(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063523
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】物品搬送設備
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20240502BHJP
B65G 43/08 20060101ALI20240502BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
G05D1/02 P
B65G43/08 A
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171551
(22)【出願日】2022-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】上田 俊人
(72)【発明者】
【氏名】位田 章太
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 彰
【テーマコード(参考)】
3F027
5F131
5H301
【Fターム(参考)】
3F027AA10
3F027EA01
3F027FA01
5F131AA02
5F131AA10
5F131CA32
5F131CA34
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5F131DD57
5F131DD63
5F131DD74
5F131GA14
5H301AA03
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
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5H301EE01
5H301FF01
5H301FF16
5H301FF23
5H301GG06
5H301GG07
5H301KK02
5H301KK04
5H301KK08
5H301KK18
5H301KK19
(57)【要約】
【課題】上位制御装置において特定の地点での搬送車の制御状況を確認し易い、物品搬送設備を実現する。
【解決手段】物品搬送設備100は、搬送車Vと、走行経路Rと、区間制御装置15と、上位制御装置16と、を備え、走行経路Rに沿った複数箇所に記録地点Pが設定され、区間制御装置15は、自らが担当する制御領域において、複数の記録地点Pのそれぞれに関する搬送車Vの制御状況を、記録地点Pに関連付いた記録情報として記録すると共に、複数の記録情報を記録地点Pごとにまとめて送信情報を生成し、上位制御装置16に送信する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する搬送車と、
複数の制御領域に区分され、前記搬送車が走行する走行経路と、
複数の前記制御領域に対応して設けられ、自らが担当する前記制御領域において前記搬送車の通行を制御する区間制御装置と、
複数の前記区間制御装置を制御する上位制御装置と、を備えた物品搬送設備であって、
前記走行経路に沿った複数箇所に記録地点が設定され、
前記区間制御装置は、自らが担当する前記制御領域において、複数の前記記録地点のそれぞれに関する前記搬送車の制御状況を、前記記録地点に関連付いた記録情報として記録すると共に、複数の前記記録情報を前記記録地点ごとにまとめて送信情報を生成し、前記記録地点単位で前記送信情報を前記上位制御装置に送信する、物品搬送設備。
【請求項2】
複数の前記搬送車のそれぞれが、特有の搬送車識別情報を有し、
複数の前記記録地点のそれぞれが、特有の地点識別情報を有し、
前記区間制御装置は、いずれかの前記記録地点の通過を前記搬送車に許可した場合に、通過を許可した前記記録地点の前記地点識別情報に、通過を許可した前記搬送車の前記搬送車識別情報と、通過を許可した時刻を示す許可時刻情報と、を関連付けて前記記録情報として記録する、請求項1に記載の物品搬送設備。
【請求項3】
複数の前記制御領域のそれぞれに、特定区間が含まれ、
前記特定区間には、互いに交差しない第1経路及び第2経路と、前記第1経路における第1接続部と前記第2経路における第2接続部とを接続する接続経路と、が含まれ、
前記第1経路における前記第1接続部よりも下流側に、前記記録地点の1つである第1通過地点が設定され、
前記第2経路における前記第2接続部よりも下流側に、前記記録地点の1つである第2通過地点が設定され、
前記区間制御装置は、前記第1経路に沿って走行し前記第1通過地点を通過しようとする前記搬送車に対して、通過を許可した場合に、当該通過を許可した前記搬送車の前記搬送車識別情報と、通過を許可した時刻を示す前記許可時刻情報と、を当該第1通過地点の前記地点識別情報に関連付けて前記記録情報として記録し、
前記区間制御装置は、前記第2経路に沿って走行し前記第2通過地点を通過しようとする前記搬送車に対して、通過を許可した場合に、当該通過を許可した前記搬送車の前記搬送車識別情報と、通過を許可した時刻を示す前記許可時刻情報と、を当該第2通過地点の前記地点識別情報に関連付けて前記記録情報として記録し、
前記区間制御装置は、前記第1経路から前記接続経路へ走行し前記第2通過地点を通過しようとする前記搬送車に対して、通過を許可した場合に、当該通過を許可した前記搬送車の前記搬送車識別情報と、通過を許可した時刻を示す前記許可時刻情報と、を前記第1通過地点及び前記第2通過地点の双方の前記地点識別情報に関連付けて前記記録情報として記録する、請求項2に記載の物品搬送設備。
【請求項4】
複数の前記制御領域のそれぞれに、特定区間が含まれ、
前記特定区間には、互いに交差しない第1経路及び第2経路と、前記第1経路における第1接続部と前記第2経路における第2接続部とを接続する接続経路と、が含まれ、
前記第1経路における前記第1接続部よりも下流側に、前記記録地点の1つである第1通過地点が設定され、
前記第2経路における前記第2接続部よりも下流側に、前記記録地点の1つである第2通過地点が設定され、
前記区間制御装置は、前記第1経路から前記接続経路へ走行し前記第2通過地点を通過しようとする前記搬送車に対して、通過を許可した場合に、当該搬送車に通過許可を与えた旨の通過許可情報を、前記第1通過地点及び前記第2通過地点の双方に関連付けて前記記録情報として記録する、請求項1に記載の物品搬送設備。
【請求項5】
前記区間制御装置は、前記第1通過地点に関連付けて記録した前記記録情報をまとめた前記送信情報と、前記第2通過地点に関連付けて記録した前記記録情報をまとめた前記送信情報と、を前記上位制御装置に一括して送信する、請求項4に記載の物品搬送設備。
【請求項6】
複数の前記記録地点のそれぞれに蓄積期間が設定され、
前記区間制御装置は、それぞれの前記記録地点に関する前記記録情報を、前記蓄積期間が経過するごとにまとめて前記送信情報を生成し、当該送信情報を前記上位制御装置に送信する、請求項1に記載の物品搬送設備。
【請求項7】
前記区間制御装置は、前記搬送車が前記記録地点を通過した場合に、通過完了通知を取得するように構成され、
前記区間制御装置は、いずれかの前記記録地点の通過を前記搬送車に許可してから予め定められた期間内に前記通過完了通知の取得がないという第1条件を満たし、又は、いずれかの前記記録地点を他の前記搬送車が通過できない状態が予め定められた期間継続したという第2条件を満たした場合に、それらの条件を満たした前記記録地点についての前記送信情報を前記上位制御装置に送信する、請求項1から6のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項8】
前記区間制御装置は、一定の周期で前記送信情報を前記上位制御装置に送信するように構成され、
前記区間制御装置は、前記第1条件又は前記第2条件を満たしている場合に、前記送信情報を前記上位制御装置に送信する回数を予め定めた規定回数に制限する、請求項7に記載の物品搬送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送する搬送車を備えた物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
物品を搬送する搬送車と区間制御装置と上位制御装置とを有する物品搬送設備が知られている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号は特許文献1のものである。特許文献1には、物品を搬送する搬送車(走行車)と、区間制御装置(2)と、複数の区間制御装置(2)を制御する上位制御装置(3)と、を有する物品搬送設備が開示されている。区間制御装置(2)は、上位制御装置(3)から受信した走行要求に基づいて、自らが担当する区間内の搬送車(走行車)に対する走行指示を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の物品搬送設備では、区間制御装置(2)は、自らが担当する区間内の搬送車(走行車)の走行実績情報を生成し、上位制御装置(3)に送信する。上位制御装置(3)は、エリア内の全ての区間制御装置(2)からエリア内の全ての搬送車の走行実績情報を受信し、収集する。このため、例えばいずれかの地点において何らかの異常が生じた場合等に、特定の地点での搬送車(走行車)の制御状況を確認しようとすると、上位制御装置(3)により収集された全ての走行実績情報の中から必要な情報を探す必要があり、確認作業が容易ではないという問題があった。
【0005】
そこで、上位制御装置において特定の地点での搬送車の制御状況を確認し易い、物品搬送設備の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る物品搬送設備は、物品を搬送する搬送車と、複数の制御領域に区分され、前記搬送車が走行する走行経路と、複数の前記制御領域に対応して設けられ、自らが担当する前記制御領域において前記搬送車の通行を制御する区間制御装置と、複数の前記区間制御装置を制御する上位制御装置と、を備えた物品搬送設備であって、前記走行経路に沿った複数箇所に記録地点が設定され、前記区間制御装置は、自らが担当する前記制御領域において、複数の前記記録地点のそれぞれに関する前記搬送車の制御状況を、前記記録地点に関連付いた記録情報として記録すると共に、複数の前記記録情報を前記記録地点ごとにまとめて送信情報を生成し、前記記録地点単位で前記送信情報を前記上位制御装置に送信する。
【0007】
本構成によれば、区間制御装置が、自らが担当する制御領域全体の制御状況を記録地点ごとにまとめて送信情報を生成し、当該送信情報を記録地点単位で上位制御装置に送信する。このようにすれば、上位制御装置の側で受け取る情報が記録地点ごとにまとめられた情報となるため、上位制御装置において各記録地点での搬送車の制御状況を容易に確認し易い。また、区間制御装置と上位制御装置との間で一度に送受信される情報量を少なく抑えることができ、通信回線の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】
図2の区間制御装置が送信する送信情報を説明する図
【
図6】その他の実施形態に係る特定区間を示す平面図
【
図7】その他の実施形態に係る特定区間を示す平面図
【
図8】その他の実施形態に係る特定区間を示す平面図
【
図9】その他の実施形態に係る特定区間を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、物品搬送設備の実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、物品搬送設備100の一例を示す図である。
図2は、物品搬送設備100の制御ブロックの一例を示す図である。物品搬送設備100は、物品を搬送する搬送車Vを備えている。搬送車Vとしては、床面に沿って走行する無人搬送車や、天井付近を走行する天井搬送車などが例として挙げられる。物品搬送設備100で取り扱われる物品としては、ウェハ収容容器、いわゆるFOUP(Front Opening Unified Pod)、レチクルを収容するレチクル収容容器、いわゆるレチクルポッド等が例として挙げられる。本実施形態では、物品搬送設備100は、複数の搬送車Vを備えている。複数の搬送車Vのそれぞれは、特有の搬送車識別情報Fvを有している。
【0011】
物品搬送設備100は、搬送車Vが走行する走行経路Rを備えている。本実施形態では、第1経路R1及び第2経路R2のそれぞれは、上流側から下流側へ向かって一方向に搬送車Vが走行する経路である。走行経路Rは、複数の制御領域Zに区分されている。制御領域Zでは、
図2に示す区間制御装置15により搬送車Vの通行が制御されている。
【0012】
図3は、制御領域Zに含まれる特定区間Zaの一例を示す図である。本実施形態では、複数の制御領域Zのそれぞれに、特定区間Zaが含まれている。特定区間Zaには、互いに交差しない第1経路R1及び第2経路R2と、第1経路R1における第1接続部C1と第2経路R2における第2接続部C2とを接続する接続経路Dと、が含まれている。複数の制御領域Zのそれぞれに含まれる特定区間Zaは単数でもよく複数でもよい。
【0013】
走行経路Rに沿った複数箇所には、記録地点Pが設定されている。本実施形態では、複数の記録地点Pのそれぞれは、特有の地点識別情報Fpを有している。記録地点Pとしては、搬送車Vが特定区間Zaを通過したことの目安となる通過地点、搬送車Vが接続経路Dの手前で停止する場合の目安となる停止地点、等が例として挙げられる。
【0014】
本実施形態では、第1経路R1における第1接続部C1よりも下流側には、記録地点Pの1つである第1通過地点P1が設定されている。また、第1経路R1における第1接続部C1よりも上流側には、記録地点Pの1つである第1停止地点Ps1が設定されている。
【0015】
本実施形態では、第2経路R2における第2接続部C2よりも下流側に、記録地点Pの1つである第2通過地点P2が設定されている。また、第2経路R2における第2接続部C2よりも上流側には、記録地点Pの1つである第2停止地点Ps2が設定されている。
【0016】
本実施形態では、第1通過地点P1には、第2通過地点P2が関連地点情報Fmとして関連付けられている。また、第2通過地点P2には、第1通過地点P1が関連地点情報Fmとして関連付けられている。この関連地点情報Fmは、例えば、区間制御装置15が第1通過地点P1及び第2通過地点P2の一方の記録地点Pを通過する搬送車Vに通過許可や待機指令を与える場合に、他方の記録地点Pを検索するために用いられる。
【0017】
図2に示すように、物品搬送設備100は、複数の制御領域Zに対応して設けられ、自らが担当する制御領域Zにおいて搬送車Vの通行を制御する区間制御装置15と、複数の区間制御装置15を制御する上位制御装置16と、を備えている。本実施形態では、上位制御装置16は搬送車Vに搬送指令を与え、搬送車Vは与えられた搬送指令に基づいて物品の搬送を行う。
【0018】
本実施形態では、区間制御装置15は、自らが担当する制御領域Zに設けられた特定区間Zaを搬送車Vが通過しようとする場合に、当該搬送車Vの通過の認否を判断するように構成されている。また、区間制御装置15は、搬送車Vが記録地点Pを通過した場合に、通過完了通知を取得するように構成されている。本実施形態では、搬送車Vと複数の区間制御装置15と上位制御装置16とが互いに無線より通信可能に構成されるが、有線より通信可能に構成されてもよい。
【0019】
以下に、区間制御装置15による搬送車Vの通行制御の一例を、
図3を用いて説明する。本実施形態では、搬送車Vは、第1接続部C1を通って第1経路R1に沿って走行する場合には、第1接続部C1よりも上流側において、第1通過地点P1を通過するための通過許可である第1通過許可を区間制御装置15に求め、第1通過許可が得られた場合には第1接続部C1を通過して第1通過地点P1へ向かい、第1通過許可が得られない場合には第1接続部C1よりも上流側で停止する。図示の例では、搬送車V1は第1通過許可が得られない場合に第1停止地点Ps1で停止する。また、搬送車V1は、第1経路R1において第1停止地点Ps1よりも上流側を走行中に、区間制御装置15に対して第1通過許可又は後述の第2通過許可を求める。
【0020】
本実施形態では、搬送車Vは、第2接続部C2を通って第2経路R2に沿って走行する場合には、第2接続部C2よりも上流側において、第2通過地点P2を通過するための通過許可である第2通過許可を区間制御装置15に求め、第2通過許可が得られた場合には第2接続部C2を通過して第2通過地点P2へ向かい、第2通過許可が得られない場合には第2接続部C2よりも上流側で停止する。図示の例では、搬送車V2は第2通過許可が得られない場合に第2停止地点Ps2で停止する。搬送車Vは、例えば、第2経路R2において第2停止地点Ps2よりも上流側を走行中に、区間制御装置15に対して第1通過許可又は第2通過許可を求める。図示の例では、搬送車V2は、第2経路R2において第2停止地点Ps2よりも上流側を走行中に、区間制御装置15に対して第2通過許可を求める。
【0021】
本実施形態では、区間制御装置15は、第1通過許可を搬送車Vに与えた場合には、第1通過許可にかかる第1通過地点P1を搬送車Vに占有させる。搬送車Vは、第1通過地点P1を通過した後、区間制御装置15に対して通過完了通知を行い、区間制御装置15は、搬送車Vから通過完了通知を受け取った後、当該通過完了通知にかかる第1通過地点P1について搬送車Vによる占有を解除する。なお、搬送車Vでなく第1通過地点P1が区間制御装置15に対して通過完了通知を送信する構成であってもよい。
【0022】
本実施形態では、区間制御装置15は、第2通過許可を搬送車Vに与えた場合には、第2通過許可にかかる第2通過地点P2を搬送車Vに占有させる。搬送車Vは、第2通過地点P2を通過した後、区間制御装置15に対して通過完了通知を行い、区間制御装置15は、搬送車Vから通過完了通知を受け取った後、当該通過完了通知にかかる第2通過地点P2について搬送車Vによる占有を解除する。なお、搬送車Vでなく第2通過地点P2が区間制御装置15に対して通過完了通知を送信する構成であってもよい。
【0023】
本実施形態では、区間制御装置15は、第1経路R1から接続経路Dへの走行の許可が搬送車Vから求められた場合には、第1通過地点P1及び第2通過地点P2の双方が先行する他の搬送車Vによって占有されていない非占有状態であることを条件として、第1経路R1から接続経路Dへの搬送車Vの走行を許可すると共に、走行を許可した搬送車Vに第1通過地点P1及び第2通過地点P2の双方を占有させる。図示の例では、搬送車V1が第1通過地点P1及び第2通過地点P2の双方を占有し、搬送車V2は第2通過許可を得られず第2停止地点Ps2で停止する。本実施形態では、搬送車Vは、第2通過地点P2を通過した後、区間制御装置15に対して通過完了通知を行い、区間制御装置15は、搬送車Vから通過完了通知を受け取った後、当該通過完了通知にかかる第1通過地点P1及び第2通過地点P2について搬送車Vによる占有を解除する。
【0024】
図4は、区間制御装置15が送信する送信情報Fの一例を示す図である。
図5は、
図4の記録情報Mの詳細な例を示す図である。
【0025】
区間制御装置15は、自らが担当する制御領域Zにおいて、複数の記録地点Pのそれぞれに関する搬送車Vの制御状況を、記録地点Pに関連付いた記録情報Mとして記録する。また、区間制御装置15は、複数の記録情報Mを記録地点Pごとにまとめて送信情報Fを生成し、記録地点単位で送信情報Fを上位制御装置16に送信する。このようにすれば、上位制御装置16の側で受け取る情報が記録地点Pごとにまとめられた情報となるため、上位制御装置16において各記録地点Pでの搬送車Vの制御状況を容易に確認し易い。また、区間制御装置15と上位制御装置16との間で一度に送受信される情報量を少なく抑えることができ、通信回線の負担を軽減することができる。
【0026】
記録情報Mとして記録される搬送車Vの制御状況としては、例えば、区間制御装置15から搬送車Vに通過許可を与えた旨の通過許可情報、区間制御装置15から搬送車Vに待機指令を与えた旨の待機指示情報、区間制御装置15が搬送車Vからの通過要求を取得した旨の通過要求情報、搬送車Vが記録地点Pを通過した旨の通過完了情報、等が例として挙げられる。
【0027】
図2に戻り、本実施形態では、区間制御装置15は、記録情報Mを区間制御装置15が備える記憶部15mに記憶する。記録情報Mは、区間制御装置15が担当する制御領域Zの全ての記録情報Mが時系列順に記録されてもよく、記録地点Pごとに記録されてもよい。区間制御装置15において記録情報Mが記録地点Pごとに記録された場合には、記録地点Pごとに記録された複数の記録情報Mを、速やかに記録地点Pごとにまとめて送信情報Fを生成し送信し易くなる。
【0028】
本実施形態では、区間制御装置15は、各通過地点(P1、P2)が占有状態であるか非占有状態であるかの占有状態情報を、区間制御装置15が備える記憶部15mに記憶する。区間制御装置15は、記憶部15mに記憶された占有状態情報に基づいて、搬送車Vに対して通過許可を行う。また、区間制御装置15は、特定区間Zaの状況に応じて、記憶部15mに記憶された占有状態情報を随時更新するように構成されている。
【0029】
本実施形態では、上位制御装置16は、送信情報Fを上位制御装置16が備える記憶部16mに記憶する。また、上位制御装置16は、図示しないが搬送車Vの制御状況について確認作業を作業者が行うための、タッチパネルやキーボード等の入力機器、及び、モニタ、プリンタ、スピーカ等の出力機器を備えている。
【0030】
図4に示すように、本実施形態では、複数の記録地点Pのそれぞれに蓄積期間が設定され、区間制御装置15は、それぞれの記録地点Pに関する記録情報Mを、蓄積期間が経過するごとにまとめて送信情報Fを生成し、当該送信情報Fを上位制御装置16に送信する。このようにすれば、上位制御装置16が、自動で継続的に送信情報Fを取得することができる。また、送信情報Fを送信する目安となる蓄積期間が複数の記録地点Pごとに設定されているため、複数の記録地点Pごとに異なるタイミングで、送信情報Fを上位制御装置16に送信し易い。従って、区間制御装置15と上位制御装置16との間で一度に送受信される情報量を少なく抑え易い。
【0031】
本実施形態では、区間制御装置15は、いずれかの記録地点Pに搬送車Vを待機させた場合に、搬送車Vに待機指令を与えた旨の待機指示情報を、搬送車Vを待機させた記録地点Pに関連付けて記録情報Mとして記録する。待機指示情報としては、地点識別情報Fp、待機指令を与えた時刻を示す停止開始時刻情報Fs1、待機開始からの経過時間である停止時間情報Fs2、待機指令を与えた搬送車Vの停止搬送車識別情報Fs3等が例として挙げられる。なお、停止開始時刻情報Fs1として、待機指示情報が記録情報Mとして記録された記録時刻が用いられてもよい。待機指示情報は、例えば、区間制御装置15が搬送車Vに待機指令を与えた時刻に記録情報Mとして記録される。また、例えば、停止時間情報Fs2が一定の周期で記録情報Mとして記録される構成であってもよい。
【0032】
本実施形態では、区間制御装置15は、いずれかの記録地点Pの通過を搬送車Vに許可した場合に、当該搬送車Vに通過許可を与えた旨の通過許可情報Faを、通過を許可した記録地点Pに関連付けて記録情報Mとして記録する。通過許可情報Faは、後述の地点識別情報Fp、搬送車識別情報Fv、又は、許可時刻情報Ftであってもよい。また、通過許可情報Faに、上述の待機指示情報、通過要求情報等が含まれていてもよい。
【0033】
本実施形態では、区間制御装置15は、いずれかの記録地点Pの通過を搬送車Vに許可した場合に、通過を許可した記録地点Pの地点識別情報Fpに、通過を許可した搬送車Vの搬送車識別情報Fvと、通過を許可した時刻を示す許可時刻情報Ftと、を関連付けて記録情報Mとして記録する。なお、許可時刻情報Ftとして、上述の通過許可情報Faが記録情報Mとして記録された記録時刻が用いられてもよい。
【0034】
本実施形態では、区間制御装置15は、第1経路R1に沿って走行し第1通過地点P1を通過しようとする搬送車Vに対して、通過を許可した場合に、当該搬送車Vに通過許可を与えた旨の通過許可情報Faを、第1通過地点P1に関連付けて記録情報Mとして記録する。図示の例では、区間制御装置15は、第1経路R1に沿って走行し第1通過地点P1を通過しようとする搬送車Vに対して、通過を許可した場合に、当該通過を許可した搬送車Vの搬送車識別情報Fvと、通過を許可した時刻を示す許可時刻情報Ftと、を第1通過地点P1の地点識別情報Fpに関連付けて記録情報Mとして記録する。
【0035】
図5に示す例では、記録情報M3として、区間制御装置15が搬送車Vに待機指令を与えた旨の待機指示情報が第1停止地点Ps1の地点識別情報Fpに関連付けられて記録されている。また、記録情報M4として、区間制御装置15が搬送車Vに通過許可を与えた旨の通過許可情報Faが、第1通過地点P1の地点識別情報Fpに関連付けられて記録されている。
【0036】
本実施形態では、区間制御装置15は、第2経路R2に沿って走行し第2通過地点P2を通過しようとする搬送車Vに対して、通過を許可した場合に、当該搬送車Vに通過許可を与えた旨の通過許可情報Faを、第2通過地点P2に関連付けて記録情報Mとして記録する。図示の例では、区間制御装置15は、第2経路R2に沿って走行し第2通過地点P2を通過しようとする搬送車Vに対して、通過を許可した場合に、当該通過を許可した搬送車Vの搬送車識別情報Fvと、通過を許可した時刻を示す許可時刻情報Ftと、を第2通過地点P2の地点識別情報Fpに関連付けて記録情報Mとして記録する。
【0037】
図5に示す例では、記録情報M5として、区間制御装置15が搬送車Vに待機指令を与えた旨の待機指示情報が第2停止地点Ps2の地点識別情報Fpに関連付けられて記録されている。また、記録情報M6として、区間制御装置15が搬送車Vに通過許可を与えた旨の通過許可情報Faが、第2通過地点P2の地点識別情報Fpに関連付けられて記録されている。
【0038】
本実施形態では、区間制御装置15は、第1経路R1から接続経路Dへ走行し第2通過地点P2を通過しようとする搬送車Vに対して、通過を許可した場合に、当該搬送車Vに通過許可を与えた旨の通過許可情報Faを、第1通過地点P1及び第2通過地点P2の双方に関連付けて記録情報Mとして記録する。本実施形態のような特定区間Zaでは、搬送車Vが第1経路R1又は第2経路R2を直進する場合には、それぞれの経路の通過許可のみで良いが、搬送車Vが接続経路Dを通る場合には、それぞれの経路を直進する他の搬送車Vとの干渉を避けるために第1経路R1及び第2経路R2の双方の通過許可を与えることが多い。本実施形態では、このような状況に鑑みて、特定区間Zaでの搬送車Vの制御状況を、適切に記録情報Mとして記録することができる。
【0039】
本実施形態では、区間制御装置15は、第1経路R1から接続経路Dへ走行し第2通過地点P2を通過しようとする搬送車Vに対して、通過を許可した場合に、当該通過を許可した搬送車Vの搬送車識別情報Fvと、通過を許可した時刻を示す許可時刻情報Ftと、を第1通過地点P1及び第2通過地点P2の双方の地点識別情報Fpに関連付けて記録情報Mとして記録する。
【0040】
図5に示す例では、記録情報M7として、区間制御装置15が搬送車Vに待機指令を与えた旨の待機指示情報が第1停止地点Ps1の地点識別情報Fpに関連付けられて記録されている。また、記録情報M8及び記録情報M9として、区間制御装置15が搬送車Vに通過許可を与えた旨の通過許可情報Faが、第1通過地点P1及び第2通過地点P2の双方の地点識別情報Fpに関連付けられて記録情報Mとして記録されている。
【0041】
本実施形態では、区間制御装置15は、第1通過地点P1又は第2通過地点P2を通過しようとする搬送車Vに対して、通過を許可した場合に、上述の関連地点情報Fmを地点識別情報Fpに関連付けて記録情報Mとして記録する。このようにすれば、上位制御装置16において、互いに関連する第1通過地点P1の搬送車Vの制御状況と第2通過地点P2の搬送車Vの制御状況とを比較しつつ確認する作業が容易となり易い。
【0042】
本実施形態では、区間制御装置15は、第1通過地点P1に関連付けて記録した記録情報Mをまとめた送信情報Fと、第2通過地点P2に関連付けて記録した記録情報Mをまとめた送信情報Fと、を上位制御装置16に一括して送信する。このようにすれば、互いに関連する第1通過地点P1の搬送車Vの制御状況と第2通過地点P2の搬送車Vの制御状況とを同じ時刻で上位制御装置16が受信できる。従って、上位制御装置16において、互いに関連する第1通過地点P1の搬送車Vの制御状況と第2通過地点P2の搬送車Vの制御状況とを比較しつつ確認する作業が容易となり易い。
【0043】
本実施形態では、区間制御装置15は、いずれかの記録地点Pの通過を搬送車Vに許可してから予め定められた期間内に通過完了通知の取得がないという第1条件を満たした場合に、第1条件を満たした記録地点Pについての送信情報Fを上位制御装置16に送信する。このようにすれば、例えば、第1停止地点Ps1と通過が許可されている第1通過地点P1(或いは第2通過地点P2)との間で搬送車Vが長時間停止したり、通過が許可されている第1通過地点P1(或いは第2通過地点P2)を通らない経路に搬送車Vが外れたりした場合に、通過が許可されている第1通過地点P1(或いは第2通過地点P2)についての送信情報Fを区間制御装置15から上位制御装置16に送信することができる。従って、第1条件を満たした場合における搬送車Vの制御状況の確認を容易にすることができる。
【0044】
第1条件を満たしたか否かは、例えば、第1通過地点P1及び第2通過地点P2の双方に関連付けられた通過許可情報Faが記録情報Mとして記録されてから、区間制御装置15が第1通過地点P1に関する通過完了通知及び第2通過地点P2に関する通過完了通知の双方の取得がない期間が、予め定められた期間を超えたか否かにより判定されてもよい。
【0045】
本実施形態では、区間制御装置15は、いずれかの記録地点Pを他の搬送車Vが通過できない状態が予め定められた期間継続したという第2条件を満たした場合に、第2条件を満たした記録地点Pについての送信情報Fを上位制御装置16に送信する。このようにすれば、例えば、第1停止地点Ps1で搬送車Vが長時間停止したりした場合に、通過が許可されている第1通過地点P1(或いは第2通過地点P2)についての送信情報Fを区間制御装置15から上位制御装置16に送信することができる。従って、第2条件を満たした場合における搬送車Vの制御状況の確認を容易にすることができる。第1条件の予め定められた期間と第2条件の予め定められた期間とは、異なる長さの期間であってもよく、同じ長さの期間であってもよい。また、それぞれの停止地点ごとに、異なる長さの期間であってもよく、同じ長さの期間であってもよい。これらの予め定められた期間は、例えば走行経路Rの混雑状況や上記物品の搬送状況に応じて定められる。
【0046】
第2条件を満たしたか否かは、例えば、第1停止地点Ps1(或いは第2停止地点Ps2)における搬送車Vの待機開始からの経過時間、すなわち停止時間情報Fs2として記録された時間が、予め定められた期間に対応する所定時間を超えたか否かにより判定されてもよい。また、例えば、第1通過地点P1(或いは第2通過地点P2)に関連付けられた通過許可情報Faが記録情報Mとして記録されない期間が、予め定められた期間を超えたか否かにより判定されてもよい。
【0047】
図4に示す例では、記録情報M10として、区間制御装置15が搬送車Vに待機指令を与えた旨の待機指示情報が記録され、記録情報M11及び記録情報M12として、区間制御装置15が搬送車Vに通過許可を与えた旨の通過許可情報Faが、第1通過地点P1及び第2通過地点P2の双方の地点識別情報Fpに関連付けられて記録されている。また、
図4に示す例では、記録情報M13として、区間制御装置15が第1停止地点Ps1において他の搬送車Vに待機指令を与えた旨の待機指示情報が第1停止地点Ps1に関連付けられて記録され、記録情報M14として、第2停止地点Ps2において他の搬送車Vに待機指令を与えた旨の待機指示情報が第1停止地点Ps1に関連付けられて記録されている。
【0048】
図4に示す例では、区間制御装置15が第1通過地点P1に関する通過完了通知及び第2通過地点P2に関する通過完了通知の取得がない場合に、記録情報M8及び記録情報M11をまとめて第1通過地点P1の送信情報F1を生成し、記録情報M6、記録情報M9、及び、記録情報M12をまとめて第2通過地点P2の送信情報F2を生成し、送信情報F1及び送信情報F2を上位制御装置16に一括して送信する。
【0049】
また、
図4に示す例では、第1停止地点Ps1又は第2停止地点Ps2を他の前記搬送車Vが通過できない状態が予め定められた期間継続した場合に、記録情報M8及び記録情報M11をまとめて第1通過地点P1の送信情報F1を生成し、記録情報M6、記録情報M9、及び、記録情報M12をまとめて第2通過地点P2の送信情報F2を生成し、送信情報F1及び送信情報F2を上位制御装置16に一括して送信する。
【0050】
本実施形態では、区間制御装置15は、一定の周期で送信情報Fを上位制御装置16に送信するように構成されている。一定の周期は例えば30秒ごとである。なお、上述の複数の記録地点のそれぞれに設定された蓄積期間と一定の周期とが同じ期間であってもよい。
【0051】
本実施形態では、区間制御装置15は、第1条件を満たしている場合に、送信情報Fを上位制御装置16に送信する回数を予め定めた規定回数に制限する。また、区間制御装置15は、第2条件を満たしている場合に、送信情報Fを上位制御装置16に送信する回数を予め定めた規定回数に制限する。これらの予め定めた規定回数は、複数の記録地点Pごとに、同じ規定回数が設定されていてもよく、異なる規定回数が設定されていてもよい。このようにすれば、第1条件又は第2条件を満たしている状態が長時間となった場合に類似した内容の送信情報Fが何回も送信されることを抑制し易い。規定回数は例えば3回である。
【0052】
本実施形態では、区間制御装置15は、第1条件及び第2条件が満たされなくなると、送信情報Fを上位制御装置16に送信する回数の制限を解除する。なお、規定回数に制限された後に、搬送車識別情報Fvが異なる記録情報Mが送信情報Fに含まれる場合は、その送信情報Fの上位制御装置16への送信を区間制御装置15が許可する構成であってもよい。
【0053】
〔その他の実施形態〕
次に、物品搬送設備100のその他の実施形態について説明する。
【0054】
(1)上記の実施形態では、第1経路R1と第2経路R2と接続経路Dとが、平面視でN字状を成す経路となっている構成を例として説明した。しかし、このような例に限定されることなく、例えば、互いに並行状に配置された第1経路R1及び第2経路R2のそれぞれに対して、平面視で直交するように接続経路Dが配置されていてもよい。この場合、第1経路R1と第2経路R2と接続経路Dとが、平面視でH字状を成す経路となる。更に、上記のような例に限定されることなく、特定区間Zaは任意に設定することができ、接続経路Dが第1経路R1及び第2経路R2のそれぞれに対して交わる部分であれば、走行経路Rにおけるいずれの部分が特定区間Zaとされていてもよい。また、例えば
図6から
図9に示すように、接続経路Dが、第1経路R1及び第2経路R2のそれぞれに対して任意の角度で交わっていてもよいし、3つの経路の少なくとも1つが湾曲していてもよい。また、複数の接続経路Dが、第1経路R1及び第2経路R2に対して接続されていてもよい。また、搬送車Vが走行する走行経路Rに接続経路Dが無い構成であってもよい。
【0055】
(2)上記の実施形態では、区間制御装置15が通過を許可した記録地点Pの地点識別情報Fpに、搬送車識別情報Fvと、許可時刻情報Ftと、を関連付けて記録情報Mとして記録する構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、区間制御装置15から搬送車Vに待機指令を与えた待機指示時刻、区間制御装置15が搬送車Vからの通過要求を取得した通過要求時刻、完了通知を取得した通過完了時刻等の時刻情報を地点識別情報Fpに関連付けて記録情報Mとして記録する構成であってもよい。
【0056】
(3)上記の実施形態では、第1経路R1から接続経路Dへ走行し第2通過地点P2を通過しようとする搬送車Vに対して通過を許可した場合に、通過許可情報Faを、第1通過地点P1及び第2通過地点P2の双方に関連付けて記録情報Mとして記録し、第1通過地点P1に関連付けて記録した記録情報Mをまとめた送信情報F1と、第2通過地点P2に関連付けて記録した記録情報Mをまとめた送信情報F2を上位制御装置16に一括して送信する構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、送信情報F1と送信情報F2とを別々に、上位制御装置16に送信する構成であってもよい。また、第1経路R1から接続経路Dへ走行し第2通過地点P2を通過しようとする搬送車Vに対して通過を許可した場合に、通過許可情報Faを第2通過地点P2のみに関連付けて記録情報Mとして記録する構成であってもよい。
【0057】
(4)上記の実施形態では、搬送車Vが記録地点Pを通過した場合に、区間制御装置15が搬送車Vから通過完了通知を取得する構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、区間制御装置15が通過完了通知を取得しない構成であってもよい。
【0058】
(5)上記の実施形態では、複数の記録地点Pのそれぞれに蓄積期間が設定され、記録情報Mを蓄積期間が経過するごとにまとめて送信情報Fを生成する構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、記録情報Mの個数が所定の数になったときに記録情報Mをまとめて送信情報Fを生成する構成であってもよい。
【0059】
(6)上記の実施形態では、第1条件又は第2条件を満たした場合に、それらの条件を満たした記録地点Pについての送信情報Fを区間制御装置15が上位制御装置16に送信する構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、他の条件に関係なく区間制御装置15が一定の周期で送信情報Fを上位制御装置16に送信する構成であってもよい。また、一定の周期では送信情報Fを送信せず、確認作業を行う作業者の要求時のみ区間制御装置15が送信情報Fを生成して上位制御装置16に送信する構成であってもよい。また、第1条件又は第2条件を満たした場合に、一定の周期で送信情報Fを上位制御装置16に送信する構成であってもよい。
【0060】
(7)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0061】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した物品搬送設備について説明する。
【0062】
本開示に係る物品搬送設備は、
物品を搬送する搬送車と、
複数の制御領域に区分され、前記搬送車が走行する走行経路と、
複数の前記制御領域に対応して設けられ、自らが担当する前記制御領域において前記搬送車の通行を制御する区間制御装置と、
複数の前記区間制御装置を制御する上位制御装置と、を備えた物品搬送設備であって、
前記走行経路に沿った複数箇所に記録地点が設定され、
前記区間制御装置は、自らが担当する前記制御領域において、複数の前記記録地点のそれぞれに関する前記搬送車の制御状況を、前記記録地点に関連付いた記録情報として記録すると共に、複数の前記記録情報を前記記録地点ごとにまとめて送信情報を生成し、前記記録地点単位で前記送信情報を前記上位制御装置に送信する。
【0063】
本構成によれば、区間制御装置が、自らが担当する制御領域全体の制御状況を記録地点ごとにまとめて送信情報を生成し、当該送信情報を記録地点単位で上位制御装置に送信する。このようにすれば、上位制御装置の側で受け取る情報が記録地点ごとにまとめられた情報となるため、上位制御装置において各記録地点での搬送車の制御状況を容易に確認し易い。また、区間制御装置と上位制御装置との間で一度に送受信される情報量を少なく抑えることができ、通信回線の負担を軽減することができる。
【0064】
一態様として、複数の前記搬送車のそれぞれが、特有の搬送車識別情報を有し、
複数の前記記録地点のそれぞれが、特有の地点識別情報を有し、
前記区間制御装置は、いずれかの前記記録地点の通過を前記搬送車に許可した場合に、通過を許可した前記記録地点の前記地点識別情報に、通過を許可した前記搬送車の前記搬送車識別情報と、通過を許可した時刻を示す許可時刻情報と、を関連付けて前記記録情報として記録すると、好適である。
【0065】
本構成によれば、通過を許可した記録地点ごとに、搬送車識別情報と許可時刻情報とを関連付けて、上位制御装置に送信することができる。
【0066】
一態様として、複数の前記制御領域のそれぞれに、特定区間が含まれ、
前記特定区間には、互いに交差しない第1経路及び第2経路と、前記第1経路における第1接続部と前記第2経路における第2接続部とを接続する接続経路と、が含まれ、
前記第1経路における前記第1接続部よりも下流側に、前記記録地点の1つである第1通過地点が設定され、
前記第2経路における前記第2接続部よりも下流側に、前記記録地点の1つである第2通過地点が設定され、
前記区間制御装置は、前記第1経路に沿って走行し前記第1通過地点を通過しようとする前記搬送車に対して、通過を許可した場合に、当該通過を許可した前記搬送車の前記搬送車識別情報と、通過を許可した時刻を示す前記許可時刻情報と、を当該第1通過地点の前記地点識別情報に関連付けて前記記録情報として記録し、
前記区間制御装置は、前記第2経路に沿って走行し前記第2通過地点を通過しようとする前記搬送車に対して、通過を許可した場合に、当該通過を許可した前記搬送車の前記搬送車識別情報と、通過を許可した時刻を示す前記許可時刻情報と、を当該第2通過地点の前記地点識別情報に関連付けて前記記録情報として記録し、
前記区間制御装置は、前記第1経路から前記接続経路へ走行し前記第2通過地点を通過しようとする前記搬送車に対して、通過を許可した場合に、当該通過を許可した前記搬送車の前記搬送車識別情報と、通過を許可した時刻を示す前記許可時刻情報と、を前記第1通過地点及び前記第2通過地点の双方の前記地点識別情報に関連付けて前記記録情報として記録すると、好適である。
【0067】
このような特定区間では、搬送車が第1経路又は第2経路を直進する場合には、それぞれの経路の通過許可のみで良いが、搬送車が接続経路を通る場合には、それぞれの経路を直進する他の搬送車との干渉を避けるために第1経路及び第2経路の双方の通過許可を与えることが多い。本構成によれば、このような状況に鑑みて、特定区間での搬送車の制御状況を、適切に記録情報として記録することができる。
【0068】
一態様として、複数の前記制御領域のそれぞれに、特定区間が含まれ、
前記特定区間には、互いに交差しない第1経路及び第2経路と、前記第1経路における第1接続部と前記第2経路における第2接続部とを接続する接続経路と、が含まれ、
前記第1経路における前記第1接続部よりも下流側に、前記記録地点の1つである第1通過地点が設定され、
前記第2経路における前記第2接続部よりも下流側に、前記記録地点の1つである第2通過地点が設定され、
前記区間制御装置は、前記第1経路から前記接続経路へ走行し前記第2通過地点を通過しようとする前記搬送車に対して、通過を許可した場合に、当該搬送車に通過許可を与えた旨の通過許可情報を、前記第1通過地点及び前記第2通過地点の双方に関連付けて前記記録情報として記録すると、好適である。
【0069】
このような特定区間では、搬送車が第1経路又は第2経路を直進する場合には、それぞれの経路の通過許可のみで良いが、搬送車が接続経路を通る場合には、それぞれの経路を直進する他の搬送車との干渉を避けるために第1経路及び第2経路の双方の通過許可を与えることが多い。本構成によれば、このような状況に鑑みて、特定区間での搬送車の制御状況を、適切に記録情報として記録することができる。
【0070】
一態様として、前記区間制御装置は、前記第1通過地点に関連付けて記録した前記記録情報をまとめた前記送信情報と、前記第2通過地点に関連付けて記録した前記記録情報をまとめた前記送信情報と、を前記上位制御装置に一括して送信すると、好適である。
【0071】
本構成によれば、上位制御装置において、互いに関連する第1通過地点の搬送車の制御状況と第2通過地点の搬送車の制御状況とを比較しつつ確認する作業を容易に行うことができる。
【0072】
一態様として、複数の前記記録地点のそれぞれに蓄積期間が設定され、
前記区間制御装置は、それぞれの前記記録地点に関する前記記録情報を、前記蓄積期間が経過するごとにまとめて前記送信情報を生成し、当該送信情報を前記上位制御装置に送信すると、好適である。
【0073】
本構成によれば、上位制御装置が、自動で継続的に送信情報を取得することができる。また、送信情報を送信する目安となる蓄積期間が複数の記録地点ごとに設定されているため、複数の記録地点ごとに異なるタイミングで、送信情報を上位制御装置に送信し易い。従って、区間制御装置と上位制御装置との間で一度に送受信される情報量を少なく抑え易い。
【0074】
一態様として、前記区間制御装置は、前記搬送車が前記記録地点を通過した場合に、通過完了通知を取得するように構成され、
前記区間制御装置は、いずれかの前記記録地点の通過を前記搬送車に許可してから予め定められた期間内に前記通過完了通知の取得がないという第1条件を満たし、又は、いずれかの前記記録地点を他の前記搬送車が通過できない状態が予め定められた期間継続したという第2条件を満たした場合に、それらの条件を満たした前記記録地点についての前記送信情報を前記上位制御装置に送信すると、好適である。
【0075】
本構成によれば、予め定められた期間内に通過完了通知の取得がない場合、又は、他の前記搬送車が通過できない状態が予め定められた期間継続しているという問題が発生した場合に、それらの問題が発生している記録地点についての前記送信情報を前記上位制御装置に送信することができる。従って、問題が生じた場合における搬送車の制御状況の確認を容易にすることができる。
【0076】
一態様として、前記区間制御装置は、一定の周期で前記送信情報を前記上位制御装置に送信するように構成され、
前記区間制御装置は、前記第1条件又は前記第2条件を満たしている場合に、前記送信情報を前記上位制御装置に送信する回数を予め定めた規定回数に制限すると、好適である。
【0077】
本構成によれば、例えば、第1条件又は第2条件を満たしている状態が長時間となった場合に類似した内容の送信情報が何回も送信されることを抑制し易い。
【符号の説明】
【0078】
15 :区間制御装置
16 :上位制御装置
100 :物品搬送設備
Z :制御領域
Za :特定区間
C1 :第1接続部
C2 :第2接続部
D :接続経路
P :記録地点
P1 :第1通過地点
P2 :第2通過地点
R :走行経路
R1 :第1経路
R2 :第2経路
V :搬送車
F :送信情報
M :記録情報