(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063711
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】吹出方向を制御可能なブラシ付きヘアードライヤー
(51)【国際特許分類】
A45D 20/48 20060101AFI20240502BHJP
A45D 20/12 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
A45D20/48
A45D20/12 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203723
(22)【出願日】2022-12-20
(31)【優先権主張番号】202211318301.X
(32)【優先日】2022-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522494950
【氏名又は名称】鄭州萬馬雲電子科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhengzhou Wanmayun Electronic Technology CO., Ltd.
(71)【出願人】
【識別番号】516114396
【氏名又は名称】鴻富錦精密電子(鄭州)有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】500080546
【氏名又は名称】鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HON HAI PRECISION INDUSTRY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】66,Chung Shan Road,Tu-Cheng New Taipei,236(TW)
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】黄 逸軒
(72)【発明者】
【氏名】袁 伯朶
(72)【発明者】
【氏名】姜 留軍
【テーマコード(参考)】
3B040
【Fターム(参考)】
3B040CH03
3B040DF02
3B040DF08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】吹出方向を制御可能なブラシ付きヘアードライヤーを提供する。
【解決手段】ブラシ付きヘアードライヤーは、互いに嵌合する第1筐体10と第2筐体20と、第1櫛歯と、スライダ40と、を含み、櫛で髪をすく際に髪と櫛歯との間の摩擦力により、第1櫛フレーム30における第1ストッパ301または第2ストッパ302を動かして、スライダ40を動かすことにより、スライダ40が通風口を塞いだり、通風口を連通させたりして、吹出方向を制御する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに嵌合する第1筐体と第2筐体とを備え、吹出方向を制御可能なブラシ付きヘアードライヤーであって、前記ブラシ付きヘアードライヤーは、第1櫛歯と、第2櫛歯と、第1櫛フレームと、スライダと、を含み、
前記第1櫛歯は、前記第1筐体に設けられ、前記第1櫛歯には第1吹出路が設けられ、前記第1筐体には、前記第1吹出路に連通する第1通風口が設けられており、
前記第2櫛歯は、前記第1櫛歯に対向して前記第1筐体に設けられ、前記第2櫛歯には、第2吹出路が設けられ、前記第1吹出路と前記第2吹出路の吹出方向が異なり、前記第1筐体には、前記第2吹出路に連通する第2通風口が設けられており、
第1櫛フレームは、回転可能に前記第1筐体に設けられ、第1櫛フレームには、第1ストッパ及び第2ストッパが設けられており、
前記スライダは、前記第1筐体に設けられ、互いに対向して設けられた第1プレートと、第2プレートと、前記第1プレートに連結された第1延長プレートと、前記第2プレートに連結された第2延長プレートと、を備え、前記第1プレートは、第1切り欠きを有し、前記第2プレートは、第2切り欠きを有し、前記第1ストッパは、前記第1切り欠き内を移動し、前記第2ストッパは、前記第2切り欠き内を移動し、前記第1延長プレートは、交互に設けられた複数の第1開孔及び第1遮蔽部を備え、前記第2延長プレートは、交互に設けられた複数の第2開孔及び第2遮蔽部を備え、前記第1開孔は、前記第1通風口と連通して前記第1吹出路から排気させるためのものであり、前記第1遮蔽部は、前記第1通風口を覆って前記第1吹出路から排気しないようにするためのものであり、前記第2開孔は、前記第2通風口と連通して前記第2吹出路から排気させるためのものであり、前記第2遮蔽部は、前記第2通風口を覆って前記第2吹出路から排気しないようにするためのものであることを特徴とする吹出方向を制御可能なブラシ付きヘアードライヤー。
【請求項2】
前記第1筐体は第2櫛フレームを含み、前記第2櫛フレームは、対向して設けられた第1壁と第2壁と、前記第1壁と前記第2壁とを連結する第3壁と第4壁を有し、前記第1壁と前記第2壁と前記第3壁と前記第4壁とが囲み合って収容部を形成し、前記第1櫛フレームの一部が前記収容部に収容されており、前記第1壁には、前記第1壁を貫通する前記第1通風口が設けられ、前記第2壁には、前記第2壁を貫通する前記第2通風口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の吹出方向を制御可能なブラシ付きヘアードライヤー。
【請求項3】
前記第2壁における前記第3壁に近接する端部に位置決めブロックが設けられており、前記第2延長プレートは、位置決め溝を備え、前記位置決めブロックは前記位置決め溝に収容され一端が前記位置決め溝から突出していることを特徴とする請求項2に記載の吹出方向を制御可能なブラシ付きヘアードライヤー。
【請求項4】
前記第3壁には、第1貫通孔を有する第1連結ブロックが設けられ、前記第4壁には、第2貫通孔を有する第2連結ブロックが設けられており、前記第1櫛フレームには、前記第1貫通孔内に収容される第1軸と、前記第2貫通孔内に収容される第2軸とが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の吹出方向を制御可能なブラシ付きヘアードライヤー。
【請求項5】
前記第1櫛フレームは、底板と、前記底板の縁部から前記第2筐体に近接する方向に延びる第1辺、第2辺、第3辺及び第4辺と、を有し、前記第1ストッパは、前記第1辺に設けられ、前記第2ストッパは、前記第2辺に設けられ、前記底板には、第3櫛歯が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の吹出方向を制御可能なブラシ付きヘアードライヤー。
【請求項6】
前記ブラシ付きヘアードライヤーは、第3櫛フレームをさらに含み、前記第3櫛フレームは、フレームと、前記フレームに設けられた第4櫛歯とを備え、前記フレームは、前記底板上に固定されていることを特徴とする請求項5に記載の吹出方向を制御可能なブラシ付きヘアードライヤー。
【請求項7】
前記ブラシ付きヘアードライヤーは、加熱モジュールをさらに含み、前記加熱モジュールは、保護プレートと、取付プレートと、前記保護プレートおよび前記取付プレートの間に設けられた発熱素子と、を含み、前記保護プレートは前記フレームに設けられていることを特徴とする請求項6に記載の吹出方向を制御可能なブラシ付きヘアードライヤー。
【請求項8】
前記ブラシ付きヘアードライヤーは、前記取付プレートにおける前記発熱素子から離反する表面に設けられたプラテンをさらに含み、前記プラテンは、取付孔を含み、前記底板には、前記取付孔の位置に対応する取付柱が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の吹出方向を制御可能なブラシ付きヘアードライヤー。
【請求項9】
前記プラテンは、第1開口と、第2開口と、第3開口とをさらに含み、前記第1開口内に第1押圧片が設けられ、前記第2開口内に第2押圧片が設けられ、前記第3開口内に第3押圧片が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の吹出方向を制御可能なブラシ付きヘアードライヤー。
【請求項10】
前記底板は、対向して設けられた第1位置決めプレートと、第2位置決めプレートと、を備え、前記保護プレートと前記発熱素子と前記取付プレートとは、前記第1位置決めプレートと前記第2位置決めプレートとの間に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の吹出方向を制御可能なブラシ付きヘアードライヤー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、美容器具の技術分野に関し、特に吹出方向を制御可能なブラシ付きヘアードライヤーに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザは、髪を洗った後に、一般的にヘアードライヤーで乾かした後、スタイリングツールで髪スタイルを完成する。このような操作は煩雑であり、同時に複数種類のツールを使って作業する必要があり、ユーザーエクスペリエンスが非常に悪い。このため、ヘアードライヤーと櫛とが結合したブラシ付きヘアードライヤーが考案され、ブラシ付きヘアードライヤーによって髪を乾かすと同時にスタイルをも完成させる。
【0003】
しかし、従来のブラシ付きヘアードライヤーは、ユーザが吹出方向をコントロールすることができなく、実際の使用においては頭に直接当たることがほとんどであり、風は頭皮や発根に直接当たることとなり、傷害は比較的大きく、ユーザの使用体験に大きな影響を与える。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで、本出願は、吹出方向を制御可能なブラシ付きヘアードライヤーを提案する。
【0005】
本開示の一実施形態は、互いに嵌合する第1筐体と第2筐体とを備え、吹出方向を制御可能なブラシ付きヘアードライヤーを提供し、前記ブラシ付きヘアードライヤーは、第1櫛歯と、第2櫛歯と、第1櫛フレーム、と、スライダと、を含み、
前記第1櫛歯は、前記第1筐体に設けられ、前記第1櫛歯には第1吹出路が設けられて、前記第1筐体には、前記第1吹出路に連通する第1通風口が設けられ、
前記第2櫛歯は、前記第1筐体に回転可能に設けられ、且つ前記第1櫛歯に対向して設けられ、前記第2櫛歯には、第2吹出路が設けられ、前記第1吹出路と前記第2吹出路の吹出方向が異なり、前記第1筐体には、前記第2吹出路に連通する第2通風口が設けられ、
第1櫛フレームは、前記第1筐体に設けられており、第1櫛フレームには、第1ストッパ及び第2ストッパが設けられており、
前記スライダは、前記第1筐体に設けられ、互いに対向して設けられた第1プレートと、第2プレートと、前記第1プレートに連結された第1延長プレートと、前記第2プレートに連結された第2延長プレートと、を備え、前記第1プレートは、第1切り欠きを有し、前記第2プレートは、第2切り欠きを有し、前記第1ストッパは、前記第1切り欠き内を移動し、前記第2ストッパは、前記第2切り欠き内を移動し、前記第1延長プレートは、交互に設けられた複数の第1開孔及び第1遮蔽部を備え、前記第2延長プレートは、交互に設けられた複数の第2開孔及び第2遮蔽部を備え、前記第1開孔は、前記第1通風口と連通して前記第1吹出路から排気するためのものであり、前記第1遮蔽部は、前記第1通風口を覆って前記第1吹出路から排気しないようにするためのものであり、前記第2開孔は、前記第2通風口と連通して前記第2吹出路から排気するためのものであり、前記第2遮蔽部は、前記第2通風口を覆って前記第2吹出路から排気しないようにするためのものである。
【0006】
一実施形態では、前記第1筐体は、第2櫛フレームを含む。前記第2櫛フレームは、対向して設けられた第1壁と第2壁と、前記第1壁と前記第2壁とを連結する第3壁と第4壁を有し、前記第1壁と前記第2壁と前記第3壁と前記第4壁とが囲み合って収容部を形成し、前記第1櫛フレームの一部が前記収容部に収容される。前記第1壁には、前記第1壁を貫通する前記第1通風口が設けられ、前記第2壁には、前記第2壁を貫通する前記第2通風口が設けられている。
【0007】
一実施形態では、前記第2壁における前記第3壁に近接する端部に位置決めブロックが設けられている。前記第2延長プレートは、位置決め溝を備え、前記位置決めブロックは前記位置決め溝に収容され一端が前記位置決め溝から突出する。
【0008】
一実施形態では、前記第3壁には、第1貫通孔を有する第1連結ブロックが設けられている。前記第4壁には、第2貫通孔を有する第2連結ブロックが設けられている。前記第1櫛フレームには、前記第1貫通孔内に収容される第1軸と、前記第2貫通孔内に収容される第2軸とが設けられている。
【0009】
一実施形態において、前記第1櫛フレームは、底板と、前記底板の縁から前記第2筐体に近づく方向に延びる第1辺、第2辺、第3辺及び第4辺と、を有する。前記第1ストッパは、前記第1辺に設けられ、前記第2ストッパは、前記第2辺に設けられ、前記底板には、第3櫛歯が設けられている。
【0010】
一実施形態では、前記ブラシ付きヘアードライヤーは、第3櫛フレームをさらに含む。前記第3櫛フレームは、フレームと、前記フレームに設けられた第4櫛歯とを備え、前記フレームは、前記底板上に固定されている。
【0011】
一実施形態では、前記ブラシ付きヘアードライヤーは、加熱モジュールをさらに含む。前記加熱モジュールは、保護プレートと、取付プレートと、前記保護プレートおよび前記取付プレートの間に設けられた発熱素子と、を含み、前記保護プレートは前記フレームに設けられている。
【0012】
一実施形態では、前記ブラシ付きヘアードライヤーは、前記取付プレートにおける前記発熱素子から離反する表面に設けられたプラテンをさらに含む。前記プラテンは、取付孔を含み、前記底板には、前記取付孔の位置に対応する取付柱が設けられている。
【0013】
一実施形態において、前記プラテンは、第1開口と、第2開口と、第3開口とをさらに含む。前記第1開口内に第1押圧片が設けられ、前記第2開口内に第2押圧片が設けられ、前記第3開口内に第3押圧片が設けられている。
【0014】
一実施形態では、前記底板は、対向して設けられた第1位置決めプレートと、第2位置決めプレートと、を備える。前記保護プレートと前記発熱素子と前記取付プレートとは、前記第1位置決めプレートと前記第2位置決めプレートとの間に設けられている。
【発明の効果】
【0015】
本願の前記ブラシ付きヘアードライヤーにおいて、櫛で髪をすく際に髪と櫛歯との間の摩擦力により、第1櫛フレームにおける第1ストッパまたは第2ストッパを動かして、スライダを動かすことにより、スライダが通風口を塞いだり、通風口を連通させたりして、吹出方向を制御する目的を実現する。本願の前記ブラシ付きヘアードライヤーは、櫛歯の移動方向に応じて吹出方向をリアルタイムで調整でき、使用環境に関する特別な要求はない。また、本願の前記ブラシ付きヘアードライヤーは、機械伝動方式を採用しており、製品コストを低減でき、且つ、構造が簡単で、製品の小型化に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本願の一実施形態に係るブラシ付きヘアードライヤーの構造概略図である。
【
図2】
図1に示すブラシ付きヘアードライヤーの分解図である。
【
図4】
図3に示す第1筐体の他の視点からの構造概略図である。
【
図6】
図5に示すスライダの他の視点からの構造概略図である。
【
図7】
図2に示す第1櫛フレームの構造概略図である。
【
図8】
図2に示す第3櫛フレームの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に図面を参照しながら、本出願の実施形式をさらに説明する。
【0018】
本明細書において用いられる技術および科学用語は、特に定義されない限り、本願実施例に属する技術分野の当業者によって通常理解されるものと同義である。本明細書において用いられる用語は、具体的な実施形態を記述する目的のみであり、本出願実施例を制限することを意図していない。
【0019】
なお、本願実施例では全ての方向指示(例えば、上、下、左、右、前、後……)は、ある特定の姿勢(図面に図示されたもの)における各部材間の相対的位置関係、運動状況等を単に解釈するためのものであり、この特定の姿勢が変化すると、それに伴って方向指示も変化する。
【0020】
なお、本明細書における「第1」、「第2」等に関する説明は、単に説明目的のためのものであり、その相対的な重要性を示すまたは暗示するものではなく、または技術的特徴の数を暗示するものではない。これにより、「第1」「第2」に限定された特徴は、当該特徴を少なくとも1つを明示的または暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、「複数」とは、特に具体的に限定されない限り、2以上を意味し、例えば2つ、3つなどを意味する。
【0021】
以下、上記の図面を参考して本出願のいくつかの実施形態について詳細に説明する。実施形態および実施形態の特徴は、お互いに矛盾しない場合、組み合わせることができることに留意されたい。
【0022】
図1、
図2図を参考すると、本願における一実施形態は、吹出方向を制御可能なブラシ付きヘアードライヤー100を提供し、互いに嵌合する第1筐体10と第2筐体20と、第1櫛フレーム30と、スライダ40と、を含む。前記第1筐体10と第2筐体20とは、スナップフィット(図示せず)により係合可能であり、前記第1筐体10と前記第2筐体20とは、外界に連通されて気流を導入可能なキャビティ(図示せず)が形成する。
図3及び
図4を参照すると、前記第1筐体10には、対向する第1櫛歯101及び第2櫛歯102が設けられている。前記第1櫛歯101には、第1吹出路1011が設けられおり、前記第1筐体10には、前記第1吹出路1011と連通する第1通風口1111が設けられおり、前記第1通風口1111は前記キャビティと前記第1吹出路1011とを連通している。前記第2櫛歯102には、第2吹出路1021が設けられており、前記第1吹出路1011の吹出方向と前記第2吹出路1021の吹出方向とは異なる。前記第1筐体10には、前記第2吹出路1021に連通する第2通風口1121が設けられ、前記第2通風口1121は、前記キャビティと前記第2吹出路1021とを連通している。前記第1櫛フレーム30は、前記第1筐体10に回動可能に設けられて一部がキャビティに収容されており、前記第1ストッパ301と第2ストッパ302とが設けられている。前記第1ストッパ301及び第2ストッパ302はブロック状のものであってもよいが、これに限られるわけではない。
【0023】
図5および
図6を併せて参照して、前記スライダ40は、前記第1筐体10に設けられる。前記スライダ40は、対向して設けられた第1プレート41と第2プレート42とを含み、前記第1プレート41と第2プレート42とは、略平行である。前記第1プレート41は第1切り欠き411を有し、前記第2プレート42は第2切り欠き421を有する。前記第1ストッパ301は、前記第1切り欠き411内を移動し、前記第2ストッパ302は、第2切り欠き421内を移動する。前記スライダ40は、前記第1プレート41に連結された第1延長プレート43と、前記第2プレート42に連結された第2延長プレート44と、をさらに備え、前記第1延長プレート43は、前記第1プレート41に略直交しており、前記第2延長プレート44は、前記第2プレート42に略直交している。
【0024】
前記第1延長プレート43は、交互に複数設けられる第1開孔430及び第1遮蔽部431を含み、前記第2延長プレート44は、交互に複数設けられる第2開孔440及び第2遮蔽部441を含む。なお、前記第1延長プレート43における2つの第1開孔430の間の部分が第1遮蔽部431を構成し、前記第2延長プレート44における2つの第2開孔440の間の部分が第2遮蔽部441を構成していると理解できる。
【0025】
前記第1ストッパ301が前記スライダ40の第1切り欠き411内を移動すると、第1ストッパ301が前記スライダ40に圧力を加えて前記スライダ40を動かすことにより、前記第1開孔430と前記第1通風口1111とが位置ずれし、前記第1遮蔽部431が前記第1通風口1111を覆って前記第1吹出路1011から排気しないようにし、このとき、前記第2開孔440は前記第2通風口1121に連通して前記第2吹出路1021から排気する。前記第2ストッパ302が前記スライダ40の第2切り欠き421内を移動すると、第2ストッパ302が前記スライダ40に圧力を加えて前記スライダ40を動かすことにより、前記第2開孔440と前記第2通風口1121とが位置ずれし、前記第2遮蔽部441が前記第2通風口1121を覆って前記第2吹出路1021から排気しないようにし、このとき、前記第1開孔430は前記第1通風口1111に連通して前記第1吹出路1011から排気する。
【0026】
図5及び
図6に示すように、いくつかの実施形態では、前記スライダ40は、略中空のフレーム構造であり、前記第1切り欠き411及び前記第2切り欠き421の断面形状は略台形である。前記第1ストッパ301及び第2ストッパ302(
図2参照)は、台形状の一の腰に当接するまで第1切り欠き411又は第2切り欠き421内を移動し、その後続いて移動して当該腰に沿って第1切り欠き411又は第2切り欠き421に斜め下向きの圧力をかけ、当該圧力でスライダ40を押し動かして、前記第1開孔430を前記第1通風口1111に連通させて前記第1吹出路1011から排気させ、又は、第2開孔440を前記第2通風口1121に連通させて前記第2吹出路1021から排気させる。さらに、前記スライダ40は、前記第1プレート41と前記第2プレート42とを連結する2つの第3プレート45を備えている。
【0027】
図1、
図3及び
図4を参照すると、いくつかの実施形態では、前記第1筐体10は、第2櫛フレーム11と、収容室12とを含み、前記第2櫛フレームは前記収容室12の端部に設けられている。前記第1櫛歯101、第2櫛歯102、第1櫛フレーム30、スライダ40は、いずれも前記第2櫛フレーム11に設けられ、前記第2櫛フレーム11は、対向配置された第1壁111及び第2壁112と、前記第1壁111及び第2壁112を連結する第3壁113及び第4壁114と、を備えた中空構造である。前記第1壁111と第2壁112とは、略平行に設けられ、前記第3壁113は、前記第1壁111と第2壁112の一側の端部を連結し、前記第4壁114は、前記第1壁111と第2壁112の他側の端部を連結している。前記第3壁113及び第4壁114は、円弧状であってもよい。前記第1壁111と、第2壁112と、第3壁113と、第4壁114とは、囲み合って収容部115を形成している。前記第2櫛フレーム11は、第1壁111と、第2壁112と、第3壁113との端縁から、前記第2筐体20に近づく方向(すなわち、
図3における上面)に向けて延長して形成された延長壁116をさらに有していてもよい。
【0028】
さらに、厚み方向において、前記第1壁111には、前記第1壁111を貫通する複数の第1通風口1111が設けられており、前記第2壁112には、前記第2壁112を貫通する複数の第2通風口1121が設けられている。前記第1櫛歯101は、前記第1壁111の前記第2筐体20から離反する面(つまり
図4では第1壁111の下面)に設けられており、前記第1通風口1111が前記第1吹出路1011に連通するように、前記第1通風口1111の位置に対応して位置している。前記第1櫛歯101及び第1通風口1111は、第1壁111に一列又は複数列設けてもよく、本出願では限定していない。前記第2櫛歯102は、前記第2壁112の前記第2筐体20から離反する面(つまり
図3では第2壁112の下面)に設けられており、前記第2通風口1121が前記第2吹出路1021に連通するように、前記第2通風口1121の位置に対応して位置している。前記第2櫛歯102及び第2通風口1121は、第2壁112に一列又は複数列設けてもよく、本出願では限定していない。
【0029】
図3~
図6を参照して、前記スライダ40の第1延長プレート43は、前記第2櫛フレーム11の第1壁111の上面に設けられ、前記スライダ40の第2延長プレート44は、前記第2櫛フレーム11の第2壁112の上面に設けられている。前記第2延長プレート44は、
図6に示すように、前記第3壁113に近接する端部に位置決め溝442を有している。
図3に示すように、前記第2壁における前記第3壁に近接する端部に位置決めブロック1122が設けられている。前記位置決めブロック1122は、前記位置決め溝442に収容され、一端が前記位置決め溝442から突出することで、前記スライダ40の位置を規制し、スライダ40の過度移動を防止することができる。
【0030】
さらに、
図3及び
図4に示すように、前記第3壁113には、第1貫通孔1132を有する第1連結ブロック1131が設けられている。前記第1貫通孔1132は第1壁111の延伸方向に沿って前記第1連結ブロック1131を貫通する。前記第4壁114には、第2貫通孔1142を有する第2連結ブロック1141が設けられている。前記第2貫通孔1142は第1壁111の延伸方向に沿って前記第2連結ブロック1141を貫通する。
【0031】
図7に示すように、いくつかの実施例において、前記第1櫛フレーム30は、底板31と、前記底板31の縁から前記第2筐体20に近づく方向に延びる第1辺32、第2辺33、第3辺34及び第4辺35と、を有する。前記第1辺32及び第2辺33は、略平行に設けられ、前記第3辺34及び第4辺35は、対向して設けられ、前記第1辺32及び第2辺33を連結する。前記第1ストッパ301は、前記第1辺32に設けられ、前記第1辺32の上面から突出している。前記第2ストッパ302は、前記第2辺33に設けられ、前記第2辺33の上面から突出している。前記底板31の下面には、第1櫛歯101及び第2櫛歯102の延伸方向と同じ延伸方向である第3櫛歯311が設けられている。前記第3櫛歯311は、前記第2櫛フレーム11の収容部115に収容されている。
【0032】
さらに、前記第3辺34に第1連結プレート341が設けられている。前記第1連結プレート341には第1軸342が設けられており、前記第1軸342は前記第1貫通孔1132(
図3参照)内に収容されている。前記第4辺35には第2連結プレート351が設けられ、前記第2連結プレート351に第2軸352が設けられており、前記第2軸352は前記第2貫通孔1142(
図3参照)内に収容されている。前記第1軸342を前記第2櫛フレーム11の第1貫通孔1132内に収容し、前記第2軸352を前記第2櫛フレーム11の第2貫通孔1142内に収容することで、前記第1櫛フレーム30と前記第2櫛フレーム11とが連結されるとともに、前記第1櫛フレーム30は前記第2櫛フレーム11に対して回転可能となる。
【0033】
ユーザが、櫛で頭をすく際に、髪と第1櫛フレーム30上の第3櫛歯311との間に摩擦力が発生し、その摩擦力は、前記第1櫛フレーム30を回転させ、さらに、第1櫛フレーム30上の第1ストッパ301又は第2ストッパ302を動かすことができる。例えば、第3櫛歯311が受けた摩擦力が左方向(即ち、第2櫛歯102から第1櫛歯101に向かう方向)になると、第1櫛フレーム30が回転し、前記第1ストッパ301がスライダ40の第1切り欠き411内を移動して第1切り欠き411の腰に当接して斜め下向きの力を加えることで、前記スライダ40を第2櫛フレーム11の第3壁113に近づく方向に移動させ、前記第2櫛フレーム11における第1通風口1111とスライダ40の第1開孔430とが位置ずれし、第2通風口1121と第2開孔440とが連通して、第2吹出路1021から排気させる。第3櫛歯311が受けた摩擦力が右方向(すなわち、第1櫛歯101から第2櫛歯102に向かう方向)になると、第1櫛フレーム30が回転し、前記第2ストッパ302がスライダ40の第2切り欠き421内を移動して第2切り欠き421の腰に当接して斜め下向きの力を加えることで、前記スライダ40を第2櫛フレーム11の第4壁114に近づく方向に移動させ、前記第2櫛フレーム11の第2通風口1121とスライダ40の第2開孔440とが位置ずれし、第1通風口1111と第1開孔430とが連通し、第1吹出路1011から排気させる。
【0034】
図2及び
図8を参照して、いくつかの実施例では、前記ブラシ付きヘアードライヤー100は、第3櫛フレーム50をさらに含む。前記第3櫛フレーム50は、フレーム501と、前記フレーム501の下面に設けられた第4櫛歯502とを備える。前記フレーム501は、第1櫛フレーム30の前記底板31(
図7参照)に固定されており、前記第4櫛歯502は、底板31の隙間から突出されている。前記第4櫛歯502は、第1櫛歯101と第2櫛歯102と第3櫛歯311の延伸方向と同じである。前記第3櫛歯311及び第4櫛歯502は、ユーザの体験を向上させるために、櫛歯密度を高くしてもよい。
【0035】
図2を参照すると、いくつかの実施例では、前記ブラシ付きヘアードライヤー100は、空気を加熱して温風を吹き出すための加熱モジュール60をさらに備える。前記加熱モジュール60は、保護プレート601と、取付プレート602と、前記保護プレート601および前記取付プレート602の間に設けられた発熱素子603と、を含み、前記保護プレート601は前記第3櫛フレーム50のフレーム501上に設けられている。前記発熱素子603は、セラミックサーミスタ(PTC)等であってもよいが、これに限定されない。前記第3櫛フレーム50が省略される場合、前記保護プレート601は、前記第1櫛フレーム30の底板31上に直接設けられていることが理解できる。
【0036】
図2及び
図7を参照すると、いくつかの実施例では、前記第1櫛フレーム30の底板31には、対向して設けられた複数の第1位置決めプレート312と、複数の第2位置決めプレート313が設けられている。前記第1位置決めプレート312は前記第1辺32に近接して設けられ、前記第2位置決めプレート313は前記第2辺33に近接して設けられている。前記保護プレート601と前記発熱素子603と前記取付プレート602とは、前記第1位置決めプレート312と前記第2位置決めプレート313との間に設けられ、水平方向への移動を防止している。
【0037】
図2及び
図9を参照して、いくつかの実施例では、前記ブラシ付きヘアードライヤー100は、プラテン70をさらに含む。前記プラテン70は、前記取付プレート602の前記発熱素子603から離反する表面に設けられており、本体部71と、前記本体部71に設けられた第1開口701、第2開口702及び第3開口703とを含む。前記本体部71は、前記本体部を厚み方向に貫通する取付孔72をさらに含む。
図7に示すように、前記第1櫛フレーム30の底板31には、前記第1辺32に近接又は前記第2辺33に近接して設けられた複数の取付柱320がさらに設けられている。前記取付柱320は、前記プラテン70と前記第1櫛フレーム30とをネジ等で固定することが便利になるように、前記取付孔72の位置に対応している。
【0038】
さらに、前記第1開口701と前記第2開口702は、それぞれ前記本体部71の両端に位置しており、前記第3開口703は、本体部71の略中部に位置している。前記第1開口701内に一端は固定され他端は可動な第1押圧片7011が設けられ、前記第2開口内に一端は子固定され他端は可動な第2押圧片7021が設けられ、前記第3開口内に一端は固定され他端は可動な第3押圧片7031が設けられている。前記第1押圧片7011、第2押圧片7021及び第3押圧片7031は、前記加熱モジュール60の取付プレート602を弾性的に押えて、前記加熱モジュール60と前記第3櫛フレーム50とをさらに固定するものである。
【0039】
図2に示すように、いくつかの実施例では、前記ブラシ付きヘアードライヤー100は、サポート構造103、モーター104及び給気アセンブリ105をさらに備える。前記サポート構造103及びモーター104は、前記第1筐体110と第2筐体20とが係合して形成されたキャビティ内に収容される。前記サポート構造103は、円環状であってもよいが、これに限らず、第1筐体10と第2筐体20とを係合させて得られる全体の強度を補強するために用いられる。前記給気アセンブリ105は、スリーブ1051と、前記スリーブ1051に連結される給気管1052とを備えている。前記スリーブ1051は、前記第1筐体10及び第2筐体20の外面に外装され(被せられ)、前記給気管1052は、その一部が前記ブラシ付きヘアードライヤー100内に収容され、他の一部がブラシ付きヘアードライヤー100の外部に延出されている。前記モーター104は、空気を前記給気管1052を通して前記ブラシ付きヘアードライヤー100内に吸い込むためのものである。
【0040】
本願の前記ブラシ付きヘアードライヤー100において、櫛で髪をすく際に髪と櫛歯との間の摩擦力により、第1櫛フレーム30における第1ストッパ301ーまたは第2ストッパ302ーを動かして、スライダ40を動かすことにより、スライダ40が通風口を塞いだり、通風口を連通させたりして、吹出方向を制御する目的を実現する。本願の前記ブラシ付きヘアードライヤー100は、櫛歯の移動方向に応じて吹出方向をリアルタイムで調整でき、使用環境に関する特別な要求はない。また、本願の前記ブラシ付きヘアードライヤー100は、機械伝動方式を採用しており、製品コストを低減でき、且つ、構造が簡単で、製品の小型化に有利である。
【0041】
以上の説明は本出願幾つかの具体的な実施形態であるが、実際の適用過程においてはこれらの実施形態のみに限定されるものではない。当業者にとって、本出願の技術的思想に基づいてなされる他の変形及び変更は、本出願の技術的範囲に属するものと理解されるべきてある。
【符号の説明】
【0042】
100 ブラシ付きヘアードライヤー
10 第1筐体
20 第2筐体
30 第1櫛フレーム
40 スライダ
50 第3櫛フレーム
60 加熱モジュール
70 プラテン
11 第2櫛フレーム
12 収容室
31 底板
32 第1辺
33 第2辺
34 第3辺
35 第4辺
41 第1プレート
42 第2プレート
43 第1延長プレート
44 第2延長プレート
45 第3プレート
50 第3櫛フレーム
70 プラテン
71 本体部
72 取付孔
111 第1壁
112 第2壁
113 第3壁
114 第4壁
115 収容部
116 延長壁
101 第1櫛歯
102 第2櫛歯
103 サポート構造
104 モーター
105 給気アセンブリ
301 第1ストッパ
302 第2ストッパ
311 第3櫛歯
312 第1位置決めプレート
313 第2位置決めプレート
320 取付柱
341 第1連結プレート
342 第1軸
351 第2連結プレート
352 第2軸
411 第1切り欠き
421 第2切り欠き
430 第1開孔
431 第1遮蔽部
440 第2開孔
441 第2遮蔽部
442 位置決め溝
501 フレーム
502 第4櫛歯
601 保護プレート
602 取付プレート
603 発熱素子
701 第1開口
702 第2開口
703 第3開口
1011 第1吹出路
1111 第1通風口
1021 第2吹出路
1121 第2通風口
1122 位置決めブロック
1131 第1連結ブロック
1132 第1貫通孔
1141 第2連結ブロック
1142 第2貫通孔
1051 スリーブ
1052 給気管
7011 第1押圧片
7021 第2押圧片
7031 第2押圧片