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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063591
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】ストレッチャブルデバイス
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20240502BHJP
【FI】
H05K1/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171666
(22)【出願日】2022-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐野 匠
(72)【発明者】
【氏名】菱沼 賢智
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338AA12
5E338AA16
5E338CD15
5E338CD17
5E338CD24
5E338EE60
(57)【要約】
【課題】検出感度を向上させることが可能なストレッチャブルデバイスを提供する。
【解決手段】ストレッチャブルデバイスは、離隔して配置された複数の島状部と、複数の島状部を接続する複数の帯部とを含む樹脂基材と、帯部に設けられた第1ゲージ線と、第1ゲージ線のゲージ率よりも高いゲージ率を有する第2ゲージ線と、を有し、第1ゲージ線、及び、第2ゲージ線は、それぞれ帯部の延在方向に沿って延在するとともに、帯部の延在方向に沿って接続され、第2ゲージ線の、帯部の延在方向に沿った長さは、第1ゲージ線の、帯部の延在方向に沿った長さよりも短い。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
離隔して配置された複数の島状部と、複数の前記島状部を接続する複数の帯部とを含む樹脂基材と、
前記帯部に設けられた第1ゲージ線と、前記第1ゲージ線のゲージ率よりも高いゲージ率を有する第2ゲージ線と、を有し、
前記第1ゲージ線及び前記第2ゲージ線は、それぞれ前記帯部の延在方向に沿って延在するとともに、前記帯部の延在方向に沿って接続され、
前記第2ゲージ線の、前記帯部の延在方向に沿った長さは、前記第1ゲージ線の、前記帯部の延在方向に沿った長さよりも短い
ストレッチャブルデバイス。
【請求項2】
前記樹脂基材の前記帯部は、複数の湾曲部と、複数の前記湾曲部を接続する直線部とを含み、
複数の前記第1ゲージ線と、少なくとも1つの前記第2ゲージ線と、を有し、
複数の前記第1ゲージ線は、前記直線部及び前記湾曲部の一部に設けられ、
前記第2ゲージ線は、前記湾曲部の一部に設けられ、前記湾曲部の延在方向に沿って複数の前記第1ゲージ線の間に接続される
請求項1に記載のストレッチャブルデバイス。
【請求項3】
1つの前記湾曲部で、前記第2ゲージ線の長さは複数の前記第1ゲージ線の長さよりも短い
請求項2に記載のストレッチャブルデバイス。
【請求項4】
前記樹脂基材の前記帯部は、前記島状部に接続され前記島状部から直線状に延在する基部と、前記基部に接続された湾曲部と、を含み、
複数の前記第1ゲージ線と、少なくとも1つの前記第2ゲージ線と、を有し、
前記第1ゲージ線は、前記基部の一部及び前記湾曲部に設けられ、
前記第2ゲージ線は、前記基部の一部に設けられ、前記基部の延在方向に沿って複数の前記第1ゲージ線の間に接続される
請求項1に記載のストレッチャブルデバイス。
【請求項5】
1つの前記基部で、前記第2ゲージ線の長さは複数の前記第1ゲージ線の長さよりも短い
請求項4に記載のストレッチャブルデバイス。
【請求項6】
前記樹脂基材の前記帯部は、
第1湾曲部と、前記第1湾曲部に接続された直線部と、前記直線部に接続された第2湾曲部と、を含み、
前記第1湾曲部及び前記第2湾曲部は、それぞれ、前記帯部の延在方向に対し直交する幅方向の中央を境界として、内周側に配置される内周部と、外周側に配置される外周部と、に区分けされ、
前記第1湾曲部の前記内周部と、前記第2湾曲部の前記内周部とは、前記幅方向の中央に対して反対側に配置され、
前記第1ゲージ線及び前記第2ゲージ線は、前記第1湾曲部及び前記第2湾曲部で、前記内周部及び前記外周部の一方のみと重なって設けられる
請求項1に記載のストレッチャブルデバイス。
【請求項7】
前記第1ゲージ線は、前記第1湾曲部、前記直線部及び前記第2湾曲部の一部に亘って設けられ、
前記直線部で前記幅方向に延在し、前記第1湾曲部の前記第1ゲージ線と前記第2湾曲部の前記第1ゲージ線とを接続する交差部を有する
請求項6に記載のストレッチャブルデバイス。
【請求項8】
前記樹脂基材に積層される信号線を有し、
前記信号線は、前記帯部の延在方向に沿って設けられ、前記帯部の延在方向に対し直交する幅方向の中央に重なって配置され、
前記第1ゲージ線及び前記第2ゲージ線は、前記信号線の延在方向に沿って延在し、前記信号線と重なって設けられる
請求項1に記載のストレッチャブルデバイス。
【請求項9】
前記帯部の幅は、前記信号線の幅と等しい
請求項8に記載のストレッチャブルデバイス。
【請求項10】
前記第1ゲージ線は、第1ゲージ率を有する金属材料または合金で形成され、
前記第2ゲージ線は、前記第1ゲージ率よりも高い第2ゲージ率を有する半導体材料で形成される
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のストレッチャブルデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレッチャブルデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、島状部と、島状部と一体的に形成された複数の帯部とを有する絶縁基材と、有機絶縁層と、有機絶縁層の上に設けられ島状部に重なる電気素子と、を備えるストレッチャブルデバイス(特許文献1ではフレキシブル基板と記載されている)について開示されている。特許文献1に示すように、帯部は、蛇行したミアンダ形状となっている。例えば引張荷重がストレッチャブルデバイスに作用すると、帯部が伸長する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-118273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ストレッチャブルデバイスの帯部にゲージ線を設け、帯部のひずみ量を検出することが検討されている。このようなストレッチャブルデバイスでは、ひずみ量の検出感度を向上させることが要求される。
【0005】
本発明は、検出感度を向上させることが可能なストレッチャブルデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様のストレッチャブルデバイスは、離隔して配置された複数の島状部と、複数の前記島状部を接続する複数の帯部とを含む樹脂基材と、前記帯部に設けられた第1ゲージ線と、前記第1ゲージ線のゲージ率よりも高いゲージ率を有する第2ゲージ線と、を有し、前記第1ゲージ線及び前記第2ゲージ線は、それぞれ前記帯部の延在方向に沿って延在するとともに、前記帯部の延在方向に沿って接続され、前記第2ゲージ線の、前記帯部の延在方向に沿った長さは、前記第1ゲージ線の、前記帯部の延在方向に沿った長さよりも短い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態に係るストレッチャブルデバイスを模式的に示す斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係るストレッチャブルデバイスを模式的に示す平面図である。
図3図3は、図2のIII-III’断面図である。
図4図4は、図2のIV-IV’断面図である。
図5図5は、第1実施形態に係るストレッチャブルデバイスを示す回路図である。
図6図6は、第1実施形態に係る樹脂基材の島状部及び帯部を拡大して示す平面図である。
図7図7は、島状部が離れる方向に変形したときの、樹脂基材の島状部及び帯部を拡大して示す平面図である。
図8図8は、第1実施形態に係る樹脂基材、信号線及びゲージ線の構成を示す平面図である。
図9図9は、図8のIX-IX’断面図である。
図10図10は、図8のX-X’断面図である。
図11図11は、第2実施形態に係るストレッチャブルデバイスの、樹脂基材、信号線及びゲージ線の構成を示す平面図である。
図12図12は、図11のXII-XII’断面図である。
図13図13は、第3実施形態に係るストレッチャブルデバイスの、樹脂基材、信号線及びゲージ線の構成を示す平面図である。
図14図14は、図13のXIV-XIV’断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、本開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本開示と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
本明細書及び特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るストレッチャブルデバイスを模式的に示す斜視図である。図1に示すように、ストレッチャブルデバイス1は、樹脂基材10と、接続部6と、ゲート線駆動回路7と、信号線選択回路8と、基準電位供給配線9と、を含む。
【0011】
なお、以下の説明において、第1方向Dxは、樹脂基材10と平行な面内の一方向である。第2方向Dyは、樹脂基材10と平行な面内の一方向であり、第1方向Dxと直交する方向である。なお、第2方向Dyは、第1方向Dxと直交しないで交差してもよい。第3方向Dzは、第1方向Dx及び第2方向Dyと直交する方向であり、樹脂基材10の主面の法線方向である。また、「平面視」とは、樹脂基材10と垂直な方向から見た場合の位置関係をいう。なお、ストレッチャブルデバイス1の樹脂基材10は、伸縮性、可撓性を有する材料で変形可能に形成される。第1方向Dx、第2方向Dy及び第3方向Dzは、樹脂基材10が平坦に配置されたときの方向を示す。
【0012】
ストレッチャブルデバイス1は、樹脂基材10を基体として形成される。ストレッチャブルデバイス1は、検出領域AAと、周辺領域GAとを有する。検出領域AAは、ストレッチャブルデバイス1のひずみ量を検出可能な領域である。具体的には、検出領域AAは、複数のゲージ線35(図2参照)及び複数のトランジスタTr(図2参照)が設けられた領域である。周辺領域GAは、検出領域AAの外周と、樹脂基材10外縁部との間の領域であり、複数のゲージ線35が設けられない領域である。接続部6、ゲート線駆動回路7、信号線選択回路8及び基準電位供給配線9は、周辺領域GAに設けられる。
【0013】
接続部6は、ストレッチャブルデバイス1の外部に配置された駆動IC(Integrated Circuit)と電気的に接続される。駆動ICは、接続部6に接続される図示しない配線基板(フレキシブルプリント基板やリジット基板)の上に実装されてもよい。または、駆動ICは、第1樹脂層60(図3参照)の周辺領域GAに実装されてもよい。
【0014】
ゲート線駆動回路7は、駆動ICからの各種制御信号に基づいて複数のゲート線GL(図2参照)を駆動する回路である。ゲート線駆動回路7は、複数のゲート線GLを順次又は同時に選択し、選択したゲート線GLにゲート駆動信号を供給する。信号線選択回路8は、複数の信号線SL(図2参照)を順次又は同時に選択するスイッチ回路である。信号線選択回路8は、例えばマルチプレクサである。信号線選択回路8は、駆動ICから供給される選択信号に基づき、選択された信号線SLと、駆動ICとを接続する。
【0015】
基準電位供給配線9は、ストレッチャブルデバイス1に基準電位を供給するための配線であり、周辺領域GAに沿って延在している。基準電位供給配線9は、接続部6を介して駆動ICに接続される。
【0016】
図2は、第1実施形態に係るストレッチャブルデバイスを模式的に示す平面図である。なお、図2において樹脂基材10を見やすくするため、樹脂基材10にハッチングを施している。樹脂基材10は、第1樹脂層60の上側の面に設けられている。樹脂基材10は、伸縮性、可撓性及び絶縁性を有している。樹脂基材10は、例えばポリイミドなどの樹脂材料で形成される。
【0017】
樹脂基材10は、離隔して配置された複数の島状部11と、複数の島状部11を接続する複数の帯部12とを含む。より具体的には、複数の島状部11はマトリクス状に配置される。複数の島状部11は、それぞれ、平面視で四角形状(正方形状)となっている。島状部11の4つの角部が第1方向Dxと第2方向Dyを指すように配置されている。この島状部11には、トランジスタTrを含むアレイ層30が積層される(図3参照)。なお、島状部11は、四角形状に限定されず、円形状や他の多角形状であってもよい。
【0018】
帯部12は、第1方向Dxに延在するする第1帯部12aと、第2方向Dyに延在する第2帯部12bと、を含む。第1帯部12aは、第1方向Dxに隣り合う複数の島状部11を接続する。第2帯部12bは、第2方向Dyに隣り合う複数の島状部11を接続する。第1帯部12a及び第2帯部12bは、それぞれミアンダ状に形成される。第1帯部12a及び第2帯部12bのそれぞれの幅(第1帯部12a及び第2帯部12bの延在方向と直交する方向の長さ)は、複数の島状部11の幅よりも小さい。
【0019】
第1帯部12aには、ゲート線GL及びゲージ線35が設けられる。ゲート線GL及びゲージ線35は、第1帯部12aの延在方向に沿って設けられる。第2帯部12bには、信号線SL、駆動電源線PL及びゲージ線35が設けられる。信号線SL、駆動電源線PL及びゲージ線35は、第2帯部12bの延在方向に沿って設けられる。ゲージ線35は、ひずみ量に応じて抵抗値が変化するひずみゲージ(ひずみ検出素子)である。ゲージ線35の構成については、図8以下で後述する。
【0020】
ゲート線GLは、複数の島状部11と複数の第1帯部12aとに跨っている。これにより、ゲート線GLは、検出領域AA内の第1方向Dxの一端から他端まで連続して延在する。ゲート線GLの一端は、ゲート線駆動回路7(図1参照)に接続される。
【0021】
信号線SL及び駆動電源線PLは、複数の島状部11と複数の第2帯部12bとに跨っている。これにより、信号線SL及び駆動電源線PLは、検出領域AA内の第2方向Dyの一端から他端まで連続して延在する。信号線SL及び駆動電源線PLは、駆動ICと電気的に接続される。
【0022】
なお、以下の説明において、第1帯部12aと第2帯部12bとを区別して説明する必要が無い場合には単に帯部12と表す。図2では、図面を見やすくするために、ゲート線GL、信号線SL、駆動電源線PL及びゲージ線35の一部を示しているが、ゲート線GL及びゲージ線35は各行の帯部12(第1帯部12a)にそれぞれ設けられ、信号線SL、駆動電源線PL及びゲージ線35は各列の帯部12(第2帯部12b)にそれぞれ設けられる。なお、帯部12の詳細な構成については図6以下で後述する。
【0023】
島状部11と帯部12とで囲まれた領域には、樹脂基材10を第3方向Dzに貫通する開口部19が形成される。樹脂基材10には、複数の開口部19が設けられている。
【0024】
図3は、図2のIII-III’断面図である。図3に示すように、ストレッチャブルデバイス1は、裏面1bを有する第1樹脂層60と、表面1aを有する第2樹脂層70と、第1樹脂層60と第2樹脂層70との間に挟まれた樹脂基材10及びアレイ層30と、を備えている。樹脂基材10及びアレイ層30は、第1樹脂層60の裏面1bの反対面に、樹脂基材10、アレイ層30の順で積層されている。アレイ層30は、帯部12のひずみ量を検出するための各種構成を含んでいる。アレイ層30は、トランジスタTr等の各種回路、及び、ゲージ線35、ゲート線GL、信号線SL、駆動電源線PL等の各種配線が設けられる。
【0025】
第1樹脂層60及び第2樹脂層70は、樹脂材料により形成され、伸縮性及び可撓性を有している。樹脂材料としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂が挙げられるが、本開示はこれらに限定されない。以下の説明において、上側又は上方とは、第3方向Dzの一方向であり、第1樹脂層60から第2樹脂層70が配置されている方向を指す。また、下側又は下方とは、第3方向Dzの他方向であり、第2樹脂層70から第1樹脂層60が配置されている方向を指す。
【0026】
樹脂基材10の開口部19と重なる領域には、アレイ層30が積層されない。開口部19は、第2樹脂層70により埋められている。このため、ストレッチャブルデバイス1は、開口部19と重なる範囲の剛性が低く、伸縮性や屈曲性(ストレッチャブル性)を備える。そして、ストレッチャブルデバイス1に荷重が作用すると、開口部19に対し第1方向Dx又は第2方向Dyに重なる帯部12が変形する。よって、島状部11の変形が小さく、島状部11に積層される機能素子(本実施形態ではトランジスタTr)の破損が抑制される。なお、本実施形態では、開口部19は、第2樹脂層70により埋められているが、第1樹脂層60により埋められてもよく、若しくは、第1樹脂層60と第2樹脂層70により埋められていてもよい。
【0027】
図4は、図2のIV-IV’断面図である。図4に示すように、樹脂基材10の上方に絶縁層41、絶縁層41a、絶縁層42、絶縁層43、絶縁層44、絶縁層45及び絶縁層46の順に積層される。絶縁層41、絶縁層41a、絶縁層42、絶縁層43、絶縁層44、絶縁層45、及び絶縁層46は、例えばシリコン酸化膜であり、トランジスタTrや各種配線(ゲート線GL、信号線SL、駆動電源線PL及びゲージ線35)を覆っている。
【0028】
トランジスタTrは、樹脂基材10の島状部11に設けられる。トランジスタTrは、半導体層51と、ソース電極52と、ドレイン電極53と、ゲート電極54と、を備えている。半導体層51は、絶縁層41の上に設けられる。絶縁層41aは、半導体層51を覆って絶縁層41の上に設けられる。
【0029】
ゲート電極54は、絶縁層41aの上に設けられる。絶縁層42は、ゲート電極54を覆って絶縁層41aの上に設けられる。ソース電極52は、絶縁層42の上に設けられ、コンタクト層51bを介して半導体層51と接続される。絶縁層43は、ソース電極52を覆って絶縁層42の上に設けられる。ドレイン電極53は、絶縁層43の上に設けられ、コンタクト層51aを介して半導体層51と接続される。
【0030】
ゲージ線35は、絶縁層42上に設けられる。ゲージ線35は、島状部11上の絶縁層42と、第2帯部12bの絶縁層42と、に跨って積層され、平面方向(第2方向Dy)に連続している。ゲージ線35は、トランジスタTrのソース電極52と同層に設けられる。ゲージ線35の一端はソース電極52に電気的に接続される。なお、ゲージ線35の他端は、コンタクト層51dを介して、信号線SLと接続される。
【0031】
駆動電源線PLは、ゲージ線35に所定の駆動電源電位を供給するための配線である。図4に示すように、駆動電源線PLは、ドレイン電極53と同層に、絶縁層43上に設けられる。駆動電源線PLは、島状部11上の絶縁層43と、第2帯部12b上の絶縁層43とに跨って積層され、平面方向(第2方向Dy)に連続している。
【0032】
信号線SLは、絶縁層44上に設けられる。信号線SLは、島状部11上の絶縁層44と、第2帯部12b上の絶縁層44とに跨って積層され、平面方向(第2方向Dy)に連続している。信号線SLは、コンタクト層51d及びゲージ線35を介してトランジスタTrのソース電極52と接続される。
【0033】
ゲート線GLは、絶縁層45上に設けられる。ゲート線GLは、島状部11上の絶縁層45と、第1帯部12a上の絶縁層45とに跨って積層され、平面方向(第1方向Dx)に連続している。ゲート線GLは、コンタクト層51cを介してトランジスタTrのゲート電極54と接続される。
【0034】
図5は、第1実施形態に係るストレッチャブルデバイスを示す回路図である。図5に示すように、トランジスタTrのゲートはゲート線GLに接続される。トランジスタTrのドレインは駆動電源線PLに接続される。トランジスタTrのソースはゲージ線35を介して信号線SLに接続される。
【0035】
ゲート線駆動回路7によりゲート線GLが走査されると、トランジスタTrがON(導通状態)となる。この結果、駆動電源線PLとゲージ線35とが電気的に接続され、駆動電源線PLからゲージ線35に駆動電源電位が供給される。信号線SLには、ゲージ線35の抵抗値に応じた検出信号(電流)が流れる。そして、信号線SLの検出信号(電流)は、駆動ICに出力される。
【0036】
ここで、帯部12が変形していると(ゲージ線35にひずみが生じていると)、ゲージ線35の抵抗値が変化する。つまり、ゲージ線35にひずみが発生している場合と発生していない場合では、信号線SLから出力される検出信号の値が異なる。駆動ICは、信号線SLからの検出信号の変化量に基づいてゲージ線35のひずみ量を検出する。
【0037】
次に帯部12の構成について説明する。図6は、第1実施形態に係る樹脂基材の島状部及び帯部を拡大して示す平面図である。図7は、島状部が離れる方向に変形したときの、樹脂基材の島状部及び帯部を拡大して示す平面図である。
【0038】
以下の説明では、第2帯部12bについて説明する。ただし、第2帯部12bを90°回転させると第1帯部12aと同一形状となるため、第2帯部12bについての説明は、第1帯部12aにも適用できる。
【0039】
図6に示すように、帯部12の幅方向の長さWは、帯部12の延在方向に沿って一定となっている。また、帯部12は、2つの島状部11の間を蛇行して、全体として第2方向Dyに延在している。
【0040】
帯部12は、第2方向Dyで離隔して配置された第1島状部11aと第2島状部11bとの間に配置される。帯部12は、2つの基部21と、2つの基部21の間に配置された複数の湾曲部22と、複数の湾曲部22を接続する直線部23と、を含む。2つの基部21は、それぞれ島状部11に接続され、島状部11から直線状に延在する。複数の湾曲部22はそれぞれ円弧状に湾曲している。複数の直線部23は、湾曲部22よりも曲率が小さい部分であり、2つの湾曲部22の間で実質的に直線状に形成される部分を示す。
【0041】
より詳細には、帯部12は、第1島状部11aから第2島状部11bに向かって、第1基部21a、第1湾曲部22a、第1直線部23a、第2湾曲部22b、第2直線部23b、第3湾曲部22c、第3直線部23c、第4湾曲部22d、第2基部21bの順に接続される。
【0042】
以下の説明では、第1島状部11a及び第2島状部11bを区別して説明する必要が無い場合には、単に島状部11と表す。また、第1基部21a及び第2基部21bを区別して説明する必要が無い場合には、単に基部21と表す。また、第1湾曲部22a、第2湾曲部22b、第3湾曲部22c及び第4湾曲部22dを区別して説明する必要が無い場合には、単に湾曲部22と表す。また、第1直線部23a、第2直線部23b及び第3直線部23cを区別して説明する必要が無い場合には、単に直線部23と表す。
【0043】
第1基部21aは、第2方向Dyに延在する直線状に形成され、一端側が第1島状部11aに接続され、他端側が第1湾曲部22aに接続される。第1湾曲部22aは、四分円状を成し、約90度湾曲する。第1湾曲部22aは、第1基部21aに対し第1方向Dxの他方(図6左側)に湾曲する。第1直線部23aは、第1湾曲部22aと第2湾曲部22bとを接続する。第2湾曲部22bは、半円弧状を成し、約180度湾曲する。第2直線部23bは、第2湾曲部22bと第3湾曲部22cとを接続する。
【0044】
第3湾曲部22cは、半円弧状を成し、第2湾曲部22bと反対側に約180度湾曲する。第3直線部23cは、第3湾曲部22cと第4湾曲部22dとを接続する。第4湾曲部22dは、四分円状を成し、約90度湾曲する。第4湾曲部22dは、第2基部21bに対し第1方向Dxの一方(図6右側)に湾曲する。第1湾曲部22aと第4湾曲部22dとは湾曲する方向が反対となっている。第2基部21bは、第2方向Dyに延在する直線状に形成され、一端側が第4湾曲部22dに接続され、他端側が第2島状部11bに接続される。
【0045】
ここで図6図7に示す仮想中心線Kは、帯部12の延在方向に対して直交する幅方向の中央を通過する仮想線である。複数の湾曲部22は、それぞれ仮想中心線Kを境界として、内側(内周側)に配置される内周部IAと、外側(外周側)に配置される外周部OAとに区分けされる。なお、図6図7では、内周部IA及び外周部OAについて模式的に楕円形で囲んで示している。ただし、複数の湾曲部22のそれぞれで、仮想中心線Kよりも内周側の全てが内周部IAであり、仮想中心線Kよりも外周側の全てが外周部OAである。よって、楕円で囲まれた範囲は、内周部IA又は外周部OAの一部である。第1湾曲部22aの内周部IAと、第2湾曲部22bの内周部IAとは、幅方向の中央の仮想中心線Kに対して反対側に配置される。また、第2湾曲部22bの内周部IAと、第3湾曲部22cの内周部IAは、幅方向の中央の仮想中心線Kに対して反対側に配置される。また、第3湾曲部22cの内周部IAと、第4湾曲部22dの内周部IAは、幅方向の中央の仮想中心線Kに対して反対側に配置される。
【0046】
例えば、図7に示すように、ストレッチャブルデバイス1が矢印Fの方向(第2方向Dy)に引っ張られると、帯部12が第2方向Dyに伸長する。つまり、各湾曲部22の一端側と他端側とが開くように変形し、帯部12の第2方向Dyの長さが長くなる。言い換えると第1島状部11aと第2島状部11bとの第2方向Dyでの距離が大きくなる。
【0047】
この場合、各湾曲部22の内周部IA及び外周部OAでは、それぞれ異なる応力が作用する。第1湾曲部22a、第2湾曲部22b、第3湾曲部22c及び第4湾曲部22dのそれぞれの内周部IAには、引張応力が生じる。第1湾曲部22a、第2湾曲部22b、第3湾曲部22c及び第4湾曲部22dのそれぞれの外周部OAには圧縮応力が生じる。
【0048】
また、第1直線部23a、第2直線部23b及び第3直線部23cは、それぞれの両端に湾曲部22が接続されている。この結果、第1直線部23a、第2直線部23b及び第3直線部23cは、湾曲部22に比べてひずみ量が少ない。
【0049】
上述したように第1基部21aは、一端側が第1島状部11aに接続され、他端側が第1湾曲部22aに接続される。第2基部21bは、一端側が第4湾曲部22dに接続され、他端側が第2島状部11bに接続される。すなわち、第1基部21a及び第2基部21bは、それぞれ、湾曲部22に比べて変形しにくい島状部11に接続される。したがって、帯部12が第2方向Dyに伸長したときに、第1基部21a及び第2基部21bは、直線部23に比べてひずみ量が大きい。
【0050】
なお、図7では、ストレッチャブルデバイス1に第2方向Dyに伸長荷重が作用した場合を例に挙げて説明したが、ストレッチャブルデバイス1に第2方向Dyに圧縮荷重が作用した場合、各湾曲部22の内周部IAには圧縮応力が生じ、各湾曲部22の外周部OAには引張応力が生じる。
【0051】
次に、ゲージ線35の詳細な構成について説明する。図8は、第1実施形態に係る樹脂基材、信号線及びゲージ線の構成を示す平面図である。図8に示すように帯部12(第1帯部12a)にはゲージ線35及び信号線SLが設けられる。信号線SLは、帯部12の延在方向に沿って延在し、複数の基部21、複数の湾曲部22及び複数の直線部23に亘って設けられる。信号線SLは、帯部12の幅方向の中央部を通っている。つまり、平面視で、信号線SLは仮想中心線Kと重なっている。
【0052】
ゲージ線35は、第1ゲージ線36と、第2ゲージ線37とを有する。第2ゲージ線37のゲージ率は、第1ゲージ線36のゲージ率よりも高い。具体的には、第1ゲージ線36は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)等の金属材料、または銅ニッケル合金(Cu-Ni)等の合金で形成される。これらの金属材料または合金で形成された第1ゲージ線36の第1ゲージ率は、2.0程度である。第2ゲージ線37は、ポリシリコン(p-Si)等の半導体材料で形成される。第2ゲージ線37の第2ゲージ率は、第1ゲージ率の100倍程度、すなわち200程度である。
【0053】
なお、ゲージ率とは、ゲージ線35(第1ゲージ線36及び第2ゲージ線37)に用いられる材料によって規定される定数である。ゲージ線35のひずみ量を一定としたときに抵抗値の変化量はゲージ率に比例する。すなわち、第2ゲージ線37は、第1ゲージ線36に比べて良好な検出感度を有する。
【0054】
第1ゲージ線36、及び、第2ゲージ線37は、それぞれ帯部12の延在方向に沿って延在するとともに、帯部12の延在方向に沿って接続される。言い換えると、第1ゲージ線36は、第2ゲージ線37が設けられた箇所で複数に分離して配置される。第1ゲージ線36、及び、第2ゲージ線37は、全体として帯部12の延在方向に沿ってミアンダ状に形成される。
【0055】
より具体的には、第1ゲージ線36は、第1島状部11aから第2島状部11bに向かって、第1基部21aの一部、第1湾曲部22a、第1直線部23a、第2湾曲部22bの一部、第2直線部23b、第3湾曲部22cの一部、第3直線部23c、第4湾曲部22d、及び、第2基部21bの一部に設けられる。
【0056】
第2ゲージ線37は、第1基部21aの一部、第2湾曲部22bの一部、第3湾曲部22cの一部、及び、第2基部21bの一部に設けられる。第1基部21a及び第2基部21bで、第2ゲージ線37は、第1基部21a及び第2基部21bの延在方向に沿って、複数の第1ゲージ線36の間に接続される。また、第2湾曲部22b及び第3湾曲部22cで、第2ゲージ線37は、第2湾曲部22b及び第3湾曲部22cの延在方向に沿って複数の第1ゲージ線36の間に接続される。
【0057】
図9は、図8のIX-IX’断面図である。図10は、図8のX-X’断面図である。図9及び図10に示すように、帯部12の上に絶縁層46が設けられている。絶縁層46の上に信号線SLが積層されている。信号線SL及び帯部12を覆って絶縁層47が設けられる。絶縁層47の上に、第1ゲージ線36(ゲージ線35)が設けられる。また、第1ゲージ線36(ゲージ線35)及び絶縁層47を覆って絶縁層48が設けられている。絶縁層46、47、48の材料は、特に限定されないが、柔軟性が高いポリイミド等が好ましい。
【0058】
図9に示すように、第2方向Dyの一方側に配置された第1ゲージ線36は、第2ゲージ線37の一方の端部と重なって配置される。また、第2方向Dyの他方側に配置された第1ゲージ線36は、第2ゲージ線37の他方の端部と重なって配置される。このような構成で、2つの第1ゲージ線36と第2ゲージ線37とが電気的に接続される。
【0059】
図10に示すように、信号線SLは、帯部12の幅方向の中央部を通っている。つまり、平面視で、信号線SLが仮想中心線Kと重なっている。また、第1ゲージ線36(ゲージ線35)は、仮想中心線Kと重ならない位置に設けられる。このような構成により、帯部12の伸縮時、信号線SLに発生するひずみ量は、ゲージ線35に発生するひずみ量に比べて小さい。
【0060】
図8に示すように、1つの帯部12で、第2ゲージ線37の、帯部12の延在方向での長さ(複数の第2ゲージ線37の合計長さ)は、第1ゲージ線36の、帯部12の延在方向での長さ(複数の第1ゲージ線36の合計長さ)よりも短い。また、1つの基部21で、第2ゲージ線37の長さは複数の第1ゲージ線36(複数の第1ゲージ線36の合計長さ)の長さよりも短い。同様に、1つの湾曲部22で、第2ゲージ線37の長さは複数の第1ゲージ線36の長さ(複数の第1ゲージ線36の合計長さ)よりも短い。
【0061】
以上説明したように、ストレッチャブルデバイス1は、第1ゲージ線36と、第1ゲージ線36よりも大きいゲージ率を有する第2ゲージ線37と、を有しているので、第1ゲージ線36のみを用いた場合に比べて検出感度を向上させることができる。
【0062】
より具体的には、第2ゲージ線37は、第1ゲージ線36よりも大きいゲージ率を有しており、帯部12のうち、ストレッチャブルデバイス1が変形したときのひずみ量が大きい基部21及び湾曲部22に設けられる。これにより、ストレッチャブルデバイス1は、基部21及び湾曲部22でのひずみ量を良好に検出することができる。また、第2ゲージ線37は、帯部12のうち、ストレッチャブルデバイス1が変形したときのひずみ量が小さい直線部23には設けられない。
【0063】
これにより、ストレッチャブルデバイス1は、ひずみ量が大きい基部21及び湾曲部22では大きいゲージ率を有する第2ゲージ線37によりひずみ量を検出し、ひずみ量が小さい直線部23では第1ゲージ線36によりひずみ量を検出する。したがって、本実施形態では、帯部12のうちひずみ量が大きい基部21及び湾曲部22での検出感度を向上させることで、帯部12全体での検出感度を向上させることができる。
【0064】
また、第2ゲージ線37の長さは複数の第1ゲージ線36の長さよりも短いので、半導体材料で形成された第2ゲージ線37の断線を抑制しつつ、効果的に検出感度を向上させることができる。
【0065】
また、図8に示すように、第1ゲージ線36及び第2ゲージ線37は、第1湾曲部22a、第2湾曲部22b、第3湾曲部22c及び第4湾曲部22dで、内周部IAのみと重なって設けられる。言い換えると、第1ゲージ線36及び第2ゲージ線37は、第1湾曲部22a、第2湾曲部22b、第3湾曲部22c及び第4湾曲部22dで、外周部OAには設けられない。
【0066】
また、第1ゲージ線36は、直線部23で、仮想中心線Kを跨ぐように幅方向に延在する交差部36a、36d、36gを有する。
【0067】
より詳細には、第1基部21aで、第1ゲージ線36及び第2ゲージ線37は、仮想中心線Kよりも第1方向Dxの他方側(図8左側)に設けられ、第2方向Dyに延在する。第1湾曲部22aで、第1ゲージ線36は内周部IAに設けられ第1湾曲部22aに沿って湾曲する。第1直線部23aで、第1ゲージ線36の交差部36aは、幅方向に延在し、第1湾曲部22aの内周部IAの第1ゲージ線36と、第2湾曲部22bの内周部IAの第1ゲージ線36とを接続する。
【0068】
交差部36aと、第1湾曲部22aの内周部IAの第1ゲージ線36との間に接続される接続部36bは、円弧状に湾曲して形成される。また、交差部36aと、第2湾曲部22bの内周部IAの第1ゲージ線36との間に接続される接続部36cは、円弧状に湾曲して形成される。これにより、帯部12の伸縮時に、交差部36a及び接続部36b、36cに応力が集中することを抑制でき、第1ゲージ線36の断線を抑制することができる。
【0069】
第2湾曲部22bで、第1ゲージ線36及び第2ゲージ線37は内周部IAに設けられ、第2湾曲部22bに沿って湾曲する。第2直線部23bで、第1ゲージ線36の交差部36dは、幅方向に延在し、第2湾曲部22bの内周部IAの第1ゲージ線36と、第3湾曲部22cの内周部IAの第1ゲージ線36とを接続する。
【0070】
交差部36dと、第2湾曲部22bの内周部IAの第1ゲージ線36との間に接続される接続部36fは、屈曲する角部を有して形成される。また、交差部36dと、第3湾曲部22cの内周部IAの第1ゲージ線36との間に接続される接続部36eは、屈曲する角部を有して形成される。なお、第2直線部23bにおいて、接続部36e、36fは円弧状に湾曲してもよい。
【0071】
第3湾曲部22cで、第1ゲージ線36及び第2ゲージ線37は内周部IAに設けられ、第3湾曲部22cに沿って湾曲する。第3直線部23cで、第1ゲージ線36の交差部36gは、幅方向に延在し、第3湾曲部22cの内周部IAの第1ゲージ線36と、第4湾曲部22dの内周部IAの第1ゲージ線36とを接続する。
【0072】
第4湾曲部22dで、第1ゲージ線36は内周部IAに設けられ第4湾曲部22dに沿って湾曲する。第2基部21bで、第1ゲージ線36及び第2ゲージ線37は、仮想中心線Kよりも第1方向Dxの一方側(図8右側)に設けられ、第2方向Dyに延在する。第2基部21bの第1ゲージ線36は、第4湾曲部22dの内周部IAの第1ゲージ線36と接続される。
【0073】
このような構成により、帯部12の伸縮時、複数の湾曲部22で、第1ゲージ線36及び第2ゲージ線37に対し引張応力及び圧縮応力のいずれか一方のみが生じることとなる。すなわち、本実施形態では、第1ゲージ線36及び第2ゲージ線37に対し引張応力と圧縮応力の両方が生じることが回避される。この結果、帯部12に作用するひずみ量を正確に検出することができる。なお、第1ゲージ線36及び第2ゲージ線37は、各湾曲部22の内周部IAのみに設けられる構成を示した。ただしこれに限定されず、第1ゲージ線36及び第2ゲージ線37は、各湾曲部22の外周部OAのみに設けられる構成であってもよい。
【0074】
図8から図10に示す帯部12、ゲージ線35及び信号線SLの構成はあくまで一例であり、適宜変更することができる。例えば、1つの帯部12に4つの第2ゲージ線37が設けられている。ただし、これに限定されず、1つの帯部12に少なくとも1つの第2ゲージ線37が設けられていればよい。第2ゲージ線37は、1つの帯部12で2つ、3つ、または5つ以上設けられていてもよい。1つの帯部12は、4つの湾曲部22を有しているが、3つの湾曲部22、あるいは5つ以上の湾曲部22を有していてもよい。ゲージ線35(第1ゲージ線36及び第2ゲージ線37)の構成は、帯部12の構成に応じて適切に変更できる。
【0075】
(第2実施形態)
図11は、第2実施形態に係るストレッチャブルデバイスの、樹脂基材、信号線及びゲージ線の構成を示す平面図である。図12は、図11のXII-XII’断面図である。なお、以下の説明では、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0076】
図11及び図12に示すように、ストレッチャブルデバイス1Aは、第1実施形態と同様に、第1ゲージ線36と、第1ゲージ線36よりも大きいゲージ率を有する第2ゲージ線37と、を有する。また、第2ゲージ線37は、ひずみ量の大きい基部21の一部及び湾曲部22の一部に設けられる。これにより、第1ゲージ線36及び第2ゲージ線37の配線の自由度を向上させることができる。
【0077】
第2実施形態に係るストレッチャブルデバイス1Aにおいて、第1ゲージ線36及び第2ゲージ線37は、信号線SLの延在方向に沿って延在し、信号線SLと重なって設けられる。信号線SL、第1ゲージ線36及び第2ゲージ線37は、帯部12の延在方向に沿って設けられ、帯部12の延在方向に対し直交する幅方向の中央(仮想中心線K)に重なって配置される。これにより、第2実施形態では、帯部12の狭幅化を図るとともに、検出感度を向上させることができる。
【0078】
本実施形態では、第1ゲージ線36及び第2ゲージ線37は、交差部36a、36d、36g(図8参照)を有さないので、帯部12の狭幅化を図ることができる。また、第1ゲージ線36及び第2ゲージ線37は、第1湾曲部22a、第1直線部23a、第2湾曲部22b、第2直線部23b、第3湾曲部22c、第3直線部23c及び第4湾曲部22dに亘って、屈曲部や角部を有さず滑らかに接続されるので、意図しないひずみの発生や応力の集中を抑制することができる。
【0079】
(第3実施形態)
図13は、第3実施形態に係るストレッチャブルデバイスの、樹脂基材、信号線及びゲージ線の構成を示す平面図である。図14は、図13のXIV-XIV’断面図である。
【0080】
図13及び図14に示すように、第3実施形態に係るストレッチャブルデバイス1Bにおいて、帯部12の幅は、信号線SL、第1ゲージ線36及び第2ゲージ線37の幅と等しい。これによれば、第3実施形態では、上述した第2実施形態に比べてさらに帯部12の狭幅化を図ることができる。
【0081】
第1ゲージ線36及び第2ゲージ線37は、信号線SLと同じ幅を有している。ただし、第1ゲージ線36及び第2ゲージ線37は、信号線SLと異なる幅を有していてもよい。すなわち、帯部12には第1ゲージ線36よりも高いゲージ率を有する第2ゲージ線37が設けられているので、第1ゲージ線36及び第2ゲージ線37の配線の自由度を向上させることができる。例えば、第1ゲージ線36のみで構成された場合に比べて、第1ゲージ線36及び第2ゲージ線37の幅を小さくすることができる。この場合、帯部12の幅は、信号線SLの幅と等しく、第1ゲージ線36及び第2ゲージ線37の幅よりも大きく形成される。
【0082】
なお、第1実施形態及び第2実施形態のストレッチャブルデバイス1、1Aにおいても、第1ゲージ線36及び第2ゲージ線37が、信号線SLと異なる幅を有する構成を適用することができる。
【0083】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。上述した各実施形態及び各変形例の要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0084】
1、1A、1B ストレッチャブルデバイス
10 樹脂基材
11 島状部
12 帯部
19 開口部
21 基部
22 湾曲部
23 直線部
35 ゲージ線
36 第1ゲージ線
37 第2ゲージ線
30 アレイ層
60 第1樹脂層
70 第2樹脂層
AA 検出領域
GA 周辺領域
SL 信号線
IA 内周部
OA 外周部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14