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特開2024-6370情報処理装置、情報処理システム、および、情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006370
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、および、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/018 20230101AFI20240110BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240110BHJP
   H04L 9/32 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
G06Q30/00 340
G06Q50/10
H04L9/32 200Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107184
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】522077328
【氏名又は名称】SUSHI TOP MARKETING株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】徳永 大輔
(72)【発明者】
【氏名】大塚 大輔
(72)【発明者】
【氏名】木村 俊
(72)【発明者】
【氏名】島村 海聖
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB00
5L049CC12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザの負担を低減しつつ、特定のNFTについてユーザが所有者となったことをユーザが把握できるようにする。
【解決手段】情報処理システムにおいて、情報処理サーバ2は、第1のNFTを第1のウォレットアドレスに配布するトランザクションを、ブロックチェーンネットワークBに送信し、ブロックチェーンネットワークBにおいて第1のウォレットアドレスへの第1のNFTの配布が完了したか否かを、完了した旨の応答があるまで繰り返し問合せ、完了した旨の応答があった場合、ウォレットアドレスと、NFTの種類を区別するためのNFT指定情報と、ユーザへの通知を行うために必要な通知関連情報とが対応付けられた管理用データを参照し、管理用データにおいて第1のウォレットアドレスの値と第1のNFTのNFT指定情報の値との組合せと対応付けられた通知関連情報を取得し、通知関連情報に基づいて第1のNFTの配布の完了を端末に通知する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のNFT(Non-Fungible Token)を第1のウォレットアドレスに配布するトランザクションを、ブロックチェーンネットワークに送信し、
前記ブロックチェーンネットワークにおいて前記第1のウォレットアドレスへの前記第1のNFTの配布が完了したか否かを、完了した旨の応答があるまで繰り返し問合せ、
前記完了した旨の応答があった場合、ウォレットアドレスと、NFTの種類を区別するためのNFT指定情報と、ユーザへの通知を行うために必要な通知関連情報とが対応付けられた管理用データを参照し、前記管理用データにおいて前記第1のウォレットアドレスの値と前記第1のNFTの前記NFT指定情報の値との組合せと対応付けられた前記通知関連情報を取得し、
取得した前記通知関連情報に基づいて前記第1のNFTの配布が完了したことを端末に通知する情報処理部を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記端末には、特定の1つ以上のNFTと対応付けられ、所定のサーバからのプッシュ通知に応じてメッセージを表示する機能を有するパスカードが登録され、
前記管理用データでは、前記パスカードごとに、前記ウォレットアドレスと、前記パスカードと対応付けられたNFTの前記NFT指定情報と、前記所定のサーバに前記パスカードへのプッシュ通知を行わせるために必要な情報を含む前記通知関連情報とが対応付けられ、
前記情報処理部は、
前記完了した旨の応答があった場合、前記管理用データを参照し、前記管理用データにおいて前記第1のウォレットアドレスの値と前記第1のNFTの前記NFT指定情報の値との組合せと対応付けられた前記通知関連情報を取得し、
取得した前記通知関連情報に基づいて、前記端末に登録された前記パスカードへのプッシュ通知を前記所定のサーバに行わせる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理部は、前記端末に前記パスカードが登録されるシーンにおいて、
前記端末から前記NFT指定情報の値と、前記ウォレットアドレスの値とを前記端末からネットワークを介して取得し、
受信した前記NFT指定情報のNFTと対応付けられた前記パスカードを登録するためのリンクの発行をパスカード管理サーバに要求して前記リンクと前記通知関連情報とを取得し、前記リンクを選択可能な画面を前記端末に表示させ、
前記管理用データにおいて、受信した前記NFT指定情報の値と、受信した前記ウォレットアドレスの値と、取得した前記通知関連情報とを対応付ける
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記端末には、特定の1つ以上のNFTと対応付けられたアプリケーションがインストールされ、
前記管理用データでは、前記アプリケーションごとに、前記ウォレットアドレスと、前記アプリケーションと対応付けられたNFTの前記NFT指定情報と、所定のサーバに前記アプリケーションへのプッシュ通知を行わせるために必要な情報を含む前記通知関連情報とが対応付けられ、
前記情報処理部は、
前記完了した旨の応答があった場合、前記管理用データを参照し、前記管理用データにおいて前記第1のウォレットアドレスの値と前記第1のNFTの前記NFT指定情報の値との組合せと対応付けられた前記通知関連情報を取得し、
取得した前記通知関連情報に基づいて、前記端末にインストールされた前記アプリケーションへのプッシュ通知を前記所定のサーバに行わせる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
端末と、前記端末とネットワークを介して接続された情報処理装置とを備える情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
第1のNFT(Non-Fungible Token)を第1のウォレットアドレスに配布するトランザクションを、ブロックチェーンネットワークに送信し、
前記ブロックチェーンネットワークにおいて前記第1のウォレットアドレスへの前記第1のNFTの配布が完了したか否かを、完了した旨の応答があるまで繰り返し問合せ、
前記完了した旨の応答があった場合、ウォレットアドレスと、NFTの種類を区別するためのNFT指定情報と、ユーザへの通知を行うために必要な通知関連情報とが対応付けられた管理用データを参照し、前記管理用データにおいて前記第1のウォレットアドレスの値と前記第1のNFTの前記NFT指定情報の値との組合せと対応付けられた前記通知関連情報を取得し、
取得した前記通知関連情報に基づいて前記第1のNFTの配布が完了したことを前記端末に通知する情報処理部を備える
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
情報処理装置の情報処理部が、第1のNFT(Non-Fungible Token)を第1のウォレットアドレスに配布するトランザクションを、ブロックチェーンネットワークに送信するステップと、
前記情報処理装置の前記情報処理部が、前記ブロックチェーンネットワークにおいて前記第1のウォレットアドレスへの前記第1のNFTの配布が完了したか否かを、完了した旨の応答があるまで繰り返し問合せるステップと、
前記情報処理装置の前記情報処理部が、前記完了した旨の応答があった場合、ウォレットアドレスと、NFTの種類を区別するためのNFT指定情報と、ユーザへの通知を行うために必要な通知関連情報とが対応付けられた管理用データを参照し、前記管理用データにおいて前記第1のウォレットアドレスの値と前記第1のNFTの前記NFT指定情報の値との組合せと対応付けられた前記通知関連情報を取得するステップと、
前記情報処理装置の前記情報処理部が、取得した前記通知関連情報に基づいて前記第1のNFTの配布が完了したことを端末に通知するステップとを含む
ことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システムおよび情報処理方法に関し、特に、NFTに関する処理を実行する情報処理装置、当該情報処理装置を含む情報処理システムおよび当該情報処理装置による情報処理方法に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルアートや、デジタル的なトレーディングカード、ゲームアイテム、その他のデジタル資産の唯一性や保有者を保証し、証明することが可能なNFT(Non-Fungible Token)が広く認知されると共に、普及してきている。NFTに関し、例えば特許文献1には、NFTに対してセキュアな制御を行う技術が記載されている。また例えば特許文献2には、ゲームアイテムをNFTとしてゲーム内とゲーム外との間で送受信する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-166028号公報
【特許文献2】特開2021-152715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザがNFTを所有するためには、ブロックチェーンネットワーク上で、ユーザがNFTの所有者となっている必要がある。例えばブロックチェーンネットワークがイーサリアムに対応するものである場合、スマートコントラクト内でNFTに対応するトークンIDと、ユーザのウォレットアドレスとが対応付けられている必要がある。従来、ユーザが、あるNFTについて自身が所有者となっている可能性がある状況において、実際に自身が所有者となっているか否かを把握するためには、確認作業を所定の態様で行う必要があった。例えばユーザは、NFTに関する所定のツールを利用して、自身のウォレットアドレスと対応付けられたNFTを確認する作業、或いは、特定のNFTの所有者が誰であるのかを確認する作業を、間隔をあけて繰返し行うという作業を行う必要があった。このような作業はユーザにとって煩雑であり、ユーザの負担となっていた。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、ユーザの負担を低減しつつ、特定のNFTについてユーザが所有者となったことをユーザが把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために、本発明は、第1のNFT(Non-Fungible Token)を第1のウォレットアドレスに配布するトランザクションを、ブロックチェーンネットワークに送信し、ブロックチェーンネットワークにおいて第1のウォレットアドレスへの第1のNFTの配布が完了したか否かを、完了した旨の応答があるまで繰り返し問合せる。そして本発明は、完了した旨の応答があった場合、「ウォレットアドレスと、NFTの種類を区別するためのNFT指定情報と、ユーザへの通知を行うために必要な通知関連情報とが対応付けられた管理用データ」を参照し、管理用データにおいて第1のウォレットアドレスの値と第1のNFTのNFT指定情報の値との組合せと対応付けられた通知関連情報を取得し、取得した通知関連情報に基づいて第1のNFTの配布が完了したことを端末に通知する。
【発明の効果】
【0007】
上記のように構成した本発明によれば、ブロックチェーンネットワークにおいて、特定のウォレットアドレスへの特定のNFTへの配布が完了した場合、そのことが検出されると共に、検出に応じてユーザに通知が行われる。ユーザは、通知によって、特定のNFTについて実際に自身が所有者となったことを認識できる。このためユーザは、特定のNFTについて実際に自身が所有者となっているか否かを把握するために、確認作業を繰返し行う必要がなく、ユーザの負担が低減される。すなわち本発明によれば、ユーザの負担を低減しつつ、特定のNFTについてユーザが所有者となったことをユーザが把握できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバおよび端末の機能構成例を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバのハードウェア構成例である。
図4】パスカードの説明に利用する図である。
図5】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバ、端末およびパスカード管理サーバの動作例を示すフローチャートである。
図6】パスカード取得用Webページの一例を示す図である。
図7】各種データベースのレコードの内容を示す図である。
図8】変更後のパスカード取得用Webページの一例を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバ、端末、パスカード管理サーバおよびブロックチェーンネットワークの動作例を示すフローチャートである。
図10】各種データベースの内容を示す図である。
図11】本発明の一実施形態の変形例に係る情報処理サーバおよび端末の機能構成例を示すブロック図である。
図12】ユーザ関連データベースのレコードの内容を示す図である。
図13】本発明の一実施形態の変形例に係る情報処理サーバ、端末およびブロックチェーンネットワークの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。図1で示すように情報処理システム1は、情報処理サーバ2(特許請求の範囲の「情報処理装置」に相当)と、1つ以上の端末3とを含んで構成されている。情報処理サーバ2および端末3は、インターネット、電話網、その他の通信網を含むネットワークNに接続可能であり、ネットワークNを介して通信可能である。ネットワークNは、情報処理サーバ2および端末3が通信に利用するネットワークを、後述するブロックチェーンネットワークBと区別するために、便宜的に表現するものである。ネットワークNには、パスカード管理サーバ4が接続されている。
【0010】
端末3は、ユーザが使用するコンピュータである。端末3は、液晶パネルや、有機ELパネル等の表示装置5(図2)を備えているか、表示装置5が接続されている。本実施形態ではユーザとは、情報処理サーバ2が提供するサービス(以下「本件サービス」という)を利用し得る者を意味する。端末3は、ブラウザが搭載されているコンピュータであれば、そのタイプはどのようなものであってもよい。例えばデスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、タブレット型コンピュータ(いわゆるスマートフォンを含む)を端末3として機能させることができる。図1では、数個の端末3を例示的に示している。
【0011】
情報処理サーバ2は、本件サービスを提供するサーバ装置である。図1で示すように情報処理サーバ2は、ネットワークNに接続されると共に、ブロックチェーンネットワークBに接続される。ブロックチェーンネットワークBは、イーサリアムに係るP2P分散ネットワークであり、P2P方式によって多数のノードが互いに接続されている。ブロックチェーンネットワークBの各ノードは、ブロックチェーン技術により、ブロックチェーン(分散台帳)を記憶する。
【0012】
ブロックチェーンネットワークBは、イーサリアムに係るネットワークであるため、各ノードに記憶されるブロックチェーンには、スマートコントラクトを登録可能である。更にブロックチェーンネットワークBでは、FT(Fungible Token)のほか、NFT(Non-Fungible Token)を発行可能である。周知の通り、NFTは、FTとは異なり代替性を有さないトークンであり、デジタル資産の唯一性や保有者の保証/証明に広く利用されている。本実施形態では、NFTは、ERC721に準拠したトークンを想定する。なお本実施形態では、ブロックチェーンネットワークBをイーサリアムに係るネットワークとしているが、これはあくまで一例であり、他のタイプのネットワークであってもよい。またNFTが準拠する規格はERC721に限られるものではない。
【0013】
情報処理サーバ2は、端末3をクライアントとするサーバとして機能すると共に、ブロックチェーンネットワークBのエンドポイントとして機能する。情報処理サーバ2は、ブロックチェーンに各種トランザクション(スマートコントラクトを実行するためのトランザクションを含む)を送信する処理を実行可能である。
【0014】
パスカード管理サーバ4は、後述するパスカードに関する各種処理を実行するサーバである。パスカード管理サーバ4は、パスカードに関する所定のフレームワーク(例えば、PassKit(登録商標)に係るフレームワーク)に従って、各種サービスを提供する機能を有する。
【0015】
図2は、情報処理サーバ2および端末3の機能構成例を示すブロック図である。図2で示すように情報処理サーバ2は機能構成として、情報処理部10および通信部11を備えている。また端末3は機能構成として、端末制御部12および端末通信部13を備えている。上記機能ブロック10~13は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記機能ブロック10~13は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROM等を備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。情報処理サーバ2は記憶手段として、記憶部14を備えている。端末3は記憶手段として、端末記憶部15を備えている。
【0016】
情報処理サーバ2の通信部11は、ネットワークNおよびブロックチェーンネットワークBと所定のプロトコルに従って通信する。以下、情報処理サーバ2による通信は、通信部11により適切に行われるものとして詳細な説明を省略する。端末3の端末通信部13は、ネットワークNと所定のプロトコルに従って通信する。情報処理サーバ2および端末3による通信は、端末通信部13により適切に行われるものとして詳細な説明を省略する。
【0017】
図3は、情報処理サーバ2のハードウェア構成の一例である。図3の例において情報処理サーバ2は、処理装置16、一次記憶装置17、補助記憶装置18(記憶媒体)、通信装置19および入出力装置20を備えている。処理装置16、一次記憶装置17、補助記憶装置18、通信装置19および入出力装置20は、バス21を介して接続されている。処理装置16は、制御装置、演算装置、レジスタおよびキャッシュメモリを含んで構成されたCPUを備えている。情報処理部10の少なくとも一部の機能は、処理装置16により実現される。一次記憶装置17は、DRAM等の揮発性メモリを備えている。一次記憶装置17は、処理装置16が直接読み書きするデータを一時的に記憶する。補助記憶装置18は、ハードディスクドライブ(他の磁気記憶装置であってもよい)、ROM、フラッシュメモリ、その他の不揮発性メモリを備えている。補助記憶装置18は、各種データを不揮発的に記憶する。記憶部14の少なくとも一部の機能は、補助記憶装置18により実現される。通信装置19は、通信制御装置およびネットワークインタフェイスを含んで構成され、ネットワークNを介した外部装置との通信を実現する。通信部11の少なくとも一部の機能は、通信装置19により実現される。入出力装置20は、入出力制御装置、入力装置および出力装置を含んで構成される。図3で示すように補助記憶装置18には、プログラム22が記憶されている。処理装置16は、補助記憶装置18に記憶されたプログラム22を一次記憶装置17に読み出して実行することにより、各種処理を実行する。
【0018】
本実施形態ではユーザは、情報処理サーバ2が提供する本件サービスを利用することによって、特定のNFTについて自身が所有者となったときに、煩雑な作業を行うことなく、迅速にそのことを把握することができる。本実施形態では、あるユーザへのあるNFTの配布とは、そのユーザがそのNFTの所有権を有する状態を構築することを意味する。なお、あるユーザへのあるNFTの所有権の設定は、そのNFTに対応するスマートコントラクト内で、そのNFTのトークンIDとそのユーザのアドレス(基本的にはウォレットアドレス)とが対応付けられることによって行われる。以下、ユーザがパスカード(後述)を取得するときのシーン(以下「パスカード取得シーン」という)と、ユーザへのNFTの配布が行われるシーン(以下「NFT配布シーン」という)との2つのシーンに分けて、情報処理サーバ2の動作を説明する。
【0019】
<パスカード取得シーン>
パスカード取得シーンにおける情報処理サーバ2の動作の説明に先立って、まずパスカードについて説明する。本実施形態においてパスカードとは、概念的には以下を意味する。すなわち1つのパスカードには、1つ以上の種類のNFTが対応づけられている。そしてパスカードは、対応付けられたNFTの所有者がユーザとなったときに、そのことの通知を受けるというサービスを享受するためのチケットである。ある1つのパスカードは、パスカードに関する所定のフレームワーク(例えば、PassKit(登録商標)に係るフレームワーク)に従って各種情報が記録されたファイル(以下「パスファイル」という)により実現される。パスファイルは、端末3の端末記憶部15に記憶される。つまり端末3にパスカードを登録するためには、パスカードに対応するパスファイルを端末記憶部15に記憶させる必要がある。パスファイルには、パスカードを画面として表示装置5に表示するときの情報(パスカードを表現する画像等)が含まれており、ユーザは、所定の操作を行ってパスカードを画面として表示装置5に表示させることができる。以下、画面として表示されたパスカードを特に「表示用パスカード」という。
【0020】
図4は、パスカードの説明に利用する図である。図4において符号PF-1、PF-2はそれぞれ、パスファイルを示している。パスファイルPF-1には、NFT(a)およびNFT(b)が対応付けられ、パスファイルPF-2には、NFT(c)が対応付けられている。NFT(a)、NFT(b)およびNFT(c)はそれぞれ、異なる種類のNFTを示している。また符号3-1、3-2、3-3はそれぞれ、端末3を示している。端末3-1の所有者をユーザU1とし、端末3-2の所有者をユーザU2とし、端末3-3の所有者をユーザU3とする。
【0021】
図4において、端末3-1にはパスファイルPF-1が記憶されている。これにより端末3-1には、パスファイルPF-1により実現されるパスカードPC-1が登録されている。また端末3-2にはパスファイルPF-2が記憶されている。これにより端末3-2には、パスファイルPF-2により実現されるパスカードPC-2が登録されている。また端末3-3にはパスファイルPF-2が記憶されている。これにより端末3-3にはパスファイルPF-2により実現されるパスカードPC-3が登録されている。パスカードPC-2とパスカードPC-3とは共に、パスファイルPF-2に基づくものであるが、これらは別のパスカードとして管理される。
【0022】
図4の例の場合、ユーザU1(端末3-1の所有者)は、NFT(a)およびNFT(b)について、NFTを取得したときに通知を受けるチケットを所有しているということになる。従ってNFT(a)またはNFT(b)の所有者がユーザU1となったときに、後述する技術的手法によりユーザU1の端末3-1に対して所定の通知が行われる。またユーザU2(端末3-2の所有者)は、NFT(c)について、NFT取得時の通知を受けるチケットを所有しているということになる。従ってNFT(c)の所有者がユーザU2となったときに、後述する技術的手法によりユーザU2の端末3-2に対して所定の通知が行われる。同様に、NFT(c)の所有者がユーザU3となった場合、端末3-3に所定の通知が行われる。一方、NFT(c)の所有者がユーザU1となったとき、ユーザU1の端末3-1に対して通知は行われない。
【0023】
なお、1つの端末3に複数のパスカードを登録する(複数のパスファイルを記憶する)ことも可能である。この場合、複数のパスカードに対応する複数のパスファイルが1つの端末3に記憶される。
【0024】
次にパスカード取得シーンにおける情報処理サーバ2の動作について説明する。図5は、パスカード取得シーンにおける情報処理サーバ2、端末3およびパスカード管理サーバ4の動作例を示すフローチャートである。図5においてフローチャートFAは端末3の動作を、フローチャートFBは情報処理サーバ2の動作を、フローチャートFCはパスカード管理サーバ4の動作を示している。図5を用いた説明では、ユーザ(「注目ユーザ」とする)が、ある特定のNFT(「注目NFT」とする)と対応付けられたパスカードの取得を希望しているものとし、注目ユーザが自身の端末3にパスカードを登録するときの各装置の処理について説明する。
【0025】
図5のフローチャートFAで示すように注目ユーザは、自身の端末3のブラウザに、注目NFTに対応するパスカード取得用URLへとアクセスさせる(ステップSX1)。パスカード取得用URLとは、パスカードを取得するための専用のWebページであるパスカード取得用Webページ30(図6)のURLである。特に注目NFTに対応するパスカード取得用URLとは、注目NFTに対応づけられたパスカードを取得するためのパスカード取得用Webページ30のURLである。注目NFTに対応するパスカード取得用URLは、事前に適切な方法で注目ユーザに伝えられる。
【0026】
ブラウザにパスカード取得用URLへとアクセスさせる方法はどのような方法でもよい。例えば端末3がカメラ付き携帯端末3である場合において、注目ユーザは、注目NFTに対応するパスカード取得用URLが二次元コード化された二次元コードを、端末3のカメラにより撮影することによって、ブラウザにアクセスさせる。この場合、例えば情報処理サーバ2を運用する主体(以下「サービス提供会社」という)により、注目NFTに係る二次元コードが記録(印字)された紙媒体が事前に注目ユーザに提供される。また例えば注目ユーザは、ブラウザにより提供されるURL入力欄にパスカード取得用URLを入力することによって、ブラウザにアクセスさせる。
【0027】
図5のフローチャートFAで示すように、注目ユーザからのアクセスの指示に応じて端末3の端末制御部12は、ブラウザの機能によりパスカード取得用URLにアクセス(HTTPリクエスト)する(ステップSA1)。なお本実施形態では、パスカード取得用URLは、情報処理サーバ2の管理下のURLである。つまり情報処理サーバ2がパスカード取得用Webページ30を提供するWebサーバとして機能する。ただしパスカード取得用URLのアクセス先のサーバは、情報処理サーバ2以外のサーバであってもよい。つまり情報処理サーバ2以外のサーバが、パスカード取得Webページ30を応答するWebサーバと機能する構成でもよい。
【0028】
図5のフローチャートFBで示すように、情報処理サーバ2の情報処理部10は、端末3からのアクセスに応じて、注目NFTに対応するパスカード取得用Webページ30に係るHTMLファイル(付随するデータ群を含む)を応答する(HTTPレスポンス)する(ステップSB1)。図5のフローチャートFAで示すように、端末3の端末制御部12は、受信したHTMLファイルに基づいて、注目NFTに対応するパスカード取得用Webページ30を端末3の表示装置5に表示する(ステップSA2)。
【0029】
図6は、パスカード取得用Webページ30の一例を示す図である。図6で示すように、パスカード取得用Webページ30には、ウォレットアドレスを入力するためのウォレットアドレス入力欄31が設けられている。注目ユーザは、ウォレットアドレス入力欄31に自身のウォレットアドレスの値を入力する。以下、ウォレットアドレス入力欄31に入力された値を「入力ウォレットアドレス値」という。なお図6で示すパスカード取得用Webページ30は単純化したものであり、他の情報が表示されてもよいことは勿論である。例えば、パスカード取得用Webページ30を利用して取得可能なパスカードに対応付けられた1つ以上のNFTの内容を示す情報(例えば、NFTに対応するデジタルコンテンツを示す情報)がパスカード取得用Webページ30に表示される構成でもよい。本例の場合、注目NFTの内容を示す情報が、パスカード取得用Webページ30に表示される構成でもよい。
【0030】
図6で示すように、ウォレットアドレス入力欄31の下方には、実行ボタン32が設けられている。実行ボタン32が選択されると、対応するNFT(本例では注目NFT)のNFT指定情報(後述)の値と、入力ウォレットアドレス値とをパラメータとして含む所定のURL(情報処理サーバ2の管理下のURL)へのアクセスが実行される。以下、実行ボタン32が選択されたときのアクセス先のURLを「実行ボタン選択時URL」という。つまり実行ボタン32が選択されると、対応するNFTのNFT指定情報の値および入力ウォレットアドレス値とが情報処理サーバ2に送信される。
【0031】
NFT指定情報は、NFTの種類を区別するためにNFTごとに付与された文字列を値として有する情報である。NFT指定情報は、スマートコントラクト内で管理されるいわゆるトークンIDとは異なる情報であり、本件サービス内でNFTの種類を区別するために用いられる。一例として一のNFTのNFT指定情報の値は「aaa」という文字列とされ、当該一のNFTとは種類の異なる他のNFTのNFT指定情報の値は「bbb」という文字列とされる。以下、NFT指定情報の値を「NFT指定情報値」という。
【0032】
図7(A)は記憶部14に記憶されたNFT関連データベース29の1件のレコードの内容を示す図である。NFT関連データベース29は、NFTの種類ごとにレコードを有する。図7(A)で示すように、NFT関連データベース29の1件のレコードは、NFT指定情報と、NFT詳細情報とを含む。NFT詳細情報は、対応するNFTを配布するために必要な情報(より詳細にはNFTを配布するためのトランザクションをブロックチェーンネットワークBに送信するために必要な情報)を少なくとも含む。NFT詳細情報は、少なくともNFTに対応するスマートコントラクトのコントラクトアドレスを含む。
【0033】
実行ボタン32が選択されたときに送信されるNFT指定情報値は、パスカード取得用Webページ30を利用して取得されるパスカードと対応付けられた1つ以上のNFTについてのNFT指定情報値である。本例では、パスカード取得用Webページ30は、注目NFTと対応付けられたパスカードを取得するためのWebページである。従って、実行ボタン32が選択されたときに送信されるNFT指定情報値は、注目NFTを示す値である。なお実行ボタン32の選択に応じたアクセスは、HTMLファイルに組み込まれた所定のスクリプトによって実行される(ただし、他の方法であっても当然よい)。
【0034】
図5のフローチャートFAで示すように注目ユーザは、ウォレットアドレス入力欄31に自身のウォレットアドレスの値を入力し、実行ボタン32を選択する(ステップSX2)。実行ボタン32の選択に応じて端末3の端末制御部12は、ブラウザの機能によりネットワークNを介して実行ボタン選択時URLにアクセスする(ステップSA3)。ステップSA3のアクセスに応じて、実行ボタン選択時URLにパラメータとして含まれるNFT指定情報値と入力ウォレットアドレス値とがネットワークを介して情報処理サーバ2に送信されることになる。本実施形態では、NFT指定情報値と入力ウォレットアドレス値とが実行ボタン選択時URLにパラメータとして含まれる構成であるが、HTTPリクエストの本文(ヘッダではなく)にこれら情報が含まれる構成でもよい。
【0035】
図5のフローチャートFBで示すように情報処理サーバ2の情報処理部10は、実行ボタン選択時URLへのアクセスに応じて、実行ボタン選択時URLに含まれるNFT指定情報値と、入力ウォレットアドレス値とを取得する(ステップSB2)。以下、ステップSB2で取得されたNFT指定情報値を「取得NFT指定情報値」といい、ステップSB2で取得された入力ウォレットアドレス値を「取得ウォレットアドレス値」という。
【0036】
次いで情報処理部10は、記憶部14のパスファイル関連データベース33を参照する(ステップSB3)。図7(B)は、パスファイル関連データベース33の1件のレコードを示す図である。パスファイル関連データベース33は、パスファイルの種類ごとにレコードを有する。図7(B)で示すようにパスファイル関連データベース33の1件のレコードは、パスファイル識別情報と、対応NFT情報と、使用可能メッセージ情報と、パスカードURL情報とを有する。パスファイル識別情報は、パスファイルを識別するための識別情報である。例えば図4のパスファイルPF-1には一意な値のパスファイル識別情報が付与されており、パスファイルPF-2には一意な値のパスファイル識別情報が付与されている。以下、パスファイル識別情報の値を「パスファイル識別情報値」という。
【0037】
対応NFT情報は、対応するパスファイルに対応付けられる1つ以上のNFTのNFT指定情報値を値として有する情報である。例えば図4のパスファイルPF-1に対応するレコードの対応NFT情報の値は、NFT(a)のNFT指定情報値、および、NFT(b)のNFT指定情報値となる。また図4のパスファイルPF-2に対応するレコードの対応NFT情報の値は、NFT(c)のNFT指定情報値となる。
【0038】
使用可能メッセージ情報は、対応するパスファイルにおいて使用可能な1つ以上の通知メッセージのメッセージ識別情報値である。ここで通知メッセージについて説明する。図7(C)は、記憶部14に記憶されたメッセージ関連データベース34の1件のレコードの内容を示す図である。メッセージ関連データベース34は、通知メッセージごとにレコードを有する。通知メッセージとは、表示用パスカードに表示させることが可能な(表示対象となり得る)メッセージのことである。通知メッセージは、テキストからなる文章である。特に通知メッセージの内容は、NFTの所有者がユーザとなったことを通知するメッセージとして適切な内容とされる。例えば通知メッセージは、「NFTを取得しました」、「NFTが配布されました」というものである。以上の通り本実施形態では、表示用パスカードに表示可能な通知メッセージが予め用意されており、各通知メッセージがメッセージ関連データベース34により管理されている。
【0039】
図7(C)で示すようにメッセージ関連データベースの1件のレコードは、メッセージ識別情報と、メッセージ内容情報とを有する。メッセージ識別情報は、通知メッセージを識別するための識別情報である。以下、メッセージ識別情報の値を「メッセージ識別情報値」という。メッセージ内容情報は、通知メッセージの具体的な内容を示すテキスト情報である。
【0040】
さてパスファイル関連データベース33の1件のレコードに含まれている使用可能メッセージ情報は、対応するパスファイルにおいて、使用可能な「2つ」以上の通知メッセージのメッセージ識別情報値である。例えば図4のパスファイルPF-1について、ある4つの通知メッセージが使用可能であるとする。この場合、パスファイルPF-1に対応するレコードの使用可能メッセージ情報は、その4つの通知メッセージのそれぞれのメッセージ識別情報値である。
【0041】
パスカードURL情報は、パスカードURLを値として有する情報である。パスカードURLについては後述する。
【0042】
ステップSB3でパスファイル関連データベース33を参照した後、情報処理部10は、取得NFT指定情報値に対応するレコードを特定する(ステップSB4)。詳述すると、上述したようにパスファイル関連データベース33の1件のレコードは、対応NFT情報を備えている。ステップSB4において情報処理部10は、パスファイル関連データベース33のレコードのうち、対応NFT情報の値が取得NFT指定情報値と一致するレコードを特定する。本例では、取得NFT指定情報値は注目NFTを示す値であり、ステップSB4で特定されるレコードは、注目NFTと対応付けられたパスファイルに対応するレコードである。
【0043】
次いで情報処理部10は、ステップSB4で特定したレコードのパスカードURL情報が示すパスカードURLを取得する(ステップSB5)。ステップSB5で取得されたパスカードURLは、対応するパスカードを端末3に登録するためのリンク(以下「パスカード登録用リンク」という)の発行を依頼する依頼先のURLである。本実施形態ではパスカードURLは、パスカード管理サーバ4の管理下のURLである。パスカードURLは、対応するパスカードのパスカード登録用リンクの発行に必要な情報がパラメータとして含まれている。本例の場合、ステップSB5で取得されるパスカードURLは、「注目NFTに対応付けられたパスカード」を端末3に登録するためのパスカード登録用リンクの発行を依頼する依頼先のURLである。そして、パスカードURLには、注目NFTに対応付けられたパスカードのパスカード登録用リンクの発行に必要な情報がパラメータとして含まれている。
【0044】
次いで情報処理部10は、ステップSB5で取得したパスカードURLに、ステップSB2で取得した取得ウォレットアドレス値をパラメータとして更に加える(ステップSB6)。次いで情報処理部10は、パスカードURLにアクセスする(ステップSB7)。なお情報処理部10が、パスカードURLにパラメータとして含まれる情報について、HTTPリクエストの本文に各種情報を記述する構成でもよい。情報処理部10によるステップSB7の処理は、特許請求の範囲の「端末から受信したNFT指定情報のNFTと対応付けられたパスカードを登録するためのリンクの発行をパスカード管理サーバに要求する処理」に相当する。
【0045】
図5のフローチャートFCで示すように、パスカード管理サーバ4は、パスカードURLへのアクセスに応じて、注目NFTに対応するパスカードを端末3に登録するためのパスカード登録用リンクを発行し、発行したパスカード登録用リンク、および、当該パスカードのユーザパスカード識別情報の値を応答する(ステップSC1)。パスカード登録用リンクは、端末3にパスカードを登録するためのリンクであり、端末3のブラウザからパスカード登録用リンク先にアクセスすると、自動でパスカードが端末3に登録される(対応するパスファイルが端末3の端末記憶部15に記憶される)。ユーザパスカード識別情報は、端末3に登録されるパスカードごとに付与される識別情報である。以下、ユーザパスカード識別情報の値を「ユーザパスカード識別情報値」という
【0046】
ここで共通するパスファイルにより実現される一のパスカードと他のパスカードとが存在する場合、当該一のパスカードのユーザパスカード識別情報値と、当該他のパスカードのユーザパスカード識別情報値とは異なる。例えば図4において、パスカードPC1-1と、パスカードPC-2と、パスカードPC-3とには、それぞれ異なるユーザパスカード識別情報値が付与される。
【0047】
図5のフローチャートFBで示すように、情報処理サーバ2の情報処理部10は、パスカード管理サーバ4からの応答に応じて、パスカード登録用リンクおよびユーザパスカード識別情報値を取得する(ステップSB8)。なおパスカード登録用リンクにユーザパスカード識別情報値が含まれている場合には、情報処理部10がパスカード登録用リンクからユーザパスカード識別情報値を抽出する構成でもよい。次いで情報処理部10は、ステップSB8で取得したパスカード登録用リンクに基づいて、内容を変更したパスカード取得用Webページ30のHTMLファイルを生成し、端末3に送信する(ステップSB9)。ステップSB9の処理は、特許請求の範囲の「リンクを選択可能な画面を端末に表示させる処理」に相当する。図5のフローチャートFAで示すように、端末3の端末制御部12は、変更後のパスカード取得用Webページ30を表示装置5に表示する(ステップSA4)。
【0048】
図8は、変更後のパスカード取得用Webページ30を示す図である。図8で示すように変更後のパスカード取得用Webページ30は、リンクボタン35が設けられている。リンクボタン35は、パスカード登録用リンクへのアクセスを指示するボタンである。注目ユーザは、リンクボタン35を選択する(ステップSX3)。すると端末3のブラウザは、パスカード登録用リンクにアクセスし、端末制御部12とアクセス先との間で必要な情報が送受信され、注目NFTに対応付けられたパスカードが端末3に登録される(パスファイルが端末記憶部15に記憶される)。なお本実施形態では、パスカード登録用リンクは、パスカード管理サーバ4の管理下のURLである。パスカード管理サーバ4は、端末3からパスカード登録料リンクがあったときに、対応するパスカードを端末3に登録させると共に、以下の処理を実行する。すなわちパスカード管理サーバ4は、端末3およびパスカードに関する必要な情報を管理し、ユーザパスカード識別情報値の指定と共にプッシュ通知の実行が要求されたときに、パスカードに対してプッシュ通知を実行できる状態を構築する。パスカード管理サーバ4は、必要に応じてプッシュ通知を行うことの許可を注目ユーザから得る。
【0049】
図5のフローチャートFBで示すようにステップSB9の処理後、情報処理サーバ2の情報処理部10は、ステップSB2で取得した取得ウォレットアドレス値、ステップSB4で特定したレコードのパスファイル識別情報値、および、ステップSB8で取得したユーザパスカード識別情報値に基づいて、記憶部14のユーザパスカード関連データベース36に1件のレコードを生成する(ステップSB10)。なおステップSB2で取得した取得ウォレットアドレス値は、注目ユーザのウォレットアドレスの値である。またステップSB4で特定したレコードのパスファイル識別情報値は、注目ユーザの端末3に登録されるパスカード(=注目NFTに対応付けられたパスカード)に対応するパスファイルのパスファイル識別情報値である。またステップSB8で取得したユーザパスカード識別情報値は、注目ユーザの端末3に登録されるパスカードのユーザパスカード識別情報値である。
【0050】
図7(D)は、ユーザパスカード関連データベース36の1件のレコードの内容を示す図である。図7(D)で示すように、ユーザパスカード関連データベース36の1件のレコードは、ユーザパスカード識別情報と、対応パスファイル情報と、ユーザウォレットアドレス情報と、直近メッセージ情報とを有する。ステップSB10において情報処理部10は、新たに生成するレコードのユーザパスカード識別情報の値をステップ8で取得したユーザパスカード識別情報値とする。また情報処理部10は、対応パスファイル情報の値をステップ4で特定したレコードのパスファイル識別情報値とする。また情報処理部10は、ユーザウォレットアドレス情報の値を、ステップSB2で取得した入力ウォレットアドレス値とする。また情報処理部10は、直近メッセージ情報の値をヌル値とする。
【0051】
直近メッセージ情報は、後述する手法でプッシュ通知された通知メッセージのうち、直近でプッシュ通知された通知メッセージのメッセージ識別情報値である。直近メッセージ情報の意義は後に明らかとなる。
【0052】
以上の通り、ユーザパスカード関連データベース36は、パスカードごとに、パスカードを識別するためのユーザパスカード識別情報値と、パスカードに対応するパスファイルのパスファイル識別情報値と、パスカードを取得したユーザ(パスカードが登録された端末3を所持するユーザ)のウォレットアドレスの値と、直近メッセージ情報とを対応付けて管理するデータベースである。なおユーザパスカード関連データベース36に1件のレコードを登録するタイミング、および、登録する方法は本実施形態で例示するものに限られない。例えばパスカード登録リンクが発行された後の任意のタイミングで、情報処理部10がパスファイル関連データベース33に必要な情報を問合せ、レコードを生成する構成でもよい。
【0053】
ここでパスファイル関連データベース33およびユーザパスカード関連データベース36は、特許請求の範囲の「管理用データ」に相当する。すなわち、ユーザパスカード識別情報値は、後に明らかとなる通り、「ユーザへの通知を行うために必要な通知関連情報」或いは「所定のサーバにパスカードへのプッシュ通知を行わせるために必要な情報を含む通知関連情報」に相当する。これを踏まえ、パスファイル関連データベース33およびユーザパスカード関連データベース36は、ウォレットアドレスと、NFTの種類を区別するためのNFT指定情報と、ユーザへの通知を行うために必要な通知関連情報とが対応付けられた「管理用データ」として機能する。
【0054】
パスカード取得シーンにおいて以上の処理が行われることにより、ユーザは、所望のNFTに対応付けられたパスカードを取得することができる。特に本実施形態では、ユーザは、パスカード取得用URLにアクセスさせた後、パスカード取得用Webページ30にウォレットアドレスを入力し、更に変更後のパスカード取得用Webページ30において提示されたリンクを選択するという非常に簡易な操作を行うだけで、パスカードを取得することができる。ただし、ユーザがパスカードを取得する方法は例示した方法に限られない。
【0055】
<NFT配布シーン>
次にNFT配布シーンにおける情報処理サーバ2の動作について説明する。NFT配布シーンは、ユーザにNFTが配布されるシーンである。図9は、NFT配布シーンにおける情報処理サーバ2、端末3、パスカード管理サーバ4およびブロックチェーンネットワークBの動作例を示すフローチャートである。なお図9では、説明の便宜のため、ブロックチェーンネットワークBを処理の主体としている。図9においてフローチャートFDは端末3の動作を示し、フローチャートFEはパスカード管理サーバ4の動作を示し、フローチャートFFは情報処理サーバ2の動作を示し、フローチャートFGはブロックチェーンネットワークBの動作を示している。以下の図9を用いた説明では、注目ユーザに注目NFTを配布する場合の各装置の処理を説明する。そして図9のフローチャートの開始時点において、注目ユーザの端末3には、注目NFTと対応付けられたパスカードが登録されているものとする。
【0056】
フローチャートFFで示すように、情報処理サーバ2の情報処理部10は、所定の事象をトリガとして、注目NFT(第1のNFT)を注目ユーザのウォレットアドレス(第1のウォレットアドレス)に配布するトランザクションをブロックチェーンに送信する(ステップSF1)。情報処理部10は、NFT関連データベース29において注目NFTのNFT指定情報値と対応付けられたNFT詳細情報の値を取得し、当該値に基づいてステップSE1の処理を実行する。なお「注目NFTを注目ユーザのウォレットアドレスに配布するトランザクション」は、NFTの発行(MINT)および所有者の設定(NFTのトークンIDとウォレットアドレスとの対応づけ)を所定のスマートコントラクトに実行させるトランザクションである。なお本例では、NFTの配布に際して情報処理部10がNFTを新規発行するものとしている。この点について情報処理部10が、既に発行されているNFTの所有権を注目ユーザに変更する(所有権を注目ユーザのウォレットアドレスに変更させるトランザクションを送信する)ことによってNFTを配布してもよい。
【0057】
フローチャートFGで示すようにステップSF1のトランザクションの送付に応じて、ブロックチェーンネットワークBは、トランザクションログを情報処理サーバ2に返す(ステップSG1)。フローチャートFFで示すように情報処理部10は、ブロックチェーンネットワークBに対して、注目ユーザへの注目NFTの配布が完了したか否かを確認する(ステップSF2)。周知の通りトランザクションを送付した後、ブロックチェーン上でトランザクションが承認されるまでにはタイムラグがある。ステップSF2において情報処理部10は、コントラクトアドレスおよびトークンIDにより注目NFTを指定し、注目ユーザのウォレットアドレスにおける注目NFTの残高を問い合わせることによって、配布が完了したか否かを確認する。配布が完了する前は、注目ユーザのウォレットアドレスにおける注目NFTの残高はゼロである一方、ブロックチェーン上でトランザクションが承認され、配布が完了すると残高が「1」となる。
【0058】
フローチャートFGで示すようにブロックチェーンネットワークBは、問合せに対して応答する(ステップSG2)。フローチャートFFで示すように情報処理部10は、応答に基づいて注目ユーザへの注目NFTの配布が完了したか否かを判別する(ステップSF3)。配布が完了していない場合(ステップSF3:NO)、情報処理部10は、一定時間だけ待機し(ステップSF4)、処理手順をステップSF2へ戻す。このように本実施形態では、NFTの配布に係るトランザクションの送信を実行した後、配布が完了(トランザクションの承認)した旨の応答(≒残高が「1」である旨の応答)があるまでは情報処理部10は、繰り返し問合せを実行する。
【0059】
一方、配布を完了した旨の応答があった場合(ステップSF3:YES)、情報処理部10は、ステップSF5に処理手順を移行する。以下、ステップSF5~ステップSF9までの処理は、適宜、図10を用いて説明する。図10は、記憶部14の各データベースの内容の一例を示し図である。図10の(A)はユーザパスカード関連データベース36を示し、(B)はパスファイル関連データベース33を示し、(C)はメッセージ関連データベース34を示している。図10を用いた説明では、注目NFTのNFT指定情報値が「N001」であり、注目ユーザのウォレットアドレスの値が「WA001」であるものとする。
【0060】
ステップSF5において情報処理部10は、記憶部14のパスファイル関連データベース33を参照し、注目NFTに対応するレコードを特定し、特定したレコードのパスファイル識別情報値を取得する。詳述すると情報処理部10は、パスファイル関連データベース33のレコードのうち、対応NFT情報の値が、注目NFTのNFT指定情報値であるレコードを特定し、そのレコードのパスファイル識別情報値を取得する。ここで取得されたパスファイル識別情報値は、注目NFTと対応付けられたパスファイルのパスファイル識別情報値である。以下、ステップSF5で取得されたパスファイル識別情報値を「対象パスファイル識別情報値」という。図10の例では、パスファイル関連データベース33のレコード33-R1の対応NFT情報の値は「N001」であり、注目NFTのNFT指定情報値と一致する。従ってステップSF5において情報処理部10は、レコード33-R1を特定し、レコード33-R1のパスファイル識別情報値(「PF001」)を取得する。
【0061】
次いで情報処理部10は、記憶部14のユーザパスカード関連データベース36を参照し、対象NFTの配布が完了した旨のプッシュ通知を行うべきパスカードに対応するレコードを特定し、特定したレコードのユーザパスカード識別情報値を取得する(ステップSF6)。より詳細には情報処理部10は、ユーザパスカード関連データベース36のレコードのうち、対応パスファイル情報の値がステップSF5で取得した対象パスファイル識別情報値であり、かつ、ユーザウォレットアドレス情報の値が注目ユーザのウォレットアドレスの値であるレコードを特定し、そのレコードのユーザパスカード識別情報値を取得する。ここで取得されたユーザパスカード識別情報値は、「注目ユーザが保有するパスカードであって対象NFTと対応付けられたパスカード」のユーザパスカード識別情報値である。以下、ステップSF6で取得されたユーザパスカード識別情報値を「対象ユーザパスカード識別情報値」という。図10の例では、ユーザパスカード関連データベース36のレコード36-R1の対応パスファイル情報の値は「PF001」であり、対象パスファイル識別情報値と一致する。更にレコード36-R1のユーザウォレットアドレス情報の値は「WA001」であり、注目ユーザのウォレットアドレスの値と一致する。従ってステップSF6において情報処理部10は、レコード36-R1を特定し、レコード36-R1のユーザパスカード識別情報値(「PC001」)を取得する。
【0062】
ここでユーザパスカード識別情報値は、パスカード管理サーバ4にパスカードへのプッシュ通知を行わせるための情報である。これを踏まえステップSF6の処理は、「管理用データ(ユーザパスカード関連データベース36およびパスファイル関連データベース33)を参照し、管理用データにおいて第1のウォレットアドレスの値と第1のNFTのNFT指定情報の値との組合せと対応付けられた通知関連情報を取得する処理」に相当する。
【0063】
次いで情報処理部10は、パスファイル関連データベース33の対象パスファイル識別情報値に対応するレコードの使用可能メッセージ情報の値を取得すると共に、ユーザパスカード関連データベース36の対象ユーザパスカード識別情報値に対応するレコードの直近メッセージ情報の値を取得する(ステップSF7)。図10の例では情報処理部10は、使用可能メッセージ情報の値として「MS001」、「MS002」、「MS003」を取得し、直近メッセージ情報の値として「MS001」を取得する。なお直近メッセージ情報の値はヌル値の場合がある。
【0064】
次いで情報処理部10は、取得した使用可能メッセージ情報が示す複数のメッセージ識別情報値の中から、取得した直近メッセージ情報が示す1つのメッセージ識別情報値とは異なる値を1つ選択する(ステップSF8)。図10の例では、情報処理部10は、取得した使用可能メッセージ情報が示す「MS001」と「MS002」と「MS003」との中から、取得した直近メッセージ情報が示す「MS001」とは異なる値(つまり「MS002」と「MS003」との何れか)を1つ選択する。1つのメッセージを選択するときのルールは任意であり、情報処理部10がランダムに選択する構成でもよく、昇順に並べたときに値の小さい方を選択する構成でもよい。図10の例では、情報処理部10は「MS002」を選択したものとする。
【0065】
次いで情報処理部10は、メッセージ関連データベース34においてステップSF8で選択したメッセージ識別情報値と対応付けられたメッセージ内容情報の値を取得する(ステップSF9)。図10の例では情報処理部10は、メッセージ関連データベース34のレコー34-R1のメッセージ内容情報(「NFTの配布が完了しました」)を取得する。
【0066】
次いで情報処理部10は、対象ユーザパスカード識別情報値、および、ステップSF9で取得したメッセージ内容情報の値をパスカード管理サーバ4に送信すると共に、メッセージの更新に伴うプッシュ通知の実行をパスカード管理サーバ4に要求する(ステップSF10)。
【0067】
図9のフローチャートFEで示すように、パスカード管理サーバ4は、ステップSF10の要求に応じて、受信した対象パスファイル識別情報値に対応するパスカード(本例では注目ユーザのパスカード)に対して、受信したメッセージ内容情報の通知メッセージをプッシュ通知する(ステップSE1)。本実施形態では、パスカードは直近の通知メッセージを保持しており、直近の通知メッセージを、「内容が異なる新たな通知メッセー」ジに更新することによってプッシュ通知が行われる仕様となっている。これを踏まえ、情報処理部10は、端末3のパスカードに対して、メッセージ内容情報に基づいて通知メッセージの更新を指示することによって、通知メッセージのプッシュ通知を実現する。
【0068】
図9のフローチャートFDで示すように端末3の端末制御部12は、プッシュ通知を受信し、注目ユーザに指定された態様で表示装置5の画面に通知メッセージを表示する(ステップSD1)。端末制御部12は、例えばロック画面に所定の態様でメッセージを表示し、また例えば画面上にバナーを表示する。
【0069】
以上説明したように本実施形態によれば、情報処理部10は、第1のNFTを、第1のウォレットアドレスに配布するトランザクションをブロックチェーンネットワークBに送信し、ブロックチェーンネットワークBにおいて第1のウォレットアドレスへの第1のNFTの配布が完了したか否かを、完了した旨の応答があるまで繰り返し問合せる。そして情報処理部10は、完了した旨の応答があった場合、「ウォレットアドレスと、NFTの種類を区別するためのNFT指定情報と、ユーザへの通知を行うために必要な通知関連情報とが対応付けられた管理用データ」(本実施形態ではユーザパスカード関連データベース36およびパスファイル関連データベース33)を参照し、管理用データにおいて第1のウォレットアドレスの値と第1のNFTのNFT指定情報の値との組合せと対応付けられた通知関連情報(本実施形態ではユーザパスカード識別情報値)を取得し、取得した通知関連情報に基づいて第1のNFTの配布が完了したことを端末3に通知する。
【0070】
この構成によれば、ブロックチェーンネットワークにおいて、特定のウォレットアドレスへの特定のNFTへの配布が完了した場合、そのことが検出されると共に、検出に応じてユーザに通知が行われる。ユーザは、通知によって、特定のNFTについて実際に自身が所有者となったことを認識できる。このためユーザは、特定のNFTについて実際に自身が所有者となっているか否かを把握するために、確認作業を繰返し行う必要がなく、ユーザの負担が低減される。すなわち本発明によれば、ユーザの負担を低減しつつ、特定のNFTについてユーザが所有者となったことをユーザが把握できるようにすることができる。
【0071】
<第1変形例>
次に上記実施形態の第1変形例について説明する。上記実施形態では、パスカードを利用して、NFTに関するプッシュ通知が実現された。一方、本変形例は、端末3にアプリケーションがインストールされて、アプリケーションが利用されて、NFTに関するプッシュ通知が実現される。
【0072】
図11は、本変形例に係る情報処理サーバ2および端末3の機能構成例を示すブロック図である。図11で示すように、端末3の端末記憶部15には、専用アプリケーション38が記憶されている。専用アプリケーション38は、特定の1つ以上のNFTと対応付けられたアプリケーションであり、特定の1つ以上のNFTについて、ユーザが所有者となったときにプッシュ通知を受けることを実現するのに利用される。なおアプリケーションのインストール時(インストール後の任意のタイミングでもよい)にユーザに対してプッシュ通知の許可を求めるダイアログが表示され、適切にプッシュ通知についてのユーザの許可が得られているものとする。更にプッシュ通知に関連する所定のサーバ(以下「プッシュ通知関連サーバ」という)によりプッシュ通知で使用するデバイス識別情報が発行されており、専用アプリケーションに通知されている。
【0073】
図11で示すように情報処理サーバ2の記憶部14には、ユーザ関連データベース40が記憶されている。図12は、ユーザ関連データベース40の1件のレコードを示す図である。ユーザ関連データベース40は、専用アプリケーション38をインストールしたユーザごとにレコードを備える。
【0074】
図12で示すように、ユーザ関連データベース40の1件のレコードは、ユーザ識別情報と、対応NFT情報と、ユーザウォレットアドレス情報と、プッシュ通知関連情報とを備えている。ユーザ識別情報は、ユーザを識別するための(厳密には、端末3にインストールされた専用アプリケーション38を識別するための)識別情報である。以下、ユーザ識別情報の値を「ユーザ識別情報値」という。対応NFT情報は、所有者がユーザとなったときに通知が行われるべき1つ以上のNFTのNFT指定情報値を含む情報である。ユーザウォレットアドレス情報は、ユーザのウォレットアドレスの値を保有する情報である。プッシュ通知関連情報は、情報処理サーバ2が端末3に対してプッシュ通知を行うために必要な情報である。プッシュ通知関連情報は、特許請求の範囲の「通知関連情報」に相当する。情報処理部10は、専用アプリケーション38のそれぞれから必要な情報を取得し、専用アプリケーション38のそれぞれについてユーザ関連データベース40にレコードを生成する。
【0075】
図13は、本変形例に係る情報処理サーバ2、端末3およびブロックチェーンBの動作を示すフローチャートである。図13のフローチャートFHは端末3の動作を示し、フローチャートFIは情報処理サーバ2の動作を示し、フローチャートFG(図9のフローチャートFGと同じ)はブロックチェーンネットワークBの動作を示している。図13のフローチャートにおいて、図9のフローチャートと同一のステップについては同一の符号を付し、その説明を省略する。図13は、注目ユーザに注目NFTを配布する場合のNFT配布シーンにおける各装置の動作を示している。
【0076】
図13のフローチャートFIで示すように、ステップSF3において配布を完了した旨の応答があった場合(ステップSF3:YES)、情報処理サーバ2の情報処理部10は、記憶部14のユーザ関連データベース40を参照し、注目NFTと注目ユーザのウォレットアドレスとの組合せに対応するレコードを特定する(ステップSI1)。より詳細には情報処理部10は、ユーザ関連データベース40のレコードのうち、ユーザウォレットアドレス情報の値が注目ユーザのウォレットアドレスの値であり、かつ、対応NFT情報の値が注目NFTのNFT指定情報値であるレコードを特定する。ここで特定されたレコードは、プッシュ通知を行う対象となる専用アプリケーション38に対応するレコードである。
【0077】
次いで情報処理部10は、特定したレコードのプッシュ通知関連情報を取得する(ステップSI2)。次いで情報処理部10は、取得したプッシュ通知関連情報に基づいて、プッシュ通知関連サーバに必要な情報を送信し、端末3に対して注目NFTの配布が完了した旨のプッシュ通知を行う(ステップSI3)。プッシュ通知は、プッシュ通知関連サーバを介して行われる。図13のフローチャートFHで示すように端末制御部12は、プッシュ通知に応じて、ユーザに予め指定された方法でメッセージを表示する(ステップSH1)。一例として、端末制御部12は、ロック画面にメッセージを表示し、また、所定の態様で画面上にバナーを表示する
【0078】
本変形例においても、NFTの配布が完了した場合、そのことが検出されると共に、検出に応じてユーザに通知が行われるため、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0079】
以上、本発明の一実施形態(変形例を含む)について説明したが、上記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0080】
例えば上記実施形態およびその変形例において、プッシュ通知の方法について具体的に説明した。しかしながらプッシュ通知の方法は上記実施形態で例示した方法に限られるものではない。すなわち、プッシュ通知は、既存の技術、既存のサービスを利用した他の方法で行われてもよい。
【0081】
また上記実施形態(変形例を含む)では、端末3への通知はプッシュ通知であった。しかしながら通知は、プッシュ通知に限られるものではない。一例としてメールによる通知であってもよい。メールによる通知が行われる場合、上記実施形態では、例えば以下の構成となる。すなわち、ユーザパスカード関連データベース36において、1件のレコードにユーザのメールアドレスを示す情報が含められる。そして情報処理部10は、ユーザドレス識別情報をパスカード管理サーバ4に送信する代わりに、メールアドレスを示す情報に基づいて、NFTの配布が完了した旨のメッセージを含むメールを送信する。この場合、ユーザパスカード関連データベース36の1件のレコードに含まれるメールアドレスを示す情報が、特許請求の範囲の「通知関連情報」に相当する。また変形例では、ユーザ関連データベース40のレコードに、プッシュ通知関連情報に代えてメールアドレスを示す情報が含められる。そして情報処理部10は、NFTの配布が完了したことの通知に際して、プッシュ通知関連情報に基づくプッシュ通知ではなく、メールアドレスを示す情報に基づくメールの送信を実行する。
【0082】
また例えば上記実施形態では、情報処理サーバ2が記憶部14を備える構成であった。この点に関し、情報処理サーバ2と通信可能な他の装置に記憶部14が設けられ、情報処理サーバ2が適宜、他の装置にアクセスする構成でもよい。
【0083】
また例えば上記実施形態では、情報処理サーバ2が各種トランザクションをブロックチェーンネットワークBに送信する構成であった。この点に関し、情報処理サーバ2が、エンドポイントとして機能する外部装置にトランザクションの送信を実行させる構成でもよい。
【符号の説明】
【0084】
1 情報処理システム
2 情報処理サーバ(情報処理装置)
3 端末
4 パスカード管理サーバ
10 情報処理部
B ブロックチェーンネットワーク
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13