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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063552
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】地図作成方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/43 20240101AFI20240502BHJP
【FI】
G05D1/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171601
(22)【出願日】2022-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002059
【氏名又は名称】シンフォニアテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】山中 悠司
(72)【発明者】
【氏名】孫田 康雄
(72)【発明者】
【氏名】中口 和馬
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA01
5H301AA10
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD07
5H301DD15
5H301GG08
5H301GG12
5H301GG14
(57)【要約】
【課題】特定走路を走路に含む地図データを精度よく作成することができる地図作成方法を提供する。
【解決手段】特定走路に、ランドマークになる配置物を配置し、自律走行ロボットに、走行中に、外界センサにより検出された配置物を含む物体の相対座標を取得させる。自律走行ロボットに、取得された配置物を含む物体の相対座標を、自己位置を用いた絶対座標への変換と、変換後の絶対座標を用いた自己位置の更新とを繰り返し実行させる。作成された配置物を含む物体の相対座標を、メモリに記憶して地図データの元となる元データを作成する。情報処理装置により、元データから配置物の情報を削除することで、地図データを作成する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲の物体の相対距離を検出する外界センサと、
車輪を有する走行部と、
前記車輪の回転量に基づいて、移動量を計測する内界センサと、
制御部と、
を備える地図作成装置と、情報処理装置とにより、地図データを作成する地図作成方法であって、
前記制御部は、
前記走行部による走行中に、絶対座標である自己位置を推定する自己位置推定処理を実行可能な構成であり、前記自己位置推定処理では、前記内界センサにより計測された前記移動量に基づく自己位置の推定と、異なる自己位置での前記外界センサにより同一のランドマークを検出させることで得られた絶対座標に基づく自己位置の推定と、を併用することが可能であり、
地図データの作成対象に含まれる特定走路に、ランドマークになる配置物を配置する配置ステップと、
前記走行部による走行中に、前記制御部に、前記外界センサにより検出された前記配置物を含む物体の相対座標を取得させる位置取得ステップと、
前記制御部に、取得された前記配置物を含む物体の相対座標に対する前記自己位置を用いた絶対座標への変換と、変換後の前記絶対座標を用いた前記自己位置推定処理での前記自己位置の推定とを繰り返す、変換ステップと、
前記変換ステップで作成された前記配置物を含む物体の絶対座標を保存して元データを作成する元データ作成ステップと、
前記情報処理装置により、前記元データから前記配置物の情報を削除することで、地図データを作成する、削除ステップと、を備える地図作成方法。
【請求項2】
前記特定走路において、所定の進路方向を定め、前記進路方向と交差する方向を交差方向とすると、
前記配置ステップでは、前記配置物を、前記特定走路における前記交差方向の縁部において、前記縁部よりも内側に出るように配置する、請求項1に記載の地図作成方法。
【請求項3】
前記特定走路において、所定の進路方向を定め、前記進路方向と交差する方向を交差方向とすると、
前記配置ステップでは、前記配置物を、前記特定走路における前記交差方向の両縁に配置し、
前記特定走路における前記交差方向の両縁のうち、一方の縁部に配置されている前記配置物は、他方の縁部に配置されている前記配置物と比べて、前記進路方向での位置が異なる、請求項1に記載の地図作成方法。
【請求項4】
前記特定走路は、直進路であって、
前記配置ステップでは、前記配置物を、前記進路方向に沿って配置する、請求項2又は3に記載の地図作成方法。
【請求項5】
前記特定走路は、十字路又はT字路であり、
前記配置ステップにおいて、前記配置物を、前記十字路又は前記T字路における角部に配置する、
請求項2又は3に記載の地図作成方法。
【請求項6】
前記特定走路は、十字路又はT字路が複数並んだ走路形状であり、
前記配置ステップにおいて、前記配置物を、前記十字路又は前記T字路における角部に配置する、
請求項2又は3に記載の地図作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図を作成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、地図データを用いて自律走行を行うことが可能な自律走行装置が記載されている。自律走行装置が用いる地図データには、自律走行装置が走行可能な走路や、障害物の位置が記録されている。また、自律走行装置を用いて地図データを作成する技術も知られている。具体的には、自律走行装置を地図データの作成対象となる走路上を移動させながら、センサにより周囲の物体の相対座標を検出させていく。そして、検出された物体の相対座標を、絶対座標に変換することで、地図データを作成する。
【0003】
自律走行装置により検出される立体物の相対座標を、絶対座標に変換するためには、走行中の自律走行装置の自己位置を推定しておく必要がある。自己位置の推定方法として、車輪の回転量に基づくオドメトリ情報を用いた自己位置推定が知られている。しかし、オドメトリ情報を用いた自己位置推定では、車輪の空転等により、自己位置に誤差を生じさせる場合がある。そのため、自律走行装置の移動中に、ランドマーク等の特徴物の位置を検出させ、現在の自己位置を、検出されたランドマークの位置に基づいて修正することで、オドメトリを用いた自己位置の精度を補間する方法も知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Slam_gmapping<https://github.com/ros-perception/slam_gmapping>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自律走行装置を走行させて、直進路や、十字路、T字路等の特定走路を含んだ地図データを作成する場合を想定する。自律走行装置を上記のような走路で走行させて地図データを作成する場合、ランドマーク等の特徴物が少なかったり無かったりするため、自己位置の推定精度が低下し、作成された地図データの精度が低下する場合がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みたものであり、特定走路を含む地図データを精度よく作成することができる地図作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本実施形態で開示された地図作成方法では、周囲の物体の相対距離を検出する外界センサと、車輪を有する走行部と、車輪の回転量に基づいて、移動量を計測する内界センサと、制御部と、を備える地図作成装置と、情報処理装置とにより、地図データを作成する地図作成方法に関する。地図作成装置の制御部は、走行部による走行中に、絶対座標である自己位置を推定する自己位置推定処理を実行可能な構成であり、自己位置推定処理では、内界センサにより計測された移動量に基づく自己位置の推定と、異なる自己位置での外界センサにより同一のランドマークを検出させることで得られた絶対座標に基づく自己位置の推定と、を併用することが可能である。地図データ作成方法では、地図データの作成対象に含まれる特定走路に、ランドマークになる配置物を配置する配置ステップと、走行部による走行中に、制御部に、外界センサにより検出された配置物を含む物体の相対座標を取得させる位置取得ステップと、制御部に、取得された配置物を含む物体の相対座標に対する自己位置を用いた絶対座標への変換と、変換後の絶対座標を用いた自己位置推定処理での自己位置の推定とを繰り返す、変換ステップと、変換ステップで作成された配置物を含む物体の絶対座標を保存して元データを作成する元データ作成ステップと、情報処理装置により、元データから配置物の情報を削除することで、地図データを作成する、削除ステップと、を備える
【0008】
上記構成では、地図作成装置を用いた地図作成方法では、地図データの作成対象に含まれる特定走路に、ランドマークになる配置物を配置する。走行部による走行中に、制御部に、自己位置を推定させつつ、外界センサにより検出された配置物を含む物体の相対座標を取得させる。制御部に、取得された配置物を含む物体の相対座標に対する自己位置を用いた絶対座標への変換と、変換後の絶対座標を用いた自己位置推定処理での自己位置の推定とを繰り返す。作成された配置物を含む物体の絶対座標を保存して元データを作成し、作成された元データから、配置物の情報を削除することで、地図データを作成する。これにより、地図データ作成装置が、特定走路を走行中は、ランドマークとなる配置物の絶対座標を用いて自己位置を推定し、推定された自己位置を用いて絶対座標を算出することが可能になるため、自己位置の誤差を抑制でき、ひいては地図データの精度を高めることができる。
【0009】
特定走路において、所定の進路方向を定め、進路方向と交差する方向を交差方向とすると、配置ステップでは、配置物を、特定走路における交差方向の縁部において、縁部よりも内側に出るように配置する。上記構成では、特定走路の縁部より内側に配置物が出ることで、特定走路の走路形状に変化を付加できるため、自己位置推定処理での推定精度の低下をいっそう抑制することができる。
【0010】
特定走路において、所定の進路方向を定め、進路方向と交差する方向を交差方向とすると、配置ステップでは、配置物を、特定走路における交差方向の両縁に配置し、特定走路における交差方向の両縁のうち、一方の縁部に配置されている配置物は、他方の縁部に配置されている配置物と比べて、進路方向での位置が異なる。上記構成では、地図データ作成装置を、進路方向に沿って走行させる場合に、地図データ作成装置の向きに応じて、配置物の進路方向での位置に違いが生じる。これにより、地図データ作成装置を進路方向に沿っていずれの向きで走行させる場合でも、自己位置推定処理の推定精度の低下を抑制することができる。
【0011】
特定走路は、直進路であって、配置ステップでは、配置物を、進路方向に沿って配置する。上記構成では、直進路を走路に含む地図データを精度よく作成することができる。
【0012】
特定走路は、十字路又はT字路であり、配置ステップにおいて、配置物を、十字路又はT字路における角部に配置する。上記構成では、十字路又はT字路を走路に含む地図データを精度よく作成することができる。
【0013】
特定走路は、十字路又はT字路が複数並んだ形状であり、配置ステップにおいて、配置物を、十字路又はT字路における角部に配置する。上記構成では、十字路又はT字路が複数並んだ走路を含む地図データを精度よく作成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、特定走路を走路に含む地図データを精度よく作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】自律走行ロボットの斜視図である。
図2】地図データ作成システムの構成図である。
図3】地図データを説明する図である。
図4】ランドマークの検出を説明する図である。
図5】相対座標から絶対座標への変換を説明する図である。
図6】自己位置推定の概念を説明する図である。
図7】地図データの作成手順を説明するフローチャートである。
図8】作成対象領域を説明するフローチャートである。
図9】元データを説明する図である。
図10】地図データを説明する図である。
図11】比較例を説明する図である。
図12】第2実施形態に係る特定走路を説明する図である。
図13】特定走路を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
本実施形態係に係る地図作成システムを、図面を参照しつつ説明する。図1図2に示されるように、地図作成システム100は、地図作成装置の一例である自律走行ロボット80と、情報処理装置90とを備えている。
【0017】
情報処理装置90は、例えば、PCであり、不図示のCPU、不揮発性メモリ、ユーザIF、通信IFを備えている。なお、IFは、インタフェースの略称である。情報処理装置90の不揮発性メモリには、描画プログラム91が記憶されている。描画プログラム91は、後述する地図データに対する加工を行うことができるプログラムである。情報処理装置90は、スマホなど情報端末であれば良い。
【0018】
図1図2に示されるように、自律走行ロボット80は、筐体81と、コントローラ(制御部)10と、測距センサ11と、内界センサ12と、メモリ13と、走行部14と、ディスプレイ15と、通信IF16とを主に備えている。
【0019】
筐体81は、自律走行ロボット80における外観を構成する部位であり、上側筐体82と、下側筐体83とにより構成されている。上側筐体82の上部前側には、ディスプレイ15が取り付けられている。ディスプレイ15は、周知のタッチパネルであり、コントローラ10からの指示に応じて、テキストや、アイコンを表示させる。本実施形態では、ディスプレイ15は、上側筐体82の上部前側において、表示面が前方に向くように取り付けられている。
【0020】
上側筐体82の天頂部には、不図示の停止ボタンが取り付けられている。停止ボタンは、コントローラ10に接続されており、周囲の者が停止ボタンを操作することで、コントローラ10に自律走行ロボット80を停止させる命令を入力することが可能になる。上側筐体82の上部後側には、手押しハンドル84が設けられている。作業者は、手押しハンドル84を操作して、自律走行ロボット80を手動で走行させることも可能である。
【0021】
筐体81の内部には、コントローラ10と、測距センサ(外界センサ)11と、内界センサ12と、メモリ13と、走行部14と、通信IF16とが収容されている。測距センサ11は、例えば、LiDAR(Light Detection and Ranging/Laser Imaging Detection and Ranging)であり、周囲に近赤外光や可視光を出射し、反射光を光センサで捉えることで、自装置周囲の物体の相対座標を含むスキャンデータを取得する。スキャンデータには、周囲の物体における計測点の2次元座標、測距センサ11の出射方向を示す情報とが関連づけて含まれている。これ以外にも、測距センサ11が、3次元方向に光を出射する構成であれば、スキャンデータには、計測点の3次元座標が含まれていてもよい。コントローラ10は、スキャンデータに含まれる各計測情報により自装置から周囲の物体までの相対距離や、複数の計測点の位置関係により物体の形状を判断することが可能である。
【0022】
スキャンデータに含まれる相対座標は、測距センサ11の位置を基準としたセンサ座標系の値であるため、後述する絶対座標とは異なる値である。センサ座標系は、自律走行ロボット80の進路方向を「xs」とし、進路方向と直交する横方向を「ys」とする座標系である。また、自律走行ロボット80の位置を基準としたロボット座標系は、センサ座標系と同様に相対座標であり、自律走行ロボット80の進路方向と横方向に加え、自律走行ロボット80の向きθが含まれる場合がある。
【0023】
下側筐体83の内部には、走行部14が収容されている。走行部14は、自律走行ロボット80の走行を可能にする部位であり、一組の車輪141A,141Bと、モータ142A,142Bと、モータドライバ143とを備えている。本実施形態では、走行部14による駆動方式として、差動二輪駆動を用いる。差動二輪駆動では、コントローラから入力された指令速度により、モータドライバ143を駆動し、モータ142A,142Bに駆動力を配分することで,車輪141A,141Bによる直進動作や旋回動作を行うことが可能である。なお、走行部14は、2つの車輪を有することに限定されず、2つ以上の車輪を有していてもよい。更には、走行部14は、クローラ等を備えていてもよい。
【0024】
内界センサ12は、車輪141A,141Bの回転角から、自律走行ロボット80の速度及び角速度を検出し、検出された速度及び角速度からオドメトリ情報を算出するセンサである。オドメトリ情報には、所定周期での走行部14の移動量や向きが含まれている。本実施形態では、車輪141A,141Bの回転角が、回転量の一例である。
【0025】
メモリ13は、揮発性メモリであり、地図作成プログラム32と、自律走行ロボット80により作成される地図データ30が記憶される。図3に示されるように、地図データ30は、2次元データであり、屋内に位置する、走路、壁、階段、その他の物体を示す点群と、この点群の絶対座標とが対応づけて記憶されている。以下では、地図データ30において点群で構成される物体に、記号「PD」を示し、後述するように、実際の領域での物体に、記号「P」を付すことで両者を区別する。地図データ30において、ハッチングが示されていない箇所は、自律走行ロボット80が走行可能な走路である。地図データ30には、各点群に関連付けて、物体の種別を識別するためのタグ情報や、自律走行ロボット80が守るべき走行速度が記憶されていてもよい。
【0026】
地図データ30には、ランドマークが含まれている。ランドマークは、後述する、コントローラ10により実行される自己位置推定で用いられる箇所である。ランドマークは、例えば、走路において十字路やT字路といった交差路を形成する角や、走路を間仕切る壁の先端である。図3では、ランドマークの一例として、2つの直進路が交わる角部PD3,PD4を示している。ランドマークは、走路において角部といった特徴を生じさせる場所とも言える。「特徴」は、走路の角や、壁の先端といった、形状の変化が生じている部位である。なお、図3で示す地図データ30では、地図データ30において、「PD1」は、自律走行ロボット80の充電スポットを示している。
【0027】
次にコントローラ10の構成を説明する。コントローラ10は、不図示のCPU、揮発性メモリを含んでいる。コントローラ10は、CPUが、メモリ13に記憶された地図作成プログラム32を実行することにより、計測データ処理部20、座標変換部21、自己位置推定部22、駆動制御部23としても機能する。なお、上述する各機能ブロックの一部が、コントローラ10が備えるハードウェアにより実現されていてもよい。
【0028】
計測データ処理部20は、測距センサ11により所定周期で出力されるスキャンデータをフィルタリングして、出力する。自己位置推定部22は、自律走行ロボット80の地図データ30上での絶対座標である自己位置Psを推定する自己位置推定処理を実行可能である。なお、自己位置推定部22による自己位置推定の詳細は後述する。座標変換部21は、計測データが示す相対座標を、自己位置推定部22により推定された自己位置を用いて地図データ上の値である絶対座標に変換する。駆動制御部23は、走行部14の駆動を制御する。
【0029】
地図データ30上での自己位置Psの推定方法を、図4図5図6を用いて説明する。まず、自己位置推定部22は、おおまかな、現在の自己位置Psを推定する。例えば、自律走行ロボット80が、充電スポットPD1から走行を開始する場合、地図データ30において充電スポットPD1の絶対座標を、現在の自己位置Psとする。上記以外にも、前回、地図データを作成した際に、地図データ30上での前回の作業終了位置を記憶している場合は、記憶された終了位置を、おおまかな現在の自己位置Psとして推定してもよい。
【0030】
自己位置推定部22は、走行部14による走行に応じて、自己位置Psを推定するための自己位置推定処理を実行する。自己位置推定部22が実行する自己位置推定処理では、オドメトリ情報を用いた自己位置推定と、スキャンマッチングを用いた自己位置推定とを併用して、自己位置推定を実行することができる。
【0031】
オドメトリ情報を用いた自己位置推定では、自己位置推定部22は、現在の自己位置Psに、内界センサ12から所定周期で出力されるオドメトリ情報を積算することで、現在の自己位置Psを推定する。
【0032】
スキャンマッチングを用いた自己位置推定では、異なる自己位置Psで取得された同一ランドマークLの相対座標をマッチングさせることで、自己位置を推定する。具体的には、自己位置推定部22は、走行部14を走行させながら、ランドマークLを測距センサ11で検出して、各自己位置PsにおけるランドマークLの相対座標を取得する。図4は、自己位置Psnと、周囲のランドマークLの相対座標との関係を説明する図である。図4では、自律走行ロボットの自己位置を、自己位置Ps1,Ps2,Ps3の順に変化させて、ランドマークL1,L2,L3,L4の相対座標qmnを取得する場面を例示している。なお、「n」は、自律走行ロボットの自己位置を示し、図4では、「n=1,2,3」である。「m」は、検出されたランドマークLを識別する識別子であり、図4では、「m=1,2,3,4」である。なお、図4では、各相対座標qを、自己位置Psを基準とするベクトルにより示している。
【0033】
図4の例では、自律走行ロボット80が自己位置Ps1にある場合、自己位置推定部22は、ランドマークL1の相対座標q1,1、及びランドマークL2の相対座標q2,1を取得する。自律走行ロボット80が自己位置Ps2にある場合、自己位置推定部22は、ランドマークL1の相対座標q1,2、ランドマークL3の相対座標q3,2、及びランドマークL4の相対座標q4,2を取得する。自律走行ロボット80が自己位置Ps3にある場合、自己位置推定部22は、ランドマークL3の相対座標q3,3、及びランドマークL4の相対座標q4,3を取得する。
【0034】
自己位置推定部22は、取得されたランドマークを含む周囲の物体の相対座標を、自己位置Psを用いて絶対座標に変換する。図5は、相対座標が含まれるセンサ座標系やロボット座標系と、絶対座標が含まれる地図座標系との関係を説明する図である。図5において、θは自律走行ロボット80の向きであり、センサ座標系は、絶対座標に対してθだけ回転した座標として示されている。また、センサ座標系とロボット座標系は、説明の便宜上、同一の座標系として扱う。そのため、図5に示す、現在の自己位置Ps、センサ座標系における物体の位置q、及び地図座標系における物体の位置q‘の各ベクトルの関係から、下記(式1)を用いて、相対座標を絶対座標に変換することができる。
q‘=R×q+Ps … (式1)
ここで、Rは、自律走行ロボット80の向きθを考慮した回転行列である。
【0035】
自己位置推定部22は、異なる自己位置Psにより算出された同一ランドマークLの絶対座標q‘をマッチングさせることにより、現在の自己位置を更新する。図6は、マッチングの概念を説明する図である。自己位置Ps1でのランドマークL1の絶対座標q’1,1と、自己位置Ps2でのランドマークL2の絶対座標q’1,2とは、理論的には同じ値になる。そのため、絶対座標q’1,1と、絶対座標q’1,2とが同じ値になるように、自己位置Ps2を調整することで、現在の自己位置Ps2を修正することが可能となる。以下、修正後の自己位置Ps2を用いて、ランドマークL3の絶対座標q’3,2と、ランドマークL3の絶対座標q’3,3に対しても同じ値になるように、自己位置Ps3を調整することができる。
【0036】
実際の自己位置推定では、複数のランドマークLに対して、上記(式1)を算出し、算出された式により連立方程式を算出する。そして、算出された連立方程式を周知の最小二乗法を用いて解くことで、修正された自己位置Psを算出することができる。以上が、自己位置推定の基本であるが、上記の説明以外にもさまざまな手法が考案されている。具体的な手法の例として、「slam_gmapping」がある。これにより、自己位置Psの推定と、ランドマークLの絶対座標の取得とを並列に実行することが可能である。
【0037】
次に、図7を用いて、自律走行ロボット80により地図データ30を作成させる地図データ作成方法を説明する。なお、図7に示す処理とは、別に、測距センサ11から出力されたスキャンデータは、所定周期で、計測データ処理部20に入力されており、計測データ処理部20は、入力されたスキャンデータを、例えばフィルタリング処理して出力しているものとする。
【0038】
ステップ10(以下、ステップを、「S」とも記載する。)では、作業者は、地図データの作成対象となる領域(以下、作成対象領域とも記載する。)のうち、特定走路である直進路に対して、配置物を配置する。図8は、図3で示す地図データ30に対応する作成対象領域40を示している。作成対象領域40において、破線で囲まれた領域が直進路P2である。直進路P2は、図3の地図データ30に含まれる直進路PD2に対応する領域である。本実施形態では、ステップS10が配置ステップの一例である。
【0039】
S10で配置される配置物Lpは、配置により直進路P2に対して、特徴を付加する立体物であればよい。本実施形態では、配置物Lpは、直方体形状の段ボールであるが、これ以外にも、発泡スチロールや、木材で形成された立体物であってもよい。
【0040】
本実施形態では、直進路P2における自律走行ロボット80の進路方向Aを規定した場合に、この進路方向Aと交差する方向を交差方向Bと規定している。S10の配置ステップでは、4つの配置物Lp1,Lp2,Lp3,Lp4を、直進路P2における交差方向Bの両縁部E1,E2において、進路方向Aに沿って、各縁部E1,E2よりも内側に出るように配置している。なお、交差方向Bにおいて、直進路P2における配置物Lp間の距離Wは、自律走行ロボット80が走行可能な距離となることが望ましい。例えば、配置物Lp間の距離Wは、自律走行ロボット80の幅寸法よりも大きな長さであるとよい。
【0041】
より具体的には、配置物Lp1、Lp2、Lp4は、直進路P2における一方の縁部E1で、進路方向Aに沿ってそれぞれ配置され、配置物Lp3は、他方の縁部E2に配置されている。直進路P2において、一方の縁部E1に配置されている配置物Lp1、Lp2、Lp4は、他方の縁部E2に配置されている配置物Lp3と比べて、進路方向Aでの位置が異なっている。これにより、直進路P2を上方から見た場合に、一方の縁部E1側での配置物Lp1、Lp2、Lp4を含んだ輪郭線の形状(縁部E1や配置物LP1、LP2、LP4において、直線路P2に面した部分を繋いだ形状)と、他方の縁部E2での配置物Lp3を含んだ輪郭線の形状(縁部E2や配置物LP3において、直線路P2に面した部分を繋いだ形状)とが、異なる形状になっている。
【0042】
なお、直進路P2に配置される配置物Lpの数は、上記の4つに限らず、その数は任意である。また、直進路P2における、一方の縁部E1のみに配置物Lpを配置するものであってもよい。更には、直進路P2に配置される配置物それぞれの形状が異なっていてもよく、その形状は、立方体形状に限らない。
【0043】
図7に戻り、S11では、自律走行ロボット80を作成対象領域40で走行させて、配置物Lpを含む物体の相対座標を取得させる。本実施形態では、ユーザが、情報処理装置90を操作して、自律走行ロボット80を、給電スポットP1から、作業終了位置Pendの間で、走路に沿って走行させる。このとき、自律走行ロボット80が直進路P2を走行する期間では、測距センサ11によりランドマークとなる配置物Lp1~Lp4を含んだ相対距離が検出される。本実施形態では、S11が、位置取得ステップの一例である。
【0044】
S12では、S11で取得された配置物Lpを含む物体における相対座標の絶対座標への変換と、変換された絶対座標を用いた自己位置推定とを繰り返す。物体の相対座標から、絶対座標を算出する手法は、上記(式1)を用いて説明した手法を用いればよい。自己位置推定部22は、図4図6を用いて説明した手法により、変換された絶対座標を用いた自己位置推定を行う。このとき、変換された絶対座標には、直進路の縁部E1,E2よりも内側に出る配置物Lpの座標が含まれているため、スキャンマッチングを用いた自己位置推定において、自己位置推定精度を高めることができる。本実施形態では、S12が変換ステップの一例である。
【0045】
S13では、S12で変換された配置物Lpを含む物体の絶対座標を、測距センサ11により検出された点群に関連付けてメモリ13に記憶することで、地図データ30の元となる元データ31を作成する。コントローラ10は、作成された元データ31をメモリ13に保存する。図9は、元データ31を説明する図である。元データ31において、直進路に対応する領域PD2には、S10で配置された配置物Lp1,Lp2,Lp3,Lp4に対応する点群である配置物LpD1,LpD2,LpD3,LpD4を含んでいる。本実施形態では、S13が元データ作成ステップの一例である。
【0046】
S14では、元データの作成完了条件が成立してなければ、S11に戻る。本実施形態では、ユーザが、自律走行ロボット80を、作業終了位置Pendまで走行させていなければ作成完了条件が終了していないとして(S14:NO)、S11に戻り、次の区間においてS11~S13の各ステップの実行を継続する。一方、元データの作成完了条件が成立していれば(S14:YES)、S15に進む。
【0047】
S15では、S13でメモリ13に保存された元データ31を情報処理装置90に送信し、情報処理装置90により、元データ31を加工することで地図データを作成する。具体的には、作業者は、情報処理装置90を操作することで、自律走行ロボット80のメモリ13に保存された元データ31を、通信IF16を介して内部メモリに保存する。作業者は、情報処理装置90を操作して、描画プログラム91を起動し、保存された元データ31に対して、配置物Lpの情報を削除する。このとき、削除された部分における縁部の途切れた箇所を、配置物Lpが非設置状態における縁部となるように、線で繋ぐことで縁部を形成するよう加工を行う。
【0048】
図10は、配置物LpD1~LpD4の情報が削除されることで完成した地図データ30を示している。図10で示すように、直線路PD2において、交差方向Bの両縁部E1,E2に位置していた配置物LpD1~LpD4の点群が削除されている。なお、配置物LpD1~LpD4の点群の削除に合わせて、関連付けられた絶対座標も削除されている。なお、情報処理装置90に保存された地図データ30は、再び、通信IF15を介して自律走行ロボット80のメモリ13に保存されてもよい。本実施形態では、S15が削除ステップ、及び送信ステップの一例である。
【0049】
図11は、比較例として、直進路P2に配置物Lpを配置しない作成対象領域40に基づいて地図データを作成する場合を示している。図11で示す比較例において、自律走行ロボット80が直進路P2を走行する期間では、自己位置推定部22は、直進路の縁部Eの絶対値をスキャンマッチングすることにより自己位置Psを推定しようとする。このとき、直進路P2において縁部Eは直線状に延びた形状であるため、スキャンマッチングを用いた自己位置推定を実行すると、同一物体での絶対座標qの位置合わせができず、自己位置Psの推定精度が低下する。また、オドメトリ情報を用いた自己位置推定を実行する場合、車輪141A,141Bのすべり等により、内界センサ12により算出されるオドメトリ情報に誤差が生じる場合がある。そのため、自律走行ロボット80が、自己位置Ps(t1)から自己位置Ps(t2)へ移動するに従い、自己位置Psに誤差が蓄積され、直進路P2を走行する期間において、自己位置Psの精度が低下することとなる。よって、この場合に作成された地図データ30の精度も低下する。
【0050】
本実施形態では、地図データを作成する際、自律走行ロボット80が直進路P2を走行する期間では、自己位置推定部22は、ランドマークとなる配置物Lp1~Lp4を含む絶対座標を用いて、スキャンマッチングを行う。これにより、自律走行ロボット80が、直進路P2を走行する期間において、自己位置Psの推定誤差を抑制することができ、直進路P2に配置物Lpを配置せずに地図データを作成した場合に比べて、作成される地図データ30の精度を向上することができる。
【0051】
配置ステップでは、配置物Lpを、直進路P2における交差方向Bの縁部Eにおいて、この縁部Eよりも内側に出るように配置する。これにより、縁部E側での配置物Lpを含む輪郭線に起伏を生じさせるため、地図データ30の精度を向上することができる。
【0052】
配置ステップでは、配置物Lpを、直進路P2における交差方向Bの両縁部E1,E2に配置し、直進路P2における交差方向Bの両縁部E1,E2のうち、一方の縁部E1に配置されている配置物Lpは、他方の縁部E2に配置されている配置物Lpと比べて、進路方向Aでの位置が異なっている。すなわち、配置物Lpは、直進路P2に対して非対称になるように配置されている。これにより、配置物Lpが直進路P2に対して対称になるように配置した場合、自律走行ロボット80の走行時における進路や向きによっては、自己位置推定の精度が低い状態で走行する可能性があり、作成された地図データ30の精度も低下する。配置物Lpを非対称にして走行させることにより、自己位置推定の精度が向上して、作成される地図データ30の精度を向上することができる。これにより、自律走行ロボット80を進路方向Aにそって、いずれの向きで走行させる場合でも、自己位置推定処理の推定精度の低下を抑制することができる。
【0053】
配置ステップでは、直進路P2に対して、配置物Lpを、進路方向Aに沿って配置する。上記構成では、直進路での自己位置の推定精度の低下を抑制し、直進路を含む地図データを精度よく作成することができる。
【0054】
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態と異なる構成を主に説明を行う。第2実施形態において第1実施形態と同一の箇所については同じ符号を付し、その説明を繰り返さない。本実施形態では、第1実施形態と比べて、特定走路は、十字路が複数並んだ走路である。
【0055】
図12は、作成対象領域40のうち、特定走路となる箇所を拡大して示している。図12では、特定走路P3は、十字路が連続して配置された領域である。特定走路P3は、4つの十字路が図中横方向(即ち、進路方向A)に並んだ形状となっている。具体的には、特定走路P3は、図中左端から順に、第1十字路P31、第2十字路P32、第3十字路P33、第4十字路P34が、並んで位置している。各十字路P31~P34をつなぐ領域は、直進路を形成している。
【0056】
本実施形態では、特定走路P3における自律走行ロボット80の進路方向Aを、十字路P31~P34が並ぶ方向と規定した場合に、この進路方向Aと交差する方向を交差方向Bと規定している。
【0057】
本実施形態では、S10の配置ステップにおいて、4つの配置物Lp11,Lp12,Lp13,Lp14を、特定走路P3における交差方向Bの縁部において、進路方向Aに沿って、この縁部よりも内側に出るように配置している。本実施形態においても、一方の縁部に配置されている配置物Lp11、Lp13は、他方の縁部に配置されている配置物Lp12、LP14と比べて、進路方向Aでの位置が異なっている。
【0058】
具体的には、第1十字路P31と第2十字路P32とをつなぐ直線路P35の縁部に配置物Lp11が配置され、第2十字路P32と第3十字路P33とをつなぐ直線路P36の縁部に配置物Lp12が配置されている。また、第3十字路P33の角部C1に配置物Lp13が配置され、第4十字路P34の角部C2に配置物Lp14が配置されている。これにより、特定走路P3を上方から見た場合に、進路方向Aに沿った、一方の縁側での輪郭線と、他方の縁側での輪郭線とは、異なる形状となっている。なお、配置物Lp13,Lp14は、十字路の角部にぴったりと配置されていることに限らず、角部から所定距離だけはなれた位置に配置されていてもよい。
【0059】
本実施形態においても、図7を用いて説明した地図作成方法を用いて、特定走路P3を含む作成対象領域に対して地図データ30を作成してく。具体的には、S11では、自律走行ロボット80を作成対象領域40で走行させて、配置物Lp11~Lp14を含む物体の相対座標を取得させる。S12では、S11で取得された配置物Lp11~Lp14を含む物体における相対座標の絶対座標への変換と、変換された絶対座標を用いた自己位置推定とを繰り返す。各十字路P31~P34間において、配置物Lpを含む輪郭線が異なっている。
【0060】
同じ走路形状の十字路が連続する特定走路P3では、自律走行ロボット80が特定走路P3を走行する期間で、各十字路P31~P34の角部の絶対値をスキャンマッチングすることにより自己位置Psを推定しようとする。このとき、配置物Lpが配置されていない状態では、各十字路P31~P34の輪郭線は同じ形状であるため、異なる十字路の点群をスキャンマッチングすることも想定され、自己位置Psの推定精度が低下する場合がある。なお、オドメトリ情報を用いた自己位置推定を実行する場合においても、第1実施形態で説明したのと同様の問題が生じる場合がある。
【0061】
本実施形態では、自律走行ロボット80が特定走路P3を走行する期間では、自己位置推定部22は、配置物Lp11~Lp14を含んだ絶対座標をスキャンマッチングする自己位置推定が行われる。これにより、自律走行ロボット80が、特定走路P3を走行する期間において、自己位置Psの誤差を抑制することができ、ひいては、地図データ30の精度を向上することができる。
【0062】
以上説明した本実施形態では、配置ステップにおいて、配置物Lpを、十字路における角部に配置する。これにより、十字路が複数並んだ走路を含む地図データを精度よく作成することができる。
【0063】
(第2実施形態の変形例)
上述の第2実施形態では、特定走路は、十字路が複数並んだ形状であった。これに代えて、特定走路は、T字路が複数並んだ走路形状であってもよい。図13で示す特定走路P4は、4つのT字路P41,P42,P43,P44が進路方向Aで並んだ走路形状である。本実施形態では、第1T字路P41と第2T字路P42とをつなぐ直線路P45に配置物Lp21が配置され、第2十字路P42と第3十字路P43とをつなぐ直線路P46に配置物Lp22が配置されている。また、第3T字路P43の角C3に配置物Lp23が配置され、第4T字路P44の角C4に配置物Lp24が配置されている。
【0064】
特定走路は、1つの十字路や、1つのT字路のみで構成されていてもよい。また、上述した十字路が連続して並ぶ構成において、いくつかの十字路をT字路に置換した形状であってもよい。
【0065】
(その他の実施形態)
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
自律走行ロボット80の形状は、図1に示す外観形状に限定されない。更に、自律走行ロボット80は、ディスプレイ15を備えていなくともよい。
【0066】
上述の実施形態では、地図データ作成装置は、自律走行ロボット80であった。これに代えて、作業者が自ら走行して地図データ作成装置に地図データを作成する構成や、自律走行ロボットとは別のロボット(自律走行しないロボットも含む)が走行することにより地図データを作成してもよい。作業者が自ら走行して地図データ作成装置に地図データを作成させる一例として、作業者が手動で地図データ作成装置を走行させることにより、地図データ作成装置に地図データを作成させてもよい。この場合において、地図データ作成装置は、駆動制御部23や、走行部14のモータドライバ143及びモータ142A,142Bを有していなくともよい。
【0067】
地図作成プログラム32、地図データ30、描画プログラム91、元データ31については、自律走行ロボット80と情報処理装置90のどちら側でも適宜記憶してもよい。例えば、地図作成プログラム32、地図データ30、描画プログラム91、元データ31を自律走行ロボット80に全て記憶してもよい。
【0068】
上述の実施形態では、自律走行ロボット80は、一つのコントローラ10のみを備える構成であった。これに限らず、自律走行ロボット80は、複数のコントローラを備え、各コントローラにより各機能を分担して実行するものであってもよい。
【符号の説明】
【0069】
10…コントローラ、11…測距センサ、12…内界センサ、13…メモリ、14…走行部、20…計測データ処理部、21…座標変換部、22…自己位置推定部、23…駆動制御部、80…自律走行ロボット、90…情報処理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13