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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063646
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】表示装置およびスピーカ取付用構造体
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/02 20060101AFI20240502BHJP
【FI】
H04R1/02 102Z
H04R1/02 101F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171763
(22)【出願日】2022-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】723005698
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】宮木 俊
【テーマコード(参考)】
5D017
【Fターム(参考)】
5D017AE24
(57)【要約】
【課題】部品点数の増加を抑制することが可能であるとともに、スピーカを配置するための配置スペースが大きくなることを抑制することが可能である表示装置およびスピーカ取付用構造体を提供する。
【解決手段】この液晶テレビジョン装置(表示装置)100は、表示部1と、リアフレーム4と、リアフレーム4の背面側に取り付けられるスピーカ8と、スピーカ8をリアフレーム4に取り付けるためのスピーカ取付部6と、を備え、スピーカ取付部6は、スピーカ8が保持されるとともに、リアフレーム4に固定される第1部分61と、第1部分61と接続される部分において第1部分61に対して折り曲げられるとともに、第1部分61に対して折り曲げられた状態においてスピーカ8のスピーカフレーム81の側面に当接する第2部分62とを含み、第1部分61と第2部分62とが一体的に形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部の背面側に配置されるリアフレームと、
音が出力される側に設けられるスピーカフレームを含み、前記リアフレームの背面側に取り付けられるスピーカと、
前記スピーカを前記リアフレームに取り付けるためのスピーカ取付部と、を備え、
前記スピーカ取付部は、前記スピーカが保持されるとともに、前記リアフレームに固定される第1部分と、前記第1部分と接続される部分において前記第1部分に対して折り曲げられるとともに、前記第1部分に対して折り曲げられた状態において前記スピーカの前記スピーカフレームの側面に当接する第2部分とを含み、前記第1部分と前記第2部分とが一体的に形成されている、表示装置。
【請求項2】
前記第2部分が、前記第1部分に対して折り曲げられた状態において、前記第1部分と前記第2部分との対向する部分同士が密着するように構成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1部分は、前記スピーカが取り付けられる面から突出するとともに、前記スピーカの前記スピーカフレームの外周面に当接する第1壁部を含み、
前記第2部分は、折り曲げられた状態において、前記スピーカの前記スピーカフレームの外周面に当接するとともに、突出方向が前記第1壁部の突出方向と同じである第2壁部を含み、
前記第2部分が、前記第1部分に対して折り曲げられた状態において、前記第1壁部と前記第2壁部との対向する部分同士が互いに密着するように構成されている、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記スピーカフレームは、長円形状を有しており、
前記第2部分は、少なくとも前記スピーカフレームの外周面を取り囲むように構成されている、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2部分は、長円形状を有する前記スピーカフレームの長辺および短辺の直線部分に当接する、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1壁部は、第1係合部が一体的に形成されているとともに、
前記第2壁部は、第2係合部が一体的に形成されており、
前記第1係合部と前記第2係合部とは、折り曲げられた状態において、互いに係合するように構成されている、請求項3に記載の表示装置。
【請求項7】
スピーカフレームを有するスピーカが保持されるとともに、他部材に取り付けられる第1部分と、
前記第1部分と接続される部分において前記第1部分に対して折り曲げられるとともに、前記第1部分に対して折り曲げられた状態において前記スピーカの前記スピーカフレームの側面に当接する第2部分とを備え、前記第1部分と前記第2部分とが一体的に形成されている、スピーカ取付用構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置およびスピーカ取付用構造体に関し、特に、リアフレームの背面側にスピーカが取り付けられた表示装置およびスピーカ取付用構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リアフレームの背面側にスピーカが取り付けられた表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、表示パネルの背面側に配置されるリアフレームと、リアフレームの背面側にスピーカを取り付けるためのスピーカ取付部とを備える表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-050516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1には開示されていないが、スピーカから出力される音が出力側以外から漏れることを抑制するために、スピーカを囲むボックスが設けられたボックススピーカを表示装置のリアフレームに取り付けることが考えられている。しかしながら、ボックススピーカをリアフレームに取り付けた場合、スピーカ取付部とボックスとをリアフレームに配置するための配置スペースが必要となる。そうすると、スピーカだけを設ける場合と比べて、スピーカを配置するための配置スペースが大きくなるという問題点がある。また、ボックスとスピーカ取付部とを各々設けることにより部品点数が増加するという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、部品点数の増加を抑制することが可能であるとともに、スピーカを配置するための配置スペースが大きくなることを抑制することが可能な表示装置およびスピーカ取付用構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による表示装置は、表示部と、表示部の背面側に配置されるリアフレームと、音が出力される側に設けられるスピーカフレームを含み、リアフレームの背面側に取り付けられるスピーカと、スピーカをリアフレームに取り付けるためのスピーカ取付部と、を備え、スピーカ取付部は、スピーカが保持されるとともに、リアフレームに固定される第1部分と、第1部分と接続される部分において第1部分に対して折り曲げられるとともに、第1部分に対して折り曲げられた状態においてスピーカのスピーカフレームの側面に当接する第2部分とを含み、第1部分と第2部分とが一体的に形成されている。
【0008】
この発明の第1の局面による表示装置では、上記のように、スピーカ取付部は、リアフレームに固定される第1部分と、第1部分と接続される部分において第1部分に対して折り曲げられるとともに、第1部分に対して折り曲げられた状態においてスピーカのスピーカフレームの側面に当接する第2部分とを含み、第1部分と第2部分とが一体的に形成されている。これにより、スピーカのスピーカフレームの側面に当接する第2部分により音が漏れることを抑制しつつ、第2部分と一体的に形成されている第1部分によりスピーカをリアフレームに固定することができる。この結果、ボックススピーカを取り付ける場合と異なり、ボックスと取付部材とを各々設ける必要がなく、部品点数の増加を抑制することができるとともに、スピーカを配置するための配置スペースが大きくなることを抑制することができる。
【0009】
この場合、好ましくは、第2部分が、第1部分に対して折り曲げられた状態において、第1部分と第2部分との対向する部分同士が密着するように構成されている。このように構成すれば、第1部分と第2部分との間に隙間が形成されることを抑制することができるため、音漏れが発生することを効果的に抑制することができる。
【0010】
この発明の第1の局面による表示装置では、好ましくは、第1部分は、スピーカが取り付けられる面から突出するとともに、スピーカのスピーカフレームの外周面に当接する第1壁部を含み、第2部分は、折り曲げられた状態において、スピーカのスピーカフレームの外周面に当接するとともに、突出方向が第1壁部の突出方向と同じである第2壁部を含み、第2部分が、第1部分に対して折り曲げられた状態において、第1壁部と第2壁部との対向する部分同士が互いに密着するように構成されている。このように構成すれば、スピーカのスピーカフレームの外周面に当接する第1壁部によって、スピーカから音漏れが発生することを抑制することができる。また、第1壁部と第2壁部とが密着することにより、音漏れが発生することをより効果的に抑制することができる。
【0011】
この発明の第1の局面による表示装置では、好ましくは、スピーカフレームは、長円形状を有しており、第2部分は、少なくともスピーカフレームの外周面を取り囲むように構成されている。このように構成すれば、第2部分により少なくとも音が出力されるスピーカフレームの外周面を取り囲むことにより、音漏れを抑制することができる。また、第2部分をスピーカフレームの外周面だけを取り囲むようにすれば、スピーカの全体を取り囲む場合と比べて第2部分が大型化することを抑制することができる。また、スピーカフレームが長円形状を有しているため、円形である場合と異なり直線部分を有しているため、第2部分が平板状である場合でもスピーカフレームに第2部分を当接させることができる。
【0012】
この場合、好ましくは、第2部分は、長円形状を有するスピーカフレームの長辺および短辺の直線部分に当接する。このように構成すれば、当接する部分を直線部分にすることにより、第2部分とスピーカフレームとが接する部分を増やすことができるため、第2部分とスピーカフレームとを密着させることができる。
【0013】
この発明の第1の局面による表示装置では、好ましくは、第1壁部は、第1係合部が一体的に形成されているとともに、第2壁部は、第2係合部が一体的に形成されており、第1係合部と第2係合部とは、折り曲げられた状態において、互いに係合するように構成されている。このように構成すれば、第1係合部および第2係合部により第1壁部と第2壁部とを密着させた状態を維持することができる。
【0014】
この発明の第2の局面によるスピーカ取付用構造体は、スピーカフレームを有するスピーカが保持されるとともに、他部材に取り付けられる第1部分と、第1部分と接続される部分において第1部分に対して折り曲げられるとともに、第1部分に対して折り曲げられた状態においてスピーカのスピーカフレームの側面に当接する第2部分とを備え、第1部分と第2部分とが一体的に形成されている。
【0015】
この発明の第2の局面によるスピーカ取付用構造体は、上記のように構成されていることにより、スピーカのスピーカフレームの側面に当接する第2部分により音が漏れることを抑制しつつ、第2部分と一体的に形成されている第1部分によりスピーカを他部材に固定することができる。この結果、ボックススピーカを取り付ける場合と異なり、ボックスと取付部材とを各々設ける必要がなく、部品点数の増加を抑制することができるとともに、スピーカを配置するための配置スペースが大きくなることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、上記のように、部品点数の増加を抑制することが可能であるとともに、スピーカを配置するための配置スペースが大きくなることを抑制することが可能である表示装置およびスピーカ取付用構造体を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一実施形態による液晶テレビジョン装置の構成を示す分解斜視図である。
図2】第2部分が折り曲げられる前の状態を示す図である。
図3】第2部分が折り曲げられた後の状態を示す図である。
図4】第2部分が折り曲げられた後の状態を示す断面図である。
図5】第2部分が折り曲げられた後の第1部分および第2部分とスピーカとを示す図である。
図6】変形例によるスピーカ取付部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
(液晶テレビジョン装置100の構成)
図1を参照して、一実施形態による液晶テレビジョン装置100の構成について説明する。なお、液晶テレビジョン装置100は、特許請求の範囲の「表示装置」の一例である。
【0020】
図1に示すように、液晶テレビジョン装置100は、表示部1と、光源2と、フロントフレーム3と、リアフレーム4と、シート部材5と、スピーカ取付部6と、カバー部材7と、スピーカ8と、基板9とを備える。スピーカ8およびスピーカ取付部6は、リアフレーム4のX2側(左側)およびX1側(右側)に取り付けられる。なお、スピーカ8の構造およびスピーカ取付部6の構造は、左右で違いがほとんどないため、以下の説明では左右を区別しない。なお、スピーカ取付部6は、特許請求の範囲に記載した「スピーカ取付用構造体」の一例である。
【0021】
表示部1は、液晶セルを含む。また、表示部1は、複数の画素を含み、複数の画素の各々により、光源2から照射される光の透過率を変化させて表示面に映像を表示する。また、表示部1は、映像信号に基づいて駆動される。表示部1は、矩形状である。ここで、表示部1の画像が表示される表示面側を正面側(Z1側)とし、Z1側の反対側を背面側(Z2側)とする。そして、正面側と背面側とを結ぶ表示部1の厚み方向をZ方向とする。また、Z方向に直交する表示部1の長手方向(左右方向)をX方向とし、Z方向に直交する表示部1の短手方向(上下方向)をY方向とする。X方向のうち、背面側から正面側を見た場合の右側をX1側とし、左側をX2側とする。また、Y方向のうち、表示部1の上端側をY1側とし、下端側をY2側とする。
【0022】
光源2は、表示部1のX2側に配置されている。また、光源2は、表示部1に光を照射するように構成されている。光源2は、複数のLED21と、光源用基板22とを含んでいる。なお、図1では、光源用基板22に配置される複数のLED21の間隔を大きく表しているが、間隔を小さくしてLED21の数を増やしてもよい。
【0023】
フロントフレーム3は、矩形状である。フロントフレーム3の上下方向(Y方向)の長さは、表示部1の上下方向(Y方向)の長さよりも大きい。また、フロントフレーム3の左右方向(X方向)の長さは、表示部1の左右方向(X方向)の長さよりも大きい。フロントフレーム3は、表示部1を正面側(Z1側)から支持するように構成されている。また、表示部1の表示面を正面側(Z1側)に露出させるための矩形状の開口部31が、フロントフレーム3の中央部に設けられている。
【0024】
リアフレーム4は、矩形状である。リアフレーム4は、表示部1の背面側(Z2側)に配置される。リアフレーム4の上下方向(Y方向)の長さは、フロントフレーム3の上下方向(Y方向)の長さよりも小さい。また、リアフレーム4の左右方向(X方向)の長さは、フロントフレーム3の左右方向(X方向)の長さよりも小さい。そのため、リアフレーム4の外周面が、フロントフレーム3の内周面に接触した状態で固定される。
【0025】
シート部材5は、表示部1とリアフレーム4との間に設けられる。シート部材5は、複数のシートを含む。シート部材5は、たとえば、光源2から照射された光を反射する反射シートと、照射された光を表示部1に向かって拡散する拡散シートとを含む。
【0026】
スピーカ取付部6は、背面側(Z2側)からリアフレーム4に取り付けられる。スピーカ取付部6は、リアフレーム4の上下方向(Y方向)の中央よりも下端側(Y2側)に取り付けられる。スピーカ取付部6の詳細な構造は後述する。
【0027】
カバー部材7は、矩形状である。カバー部材7の上下方向(Y方向)の長さは、リアフレーム4の上下方向(Y方向)の長さよりも小さい。カバー部材7の左右方向(X方向)の長さは、リアフレーム4の左右方向(X方向)の長さよりも小さい。カバー部材7は、リアフレーム4の上下方向(Y方向)の中央よりも下端側(Y2側)に取り付けられる。カバー部材7は、基板9を覆うように構成されている。
【0028】
図2に示すように、スピーカ8は、振動部(図示せず)が内部に配置されるスピーカフレーム81と、磁石82と、コイル(図示せず)とを含む。スピーカ8は、コイルと磁石82により振動が発生し、スピーカフレーム81内の振動部によってさらに振動することにより音が出力される。振動部は、たとえば、コーン紙である。スピーカ8の音が出力される出力側にスピーカフレーム81が配置される。また、出力側と反対側に磁石82が配置される。スピーカフレーム81は、長円形状を有している。本実施形態では、スピーカ8の音が出力される側がY2側に位置するようにリアフレーム4に取り付けられる。
【0029】
図1に示すように、基板9は、リアフレーム4の下部に取り付けられる。基板9は、制御回路が実装されている。基板9は、実装された制御回路が表示部1と、スピーカ8とに電気的に接続されている。基板9は、制御回路により音声信号をスピーカ8に出力するとともに、映像信号を表示部1に出力する。
【0030】
(スピーカ取付部の構造)
図2に示すように、スピーカ取付部6は、第1部分61と、第2部分62とを含む。第1部分61と第2部分62とは樹脂により一体的に形成されている。スピーカ取付部6は、たとえば、ポリプロピレンにより形成されている。第1部分61と第2部分62とが接続される部分である接続部63は折り曲げられるように構成されている。なお、スピーカ取付部6は、第2部分62が折り曲げられていない状態でリアフレーム4に固定された後に、スピーカ8が取り付けられた後に、第2部分62が第1部分61に向かって折り曲げられる。なお、リアフレーム4は、特許請求の範囲に記載した「他部材」の一例である。
【0031】
第1部分61は第1平板部61aと、第1壁部61bと、第1係合部61cと、突出部61dとを含む。第1平板部61aは、一方の面にスピーカ8が取り付けられる。図2では、第1平板部61aのZ2側の面にスピーカ8が取り付けられている。なお、図2では、スピーカと第1平板部61aとの間に隙間があるように記載しているが、図4に示すように、第1平板部61aとスピーカ8とは当接している。また、第1平板部61aの他方の面(Z1側の面)とリアフレーム4とが接触した状態で、スピーカ取付部6がリアフレーム4に取り付けられる。第1平板部61aには、リアフレーム4に固定するためのねじ孔が設けられている。第1平板部61aは、ねじによりリアフレーム4に固定される。
【0032】
図5に示すように、第1平板部61aは、スピーカ8のスピーカフレーム81の外周面の長辺にZ1側から当接する。スピーカ8は、たとえば、第1平板部61aに設けられたボスに固定される。
【0033】
図5に示すように、第1壁部61bは、第1平板部61aのスピーカ8が取り付けられる面からZ2方向に突出し、スピーカ8のスピーカフレーム81の外周面の短辺に当接する。第1壁部61bの突出高さ(Z方向の長さ)は、スピーカ8の高さ(Z方向の長さ)よりも小さい。また、第1壁部61bは、少なくともスピーカフレーム81の側面に当接するように設けられている。また、第1壁部61bは、Y方向から、少なくともスピーカフレーム81の側面を覆うように設けられている、好ましくは、スピーカ8の側面全体を覆うように構成されている。具体的には、図5においてハッチングで示すように、第1壁部61bは、X方向およびY方向からスピーカフレーム81に隙間なく当接する。
【0034】
図2および図3に示すように、第2部分62は、第2平板部62aと、第2壁部62bとを含む。第2平板部62aは、第1平板部61aと一体的に形成され、Y方向に延びている。第2平板部62aは、第1平板部61aに対して折り曲げられた状態において、スピーカ8の出力側(Y2側)に位置する。第2平板部62aは、スピーカ8から出力された音が小さくなることを抑制するために、開口部が設けられていてもよく、複数の長孔が設けられていてもよい。第2部分62は、折り曲げられた状態において、スピーカ8全体を覆う。
【0035】
図2に示すように、第2壁部62bは、Y1側が開口する箱形形状を有する。第2壁部62bは、折り曲げられた状態において、開口を形成する周縁部が第1平板部61aと当接することによりスピーカ8を取り囲む。第2壁部62bは、折り曲げる前の状態において、第2平板部62aから突出する突出方向が第1壁部61bの突出方向と同じZ2方向である。また、第2壁部62bは、折り曲げられる前の状態において、第2平板部62aとの境界からY2方向に幅W1を有している。折り曲げられる前の状態の第2壁部62bのY2方向の幅W1は、折り曲げられた後のZ方向の高さとなる。
【0036】
図3に示すように、第2部分62は、スピーカ8の音が出力される面が位置するY2側から第1部分61に向かって折り曲げられる。折り曲げられた後の第2壁部62bのZ方向の高さと、第1壁部61bの突出高さとの合計がスピーカ8の高さ以上になるように構成されている。好ましくは、折り曲げられた後の第2壁部62bのZ方向の高さと、第1壁部61bの突出高さとの合計がスピーカ8の高さと略同じであるように構成されている。第2壁部62bは、折り曲げられる前は、第2平板部62aのY2側に設けられる。第2平板部62aの第2壁部62bが設けられていない部分は、折り曲げられたときに第1壁部61bのY2側に当接する。
【0037】
図5に示すように、第2壁部62bは、折り曲げられた状態において、スピーカ8のスピーカフレーム81の外周面の長辺と短辺とに当接する。第2壁部62bはY方向において、少なくともスピーカフレーム81の側面を覆うように設けられており、好ましくは、スピーカ8の側面全体を覆うように構成されている。折り曲げられた状態において、スピーカフレーム81の外周面の長辺に当接する第2壁部62bと、第1平板部61aとによってスピーカ8が挟まれた状態で、スピーカ取付部6に固定される。具体的には、図5においてハッチングで示すように、第1壁部61bと第2壁部62bとは、X方向に突出する肉厚部を有しているため、第1平板部61aと第1壁部61bと第2壁部62bとは、X方向およびZ方向からスピーカフレーム81に隙間なく当接する。これにより、スピーカフレーム81を基準としてY1側とY2側とを区切ることができるため、Y1側に漏れた音によってY2側から出力される音が消されることを抑制することができる。なお、図5では、スピーカ8のY2側に位置する第2平板部62aは省略している。
【0038】
図5に示すように、第1壁部61bは、第1係合部61cが一体的に形成されているとともに、第2壁部62bは、第2係合部62cが一体的に形成されている。第1係合部61cと第2係合部62cとは、第2部分62が折り曲げられた状態において、互いに係合するように構成されている。第1係合部61cは、例えば突出部であり、第2係合部62cは、例えばフックである。
【0039】
図4に示すように、第2部分62が、第1部分61に対して折り曲げられた状態において、第1部分61と第2部分62との対向する部分同士が密着するように構成されている。具体的には、第1壁部61bからZ2方向に突出する突出部61dと、第1壁部61b内に設けられた段差部分62dとの互いに対向するY方向に沿った面とZ方向に沿った面とが互いに当接することにより、第1部分61と第2部分62とが、連続するY方向に沿った面とZ方向に沿った面との両方で接触することができるため、第1部分61と第2部分62とが隙間なく密着する。
【0040】
接続部63は、図2において破線の四角で囲んだ第2部分62の第2平板部62aからZ方向およびX方向に延びるとともに、第1部分61の第1平板部61aに当接する部分である。接続部63は、折り曲げやすくするための切欠きがZ方向に沿って延びるように設けられている
【0041】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0042】
上記のように、リアフレーム4に固定される第1部分61と、第1部分61と接続される部分において第1部分61に対して折り曲げられるとともに、第1部分61に対して折り曲げられた状態においてスピーカ8のスピーカフレーム81の側面に当接する第2部分62とを含み、第1部分61と第2部分62とが一体的に形成されている。これにより、スピーカ8のスピーカフレーム81の側面に当接する第2部分62により音が漏れることを抑制しつつ、第2部62分と一体的に形成されている第1部分61によりスピーカ8をリアフレーム4に固定することができる。この結果、ボックススピーカを取り付ける場合と異なり、ボックスと取付部材とを各々設ける必要がなく、部品点数の増加を抑制することができるとともに、スピーカ8を配置するための配置スペースが大きくなることを抑制することができる。
【0043】
上記のように、第2部分62が、第1部分61に対して折り曲げられた状態において、第1部分61と第2部分62との対向する部分同士が密着するように構成されている。これにより、第1部分61と第2部分62との間に隙間が形成されることを抑制することができるため、音漏れが発生することを効果的に抑制することができる。
【0044】
上記のように、第1部分61は、スピーカ8が取り付けられる面から突出するとともに、スピーカ8のスピーカフレーム81の外周面に当接する第1壁部61bを含み、第2部分62は、折り曲げられた状態において、スピーカ8のスピーカフレーム81の外周面に当接するとともに、突出方向が第1壁部61bの突出方向と同じである第2壁部62bを含み、第2部分62が、第1部分61に対して折り曲げられた状態において、第1壁部61bと第2壁部62bとの対向する部分同士が互いに密着するように構成されている。これにより、スピーカ8のスピーカフレーム81の外周面に当接する第1壁部61bによって、スピーカ8から音漏れが発生することを抑制することができる。また、第1壁部61bと第2壁部62bとが密着することにより、音漏れが発生することをより効果的に抑制することができる。
【0045】
上記のように、スピーカフレーム81は、長円形状を有しており、第2部分62は、少なくともスピーカフレーム81の外周面を取り囲むように構成されている。これにより、第2部分62により少なくとも音が出力されるスピーカフレーム81の外周面を取り囲むことにより、音漏れを抑制することができる。また、第2部分62をスピーカフレーム81の外周面だけを取り囲むようにすれば、スピーカ8の全体を取り囲む場合と比べて第2部分62が大型化することを抑制することができる。また、スピーカフレーム81が長円形状を有しているため、円形である場合と異なり直線部分を有しているため、第2部分62が平板状である場合でもスピーカフレーム81に第2部分62を当接させることができる。
【0046】
上記のように、第2部分62は、長円形状を有するスピーカフレーム81の長辺および短辺の直線部分に当接する。これにより、当接する部分を直線部分にすることにより、第2部分62とスピーカフレーム81とが接する部分を増やすことができるため、第2部分62とスピーカフレーム81とを密着させることができる。
【0047】
上記のように、第1壁部61bは、第1係合部61cが一体的に形成されているとともに、第2壁部62bは、第2係合部62cが一体的に形成されており、第1係合部61cと第2係合部62cとは、折り曲げられた状態において、互いに係合するように構成されている。これにより、第1係合部61cおよび第2係合部62cにより第1壁部61bと第2壁部62bとを密着させた状態を維持することができる。
【0048】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0049】
たとえば、表示装置が液晶テレビジョン装置である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、表示部は、カーナビであってもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、第1部分と第2部分とが樹脂により一体的に形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1部分と第2部分とは、折り曲げ可能な素材であれば、金属により形成されていてもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、スピーカが下方に向かって音を出力する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、スピーカは、背面側に向かって音を出力してもよく、上方側に向かって音を出力してもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、折り曲げられる部分に切欠きが設けられる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、折り曲げられる部分の厚みを小さくして、折り曲げやすくしてもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、第1部分が第1壁部を含み、第2部分が第2壁部を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1壁部または第2壁部の一方のみが形成されていてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、スピーカフレームは、長円形状である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、スピーカフレームは、円形状または楕円形状であってもよい。この場合、第1部分および第2部分は、スピーカフレームに密着するように湾曲していてもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、第1係合部と第2係合部とにより第1部分と第2部分とを係合する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1部分と第2部分とにねじ孔を設けて、ねじ止めをしてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、第2部分がY2側から第1部分に向かって折り曲げられる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図6に示すように、第2部分がY1側から第1部分に向かって折り曲げられるように構成されていてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、第2部分によってスピーカ全体が覆われる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2部分によってスピーカフレームおよびスピーカフレームよりY2側の部分が覆われていれば、スピーカ全体が覆われている必要はない。
【0058】
また、上記実施形態では、第2部分に段差部分が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2部分に段差部分を設けなくてもよい。また、段差部分を設けない場合は、第1部分の突出部からY方向に延びる部分を形成し、第2部分の第2壁部と密着するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 表示部
4 リアフレーム
6 スピーカ取付部
8 スピーカ
61 第1部分
61b :第1壁部
61c 第1係合部
62 第2部分
62b 第2壁部
62c 第2係合部
81 スピーカフレーム
100 液晶テレビジョン装置(表示装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6