(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063494
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】袋用クリップ
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20240502BHJP
B65D 33/38 20060101ALI20240502BHJP
A47K 7/00 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
B65D83/08 B
B65D33/38
A47K7/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171498
(22)【出願日】2022-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】市橋 隆
(72)【発明者】
【氏名】高見 俊介
【テーマコード(参考)】
3E014
3E064
【Fターム(参考)】
3E014LB02
3E064AA05
3E064BA21
3E064BC16
3E064EA23
3E064EA30
3E064FA01
3E064FA04
3E064HM01
3E064HN28
3E064HS10
(57)【要約】
【課題】包装袋に容易に着脱でき、包装袋を取り換えて繰り返し使用しても密閉性を確保することが可能となる袋用クリップを提供する。
【解決手段】袋用クリップ100は、ウェットティッシュ220が収容された包装袋200に取り付けられ、包装袋200の開口部に挿入される筒状体130と、筒状体130の上端部132bを閉鎖可能な蓋体140と、包装袋200の開口部210に挿入された筒状体130を包装袋200の外側から挟持して保持可能な第1クリップ体110及び第2クリップ体120と、を備え、筒状体130は、ウェットティッシュ220の先端220aを突出させた状態で保持可能な保持部134を有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生用薄紙が収容された包装袋に取り付けられる袋用クリップであって、
前記包装袋の開口部に挿入される筒状体と、
前記筒状体の上端部を閉鎖可能な蓋体と、
前記包装袋の前記開口部に挿入された前記筒状体を前記包装袋の外側から挟持して保持可能な一対のクリップ体と、
を備え、
前記筒状体は、前記衛生用薄紙の先端を突出させた状態で保持可能な保持部を有する、ことを特徴とする袋用クリップ。
【請求項2】
前記筒状体は、周方向外側に向かって突出する突条を有し、
前記突条は、その端部側から下方に突出し、前記一対のクリップ体を開閉可能に連結する軸部を有し、
前記一対のクリップ体が前記突条の前記軸部に連結された場合、前記突条の裏面と前記一対のクリップ体の表面との間に空間が形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の袋用クリップ。
【請求項3】
前記突条は、前記筒状体の前記上端部より下方位置から突出し、前記蓋体を回動可能に支持する回動支持部を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の袋用クリップ。
【請求項4】
前記突条は、前記回動支持部より外側に延出する延出部を有し、
前記延出部は、前記蓋体が開放状態であるときに、開放状態の前記蓋体を当接して支持する、
ことを特徴とする請求項3に記載の袋用クリップ。
【請求項5】
前記筒状体は、
水平方向において前記一対のクリップ体が位置する範囲に形成された筒状体下部と、
前記筒状体下部の上方に連結して形成され、前記保持部から引き出された前記衛生用薄紙を収容可能な収納部を含む筒状体上部と、
を有し、
前記筒状体上部の水平断面は、前記筒状体下部の水平断面より小さく形成され、
前記筒状体上部の下端部は、前記筒状体下部の上端部より下方に位置するように形成される、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の袋用クリップ。
【請求項6】
前記筒状体は、周方向外側に向かって突出する突条を有し、
前記突条は、前記筒状体上部に設けられ、かつ前記筒状体下部の外周面における上端部より上方に位置するように設けられる、
ことを特徴とする請求項5に記載の袋用クリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生用薄紙が収容された包装袋に取り付けられる袋用クリップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ウェットティッシュの包装袋の開口部に、取出口を備えた内蓋とその取出口を再封鎖可能な外蓋を、粘着加工等を用いて取り付けるようにしたウェットティッシュの包装袋が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のウェットティッシュの包装袋では、粘着力が低下すると、内蓋と外蓋をウェットティッシュの包装袋に繰り返し取り付けて使用することができない。また、ウェットティッシュが取出口から外れて包装袋内に落ち込んでしまった場合、内蓋を包装袋から取り外さなければウェットティッシュを引き出せないため、粘着力がさらに低下してしまう。
【0005】
本願は、包装袋に容易に着脱でき、包装袋を取り換えて繰り返し使用しても密閉性を確保することが可能となる袋用クリップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願の袋用クリップは、衛生用薄紙が収容された包装袋に取り付けられる袋用クリップであって、包装袋の開口部に挿入される筒状体と、筒状体の上端部を閉鎖可能な蓋体と、包装袋の開口部に挿入された筒状体を包装袋の外側から挟持して保持可能な一対のクリップ体と、を備え、筒状体は、衛生用薄紙の先端を突出させた状態で保持可能な保持部を有する、ことを特徴とする。
【0007】
本願の袋用クリップによれば、一対のクリップ体により、包装袋の開口部に挿入された筒状体を包装袋の外側から挟持して保持するようにしたので、包装袋に対する袋用クリップの着脱を容易に行うことが可能となる。また、本実施形態の袋用クリップでは、粘着加工等を用いて包装袋に取り付けるようにしていないので、包装袋を取り換えて繰り返し使用しても密閉性を確保することが可能となる。
【0008】
また、筒状体は、周方向外側に向かって突出する突条を有し、突条は、その端部側から下方に突出し、一対のクリップ体を開閉可能に連結する軸部を有し、一対のクリップ体が突条の軸部に連結された場合、突条の裏面と一対のクリップ体の表面との間に空間が形成される、ことを特徴とする。
【0009】
これによれば、袋用クリップを包装袋に取り付けたとき、一対のクリップ体の表面の上方に突出した包装袋を、空間を介して視認できるため、確実に包装袋の挟み代を確保することが可能となる。
【0010】
また、突条は、筒状体の上端部より下方位置から突出し、蓋体を回動可能に支持する回
動支持部を有する、ことを特徴とする。
【0011】
これによれば、操作者が筒状体に指を差し込んで衛生用薄紙を引き出す際に、回動支持部が邪魔になることを抑制できる。
【0012】
また、突条は、回動支持部より外側に延出する延出部を有し、延出部は、蓋体が開放状態であるときに、開放状態の蓋体を当接して支持する、ことを特徴とする。
【0013】
これによれば、開放状態の蓋体に上方から力が加えられた場合、蓋体は延出部によって支持されるため、蓋体が回動支持部から離脱したり、蓋体や回動支持部が変形・破損したりすることを防止できる。
【0014】
また、筒状体は、水平方向において一対のクリップ体が位置する範囲に形成された筒状体下部と、筒状体下部の上方に連結して形成され、保持部から引き出された衛生用薄紙を収容可能な収納部を含む筒状体上部と、を有し、筒状体上部の水平断面は、筒状体下部の水平断面より小さく形成され、筒状体上部の下端部は、筒状体下部の上端部より下方に位置するように形成される、ことを特徴とする。
【0015】
これによれば、筒状体上部の下端部は、筒状体下部の上端部より下方に位置するように形成されるため、筒状体下部の下端部から保持部までの高さが低くなる。したがって、衛生用薄紙の先端を保持部に押し込み易くなるので、操作性が向上する。
【0016】
また、筒状体は、周方向外側に向かって突出する突条を有し、突条は、筒状体上部に設けられ、かつ筒状体下部の外周面における上端部より上方に位置するように設けられる、ことを特徴とする。
【0017】
これによれば、袋用クリップを包装袋に取り付けたとき、確実に包装袋の挟み代を確保することが可能となるとともに、包装袋の挟み代の視認性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る袋用クリップの分解斜視図である。
【
図2】
図1の袋用クリップを組み立てた状態の一例を示す図である。
【
図3】
図1の袋用クリップを組み立てた状態の他の一例を示す図である。
【
図4】
図1の袋用クリップを組み立て、蓋体を開放した状態の一例を示す断面図である。
【
図5】包装袋に袋用クリップを取り付けようとする状態の一例を示す斜視図である。
【
図6】包装袋に袋用クリップを取り付けた後の状態の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の袋用クリップ100は、例えばプラスチックにより形成され、主として、第1クリップ体110(「一対のクリップ体」の一方の一例)と、第2クリップ体120(「一対のクリップ体」の他方の一例)と、筒状体130と、蓋体140と、により構成されている。なお、説明の都合上、本実施形態の袋用クリップ100の前後上下左右の各方向は、
図1を含む各図中、対応する矢印で示す方向とする。
【0021】
筒状体130は、例えば、ウェットティッシュ(「衛生用薄紙」の一例)が収容された包装袋200の開口部210(
図5参照)に挿入される。筒状体130は、筒状体下部1
31と筒状体上部132とにより構成されている。
【0022】
図4(a)に示すように、筒状体上部132の水平断面の径は、筒状体下部131の水平断面の径より短く形成され、筒状体上部132の下端部132aは、筒状体下部131の上端部131bより下方に位置するように形成されている。そして、筒状体上部132の下端部132aは、底面133により閉鎖され、底面133の略中心位置には、包装袋200の開口部210から引き出されたウェットティッシュ220がその先端220aを底面133から突出させた状態で保持可能な保持部134が形成されている(
図6(b)参照)。一方、筒状体上部132の上端部132bは、開放されている。
【0023】
図1に戻り、筒状体上部132の外周面132c上、かつ筒状体下部131の上端部131bより上方の位置(ただし、筒状体上部132の上端部132bより下方の位置)には、周方向外側(後方)に向かって突出する突条150が形成されている。突条150は、板状の延出部151と、延出部151の後端部から下方に突出した軸部152と、を有している。そして、延出部151上には、蓋体140の軸141を回動可能に支持する回動支持部153が形成されている。延出部151は、筒状体上部132の上端部132b(この上端部132bは、筒状体130の上端部にも相当する)より下方から延出されているので、回動支持部153は、筒状体130の上端部より下方位置から突出していることになる。
【0024】
突条150に含まれる軸部152には、第1クリップ体110及び第2クリップ体120の各後端部に形成された連結部111,121が連結され、第1クリップ体110と第2クリップ体120とは、軸部152を中心に水平方向に回動可能となっている。
【0025】
第1クリップ体110及び第2クリップ体120は、上述のように包装袋200の開口部210に挿入された筒状体130、特に筒状体下部131を包装袋200の外側から挟持して保持するものである。このため、第1クリップ体110の前後方向の略中央に位置する中央部位112は、筒状体下部131の外周面131cの左側の半円筒に沿って半円筒状に左方向に突出している。一方、第2クリップ体120の前後方向の略中央に位置する中央部位122は、筒状体下部131の外周面131cの右側の半円筒に沿って半円筒状に右方向に突出している。なお、筒状体下部131の外周面131cには、リブ状の突起131c1が複数、上下方向に形成されている。また、第1クリップ体110の中央部位112の内側にも、リブ状の突起112cが複数、上下方向に形成され、第2クリップ体120の中央部位122の内側にも、リブ状の突起122cが複数、上下方向に形成されている。ただし、外周面131cのリブ状の突起131c1と第1クリップ体110及び第2クリップ体120の各中央部位112,122の内側のリブ状の突起112c,122cとは、上下方向互い違いになるような位置に形成されている。これにより、包装袋200の開口部210を筒状体下部131のリブ状の突起131c1と第1クリップ体110及び第2クリップ体120の各リブ状の突起112c,122cとで巻き込んで挟持するので、包装袋200の開口部210に袋用クリップ100をしっかりと保持することが可能となる。
【0026】
蓋体140は、筒状体上部132の、上記開放された上端部132bを閉鎖するとともに開放するものである。したがって、蓋体140は、上記軸141を有し、その軸141を回動支持部153に支持させることで、回動支持部153の回りに回動して、上端部132bの閉鎖と開放を自在に行わせることが可能となる。蓋体140に形成されたツマミ142は、操作者が指を蓋体140に掛け易くするためのものである。
【0027】
図2(a)は、袋用クリップ100を組み立てた後、第1クリップ体110及び第2クリップ体120を開状態にするとともに、蓋体140も開状態にした様子を示している。
図3は、
図2(a)の状態から第1クリップ体110及び第2クリップ体120を閉状態にするとともに、蓋体140も閉状態にした様子を示している。そして、
図3(a)は、袋用クリップ100を上方斜めから見た斜視図であり、
図3(b)は、袋用クリップ100を下方斜めから見た斜視図である。
【0028】
図2(a)の状態から第1クリップ体110及び第2クリップ体120を閉状態にするときには、操作者は、第1クリップ体110及び第2クリップ体120の前端部113,123近傍に形成された各ツマミ部114,124を摘まんで近づける。このため、各ツマミ部114,124には、滑り止め用の凹部114a,124aと微小突部114b,124bが形成されている。ただし、滑り止め用の凹部124aと微小突部124bについては、
図1を参照。
【0029】
図2(b)は、第1クリップ体110及び第2クリップ体120を閉状態にしたときの第1クリップ体110の前端部113及び第2クリップ体120の前端部123近傍の断面図である。
図2(b)に示すように、第1クリップ体110の前端部113の内側には突起113aが形成されるとともに、第2クリップ体120の前端部123上にも突起123aが形成されている。操作者が、第1クリップ体110及び第2クリップ体120の各ツマミ部114,124を摘まんで近づけて行くと、第1クリップ体110の突起113aが第2クリップ体120の突起123aを乗り越える。その後、操作者が第1クリップ体110の前端部113を前方に引き出さない限り、第1クリップ体110の突起113aが第2クリップ体120の突起123aに引っ掛かった状態、つまり、第1クリップ体110及び第2クリップ体120の閉状態が保持される。
【0030】
第1クリップ体110及び第2クリップ体120が閉状態のとき、
図3及び
図4に示すように、延出部151の裏面151bと第1クリップ体110及び第2クリップ体120の各表面110a,120aとの間には空間160が形成される。このような空間160が形成されるのは、第1クリップ体110及び第2クリップ体120が水平方向において位置する範囲が筒状体下部131の範囲であるとともに、板状の延出部151が筒状体下部131の上端部131bより上方の位置で筒状体上部132の外周面132cから延出しているからである。なお、空間160の用い方については、
図6に基づいて後述する。
【0031】
図4は、蓋体140が開状態となり、延出部151上に当接された状態を示している。なお、
図4(a)は、断面図であり、
図4(b)は、
図4(a)中の領域Aの拡大断面図である。この状態で蓋体140に上方から力が加えられた場合、蓋体140は延出部151によって支持されるため、蓋体140が回動支持部153から離脱したり、蓋体140や回動支持部153が変形・破損したりすることを防止できる。
【0032】
次に、以上のように構成された袋用クリップ100を包装袋200に取り付けて、包装袋200に収容されたウェットティッシュ220を袋用クリップ100から使用できるようにするまでの手順の一例を説明する。
【0033】
図5は、包装袋200を開封して、開口部210からつながった状態のウェットティッシュのうちの先頭のウェットティッシュ220(
図5では図示せず)を引き出す直前の状態の一例を示している。まず操作者は、引き出したウェットティッシュ220の先端220aを筒状体下部131の内側の下方から保持部134の上面に押し出す。このとき、筒状体下部131の下端部131aから保持部134までの高さが低い方が、ウェットティッシュ220の先端220aを保持部134に押し込み易い。このため、上述のように、筒状体上部132の下端部132aを筒状体下部131の上端部131bより下方に位置するように形成している。
【0034】
次に操作者は、指を筒状体上部132の上方から筒状体上部132の内側に入れ、保持部134の上面に押し出されたウェットティッシュ220の先端220aを上方に所望の長さだけ引き出す。これにより、
図6(b)に示されるように、ウェットティッシュ220の先端220aが保持部134から突出した状態で保持される。ただし、
図6(b)は、袋用クリップ100を包装袋200へ取付完了した状態を示しているので、取付途中の状態とは異なっている。このように筒状体上部132の内部空間、つまり、筒状体上部132の内周面132dと底面133とにより形成される空間135は、保持部134から引き出されたウェットティッシュ220を収容可能な収納部であるので、筒状体上部132は、収納部135を有することになる。
【0035】
次に操作者は、包装袋200の開口部210に筒状体130を挿入し、包装袋200の外側から第1クリップ体110と第2クリップ体120とを近づけて行き、閉状態にする。このとき、
図6(a)に示されるように、延出部151の裏面151bに包装袋200の開口部210の上端210aが当接するようにする。上述のように、延出部151の裏面151bと第1クリップ体110及び第2クリップ体120の各表面110a,120aとの間には空間160が形成されているので、包装袋200の開口部210の上端210a近傍には挟み代210bを確保することができる。これにより、包装袋200の開口部210の上端210a近傍にチャックが付いている場合でも、チャック領域を第1クリップ体110及び第2クリップ体120の各表面110a,120aより上方に位置させることができるので、包装袋200内部の気密性が損なわれることを抑制することが可能となる。
【0036】
なお、
図6(b)のように筒状体上部132の開放された上端部132bを、
図6(a)のように蓋体140で閉鎖すると、上記収納部135は、閉じた空間となる。これにより、収納部135内に収納されたウェットティッシュ220の乾燥を抑制することができる。
【0037】
以上説明したように、本実施形態の袋用クリップ100は、ウェットティッシュ220が収容された包装袋200に取り付けられる袋用クリップ100であって、包装袋200の開口部210に挿入される筒状体130と、筒状体130の上端部132bを閉鎖可能な蓋体と、包装袋200の開口部210に挿入された筒状体130を包装袋200の外側から挟持して保持可能な第1クリップ体110及び第2クリップ体120と、を備え、筒状体130は、ウェットティッシュ220の先端220aを突出させた状態で保持可能な保持部134を有する。
【0038】
このように、本実施形態の袋用クリップ100では、第1クリップ体110及び第2クリップ体120により、包装袋200の開口部210に挿入された筒状体130を包装袋200の外側から挟持して保持するようにしたので、包装袋200に対する袋用クリップ100の着脱を容易に行うことが可能となる。また、本実施形態の袋用クリップ100では、粘着加工等を用いて包装袋200に取り付けるようにしていないので、包装袋を取り換えて繰り返し使用しても密閉性を確保することが可能となる。
【0039】
ちなみに、本実施形態において、ウェットティッシュ220は、「衛生用薄紙」の一例である。第1クリップ体110及び第2クリップ体120は、「一対のクリップ体」の一例である。
【0040】
また、筒状体130は、周方向外側に向かって突出する突条150を有し、突条150は、その端部側から下方に突出し、第1クリップ体110及び第2クリップ体120を開閉可能に連結する軸部152を有し、第1クリップ体110及び第2クリップ体120が突条150の軸部152に連結された場合、突条150の裏面151bと第1クリップ体
110及び第2クリップ体120の表面110a,120aとの間に空間160が形成される。
【0041】
これにより、袋用クリップ100を包装袋200に取り付けたとき、第1クリップ体110及び第2クリップ体120の表面110a,120aの上方に突出した包装袋200を、空間160を介して視認できるため、確実に包装袋200の挟み代210bを確保することが可能となる。
【0042】
また、突条150は、筒状体130の上端部132bより下方位置から突出し、蓋体140を回動可能に支持する回動支持部153を有する。
【0043】
これにより、操作者が筒状体130に指を差し込んでウェットティッシュ220を引き出す際に、回動支持部153が邪魔になることを抑制できる。
【0044】
また、突条150は、回動支持部153より外側に延出する延出部151を有し、延出部151は、蓋体140が開放状態であるときに、開放状態の蓋体140を当接して支持する。
【0045】
これにより、開放状態の蓋体140に上方から力が加えられた場合、蓋体140は延出部151によって支持されるため、蓋体140が回動支持部153から離脱したり、蓋体140や回動支持部153が変形・破損したりすることを防止できる。
【0046】
また、筒状体130は、水平方向において第1クリップ体110及び第2クリップ体120が位置する範囲に形成された筒状体下部131と、筒状体下部131の上方に連結して形成され、保持部134から引き出されたウェットティッシュ220を収容可能な収納部135を含む筒状体上部132と、を有し、筒状体上部132の水平断面は、筒状体下部131の水平断面より小さく形成され、筒状体上部132の下端部132aは、筒状体下部131の上端部131bより下方に位置するように形成される。
【0047】
これにより、筒状体上部132の下端部132aは、筒状体下部131の上端部131bより下方に位置するように形成されるため、筒状体下部131の下端部131aから保持部134までの高さが低くなる。したがって、ウェットティッシュ220の先端220aを保持部134に押し込み易くなるので、操作性が向上する。
【0048】
また、筒状体130は、周方向外側に向かって突出する突条150を有し、突条150は、筒状体上部132に設けられ、かつ筒状体下部131の外周面131cにおける上端部131bより上方に位置するように設けられる。
【0049】
これにより、袋用クリップ100を包装袋200に取り付けたとき、確実に包装袋200の挟み代210bを確保することが可能となるとともに、包装袋200の挟み代210bの視認性が向上する。
【0050】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0051】
(1)上記実施形態では、衛生用薄紙として、ウェットティッシュ220を例に挙げて説明したが、これに限らず、ボディシート等の他の種類の衛生用薄紙を用いるようにしてもよい。ただし、各薄紙がつながった状態で包装袋に収容されているものである必要がある。
【0052】
(2)上記実施形態では、袋用クリップ100をプラスチックにより形成したが、これに限らず、金属により形成するようにしてもよいし、プラスチックにより形成する部材と金属により形成する部材とが混在するようにしてもよい。
【0053】
(3)上記実施形態では、筒状体130の水平断面の形状は円形状をなしているが、楕円形状や、多角形状であってもよく、クリップ体の中央部は、その水平断面の形状に沿うように突出形成してもよい。
【符号の説明】
【0054】
100…袋用クリップ、110…第1クリップ体、120…第2クリップ体、130…筒状体、110a,120a…表面、131…筒状体下部、132…筒状体上部、134…保持部、135…収納部、150…突条、151…延出部、151b…裏面、152…軸部、153…回動支持部、200…包装袋、210…開口部、220…ウェットティッシュ。