(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063544
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】物品オーダ処理方法、物品オーダ処理プログラム、物品オーダ処理システム、及び物品仕分けシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20240502BHJP
G06Q 10/08 20240101ALI20240502BHJP
【FI】
B65G1/137 E
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171591
(22)【出願日】2022-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】大鶴 佳秀
(72)【発明者】
【氏名】柴田 雅充
(72)【発明者】
【氏名】中俣 洋一
(72)【発明者】
【氏名】松村 淳
(72)【発明者】
【氏名】杉山 正暁
(72)【発明者】
【氏名】瀧口 武
(72)【発明者】
【氏名】関口 香菜
(72)【発明者】
【氏名】栄元 雄山
【テーマコード(参考)】
3F522
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB01
3F522CC01
3F522DD03
3F522DD04
3F522DD05
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3F522GG13
3F522GG34
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3F522GG49
3F522JJ01
3F522JJ02
3F522JJ04
3F522LL57
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】異なるピッキング方式を選択させて物品処理の効率化を図る物品オーダ処理方法を提供すること。
【解決手段】実施形態に係る物品オーダ処理方法は、1以上の物品を指定する物品オーダを取得し、取得される複数の物品オーダに基づき、異なる複数のピッキング方式から、各物品オーダに応じたピッキング方式を選択し、所定の物品オーダに応じて選択されたピッキング方式を実施するための物品処理機器へ、前記所定の物品オーダを出力する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の物品を指定する物品オーダを取得し、
取得される複数の物品オーダに基づき、異なる複数のピッキング方式から、各物品オーダに応じたピッキング方式を選択し、
所定の物品オーダに応じて選択されたピッキング方式を実施するための物品処理機器へ、前記所定の物品オーダを出力する、物品オーダ処理方法。
【請求項2】
前記複数の物品オーダに基づき、1つの物品オーダの単位で物品をピッキングするシングルピッキング方式、又は2以上の物品オーダの単位で物品をピッキングするトータルピッキング方式を選択する、請求項1の物品オーダ処理方法。
【請求項3】
前記複数の物品オーダに含まれる物品識別情報に基づき、前記シングルピッキング方式又はトータルピッキング方式を選択する、請求項2の物品オーダ処理方法。
【請求項4】
前記トータルピッキング方式は、物品の種類毎に物品をピッキングする方式である、請求項3の物品オーダ処理方法。
【請求項5】
前記複数の物品オーダのうち、第1の物品オーダで指定される物品が、他の物品オーダで指定されない場合、前記第1の物品オーダに応じて前記シングルピッキング方式を選択し、
前記複数の物品オーダのうち、第2の物品オーダで指定される何れかの物品が、第3の物品オーダで指定される場合、前記第2及び第3の物品オーダに応じて前記トータルピッキング方式を選択する、請求項3の物品オーダ処理方法。
【請求項6】
前記シングルピッキング方式を実施するための第1の物品処理機器へ前記第1の物品オーダを出力し、
前記トータルピッキング方式を実施するための第2の物品処理機器へ前記第2及び第3の物品オーダを出力する、請求項5の物品オーダ処理方法。
【請求項7】
前記トータルピッキング方式を実施するための物品処理機器へ出力される2以上の物品オーダを対象として、所定の物品又は所定種類の物品のピッキングにより成立する物品オーダの数に応じて各物品オーダの優先度を決定し、前記トータルピッキング方式を実施するための物品処理機器へ優先度を含む物品オーダを出力する、請求項2の物品オーダ処理方法。
【請求項8】
前記複数の物品オーダの出庫日時に基づき各物品オーダの優先度を決定し、前記シングルピッキング方式を実施するための物品処理機器へ優先度を含む物品オーダを出力する、請求項2の物品オーダ処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
1以上の物品を指定する物品オーダを取得する手順と、
取得される複数の物品オーダに基づき、異なる複数のピッキング方式から、各物品オーダに応じたピッキング方式を選択する手順と、
所定の物品オーダに応じて選択されたピッキング方式を実施するための物品処理機器へ、前記所定の物品オーダを出力する手順と、
を実行させるための物品オーダ処理プログラム。
【請求項10】
1以上の物品を指定する物品オーダを入力する第1のインタフェースと、
入力される複数の物品オーダに基づき、異なる複数のピッキング方式から、各物品オーダに応じたピッキング方式を選択するプロセッサと、
所定の物品オーダに応じて選択されたピッキング方式を実施するための物品処理機器へ、前記所定の物品オーダを出力する第2のインタフェースと、
を備える物品オーダ処理システム。
【請求項11】
物品オーダ処理システム、物品制御システム、及び物品処理システムを備える物品仕分けシステムにおいて、
前記物品オーダ処理システムは、
1以上の物品を指定する物品オーダを入力する第1のインタフェースと、
入力される複数の物品オーダに基づき、シングルピッキング方式又はトータルピッキング方式を選択するオーダプロセッサと、
前記シングルピッキング方式を実施するための第1の物品処理機器へ前記シングルピッキング方式の選択元の第1の所定数の物品オーダを出力し、前記トータルピッキング方式を実施するための第2の物品処理機器へ前記トータルピッキング方式の選択元の第2の所定数の物品オーダを出力する第2のインタフェースと、
を備え、
前記物品制御システムは、
前記第1の所定数の物品オーダに基づき第1の物品処理機器を制御する第1の機器制御プロセッサと、
前記第2の所定数の物品オーダに基づき第2の物品処理機器を制御する第2の機器制御プロセッサと、を備え、
前記物品処理システムは、
前記第1の機器制御プロセッサにより制御され、前記シングルピッキング方式を実施するための第1の物品処理機器と、
前記第2の機器制御プロセッサにより制御され、前記トータルピッキング方式を実施するための第2の物品処理機器と、
を備える物品仕分けシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、物品オーダ処理方法、物品オーダ処理プログラム、物品オーダ処理システム、及び物品仕分けシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通販需要等の拡大に伴い、物流の配送拠点では物品の取扱量が増加し、担当者の作業負担が重くなっている。担当者の作業としては、倉庫内の棚に保管された複数種類の物品から物品オーダで指定される物品をピックアップする作業等がある。
【0003】
作業負担の軽減及び処理の効率化の観点から、一部作業を自動化する自動倉庫について様々な提案がなされている。例えば、自動倉庫では、自立型ケースハンドリングロボット(ACR:Autonomous Case-handling Robot)が棚からケースを取り出して目的エリアへ搬送し、自動搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)が棚そのものを目的エリアへ搬送し、ピッキングロボットがケースから所定の物品をピッキングする。これにより、負担軽減及び効率化が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記において物品のピッキングについて触れたが、ピッキング方式として、シングルピッキング方式及びトータルピッキング方式がある。シングルピッキング方式は、多品種の物品を扱うシーンに向いており、単一の物品オーダに基づき物品をピッキングし、梱包対象となる物品の組み合わせを1つずつ完成させる。一方のトータルピッキング方式は、少品種の物品を扱うシーンに向いており、複数の物品オーダに基づき同一物品又は同一種類の物品を連続してピッキングし、梱包対象となる物品の組み合わせ群を一括して完成させる。
【0006】
自動倉庫システムは、倉庫の状況等に応じて、シングルピッキング方式及びトータルピッキング方式の何れかのピッキング方式が採用されたシステムとなる。これに対して、シングルピッキング方式及びトータルピッキング方式の両者の特性を生かし、物品処理のさらなる効率化を図りたいという要望がある。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、異なるピッキング方式を選択させて物品処理の効率化を図る物品オーダ処理方法、物品オーダ処理プログラム、物品オーダ処理システム、及び物品仕分けシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る物品オーダ処理方法は、1以上の物品を指定する物品オーダを取得し、取得される複数の物品オーダに基づき、異なる複数のピッキング方式から、各物品オーダに応じたピッキング方式を選択し、所定の物品オーダに応じて選択されたピッキング方式を実施するための物品処理機器へ、前記所定の物品オーダを出力する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る倉庫システムの一例を示す概念図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る物品処理エリアのレイアウトの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るピッキング方式の選択処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るトータルピッキング処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るシングルピッキング処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[構成]
図1は、実施形態に係る倉庫システムの一例を示す概念図である。
図1に示すように倉庫システムSは、物品仕分けシステムの一例であり、倉庫全体を管理する。倉庫システムSは、倉庫管理システム(WMS:Warehouse Management System)1、倉庫運用システム(WES:Warehouse Execution System)2、倉庫制御システムグループ(WCSG:Warehouse Control System Group)3、及び物品処理エリア4を備える。
【0011】
WMS1は、1又は複数台の汎用コンピュータ、即ち、入出力インタフェース、プロセッサ、及びメモリ等で構成可能である。WMS1は、上位サーバから物品オーダを受信し、WES2へ送信する。例えば、WMS1は、上位サーバから複数の物品オーダを含む物品オーダグループを受信し、WES2へ送信する。
【0012】
物品オーダは、1以上の物品を指定するオーダであり、物品情報、発注情報、及び配送情報を含む。物品情報は、物品数、物品識別情報(物品ID(identification information))、物品名称等を含む。発注情報は、発注日時及び発注者等を含む。配送情報は、配送先、配送日時、及び受取人等を含む。
【0013】
WES2は、物品オーダ処理システムの一例であり、1又は複数台の汎用コンピュータ、即ち、入出力インタフェース、プロセッサ、及びメモリ等で構成可能である。WES2は、物品オーダ処理システムの一例であり、また、物品オーダ処理方法及び物品オーダ処理プログラムの実行主体である。
【0014】
WES2は、WMS1から複数の物品オーダを含む物品オーダグループを受信し、物品オーダグループに含まれる複数の物品オーダに基づき、異なる複数のピッキング方式から、各物品オーダに応じたピッキング方式を選択し、所定の物品オーダに応じて選択されたピッキング方式を実施するための物品処理機器へ、所定の物品オーダを出力する。例えば、ピッキング方式を実施するための物品処理機器へ所定の物品オーダを出力することは、物品処理機器の制御システムへ所定の物品オーダを出力することである。
【0015】
例えば、WES2は、複数の物品オーダに基づき、1つの物品オーダの単位で物品をピッキングするシングルピッキング方式、又は2以上の物品オーダの単位で物品をピッキングするトータルピッキング方式を選択し、シングルピッキング方式を実施するための第1の物品処理機器(例えば第1の物品処理機器の制御システム)へシングルピッキング方式の選択元(選択要因)の第1の所定数の物品オーダを出力し、トータルピッキング方式を実施するための第2の物品処理機器(第2の物品処理機器の制御システム)へトータルピッキング方式の選択元(選択要因)の第2の所定数の物品オーダを出力する。なお、トータルピッキング方式は、2以上の物品オーダの単位で物品の種類毎に物品をピッキングする方式である。
【0016】
WES2は、処理部21、WMS用インタフェース(I/F:interface)22、及びメモリ23を備える。処理部21は、1又は複数のプロセッサにより構成される。プロセッサは、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、又はDSP(digital signal processor)等であり、各種処理に必要な演算等を行うコンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサは、メモリ23に記憶されるプログラムを実行することにより、各種機能を実現する。
【0017】
処理部21は、オーダプロセッサとして機能し、物品オーダの分配及び機器間連携制御を実行する。例えば、処理部21は、取得部211、選択部212、優先処理部213、及び出力部214を備える。
【0018】
取得部211は、メモリ23から、複数の物品オーダを取得する。
選択部212は、取得される複数の物品オーダに基づき、異なる複数のピッキング方式から、各物品オーダに応じたピッキング方式を選択する。例えば、選択部212は、取得される複数の物品オーダに基づき、シングルピッキング方式又はトータルピッキング方式を選択する。
【0019】
優先処理部213は、物品オーダに基づき優先処理を実行する。例えば、優先処理部213は、シングルピッキング方式が選択される物品オーダと、トータルピッキング方式が選択される物品オーダとで、異なる基準に基づき優先処理を実行してもよい。
【0020】
トータルピッキング方式の各物品オーダに対して(トータルピッキング方式を実施するための物品処理機器へ出力される2以上の物品オーダを対象として)、優先処理部213は、所定の物品又は所定種類の物品のピッキングにより成立する物品オーダの数に応じて、各物品オーダの優先度を決定する。優先処理部213は、物品Aのピッキングにより成立する物品オーダの数が最大になる場合、物品Aを指定する物品オーダの優先度を最高ランクに決定する。
【0021】
例えば、優先処理部213は、1種類の物品のピッキングにより成立する物品オーダの優先度を最高ランク、2種類の物品のピッキングにより成立する物品オーダの優先度を2番目のランクに決定してもよい。
【0022】
優先処理部213は、優先度に応じて、ソータ451の仕分け先のトレイをグループ化する。これにより、グループ化された単位で、各トレイへの仕分け処理が完成する。即ち、最高ランクの優先度の物品オーダに対応する各トレイへの仕分け処理が完成し、続いて、2番目のランクの優先度の物品オーダに対応する各トレイへの仕分け処理が完成する。
【0023】
また、シングルピッキング方式の各物品オーダに対して(シングルピッキング方式を実施するための物品処理機器へ出力される2以上の物品オーダを対象として)、優先処理部213は、物品オーダにより要求される日時に応じて、物品オーダの優先度を決定する。例えば、優先処理部213は、物品オーダに含まれる配送日時に応じて、物品オーダの優先度を決定する。優先処理部213は、配送日時が最も早い物品オーダに対して優先度を最高ランクに決定し、配送日時が次に早い物品オーダに対して優先度を2番目のランクに決定する。なお、配送日時に応じて定まる出庫日時を利用してもよい。
【0024】
また、優先処理部213は、物品オーダにより要求される配送先に応じて、物品オーダの優先度を決定する。例えば、優先処理部213は、物品オーダに含まれる第1の配送先の物品オーダに対して優先度を第1の優先度に決定し、物品オーダに含まれる第2の配送先に対して優先度を第2の優先度に決定する。
【0025】
優先処理部213は、優先度に応じて、ソータ452の仕分け先のトレイをグループ化する。これにより、グループ化された単位で、順に、各トレイへの仕分け処理が完成する。即ち、最高ランク又は第1のランクの優先度の物品オーダに対応する各トレイへの仕分け処理が順に完成し、続いて、2番目のランク又は第2のランクの優先度の物品オーダに対応する各トレイへの仕分け処理が順に完成する。
【0026】
なお、シングルピッキング方式の各物品オーダに対して適用する優先度の決定手法(つまり配送日時又は配送先を基準とした優先度の決定手法)を、トータルピッキング方式の各物品オーダに適用してもよい。
【0027】
出力部214は、各インタフェースを介して、各物品オーダに応じて選択されたピッキング方式のピッキング処理部へ各物品オーダを出力する。
【0028】
WMS用I/F22は、第1のインタフェースとして機能し、WMS1から送信される物品オーダを受信する。
【0029】
メモリ23は、処理部21の動作プログラムを記憶する。また、メモリ23は、WMS用I/F22を介して受信される複数の物品オーダを含む物品オーダグループを記憶する。また、メモリ23は、機器の状態等を記憶する。
【0030】
また、WES2は、自立型ケースハンドリングロボット(ACR:autonomous case-handling robot)-ピッキングロボット(PR:picking robot)_WCS用I/F24、棚搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)_WCS用I/F25、ソータ_WCS用I/F26、牽引AGV_WCS用I/F27、及び作業指示表示部28を備える。
【0031】
WCSG3は、物品制御システムの一例であり、複数の物品処理機器のそれぞれに対応する複数の倉庫制御システム(WCS:Warehouse Control System Group)を備える。例えば、WCSG3は、自立型ケースハンドリングロボット(ACR:Autonomous Case-handling Robot)-PR_WCS31、棚AGV_WCS32、ソータ_WCS33、及び牽引AGV_WCS34を備える。
【0032】
ACR-PR_WCS31は、1又は複数台の汎用コンピュータで構成可能であり、例えば、入出力インタフェース311、プロセッサ(機器制御プロセッサ)312、及びメモリ313を備える。
【0033】
棚AGV_WCS32は、1又は複数台の汎用コンピュータで構成可能であり、例えば、入出力インタフェース321、プロセッサ(機器制御プロセッサ)322、及びメモリ323を備える。
【0034】
ソータ_WCS33は、1又は複数台の汎用コンピュータで構成可能であり、例えば、入出力インタフェース331、プロセッサ(機器制御プロセッサ)332、及びメモリ333を備える。
【0035】
牽引AGV_WCS34は、1又は複数台の汎用コンピュータで構成可能であり、例えば、入出力インタフェース341、プロセッサ(機器制御プロセッサ)342、及びメモリ343を備える。
【0036】
物品処理エリア4は、物品オーダに応じて選択されたピッキング方式を実施するための複数の物品処理機器を備える。これら複数の物品処理機器により物品処理システムが構成される。例えば、物品処理エリア4は、トータルピッキング方式を実施するための複数の物品処理機器として、ACR41、PR42、コンベア44(441)、ソータ45(451)、及び牽引AGV46を備える。また、物品処理エリア4は、シングルピッキング方式を実施するための複数の物品処理機器として、棚AGV43、コンベア44(442)、ソータ45(452)、及び作業指示表示装置47を備える。なお、シングルピッキング方式を実施するための複数の物品処理機器に、PR42を含めるようにしてもよい。
【0037】
ACR-PR_WCS用I/F24は、第2のインタフェースとして機能し、処理部21からのACR41及びPR42の制御信号をACR-PR_WCS31へ出力し、ACR-PR_WCS31は、ACR41及びPR42の制御信号に基づきACR41及びPR42を制御する。
【0038】
棚AGV_WCS用I/F25は、第2のインタフェースとして機能し、処理部21からの棚AGV43の制御信号を棚AGV_WCS32へ出力し、棚AGV_WCS32は、棚AGV43の制御信号に基づき棚AGV43を制御する。
【0039】
ソータ_WCS用I/F26は、第2のインタフェースとして機能し、処理部21からのソータ45の制御信号をソータ_WCS33へ出力し、ソータ_WCS33は、ソータ45の制御信号に基づきソータ45を制御する。
【0040】
牽引AGV_WCS用I/F27は、第2のインタフェースとして機能し、処理部21からの牽引AGV46の制御信号を牽引AGV_WCS34へ出力し、牽引AGV_WCS34は、牽引AGV46の制御信号に基づき牽引AGV46を制御する。
【0041】
作業指示表示部28は、処理部21からの作業指示の表示情報を作業指示表示装置47へ出力し、作業指示表示装置47は、作業指示の表示情報を表示する。
【0042】
ここで、倉庫内における、棚AGV43により搬送される棚、ACR41により棚から取り出されるケース、及びPR42によりピッキングされる物品の識別情報について説明する。
【0043】
棚は、複数の収納部を備え、複数のケース又は物品を収納する。例えば、1つのケースには、同一種類の物品が複数収納される。棚の上面、側面、及び底面には、棚識別情報(棚ID)を示すバーコード又は二次元コードの印刷媒体、或いは棚IDを記憶した無線媒体が付与される。また、棚の各収納部には、棚ID及び収納部識別情報(収納部ID)を示すバーコード又は二次元コードの印刷媒体、或いは移動棚ID及び収容部IDを記憶した無線媒体が付与される。
【0044】
また、棚に収納されるケースの上面、側面、及び底面には、ケース識別情報(ケースID)を示すバーコード又は二次元コードの印刷媒体、或いはケースIDを記憶した無線媒体が付与される。
【0045】
また、棚又はケースに収納される物品の上面、側面、及び底面には、物品識別情報(物品ID)を示すバーコード又は二次元コードの印刷媒体、或いは物品IDを記憶した無線媒体が付与される。
【0046】
ACR41は、カメラを備え、カメラで読み取った棚ID及びケースIDに基づき、ACR-PR_WCS31で指定される棚の指定されたケースを特定し、特定されたケースを取り出して、取り出したケースを目的のエリアへ搬送する。
【0047】
PR42は、カメラを備え、カメラで読み取った物品IDに基づき、ACR-PR_WCS31で指定される物品を特定し、特定された物品をピッキングして、ピッキングした物品を目的のエリアへリリースする。なお、PR42は、カメラで物品の形状を認識し、ACR-PR_WCS31で指定される物品を特定してもよい。
【0048】
棚AGV43、カメラを備え、カメラで読み取った棚IDに基づき、棚AGV_WCS32で指定される棚を特定し、特定された棚を目的エリアへ搬送する。例えば、棚AGV43は、棚リフト機構及び走行機構を備える。棚AGV43は、指定された棚の下に潜り込み、棚リフト機構が棚の底面を押し上げると、棚が持ち上げられ、棚の脚部が床面から離れる。この状態で、棚AGV43は走行し、持ち上げた棚を目的エリアへ搬送する。
【0049】
牽引AGV46は、カメラ、牽引機構、及び走行機構を備え、カメラで読み取った棚IDに基づき、牽引AGV_WCS34で指定される棚を特定し、特定される棚を牽引して、目的エリアへ搬送する。
【0050】
また、メモリ23は、倉庫全体をカバーするマップデータを記憶する。マップデータは、位置データに対応付けられた棚ID、収納部ID、ケースID、及び物品IDを含む。また、マップデータは、位置データに対応付けられた各ステーションの情報を含む。各ステーションは、物品又は棚の搬送先である。即ち、マップデータは、棚、ケース、物品、及び各ステーションの位置を示す。処理部21は、物品オーダ及びマップデータに基づき、目的の棚、ケース、又は物品の取り出しを制御し、目的のステーションへこれらの搬送を制御する。また、処理部21は、目的の棚、ケース、又は物品の取り出し及び搬送の制御に対応して、マップデータを更新する。即ち、マップデータは、目的の棚、ケース、又は物品が搬送されると、搬送に伴い最新の状態に更新される。なお、処理部21は、WCSG3(ACR-PR_WCS31、棚AGV_WCS32、及び牽引AGV_WCS34)と協働して、取り出し及び搬送を制御する。また、WCSG3の各メモリ313、323、及び343が、上記したマップデータを記憶してもよい。
【0051】
ソータ45は、トータルピッキングを担うソータ451、及びシングルピッキングを担うソータ452を含む。
【0052】
ソータ451は、2以上の物品オーダに応じた制御信号に基づき、カートに収納される複数のトレイのうちの所定数のトレイに向けて1又は複数の物品を仕分ける。カートは、複数のトレイとともに、一体で移動可能である。つまり、カートは、仕分けられた物品を含む所定数のトレイとともに、一体で移動可能である。なお、ソータ451は、2以上の物品オーダに応じた制御信号に基づく、物品の仕分けを繰り返すことにより、2以上の物品オーダの単位で、物品を仕分けることができる。
【0053】
ソータ452は、1つの物品オーダに応じた制御信号に基づき、固定棚の複数のトレイのうちの1つのトレイに向けて1又は複数の物品を仕分ける。個々のトレイは、移動可能である。なお、ソータ452は、1つ物品オーダに応じた制御信号に基づく、物品の仕分けを繰り返すことにより、1つの物品オーダの単位で、物品を仕分けることができる。
【0054】
[レイアウト]
図2は、実施形態に係る物品処理エリアのレイアウトの一例を示す図である。物品処理エリアは、倉庫のエリアである。
図2に示すように、物品処理エリア4は、トータルピッキングを担うACRエリア401、及びシングルピッキングを担う棚AGVエリア402を含む。また、物品処理エリア4は、ソータ45を含む。ソータ45は、トータルピッキングを担うカート式のソータ451、及びシングルピッキングを担う固定式のソータ452を含んでもよい。
【0055】
例えば、ACRエリア401には、複数台のACR41及びPR42が配置される。ACR41は、物品オーダに応じた制御信号に基づき、指定された棚から指定された物品をケース単位で取り出し、PR42のピッキングエリアに搬送する。PR42は、物品オーダに応じた制御信号に基づき、ACR41で搬送されたケースから指定された物品をピッキングし、ピッキングした物品をコンベア441へリリースする。
【0056】
ACRエリアの後段に配置されるコンベア441は、PR42によりリリースされた物品をソータ45へ搬送する。例えば、ソータ45は、トータルピッキングを担うカート式のソータ451を含み、コンベア441は、PR42によりリリースされた物品をソータ451へ搬送する。
【0057】
ソータ451は、2以上の物品オーダに応じた制御信号に基づき、カートに収納される複数のトレイのうちの所定数のトレイに向けて1又は複数の物品を仕分ける。
【0058】
ソータ451の後段には、カートを搬送する牽引AGV46が配置される。牽引AGV46は、カートを検品及び梱包エリア403へ搬送する。
【0059】
一方、棚AGVエリア402には、複数台の棚AGV43が配置される。棚AGV43は、物品オーダに応じた制御信号に基づき、指定された物品を収納した棚を作業者OPの作業エリアに搬送する。作業者OPは、作業指示表示装置47に表示される作業指示を確認しながら、棚AGV43で搬送された棚から指定された物品をピッキングして、ピッキングした物品をコンベア442へリリースする。
【0060】
棚AGVエリア402の後段に配置されるコンベア442は、作業者OPによりリリースされた物品をソータ45へ搬送する。例えば、ソータ45は、シングルピッキングを担う固定式のソータ452を含み、コンベア442は、作業者OPによりリリースされた物品をソータ452へ搬送する。
【0061】
ソータ452は、1つの物品オーダに応じた制御信号に基づき、固定棚の複数のトレイのうちの1つのトレイに向けて1又は複数の物品を仕分ける。ソータ452は、物品の仕分けが完了したトレイに対応するインジケータを点灯し、仕分け完了を通知する。
【0062】
ソータ452の担当者OPは、インジケータの点灯を確認し、仕分けが完了した物品のトレイを検品及び梱包エリア403へ搬送する。
【0063】
なお、ACRエリア401のACR41とPR42、コンベア441、ソータ451、牽引AGV46は、トータルピッキング方式に対応するトータルピッキング処理部を構成する。一方、棚AGVエリア402の棚AGV43、コンベア442、ソータ452は、シングルピッキング方式に対応するシングルピッキング処理部を構成する。
【0064】
[動作]
<物品オーダの分配>
図3は、実施形態に係るピッキング方式の選択処理の一例を示すシーケンス図である。
【0065】
WMS1は、物品オーダをWES2へ送信する(ST101)。
WES2のWMS用インタフェースI/F22は、WMS1からの物品オーダを受信する(ST102)。メモリ23は、受信される物品オーダを記憶する。物品オーダの受信が繰り返されると、メモリ23には、複数の物品オーダが記憶される。
【0066】
WES2の取得部211は、メモリ23から、複数の物品オーダを取得する(ST103)。
【0067】
選択部212は、取得される複数の物品オーダに基づき、異なる複数のピッキング方式から、各物品オーダに応じたピッキング方式を選択する(ST104)。即ち、選択部212は、複数の物品オーダに基づき、シングルピッキング方式又はトータルピッキング方式を選択し、選択結果に基づき、シングルピッキング方式を実施するための物品処理機器の制御部に向けた物品オーダと、トータルピッキング方式を実施するための物品処理機器に向けた物品オーダとに分配する。
【0068】
例えば、選択部212は、複数の物品オーダに含まれる物品情報に基づき、シングルピッキング方式又はトータルピッキング方式を選択する。物品情報は、物品識別情報を含み、選択部212は、物品識別情報に基づき、シングルピッキング方式又はトータルピッキング方式を選択する。物品識別情報は、物品の種類を示す情報を含む。選択部212は、複数の物品オーダに含まれる物品情報から、同一物品又は同一種類の物品を認識することができる。
【0069】
選択部212は、複数の物品オーダのうち、第1の物品オーダで指定される物品が、他の物品オーダで指定されない場合、第1の物品オーダに対応してシングルピッキング方式を選択する。また、選択部212は、複数の物品オーダのうち、第2の物品オーダで指定される何れかの物品が、他の第3の物品オーダで指定される場合、第2及び第3の物品オーダに対応してトータルピッキング方式を選択する。
【0070】
また、優先処理部213は、トータルピッキング方式の各物品オーダに対して優先度処理を実行し、トータルピッキング方式の各物品オーダに対して優先度を決定し(ST105)、トータルピッキング方式の各物品オーダに対して決定した優先度を付与する。
【0071】
トータルピッキング方式を実施するため、出力部214は、ACR-PR_WCS用I/F24を介して、ACR-PR_WCS31へ優先度が付与された各物品オーダを出力し(ST106)、ソータ_WCS用I/F26を介して、ソータ452を制御するためソータ_WCS33へ優先度が付与された各物品オーダを出力する(ST107)。
【0072】
また、優先処理部213は、シングルピッキング方式の各物品オーダに対して優先度処理を実行し、シングルピッキング方式の各物品オーダに対して優先度を決定し(ST108)、シングルピッキング方式の各物品オーダに対して決定した優先度を付与する。
【0073】
シングルピッキング方式を実施するため、出力部214は、棚AGV_WCS用I/F25を介して、棚AGV_WCS32へ優先度が付与された各物品オーダを出力し(ST109)、ソータ_WCS用I/F26を介して、ソータ451を制御するためソータ_WCS33へ優先度が付与された各物品オーダを出力する(ST110)。
【0074】
<トータルピッキング>
図4は、実施形態に係るトータルピッキング処理の一例を示すシーケンス図である。
ACR-PR_WCS31は、トータルピッキング方式の選択元の物品オーダに対応した制御信号に基づき、ACR41及びPR42を制御し、トータルピッキング処理を実行する(ST201)。
【0075】
ACR41は、最高ランクの優先度の各物品オーダ(物品オーダグループの単位)に基づき、棚から指定されたケースを取り出し、PR42のピッキングエリアへ搬送する。PR42は、最高ランクの優先度の各物品オーダに基づき、ケースから指定された所定数の同一種類の物品をピッキングし、コンベア441へリリースする。最高ランクの優先度の各物品オーダに基づく物品のピッキングが完了する場合は、最高ランクの優先度の各物品オーダに基づくピッキング処理を完了する。物品のピッキングが完了しない場合は、ACR41によるケースの取り出し搬送と、PR42によるケースからの物品のピッキング及びリリースが繰り返される。
【0076】
同様にして、ACR41は、2番目のランクの優先度の各物品オーダ(物品オーダグループの単位)に基づき、棚から指定されたケースを取り出し、PR42のピッキングエリアへ搬送する。PR42は、2番目のランクの優先度の各物品オーダに基づき、ケースから指定された所定数の同一種類の物品をピッキングし、コンベア441へリリースする。
【0077】
ソータ_WCS33は、最高ランクの優先度の各物品オーダ(物品オーダグループの単位)に応じた制御信号に基づき、ソータ451を制御し、コンベア441により搬送される所定数の同一種類の物品を各トレイに仕分ける(ST202)。この時点で、最高ランクの優先度の各物品オーダに基づく仕分けが完了する場合、つまり、物品オーダグループの仕分けが完了する場合(ST203)、ソータ_WCS33は、WES2へ物品オーダグループ完了通知を出力する(ST204)。仕分けが完了しなければ、続けて、ソータ_WCS33は、ソータ451を制御し、コンベア441により搬送される所定数の同一種類の物品を各トレイに仕分ける。
【0078】
同様にして、ソータ_WCS33は、2番目の優先度の各物品オーダ(物品オーダグループの単位)に応じた制御信号に基づき、ソータ451を制御し、コンベア441により搬送される所定数の同一種類の物品を各トレイに仕分ける。
【0079】
WES2の出力部214は、ソータ_WCS33からの出力される物品オーダグループ完了通知に基づき、牽引AGV_WCS34に対してカート搬送指示を出力する(ST205)。
【0080】
牽引AGV_WCS34は、カート搬送指示に基づき、牽引AGV46を制御し、牽引AGV46にソータ451のカートを検品及び梱包エリア403へ搬送させる(ST206)。牽引AGV46は、牽引AGV_WCS34の制御に基づき、ソータ451のカートを検品及び梱包エリア403へ搬送する。
【0081】
<シングルピッキング>
図5は、実施形態に係るシングルピッキング処理の一例を示すシーケンス図である。
WESの出力部214は、シングルピッキング方式の選択元の物品オーダを出力する。
【0082】
作業指示表示部28は、シングルピッキング方式の選択元の物品オーダに基づき、作業指示表示装置47に対してピッキング指示表示通知を出力する。作業指示表示装置47は、シングルピッキング方式の選択元の物品オーダに対応するピッキング指示を表示する。
【0083】
また、棚AGV_WCS32は、シングルピッキング方式の選択元の物品オーダ(物品オーダグループ)に対応する制御信号に基づき、棚AGV43を制御し、シングルピッキング処理を実行する(ST304)。例えば、棚AGV_WCS32は、物品オーダの優先度に基づき、棚AGV43を制御し、シングルピッキング処理を実行する。
【0084】
棚AGV43は、制御信号に基づき、指定された物品を収納した棚を作業者OPの作業エリアに搬送する。
【0085】
作業者OPは、作業指示表示装置47により表示されるピッキング指示に従い、棚AGV43により搬送される棚から物品をピッキングし(ST305)、コンベア442へ物品をリリースする。なお、作業者OPによるピッキング作業を、PR42に置き換えてもよい。つまり、PR42が、シングルピッキング方式の選択元の物品オーダに対応する制御信号に基づき、棚AGV43により搬送される棚から物品をピッキングし、コンベア442へ物品をリリースしてもよい。
【0086】
ソータ_WCS33は、シングルピッキング方式の選択元の物品オーダ(物品オーダの単位)に応じた制御信号に基づき、ソータ452を制御し、コンベア442により搬送される所定数の物品をトレイに仕分ける(ST306)。つまり、物品オーダの単位で、物品がトレイに仕分けられる。
【0087】
1つの物品オーダの仕分けが完了すると(ST307)、ソータ_WCS33は、WES2へ物品オーダ完了通知を出力する(ST308)。1つの物品オーダの仕分けが完了しなければ、続けて、ソータ_WCS33は、ソータ452を制御し、コンベア442により搬送される所定数の物品をトレイに仕分ける。つまり、物品オーダの単位で、トレイへの物品の仕分けが完了するまで、仕分けが続けられる。
【0088】
WES2の出力部214は、ソータ_WCS33からの出力される物品オーダ完了通知に基づき、作業指示表示装置47に対してトレイ搬送指示表示を通知する(ST309)。
【0089】
作業指示表示装置47は、トレイ搬送指示を表示する(ST310)。作業者OPは、
作業指示表示装置47により表示されるトレイ搬送指示に従い、仕分けが完了したトレイを検品及び梱包エリア403へ搬送する(ST311)。
【0090】
本実施形態によれば、異なるピッキング方式を選択させて物品処理の効率化を図る物品オーダ処理方法、物品オーダ処理プログラム、物品オーダ処理システム、及び物品仕分けシステムを提供できる。
【0091】
本実施形態では、複数種類のWCSに対応するI/Fを備えるWES2をWMS1とWCSG3の間に配置することで、WMS1を改変せずに実現できる。
【0092】
また、WES2は、複数の物品オーダに基づき、各物品オーダに応じたシングルピッキング方式又はトータルピッキング方式を選択し、シングルピッキング方式の選択元の第1の所定数の物品オーダをシングルピッキング方式に対応する物品処理機器の制御部へ出力し、トータルピッキング方式の選択元の第2の所定数の物品オーダをトータルピッキング方式に対応する物品処理機器の制御部へ出力する。シングルピッキング方式に対応する物品処理機器は、シングルピッキング方式の選択元の第1の所定数の物品オーダに基づき物品を処理し、また、トータルピッキング方式に対応する物品処理機器は、トータルピッキング方式の選択元の第2の所定数の物品オーダに基づき物品を処理する。これにより、ピッキング処理の効率化を図ることができる。
【0093】
また、WES2は、複数の物品オーダに基づき、各物品オーダの優先度を決定し、優先度に応じて処理することにより、トータルピッキング処理における物品オーダの完成速度の向上、及びシングルピッキング処理における出荷に合わせた物品オーダの完成等の業務の最適化を図ることができる。
【0094】
実施形態に係る倉庫システムは、ピッキング方式の異なるWCS(ACR及び棚AGV)の後段にそれぞれの特性に合ったWCS(カート式/固定式ソータ、牽引AGV)及び作業者を配置して連携するシステムであり、検品及び梱包等の後工程への搬送の効率化を図ることができる。
【0095】
本実施形態に係るプログラムは、WES2等の電子機器に記憶された状態で譲渡されてよいし、電子機器に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。後者の場合は、プログラムは、ネットワークを介して譲渡されてよいし、記憶媒体に記憶された状態で譲渡されてもよい。記憶媒体は、非一時的な有形の媒体である。記憶媒体は、コンピュータ可読媒体である。記憶媒体は、光ディスク、メモリカード等のプログラムを記憶可能かつコンピュータで読取可能な媒体であればよく、その形態は問わない。電子機器は、ネットワークを介して譲渡(提供)されるプログラムをダウンロードしてメモリにインストールする、又は記憶媒体からプログラムを読み取りメモリにインストールする。
【0096】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0097】
1…倉庫管理システム(WMS)
2…倉庫運用システム(WES)
3…倉庫制御システムグループ(WCSG)
4…物品処理エリア
21…処理部
22…WMS用インタフェース
23…メモリ
24…ACR-PR_WCS用I/F
25…棚AGV_WCS用I/F
26…ソータ_WCS用I/F
27…牽引AGV_WCS用I/F
28…作業指示表示部
44…コンベア
45…ソータ
46…牽引AGV
47…作業指示表示装置
211…取得部
212…選択部
213…優先処理部
214…出力部
311…入出力インタフェース
312…プロセッサ
313…メモリ
321…入出力インタフェース
322…プロセッサ
323…メモリ
331…入出力インタフェース
332…プロセッサ
333…メモリ
341…入出力インタフェース
342…プロセッサ
343…メモリ
401…ACRエリア
402…棚AGVエリアエリア
403…検品及び梱包エリア