音波画像情報および無線接続情報を情報端末14に送信する際の秘匿性が高まる。
【0060】
図6には、本発明の第2実施形態に係る超音波診断システム102の構成が示されている。超音波診断システム102では、図1に示された超音波診断システム100のように無線中継機12が用いられず、超音波診断装置10Aが情報端末14-1~14-nのそれぞれとの間で直接無線通信を行う。
【0061】
図7には、超音波診断装置10Aの構成が示されている。図2に示されている超音波診断装置10が備える無線通信部34が、超音波診断装置10Aでは、認証無線部60に置き換えられている。認証無線部60は、図1および図2に示された無線中継機12を超音波診断装置10Aに組み込んだものに相当し、通信機IDおよびセキュリティ情報についての認証機能を有している。
【0062】
認証無線部60が情報端末14との間で通信を開始する前に、次に示されるような通信接続処理が行われる。無線セキュリティ設定部36は、例えば、通信機IDを接続情報記憶部38から読み込み、操作部32から制御部30に読みまれたセキュリティ情報を制御部30から取得する。無線セキュリティ設定部36は、認証無線部60に対して通信機IDおよびセキュリティ情報を設定する。
【0063】
次に、認証無線部60に対して情報端末14が実行する処理について説明する。端末ユーザは、超音波診断装置10A(認証無線部60)の通信機IDと、所属グループIDを自らが所属する研究組織等から知らされる。端末ユーザは、通信機IDおよび所属グループIDを情報端末14に入力する。情報端末14は、端末ユーザの操作に応じて通信機IDおよび所属グループIDを読み込み、それぞれを照合通信機IDおよび照合セキュリティ情報とする。情報端末14は、照合通信機IDおよび照合セキュリティ情報を含む照合信号を認証無線部60に送信する。
【0064】
認証無線部60は、照合信号を受信し、照合通信機IDおよび照合セキュリティ情報(所属グループID)を照合信号から抽出する。認証無線部60は、照合通信機IDおよび照合セキュリティ情報(所属グループID)が、それぞれ、自らに設定された通信機IDおよびセキュリティ情報(共有グループID)と一致するか否かを判定する。照合通信機IDおよび照合セキュリティ情報(所属グループID)が、それぞれ、通信機IDおよびセキュリティ情報(共有グループID)と一致するときは、認証無線部60は、情報端末14との間の無線通信を確立する。
【0065】
照合通信機IDが通信機IDに一致せず、または、照合セキュリティ情報(所属グループID)がセキュリティ情報(共有グループID)と一致しないときは、認証無線部60は、情報端末14との間の無線通信を確立しない。
【0066】
超音波診断装置10Aの動作例について説明する。図8には、本実施形態に係る超音波診断装置10Aが実行する処理のフローチャートが示されている。最初の状態において、超音波診断装置10Aの電源はオンであるものの、認証無線部60の電源はオフにされている。また、認証無線部60には、ある符号が通信機IDとして設定されている。
【0067】
診断装置ユーザによる操作部32の操作に従って、制御部30はグループ選択GUIを起動する(S202)。表示部28に操作画像が表示されているときに、ユーザによって共有グループが選択される(S204)。操作画像は、第1実施形態と同様、図4に示されているような画像であってよい。制御部30は、認証無線部60の電源をオンにし(S206)、共有グループIDを無線セキュリティ設定部36に出力する。無線セキュリティ設定部36は、認証無線部60のセキュリティ情報を共有グループIDとする(S208)。これによって、認証無線部60は、情報端末14との通信の確立を待機する状態となる(S210)。
【0068】
制御部30は、認証無線部60と情報端末14との間の通信が確立したか否かを判定し(S212)、認証無線部60と情報端末14との間の通信が確立していないときは、通信の確立を待機する(S210)。
【0069】
制御部30は、認証無線部60と情報端末14との間の通信が確立したと判定したときは、診断開始の操作がされたか否かを判定する(S214)。制御部30は、診断開始の操作がされたときは診断動作を開始し(S216)、診断開始の操作がされなかったときは、後述するステップS220の処理に進む。
【0070】
制御部30は、診断動作と共に画像送信処理を実行し(S216)、接続情報送信処理を実行する(S218)。情報端末14は、超音波画像情報および無線接続情報を受信し、超音波画像情報に基づく超音波画像と、無線接続情報を表示する。
【0071】
このように、制御部30は、共有グループIDを選択するグループ選択処理を実行し(S202,S204)、情報端末14から認証無線部60に送信された照合信号に含まれる所属グループIDと、共有グループIDとが一致する場合に、認証無線部60と共に画像送信処理を実行し(S216)、接続情報送信処理を実行する(S218)。
【0072】
制御部30は、同一の所属グループIDを認証無線部60に送信した複数の情報端末14との間の無線通信を、認証無線部60と共に行ってよい。この場合、制御部30は、複数の情報端末14に対し、認証無線部60と共に画像送信処理を実行し(S216)、接続情報送信処理を実行する(S218)。
【0073】
画像送信処理および接続情報送信処理は、第1実施形態と同様の会議システムによって行われてもよい。ただし、本実施形態では、情報端末14と超音波診断装置10Aとが、通信回線16を介さず直接無線通信を行う点が、第1実施形態と異なる。会議システムを起動した情報端末14には、図5に示された超音波画像44および無線接続情報46と同様の画像および情報が表示されてよい。
【0074】
診断動作が終了し、画像送信処理および接続情報送信処理を実行した後、制御部30は、認証無線部60の電源をオフにする(S220)。制御部30は、超音波診断装置10Aの電源(装置電源)がオフにされる操作がされたか否かを判定する(S222)。制御部30は、装置電源がオフにされる操作がされなかったときは、ステップS202の処理に戻る。制御部30は、装置電源がオフにされる操作がされたときは、処理を終了する。
【0075】
制御部30は、ステップS202において再びグループ選択GUIを起動する。診断装置ユーザによる操作部32の操作に応じて、制御部30は次の共有グループIDを選択する(S204)。ステップS202以降の処理では、先の共有グループIDに対して実行された処理と同様の動作が、次の共有グループIDに対しても実行される。
【0076】
ステップS208の処理によれば、認証無線部60のセキュリティ情報として共有グループIDが設定される。したがって、認証無線部60は、共有グループIDと同一の所属グループIDを照合セキュリティ情報として含む照合信号を送信した情報端末14との間で、無線通信を確立する。照合セキュリティ情報としての所属グループIDは、端末ユーザの操作によって情報端末14に読み込まれる。したがって、自らの所属グループIDを知っている端末ユーザが所持する情報端末14に対して、超音波画像情報および無線接続情報が送信される。さらに、共有グループIDは、ステップS204で選択されるごとに更新される。したがって、共有グループとして選択された登録グループとは無関係な者による不正なアクセスが回避され、超音波診断装置10から情報端末14に超音波画像情報および無線接続情報を送信する際の秘匿性が高まる。
【0077】
また、認証無線部60の電源は、共有グループの1回の選択に対する処理(S206~S218)が実行される間にオンにされ、共有グループの1回の選択に対する処理が終了し、次の共有グループが選択されるまでの間はオフにされる。これによって、超音波診断装置10Aに対して不正アクセスがされる機会が減少する。
【0078】
なお、図8に示された処理では、診断装置ユーザの操作によって、複数の登録グループの中から共有グループが選択され、セキュリティ情報が共有グループIDに設定される。このような処理に加えて、超音波診断装置10Aが、診断装置ユーザの操作によって超音波診断装置10A(認証無線部60)の通信機IDを設定する処理を実行してもよい。この場合、制御部30は、診断装置ユーザの操作に応じて、操作部32から通信機IDを読み込む。制御部30は、通信機IDおよび共有グループIDを無線セキュリティ設定部36に出力する。無線セキュリティ設定部36は、認証無線部60の通信機IDを設定すると共に、セキュリティ情報を共有グループIDとする。
【0079】
端末ユーザは、通信機IDと所属グループIDを自らが所属する研究組織等から知らされる。端末ユーザは、通信機IDおよび所属グループIDを情報端末14に入力する。情報端末14は、端末ユーザの操作に応じて通信機IDおよび所属グループIDを読み込み、それぞれを照合通信機IDおよび照合セキュリティ情報とする。
【0080】
情報端末14は、照合通信機IDおよび照合セキュリティ情報(所属グループID)を含む照合信号を認証無線部60に送信する。認証無線部60は、照合通信機IDおよび照合セキュリティ情報(所属グループID)が、それぞれ、超音波診断装置10Aによって設定された通信機IDおよびセキュリティ情報(共有グループID)に一致したときに、情報端末14との間の無線通信を確立する。
【0081】
このような処理によれば、共有グループIDの他、通信機IDも、不変の情報ではなく随時変更される。これによって、超音波画像情報および無線接続情報を情報端末14に送信する際の秘匿性が高まる。
【0082】
上記では、超音波診断装置10Aが情報端末14と直接無線通信を行う実施形態が示された。超音波診断装置10Aと情報端末14との間の通信は、認証を行わない無線中継機、あるいは、上記の通信機IDおよびセキュリティ情報を用いた認証とは別の認証を行う無線中継機を介して行われてもよい。
【符号の説明】
【0083】
10,10A 超音波診断装置、12 無線中継機、14,14-1~14-n 情報端末、16 通信回線、20 超音波プローブ、22 送受信部、24 信号処理部、26 画像生成部、28 表示部、30 制御部、32 操作部、34 無線通信部34 無線セキュリティ設定部、38 接続情報記憶部、44 超音波画像、46 無線接続情報、48 会議システムでの音声接続状況を示す図形、60 認証無線部、100,102 超音波診断システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8