(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063695
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】ソファ
(51)【国際特許分類】
A47C 7/42 20060101AFI20240502BHJP
A47C 17/02 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
A47C7/42
A47C17/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171861
(22)【出願日】2022-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】▲鶴▼▲崎▼ 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】市川 夏子
【テーマコード(参考)】
3B084
【Fターム(参考)】
3B084FA01
3B084FA03
(57)【要約】
【課題】オフィスや家庭等において好適に使用することができ、背凭れを有するとともに背凭れの前方にクッションを配することが可能なソファにおいて、着座者の状況や好みに応じてクッションを背凭れ前方の適切な高さ位置に配置できるようにする。
【解決手段】座1と、この座1の後部の上方に設けられる背凭れ4と、この背凭れ4の前方に設けられるクッションCSを備えたソファSにおいて、クッションCSの着座面1sからの高さ位置を変更可能なものとする。
【選択図】
図25
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座と、この座の後部の上方に設けられる背凭れと、この背凭れの前方に設けられるクッションを備えたソファであって、
前記クッションの着座面からの高さ位置を変更可能であるソファ。
【請求項2】
前記背凭れの前面にクッション案内用ガイドを配しており、このクッション案内用ガイドを介して前記クッションの高さ位置を変更可能である請求項1記載のソファ。
【請求項3】
前記クッション案内用ガイドが、前記背凭れの上端縁を経由して前記背凭れの前方に垂下させたベルト状の部材を利用して形成されたものであり、このベルト状のクッション案内用ガイドの前方に前記クッションの少なくとも一部を配しているとともに、このクッションの高さ位置がクッション案内用ガイドとの間の摩擦力により保持されている請求項2記載のソファ。
【請求項4】
前記クッション案内用ガイドを形成するベルト状の部材が、クッションの左右両端部に左右1対に設けられている請求項3記載のソファ。
【請求項5】
前記クッション案内用ガイドを形成するベルト状の部材の下端部に、クッションの下方への抜脱を規制するためのストッパが設けられているか又は前記ベルト状の部材の下端部がクッションに固着されている請求項3記載のソファ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスや家庭等において好適に使用することができるソファに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィス等において、種々のタイプのソファが用いられてきている。
【0003】
このようなソファにおいて、着座者の腰部を支持させるべく、背凭れの前方にクッションを補助的に設けることが行われている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
しかしながら、従来のものは、単に背凭れの前方かつ着座面の後部にクッションを載置しただけである。これに対し、ソファにおいても、クッションの高さ位置を着座者の状況や好みに応じた適切なものとする要望が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上に着目してなされたもので、着座者の状況や好みに応じてクッションの高さ位置を適切なものに設定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明に係るソファは、座と、この座の後部の上方に設けられる背凭れと、この背凭れの前方に設けられるクッションを備えたソファであって、前記クッションの着座面からの高さ位置を変更可能なものである。
【0008】
請求項2記載の発明に係るソファは、前記背凭れの前面にクッション案内用ガイドを配しており、このクッション案内用ガイドを介して前記クッションの高さ位置を変更可能な請求項1記載のものである。
【0009】
請求項3記載の発明に係るソファは、前記クッション案内用ガイドが、前記背凭れの上端縁を経由して前記背凭れの前方に垂下させたベルト状の部材を利用して形成されたものであり、このベルト状のクッション案内用ガイドの前方に前記クッションの少なくとも一部を配しているとともに、このクッションの高さ位置がクッション案内用ガイドとの間の摩擦力により保持されている請求項2記載のものである。
【0010】
請求項4記載の発明に係るソファは、前記クッション案内用ガイドを形成するベルト状の部材が、クッションの左右両端部に左右1対に設けられている請求項3記載のものである。
【0011】
請求項5記載の発明に係るソファは、前記クッション案内用ガイドを形成するベルト状の部材の下端部にクッションの下方への抜脱を規制するためのストッパが設けられているか又は前記ベルト状の部材の下端部がクッションに固着されている請求項3記載のものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、着座者の状況や好みに応じてクッションの高さ位置を適切なものに設定できるソファが実現可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係るソファを示す全体斜視図。
【
図8】同実施形態に係る支持構造体を示す分解斜視図。
【
図9】同実施形態に係る脚の取付態様を示す分解斜視図。
【
図10】同実施形態に係る脚の取付態様を示す分解斜視図。
【
図11】同実施形態に係る背凭れの取付態様を示す分解斜視図。
【
図18】同実施形態に係る第2の背凭れを示す正面図。
【
図19】同実施形態に係る第2の背凭れを示す右側面図。
【
図20】同実施形態に係るバックパネルを示す正面図。
【
図21】同実施形態に係るバックパネルを示す右側面図。
【
図24】同実施形態に係る背凭れを取り付けたソファの要部を示す正面図。
【
図25】同実施形態に係る背凭れを取り付けたソファの要部を示す右側面図。
【
図26】同実施形態に係る背凭れを取り付けたソファの要部を示す平面図。
【
図27】同実施形態に係る第2の背凭れを取り付けたソファの要部を示す正面図。
【
図28】同実施形態に係る第2の背凭れを取り付けたソファの要部を示す右側面図。
【
図29】同実施形態に係る第2の背凭れを取り付けたソファの要部を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態に係るソファSについて図面を参照しつつ述べる。
【0015】
本実施形態のソファSは、
図1~
図7に示すように、座1と、この座1を下方から支持しこのソファSの強度を担う強度部材である支持構造体2と、この支持構造体2に取り付けられ当該支持構造体2及び座1を下方から支持する脚3とを備えている。また、本実施形態のソファSは、支持構造体2に1又は複数のオプション部材、具体的には背凭れ4を取り付け可能である。
【0016】
座1は、本実施形態では3つ幅方向に並列して設けられており、
図4及び
図13に示すように、矩形状をなす座板11と、この座板11の上方に設けられる座クッション体12とを有する。本実施形態では、座板11の左右両側をそれぞれ支持構造体2の後述する補強材7に下方から支持させるようにしている。なお、本実施形態では、座板11及び座クッション体12は、張地13により被覆され、張地13の上面に着座面を形成している。
【0017】
支持構造体2は、
図1、
図2及び
図4~
図8に示すように、幅方向に伸びる前後1対の横フレーム5と、前後の横フレーム5の左右両端部間をそれぞれ接続する左右両側の縦フレーム6と、前後の横フレーム5の中間部間をそれぞれ接続する補強材7と、横フレーム5と縦フレーム6との間に介在しこれらを接続するコーナー部材8とを備えている。また、この支持構造体2は、座1を支持する第1の支持部2aと、背凭れ4等のオプション部材を支持可能かつ着脱可能に装着可能な第2の支持部2bとを備えている。
【0018】
詳述すると、横フレーム5は、
図7、
図8及び
図10~
図13に示すように、金属製の角パイプ状の部材を利用して形成されており、上面を形成する頂板51と、この頂板51の外側端すなわち他の横フレーム5から離間する側の端から垂下する外側板52と、この頂板51の内側端すなわち他の横フレーム5に向かう側の端から垂下する内側板53と、これら外側板52及び内側板53の下端部間を接続する底板54とをそれぞれ備えている。頂板51には、補強材7を取り付けるための補強材取付孔5aと、背凭れ4その他複数種類のオプション部材を支持可能かつ着脱可能に装着可能にすべく設けられた長孔5bとが設けられている。また、内側板53には、背凭れ4等のオプション部材を取り付けるための止着具であるターンファスナTFを挿通させるための止着具挿通孔5cが設けられている。そして、底板54には、頂板51に設けた長孔5bに平面視した際の位置を一致させて長孔5bを設けている。補強材取付孔5aは、後述するように補強材7に設けたねじ挿通孔72aと一致させた状態でこれら補強材取付孔5a及びねじ挿通孔72aを通過させた図示しないプッシュリベットを介して補強材7を取り付けるためのものである。なお、補強材取付孔5aは複数のピッチで設けられており、座1の数やサイズに応じて補強材7の取付位置が適宜選択される。長孔5bは、左右方向に伸びる長円状のものであり、本実施形態ではスリーブ9を取り付け可能である。このスリーブ9は、長孔5bの開口縁に係止するための係止爪93を有する鍔部91と、この鍔部91から下方に延伸し内部にオプション取付孔9aを有するスリーブ本体92とを備えている。本実施形態では、これら長孔5b及びスリーブ9が第2の支持部2bを形成している。また、本実施形態では、前後の横フレーム5の両端間を、コーナー部材8を介して縦フレーム6により連結している。
【0019】
縦フレーム6は、
図7~
図11に示すように、金属製の角パイプ状の部材を利用して形成されており、上面を形成する頂板61と、この頂板51の外側端すなわち他の縦フレーム5から離間する側の端から垂下する外側板62と、この頂板61の内側端すなわち他の縦フレーム6に向かう側の端から垂下する内側板63と、これら外側板62及び内側板63の下端部間を接続する底板64とをそれぞれ備えている。頂板61には、背凭れ4その他複数種類のオプション部材を支持可能かつ着脱可能に装着可能にすべく設けられた長孔6aが設けられている。また、内側板63には、背凭れ4その他のオプション部材を取り付けるための止着具であるターンファスナTFを挿通させるための止着具挿通孔6bが設けられている。そして、底板64には、頂板61に設けた長孔6bに平面視した際の位置を一致させて長孔6bを設けている。縦フレーム6の長孔6bにも、横フレーム5の長孔5bと同様にスリーブ9を取り付け可能であり、これら長孔6b及びスリーブ9が第2の支持部2bを形成している。本実施形態では、前後の横フレーム5の間を、この縦フレーム6だけでなく補強材7によっても連結しうるようにしている。
【0020】
補強材7は、下方に開口するチャネル状をなし、
図8及び
図11に示すように、頂板73及び頂板73の左右両側縁からそれぞれ垂下する側板74を有する補強材本体71と、補強材本体71の頂板73の前後両端からそれぞれ外方に突出し横フレーム5に接続される接続部72とを備えている。この補強材7は、接続部72に設けたねじ挿通孔72aと横フレーム5の補強材取付孔5aとを一致させた状態で、前述したようにこれら補強材取付孔5a及びねじ挿通孔72aを通過させた図示しないプッシュリベットにより横フレーム5に取り付けるようになっている。ここで、本実施形態では、この補強材7により座1の左半部及び右半部をそれぞれ下方から支持するようにしている。すなわち、横フレーム5の補強材取付孔5aとこの補強材7とにより、座1を支持する第1の支持部2aを形成している。ここで、前述したように、前後の横フレーム5の間は、縦フレーム6及び補強材7を利用して連結するようにしているが、横フレーム5と縦フレーム6との間にはコーナー部材8を介在させている。
【0021】
コーナー部材8は、
図8~
図10に示すように、頂板83、底板84、並びにこれら頂板83及び底板84の前後方向一側端部を接続する起立板85を有するコーナー部材本体81と、このコーナー部材本体81の頂板83及び底板84の前後方向他側端部を接続する取付具82とを溶接等により一体に構成したものであり、縦フレーム6に溶接されている。このコーナー部材8は、横フレーム5に設けたねじ挿通孔5dを通過させた雄ねじ87を取付具82に設けた図示しない雌ねじ孔に螺着することにより横フレーム5に接続するようになっている。通常の使用時においては、このコーナー部材8は、コーナーカバー88により隠蔽されるようになっている。コーナー部材本体81は、下面及び上面にそれぞれ互いに高さ位置が異なる第1及び第2の脚取付部8a、8bを有する。第1及び第2の脚取付部8a、8bは、いずれも、ねじ89を介して脚3の基端部に設けられたブラケット31を止着するための雌ねじ孔8a1、8b1を有する。また、第1及び第2の脚取付部8a、8bは、その中央部に第2の脚取付部8bに取り付けられた脚3を通過させることが可能な脚挿通孔8a2、8b2を有している。脚3の取付態様については後述する。
【0022】
脚3は、本実施形態では円筒状をなす金属製のパイプ状の部材を利用して形成したものであり、
図8~
図10に示すように、基端部に矩形状のブラケット31が設けられているとともに、先端部にはアジャスタ32が取り付けられている。この脚3は、支持構造体2のコーナー部材8の第1又は第2の脚取付部8a、8bに選択的に取り付け可能である。より具体的には、ブラケット31を第1の脚取付部8aの下面に当接させた状態でねじ89により下方からねじ止めする第1の取付態様と、ブラケット31を第2の脚取付部8bの上面に当接させた状態でねじ89により上方からねじ止めする第2の取付態様とを選択可能である。31aは、ブラケット31にねじ89を挿通させるためのねじ挿通孔である。ここで、第2の取付態様では、この脚3が第1及び第2の脚取付部8a、8bの脚挿通孔8a2、8b2を通過するようになっている。そして、第1の脚取付部8aに脚3を取り付けた場合と比較して、第2の脚取付部8bに脚3を取り付けた場合、脚3を接地させた際の支持構造体2の高さ位置が当該支持構造体2の厚み分だけ異なるようになっている。
図2において、第1の脚取付部8aに脚3を取り付けた場合の脚3のアジャスタ32の位置を実線で示しており、第2の脚取付部8bに脚3を取り付けた場合の脚3のアジャスタ32の位置を想像線で示している。
【0023】
しかして、前述したように、このソファSの支持構造体2にはオプション部材として背凭れ4を取り付け可能である。
【0024】
背凭れ4は、
図7及び
図11~
図17に示すように、矩形状をなす背板41と、背板41の周囲に配される背クッション体42と、背板41を補強すべく当該背板41に取り付けられるものであって上下方向に延伸し後方に開口したチャネル状をなす背金具43と、背金具43の下端部に設けられ前方に突出する背金具補強部材44と、この背金具補強部材44の前部から下方に突出し横フレーム5の第2の支持部5bに係合可能な棒状突起45とを備えている。背金具43は、本実施形態では左右1対に設けられており、背板に図示しないねじを利用してねじ止めされている。背金具補強部材44は、背金具43の下端部から前方に突出する水平部441と、この水平部441の突出端から垂下する垂下部442とを備えており、垂下部442に横フレーム5の止着具挿通孔5cと一致させてターンファスナTFを挿通させるための止着具挿通孔4aが設けられている。棒状突起45は、本実施形態では円柱状をなしており、横フレーム5の第2の支持部5b、より具体的にはスリーブ9のオプション取付孔9aに係合可能である。その直径d0はオプション取付孔9aの短径d1に等しく、同オプション取付孔9aの長径d2よりも短く設定されている。
【0025】
ここで、横フレーム5への背凭れ4の取付手順について以下に述べる。まず、横フレーム5の長孔5bにスリーブ9を装着し、第2の支持部5bを形成する。次いで、このスリーブ9のオプション取付孔9a内に背凭れ4の棒状突起45を挿入する。そして、背凭れ4及び横フレーム5の止着具挿通孔4a、5cを一致させ、これら止着具挿通孔4a、5cにターンファスナTFを挿通させ、そのターンファスナTFを90度回転させる。
【0026】
また、本実施形態では、オプション部材として、上述した背凭れ4に代えて、高さ寸法が大きい第2の背凭れP1やバックパネルP2といったオプション部材を支持構造体2の横フレーム5に装着することが可能になっている。さらに、肘掛けP3やサイドパネル(図示略)といったオプション部材を支持構造体2の縦フレーム6に装着することも可能になっている。
【0027】
第2の背凭れP1は、高さ寸法が大きくなっている以外、前述した背凭れ4と同様の構成を有する。すなわち、この第2の背凭れP1は、
図18及び
図19に示すように、矩形状をなす背板P11と、背板P11の周囲に配される背クッション体P12と、背板P11を補強すべく当該背板P11に取り付けられるものであって上下方向に延伸し後方に開口したチャネル状をなす背金具P13と、背金具P13の下端部に設けられ前方に突出する背金具補強部材P14と、この背金具補強部材P14の前部から下方に突出し支持構造体2の第2の支持部2bに係合可能な棒状突起P15とを備えている。背金具補強部材P14は、背金具P13の下端部から前方に突出する水平部P141と、この水平部P141の突出端から垂下する垂下部P142とを備えており、垂下部P142に横フレーム5の止着具挿通孔5cと一致させてターンファスナTFを挿通させるための止着具挿通孔P1aが設けられている。背金具P13、背金具補強部材P14及び棒状突起P15は、前述した背凭れ4における背金具43、背金具補強部材44及び棒状突起45と同様の構成を有しており、棒状突起P15の直径は前述した背凭れ4における棒状突起45の直径と等しい値に設定している。また、横フレーム5への取り付け構造及び取付の手順も前述した背凭れ4の場合と同様である。
【0028】
なお、座1及び背凭れ4、P1は、上述した態様では使用者1人ごとに対応する幅寸法のものを3つ幅方向に並列して設けているが、ソファSの幅寸法に略等しい幅寸法を有するものを1つだけ設けるようにしてもよく、使用者1人ごとに対応する幅寸法の2倍の幅寸法を有する2人用のものと使用者1人ごとに対応する幅寸法を有する1人用のものとを幅方向に並列して設けてもよい。さらに、背凭れ4、P1は2人用のもののみを設けるようにし、残りの1人用の部分は背凭れを有しないカウチ部としてもよい。
【0029】
バックパネルP2は、
図20及び
図21に示すように、板状のバックパネル本体P22と、そのバックパネル本体P22を補強すべく当該バックパネル本体P22に取り付けられるものであって上下方向に延伸し後方に開口したチャネル状をなすパネル金具P23と、パネル金具P23の下端部に設けられ前方に突出するパネル金具補強部材P24と、このパネル金具補強部材P24の前部から下方に突出し支持構造体2の第2の支持部2bに係合可能な棒状突起P25とを備えている。パネル金具補強部材P24は、パネル金具P23の下端部から前方に突出する水平部P241と、この水平部P241の突出端から垂下する垂下部P242とを備えており、垂下部P242に横フレーム5の止着具挿通孔5cと一致させてターンファスナTFを挿通させるための止着具挿通孔P2aが設けられている。ここで、パネル金具P23、パネル金具補強部材P24及び棒状突起P25は、前述した背凭れ4における背金具43、背金具補強部材44及び棒状突起45と同様の構成を有しており、棒状突起P25の直径は前述した背凭れ4における棒状突起45の直径と等しい値に設定している。また、バックパネルP2の横フレー5ムへの取り付け構造及び取付の手順も前述した背凭れ4の場合と同様である。
【0030】
肘掛けP3は、
図22及び
図23に示すように、矩形状をなす肘掛け板P31と、肘掛け板P31の周囲に配される肘クッション材P32と、肘掛け板P31を補強すべく当該肘掛け板P31に取り付けられるものであって外方に開口したチャネル状をなす肘掛け金具P33と、肘掛け金具P33の下端部に設けられ内方に突出する肘掛け金具補強部材P34と、この肘掛け金具補強部材P34の突出端近傍から下方に突出し支持構造体2の第2の支持部2bに係合可能な棒状突起P35とを備えている。肘掛け金具補強部材P34は、肘掛け金具P33の下端部から前方に突出する水平部P341と、この水平部P341の突出端から垂下する垂下部P342とを備えており、垂下部P342に横フレーム5の止着具挿通孔5cと一致させてターンファスナTFを挿通させるための止着具挿通孔P3aが設けられている。ここで、肘掛け金具P33、肘掛け金具補強部材P34及び棒状突起P35は、前述した背凭れ4における背金具43、背金具補強部材44及び棒状突起45と同様の構成を有しており、棒状突起P35の直径は前述した背凭れ4における棒状突起45の直径と等しい値に設定している。また、肘掛けP3の縦フレーム6への取り付け構造及び取付の手順も前述した背凭れ4の横フレーム5への取り付け構造及び取付の手順と同様である。
【0031】
サイドパネルは、幅寸法が支持構造体2の奥行き寸法に対応するものである以外、前述したバックパネルP2と同様の構成を有する。また、サイドパネルの縦フレーム6への取り付け構造及び取付の手順も前述した背凭れ4、P1及びサイドパネルP2の横フレーム5への取り付け構造及び取付の手順と同様である。
【0032】
加えて、本実施形態では、
図24~
図30に示すように、背凭れ4又は第2の背凭れP1の前方に以下に示すような態様でクッションCSを着座面1sからの高さ位置を変更可能に取り付けられるようになっている。換言すれば、このソファSは、
図24~
図26に示すように、座1と、この座1の後部の上方に設けられる背凭れ4と、この背凭れ4の前方に着座面1sからの高さ位置を変更可能に設けられるクッションCSを備えたものとすることができる。また、このソファSは、
図27~
図29に示すように、座1と、この座1の後部の上方に設けられる第2の背凭れP1と、この背凭れP1の前方に着座面1sからの高さ位置を変更可能に設けられるクッションCSを備えたものとすることもできる。
【0033】
このとき、
図24~
図29に示すように、背凭れ4、P1の前面にクッション案内用ガイドGを配しており、このクッション案内用ガイドGを介してクッションCSの着座面1sからの高さ位置を変更可能としている。クッション案内用ガイドGは、背凭れ4、P1の上端縁を経由して背凭れ4、P1の前方に垂下させたベルト状の部材(以下、クッション案内用ベルトG1と称する)を利用して形成されたものである。クッションCSは、このクッション案内用ベルトG1の前方にその少なくとも一部が配されている。その上で、このクッションCSの高さ位置は、クッション案内用ベルトG1との間の摩擦力により保持されている。なお、クッション案内用ベルトG1は、クッションCSの左右両端部に左右1対に設けられている。
【0034】
詳述すると、この座1の後部の上方に背凭れ4を設ける態様においては、
図24~
図26に示すように、クッション案内用ベルトG1は、背凭れ4の上端縁に設けた案内ベルト取付部46を介して背凭れ4の前面に取り付けられている。案内ベルト取付部46は、本実施形態では背凭れ4の上端縁の左右両端近傍にそれぞれ突没可能に形成した舌片であり、クッション案内用ベルトG1を取り付けるための止着具であるホックHの雌部材H1がそれぞれ設けられている。一方、クッション案内用ベルトG1は、上端部及び中間部に案内ベルト取付部46のホックHの雌部材H1と係合可能なホックの雄部材H21、H22をそれぞれ備えている。この態様では、クッション案内用ベルトG1の中間部に設けたホックHの雄部材H22と案内ベルト取付部46のホックHの雌部材H1とを係合させることにより、クッション案内用ベルトG1を背凭れ4の前面に取り付けられるようになっている。
【0035】
また、座1の後部の上方に第2の背凭れP1を設ける態様においては、
図27~
図29に示すように、クッション案内用ベルトG1は、背凭れP1の上端縁に設けた案内ベルト取付部P16を介して背凭れP1の前面に取り付けられている。案内ベルト取付部P16は、本実施形態では背凭れP1の上端縁の左右両端近傍にそれぞれ突没可能に形成した舌片であり、クッション案内用ベルトG1を取り付けるためのホックHの雌部材H1がそれぞれ設けられている。この態様では、クッション案内用ベルトG1の上端部に設けたホックHの雄部材H21と案内ベルト取付部46のホックHの雌部材H1とを係合させることにより、クッション案内用ベルトG1を背凭れP16の前面に取り付けられるようになっている。
【0036】
クッション案内用ベルトG1の下端部は、クッションCSの下方への抜脱を規制すべくクッションCSに固着されている。本実施形態では、クッション案内用ベルトG1の下端部はクッションCSに縫い付けられている。そして、クッション案内用ベルトG1の下端部には、クッションCSを上方向に移動させた際に生じるクッション案内用ベルトG1の余長を少なくすべく、クッション案内用ベルトG1の余長によりループ部G11が形成されている。
【0037】
ここで、クッション案内用ベルトG1の上端部のホックの雄部材H21から当該クッション案内用ベルトG1の下端までの長手寸法は、第2の背凭れP1の高さ寸法に対応している。また、クッション案内用ベルトG1の中間部のホックの雄部材H22から当該クッション案内用ベルトG1の下端までまでの長手寸法は、背凭れ4の高さ寸法に対応している。
【0038】
なお、案内ベルト取付部46、P16は、非使用時には背凭れ4、P1の内部に収納可能になっている。
【0039】
クッションCSは、本実施形態では、
図30に示すように、クッション案内用ベルトG1の前方に配される前要素CS1と、クッション案内用ベルトG1を挟んで前要素CS1の後方に配される後要素CS2と、これら前要素CS1及び後要素CS2を被覆するとともにクッション案内用ベルトG1を挿通させるための挿通孔CS3aを上下両端部に備えた被覆部CS3とを備えている。また、前要素CS1と後要素CS2とが互いに対向する面、すなわち前要素CS1の後面CS1b及び後要素CS2の前面CS2aには、クッション案内用ベルトG1との間の滑り止めのための張地CS4がそれぞれ設けられており、この張地CS4とクッション案内用ベルトG1との間の摩擦によりクッションCSが所望の高さ位置に保持されるようになっている。
【0040】
ここで、
図1は本実施形態に係るソファSを示す全体斜視図である。
図2は同ソファSを示す正面図である。
図3は同ソファSを示す平面図である。
図4は同ソファSを示す底面図である。
図5は同ソファSを示す右側面図である。
図6は同ソファSを示す背面図である。
図7は同ソファSを示す分解斜視図である。
図8は本実施形態の支持構造体2を示す分解斜視図である。
図9は本実施形態に係る脚3の取付態様を示す上面側からの分解斜視図である。
図10は同底面側からの解斜視図である。
図11は本実施形態に係る背凭れ4の取付態様を示す分解斜視図である。
図12は
図2におけるA-A線に沿った断面図である。
図13は
図5におけるB-B線に沿った断面図である。なお、
図12及び
図13においては、背凭れ4の支持構造体2への接合部位近傍を拡大して示している。
図14は本実施形態の背凭れ4を示す正面図である。
図15は同背凭れ4を示す右側面図である。
図16は
図14におけるC-C線に沿った断面図である。
図17は
図14におけるD-D線に沿った断面図である。
図18は本実施形態に係る第2の背凭れP1を示す正面図である。
図19は同第2の背凭れP1を示す右側面図である。
図20は本実施形態に係るバックパネルP2を示す正面図である。
図21は同バックパネルP2を示す右側面図である。
図22は本実施形態に係る肘掛けP3を示す正面図である。
図23は同肘掛けP3を示す側面図である。なお、本明細書中において、「肘掛けP3の正面」は、着座者に向かう面を示す概念である。
図24は背凭れ4を設けたソファSの要部を示す拡大正面図である。
図25は背凭れ4を設けたソファSの要部を示す拡大右側面図である。
図26は背凭れ4を設けたソファSの要部を示す拡大平面図である。
図27は第2の背凭れP1を設けたソファSの要部を示す拡大正面図である。
図28は第2の背凭れP1を設けたソファSの要部を示す拡大右側面図である。
図29は第2の背凭れP1を設けたソファSの要部を示す拡大平面図である。
図30は
図24におけるX-X線に沿った断面図である。なお、
図30において、座1は省略して示している。
【0041】
以上に述べたように、本実施形態の構成によれば、クッションCSの着座面1sからの高さ位置を変更可能にしているので、着座者の状況や好みに応じてクッションの高さ位置を適切なものに設定できる。
【0042】
また、背凭れ4、P1の前面にクッション案内用ガイドGを配しており、このクッション案内用ガイドGを介してクッションCSの高さ位置を変更可能であるので、クッションの幅方向位置を保ちつつクッションCSの高さ位置の調節を行うことができる。
【0043】
さらに、クッション案内用ガイドGが、背凭れ4、P1の上端縁を経由して背凭れ4、P1の前方に垂下させたクッション案内用ベルトG1を利用して形成されたものであり、このクッション案内用ベルトG1の前方にクッションCSの少なくとも一部すなわち前要素CS1を配しているとともに、このクッションCSの高さ位置がクッション案内用ベルトG1との間の摩擦力により保持されているので、クッションの高さ調整を容易に行うことができる。
【0044】
そして、クッション案内用ベルトG1の下端部が、クッションCSの下方への抜脱を規制すべくクッションCSに固着されているので、使い勝手を好適なものにできる。
【0045】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
【0046】
例えば、支持構造体の構成、脚を取り付けるための第1及び第2の脚取付部の配置その他の構成、及び支持構造体に対する背凭れその他のオプション部材の取付構造は、上述した実施形態におけるものに限らない。すなわち、座及び背凭れを有するソファ全般に、本発明を適用可能である。さらに換言すれば、支持構造体に対して脚、背凭れ及びその他のオプション部材がそれぞれ着脱可能であるか否かにかかわらず、背凭れが座の後部の上方に設けられているとともに、その背凭れの前方に設けられるクッションを備えているソファ全般に本発明は適用可能である。
【0047】
また、クッションの高さ位置を変更するための構成は、上述した実施形態におけるものに限らない。例えば、背凭れ面に面ファスナの雄部材を上下方向に伸びる態様で配するとともにクッションの外周面の一部または全部に面ファスナの雌部材を配し、面ファスナを介してクッションを背凭れ面の任意の位置に接着することによりクッションの高さ位置を変更できるようにする構成等が考えられる。
【0048】
さらに、背凭れの前面にクッション案内用ガイドを配する場合であっても、クッション案内用ガイドは任意の構成を採用してよい。例えば、上述した実施形態におけるもの以外に、背凭れ面に上下方向に伸びる凹溝を設けるとともに、クッションの背面にこの凹溝に係合可能な突起を設け、この突起を凹溝状の所望の位置で係止できるようにする態様等が考えられる。
【0049】
クッション案内用ガイドを形成するベルト状の部材の配置も、上述した実施形態ではクッションの左右両端部の後方に左右1対に設けられているが、クッションの幅方向中央部の後方に幅広なものを1つだけ設ける態様や、クッションの左右両端部及び幅方向中央部の後方に計3つ設ける態様等を採用してもよい。
【0050】
そして、ベルト状の部材の下端部に設けられクッションの下方への抜脱を規制するための方法として、上述した実施形態のようにベルト状の部材の下端部をクッションに固着する方法に限らず、例えばベルト状の部材の下端部にストッパを設けるようにしてもよい。加えて、必ずしもクッションの下方への抜脱を規制する必要はない。
【0051】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
【符号の説明】
【0052】
S…ソファ
1…座
1s…着座面
4、P1…背凭れ
CS…クッション
G…クッション案内用ガイド
G1…ベルト状の部材(クッション案内用ベルト)