(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063710
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20240502BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240502BHJP
G05D 1/43 20240101ALI20240502BHJP
【FI】
G08G1/00 X
G08G1/09 F
G05D1/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199788
(22)【出願日】2022-12-14
(31)【優先権主張番号】P 2022171807
(32)【優先日】2022-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022175752
(32)【優先日】2022-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022178314
(32)【優先日】2022-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
【テーマコード(参考)】
5H181
5H301
【Fターム(参考)】
5H181AA27
5H181BB04
5H181BB20
5H181CC02
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181LL01
5H181LL04
5H181LL06
5H181LL09
5H301AA01
5H301AA10
5H301BB07
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD02
5H301DD07
5H301DD16
5H301FF11
5H301GG08
5H301GG09
5H301GG10
5H301GG16
5H301HH01
5H301HH04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】フォークリフトの自動運転動作を制御して、生産能力及び工場効率等の大幅な向上に寄与する。
【解決手段】情報処理装置は、フォークリフトに搭載された検知部が検知した検知情報に基づいて、フォークリフトの動作を制御するための制御変数を算出する算出部と、算出部が算出した制御変数に基づいて、フォークリフトの動作を制御する制御部と、を備える。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォークリフトに搭載された検知部が検知した検知情報に基づいて、前記フォークリフトの動作を制御するための制御変数を算出する算出部と、
前記算出部が算出した前記制御変数に基づいて、前記フォークリフトの動作を制御する制御部と、
を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記算出部が算出した前記制御変数に基づいて、10億分の1秒単位で前記フォークリフトの動作を制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
取得可能な前記検知情報の中から、前記フォークリフトの動作毎の前記制御変数の算出に用いる制御情報を決定する決定部を備え、
前記算出部は、前記決定部が決定した前記制御情報に基づいて、前記制御部が前記フォークリフトの動作を制御するための前記制御変数を算出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記算出部は、前記検知情報に基づいて、前記フォークリフトの動作として、前記フォークリフトが備える前後方向に伸縮可能なフォークの伸縮を制御するための前記制御変数を算出し、
前記制御部は、前記算出部が算出した前記制御変数に基づいて、前記フォークの伸縮を制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
複数のフォークを重ねて構成された前記フォークは、前記複数のフォークそれぞれに前記検知部が搭載されており、
前記算出部は、複数の前記検知部が共通の範囲を検知した前記検知情報に基づいて、前記制御変数を算出する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
複数のフォークを重ねて構成された前記フォークは、前記複数のフォークそれぞれに前記検知部が搭載されており、
前記算出部は、複数の前記検知部が異なる範囲を検知した前記検知情報に基づいて、前記制御変数を算出する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記算出部は、前記検知情報に基づいて、前記フォークとしての第1フォーク又は前記フォークリフトにおいて前記第1フォークとは別の第2フォークの伸縮を制御するための前記制御変数を算出し、
前記制御部は、前記算出部が算出した前記制御変数に基づいて、前記第1フォーク又は前記第2フォークの伸縮を制御する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記算出部は、前記検知情報に基づいて、前記フォークリフトの動作として、前記フォークリフトが備える上下方向に伸縮可能なガイドの伸縮を制御するための前記制御変数を算出し、
前記制御部は、前記算出部が算出した前記制御変数に基づいて、前記ガイドの伸縮を制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記算出部は、前記検知情報に基づいて、前記フォークリフトの動作として、上方に突出して荷物を囲むことができる保護部材の突出量を制御するための前記制御変数を算出し、
前記制御部は、前記算出部が算出した前記制御変数に基づいて、前記保護部材の突出量を制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1から請求項9の何れか1項に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動運転機能を有する車両について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施態様によれば、情報処理装置が提供される。前記情報処理装置は、フォークリフトに搭載された検知部が検知した検知情報に基づいて、前記フォークリフトの動作を制御するための制御変数を算出する算出部と、前記算出部が算出した前記制御変数に基づいて、前記フォークリフトの動作を制御する制御部と、を備える。
【0005】
前記情報処理装置では、前記制御部は、前記算出部が算出した前記制御変数に基づいて、10億分の1秒単位で前記フォークリフトの動作を制御する。
【0006】
前記情報処理装置では、取得可能な前記検知情報の中から、前記フォークリフトの動作毎の前記制御変数の算出に用いる制御情報を決定する決定部を備え、前記算出部は、前記決定部が決定した前記制御情報に基づいて、前記制御部が前記フォークリフトの動作を制御するための前記制御変数を算出する。
【0007】
前記情報処理装置では、前記算出部は、前記検知情報に基づいて、前記フォークリフトの動作として、前記フォークリフトが備える前後方向に伸縮可能なフォークの伸縮を制御するための前記制御変数を算出し、前記制御部は、前記算出部が算出した前記制御変数に基づいて、前記フォークの伸縮を制御する。
【0008】
前記情報処理装置では、複数のフォークを重ねて構成された前記フォークは、前記複数のフォークそれぞれに前記検知部が搭載されており、前記算出部は、複数の前記検知部が共通の範囲を検知した前記検知情報に基づいて、前記制御変数を算出する。
【0009】
前記情報処理装置では、複数のフォークを重ねて構成された前記フォークは、前記複数のフォークそれぞれに前記検知部が搭載されており、前記算出部は、複数の前記検知部が異なる範囲を検知した前記検知情報に基づいて、前記制御変数を算出する。
【0010】
前記情報処理装置では、前記算出部は、前記検知情報に基づいて、前記フォークとしての第1フォーク又は前記フォークリフトにおいて前記第1フォークとは別の第2フォークの伸縮を制御するための前記制御変数を算出し、前記制御部は、前記算出部が算出した前記制御変数に基づいて、前記第1フォーク又は前記第2フォークの伸縮を制御する。
【0011】
前記情報処理装置では、前記算出部は、前記検知情報に基づいて、前記フォークリフトの動作として、前記フォークリフトが備える上下方向に伸縮可能なガイドの伸縮を制御するための前記制御変数を算出し、前記制御部は、前記算出部が算出した前記制御変数に基づいて、前記ガイドの伸縮を制御する。
【0012】
前記情報処理装置では、前記算出部は、前記検知情報に基づいて、前記フォークリフトの動作として、上方に突出して荷物を囲むことができる保護部材の突出量を制御するための前記制御変数を算出し、前記制御部は、前記算出部が算出した前記制御変数に基づいて、前記保護部材の突出量を制御する。
【0013】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、前記情報処理装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0014】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】本実施形態に係るクラウドに蓄積された情報の例を示す説明図である。
【
図1B】本実施形態に係るネットワーク構成の概略図である。
【
図2A】本実施形態に係るフォークリフトを示す第1の斜視図である。
【
図2B】本実施形態に係るフォークリフトのタイヤに係る平面図である。
【
図2C】本実施形態に係るフォークリフトのタイヤに係る側面図である。
【
図3】本実施形態に係るCentral Brainにより実行される第1のフローチャートである。
【
図4】本実施形態に係るフォークリフトを示す第2の斜視図である。
【
図5】本実施形態に係るフォークリフトを示す第3の斜視図である。
【
図6】本実施形態に係るフォークリフトを示す第4の斜視図である。
【
図7】Central Brainとして機能するコンピュータのハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【
図8A】本実施形態に係るフォークを示す側面図である。
【
図8B】本実施形態に係るフォークを示す側面図である。
【
図9】Central Brainとして機能するコンピュータの機能構成の例を示すブロック図である。
【
図10】本実施形態に係るCentral Brainにより実行される第2のフローチャートである。
【
図11】本実施形態に係るフォークの延出状態を示す側面図である。
【
図12】本実施形態に係るフォークリフトを示す第5の斜視図である。
【
図13】本実施形態に係るフォークリフトを示す第6の斜視図である。
【
図14】本実施形態に係るCentral Brainにより実行される第3のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0017】
(第1の実施形態)
まず、本実施形態に係る第1の実施形態について説明する。
図1Aは、本実施形態に係るクラウド5に蓄積された情報の例を示す説明図である。本実施形態においては、複数種類の後述する検知情報をAIデータ化してクラウド5に蓄積する。AIがナノセカンド(10億分の1秒)ごとに状況のベストミックスを予測、判断し、フォークリフト10の動作を最適化する。
【0018】
図1Bは、本実施形態に係るネットワーク構成の概略図である。本実施形態のフォークリフト10は、ネットワークNを通じてクラウド5に接続されている。ネットワークNは6G又はそれ以上の通信規格による公衆回線が例示される。
【0019】
図2Aは、本実施形態に係るフォークリフト10を示す第1の斜視図である。
図2Aに示すように、フォークリフト10は、制御装置20、フォーク30、パレット40、及びガイド50を備える。
【0020】
制御装置20は、フォークリフト10の動作を制御する部分である。当該「フォークリフト10の動作」は、フォークリフト10が備える各部材の動作、及び、フォークリフト10自身の動作、具体的には、フォークリフト10の自動運転動作を含む概念である。
【0021】
一例として、制御装置20は、直方体状を呈している。また、制御装置20の下部には、複数のタイヤ22が設けられている。さらに、制御装置20の内部には、Central Brain24が設けられている。Central Brain24は、情報処理装置の一例である。
【0022】
図2B及び
図2Cは、本実施形態に係るフォークリフト10のタイヤ22を説明する図である。本実施形態におけるタイヤ22は、フォークリフト10の前後中央における左右に設けられた一対の駆動輪22Aと、四隅に設けられた従動輪22Bと、を含む。駆動輪22Aは、旋回不能であって、左右それぞれに独立して搭載されたモータ(図示省略)により駆動可能である。従動輪22Bは、旋回可能な所謂キャスターである。左右の駆動輪22Aを同方向に回動させることで、フォークリフト10は前進又は後進を行う。この場合において、同方向に回動される左右の駆動輪22Aの回転数を変えることで、フォークリフト10は左方又は右方に曲がることが可能となる。また、左右の駆動輪22Aを逆方向に回動させることで、フォークリフト10はその場で旋回を行う。なお、各タイヤ22には、走行路からの衝撃を緩衝するためのサスペンションを備えていてもよい。以上、本実施形態のフォークリフト10は、Central Brain24の制御に基づいて、左右の駆動輪22Aをそれぞれ独立して回動させることで、走行路を自在に走行することが可能である。
【0023】
図1B及び
図2Aに示すように、Central Brain24には、複数のGate Way23が通信可能に接続されている。Central Brain24は、Gate Way23を介して外部のクラウド5に接続されている。Central Brain24は、Gate Way23を介して外部のクラウド5へアクセスすることができるように構成されている。その一方で、Gate Way23の存在により、外部からCentral Brain24へ直接アクセスすることはできないように構成されている。
【0024】
Central Brain24は、所定時間が経過する毎に、要求信号をサーバへ出力する。具体的には、Central Brain24は、10億分の1秒毎に、問い合わせを表す要求信号をサーバとなるクラウド5へ出力する。
【0025】
フォーク30は、先端部にセンサ35が設けられている。
パレット40は、載置面に荷物Lが載置されている。
【0026】
ガイド50は、制御装置20の前後方向の一端部から上方に延びている。また、ガイド50は、上端部にセンサ55が設けられている。
【0027】
ここで、上記のセンサ35及びセンサ55の例は、レーダー、LiDAR、高画素・望遠・超広角・360度・高性能カメラ、ビジョン認識、微細音、超音波、振動、赤外線、紫外線、電磁波、温度、湿度、スポットAI天気予報、高精度マルチチャネルGPS、低高度衛星情報、ロングテールインシデントAI data等である。ロングテールインシデントAI dataとはレベル5の実装した自動車のTripデータに相当するデータである。
【0028】
上記のセンサ35及びセンサ55、並びにその他のセンサから取り入れる検知情報として、フォークリフト10の位置情報、重心、及び向き、タイヤ22の向き、材質、摩耗状況、及び空気圧、路面の状況(摩擦係数、上下横斜め方向の傾き、材質、道幅、など)、荷物Lの種類、荷重、運搬元、運搬先、及び走行経路、外気温度、外気湿度、並びに、周囲の状況(鳥、動物、サッカーボール、事故車、地震、火事、風、台風、大雨、小雨、吹雪、霧、など)等が挙げられ、本実施形態では、これらの検知を10億分の1秒毎に実施する。
【0029】
本実施形態においては、Central Brain24は、上記のセンサ35及びセンサ55、並びにその他のセンサにより検知された検知情報に基づいて、フォークリフト10の動作を制御するための制御変数を算出する算出部として機能する。センサ35及びセンサ55、並びにその他のセンサは「検知部」の一例である。本実施形態では、上記の制御変数の算出を10億分の1秒毎に実施する。
【0030】
また、本実施形態においては、Central Brain24は、上記で算出した制御変数に基づいて、10億分の1秒単位でフォークリフト10の動作を制御する制御部として機能する。
【0031】
Central Brain24は、
図3に示されているフローチャートを繰り返し実行する。
【0032】
ステップS10において、Central Brain24は、センサ35及びセンサ55、並びにその他のセンサにより検知された検知情報を取得する。そして、Central Brain24は、ステップS11に進む。
【0033】
ステップS11において、Central Brain24は、ステップS10で取得した検知情報に基づいて、制御変数を算出する。そして、Central Brain24は、ステップS12に進む。
【0034】
ステップS12において、Central Brain24は、ステップS11で算出した制御変数に基づいて、フォークリフト10の動作を制御する。そして、Central Brain24は、当該フローチャートの処理を終了する。
【0035】
例えば、Central Brain24は、フォークリフト10の動作としてフォークリフト10の自動運転動作を制御して、最大時速20kmのスピードで工場内を走行させる。ここで、従来のフォークリフトの最大時速は時速5km程度であるため、当該Central Brain24によれば、生産能力及び工場効率等の大幅な向上に寄与することができる。
【0036】
図4から
図6は、Central Brain24によるフォークリフト10の動作の制御例を説明する説明図である。なお、
図2A及び
図4から
図6に示すフォークリフト10の状態は、Central Brain24が、センサ35及びセンサ55、並びにその他のセンサにより検知された検知情報に基づいて算出した制御変数に基づいて、10億分の1秒単位でフォークリフト10の動作を制御することで実現される。
【0037】
図4は、本実施形態に係るフォークリフト10を示す第2の斜視図である。
図2A及び
図4に示すように、フォークリフト10のフォーク30は、制御装置20から所定量延びた状態で、上下移動が可能である。これにより、フォークリフト10から荷物Lを取る際に、フォーク30の位置を上下に微調整することができる。また、
図4に示すように、フォーク30は、制御装置20の上面に完全に収納することができる。
【0038】
図5は、本実施形態に係るフォークリフト10を示す第3の斜視図である。
図5に示すように、フォークリフト10では、ガイド50に沿ってフォーク30及びパレット40を上下に移動させることが可能である。これにより、制御装置20より高い位置への荷物Lの移動が可能となる。
【0039】
図6は、本実施形態に係るフォークリフト10を示す第4の斜視図である。
図6に示すように、フォーク30は、前後方向に伸縮可能である。同図においては、フォーク30は、ガイド50に支持された第1フォーク30Aと、第1フォーク30Aの上部に別体で設けられ、第1フォーク30A上をスライド可能な第2フォーク30Bとを備える。フォーク30の伸縮は、Central Brain24が図示しない駆動機構の駆動を制御することにより行われる。これにより、第2フォーク30Bが第1フォーク30A上を前方にスライドすることで、第2フォーク30Bが第1フォーク30A上にある状態に比べてフォーク30の全長を伸ばすことができ、制御装置20から遠い位置への荷物Lの移動が可能となる。また、フォークリフト10の最下端にフォーク30が移動している状態で第2フォーク30Bが第1フォーク30A上を前方にスライドした場合には、下方に延出した第2フォーク30Bの先端部が路面に当接することで、フォーク30を最大限延伸させた際にたわみが生じることを抑制できる。また、第2フォーク30Bに設けられたセンサ35と同様のセンサを第1フォーク30Aにも設けてもよい。さらに、第2フォーク30Bの先端部と同様に第1フォーク30Aにも下方に延出する部分を設け、当該部分にセンサ35と同様のセンサを設けてもよい。これにより第1フォーク30Aのたわみも抑制することができる。
【0040】
さらに、
図6に示すように、ガイド50は、上下方向に伸縮可能である。ガイド50の伸縮は、Central Brain24が図示しない駆動機構の駆動を制御することにより行われる。これにより、例えば、ガイド50の上部にフォーク30を移動させてからフォーク30を延ばすことで、制御装置20より高い位置かつ制御装置20から遠い位置への荷物Lの移動が可能となる。また、パレット40に荷物Lが載置されていない場合には、ガイド50を縮ませることでフォークリフト10を高速に移動させることができる。
【0041】
ここで、
図2A及び
図4から
図6に示したように、フォーク30の先端部には、センサ35が設けられている。これにより、荷物Lを確実に高速にとらえることができる。また、
図6に示すような高い位置においても荷物Lの受け渡し先を精度良く検知することができるため、より確実な荷物Lの受け渡しが可能となる。これらの効果は、
図6に示すように、フォーク30を延ばした場合においても同様に奏する。
【0042】
また、
図2A及び
図4から
図6に示したように、ガイド50の上端部には、センサ55が設けられている。これにより、ガイド50に沿ってフォーク30が上昇する際に高い位置にある棚の高さを検知することで、当該棚の高さまで誤差なく、円滑にフォーク30を到達させることができる。また、フォークリフト10の移動中においても常に高い位置からセンサ55が検知を行うことで、目的地まで安全に走行することが可能であり、さらに目的地に誤差なく停止することができる。
【0043】
さらに、
図2A及び
図4から
図6に示したように、フォーク30の先端部においてセンサ35が設けられた部分は、フォーク30の下方に延出している。これにより、当該部分がセンサの機能を有すると共に、カウンターバランスの役割を果たす。つまり、フォーク30がフォークリフト10の最下端に移動した場合、当該部分が路面に当接するので、荷物Lを取る際に踏ん張ることができる。
【0044】
なお、
図2A及び
図4から
図6に示すフォークリフト10の状態は、Central Brain24によるフォークリフト10の動作の制御が行われた結果の一例であり、各図で示す状態とは異なるフォークリフト10の状態が生じうることは言うまでもない。
【0045】
また、フォークリフト10は、上記で説明した構成に限られず、以下の構成を採用してもよい。
【0046】
例えば、フォークリフト10は、
図2A及び
図4から
図6に示すガイド50の裏側に、フォーク30とは別の他のフォークを備えてもよい。そして、フォークリフト10の移動が短距離の場合には、荷物Lを制御装置20の上面に載置することなく、当該他のフォークに荷物Lを載置した状態でフォークリフト10を移動させてもよい。これにより、当該構成によれば、短距離の荷物Lの移動にも円滑に対応することができる。
【0047】
また、フォークリフト10は、
図2A及び
図4から
図6に示す制御装置20の周囲から柵のような保護部材が上方に突出可能に構成してもよい。当該保護部材が上方に突出することでパレット40を含めた荷物Lの周囲を囲むことができるため、フォークリフト10が高速で移動した場合に荷物Lが飛び出すことが抑制される。
【0048】
さらに、フォークリフト10において、制御装置20と、フォーク30、パレット40、及びガイド50とを別体で構成してもよい。これにより、制御装置20を、フォークリフト機能を持った装置に合体させることで、制御装置20がフォークリフト10の動作を制御したり、制御装置20を、ドローン機能を持った装置に合体させることで、制御装置20がドローンの動作を制御したりするなど、汎用性を持たせることができる。
【0049】
図7は、Central Brain24として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0050】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0051】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0052】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0053】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0054】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0055】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0056】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0057】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0058】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0059】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0060】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0061】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0062】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0063】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0064】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【0065】
図8A及び
図8Bは、本実施形態に係るフォーク30を示す側面図である。具体的には、
図8Aは、フォーク30の格納状態を示す側面図であり、
図8Bは、フォーク30の延出状態を示す第1の側面図である。
【0066】
図8Aに示すように、格納状態では、第1フォーク30A、第2フォーク30B、及び第3フォーク30Cが重なっている。ここで、第2フォーク30Bは、第1フォーク30Aの上部に別体で設けられ、第1フォーク30A上をスライド可能であり、第3フォーク30Cは、第2フォーク30Bの上部に別体で設けられ、第2フォーク30B上をスライド可能である。
【0067】
図8Bに示すように、延出状態では、Central Brain24により図示しない駆動機構の駆動が制御されて、格納状態から第2フォーク30B及び第3フォーク30Cが前方にスライドしている。これにより、延出状態では、格納状態に比べてフォーク30の全長が伸びている。
【0068】
なお、延出状態は、
図8Bに示すように、第2フォーク30B及び第3フォーク30Cが前方にスライドすることに限らず、第3フォーク30Cのみが前方にスライドした状態であってもよい。また、延出状態における第2フォーク30B及び第3フォーク30Cそれぞれの前方へのスライド量は、
図8Bに示すものに限らず、これより多くても少なくてもよい。
【0069】
以上説明したように、フォーク30は、格納状態、第3フォーク30Cのみが前方にスライドした延出状態、及び第2フォーク30B及び第3フォーク30Cが前方にスライドした延出状態の3段階に伸縮可能である。これにより、例えば、フォークリフト10の最下端又は最上端にフォーク30が移動した際に、格納状態から延出状態に変化させることで、奥側に載置された荷物Lを容易に搬送することができる。なお、図示しないが、第2フォーク30B及び第3フォーク30Cが前方にスライドしている状態で、その上を第4のフォークが伸びてフォーク30の全長に沿って移動することもできる。
【0070】
(第2の実施形態)
次に、本実施形態に係る第2の実施形態について、上記実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
【0071】
図9は、Central Brain24として機能するコンピュータ1200の機能構成の例を示すブロック図である。
【0072】
図9に示すように、コンピュータ1200のCPU1212は、機能構成として、決定部1212A、取得部1212B、算出部1212C、及び制御部1212Dを有する。各機能構成は、CPU1212がコンピュータ1200にインストールされたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0073】
決定部1212Aは、取得可能な検知情報の中から、フォークリフト10の動作毎の制御変数の算出に用いる制御情報を決定する。一例として、決定部1212Aは、フォークリフト10の停止中に、センサ35及びセンサ55、並びにその他のセンサが検知可能な検知情報を取得し、その検知情報の中から各制御変数の算出に用いる制御情報を決定する。具体的には、決定部1212Aは、取得可能な検知情報の中から、フォーク30の伸縮を制御するための制御変数の算出に用いる制御情報、及びガイド50の伸縮を制御するための制御変数の算出に用いる制御情報等を決定する。
【0074】
取得部1212Bは、フォークリフト10の移動中に、センサ35及びセンサ55、並びにその他のセンサにより検知された検知情報を10億分の1秒毎に取得する。
【0075】
算出部1212Cは、フォークリフト10の移動中に、取得部1212Bが取得した検知情報のうち決定部1212Aが事前に決定した制御情報に基づいて、制御部1212Dがフォークリフト10の動作を制御するための制御変数を10億分の1秒毎に算出する。
【0076】
制御部1212Dは、算出部1212Cが算出した制御変数に基づいて、フォークリフト10の動作を10億分の1秒毎に制御する。
【0077】
次に、Central Brain24として機能するコンピュータ1200により実行される処理の流れについて説明する。コンピュータ1200では、CPU1212がコンピュータ1200にインストールされたプログラムを読み出して、RAM1214に展開して実行することにより、
図3に示すフローチャートの処理が実行される。なお、当該処理の前提として、CPU1212は、取得可能な検知情報の中から、フォークリフト10の動作毎の制御変数の算出に用いる制御情報を決定する。そして、以下では、第1の実施形態と処理内容が異なるステップS11についてのみ説明する。
【0078】
ステップS11において、CPU1212は、ステップS10で取得した検知情報の中から事前に決定した制御情報に基づいて、制御変数を算出する。そして、CPU1212は、ステップS12に進む。
【0079】
上記のように、第2の実施形態に係るCentral Brain24として機能するコンピュータ1200では、CPU1212は、取得可能な検知情報の中から、フォークリフト10の動作毎の制御変数の算出に用いる制御情報を決定する。そして、CPU1212は、フォークリフト10の停止中に決定した制御情報に基づいて、フォークリフト10の動作を制御するための制御変数を10億分の1秒毎に算出する。これにより、当該コンピュータ1200では、フォークリフト10の移動中にフォークリフト10の動作毎の制御変数の算出に用いる情報を決定する場合に比べて、フォークリフト10の移動中におけるCPU1212の処理負荷を軽減することができる。
【0080】
(第3の実施形態)
次に、本実施形態に係る第3の実施形態について、上記実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
【0081】
第3の実施形態では第2の実施形態と異なり、コンピュータ1200のCPU1212は、機能構成として、取得部1212B、算出部1212C、及び制御部1212Dを有する(
図9参照)。
【0082】
算出部1212Cは、取得部1212Bが取得した検知情報に基づいて、フォークリフト10の動作として、フォーク30の前後方向への伸縮を制御するための制御変数を10億分の1秒毎に算出する。例えば、算出部1212Cは、検知情報に基づいてフォークリフト10と荷物Lの受け渡し先との位置関係に応じたフォーク30の伸縮量を算出し、当該伸縮量までフォーク30を伸縮させるための制御変数を算出する。
【0083】
制御部1212Dは、算出部1212Cが算出した制御変数に基づいて、フォーク30の伸縮を制御する。
【0084】
次に、Central Brain24として機能するコンピュータ1200により実行される処理の流れについて説明する。コンピュータ1200では、CPU1212がコンピュータ1200にインストールされたプログラムを読み出して、RAM1214に展開して実行することにより、
図10に示すフローチャートの処理が実行される。
【0085】
ステップS20において、CPU1212は、センサ35及びセンサ55、並びにその他のセンサにより検知された検知情報を取得する。そして、CPU1212は、ステップS21に進む。
【0086】
ステップS21において、CPU1212は、ステップS20で取得した検知情報に基づいて、フォーク30の伸縮を制御するための制御変数を算出する。そして、CPU1212は、ステップS22に進む。
【0087】
ステップS22において、CPU1212は、ステップS21で算出した制御変数に基づいて、フォーク30の伸縮を制御する。そして、CPU1212は、
図10に示すフローチャートの処理を終了する。
【0088】
上記のように、第3の実施形態に係るCentral Brain24として機能するコンピュータ1200では、CPU1212は、検知情報に基づいて、フォーク30の前後方向への伸縮を制御するための制御変数を10億分の1秒毎に算出する。そして、CPU1212は、算出した制御変数に基づいて、フォーク30の伸縮を制御する。これにより、当該コンピュータ1200では、制御装置20から遠い位置への荷物Lの的確な移動が可能となる。また、当該コンピュータ1200では、パレット40に荷物Lが載置されていない場合には、フォーク30を縮ませることでフォークリフト10を高速に移動させることができる。
【0089】
(第4の実施形態)
次に、本実施形態に係る第4の実施形態について、上記実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
【0090】
図11は、本実施形態に係るフォーク30の延出状態を示す第2の側面図である。
図11に示すように、第4の実施形態に係るフォーク30は、第1フォーク30A、第2フォーク30B、及び第3フォーク30Cを重ねて構成されている。そして、第1フォーク30Aは、先端部にセンサ35Aが設けられ、第2フォーク30Bは、先端部にセンサ35Bが設けられ、第3フォーク30Cは、先端部にセンサ35Cが設けられている。センサ35A、センサ35B、及びセンサ35Cは、上記実施形態のセンサ35と同様の検知機能を有する。
【0091】
ここで、第4の実施形態では、センサ35A、センサ35B、及びセンサ35Cは、検知範囲が共通している。そのため、第4の実施形態では、センサ35A、センサ35B、及びセンサ35Cが共通の範囲を検知した検知情報がCentral Brain24に入力される。
【0092】
上記構成により、第4の実施形態に係るCentral Brain24として機能するコンピュータ1200では、CPU1212は、センサ55及びその他のセンサにより検知された検知情報に加えて、センサ35A、センサ35B、及びセンサ35Cにより共通の範囲が検知された検知情報を取得する取得部1212Bとして機能する。また、CPU1212は、取得した検知情報に基づいて、フォーク30の前後方向への伸縮を制御するための制御変数を10億分の1秒毎に算出する算出部1212Cとして機能する。これにより、当該コンピュータ1200では、フォーク30に設けられたセンサ35が1つの場合に比べて、制御変数の算出に用いる当該センサ35からの検知情報の信頼性を高めることができる。
【0093】
(第5の実施形態)
次に、本実施形態に係る第5の実施形態について、上記実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
【0094】
第5の実施形態は第4の実施形態と同様、フォーク30は、第1フォーク30A、第2フォーク30B、及び第3フォーク30Cを備え、また、第1フォーク30A、第2フォーク30B、及び第3フォーク30Cは、それぞれセンサ35A、センサ35B、及びセンサ35Cを備えている。
【0095】
ここで、第5の実施形態では、第4の実施形態と異なり、センサ35A、センサ35B、及びセンサ35Cは、検知範囲が異なっている。そのため、第5の実施形態では、センサ35A、センサ35B、及びセンサ35Cが異なる範囲を検知した検知情報がCentral Brain24に入力される。
【0096】
上記構成により、第5の実施形態に係るCentral Brain24として機能するコンピュータ1200では、CPU1212は、センサ55及びその他のセンサにより検知された検知情報に加えて、センサ35A、センサ35B、及びセンサ35Cにより異なる範囲が検知された検知情報を取得する取得部1212Bとして機能する。また、CPU1212は、取得した検知情報に基づいて、フォーク30の前後方向への伸縮を制御するための制御変数を10億分の1秒毎に算出する算出部1212Cとして機能する。これにより、当該コンピュータ1200では、フォーク30に設けられたセンサ35が1つの場合よりもセンサ35の検知範囲が広がるため、広範囲の検知情報に基づいて制御変数を算出することができる。
【0097】
(第6の実施形態)
次に、本実施形態に係る第6の実施形態について、上記実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
【0098】
図12は、本実施形態に係るフォークリフト10を示す第5の斜視図である。
図12に示すように、第6の実施形態に係るフォーク30は、制御装置20の上面に収納された前側フォーク30Xと、ガイド50の裏側に設けられた前側フォーク30Xとは別の後側フォーク30Yと、を備えている。前側フォーク30X及び後側フォーク30Yは、前後方向に伸縮可能である。そして、前側フォーク30X及び後側フォーク30Yの伸縮は、Central Brain24が図示しない駆動機構の駆動を制御することにより行われる。前側フォーク30Xは「第1フォーク」の一例であり、後側フォーク30Yは「第2フォーク」の一例である。
【0099】
ここで、第6の実施形態に係るCentral Brain24として機能するコンピュータ1200では、CPU1212は、取得した検知情報に基づいて、前側フォーク30X又は後側フォーク30Yの伸縮を制御するための制御変数を10億分の1秒毎に算出する算出部1212Cとして機能する。例えば、CPU1212は、取得した検知情報に基づいて荷物Lがガイド50の裏側に存在することを認識した場合、後側フォーク30Yの伸縮を制御するための制御変数を算出する。そして、CPU1212は、算出した制御変数に基づいて、前側フォーク30X又は後側フォーク30Yの伸縮を制御する制御部1212Dとして機能する。上記の場合、CPU1212は、当該制御変数による伸縮量まで後側フォーク30Yを伸縮させて、荷物Lを後側フォーク30Yに載置させる。これにより、当該コンピュータ1200では、制御装置20の前側又は後側の一方のみにフォーク30が設けられた場合と異なり、フォーク30が設けられていない側の荷物Lをフォーク30に載置させる際にフォークリフト10を旋回させる必要がなくなる。したがって、当該コンピュータ1200では、制御装置20の前側又は後側の一方のみにフォーク30が設けられた場合に比べて、生産能力及び工場効率等の大幅な向上に寄与することができる。
【0100】
(第7の実施形態)
次に、本実施形態に係る第7の実施形態について、上記実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
【0101】
第7の実施形態では第3の実施形態と同様に、コンピュータ1200のCPU1212は、機能構成として、取得部1212B、算出部1212C、及び制御部1212Dを有する(
図9参照)。
【0102】
算出部1212Cは、取得部1212Bが取得した検知情報に基づいて、フォークリフト10の動作として、ガイド50の上下方向への伸縮を制御するための制御変数を10億分の1秒毎に算出する。例えば、算出部1212Cは、検知情報に基づいてフォークリフト10と荷物Lの受け渡し先との位置関係に応じたガイド50の伸縮量を算出し、当該伸縮量までガイド50を伸縮させるための制御変数を算出する。
【0103】
制御部1212Dは、算出部1212Cが算出した制御変数に基づいて、ガイド50の伸縮を制御する。
【0104】
次に、Central Brain24として機能するコンピュータ1200により実行される処理の流れについて説明する。コンピュータ1200では、CPU1212がコンピュータ1200にインストールされたプログラムを読み出して、RAM1214に展開して実行することにより、
図10に示すフローチャートの処理が実行される。なお、以下では、第3の実施形態と処理内容が異なるステップS21及びステップS22についてのみ説明する。
【0105】
ステップS21において、CPU1212は、ステップS20で取得した検知情報に基づいて、ガイド50の伸縮を制御するための制御変数を算出する。そして、CPU1212は、ステップS22に進む。
【0106】
ステップS22において、CPU1212は、ステップS21で算出した制御変数に基づいて、ガイド50の伸縮を制御する。そして、CPU1212は、
図10に示すフローチャートの処理を終了する。
【0107】
上記のように、第7の実施形態に係るCentral Brain24として機能するコンピュータ1200では、CPU1212は、検知情報に基づいて、ガイド50の上下方向への伸縮を制御するための制御変数を10億分の1秒毎に算出する。そして、CPU1212は、算出した制御変数に基づいて、ガイド50の伸縮を制御する。これにより、当該コンピュータ1200では、制御装置20より高い位置への荷物Lの的確な移動が可能となる。また、当該コンピュータ1200では、パレット40に荷物Lが載置されていない場合には、ガイド50を縮ませることでフォークリフト10を高速に移動させることができる。
【0108】
(第8の実施形態)
次に、本実施形態に係る第8の実施形態について、上記実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
【0109】
図13は、本実施形態に係るフォークリフト10を示す第6の斜視図である。具体的には、
図13は、制御装置20の周囲から柵のような保護部材60が上方に突出した突出状体を示している。保護部材60の突出は、Central Brain24が図示しない駆動機構の駆動を制御することにより行われる。一例として、保護部材60は、4枚の板状部材を組み合わせて構成されている。
【0110】
ここで、第8の実施形態では第3の実施形態と同様に、コンピュータ1200のCPU1212は、機能構成として、取得部1212B、算出部1212C、及び制御部1212Dを有する(
図9参照)。
【0111】
算出部1212Cは、取得部1212Bが取得した検知情報に基づいて、フォークリフト10の動作として、保護部材60の突出量を制御するための制御変数を10億分の1秒毎に算出する。ここで、取得部1212Bが取得した検知情報には、荷物Lの寸法を示す寸法情報が含まれている。そして、算出部1212Cは、例えば、検知情報に基づいて荷物Lの高さ寸法の半分以上となる突出量を算出し、当該突出量まで保護部材60を突出させるための制御変数を算出する。
【0112】
制御部1212Dは、算出部1212Cが算出した制御変数に基づいて、保護部材60の突出量を制御する。
【0113】
次に、Central Brain24として機能するコンピュータ1200により実行される処理の流れについて説明する。コンピュータ1200では、CPU1212がコンピュータ1200にインストールされたプログラムを読み出して、RAM1214に展開して実行することにより、
図14に示すフローチャートの処理が実行される。
【0114】
ステップS30において、CPU1212は、センサ35及びセンサ55、並びにその他のセンサにより検知された検知情報を取得する。そして、CPU1212は、ステップS31に進む。
【0115】
ステップS31において、CPU1212は、ステップS30で取得した検知情報に基づいて、保護部材60の突出量を制御するための制御変数を算出する。そして、CPU1212は、ステップS32に進む。
【0116】
ステップS32において、CPU1212は、ステップS31で算出した制御変数に基づいて、保護部材60の突出量を制御する。そして、CPU1212は、
図14に示すフローチャートの処理を終了する。
【0117】
上記のように、第8の実施形態に係るCentral Brain24として機能するコンピュータ1200では、CPU1212は、検知情報に基づいて、制御装置20の周囲から上方に突出して荷物Lを囲むことができる保護部材60の突出量を制御するための制御変数を10億分の1秒毎に算出する。そして、CPU1212は、算出した制御変数に基づいて、保護部材60の突出量を制御する。これにより、当該コンピュータ1200では、荷物Lの高さ寸法の半分以上を保護部材60で囲むことができるため、フォークリフト10が高速で移動した場合に荷物Lが飛び出すことが抑制される。
【符号の説明】
【0118】
24 Central Brain、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ