(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063540
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】落橋防止装置の取付方法及びそれに用いるアタッチメント
(51)【国際特許分類】
E01D 19/04 20060101AFI20240502BHJP
【FI】
E01D19/04 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171585
(22)【出願日】2022-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000166432
【氏名又は名称】戸田建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104927
【弁理士】
【氏名又は名称】和泉 久志
(72)【発明者】
【氏名】柴田 靖
(72)【発明者】
【氏名】安田 好伸
(72)【発明者】
【氏名】國分 智志
(72)【発明者】
【氏名】チャン ハイ
(72)【発明者】
【氏名】ミントゥー
(72)【発明者】
【氏名】中林 隆
【テーマコード(参考)】
2D059
【Fターム(参考)】
2D059GG05
2D059GG29
(57)【要約】
【課題】橋梁への鋼製ブラケットの取付作業を安全にかつ効率よく行うことができるようにする。
【解決手段】本発明に係る落橋防止装置1の取付方法は、フォークリフトFによる揚重を可能とするアタッチメント10に鋼製ブラケット3を支持した上で、前記鋼製ブラケット3をフォークリフトFによって揚重し、所定の固定位置にセットした後、固定する工程を含む。前記アタッチメント10は、受け皿18内に多数の鋼球19が配置された鋼製ブラケット載置部20が設けられ、前記多数の鋼球19の上に前記鋼製ブラケット3が載置されており、前記鋼製ブラケットを3固定位置にセットする際、前記鋼製ブラケット3を人力で前記鋼球19の上を移動させて設置位置の調整を行うことができるようになっている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼製ブラケットを使用した落橋防止装置の取付方法であって、
フォークリフトによる揚重を可能とするアタッチメントに前記鋼製ブラケットを支持した上で、前記鋼製ブラケットをフォークリフトによって揚重し、所定の固定位置にセットした後、固定する工程を含むことを特徴とする落橋防止装置の取付方法。
【請求項2】
前記アタッチメントは、受け皿内に多数の鋼球が配置された鋼製ブラケット載置部が設けられ、前記多数の鋼球の上に前記鋼製ブラケットが載置されており、
前記鋼製ブラケットを固定位置にセットする際、前記鋼製ブラケットを人力で前記鋼球の上を移動させて設置位置の調整を行う請求項1記載の落橋防止装置の取付方法。
【請求項3】
上記請求項1、2いずれかに記載の落橋防止装置の取付方法に用いられるアタッチメントであって、
フォークリフトのフォークを差し込むフォーク差込口が備えられていることを特徴とするアタッチメント。
【請求項4】
前記フォーク差込口が左右に離隔して2箇所設けられ、その離隔距離が任意に変えられるようになっている請求項3記載のアタッチメント。
【請求項5】
前記アタッチメントは、前記鋼製ブラケットの背面を支持する油圧ジャッキが備えられている請求項3記載のアタッチメント。
【請求項6】
前記アタッチメントは、受け皿内に多数の鋼球が配置された鋼製ブラケット載置部が設けられ、前記多数の鋼球の上に前記鋼製ブラケットが載置されている請求項3記載のアタッチメント。
【請求項7】
前記アタッチメントは、前方に突出した状態で緩衝材が設けられている請求項3記載のアタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震時などに橋脚・橋台から橋桁が落下するのを防止する落橋防止装置を取り付ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地震時などに橋脚や橋台(下部工)と橋桁(上部工)との間に大きな相対変位が生じ、橋脚や橋台から橋桁が落下するのを防止する落橋防止装置として、例えば下記特許文献1に開示されるように、突起状のストッパと、これが係合するポット部とからなる変位制限装置や、可動支点部に設置した固定壁に水平力を分担させるようにした水平力分担構造(横変位拘束構造)、橋脚や橋台の桁かかり長を拡幅する橋座拡幅工などが知られている。
【0003】
前記変位制限装置では、前記ストッパは橋脚や橋台に固定された鋼製ブラケット上に設置され、前記ポット部は橋桁に設置されることが多い。また、前記水平力分担構造では、橋脚や橋台との間に遊間を確保しつつ橋桁の下面から突出する鋼製ブラケットが設置されるとともに、橋桁との間に遊間を確保しつつ橋脚や橋台の橋座面から突出するコンクリートブロックが設置される。前記橋座拡幅工では、橋脚や橋台の桁かかり長を拡幅するため、橋脚や橋台の前面に複数の鋼製ブラケットが設置される。
【0004】
このように、落橋防止装置を設置するため、橋脚や橋台、橋桁に鋼製ブラケットを取り付ける作業が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記鋼製ブラケットは、重量が数百kg~数トンと非常に重く、形状が逆台形をしているため重心が取りにくい構造となっている。また、前記鋼製ブラケットの取り付け位置が桁下であることから、大型のクレーンなどを用いた吊り作業では直接取り付け施工できない。このため、従来の鋼製ブラケットの取り付けは、
図7~
図9に示されるように、チェーンブロックなどを用いて手間と時間をかけて人力で行われていた。
【0007】
具体的な従来の取付方法について説明すると、
図7示されるように、トラッククレーンなどの揚重装置51によって足場上に鋼製ブラケット50を搬入した後、
図8に示されるように、低床台車52などによって足場上を設置位置近傍まで水平移動し、
図9に示されるように、桁下面に固定したチェーンブロックやウインチ、ジャッキなどの小型の揚重装置を用いて高さ調整した受け架台53に受け替えた後、所定の固定位置にセットし、固定するという手順で行われていた。
【0008】
ところが、桁下の狭い場所にて、人力作業で重量物を取り扱うことにより、手間と時間がかかる欠点があった。また、取付時に微調整が必要であり、チェーンブロックやウインチ等の誘導に技術を要する。さらに、桁下面にアンカー固定したチェーンブロック等で鋼製ブラケットを吊り施工するため、上部工や下部工との接触による破損や、人(手指等)の挟まれ等の危険性が高まるという不具合もあった。
【0009】
そこで本発明の主たる課題は、橋梁への鋼製ブラケットの取付作業を安全にかつ効率よく行うことができる落橋防止装置の取付方法及びそれに用いるアタッチメントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、鋼製ブラケットを使用した落橋防止装置の取付方法であって、
フォークリフトによる揚重を可能とするアタッチメントに前記鋼製ブラケットを支持した上で、前記鋼製ブラケットをフォークリフトによって揚重し、所定の固定位置にセットした後、固定する工程を含むことを特徴とする落橋防止装置の取付方法が提供される。
【0011】
上記請求項1記載の発明では、フォークリフトによる揚重を可能とするアタッチメントに鋼製ブラケットを支持した上で、前記鋼製ブラケットをフォークリフトによって揚重し、所定の固定位置にセットした後、固定する工程を含むため、鋼製ブラケットの揚重、移動、設置の作業をフォークリフトで行うことができ、鋼製ブラケットの取り付け作業が安全にかつ効率よく行えるようになる。
【0012】
請求項2に係る本発明として、前記アタッチメントは、受け皿内に多数の鋼球が配置された鋼製ブラケット載置部が設けられ、前記多数の鋼球の上に前記鋼製ブラケットが載置されており、
前記鋼製ブラケットを固定位置にセットする際、前記鋼製ブラケットを人力で前記鋼球の上を移動させて設置位置の調整を行う請求項1記載の落橋防止装置の取付方法が提供される。
【0013】
上記請求項2記載の発明では、鋼製ブラケットを所定の固定位置にセットする際の微調整手段について規定しており、前記アタッチメントとして、受け皿内に多数の鋼球が配置された鋼製ブラケット載置部が設けられ、前記多数の鋼球の上に前記鋼製ブラケットが載置されたものを使用することによって、鋼製ブラケットを所定の固定位置にセットする際、鋼製ブラケットを人力で鋼球の上を移動させて設置位置の調整ができるようにしている。特に、フォークリフトは車両自体が横移動できないため、上述の微調整手段を用いることにより、横方向の位置調整が簡単に行えるようになる。
【0014】
請求項3に係る本発明として、上記請求項1、2いずれかに記載の落橋防止装置の取付方法に用いられるアタッチメントであって、
フォークリフトのフォークを差し込むフォーク差込口が備えられていることを特徴とするアタッチメントが提供される。
【0015】
上記請求項3記載の発明では、アタッチメントに備えられたフォーク差込口に、フォークリフトのフォークを差し込むことにより、安全にかつ効率よくフォークリフトによる揚重ができるようになる。
【0016】
請求項4に係る本発明として、前記フォーク差込口が左右に離隔して2箇所設けられ、その離隔距離が任意に変えられるようになっている請求項3記載のアタッチメントが提供される。
【0017】
上記請求項4記載の発明では、フォークリフトの大きさや機種に柔軟に対応できるように、フォーク差込口の左右の離隔距離を任意に変えられるようにしている。
【0018】
請求項5に係る本発明として、前記アタッチメントは、前記鋼製ブラケットの背面を支持する油圧ジャッキが備えられている請求項3記載のアタッチメントが提供される。
【0019】
上記請求項5記載の発明では、鋼製ブラケットの背面を支持する油圧ジャッキが備えられているため、アタッチメント上において鋼製ブラケットが安全かつ確実に支持できるようになる。
【0020】
請求項6に係る本発明として、前記アタッチメントは、受け皿内に多数の鋼球が配置された鋼製ブラケット載置部が設けられ、前記多数の鋼球の上に前記鋼製ブラケットが載置されている請求項3記載のアタッチメントが提供される。
【0021】
上記請求項6記載の発明では、受け皿内に多数の鋼球が配置された鋼製ブラケット載置部が設けられており、この多数の鋼球の上に鋼製ブラケットが載置されているため、鋼製ブラケットを人力でも動かせるようになり、鋼製ブラケットを設置する際の細かな微調整が可能になる。
【0022】
請求項7に係る本発明として、前記アタッチメントは、前方に突出した状態で緩衝材が設けられている請求項3記載のアタッチメントが提供される。
【0023】
上記請求項7記載の発明では、硬質ゴムなどの緩衝材を前方に突出した状態で設けているため、鋼製ブラケットを所定の固定位置にセットする際、アタッチメントの前端部が橋脚や橋台、橋桁に衝突してコンクリートが破損するのが防止できるとともに、前記緩衝材を橋脚や橋台のコンクリート面に圧着させることにより、鋼製ブラケットを位置調整しながら固定位置にセットする際のアタッチメントの位置ズレや揺れが抑えられるため、設置位置の調整作業がしやすくなる。
【発明の効果】
【0024】
以上詳説のとおり本発明によれば、橋梁への鋼製ブラケットの取付作業が安全にかつ効率よく行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】鋼製ブラケット3が取り付けられた下部工及び上部工の要部拡大側面図である。
【
図2】鋼製ブラケット3が取り付けられた下部工及び上部工の横断面図である。
【
図4】アタッチメント10を介して鋼製ブラケット3を持ち上げた状態のフォークリフトFの側面図である。
【
図5】鋼製ブラケット3の取付状況を示す側面図である。
【
図6】鋼製ブラケット3の取付状況を示す正面図である。
【
図7】従来の鋼製ブラケット50の取付手順(その1)を示す正面図である。
【
図8】従来の鋼製ブラケット50の取付手順(その2)を示す側面図である。
【
図9】従来の鋼製ブラケット50の取付手順(その3)を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0027】
本発明に係る落橋防止装置1の取付方法において用いられる落橋防止装置1は、公知のものを広く採用することができるが、橋脚や橋台、橋桁に固定した鋼製ブラケットを使用するものが要件とされる。
【0028】
図1及び
図2に示される落橋防止装置1は、橋脚2に固定された鋼製ブラケット3上に突起状のストッパ4が設置されるとともに、このストッパ4と係合するポット部6が橋桁5に固定されてなる変位制限装置である。前記橋脚2には、複数のアンカーボルト7の一端が突出した状態で埋設されるとともに、前記鋼製ブラケット3には、前記アンカーボルト7の突出した頭部が挿通可能な挿通孔が複数設けられており、前記挿通孔にアンカーボルト7を挿通させ、ナットで締め付けることにより、鋼製ブラケット3が橋脚2に固定される。
【0029】
前記落橋防止装置1の取付手順は、橋脚2に鋼製ブラケット3を固定した後、この鋼製ブラケット3上にストッパ4を取り付けるとともに、橋桁5にポット部6を取り付ける。
【0030】
特に、本発明に係る落橋防止装置1の取付方法は、
図3及び
図4に示されるように、フォークリフトFによる揚重を可能とする特設のアタッチメント10に鋼製ブラケット3を支持した上で、このアタッチメント10に支持された鋼製ブラケット3をフォークリフトFによって揚重し、前記鋼製ブラケット3を所定の固定位置にセットした後、固定する工程を含む。
【0031】
前記アタッチメント10について更に詳細に説明すると、前記アタッチメント10は、
図3に示されるように、フォークリフトFのフォークFaを差し込むフォーク差込口11、11が、左右方向に離隔して2箇所設けられている。具体的には、前後方向に沿って延びる2本のUコラム(角形鋼管)12が左右に離隔して並設され、後方に向けて開口する端縁の開口部によって前記フォーク差込口11が形成されている。なお、左右方向とは、アタッチメント10をフォークリフトFに取り付けた際に、フォークリフトFの幅方向と一致する方向であり、前後方向とは、フォークリフトFの前後方向と一致する方向であり、後方はフォークリフトFの後方、前方はフォークリフトFの前方とそれぞれ一致する方向である。
【0032】
左右に離隔するフォーク差込口11、11は、その離隔距離を任意に変えられるように構成してもよい。これによって、フォークリフトFの大きさや機種によってフォーク幅が異なる場合にも対応できるようになる。フォーク差込口11の離隔距離を任意に変えるには、並設された2本のUコラム12の離隔距離が任意に変えられるようにすればよい。
【0033】
図4に示されるように、前記アタッチメント10には、該アタッチメント10に鋼製ブラケット3を取り付けた状態で、鋼製ブラケット3の背面を支持する油圧ジャッキ13が備えられている。鋼製ブラケット3の背面とは、アタッチメント10を介して鋼製ブラケット3をフォークリフトFで持ち上げた状態で、フォークリフトFの後方側になる面のことである。
【0034】
前記油圧ジャッキ13は、一端が2本のUコラム12、12間に懸架された台座部14に接続され、他端が鋼製ブラケット3の背面を支持する支持板15に接続されており、更に、前記支持板15の下端部が、左右のUコラム12から突出する軸受部16、16間に挿通された左右方向に延びる貫通軸17によって回動自在に支持されることにより、前記油圧ジャッキ13の伸縮によって、前記支持板15がこの貫通軸17を中心に回動自在となっている。鋼製ブラケット3の背面が、下方に向けて漸次突出長さが小さくなる傾斜状に形成されているため、前記油圧ジャッキ13の伸縮によって支持板15をこれに合わせて傾斜させることができる。これによって、傾斜角が異なる幅広い鋼製ブラケット3の支持に対応できるようになる。
【0035】
前記アタッチメント10には、鋼製ブラケット3が載置される部分の下部に、受け皿18内に多数の鋼球19が配置された鋼製ブラケット載置部20が設けられている。この多数の鋼球19の上に鋼製ブラケット3を載置することにより、鋼製ブラケット3を所定の固定位置にセットする際、鋼製ブラケット3を人力で鋼球19の上を移動させて設置位置の微調整を行うことができるようになる。特に、フォークリフトFは車両自体が横移動できないため、鋼球19の上を移動させることにより、横方向の設置位置の調整も簡単に行えるようになる。
【0036】
前記アタッチメント10の前端部には、前方に突出した状態で、硬質ゴムなどの緩衝材21が設けられている。前記緩衝材21が前方に突出した状態で設けられることにより、鋼製ブラケット3を固定位置にセットする際、橋脚2に前記緩衝材21が接触して、鋼製ブラケット3などが橋脚2に衝突することによる橋脚2の破損が防止できる。前記緩衝材21は、図示例では、2本のUコラム12の前端部にそれぞれ取り付けられているが、アタッチメント10の幅方向に亘って連続して設けることにより、橋脚2との接触面積を大きくしてもよい。
【0037】
図4に示されるように、アタッチメント10に支持された鋼製ブラケット3をフォークリフトFで移動・揚重する際、鋼製ブラケット3の移動や落下を防止するため、ワイヤーやロープ、バンド、チェーンなどの締め具22をレバーブロック(登録商標)などで張力をかけることで、鋼製ブラケット3がアタッチメント10にしっかりと固定されている。
【0038】
(鋼製ブラケット3の取付方法)
落橋防止装置1の取付方法のうち、鋼製ブラケット3の取付方法について、以下詳細に説明する。
【0039】
先ずはじめに、
図5及び
図6に示されるように、鋼製ブラケット3を設置する予定位置の少なくとも両側に、鋼製ブラケット3を設置するための作業員の作業用の足場23を設ける。
【0040】
次に、
図4に示されるように、トラッククレーンなどの揚重装置によって前記アタッチメント10の鋼製ブラケット載置部20に鋼製ブラケット3を載置するとともに、前記油圧ジャッキ13を操作して支持板15の傾斜角が鋼製ブラケット3の背面の傾斜角と一致するように調整した後、鋼製ブラケット3をアタッチメント10に固定する。鋼製ブラケット3をアタッチメント10に固定するには、上述の通り、締め具22とレバーブロックを用いて行う。
【0041】
その後、
図5及び
図6に示されるように、前記アタッチメント10に支持された鋼製ブラケット3をフォークリフトFによって揚重し、所定の固定位置にセットし、固定する。
【0042】
鋼製ブラケット3を固定位置にセットするには、アンカーボルト7の突出端の近傍でフォークリフトFの前進を停止し、フォークFaの上昇・下降操作により、鋼製ブラケット3に設けられたアンカーボルト挿通孔とアンカーボルト7との上下方向の位置合わせを行った後、締め具22による締結を解除して鋼製ブラケット3を鋼製ブラケット載置部20の鋼球19の上を移動自在とした上で、鋼製ブラケット3を人力で鋼球19の上を移動させて位置合わせを行いながら、アンカーボルト7に鋼製ブラケット3の挿通孔を挿通させる。その後、アンカーボルト7にナットを締結して、鋼製ブラケット3を橋脚2に固定する。
【0043】
ここで、前記アタッチメント10の前方に突出して設けられた緩衝材21の前端が鋼製ブラケット3より前側に突出して設けられるようにするとともに、この緩衝材21の突出長を、アンカーボルト7の突出長より長くするのが好ましい。これにより、鋼製ブラケット3を固定位置にセットするためにフォークリフトFを前進させたとき、鋼製ブラケット3がアンカーボルト7に当接するより先に、緩衝材21が橋脚2に当接するため、鋼製ブラケット3やアンカーボルト7の破損が防止できるとともに、その後の人力で鋼製ブラケット3を移動して位置合わせを行う際、緩衝材21の前面が橋脚2の側面に圧着することにより、これらの間の接触摩擦力によってアタッチメント10の位置ズレや揺れなどが抑えられるため、位置合わせ作業が容易に行えるようになる。
【符号の説明】
【0044】
1…落橋防止装置、2…橋脚、3…鋼製ブラケット、4…ストッパ、5…橋桁、6…ポット部、7…アンカーボルト、10…アタッチメント、11…フォーク差込口、12…Uコラム、13…油圧ジャッキ、14…台座部、15…支持板、16…軸受部、17…貫通軸、18…受け皿、19…鋼球、20…鋼製ブラケット載置部、21…緩衝材、22…締め具