IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社島津製作所の特許一覧

<>
  • 特開-顕微ラマン装置 図1
  • 特開-顕微ラマン装置 図2
  • 特開-顕微ラマン装置 図3
  • 特開-顕微ラマン装置 図4
  • 特開-顕微ラマン装置 図5
  • 特開-顕微ラマン装置 図6
  • 特開-顕微ラマン装置 図7
  • 特開-顕微ラマン装置 図8
  • 特開-顕微ラマン装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063550
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】顕微ラマン装置
(51)【国際特許分類】
   G01J 3/44 20060101AFI20240502BHJP
   G02B 21/00 20060101ALI20240502BHJP
   G01J 3/08 20060101ALI20240502BHJP
   G01J 3/10 20060101ALI20240502BHJP
   G02B 21/06 20060101ALN20240502BHJP
【FI】
G01J3/44
G02B21/00
G01J3/08
G01J3/10
G02B21/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171599
(22)【出願日】2022-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 龍太
【テーマコード(参考)】
2G020
2H052
【Fターム(参考)】
2G020CA04
2G020CB03
2G020CB23
2G020CB52
2G020CB54
2G020CC44
2G020CC46
2G020CD59
2H052AA08
2H052AC04
2H052AC05
2H052AC34
2H052AD34
2H052AF14
(57)【要約】
【課題】第1レーザ光源及び第2レーザ光源のうちの1つをオフ状態とすることなく第1レーザ光源及び第2レーザ光源のうちの1つからのレーザ光を遮光することが可能であるとともに装置を小型化しながらレーザ光の強度の細かい調整が可能な顕微ラマン装置を提供する。
【解決手段】顕微ラマン装置は、第1レーザ光源と、第2レーザ光源と、第1ホルダと、第2ホルダと、第1NDフィルタと、第2NDフィルタとを備える。第1レーザ光源及び第2レーザ光源は、それぞれ第1波長の第1レーザ光及び第2波長の第2レーザ光を発生させる。第2波長は、第1波長と異なる。第1レーザ光及び第2レーザ光は、第1方向において互いに離間された状態で第1方向に直交する第2方向に沿って進む。第1ホルダ及び第2ホルダは、第2方向において重ねて配置されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1レーザ光源と、
第2レーザ光源と、
第1ホルダと、
第2ホルダと、
第1NDフィルタと、
第2NDフィルタとを備え、
前記第1レーザ光源及び前記第2レーザ光源は、それぞれ第1波長の第1レーザ光及び第2波長の第2レーザ光を発生させ、
前記第2波長は、前記第1波長と異なり、
前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光は、第1方向において互いに離間された状態で前記第1方向に直交する第2方向に沿って進み、
前記第1ホルダ及び前記第2ホルダは、前記第2方向において重ねて配置されており、
前記第1ホルダは、前記第2方向に平行な第1回転軸回りに回転可能であり、
前記第2ホルダは、前記第2方向に平行な第2回転軸回りに回転可能であり、
前記第1ホルダには、前記第1ホルダを前記第2方向に貫通している第1貫通穴、第2貫通穴、第3貫通穴及び第4貫通穴が形成されており、
前記第1貫通穴及び前記第2貫通穴は、前記第2方向に沿って見た際に、前記第1回転軸を中心とし、半径が前記第1回転軸と前記第1レーザ光との間の距離に等しい円弧上にあり、
前記第3貫通穴及び前記第4貫通穴は、前記第2方向に沿って見た際に、前記第1回転軸を中心とし、半径が前記第1回転軸と前記第2レーザ光との間の距離に等しい円弧上にあり、
前記第2貫通穴と前記第4貫通穴との間の距離は、前記第2貫通穴と前記第3貫通穴の間の距離よりも小さく、
前記第1貫通穴及び前記第2貫通穴のいずれかが前記第1レーザ光と重なるように前記第1ホルダが前記第1回転軸回りに回転される際、前記第3貫通穴及び前記第4貫通穴のいずれもが前記第2レーザ光からずれており、
前記第3貫通穴及び前記第4貫通穴のいずれかが前記第2レーザ光と重なるように前記第1ホルダが前記第1回転軸回りに回転される際、前記第1貫通穴及び前記第2貫通穴のいずれもが前記第1レーザ光からずれており、
前記第2ホルダには、前記第2ホルダを前記第2方向に貫通している第5貫通穴、第6貫通穴、第7貫通穴及び第8貫通穴が形成されており、
前記第5貫通穴及び前記第6貫通穴は、前記第2方向に沿って見た際に、前記第2回転軸を中心とし、半径が前記第2回転軸と前記第1レーザ光との間の距離に等しい円弧上にあり、
前記第7貫通穴及び前記第8貫通穴は、前記第2方向に沿って見た際に、前記第2回転軸を中心とし、半径が前記第2回転軸と前記第2レーザ光との間の距離に等しい円弧上にあり、
前記第6貫通穴と前記第8貫通穴との間の距離は、前記第6貫通穴と前記第7貫通穴の間の距離よりも小さく、
前記第5貫通穴及び前記第6貫通穴のいずれかが前記第1レーザ光と重なるように前記第2ホルダが前記第2回転軸回りに回転される際、前記第7貫通穴及び前記第8貫通穴のいずれもが前記第2レーザ光からずれており、
前記第7貫通穴及び前記第8貫通穴のいずれかが前記第2レーザ光と重なるように前記第2ホルダが前記第2回転軸回りに回転される際、前記第5貫通穴及び前記第6貫通穴のいずれもが前記第1レーザ光からずれており、
前記第1NDフィルタは、前記第2貫通穴上及び前記第4貫通穴上に跨るように前記第1ホルダ上に配置されており、
前記第2NDフィルタは、前記第6貫通穴上及び前記第8貫通穴上に跨るように前記第2ホルダ上に配置されている、顕微ラマン装置。
【請求項2】
前記第2NDフィルタのOD値は、前記第1NDフィルタのOD値と異なる、請求項1に記載の顕微ラマン装置。
【請求項3】
第3NDフィルタと、
第4NDフィルタとをさらに備え、
前記第1ホルダには、前記第1ホルダを前記第2方向に貫通している第9貫通穴及び第10貫通穴がさらに形成されており、
前記第9貫通穴が前記第1レーザ光と重なるように前記第1ホルダが前記第1回転軸回りに回転される際、前記第10貫通穴は、前記第2レーザ光と重なっており、
前記第2ホルダには、前記第2ホルダを前記第2方向に貫通している第11貫通穴及び第12貫通穴がさらに形成されており、
前記第11貫通穴が前記第1レーザ光と重なるように前記第2ホルダが前記第1回転軸回りに回転される際、前記第12貫通穴は、前記第2レーザ光と重なっており、
前記第3NDフィルタは、前記第9貫通穴上及び前記第10貫通穴上に跨るように前記第1ホルダ上に配置されており、
前記第4NDフィルタは、前記第11貫通穴上及び前記第12貫通穴上に跨るように前記第2ホルダ上に配置されている、請求項1又は請求項2に記載の顕微ラマン装置。
【請求項4】
前記第3NDフィルタのOD値は、前記第1NDフィルタのOD値と異なり、
前記第4NDフィルタのOD値は、前記第2NDフィルタのOD値と異なるとともに前記第3NDフィルタのOD値と異なる、請求項3に記載の顕微ラマン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、顕微ラマン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開平10-90064号公報(特許文献1)には、顕微ラマン装置が記載されている。特許文献1に記載の顕微ラマン装置は、励起用レーザと、分光器と、検出器とを有している。特許文献1に記載の顕微ラマン装置では、励起用レーザからのレーザ光がサンプルに照射されることにより、サンプルからラマン散乱光が発生する。このラマン散乱光は分光器において分散され、分散されたラマン散乱光の強度分布が検出器において検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-90064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
顕微ラマン装置は、励起用レーザとして、複数のレーザ光源(第1レーザ光源及び第2レーザ光源とする)を有していることがある。顕微ラマン装置が第1レーザ光源及び第2レーザ光源を有している場合、シャッタを用いて第1レーザ光源及び第2レーザ光源のうちの1つからのレーザ光をサンプルに照射されないように遮光する又は第1レーザ光源及び第2レーザ光源のうちの1つをオフ状態とする必要がある。
【0005】
第1レーザ光源及び第2レーザ光源のうちの1つからのレーザ光を遮光するためにシャッタを用いる場合、顕微ラマン装置が大型化してしまう。第1レーザ光源及び第2レーザ光源のうちの1つをオフ状態とする場合、オフ状態とした第1レーザ光源及び第2レーザ光源のうちの1つを再びオン状態にする際に、出力が安定化するまでに時間を要する。
【0006】
また、顕微ラマン装置では、サンプルに照射されるレーザ光の強度を細かく調整する必要がある。そのためには、多数枚のNDフィルタが必要になり、顕微ラマン装置が大型化してしまう。
【0007】
本開示の顕微ラマン装置は、上記のような点に鑑みてなされたものである。より具体的には、第1レーザ光源及び第2レーザ光源のうちの1つをオフ状態とすることなく第1レーザ光源及び第2レーザ光源のうちの1つからのレーザ光を遮光することが可能であるとともに装置を小型化しながらレーザ光の強度の細かい調整が可能な顕微ラマン装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の顕微ラマン装置は、第1レーザ光源と、第2レーザ光源と、第1ホルダと、第2ホルダと、第1NDフィルタと、第2NDフィルタとを備える。第1レーザ光源及び第2レーザ光源は、それぞれ第1波長の第1レーザ光及び第2波長の第2レーザ光を発生させる。第2波長は、第1波長と異なる。第1レーザ光及び第2レーザ光は、第1方向において互いに離間された状態で第1方向に直交する第2方向に沿って進む。第1ホルダ及び第2ホルダは、第2方向において重ねて配置されている。第1ホルダは、第2方向に平行な第1回転軸回りに回転可能である。第2ホルダは、第2方向に平行な第2回転軸回りに回転可能である。第1ホルダには、第1ホルダを第2方向に貫通している第1貫通穴、第2貫通穴、第3貫通穴及び第4貫通穴が形成されている。第1貫通穴及び第2貫通穴は、第2方向に沿って見た際に、第1回転軸を中心とし、半径が第1回転軸と第1レーザ光との間の距離に等しい円弧上にある。第3貫通穴及び第4貫通穴は、第2方向に沿って見た際に、第1回転軸を中心とし、半径が第1回転軸と第2レーザ光との間の距離に等しい円弧上にある。第2貫通穴と第4貫通穴との間の距離は、第2貫通穴と第3貫通穴の間の距離よりも小さい。第1貫通穴及び第2貫通穴のいずれかが第1レーザ光と重なるように第1ホルダが第1回転軸回りに回転される際、第3貫通穴及び第4貫通穴のいずれもが第2レーザ光からずれている。第3貫通穴及び第4貫通穴のいずれかが第2レーザ光と重なるように第1ホルダが第1回転軸回りに回転される際、第1貫通穴及び第2貫通穴のいずれもが第1レーザ光からずれている。第2ホルダには、第2ホルダを第2方向に貫通している第5貫通穴、第6貫通穴、第7貫通穴及び第8貫通穴が形成されている。第5貫通穴及び第6貫通穴は、第2方向に沿って見た際に、第2回転軸を中心とし、半径が第2回転軸と第1レーザ光との間の距離に等しい円弧上にある。第7貫通穴及び第8貫通穴は、第2方向に沿って見た際に、第2回転軸を中心とし、半径が第2回転軸と第2レーザ光との間の距離に等しい円弧上にある。第6貫通穴と第8貫通穴との間の距離は、第6貫通穴と第7貫通穴の間の距離よりも小さい。第5貫通穴及び第6貫通穴のいずれかが第1レーザ光と重なるように第2ホルダが第2回転軸回りに回転される際、第7貫通穴及び第8貫通穴のいずれもが第2レーザ光からずれている。第7貫通穴及び第8貫通穴のいずれかが第2レーザ光と重なるように第2ホルダが第2回転軸回りに回転される際、第5貫通穴及び第6貫通穴のいずれもが第1レーザ光からずれている。第1NDフィルタは、第2貫通穴上及び第4貫通穴上に跨るように第1ホルダ上に配置されている。第2NDフィルタは、第6貫通穴上及び第8貫通穴上に跨るように第2ホルダ上に配置されている。
【発明の効果】
【0009】
本開示の顕微ラマン装置によると、第1レーザ光源及び第2レーザ光源のうちの1つをオフ状態とすることなく第1レーザ光源及び第2レーザ光源のうちの1つからのレーザ光を遮光することが可能であるとともに装置を小型化しながらレーザ光の強度の細かい調整が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】顕微ラマン装置100の模式図である。
図2】顕微ラマン装置100が有する光源調整部20の模式的な側面図である。
図3】第2方向DR2に沿って見た顕微ラマン装置100が有する第1ホルダ24の平面図である。
図4】第2方向DR2に沿って見た顕微ラマン装置100が有する第2ホルダ25の平面図である。
図5】第2方向に沿って見た変形例に係る顕微ラマン装置100が有する第1ホルダ24の平面図である。
図6】第2方向に沿って見た変形例に係る顕微ラマン装置100が有する第2ホルダ25の平面図である。
図7】顕微ラマン装置200の模式図である。
図8】第2方向DR2に沿って見た顕微ラマン装置200が有する第1ホルダ24の平面図である。
図9】第2方向DR2に沿って見た顕微ラマン装置200が有する第2ホルダ25の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下の図面では、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0012】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る顕微ラマン装置を説明する。第1実施形態に係る顕微ラマン装置を顕微ラマン装置100とする。
【0013】
<顕微ラマン装置100の構成>
以下に、顕微ラマン装置100の構成を説明する。
【0014】
図1は、顕微ラマン装置100の模式図である。図1に示されるように、顕微ラマン装置100は、第1レーザ光源11と、第2レーザ光源12と、光源調整部20と、ロングパスフィルタ41と、ロングパスフィルタ42と、ダイクロイックミラー43と、ダイクロイックミラー44と、ミラー45と、対物レンズ46と、ラマン分光器50とを有している。
【0015】
第1レーザ光源11は、第1レーザ光L1を発生させる。第2レーザ光源12は、第2レーザ光L2を発生させる。光源調整部20は、第1レーザ光L1及び第2レーザ光L2のいずれかを通過させる。光源調整部20を通過する際、第1レーザ光L1及び第2レーザ光L2のいずれかは、その強度が調整されることがある。光源調整部20の詳細は、後述するものとする。
【0016】
光源調整部20を通過した第1レーザ光L1は、ロングパスフィルタ41で反射されるとともに、ダイクロイックミラー43を通過する。ダイクロイックミラー43を通過した第1レーザ光L1は、ミラー45で反射されるとともに、対物レンズ46を通過する。これにより、第1レーザ光L1は、サンプルSに照射される。第1レーザ光が照射されることにより、サンプルSからは、第1ラマン光L3が発生する。
【0017】
サンプルSで発生した第1ラマン光L3は、対物レンズ46を通過するとともに、ミラー45で反射される。ミラー45で反射された第1ラマン光L3は、ダイクロイックミラー43及びロングパスフィルタ41を順次通過する。ロングパスフィルタ41を通過した第1ラマン光L3は、ラマン分光器50に入射する。これにより、第1レーザ光L1を用いたラマン測定が行われることになる。
【0018】
光源調整部20を通過した第2レーザ光L2は、ロングパスフィルタ42で反射されるとともに、ダイクロイックミラー44を通過する。ダイクロイックミラー44を通過した第2レーザ光L2は、ミラー45で反射されるとともに、対物レンズ46を通過する。これにより、第2レーザ光L2は、サンプルSに照射される。第2レーザ光が照射されることにより、サンプルSからは、第2ラマン光L4が発生する。
【0019】
サンプルSで発生した第2ラマン光L4は、対物レンズ46を通過するとともに、ミラー45で反射される。ミラー45で反射された第2ラマン光L4は、ダイクロイックミラー44及びロングパスフィルタ42を順次通過する。ロングパスフィルタ42を通過した第2ラマン光L4は、ラマン分光器50に入射する。これにより、第2レーザ光L2を用いたラマン測定が行われることになる。
【0020】
図2は、顕微ラマン装置100が有する光源調整部20の模式的な側面図である。図2に示されるように、光源調整部20は、台座21と、第1軸部材22と、第2軸部材23と、第1ホルダ24と、第2ホルダ25と、NDフィルタ26と、NDフィルタ27とを有している。
【0021】
第1レーザ光源11及び第2レーザ光源12は、第1方向DR1において間隔を空けて台座21上に配置されている。第1レーザ光源11で発生した第1レーザ光L1及び第2レーザ光源12で発生した第2レーザ光L2は、第1方向DR1に直交する第2方向DR2に沿って進む。すなわち、第1レーザ光L1及び第2レーザ光L2は、第1方向DR1において離間している状態で、第2方向DR2に沿って進む。
【0022】
第1軸部材22は、台座21に取り付けられている。第1軸部材22は、第2方向DR2に沿って延在している。第2軸部材23は、台座21に取り付けられている。第2軸部材23は、第2方向DR2に沿って延在している。
【0023】
第1ホルダ24は、第1回転軸A1回りに回転可能に第1軸部材22に取り付けられている。第1回転軸A1は、第2方向DR2に平行である。第2ホルダ25は、第2回転軸A2回りに回転可能に第2軸部材23に取り付けられている。第2回転軸A2は、第2方向DR2に平行である。第1回転軸A1と第1レーザ光L1との間の距離を、距離DIS1とする。第1回転軸A1と第2レーザ光L2との間の距離を、距離DIS2とする。第2回転軸A2と第1レーザ光L1との間の距離を、距離DIS3とする。第2回転軸A2と第2レーザ光L2との間の距離を、距離DIS4とする。距離DIS2は、距離DIS1よりも大きい。距離DIS3は、距離DIS4よりも大きい。
【0024】
第1ホルダ24及び第2ホルダ25は、第1レーザ光L1及び第2レーザ光L2を通過させない材料で形成されている。例えば、第1ホルダ24及び第2ホルダ25は、金属材料で形成されている。
【0025】
図3は、第2方向DR2に沿って見た顕微ラマン装置100が有する第1ホルダ24の平面図である。図3に示されるように、第1ホルダ24の平面形状は、例えば、半円形である。但し、第1ホルダ24の平面形状は、これに限られるものではない。第1ホルダ24には、貫通穴24aと、貫通穴24bと、貫通穴24cと、貫通穴24dとが形成されている。貫通穴24a、貫通穴24b、貫通穴24c及び貫通穴24dは、第1ホルダ24を第2方向DR2に沿って貫通している。
【0026】
第2方向DR2に沿って見た際に、貫通穴24a及び貫通穴24bは、第1円弧上に配置されている。第1円弧は、第1回転軸A1を中心とし、半径が距離DIS1に等しい円弧である。第2方向DR2に沿って見た際に、貫通穴24c及び貫通穴24dは、第2円弧上に配置されている。第2円弧は、第1回転軸A1を中心とし、半径が距離DIS2に等しい円弧である。貫通穴24bと貫通穴24dとの間の距離は、貫通穴24bと貫通穴24cとの間の距離以下である。
【0027】
貫通穴24c及び貫通穴24dは、第1レーザ光L1が貫通穴24a又は貫通穴24bと重なるように第1ホルダ24が第1回転軸A1回りに回転される際、第2レーザ光L2からずれている。貫通穴24a及び貫通穴24bは、第2レーザ光L2が貫通穴24c又は貫通穴24dと重なるように第1ホルダ24が第1回転軸A1回りに回転される際、第1レーザ光L1からずれている。すなわち、第2方向DR2に沿って見た際に、貫通穴24a及び貫通穴24bは、貫通穴24cと第1回転軸A1とを結んだ仮想直線上になく、貫通穴24dと第1回転軸A1とを結んだ仮想直線上にもない。
【0028】
このことを別の観点から言えば、第1レーザ光L1が貫通穴24a又は貫通穴24bのいずれかと重なるように第1ホルダ24が第1回転軸A1回りに回転される際には第2レーザ光L2が第1ホルダ24で遮られ、第2レーザ光L2が貫通穴24c又は貫通穴24dのいずれかと重なるように第1ホルダ24が第1回転軸A1回りに回転される際には第1レーザ光L1が第1ホルダ24で遮られる。
【0029】
図4は、第2方向DR2に沿って見た顕微ラマン装置100が有する第2ホルダ25の平面図である。図4に示されるように、第2ホルダ25の平面形状は、例えば、半円形である。但し、第2ホルダ25の平面形状は、これに限られるものではない。第2ホルダ25には、貫通穴25aと、貫通穴25bと、貫通穴25cと、貫通穴25dとが形成されている。貫通穴25a、貫通穴25b、貫通穴25c及び貫通穴25dは、第2ホルダ25を第2方向DR2に沿って貫通している。
【0030】
第2方向DR2に沿って見た際に、貫通穴25a及び貫通穴25bは、第3円弧上に配置されている。第3円弧は、第2回転軸A2を中心とし、半径が距離DIS3に等しい円弧である。第2方向DR2に沿って見た際に、貫通穴25c及び貫通穴25dは、第4円弧上に配置されている。第4円弧は、第2回転軸A2を中心とし、半径が距離DIS4に等しい円弧である。貫通穴25bと貫通穴25dとの間の距離は、貫通穴25bと貫通穴25cとの間の距離以下である。
【0031】
貫通穴25c及び貫通穴25dは、第1レーザ光L1が貫通穴25a又は貫通穴25bと重なるように第2ホルダ25が第2回転軸A2回りに回転される際、第2レーザ光L2からずれている。貫通穴25a及び貫通穴25bは、第2レーザ光L2が貫通穴25c又は貫通穴25dと重なるように第2ホルダ25が第2回転軸A2回りに回転される際、第1レーザ光L1からずれている。すなわち、第2方向DR2に沿って見た際に、貫通穴25c及び貫通穴25dは、貫通穴25aと第2回転軸A2とを結んだ仮想直線上になく、貫通穴25bと第2回転軸A2とを結んだ仮想直線上にもない。
【0032】
このことを別の観点から言えば、第1レーザ光L1が貫通穴25a又は貫通穴25bのいずれかと重なるように第2ホルダ25が第2回転軸A2回りに回転される際には第2レーザ光L2が第2ホルダ25で遮られ、第2レーザ光L2が貫通穴25c又は貫通穴25dのいずれかと重なるように第2ホルダ25が第2回転軸A2回りに回転される際には第1レーザ光L1が第2ホルダ25で遮られる。
【0033】
図3に示されるように、NDフィルタ26は、貫通穴24b上及び貫通穴24d上に跨るように第1ホルダ24上に配置されている。図4に示されるように、NDフィルタ27は、貫通穴25b及び貫通穴25d上に跨るように第2ホルダ25上に配置されている。NDフィルタ26のOD値は、好ましくは、NDフィルタ27のOD値と異なっている。なお、ND(Neutral Density)フィルタとは、通過する光の強度を低下させる光学フィルタである。OD(Optical Density)値とは、NDフィルタに対する光の通過率を示す値である。OD値がXである場合、NDフィルタを通過した後の光の強度をNDフィルタを通過する前の光の強度で除した値は、1×10-Xとなる。
【0034】
<顕微ラマン装置100の効果>
顕微ラマン装置100では、貫通穴24a又は貫通穴24bが第1レーザ光L1に重なるように第1ホルダ24を第1回転軸A1回りに回転させるとともに貫通穴25a又は貫通穴25bが第1レーザ光L1に重なるように第2ホルダ25を第2回転軸A2回りに回転させれば、貫通穴24c及び貫通穴24dが第2レーザ光L2からずれるため、第2レーザ光L2が第1ホルダ24で遮光される。
【0035】
同様にして、顕微ラマン装置100では、貫通穴24c又は貫通穴24dが第2レーザ光L2に重なるように第1ホルダ24を第1回転軸A1回りに回転させるとともに貫通穴25c又は貫通穴25dが第2レーザ光L2に重なるように第2ホルダ25を第2回転軸A2回りに回転させれば、貫通穴24a及び貫通穴24bが第1レーザ光L1からずれるため、第1レーザ光L1は、第1ホルダ24で遮光される。このように、顕微ラマン装置100では、第1レーザ光L1及び第2レーザ光L2を選択的に光源調整部20を通過させるために、第1レーザ光源11及び第2レーザ光源12の一方をオフ状態とすること及びシャッタを設けることが不要である。
【0036】
第1レーザ光L1は、貫通穴24a及び貫通穴25aを順次通過する第1パターンと、貫通穴24b及び貫通穴25aを通過する第2パターンと、貫通穴24b及び貫通穴25bを通過する第3パターンと、貫通穴24b及び貫通穴25bを通過する第4パターンとがある。第1パターンでは第1レーザ光L1が強度の調整を受けることなく光源調整部20を通過し、第2パターンでは第1レーザ光L1がNDフィルタ26のみによる強度調整を受けて光源調整部20を通過する。第3パターンでは第1レーザ光L1がNDフィルタ27のみによる強度調整を受けて光源調整部20を通過し、第4パターンでは第1レーザ光L1がNDフィルタ26及びNDフィルタ27による強度調整を受けて光源調整部20を通過する。すなわち、顕微ラマン装置100では、光源調整部20により第1レーザ光L1に対する4パターンの強度調整が可能である。
【0037】
同様にして、顕微ラマン装置100では、光源調整部20により第2レーザ光L2に対する4パターンの強度調整が可能である。このように、顕微ラマン装置100では、NDフィルタの枚数(2枚)よりも多いパターン数の細かい強度調整を第1レーザ光L1及び第2レーザ光L2に対して行いつつ、顕微ラマン装置100の小型化が可能である。
【0038】
<変形例>
図5は、第2方向に沿って見た変形例に係る顕微ラマン装置100が有する第1ホルダ24の平面図である。図5に示されるように、第1ホルダ24には、貫通穴24e及び貫通穴24fがさらに形成されていてもよい。貫通穴24eは第1円弧上にあり、貫通穴24fは第2円弧上にある。貫通穴24eが第1レーザ光L1と重なるように第1ホルダ24が第1回転軸A1回りに回転される際、貫通穴24b、貫通穴24d及び貫通穴24fのいずれもが、第2レーザ光L2に重ならない。貫通穴24fが第2レーザ光L2と重なるように第1ホルダ24が第1回転軸A1回りに回転される際、貫通穴24a、貫通穴24c及び貫通穴24eのいずれもが、第1レーザ光L1に重ならない。
【0039】
なお、この例では、貫通穴24bと貫通穴24dとの間の距離が貫通穴24bと貫通穴24cとの間の距離及び貫通穴24bと貫通穴24fとの間の距離以下であり、貫通穴24eと貫通穴24fとの間の距離が貫通穴24eと貫通穴24cとの間の距離及び貫通穴24eと貫通穴24dとの間の距離以下である。
【0040】
図6は、第2方向に沿って見た変形例に係る顕微ラマン装置100が有する第2ホルダ25の平面図である。図6に示されるように、第2ホルダ25には、貫通穴25e及び貫通穴25fがさらに形成されていてもよい。貫通穴25eは第3円弧上にあり、貫通穴25fは第4円弧上にある。貫通穴25eが第1レーザ光L1と重なるように第2ホルダ25が第2回転軸A2回りに回転される際、貫通穴25b、貫通穴25d及び貫通穴25fのいずれもが、第2レーザ光L2に重ならない。貫通穴25fが第2レーザ光L2と重なるように第2ホルダ25が第2回転軸A2回りに回転される際、貫通穴25a、貫通穴25c及び貫通穴25eのいずれもが、第1レーザ光L1に重ならない。
【0041】
なお、この例では、貫通穴25bと貫通穴25dとの間の距離が貫通穴25bと貫通穴25cとの間の距離及び貫通穴25bと貫通穴25fとの間の距離以下であり、貫通穴25eと貫通穴25fとの間の距離が貫通穴25eと貫通穴25cとの間の距離及び貫通穴25eと貫通穴25dとの間の距離以下である。
【0042】
光源調整部20は、NDフィルタ28と、NDフィルタ29とをさらに有していてもよい。NDフィルタ28は、貫通穴24e上及び貫通穴24f上に跨るように第1ホルダ24上に配置されている。NDフィルタ29は、貫通穴25e上及び貫通穴25f上に跨るように第2ホルダ25上に配置されている。NDフィルタ28のOD値は、好ましくは、NDフィルタ26のOD値と異なる。NDフィルタ29のOD値は、好ましくは、NDフィルタ27のOD値と異なるとともにNDフィルタ28のOD値と異なる。
【0043】
NDフィルタ26のOD値は、NDフィルタ27のOD値とNDフィルタ28のOD値又はNDフィルタ29のOD値との和と異なっていることが好ましい。NDフィルタ27のOD値は、NDフィルタ26のOD値とNDフィルタ28のOD値又はNDフィルタ29のOD値との和と異なっていることが好ましい。NDフィルタ28のOD値は、NDフィルタ26のOD値又はNDフィルタ27のOD値とNDフィルタ29のOD値との和と異なっていることが好ましい。NDフィルタ29のOD値は、NDフィルタ26のOD値又はNDフィルタ27のOD値とNDフィルタ28のOD値との和と異なっていることが好ましい。
【0044】
この例では、第1レーザ光L1の強度を9パターン(強度調整を受けないパターン、NDフィルタ26のみによる強度調整を受けるパターン、NDフィルタ27のみによる強度調整を受けるパターン、NDフィルタ28のみによる強度調整を受けるパターン、NDフィルタ29のみによる強度調整を受けるパターン、NDフィルタ26及びNDフィルタ27による強度調整を受けるパターン、NDフィルタ26及びNDフィルタ29による強度調整を受けるパターン、NDフィルタ28及びNDフィルタ27による強度調整を受けるパターン、NDフィルタ28及びNDフィルタ29による強度調整を受けるパターン)に調整可能であり、同様に第2レーザ光L2のパターンを9パターンに調整可能である。
【0045】
以上のように、顕微ラマン装置100では、第1円弧上にある貫通穴(第1貫通穴とする)の数、第2円弧上にある貫通穴(第2貫通穴とする)の数、第3円弧上にある貫通穴(第3貫通穴とする)の数及び第4円弧上にある貫通穴(第4貫通穴とする)の数は、特に限定されるものではない。第1貫通穴の数、第2貫通穴の数、第3貫通穴の数及び第4貫通穴の数をk個(kは2以上の自然数とする)とすると、第1ホルダ24上に配置されるNDフィルタ(第1NDフィルタとする)の数及び第2ホルダ25上に配置されるNDフィルタ(第2NDフィルタとする)の数は、(k-1)枚とされる。
【0046】
複数の第1貫通穴のいずれかが第1レーザ光L1と重なるように第1ホルダ24を第1回転軸A1回りに回転される際には複数の第2貫通穴のいずれもが第2レーザ光L2からずれており、複数の第2貫通穴のいずれかが第2レーザ光L2と重なるように第1ホルダ24が第1回転軸A1回りに回転される際には複数の第1貫通穴のいずれもが第1レーザ光L1からずれている。複数の第3貫通穴のいずれかが第1レーザ光L1と重なるように第2ホルダ25が第2回転軸A2回りに回転される際には複数の第4貫通穴のいずれもが第2レーザ光L2からずれており、複数の第4貫通穴のいずれかが第2レーザ光L2と重なるように第2ホルダ25が第2回転軸A2回りに回転される際には複数の第3貫通穴のいずれもが第1レーザ光L1からずれている。
【0047】
複数の第1NDフィルタの各々は1つの第1貫通穴上及び当該1つの第1貫通穴と最近接の位置にある第2貫通穴上に跨るように第1ホルダ24上に配置され、複数の第2NDフィルタの各々は1つの第3貫通穴上及び当該1つの第3貫通穴と最近接の位置にある第4貫通穴上に跨るように第2ホルダ25上に配置される。
【0048】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る顕微ラマン装置を説明する。第2実施形態に係る顕微ラマン装置を顕微ラマン装置200とする。ここでは顕微ラマン装置100と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0049】
<顕微ラマン装置200の構成>
以下に、顕微ラマン装置200の構成を説明する。
【0050】
図7は、顕微ラマン装置200の模式図である。図7に示されるように、顕微ラマン装置200は、第1レーザ光源11と、第2レーザ光源12と、光源調整部20と、ロングパスフィルタ41と、ロングパスフィルタ42と、ダイクロイックミラー43と、ダイクロイックミラー44と、ミラー45と、対物レンズ46と、ラマン分光器50とを有している。この点に関して、顕微ラマン装置200の構成は、顕微ラマン装置100の構成と共通している。
【0051】
図8は、第2方向DR2に沿って見た顕微ラマン装置200が有する第1ホルダ24の平面図である。図8に示されるように、顕微ラマン装置200では、第1ホルダ24に、貫通穴24gと貫通穴24hとがさらに形成されている。貫通穴24gは第1円弧上にあり、貫通穴24hは第2円弧上にある。貫通穴24g及び貫通穴24hは、第2方向DR2に沿って第1ホルダ24を貫通している。貫通穴24gが第1レーザ光L1と重なるように第1ホルダ24が第1回転軸A1回りに回転された際、貫通穴24hは、第2レーザ光L2に重なる。すなわち、第2方向DR2に沿って見た際に、貫通穴24g、貫通穴24h及び第1回転軸A1は、同一の仮想直線上にある。
【0052】
図9は、第2方向DR2に沿って見た顕微ラマン装置200が有する第2ホルダ25の平面図である。図9に示されるように、顕微ラマン装置200では、第2ホルダ25に、貫通穴25gと貫通穴25hとがさらに形成されている。貫通穴25gは第3円弧上にあり、貫通穴25hは第4円弧上にある。貫通穴25g及び貫通穴25hは、第2方向DR2に沿って第2ホルダ25を貫通している。貫通穴25gが第1レーザ光L1と重なるように第2ホルダ25が第2回転軸A2回りに回転された際、貫通穴25hは、第2レーザ光L2に重なる。すなわち、第2方向DR2に沿って見た際に、貫通穴25g、貫通穴25h及び第2回転軸A2は、同一の仮想直線上にある。
【0053】
顕微ラマン装置200では、光源調整部20が、NDフィルタ30と、NDフィルタ31とをさらに有している。NDフィルタ30は、貫通穴24g上及び貫通穴24h上に跨るように第1ホルダ24上に配置されている。NDフィルタ31は、貫通穴25g及び貫通穴25h上に跨るように第2ホルダ25上に配置されている。NDフィルタ30のOD値は、好ましくは、NDフィルタ26のOD値と異なる。NDフィルタ31のOD値は、好ましくは、NDフィルタ27のOD値と異なるとともにNDフィルタ30のOD値と異なる。
【0054】
NDフィルタ26のOD値は、NDフィルタ27のOD値とNDフィルタ30のOD値又はNDフィルタ31のOD値との和と異なっていることが好ましい。NDフィルタ27のOD値は、NDフィルタ26のOD値とNDフィルタ30のOD値又はNDフィルタ31のOD値との和と異なっていることが好ましい。NDフィルタ30のOD値は、NDフィルタ26のOD値又はNDフィルタ27のOD値とNDフィルタ31のOD値との和と異なっていることが好ましい。NDフィルタ31のOD値は、NDフィルタ26のOD値又はNDフィルタ27のOD値とNDフィルタ30のOD値との和と異なっていることが好ましい。これらの点に関して、顕微ラマン装置200の構成は、顕微ラマン装置100の構成と異なっている。
【0055】
<顕微ラマン装置200の効果>
以下に、顕微ラマン装置200の効果を説明する。
【0056】
顕微ラマン装置200では、第1レーザ光L1の強度を8パターン(強度調整を受けないパターン、NDフィルタ26のみによる強度調整を受けるパターン、NDフィルタ27のみによる強度調整を受けるパターン、NDフィルタ30のみによる強度調整を受けるパターン、NDフィルタ31のみによる強度調整を受けるパターン、NDフィルタ26及びNDフィルタ27による強度調整を受けるパターン、NDフィルタ26及びNDフィルタ30による強度調整を受けるパターン、NDフィルタ30及びNDフィルタ27による強度調整を受けるパターン)に調整可能であり、同様に第2レーザ光L2のパターンを8パターンに調整可能である。
【0057】
<変形例>
顕微ラマン装置200でも、第1円弧上にある貫通穴(第1貫通穴とする)の数、第2円弧上にある貫通穴(第2貫通穴とする)の数、第3円弧上にある貫通穴(第3貫通穴とする)の数及び第4円弧上にある貫通穴(第4貫通穴とする)の数は、特に限定されるものではない。第1貫通穴の数、第2貫通穴の数、第3貫通穴の数及び第4貫通穴の数をk個(kは2以上の自然数とする)とすると、第1ホルダ24上に配置されるNDフィルタ(第1NDフィルタとする)の数及び第2ホルダ25上に配置されるNDフィルタ(第2NDフィルタとする)の数は、(k-1)枚とされる。
【0058】
複数の第1貫通穴の1つを、第5貫通穴とする。複数の第2貫通穴の1つを、第6貫通穴とする。複数の第3貫通穴の1つを、第7貫通穴とする。複数の第4貫通穴の1つを、第8貫通穴とする。第5貫通穴が第1レーザ光L1と重なるよう第1ホルダ24が第1回転軸A1回りに回転される際には第6貫通穴が第2レーザ光L2と重なり、第7貫通穴が第1レーザ光L1と重なるよう第2ホルダ25が第2回転軸A2回りに回転される際には第8貫通穴が第2レーザ光L2と重なる。
【0059】
第5貫通穴以外の複数の第1貫通穴のいずれかが第1レーザ光L1と重なるように第1ホルダ24が第1回転軸A1回りに回転される際には複数の第2貫通穴のいずれもが第2レーザ光L2からずれており、第6貫通穴以外の複数の第2貫通穴のいずれかが第2レーザ光L2と重なるように第1ホルダ24が第1回転軸A1回りに回転される際には複数の第1貫通穴のいずれもが第2レーザ光L2からずれている。第7貫通穴以外の複数の第3貫通穴のいずれかが第1レーザ光L1と重なるように第2ホルダ25が第2回転軸A2回りに回転される際には複数の第4貫通穴のいずれもが第2レーザ光L2からずれており、第8貫通穴以外の複数の第4貫通穴のいずれかが第2レーザ光L2と重なるように第2ホルダ25が第2回転軸A2回りに回転される際には複数の第3貫通穴のいずれもが第1レーザ光L1からずれている。
【0060】
複数の第1NDフィルタの1つを、第3NDフィルタとする。第3NDフィルタは、第5貫通穴上及び第6貫通穴上を跨ぐように第1ホルダ24上に配置される。複数の第2NDフィルタの1つを、第4NDフィルタとする。第4NDフィルタは、第7貫通穴上及び第8貫通穴上を跨ぐように第2ホルダ25上に配置される。第3NDフィルタ以外の複数の第1NDフィルタの各々は、第5貫通穴以外の1つの第1貫通穴上及び当該1つの第1貫通穴と最近接の位置にある第6貫通穴以外の第2貫通穴上に跨るように第1ホルダ24上に配置される。第4NDフィルタ以外の複数の第2NDフィルタの各々は、第7貫通穴以外の1つの第3貫通穴上及び当該1つの第3貫通穴と最近接の位置にある第8貫通穴以外の第4貫通穴上に跨るように第2ホルダ25上に配置される。
【0061】
(付記)
上記の実施形態には、以下の構成が含まれている。
【0062】
<付記1>
第1レーザ光源と、
第2レーザ光源と、
第1ホルダと、
第2ホルダと、
第1NDフィルタと、
第2NDフィルタとを備え、
前記第1レーザ光源及び前記第2レーザ光源は、それぞれ第1波長の第1レーザ光及び第2波長の第2レーザ光を発生させ、
前記第2波長は、前記第1波長と異なり、
前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光は、第1方向において互いに離間された状態で前記第1方向に直交する第2方向に沿って進み、
前記第1ホルダ及び前記第2ホルダは、前記第2方向において重ねて配置されており、
前記第1ホルダは、前記第2方向に平行な第1回転軸回りに回転可能であり、
前記第2ホルダは、前記第2方向に平行な第2回転軸回りに回転可能であり、
前記第1ホルダには、前記第1ホルダを前記第2方向に貫通している第1貫通穴、第2貫通穴、第3貫通穴及び第4貫通穴が形成されており、
前記第1貫通穴及び前記第2貫通穴は、前記第2方向に沿って見た際に、前記第1回転軸を中心とし、半径が前記第1回転軸と前記第1レーザ光との間の距離に等しい円弧上にあり、
前記第3貫通穴及び前記第4貫通穴は、前記第2方向に沿って見た際に、前記第1回転軸を中心とし、半径が前記第1回転軸と前記第2レーザ光との間の距離に等しい円弧上にあり、
前記第2貫通穴と前記第4貫通穴との間の距離は、前記第2貫通穴と前記第3貫通穴の間の距離よりも小さく、
前記第1貫通穴及び前記第2貫通穴のいずれかが前記第1レーザ光と重なるように前記第1ホルダが前記第1回転軸回りに回転される際、前記第3貫通穴及び前記第4貫通穴のいずれもが前記第2レーザ光からずれており、
前記第3貫通穴及び前記第4貫通穴のいずれかが前記第2レーザ光と重なるように前記第1ホルダが前記第1回転軸回りに回転される際、前記第1貫通穴及び前記第2貫通穴のいずれもが第1レーザ光からずれており、
前記第2ホルダには、前記第2ホルダを前記第2方向に貫通している第5貫通穴、第6貫通穴、第7貫通穴及び第8貫通穴が形成されており、
前記第5貫通穴及び前記第6貫通穴は、前記第2方向に沿って見た際に、前記第2回転軸を中心とし、半径が前記第2回転軸と前記第1レーザ光との間の距離に等しい円弧上にあり、
前記第7貫通穴及び前記第8貫通穴は、前記第2方向に沿って見た際に、前記第2回転軸を中心とし、半径が前記第2回転軸と前記第2レーザ光との間の距離に等しい円弧上にあり、
前記第6貫通穴と前記第8貫通穴との間の距離は、前記第6貫通穴と前記第7貫通穴の間の距離よりも小さく、
前記第5貫通穴及び前記第6貫通穴のいずれかが前記第1レーザ光と重なるように前記第2ホルダが前記第2回転軸回りに回転される際、前記第7貫通穴及び前記第8貫通穴のいずれもが前記第2レーザ光からずれており、
前記第7貫通穴及び前記第8貫通穴のいずれかが前記第2レーザ光と重なるように前記第2ホルダが前記第2回転軸回りに回転される際、前記第5貫通穴及び前記第6貫通穴のいずれもが前記第1レーザ光からずれており、
前記第1NDフィルタは、前記第2貫通穴上及び前記第4貫通穴上に跨るように前記第1ホルダ上に配置されており、
前記第2NDフィルタは、前記第6貫通穴上及び前記第8貫通穴上に跨るように前記第2ホルダ上に配置されている、顕微ラマン装置。
【0063】
<付記2>
前記第2NDフィルタのOD値は、前記第1NDフィルタのOD値と異なる、付記1に記載の顕微ラマン装置。
【0064】
<付記3>
第3NDフィルタと、
第4NDフィルタとをさらに備え、
前記第1ホルダには、前記第1ホルダを前記第2方向に貫通している第9貫通穴及び第10貫通穴がさらに形成されており、
前記第9貫通穴が前記第1レーザ光と重なるように前記第1ホルダが前記第1回転軸回りに回転される際、前記第10貫通穴は、前記第2レーザ光と重なっており、
前記第2ホルダには、前記第2ホルダを前記第2方向に貫通している第11貫通穴及び第12貫通穴がさらに形成されており、
前記第11貫通穴が前記第1レーザ光と重なるように前記第2ホルダが前記第1回転軸回りに回転される際、前記第12貫通穴は、前記第2レーザ光と重なっており、
前記第3NDフィルタは、前記第9貫通穴上及び前記第10貫通穴上に跨るように前記第1ホルダ上に配置されており、
前記第4NDフィルタは、前記第11貫通穴上及び前記第12貫通穴上に跨るように前記第2ホルダ上に配置されている、付記1又は付記2に記載の顕微ラマン装置。
【0065】
<付記4>
前記第3NDフィルタのOD値は、前記第1NDフィルタのOD値と異なり、
前記第4NDフィルタのOD値は、前記第2NDフィルタのOD値と異なるとともに前記第3NDフィルタのOD値と異なる、付記3に記載の顕微ラマン装置。
【0066】
以上のように本開示の実施形態について説明を行ったが、上述の実施形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は、上記の実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むことが意図される。
【符号の説明】
【0067】
A1 第1回転軸、A2 第2回転軸、DIS1,DIS2,DIS3,DIS4 距離、DR1 第1方向、DR2 第2方向、L1 第1レーザ光、L2 第2レーザ光、L3 第1ラマン光、L4 第2ラマン光、S サンプル、100 顕微ラマン装置、11 第1レーザ光源、12 第2レーザ光源、20 光源調整部、21 台座、22 第1軸部材、23 第2軸部材、24 第1ホルダ、24a,24b,24c,24d,24e,24f,24g,24h 貫通穴、25 第2ホルダ、25a,25b,25c,25d,25e,25f,25g,25h 貫通穴、26,27,28,29,30,31 NDフィルタ、41,42 ロングパスフィルタ、43,44 ダイクロイックミラー、45 ミラー、46 対物レンズ、50 ラマン分光器、200 顕微ラマン装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9