(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063691
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】ソファ
(51)【国際特許分類】
A47C 17/02 20060101AFI20240502BHJP
A47C 7/00 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
A47C17/02 Z
A47C7/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171857
(22)【出願日】2022-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】江島 尚
(72)【発明者】
【氏名】▲鶴▼▲崎▼ 健太郎
【テーマコード(参考)】
3B084
【Fターム(参考)】
3B084AA00
(57)【要約】
【課題】部材や製造ライン等の共通化を図りつつ、また、収納スペースを大きく確保することなく、さらに脚の取り付け強度や脚の剛性を十分確保しつつ、ソファの座面の高さ、換言すれば脚の長さが異なるソファを実現し、また、ソファの座面の高さ(脚の長さ)を容易に変更できるようにする要望に対応する。
【解決手段】座1と、この座1を下方から支持する支持構造体2と、この支持構造体2に取り付けられ当該支持構造体2及び座3を下方から支持する脚とを備えるソファSにおいて、支持構造体2が、脚3を取り付けるための互いに高さ位置が異なる第1及び第2の脚取付部8a、8bを有し、第1の脚取付部8aに脚3を取り付けた場合と第2の脚取付部8bに脚3を取り付けた場合とで脚3を接地させた際の当該支持構造体2の高さ位置が異なるようにする。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座と、この座を下方から支持する支持構造体と、この支持構造体に取り付けられ当該支持構造体及び座を下方から支持する脚とを備えるソファであって、
前記支持構造体が、前記脚を取り付けるための互いに高さ位置が異なる第1及び第2の脚取付部を有し、
前記第1の脚取付部に脚を取り付けた場合と前記第2の脚取付部に脚を取り付けた場合とで脚を接地させた際の当該支持構造体の高さ位置が異なるソファ。
【請求項2】
前記第1の脚取付部が前記支持構造体の下面に設けられているとともに、
前記第2の脚取付部が前記支持構造体の上面に設けられている請求項1記載のソファ。
【請求項3】
前記第1の脚取付部が、前記第2の脚取付部に取り付けられた脚を通過させることが可能な脚挿通孔を有する請求項2記載のソファ。
【請求項4】
前記第1の脚取付部の直上に前記第2の脚取付部が設けられている請求項3記載のソファ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスや家庭等において好適に使用することができるソファに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィス等において、種々のタイプソファが用いられてきている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0003】
しかして、オフィスの配置替えや家庭のリビングの模様替えに際し、ソファの座面の高さ、換言すれば脚の長さを異なるものとする要望が存在する。
【0004】
しかしながら、従来のものは、脚が座を支持する支持構造体に一体に設けられていることが多く、ソファの座面の高さ(脚の長さ)を変更するにあたっては支持構造体ごと交換する必要がある。そのため、上述した要望に対応するには複数種類の支持構造体を用意しておく必要があり、使用しないタイプの支持構造体を収納しておくために大きなスペースを確保する必要がある、脚の長さが異なる支持構造体ごとに異なる製造ラインを設ける必要がある、といった問題が存在する。
【0005】
また、ソファの座面の高さ(脚の長さ)を変更すべく支持構造体側の脚取付部の高さ位置を切り替えられるようにすることや脚を伸縮可能なものとすることも考えられるが、脚の取り付け強度や脚の剛性が十分なものになるとは限らないという別の問題が存在する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】“eat-in”,コクヨ総合カタログ2022年版ファニチャー編,コクヨ株式会社,令和3年12月,p.196
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上に着目してなされたもので、部材や製造ライン等の共通化を図りつつ、また、収納スペースを大きく確保することなく、さらに脚の取り付け強度や脚の剛性を十分確保しつつ、ソファの座面の高さ、換言すれば脚の長さが異なるソファを実現し、また、ソファの座面の高さ(脚の長さ)を容易に変更できるようにする要望に対応することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明に係るソファは、座と、この座を下方から支持する支持構造体と、この支持構造体に取り付けられ当該支持構造体及び座を下方から支持する脚とを備えるソファであって、前記支持構造体が、前記脚を取り付けるための互いに高さ位置が異なる第1及び第2の脚取付部を有し、前記第1の脚取付部に脚を取り付けた場合と前記第2の脚取付部に脚を取り付けた場合とで脚を接地させた際の当該支持構造体の高さ位置が異なるものである。
【0009】
請求項2記載の発明に係るソファは、前記第1の脚取付部が前記支持構造体の下面に設けられているとともに、前記第2の脚取付部が前記支持構造体の上面に設けられている請求項1記載のものである。
【0010】
請求項3記載の発明に係るソファは、前記第1の脚取付部が、前記第2の脚取付部に取り付けられた脚を通過させることが可能な脚挿通孔を有する請求項2記載のものである。
【0011】
請求項4記載の発明に係るソファは、前記第1の脚取付部の直上に前記第2の脚取付部が設けられている請求項3記載のものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、部材や製造ライン等の共通化を図りつつ、また、収納スペースを大きく確保することなく、さらに脚の取り付け強度や脚の剛性を十分確保しつつ、ソファの座面の高さ、換言すれば脚の長さが異なるソファを実現し、また、ソファの座面の高さ(脚の長さ)を容易に変更できるようにする要望に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係るソファを示す全体斜視図。
【
図8】同実施形態に係る支持構造体を示す分解斜視図。
【
図9】同実施形態に係る脚の取付態様を示す分解斜視図。
【
図10】同実施形態に係る脚の取付態様を示す分解斜視図。
【
図11】同実施形態に係る背凭れの取付態様を示す分解斜視図。
【
図18】同実施形態に係る第2の背凭れを示す正面図。
【
図19】同実施形態に係る第2の背凭れを示す右側面図。
【
図20】同実施形態に係るバックパネルを示す正面図。
【
図21】同実施形態に係るバックパネルを示す右側面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態に係るソファSについて図面を参照しつつ述べる。
【0015】
本実施形態のソファSは、
図1~
図7に示すように、座1と、この座1を下方から支持しこのソファSの強度を担う強度部材である支持構造体2と、この支持構造体2に取り付けられ当該支持構造体2及び座1を下方から支持する脚3とを備えている。また、本実施形態のソファSは、支持構造体2に1又は複数のオプション部材、具体的には背凭れ4を取り付け可能である。
【0016】
座1は、本実施形態では3つ幅方向に並列して設けられており、
図4及び
図13に示すように、矩形状をなす座板11と、この座板11の上方に設けられる座クッション体12とを有する。本実施形態では、座板11の左右両側をそれぞれ支持構造体2の後述する補強材7に下方から支持させるようにしている。なお、本実施形態では、座板11及び座クッション体12は、張地13により被覆され、張地13の上面に着座面を形成している。
【0017】
支持構造体2は、
図1、
図2及び
図4~
図8に示すように、幅方向に伸びる前後1対の横フレーム5と、前後の横フレーム5の左右両端部間をそれぞれ接続する左右両側の縦フレーム6と、前後の横フレーム5の中間部間をそれぞれ接続する補強材7と、横フレーム5と縦フレーム6との間に介在しこれらを接続するコーナー部材8とを備えている。また、この支持構造体2は、座1を支持する第1の支持部2aと、背凭れ4等のオプション部材を支持可能かつ着脱可能に装着可能な第2の支持部2bとを備えている。
【0018】
詳述すると、横フレーム5は、
図7、
図8及び
図10~
図13に示すように、金属製の角パイプ状の部材を利用して形成されており、上面を形成する頂板51と、この頂板51の外側端すなわち他の横フレーム5から離間する側の端から垂下する外側板52と、この頂板51の内側端すなわち他の横フレーム5に向かう側の端から垂下する内側板53と、これら外側板52及び内側板53の下端部間を接続する底板54とをそれぞれ備えている。頂板51には、補強材7を取り付けるための補強材取付孔5aと、背凭れ4その他複数種類のオプション部材を支持可能かつ着脱可能に装着可能にすべく設けられた長孔5bとが設けられている。また、内側板53には、背凭れ4等のオプション部材を取り付けるための止着具であるターンファスナTFを挿通させるための止着具挿通孔5cが設けられている。そして、底板54には、頂板51に設けた長孔5bに平面視した際の位置を一致させて長孔5bを設けている。補強材取付孔5aは、後述するように補強材7に設けたねじ挿通孔72aと一致させた状態でこれら補強材取付孔5a及びねじ挿通孔を72aを通過させた図示しないプッシュリベットを介して補強材7を取り付けるためのものである。なお、補強材取付孔5aは複数のピッチで設けられており、座1の数やサイズに応じて補強材7の取付位置が適宜選択される。長孔5bは、左右方向に伸びる長円状のものであり、本実施形態ではスリーブ9を取り付け可能である。このスリーブ9は、長孔5bの開口縁に係止するための係止爪93を有する鍔部91と、この鍔部91から下方に延伸し内部にオプション取付孔9aを有するスリーブ本体92とを備えている。本実施形態では、これら長孔5b及びスリーブ9が第2の支持部2bを形成している。また、本実施形態では、前後の横フレーム5の両端間を、コーナー部材8を介して縦フレーム6により連結している。
【0019】
縦フレーム6は、
図7~
図11に示すように、金属製の角パイプ状の部材を利用して形成されており、上面を形成する頂板61と、この頂板51の外側端すなわち他の縦フレーム5から離間する側の端から垂下する外側板62と、この頂板61の内側端すなわち他の縦フレーム6に向かう側の端から垂下する内側板63と、これら外側板62及び内側板63の下端部間を接続する底板64とをそれぞれ備えている。頂板61には、背凭れ4その他複数種類のオプション部材を支持可能かつ着脱可能に装着可能にすべく設けられた長孔6aが設けられている。また、内側板63には、背凭れ4その他のオプション部材を取り付けるための止着具であるターンファスナTFを挿通させるための止着具挿通孔6bが設けられている。そして、底板64には、頂板61に設けた長孔6bに平面視した際の位置を一致させて長孔6bを設けている。縦フレーム6の長孔6bにも、横フレーム5の長孔5bと同様にスリーブ9を取り付け可能であり、これら長孔6b及びスリーブ9が第2の支持部2bを形成している。本実施形態では、前後の横フレーム5の間を、この縦フレーム6だけでなく補強材7によっても連結しうるようにしている。
【0020】
補強材7は、下方に開口するチャネル状をなし、
図8及び
図11に示すように、頂板73及び頂板73の左右両側縁からそれぞれ垂下する側板74を有する補強材本体71と、補強材本体71の頂板73の前後両端からそれぞれ外方に突出し横フレーム5に接続される接続部72とを備えている。この補強材7は、接続部72に設けたねじ挿通孔72aと横フレーム5の補強材取付孔5aとを一致させた状態で、前述したようにこれら補強材取付孔5a及びねじ挿通孔72aを通過させた図示しないプッシュリベットにより横フレーム5に取り付けるようになっている。ここで、本実施形態では、この補強材7により座1の左半部及び右半部をそれぞれ下方から支持するようにしている。すなわち、横フレーム5の補強材取付孔5aとこの補強材7とにより、座1を支持する第1の支持部2aを形成している。ここで、前述したように、前後の横フレーム5の間は、縦フレーム6及び補強材7を利用して連結するようにしているが、横フレーム5と縦フレーム6との間にはコーナー部材8を介在させている。
【0021】
コーナー部材8は、
図8~
図10に示すように、頂板83、底板84、並びにこれら頂板83及び底板84の前後方向一側端部を接続する起立板85を有するコーナー部材本体81と、このコーナー部材本体81の頂板83及び底板84の前後方向他側端部を接続する取付具82とを溶接等により一体に構成したものであり、縦フレーム6に溶接されている。このコーナー部材8は、横フレーム5に設けたねじ挿通孔5dを通過させた雄ねじ87を取付具82に設けた図示しない雌ねじ孔に螺着することにより横フレーム5に接続するようになっている。通常の使用時においては、このコーナー部材8は、コーナーカバー88により隠蔽されるようになっている。コーナー部材本体81は、下面及び上面にそれぞれ互いに高さ位置が異なる第1及び第2の脚取付部8a、8bを有する。第1及び第2の脚取付部8a、8bは、いずれも、ねじ89を介して脚3の基端部に設けられたブラケット31を止着するための雌ねじ孔8a1、8b1を有する。また、第1及び第2の脚取付部8a、8bは、その中央部に第2の脚取付部8bに取り付けられた脚3を通過させることが可能な脚挿通孔8a2、8b2を有している。脚3の取付態様については後述する。
【0022】
脚3は、本実施形態では円筒状をなす金属製のパイプ状の部材を利用して形成したものであり、
図8~
図10に示すように、基端部に矩形状のブラケット31が設けられているとともに、先端部にはアジャスタ32が取り付けられている。この脚3は、支持構造体2のコーナー部材8の第1又は第2の脚取付部8a、8bに選択的に取り付け可能である。より具体的には、ブラケット31を第1の脚取付部8aの下面に当接させた状態でねじ89により下方からねじ止めする第1の取付態様と、ブラケット31を第2の脚取付部8bの上面に当接させた状態でねじ89により上方からねじ止めする第2の取付態様とを選択可能である。31aは、ブラケット31にねじ89を挿通させるためのねじ挿通孔である。ここで、第2の取付態様では、この脚3が第1及び第2の脚取付部8a、8bの脚挿通孔8a2、8b2を通過するようになっている。そして、第1の脚取付部8aに脚3を取り付けた場合と比較して、第2の脚取付部8bに脚3を取り付けた場合、脚3を接地させた際の支持構造体2の高さ位置が当該支持構造体2の厚み分だけ異なるようになっている。
図2において、第1の脚取付部8aに脚3を取り付けた場合の脚3のアジャスタ32の位置を実線で示しており、第2の脚取付部8bに脚3を取り付けた場合の脚3のアジャスタ32の位置を想像線で示している。
【0023】
しかして、前述したように、このソファSの支持構造体2にはオプション部材として背凭れ4を取り付け可能である。
【0024】
背凭れ4は、
図7及び
図11~
図17に示すように、矩形状をなす背板41と、背板41の周囲に配される背クッション体42と、背板41を補強すべく当該背板41に取り付けられるものであって上下方向に延伸し後方に開口したチャネル状をなす背金具43と、背金具43の下端部に設けられ前方に突出する背金具補強部材44と、この背金具補強部材44の前部から下方に突出し横フレーム5の第2の支持部5bに係合可能な棒状突起45とを備えている。背金具43は、本実施形態では左右1対に設けられており、背板に図示しないねじを利用してねじ止めされている。背金具補強部材44は、背金具43の下端部から前方に突出する水平部441と、この水平部441の突出端から垂下する垂下部442とを備えており、垂下部442に横フレーム5の止着具挿通孔5cと一致させてターンファスナTFを挿通させるための止着具挿通孔4aが設けられている。棒状突起45は、本実施形態では円柱状をなしており、横フレーム5の第2の支持部5b、より具体的にはスリーブ9のオプション取付孔9aに係合可能である。その直径d0はオプション取付孔9aの短径d1に等しく、同オプション取付孔9aの長径d2よりも短く設定されている。
【0025】
ここで、横フレーム5への背凭れ4の取付手順について以下に述べる。まず、横フレーム5の長孔5bにスリーブ9を装着し、第2の支持部5bを形成する。次いで、このスリーブ9のオプション取付孔9a内に背凭れ4の棒状突起45を挿入する。そして、背凭れ4及び横フレーム5の止着具挿通孔4a、5cを一致させ、これら止着具挿通孔4a、5cにターンファスナTFを挿通させ、そのターンファスナTFを90度回転させる。
【0026】
また、本実施形態では、オプション部材として、上述した背凭れ4に代えて、高さ寸法が大きい第2の背凭れP1やバックパネルP2といったオプション部材を支持構造体2の横フレーム5に装着することが可能になっている。さらに、肘掛けP3やサイドパネル(図示略)といったオプション部材を支持構造体2の縦フレーム6に装着することも可能になっている。
【0027】
第2の背凭れP1は、高さ寸法が大きくなっている以外、前述した背凭れ4と同様の構成を有する。すなわち、この第2の背凭れP1は、
図18及び
図19に示すように、矩形状をなす背板P11と、背板P11の周囲に配される背クッション体P12と、背板P11を補強すべく当該背板P11に取り付けられるものであって上下方向に延伸し後方に開口したチャネル状をなす背金具P13と、背金具P13の下端部に設けられ前方に突出する背金具補強部材P14と、この背金具補強部材P14の前部から下方に突出し支持構造体2の第2の支持部2bに係合可能な棒状突起P15とを備えている。背金具補強部材P14は、背金具P13の下端部から前方に突出する水平部P141と、この水平部P141の突出端から垂下する垂下部P142とを備えており、垂下部P142に横フレーム5の止着具挿通孔5cと一致させてターンファスナTFを挿通させるための止着具挿通孔P1aが設けられている。背金具P13、背金具補強部材P14及び棒状突起P15は、前述した背凭れ4における背金具43、背金具補強部材44及び棒状突起45と同様の構成を有しており、棒状突起P15の直径は前述した背凭れ4における棒状突起45の直径と等しい値に設定している。また、横フレーム5への取り付け構造及び取付の手順も前述した背凭れ4の場合と同様である。
【0028】
なお、座1及び背凭れ4、P1は、上述した態様では使用者1人ごとに対応する幅寸法のものを3つ幅方向に並列して設けているが、ソファSの幅寸法に略等しい幅寸法を有するものを1つだけ設けるようにしてもよく、使用者1人ごとに対応する幅寸法の2倍の幅寸法を有する2人用のものと使用者1人ごとに対応する幅寸法を有する1人用のものとを幅方向に並列して設けてもよい。さらに、背凭れ4、P1は2人用のもののみを設けるようにし、残りの1人用の部分は背凭れを有しないカウチ部としてもよい。
【0029】
バックパネルP2は、
図20及び
図21に示すように、板状のバックパネル本体P22と、そのバックパネル本体P22を補強すべく当該バックパネル本体P22に取り付けられるものであって上下方向に延伸し後方に開口したチャネル状をなすパネル金具P23と、パネル金具P23の下端部に設けられ前方に突出するパネル金具補強部材P24と、このパネル金具補強部材P24の前部から下方に突出し支持構造体2の第2の支持部2bに係合可能な棒状突起P25とを備えている。パネル金具補強部材P24は、パネル金具P23の下端部から前方に突出する水平部P241と、この水平部P241の突出端から垂下する垂下部P242とを備えており、垂下部P242に横フレーム5の止着具挿通孔5cと一致させてターンファスナTFを挿通させるための止着具挿通孔P2aが設けられている。ここで、パネル金具P23、パネル金具補強部材P24及び棒状突起P25は、前述した背凭れ4における背金具43、背金具補強部材44及び棒状突起45と同様の構成を有しており、棒状突起P25の直径は前述した背凭れ4における棒状突起45の直径と等しい値に設定している。また、バックパネルP2の横フレー5ムへの取り付け構造及び取付の手順も前述した背凭れ4の場合と同様である。
【0030】
肘掛けP3は、
図22及び
図23に示すように、矩形状をなす肘掛け板P31と、肘掛け板P31の周囲に配される肘クッション材P32と、肘掛け板P31を補強すべく当該肘掛け板P31に取り付けられるものであって上下方向に延伸し外方に開口したチャネル状をなす肘掛け金具P33と、肘掛け金具P33の下端部に設けられ内方に突出する肘掛け金具補強部材P34と、この肘掛け金具補強部材P34の突出端近傍から下方に突出し支持構造体2の第2の支持部2bに係合可能な棒状突起P35とを備えている。肘掛け金具補強部材P34は、肘掛け金具P33の下端部から前方に突出する水平部P341と、この水平部P341の突出端から垂下する垂下部P342とを備えており、垂下部P342に横フレーム5の止着具挿通孔5cと一致させてターンファスナTFを挿通させるための止着具挿通孔P3aが設けられている。ここで、肘掛け金具P33、肘掛け金具補強部材P34及び棒状突起P35は、前述した背凭れ4における背金具43、背金具補強部材44及び棒状突起45と同様の構成を有しており、棒状突起P35の直径は前述した背凭れ4における棒状突起45の直径と等しい値に設定している。また、肘掛けP3の縦フレーム6への取り付け構造及び取付の手順も前述した背凭れ4の横フレーム5への取り付け構造及び取付の手順と同様である。
【0031】
サイドパネルは、幅寸法が支持構造体2の奥行き寸法に対応するものである以外、前述したバックパネルP2と同様の構成を有する。また、サイドパネルの縦フレーム6への取り付け構造及び取付の手順も前述した背凭れ4、P1及びサイドパネルP2の横フレーム5への取り付け構造及び取付の手順と同様である。
【0032】
ここで、
図1は本実施形態に係るソファSを示す全体斜視図である。
図2は同ソファSを示す正面図である。
図3は同ソファSを示す平面図である。
図4は同ソファSを示す底面図である。
図5は同ソファSを示す右側面図である。
図6は同ソファSを示す背面図である。
図7は同ソファSを示す分解斜視図である。
図8は本実施形態の支持構造体2を示す分解斜視図である。
図9は本実施形態に係る脚3の取付態様を示す上面側からの分解斜視図である。
図10は同底面側からの解斜視図である。
図11は本実施形態に係る背凭れ4の取付態様を示す分解斜視図である。
図12は
図2におけるA-A線に沿った断面図である。
図13は
図5におけるB-B線に沿った断面図である。なお、
図12及び
図13においては、背凭れ4の支持構造体2への接合部位近傍を拡大して示している。
図14は本実施形態の背凭れ4を示す正面図である。
図15は同背凭れ4を示す右側面図である。
図16は
図14におけるC-C線に沿った断面図である。
図17は
図14におけるD-D線に沿った断面図である。
図18は本実施形態に係る第2の背凭れP1を示す正面図である。
図19は同第2の背凭れP1を示す右側面図である。
図20は本実施形態に係るバックパネルP2を示す正面図である。
図21は同バックパネルP2を示す右側面図である。
図22は本実施形態に係る肘掛けP3を示す正面図である。
図23は同肘掛けP3を示す側面図である。なお、本明細書中において、「肘掛けP3の正面」は、着座者に向かう面を示す概念である。
【0033】
以上に述べたように、本実施形態の構成によれば、支持構造体2が、脚3を取り付けるためのそれぞれ高さ位置の異なる第1及び第2の脚取付部8a、8bを有し、第1の脚取付部8aに脚3を取り付けた場合と第2の脚取付部8bに脚3を取り付けた場合とで脚3を接地させた際の当該支持構造体2の高さ位置が異なるので、必要に応じて座1の座面の高さを容易に変更することができるとともに、脚取付部8a、8bへの脚3の取付強度を十分確保できる。すなわち、本実施形態のソファSの構成によれば、部材や製造ライン等の共通化を図りつつ、また、収納スペースを大きく確保することなく、さらに脚の取り付け強度や脚の剛性を十分確保しつつ、座面の高さ、換言すれば脚3の長さが異なるソファSを実現し、また、ソファSの座面の高さ(脚の長さ)を容易に変更できるようにする要望に対応することができるとともに、使用時に脚3ががたつくことやソファSが揺れることを防止ないし抑制することができる。
【0034】
また、第1の脚取付部8aが支持構造体2の下面、より具体的にはコーナー部材8の下面に設けられているとともに、第2の脚取付部8bが支持構造体2の上面、より具体的にはコーナー部材8の上面に設けられているので、ソファSに最低限の設計変更を加えるだけで座面の高さを変更可能な構成を実現できる。
【0035】
さらに、第1の脚取付部8aの直上に第2の脚取付部8bが設けられているとともに、第1の脚取付部8aが、第2の脚取付部8bに取り付けられた脚3を通過させることが可能な脚挿通孔8a1を有するので、平面視した場合における脚3の設置場所を変更すること無く座面の高さを変更可能な構成を実現できる。
【0036】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
【0037】
例えば、支持構造体の構成は上述した実施形態におけるものに限らない。すなわち、縦フレームを省略し、前後1対の横フレームの両端を接続したもの等を採用してもよい。このような支持構造体の例として、長円を半割した形状をなす前後1対の横フレームの両端を接続した構成のもの等が挙げられる。
【0038】
また、脚を取り付けるための第1及び第2の脚取付部の配置その他の構成も、上述した実施形態におけるものに限らない。すなわち、支持構造体の上面または下面以外に第1及び第2の脚取付部の少なくとも一方を設けてもよく、また、第1の脚取付部の直上に第2の脚取付部を取り付ける必要も必ずしもない。
【0039】
さらに、支持構造体に対する背凭れ等のオプション部材の取付構造は、上述した実施形態におけるものに限らない。すなわち、オプション部材の種類毎にそれぞれ異なるブラケットを介して支持構造体に取り付けるようなものであってもよい。但し、上述した実施形態のようなオプション部材の取付構造によれば、強度を担う強度部材である支持構造体を共通化しつつ、種々のオプション部材を共通の支持部に支持させることによりオプション部材の支持構造体への取付部位の構造をも共通化でき、設計コストや部材の製造コストの削減を図ることができる。その上、ソファのオプション部材の変更も、ソファ全体の搬出入を行うことなく支持構造体に対するオプション部材の脱着により行うことができるので、オフィスの配置替えや家庭のリビングの模様替えが面倒に感じられる不具合を低減することもできる。さらに、オプション部材が取り付けられない、すなわち、座と、支持構造体と、脚とのみからなるソファに本発明を適用してもよい。
【0040】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
【符号の説明】
【0041】
S…ソファ
1…座
2…支持構造体
3…脚
8a…第1の脚取付部
8a1…脚挿通孔
8b…第2の脚取付部
8b1…脚挿通孔