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特開2024-63658分析装置、機能制限方法、及び機能制限プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063658
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】分析装置、機能制限方法、及び機能制限プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20240502BHJP
【FI】
G01N35/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171784
(22)【出願日】2022-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000141897
【氏名又は名称】アークレイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保 高輔
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058GA01
2G058GA14
2G058GE00
(57)【要約】
【課題】分析装置本体と本体から着脱可能な操作部との距離に応じて、ユーザの利便性の低下を抑制しつつ、装置の機能を制限する。
【解決手段】分析装置10は、試料中の成分を測定する測定部を含む本体部1と、本体部1から着脱可能な操作部20と、本体部1と操作部20との2段階以上の距離に応じて、本体部1及び操作部20の少なくとも一方の機能を制限する機能制限部6Bと、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料中の成分を測定する測定部を含む本体部と、前記本体部から着脱可能な操作部と、を備えた分析装置であって、
前記本体部と前記操作部との2段階以上の距離に応じて、前記本体部及び前記操作部の少なくとも一方の機能を制限する機能制限部
を備えた分析装置。
【請求項2】
前記機能制限部は、前記操作部が前記本体部に取り付けられている場合、全機能の使用を許可し、前記操作部が前記本体部から取り外され、かつ、前記距離が閾値未満である場合、少なくとも一部の駆動系の機能を制限し、前記距離が前記閾値以上である場合、全機能の使用を制限する
請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記機能制限部は、前記操作部が前記本体部から取り外され、かつ、前記距離が前記閾値未満である場合、前記試料中の成分の測定に必要な駆動系の少なくとも一部の機能を制限する
請求項2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記機能制限部は、前記距離が第1閾値未満である場合、全機能の使用を許可し、前記距離が前記第1閾値以上第2閾値未満である場合、少なくとも一部の駆動系の機能を制限し、前記距離が前記第2閾値以上である場合、全機能の使用を制限する
請求項1に記載の分析装置。
【請求項5】
前記第1閾値及び前記第2閾値の少なくとも一方を、ユーザが設定可能とする閾値設定部を更に備えた
請求項4に記載の分析装置。
【請求項6】
前記本体部と前記操作部との間で通信を行う際の信号強度に基づいて、前記距離を判定する距離判定部を更に備えた
請求項1に記載の分析装置。
【請求項7】
前記機能制限部は、前記操作部が複数の分析装置に対応している場合、前記複数の分析装置のうち最も距離が近い分析装置を特定し、特定した分析装置の本体部と前記操作部との2段階以上の距離に応じて、前記機能を制限する
請求項1に記載の分析装置。
【請求項8】
前記機能制限部は、前記分析装置にログイン中のユーザの識別情報に基づいて、制限する機能を変更する
請求項1に記載の分析装置。
【請求項9】
前記本体部の周辺の人を検知する検知部を更に備え、
前記機能制限部は、前記検知部により前記本体部の周辺に人が検知されない場合、制限する機能を変更する
請求項1に記載の分析装置。
【請求項10】
前記試料は、生体試料を含む
請求項1に記載の分析装置。
【請求項11】
試料中の成分を測定する測定部を含む本体部と、前記本体部から着脱可能な操作部と、を備えた分析装置による機能制限方法であって、
前記本体部と前記操作部との2段階以上の距離に応じて、前記本体部及び前記操作部の少なくとも一方の機能を制限する
機能制限方法。
【請求項12】
試料中の成分を測定する測定部を含む本体部と、前記本体部から着脱可能な操作部と、を備えた分析装置の機能制限プログラムであって、
前記本体部と前記操作部との2段階以上の距離に応じて、前記本体部及び前記操作部の少なくとも一方の機能を制限することを、
コンピュータに実行させるための機能制限プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、分析装置、機能制限方法、及び機能制限プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ホストコンピュータ、携帯端末、サーバ及び印刷装置を含む印刷システムが記載されている。このサーバは、ホストコンピュータより受信した印刷ジョブを記憶する記憶手段と、印刷ジョブに含まれる携帯端末の識別情報に基づいて、携帯端末に印刷ジョブの印刷データを印刷する印刷装置の識別情報を送信する送信手段と、携帯端末からの印刷指示に応じて、記憶手段に記憶している印刷データを印刷装置に送信して印刷させる印刷制御手段と、を有する。この携帯端末は、サーバから受け取った印刷装置の識別情報に基づいて、近距離無線通信により印刷装置との間の距離を取得する取得手段と、取得手段により取得した距離が所定の距離よりも短い場合に、サーバに印刷データの印刷指示を送信する送信手段と、を有する。
【0003】
また、特許文献2には、第一の発信機と、第二の発信機と、第一の発信機及び第二の発信機から送信される電波に基づいて自装置の制御を行う受信装置とを備えた制御システムが記載されている。この第一の発信機は、受信装置に対して電波を送信する送信部を備え、この第二の発信機は、受信装置に対して電波を送信する送信部を備える。この受信装置は、第一の発信機及び第二の発信機から送信される電波を受信する受信部と、受信部が受信した電波に基づいて、電波の送信元が第一の発信機であるか第二の発信機であるかを識別する識別部と、自装置と、識別部が識別した電波の送信元との距離を計測する計測部と、計測部が計測した、自装置と、電波の送信元との距離に基づいて、自装置に制限をかける第一の制御、又は自装置に制限をかけない第二の制御を行う制御部と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-151950号公報
【特許文献2】国際公開第2014/132873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、タブレット端末等の操作部を着脱可能な分析装置がある。この種の分析装置においては、操作部で測定結果を閲覧するため、操作部を分析装置から離れた場所へ持っていき、測定結果を閲覧する場合がある。操作部が分析装置から一定距離以上離れている場合、分析処理を適切に実施できない可能性があり、上記特許文献1、2のように、装置の全ての機能を制限することが考えられる。
【0006】
しかしながら、分析装置は、分析だけでなく、各種情報(分析情報、試料情報、測定結果等)を管理する機能、装置のメンテンナンスに関する機能など多様な機能を備えている。この種の分析装置において、装置の全機能を一律に制限すると、例えば、ユーザが測定を継続できない、各種情報にアクセスできなくなるなど、ユーザの利便性が低下してしまう。
【0007】
例えば、 試料が生体試料である場合には、装置状況を確認しないまま装置を駆動させると、生体試料を転倒させてしまう可能性や、生体試料が付着した装置駆動部に装置周辺の人が接触してしまう可能性がある。生体試料は、採取可能な量に制限があるため、転倒により試料を失うことは、大きなリスクである。また、生体試料から感染症などが他者に感染してしまうリスクがあるため取り扱いには注意が必要とされる。
【0008】
一方、医療現場などでは、測定結果を早期に閲覧したい要求があるため、装置の全機能を一律に制限すると、例えば、ユーザが測定を継続できなくなる、各種情報にアクセスできなくなるなど、ユーザの利便性が低下してしまう。
【0009】
本開示は、上記の点に鑑みてなされたものであり、分析装置本体と本体から着脱可能な操作部との距離に応じて、ユーザの利便性の低下を抑制しつつ、装置の機能を制限することができる分析装置、機能制限方法、及び機能制限プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本開示の一態様に係る分析装置は、試料中の成分を測定する測定部を含む本体部と、前記本体部から着脱可能な操作部と、を備えた分析装置であって、前記本体部と前記操作部との2段階以上の距離に応じて、前記本体部及び前記操作部の少なくとも一方の機能を制限する機能制限部を備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、分析装置本体と本体から着脱可能な操作部との距離に応じて、ユーザの利便性の低下を抑制しつつ、装置の機能を制限することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態に係る分析装置の一例を示す概略斜視図である。
図2】第1の実施形態に係る分析装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態に係る分析装置の要部構成の一例を示す概略図である。
図4】第1の実施形態に係る第1光学測定部の要部構成の一例を示す斜視図である。
図5図3に示すV-V断面を示す断面図である。
図6】第1の実施形態に係る操作部の構成の一例を示すブロック図である。
図7】第1の実施形態に係る制御部の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図8】第1の実施形態に係る本体部と操作部との距離に応じた機能制限の説明に供する図である。
図9】第1の実施形態に係る機能制限通知画面の一例を示す正面図である。
図10】第1の実施形態に係る分析装置の制御プログラムによる機能制限処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11】第2の実施形態に係る本体部と操作部との距離に応じた機能制限の説明に供する図である。
図12】第2の実施形態に係る分析装置の制御プログラムによる機能制限処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13】第3の実施形態に係る操作部が複数の分析装置に対応する場合の機能制限の説明に供する図である。
図14】第3の実施形態に係る装置特定画面の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本開示の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本開示の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本開示と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。
【0014】
[第1の実施形態]
まず、図1図5を参照して、第1の実施形態に係る分析装置の具体的な構成例について説明する。なお、以下では、試験紙の呈色状態を分析する分析装置を例示して説明するが、液体クロマトグラフィーを利用した分析装置や分析対象成分を撮像し画像分析を行う分析装置でもよい。分析対象である試料には、例えば、水、生体試料(尿、血液、体液等)が含まれる。試料中の分析対象成分には、例えば血中のグリコヘモグロビンや尿中の白血球、赤血球、上皮細胞などが含まれる。
【0015】
図1は、第1の実施形態に係る分析装置10の一例を示す概略斜視図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に示す分析装置10は、本体部1と、搬送装置2と、操作部20と、を一体的に備えている。分析装置10は、例えば、容器30に収容されている尿Uの分析処理を行なうためのものであり、本体部1の前面部に搬送装置2が組み付けられた構成とされる。
【0017】
なお、尿Uを試料とする場合、採用する試験紙は、例えば、尿蛋白、尿中ケトン体、尿糖などの検査項目を検査する多数の検査項目の反応領域を含む尿試験紙とされる。試料は、尿Uに限定されるものではなく、尿U以外の生体試料(例えば、血液、血漿、及び唾液等)であってもよい。また、試料は、水質検査のための液体であってもよい。
【0018】
搬送装置2は、容器30を起立させて保持するラック3を、一定の経路で搬送するための装置である。搬送装置2としては、従来既知の搬送装置(例えば、特開2009-229233号公報に記載の搬送装置)と同様な構成とすることが可能であり、その具体的な構造の詳細は省略する。搬送装置2においては、ラック3が所定の始端領域Saに投入されると、その後にこのラック3は矢印N1~N3で示す方向に順次搬送され、最終的には所定の終端領域Eaに到達するようになっている。ラック3が矢印N2方向に搬送される過程において、後述する吸引ノズル50によって容器30から尿Uを採取する動作が行なわれる。
【0019】
操作部20は、表示部21を備えている。操作部20は、分析装置10の操作画面を表示させ、この操作画面を介してユーザからの操作入力を受け付ける。操作部20は、着脱機構14を介して本体部1と着脱可能に接続される。
【0020】
図2は、第1の実施形態に係る分析装置10の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図2に示すように、本実施形態に係る分析装置10の本体部1は、試験片供給装置4、分注装置5、制御部6、第1光学測定部7A、第2光学測定部7B、プリンタ11、通信部12、電源部13、着脱機構14、及び記憶部15を備えている。
【0022】
図3は、第1の実施形態に係る分析装置10の要部構成の一例を示す概略図である。
【0023】
図3に示すように、試験片供給装置4は、尿分析用の試験紙8を第1光学測定部7Aの所定箇所P1に供給するための装置である。試験片供給装置4は、複数の試験紙8を収容するホッパ40と、ホッパ40から試験紙8を1枚ずつ取り出すための回転ドラム41とを備えている。回転ドラム41は、その外周面に試験紙8を1枚のみ嵌入可能とする凹部41aを有しており、この回転ドラム41が回転することによって凹部41aに嵌入した試験紙8はホッパ40の外部に移送され、一対のガイド42内に投入される。その後、この試験紙8は、移送装置(図示省略)により、所定箇所P1に移送される。
【0024】
分注装置5は、吸引ノズル50を利用して容器30から尿Uの採取を行なうとともに、採取した尿Uを試験紙8上に分注(点着)させる動作が可能である。吸引ノズル50は、駆動機構(図示省略)により、上下及び水平方向に移動自在である。分注装置5は、吸引ノズル50を洗浄する機能を有しており、蒸留水などの洗浄液を貯留した洗浄液槽51、シリンジポンプ52A,52B、三方弁などの方向切換弁53、及び洗浄液槽51から吸引ノズル50まで一連に形成された流路54を備えている。流路54は、適当なチューブを用いて構成されている。シリンジポンプ52A,52Bの動作により、吸引ノズル50内に尿Uの吸引用の負圧や、尿Uの吐出用の正圧を生じさせることが可能である。また、尿Uの吐出を終了した後には、洗浄液槽51の洗浄液を吸引ノズル50内に送り込んでその洗浄が可能である。このような構成は、例えば、特開2000-321270号公報に記載された分注装置と同様であり、その詳細は省略する。なお、本実施形態では、尿色調検査用の第2光学測定部7Bが分注装置5の流路54の途中箇所に設けられているが、この点については後述する。
【0025】
図4は、第1の実施形態に係る第1光学測定部7Aの要部構成の一例を示す斜視図である。
【0026】
図4に示すように、呈色反応検知用の第1光学測定部7Aは、複数の試験紙8を載置するための載置台70と、光学測定器71とを備えている。各試験紙8には、複数の試薬パッド80が設けられており、吸引ノズル50によって採取された尿Uはそれら試薬パッド80上に分注される。複数の試薬パッド80は、尿U中の所定の成分と反応し、かつその成分の濃度に対応した度合いに発色する試薬を含んでいる。試薬としては、尿Uの検査項目に対応して種々の成分のものが用いられる。光学測定器71は、X方向及びY方向に移動自在であり、尿Uが点着された後に各試薬パッド80に対して光源(図示省略)から所定の波長域の光を照射し、かつその反射光を受光素子(図示省略)で受ける。この受光素子の受光量に基づき、試薬の光反射率を測定可能である。この光反射率は、尿Uの特定成分と試薬との呈色反応の度合い(発色度合い)に対応し、この値に基づいて尿中の特定成分の有無あるいは濃度(半定量値も含む)が判定される。この判定は、例えば、制御部6で行ってもよいし、第1光学測定部7Aで行ってもよい。
【0027】
なお、第1光学測定部7Aは、測定部の一例であり、一定条件下において試験紙8の呈色状態を測定する、呈色反応検知用の測定部である。ここでいう一定条件下とは、例えば、試験紙8に照射される光量が一定であること、試験紙8に均一な光が照射されること、試験紙8と光源との距離が一定であること、光の反射を読み取る構成の場合に測定に適した波長の光を使用すること、等の条件が挙げられる。なお、呈色状態の分析には、第1光学測定部7Aを用いた光学的な手法に限定されず、カメラ等の撮像部(図示省略)により試験紙8の呈色状態を撮像して得られた撮像画像から、試験紙8の呈色状態を分析するようにしてもよい。
【0028】
一方、図3に示したように、尿色調検査用の第2光学測定部7Bは、流路54の途中箇所に設けられており、吸引ノズル50によって吸引した尿Uを第2光学測定部7Bの図5に示すセル75内に流入させることが可能である。
【0029】
図5は、図3に示すV-V断面を示す断面図である。
【0030】
図5に示すように、第2光学測定部7Bは、尿Uが流入する透明の円筒状のセル75、セル75を囲む遮光ブロック76に取り付けられた光源77、及び2つの受光素子78a,78bを有している。光源77は、セル75に向けて波長が異なる複数種類の光を照射可能である。受光素子78aは、セル75内の尿Uを透過した光を受けるものであり、受光素子78aの受光量に基づき、尿Uの所定光路長当たりの吸光度が求められる。この吸光度は、試薬との反応を生じていない尿U自体の吸光度である。受光素子78bは、尿Uによって散乱反射された光を受けるためのものであり、受光素子78bの受光量に基づき、尿Uの濁度を判定することが可能である。
【0031】
上述の図2において、プリンタ11は、尿Uの分析結果、その他の所定事項のデータを所定の用紙9に印字出力する。
【0032】
制御部6は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含み、記憶部15に記憶された制御プログラムに従って、分析装置10の各部の動作制御、各種のデータ処理を実行する。この制御プログラムは、機能制限プログラムの一例である。
【0033】
記憶部15は、制御部6によりアクセス可能とされ、分析装置10の各部の動作制御、各種のデータ処理を実行するための制御プログラム、各種のデータ等が記憶される。なお、記憶部15は、制御部6内に一体的に設けられていてもよい。
【0034】
通信部12は、無線LAN(Local Area Network)等の無線通信、あるいは、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信を行うための通信インタフェースであり、本体部1から離れた操作部20との間で無線通信によってデータ通信が可能とされる。
【0035】
電源部13は、分析装置10に電力を供給するための電源であり、例えば、AC電源、バッテリ等である。
【0036】
着脱機構14は、操作部20を着脱可能としている。操作部20と本体部1とを電気的に接続するためのインタフェースであってもよい。着脱機構14は、操作部20を着脱可能な構造であればよく、その構造について特に限定されるものではない。
【0037】
図6は、第1の実施形態に係る操作部20の構成の一例を示すブロック図である。操作部20には、例えば、タブレット端末、スマートフォン、ノート型パーソナルコンピュータ等、携帯可能な情報処理装置が適用される。
【0038】
図6に示すように、本実施形態に係る操作部20は、表示部21、制御部22、通信部23、記憶部24、及び電源部25を備えている。
【0039】
表示部21は、液晶表示パネル等の表示画面を備えており、例えば、分析装置10の操作をガイドするための画面表示を行なう。なお、表示部21に尿Uの分析結果を表示させてもよい。表示部21は、例えば、タッチパネルを一体で有している。
【0040】
制御部22は、例えば、CPU等のプロセッサを含み、記憶部24に記憶された制御プログラムに従って、操作部20の各部の動作制御、各種のデータ処理を実行する。
【0041】
通信部23は、無線LAN等の無線通信、あるいは、NFC等の近距離無線通信を行うための通信インタフェースであり、操作部20から離れた本体部1との間で無線通信によってデータ通信が可能とされる。
【0042】
記憶部24は、制御部22によりアクセス可能とされ、操作部20の各部の動作制御、各種のデータ処理を実行するための制御プログラム、各種のデータが記憶される。なお、記憶部24は、制御部22内に一体的に設けられていてもよい。
【0043】
電源部25は、操作部20に電力を供給するための電源であり、例えば、バッテリ等である。電源部25は、本体部1側の電源部13とは独立した電源であり、本体部1が電源オフされていても操作部20に電力供給が可能とされる。また、操作部20が本体部1の着脱機構14に装着され、かつ、本体部1から電力供給が可能な場合、自動的に電源部25からの電力供給は停止され、本体部1側の電源部13から電力供給されるように制御される。このとき、電源部25は、本体部1側の電源部13から供給される電力によって充電される。
【0044】
ところで、上述したように、操作部20が本体部1から一定距離以上離れている場合、分析処理を適切に実施できない可能性があり、分析装置10の全ての機能を制限することが考えられる。しかし一方で、分析装置10は、分析だけでなく、各種情報(分析情報、試料情報、測定結果等)を管理する機能、装置のメンテンナンスに関する機能など多様な機能を備えている。この種の分析装置10において、装置の全機能を一律に制限すると、例えば、ユーザが測定を継続できない、各種情報にアクセスできなくなるなど、ユーザの利便性が低下してしまう。
【0045】
これに対して、本実施形態に係る分析装置10は、本体部1と操作部20との2段階以上の距離(以下、単に「距離」ともいう。)に応じて、本体部1及び操作部20の少なくとも一方の機能を制限する機能制限部を備える。
【0046】
本実施形態に係る分析装置10は、例えば、検査室の運営上の要求に基づき試料を可能な限り連続的に測定したいという要求、あるいは、測定直後に測定結果を閲覧したいという要求を満たすように、機能制限を設けつつ、ユーザの使用を継続できるようにする。
【0047】
以下、機能制限と距離との関係についていくつかの観点例について説明する。なお、ここでいう「距離」とは、本体部1と操作部20との距離である。
【0048】
(1)装置駆動時の安全面の観点例
分析装置10が安全に駆動可能であるかを確認可能な距離は、例えば、3m未満とされる。分析装置10の周囲に人がいることを確認できない状況において、分析装置10を駆動させてしまうと分析装置10の周囲にいる人が、装置の駆動に巻き込まれるなどによりけがをする虞がある。分析装置10の周囲に人がいる状況とは、分析装置10のメンテナンスのため、別のユーザが装置に触れている、等が挙げられる。このため、分析装置10が安全に駆動可能であるかを確認可能な距離を超える場合には、分析装置10の駆動を制限することが望ましい。なお、装置のエラー発生時に対処可能な距離であるか否かを観点としてもいい。
【0049】
(2)試料の安全な取り扱いの観点例
装置に試料が適切に設置されているか視認できる距離は、例えば、1m未満とされる。試料の入ったチューブ等が装置に適切に設置されていないと、装置の駆動に伴いチューブ等が転倒してしまい、試料を損失する虞がある。また、特に分析対象として生体試料を扱う場合には、生体試料の入ったチューブ等を転倒させてしまうと、ユーザに生体試料が直接触れてしまい、生体試料由来の感染リスクが発生する。さらに、再度の生体試料の取得が必要となり、生体試料供給者(例えば、患者)に過度な負担がかかることになる。このため、装置に試料が適切に設置されているか視認できる距離を超える場合には、試料を扱う駆動系の使用を制限することが望ましい。
【0050】
(3)情報の管理の観点例
分析装置10で測定される試料の情報や得られる結果が外部に持ち出されることは情報漏洩につながる。特に試料が生体試料である場合には、生体試料供給者の個人情報や病歴などの情報や測定結果に関する情報が外部に持ち出されることは重大な問題となる。このため、本体部1が設置された部屋から操作部20が持ち出された場合には、操作部20による当該情報に対するアクセスを制限することが望ましい。
【0051】
なお、本体部1と操作部20との間の距離は、本体部1と操作部20との間で通信を行う際の信号強度に基づいて特定してもよい。また、本体部1と操作部20のそれぞれの無線LANのアクセスポイントを特定することによって距離を特定してもよく、屋外であればGPS(Global Positioning System)を用いて距離を推定してもよい。さらには、ユーザから入力された情報(例えば、ユーザの所在地)に基づき距離を特定してもよい。なお、ここでいう距離は、本体部1と操作部20の正確な距離でなくとも、推定した距離であってもよい。
【0052】
具体的に、本実施形態に係る本体部1の制御部6は、記憶部15に記憶されている制御プログラムを実行することにより、図7に示す各部として機能する。
【0053】
図7は、第1の実施形態に係る制御部6の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0054】
図7に示すように、本実施形態に係る制御部6は、記憶部15に記憶された制御プログラムを実行することにより、距離判定部6A、機能制限部6B、閾値設定部6C、及び検知部6Dとして機能する。なお、これら距離判定部6A、機能制限部6B、閾値設定部6C、及び検知部6Dは、操作部20の制御部22が、記憶部24に記憶されている制御プログラムを実行することにより実現してもよい。
【0055】
距離判定部6Aは、例えば、本体部1と操作部20との間で通信を行う際の信号強度に基づいて、本体部1と操作部20との距離を判定する。通信の種類としては、例えば、無線LAN等の無線通信、あるいは、NFC等の近距離無線通信が適用され、より具体的には、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identification)等が適用可能とされる。なお、距離の判定は、信号強度に限定されるものではなく、例えば、屋外であればGPSを用いて距離を判定してもよいし、無線LANのアクセスポイントを特定することによって距離を判定してもよい。
【0056】
機能制限部6Bは、距離判定部6Aによって判定された2段階以上の距離に応じて、本体部1及び操作部20の少なくとも一方の機能を制限する。機能を制限する手法としては、例えば、本体部1が操作部20から受け付け可能な指示を変更する(つまり、特定の指示を拒否することで、装置の機能を制限する)、操作部20の本体部1への特定の指示に関するボタンを使用不可(例えば、ボタンのグレーアウト表示、ボタンの非表示、ボタンの無効化等)にする、遠距離の場合には操作部20をログイン画面に戻し、本体部1への全ての指示に関するボタンを使用不可にする、等が挙げられる。なお、距離判定部6Aが信号強度に基づいて、本体部1と操作部20との距離を判定する場合、機能制限部6Bは、信号強度に応じて、本体部1及び操作部20の少なくとも一方の機能を制限してもよい。
【0057】
図8は、第1の実施形態に係る本体部1と操作部20との距離Dに応じた機能制限の説明に供する図である。
【0058】
図8に示すように、本実施形態に係る機能制限部6Bは、操作部20が本体部1に取り付けられている場合、全ての機能の使用を許可し、操作部20が本体部1から取り外され、かつ、距離Dが閾値Th1未満である場合、少なくとも一部の駆動系の機能を制限し、距離Dが閾値Th1以上(例えば、検査室の外、施設の外等)である場合、全ての機能の使用を制限する。すなわち、操作部20が本体部1から取り外され、かつ、距離Dが閾値Th1未満である場合を1段階目、距離Dが閾値Th1以上である場合を2段階目として、本体部1及び操作部20の少なくとも一方の機能を制限している。
【0059】
具体的に、操作部20が本体部1から取り外され、かつ、距離Dが閾値Th1未満である場合、少なくとも一部の駆動系の機能は制限され、駆動を伴わない機能については許可される。制限される機能としては、ユーザの操作がトリガとなって、分析装置10の駆動部分に動作が伴う機能であり、例えば、分析の開始、メンテナンス動作の開始、校正動作の開始、機器調整・テストの開始、消耗品の交換開始、エラー・トラブルの解除操作、シャットダウン動作の開始等が含まれる。一方、許可される機能としては、例えば、操作部20上での各種情報の閲覧、分析装置10の設定の変更(分析装置10に関連する情報へのアクセスは可能)等が含まれる。このように装置の機能を適切に制限することで、例えば、検体ラックが倒れて装置が水没又は故障する、試料の暴露で周囲の人が感染する、周囲の人にノズルが刺さり怪我を負う、等のリスクが回避される。
【0060】
また、距離Dが閾値Th1以上である場合、例えば、検査室の外又は施設の外に操作部20を持ち出そうとしている場合、全ての機能の使用が制限される。つまり、操作部20から本体部1に格納される各種情報へのアクセスが制限されるため、外部に情報が漏洩することが防止される。
【0061】
なお、「駆動系」には、試料中の成分の測定に必要な駆動系と、試料を使わないメンテナンスに必要な駆動系とが含まれる。機能制限部6Bは、操作部20が本体部1から取り外され、かつ、距離が閾値未満である場合、試料中の成分の測定に必要な駆動系の少なくとも一部の機能を制限するようにしてもよい。この場合、メンテナンスに必要な駆動系の機能については許可されるため、メンテナンス動作は可能とされる。
【0062】
図9は、第1の実施形態に係る機能制限通知画面100の一例を示す正面図である。
【0063】
図9に示す機能制限通知画面100は、一例として、駆動系の一部の機能が制限される場合に操作部20に表示される画面である。これにより、操作部20のユーザはどの機能が制限されるのかを把握することができる。
【0064】
図7に戻り、閾値設定部6Cは、操作部20に設定画面を表示させ、閾値Th1を、ユーザの使用環境に応じて設定可能とする。例えば、本体部1との距離は近いが、操作部20を操作するユーザから本体部1が見えない場合には、近距離であっても、全ての機能が制限されるように閾値Th1を設定することができる。
【0065】
検知部6Dは、本体部1の周辺の人を検知する。検知部6Dは、例えば、本体部1に設けられたカメラ、人感センサ(図示省略)等を用いて、本体部1の周辺に人がいるか否かを検知する。機能制限部6Bは、検知部6Dにより本体部1の周辺に人が検知されない場合、制限する機能を変更するようにしてもよい。具体的には、本体部1の周辺に人がいなければ、例えば、測定時に試料が暴露されることがあっても、感染するリスクは小さいと考えられる。このため、距離によらず全ての機能を許可するように変更してもよい。
【0066】
また、機能制限部6Bは、分析装置10へログイン中のユーザの識別情報に基づいて、制限する機能を変更するようにしてもよい。分析装置10へのログイン方法としては、例えば、操作部20へのユーザの識別情報の入力や、分析装置10や操作部20でのユーザの識別情報の読み取り、等が挙げられる。ユーザの識別情報には、例えば、ユーザID(Identification)が用いられる。また、ユーザの識別情報の読み取りには、ユーザのIDカードに記載されたユーザIDを読み取ることが含まれる。ユーザIDには、ユーザの属性が対応付けられており、ユーザIDによって当該ユーザが例えば管理者か否か、測定作業者か否かといった判別が可能とされる。具体的に、例えば、管理者の場合、全ての機能を許可し、測定作業者の場合、機能の一部を制限するようにしてもよい。
【0067】
次に、図10を参照して、第1の実施形態に係る分析装置10の作用を説明する。
【0068】
図10は、第1の実施形態に係る分析装置10の制御プログラムによる機能制限処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0069】
分析装置10の制御プログラムによる機能制限処理の実行が指示されると、制御部6が、記憶部15に記憶されている制御プログラムを読み出して実行する。
【0070】
図10のステップS101では、制御部6が、本体部1から操作部20が取り外されたか否かを判定する。操作部20が取り外されていないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS102に移行し、操作部20が取り外されたと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS103に移行する。
【0071】
ステップS102では、制御部6が、分析装置10の全ての機能の使用を許可すると共に、その旨を操作部20に表示させ、本制御プログラムによる機能制限処理を終了する。
【0072】
一方、ステップS103では、制御部6が、一例として、上述の図8に示すように、本体部1と操作部20との距離Dを取得する。
【0073】
ステップS104では、制御部6が、ステップS103で取得した距離Dが、距離D<閾値Th1であるか否を判定する。距離D<閾値Th1であると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS105に移行し、距離D<閾値Th1ではない、つまり、距離D≧閾値Th1であると判定した場合(否定判定の場合)、ステップS106に移行する。
【0074】
ステップS105では、制御部6が、分析装置10の駆動系の一部の機能を制限すると共に、その旨を操作部20に表示させ、本制御プログラムによる機能制限処理を終了する。
【0075】
一方、ステップS106では、制御部6が、分析装置10の全ての機能の使用を制限すると共に、その旨を操作部20に表示させ、本制御プログラムによる機能制限処理を終了する。
【0076】
このように本実施形態によれば、分析装置本体と本体から着脱可能な操作部との距離に応じて、ユーザの利便性の低下を抑制しつつ、装置の機能を制限することができる。これにより、直接装置に触れて作業するユーザの安全性が確保される。また、患者等に関する個人情報の流出が抑制され、個人情報が保護される。
【0077】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、操作部が本体部に取り付けられている場合に全ての機能の使用を許可する形態について説明した。第2の実施形態では、操作部が本体部から取り外されている場合でも全ての機能の使用を許可可能な形態について説明する。
【0078】
図11は、第2の実施形態に係る本体部1と操作部20との距離Dに応じた機能制限の説明に供する図である。
【0079】
図11に示すように、本実施形態に係る機能制限部6Bは、本体部1と操作部20との距離Dが第1閾値Th1未満である場合、全ての機能の使用を許可し、距離Dが第1閾値Th1以上第2閾値Th2未満である場合、少なくとも一部の駆動系の機能を制限し、距離Dが第2閾値Th2以上である場合、全ての機能の使用を制限する。
【0080】
閾値設定部6Cは、操作部20に設定画面を表示させ、第1閾値Th1及び第2閾値Th2の少なくとも一方を、ユーザの使用環境に応じて設定可能とする。例えば、本体部1との距離は近いが、操作部20を操作するユーザから本体部1が見えない場合には、近距離であっても、全ての機能が制限されるように第1閾値Th1及び第2閾値Th2の少なくとも一方を設定することができる。
【0081】
次に、図12を参照して、第2の実施形態に係る分析装置10の作用を説明する。
【0082】
図12は、第2の実施形態に係る分析装置10の制御プログラムによる機能制限処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0083】
分析装置10の制御プログラムによる機能制限処理の実行が指示されると、制御部6が、記憶部15に記憶されている制御プログラムを読み出して実行する。
【0084】
図12のステップS111では、制御部6が、一例として、上述の図11に示すように、本体部1と操作部20との距離Dを取得する。
【0085】
ステップS112では、制御部6が、ステップS111で取得した距離Dが、距離D<第1閾値Th1であるか否を判定する。距離D<第1閾値Th1であると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS113に移行し、距離D<第1閾値Th1ではないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS114に移行する。
【0086】
ステップS113では、制御部6が、分析装置10の全ての機能の使用を制限すると共に、その旨を操作部20に表示させ、本制御プログラムによる機能制限処理を終了する。
【0087】
一方、ステップS114では、制御部6が、ステップS111で取得した距離Dが、第1閾値Th1≦距離D<第2閾値Th2であるか否を判定する。第1閾値Th1≦距離D<第2閾値Th2であると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS115に移行し、第1閾値Th1≦距離D<第2閾値Th2ではない、つまり、距離D≧第2閾値Th2であると判定した場合(否定判定の場合)、ステップS116に移行する。
【0088】
ステップS115では、制御部6が、分析装置10の駆動系の一部の機能を制限すると共に、その旨を操作部20に表示させ、本制御プログラムによる機能制限処理を終了する。
【0089】
一方、ステップS116では、制御部6が、分析装置10の全ての機能の使用を制限すると共に、その旨を操作部20に表示させ、本制御プログラムによる機能制限処理を終了する。
【0090】
このように本実施形態によれば、操作部が本体部から取り外されている場合であっても、比較的近距離であれば全ての機能の使用を許可することができる。
【0091】
[第3の実施形態]
第3の実施形態では、操作部が複数の分析装置に対応している形態について説明する。
【0092】
図13は、第3の実施形態に係る操作部20が複数の分析装置A、Bに対応する場合の機能制限の説明に供する図である。
【0093】
図13に示すように、本実施形態に係る機能制限部6Bは、操作部20が複数の分析装置A、Bに対応している場合、複数の分析装置A、Bのうち最も距離が近い分析装置(例えば、分析装置B)を特定し、特定した分析装置Bの本体部1と操作部20との2段階以上の距離に応じて、分析装置Bの機能を制限する。なお、複数の分析装置は3台以上であってもよい。また、複数の分析装置A、Bは、同種の分析装置でもよいし、異種の分析装置でもよい。
【0094】
図14は、第3の実施形態に係る装置特定画面101の一例を示す正面図である。
【0095】
図14に示す装置特定画面101によれば、機能制限部6Bにより特定された分析装置Bを操作対象とする場合には、「OK」ボタンを選択し、分析装置Aに切り替える場合には、「切り替え」ボタンを選択すればよい。
【0096】
このように本実施形態によれば、操作部が複数の分析装置に対応する場合であっても、操作対象とする分析装置を特定し、特定した分析装置の機能を、距離に応じて制限することができる。
【0097】
以上、実施形態に係る分析装置を例示して説明した。実施形態は、分析装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、これらのプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体の形態としてもよい。
【0098】
その他、上記実施形態で説明した分析装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0099】
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
【0101】
以上の実施形態に関し、更に以下を開示する。
【0102】
第1態様に係る分析装置は、試料中の成分を測定する測定部を含む本体部と、前記本体部から着脱可能な操作部と、を備えた分析装置であって、前記本体部と前記操作部との2段階以上の距離に応じて、前記本体部及び前記操作部の少なくとも一方の機能を制限する機能制限部を備える。
【0103】
第2態様に係る分析装置は、第1態様に係る分析装置において、前記機能制限部が、前記操作部が前記本体部に取り付けられている場合、全機能の使用を許可し、前記操作部が前記本体部から取り外され、かつ、前記距離が閾値未満である場合、少なくとも一部の駆動系の機能を制限し、前記距離が前記閾値以上である場合、全機能の使用を制限する。
【0104】
第3態様に係る分析装置は、第2態様に係る分析装置において、前記機能制限部が、前記操作部が前記本体部から取り外され、かつ、前記距離が前記閾値未満である場合、前記試料中の成分の測定に必要な駆動系の少なくとも一部の機能を制限する。
【0105】
第4態様に係る分析装置は、第1態様に係る分析装置において、前記機能制限部が、前記距離が第1閾値未満である場合、全機能の使用を許可し、前記距離が前記第1閾値以上第2閾値未満である場合、少なくとも一部の駆動系の機能を制限し、前記距離が前記第2閾値以上である場合、全機能の使用を制限する。
【0106】
第5態様に係る分析装置は、第4態様に係る分析装置において、前記第1閾値及び前記第2閾値の少なくとも一方を、ユーザが設定可能とする閾値設定部を更に備える。
【0107】
第6態様に係る分析装置は、第1態様~第5態様の何れか1態様に係る分析装置において、前記本体部と前記操作部との間で通信を行う際の信号強度に基づいて、前記距離を判定する距離判定部を更に備える。
【0108】
第7態様に係る分析装置は、第1態様~第6態様の何れか1態様に係る分析装置において、前記機能制限部が、前記操作部が複数の分析装置に対応している場合、前記複数の分析装置のうち最も距離が近い分析装置を特定し、特定した分析装置の本体部と前記操作部との2段階以上の距離に応じて、前記機能を制限する。
【0109】
第8態様に係る分析装置は、第1態様~第7態様の何れか1態様に係る分析装置において、前記機能制限部が、前記分析装置にログイン中のユーザの識別情報に基づいて、制限する機能を変更する。
【0110】
第9態様に係る分析装置は、第1態様~第8態様の何れか1態様に係る分析装置において、前記本体部の周辺の人を検知する検知部を更に備え、前記機能制限部が、前記検知部により前記本体部の周辺に人が検知されない場合、制限する機能を変更する。
【0111】
第10態様に係る分析装置は、第1態様~第9態様の何れか1態様に係る分析装置において、前記試料が、生体試料を含む。
【0112】
第11態様に係る機能制限方法は、試料中の成分を測定する測定部を含む本体部と、前記本体部から着脱可能な操作部と、を備えた分析装置による機能制限方法であって、前記本体部と前記操作部との2段階以上の距離に応じて、前記本体部及び前記操作部の少なくとも一方の機能を制限する。
【0113】
第12態様に係る機能制限プログラムは、試料中の成分を測定する測定部を含む本体部と、前記本体部から着脱可能な操作部と、を備えた分析装置の機能制限プログラムであって、前記本体部と前記操作部との2段階以上の距離に応じて、前記本体部及び前記操作部の少なくとも一方の機能を制限することを、コンピュータに実行させる。
【符号の説明】
【0114】
1 本体部
2 搬送装置
3 ラック
4 試験片供給装置
5 分注装置
6、22 制御部
6A 距離判定部
6B 機能制限部
6C 閾値設定部
6D 検知部
7A 第1光学測定部
7B 第2光学測定部
8 試験紙
10 分析装置
11 プリンタ
12、23 通信部
13、25 電源部
14 着脱機構
15、24 記憶部
20 操作部
21 表示部
30 容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14