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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063737
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】ドライヤ
(51)【国際特許分類】
   A45D 20/12 20060101AFI20240502BHJP
【FI】
A45D20/12 K
A45D20/12 J
A45D20/12 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104427
(22)【出願日】2023-06-26
(31)【優先権主張番号】P 2022171611
(32)【優先日】2022-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】村上 直哉
(72)【発明者】
【氏名】樋口 幸洋
【テーマコード(参考)】
3B040
【Fターム(参考)】
3B040CG00
3B040CH00
(57)【要約】
【課題】使用時における騒音を一段と軽減したドライヤを提供する。
【解決手段】本発明のドライヤ(1、100)は、ベース(20、120)と、ハンドル(10、110)と、ハンドル(10、110)の軸方向において気体の吸引口を有するハウジング(30、130)と、ハウジング(30、130)に接続され、気体の排出口(42out、140out)を有するノズル(40、140)と、を備え、ベース(20、120)の一面側に対してハウジング(30、130)が設けられ、ベース(20、120)の他面側に対してハンドル(10、110)が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
ハンドルと、
前記ハンドルの軸方向において気体の吸引口を有するハウジングと、
前記ハウジングに接続され、気体の排出口を有するノズルと、を備え、
前記ベースの一面側に対して前記ハウジングが設けられ、
前記ベースの他面側に対して前記ハンドルが設けられている
ドライヤ。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記ノズルと連続的に繋がる外側面を有し、
前記ノズルは、前記ハウジングの前記外側面と連続的に繋がる外側面を有し、
前記ハウジングの前記外側面は、前記ノズルの前記外側面に沿って直線状に延在している
請求項1に記載のドライヤ。
【請求項3】
前記ベースの一面側には、前記ハウジングと共に前記ノズルが設けられている
請求項1または2に記載のドライヤ。
【請求項4】
前記ハウジングは、インペラを収容し、
前記ハンドルは、前記ベースの他面側において前記インペラの回転軸と、前記ノズルとの間の配置されている
請求項1乃至3の何れか1項に記載のドライヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特に、毛髪を乾かすためのドライヤにおいては、ハウジングにおける左右両側に気体の吸入口を有し、その左右両側の吸入口から気体を流入し、内部に設けられたインペラによって風を起こした後、ハウジングに接続されたノズルの先端部に設けられた排出口から温風または冷風を排出している。
【0003】
この種のドライヤにおいては、ノズルから排出する温風または冷風の風量性能を更に改善したいという要求を満たすため、上部の開口から気体を引き込む引込口が設けられたハウジング部材と、気体流動部材と、風案内部材と、回転手段部材とを備えたドライヤが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2020-503120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のドライヤにおいては、風量がある程度改善できたものの、ドライヤの使用時における騒音を更に改善したいという要望があった。
【0006】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、使用時における騒音を低減したドライヤを提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、以下の本発明により解決される。すなわち、本発明のドライヤは、ベースと、ハンドルと、前記ハンドルの軸方向において気体の吸引口を有するハウジングと、前記ハウジングに接続され、気体の排出口を有するノズルと、を備え、前記ベースの一面側に対して前記ハウジングが設けられ、前記ベースの他面側に対して前記ハンドルが設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施の形態にかかるドライヤのノズル側から見たときの全体構成を示す斜視図である。
図2】本発明の第1の実施の形態にかかるドライヤのハウジング側から見たときの全体構成を示す斜視図である。
図3】本発明の第1の実施の形態にかかるドライヤのベース側から見たときの全体構成を示す斜視図である。
図4】本発明の第1の実施の形態にかかるドライヤのベースおよびハンドルの構成(A)、(B)を示す斜視図である。
図5】本発明の第1の実施の形態にかかるドライヤの構成を示す正面図である。
図6】本発明の第1の実施の形態にかかるドライヤの構成を示す背面図である。
図7】本発明の第1の実施の形態にかかるドライヤの構成を示す左側面図である。
図8】本発明の第1の実施の形態にかかるドライヤの構成を示す右側面図である。
図9】本発明の第1の実施の形態にかかるドライヤの構成を示す上面図である。
図10】本発明の第1の実施の形態にかかるドライヤの構成を示す底面図である。
図11】本発明の第2の実施の形態にかかるドライヤをノズル側から見たときの全体構成を示す斜視図である。
図12】本発明の第2の実施の形態にかかるドライヤをハウジング側から見たときの全体構成を示す斜視図である。
図13】本発明の第2の実施の形態にかかるドライヤをベース側およびハンドル側から見たときの全体構成を示す斜視図である。
図14】本発明の第2の実施の形態にかかるドライヤのベースおよびハンドルの構成(A)、(B)を示す斜視図である。
図15】本発明の第2の実施の形態にかかるハウジングにおける下側のハウジング本体の内部構造を示す斜視図である。
図16】本発明の第2の実施の形態にかかるハウジングにおける上側のハウジング本体の内部構造を示す斜視図である。
図17】本発明の第2の実施の形態にかかるハウジングにおける下側のハウジング本体をハンドル側から見たときの外観構造を示す平面図(A)および斜視図(B)である。
図18】本発明の第2の実施の形態にかかるドライヤの構成を示す正面図である。
図19】本発明の第2の実施の形態にかかるドライヤの構成を示す背面図である。
図20】本発明の第2の実施の形態にかかるドライヤの構成を示す左側面図である。
図21】本発明の第2の実施の形態にかかるドライヤの構成を示す右側面図である。
図22】本発明の第2の実施の形態にかかるドライヤの構成を示す上面図である。
図23】本発明の第2の実施の形態にかかるドライヤの構成を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<本発明の第1の実施の形態>
続いて、本発明に係るドライヤ1を実施するための第1の実施の形態を添付図面とともに例示する。以下に例示する第1の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の第1の実施の形態から変更、改良することが可能である。また、これらの添付図面では、理解を容易にするため、および、見易さの観点から各部材の寸法が誇張又は縮小して示されていたり、ハッチングが省略して示されていたりする場合がある。
【0010】
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるドライヤ1のノズル40側から見たときの全体構成を示す斜視図である。図2は、本発明の第1の実施の形態にかかるドライヤ1のハウジング30側から見たときの全体構成を示す斜視図である。図3は、本発明の第1の実施の形態にかかるドライヤ1のベース20側から見たときの全体構成を示す斜視図である。図4は、本発明の第1の実施の形態にかかるドライヤ1のベース20およびハンドル10の構成(A)、(B)を示す斜視図である。図5乃至図10は、本発明の第1の実施の形態にかかるドライヤ1の構成を示す正面図、背面図、左側面図、右側面図、上面図、および、底面図である。
【0011】
<ドライヤ>
図1乃至図10に示すように、ドライヤ1は、ハンドル10と、ベース20と、ハウジング30と、ノズル40とを備えている。このドライヤ1においては、ベース20に対してハンドル10が下方、ハウジング30およびノズル40が上方に配置された状態をユーザの通常の使用形態として以下説明する。
【0012】
なお、ドライヤ1は、ハンドル10がベース20の下方、ハウジング30およびノズル40がベース20の上方に配置された状態において上下方向を規定し、ベース20に対してハンドル10が配置されたハンドル側をべース20の「他面側」、「底面側」または「下側」とし、ベース20に対してハウジング30が配置されたハウジング側をベース20の「一面側」、「上面側」または「上側」とする。
【0013】
また、ドライヤ1において、ノズル40の排出口42out側をドライヤ1の「正面側」とし、ハウジング30のノズル40とは反対側を当該ドライヤ1の「背面側」とする。さらに、ドライヤ1を正面側から見た場合における右側を単に「右側」と言い、ドライヤ1を正面側から見た場合における左側を単に「左側」という。図1乃至図3において、ドライヤ1の内部構造については省略している。
【0014】
<ハンドル>
ドライヤ1のハンドル10は、ユーザがドライヤ1を使用する際に手で把持す部分であり、所定の長さからなる金属または樹脂等からなる棒状部材である。なお、ハンドル10には、図示していないが、電源スイッチや操作スイッチ等の操作部が取り付けられている。
【0015】
ハンドル10は、円形状または楕円形状の断面形状を有し、ハンドル10の中央部分が上下方向における両端部よりも膨らんだ外形を有している。ハンドル10は、ベース20に対して一体に取り付けられている。ただし、これに限るものではなく、ハンドル10はベース20と着脱自在に取り付けられていてもよく、折り畳み自在に取り付けられていてもよい。
【0016】
<ベース>
図4に示すように、ドライヤ1のベース20は、ハウジング30およびノズル40を載置する部分となる部材である。ベース20は、湾曲した平面形状を有しており、詳細には平面視馬蹄形を有している。また、ベース20は、所定の厚さを有する板状の部材であり、金属または樹脂等によって形成されている。
【0017】
ベース20は、その上側の端面(以下、これを「上端面」と言う。)20aに対して、ハウジング30全体を載置可能であると共に、ノズル40のハウジング30側の一部である導入部41を載置可能な大きさを有している。
【0018】
また、ベース20の下側の端面(以下、これを「下端面」と言う。)20bにおいて、下側の端面20bの中央よりもノズル40の排出口42out側寄りの所定の位置に、ハンドル10が取り付けられている。なお、ドライヤ1におけるハンドル10の詳細な位置関係については、後述する。
【0019】
ベース20には、ハウジング30の内部空間に設けられたインペラ33や、ノズル40の内部空間に設けられたヒータ(図示せず)と電気的に接続された回路基板や電源回路等の電子部品(図示せず)が収容されている。
【0020】
<ハウジング>
ドライヤ1のハウジング30は、金属または樹脂等によって形成された円筒形状を有する部材である。ハウジング30は、円筒状のハウジング本体31と、ハウジング本体31と一体に結合された導出部32とを有している。
【0021】
ハウジング本体31は、ハンドル10とは反対側となる上側に、ハウジング本体31の外径よりも小さい直径の開口部31hを有している。ハウジング本体31の開口部31hは、上側から気体(空気)を吸い込む吸引口である。
【0022】
開口部31hは、3本のスポーク31uと一体に形成されており、その3本のスポーク31uの間の隙間から気体を流入する。これら3本のスポーク31uは開口部31hを横切るように延在している。なお、開口部31hには、3本のスポーク31uの間から指が入らないように網目状のネット状部材(図示せず)が取り付けられている。
【0023】
ハウジング本体31の内部空間には、インペラ33が設けられている。インペラ33は、本実施形態では、いわゆるシロッコファンである。インペラ33の回転によって、外部から開口部31hを介して気体をハウジング本体31の内部に流入して、所定レベルの風圧および風量をもつ流体(以下、気体の流れ、または、風と呼称する。)に変換する。
【0024】
インペラ33は、図1の上側から見て時計回り方向に回転する。したがって、ハウジング本体31の内部でインペラ33により生成された風は、ハウジング本体31の内部を形成する側面(内周面)に倣って時計回り方向に進んでノズル40へ向かう。なお、インペラ33はアウターロータ型のブラシレスモータ(図示せず)と一体化された状態でハウジング本体31の内部空間に収容されている。
【0025】
ここで、インペラ33として用いられているシロッコファンは、回転方向に並んだ複数の羽根と、複数の羽根を保持する底部とを備えている。また、シロッコファンは、複数の細長い羽根が底部に筒状に取り付けられており、複数の羽根の内側に形成された空間を備えている。ただし、インペラ33としてはこれに限らず、複数のプロペラを有するインペラや傾斜面を有する底部に複数の羽根が取り付けられた斜流型のインペラ等のその他種々の構成のインペラを用いるようにしてもよい。
【0026】
ハウジング30の導出部32は、ハウジング本体31と後述するノズル40とを繋ぐ部分である。この導出部32は、インペラ33の回転によって生成された風がハウジング本体31の内部空間を約1周近く通過することにより、所定レベルの風圧および風量となった状態でノズル40の導入部41へ導出する部分である。
【0027】
導出部32は、インペラ33の回転によって生成された風の風圧および風量のレベルを低減させることなく、後段のノズル40に導出することが可能な大きさおよび形状に形成されている。
【0028】
導出部32は、ハウジング本体31と一体化された筒状体である。導出部32は、ハウジング本体31と上下方向において同じ高さを有し、ハウジング本体31と導出部32との境界部分において大きな段差がなく、滑らかに繋がるように接続されている。
【0029】
また、導出部32は、ノズル40の導入部41と接続される端面(以下、これを「導出端面」と呼ぶ。)32aを有し、後述するノズル40の導入部41の端面(以下、これを「導入端面」と呼ぶ。)41aと結合されている。
【0030】
導出部32の導出端面32aと、ノズル40の導入部41の導入端面41aとは、大きさおよび形状が等しく、ハウジング本体31からの風が外部に漏れることなくノズル40の導入部41に導かれる。
【0031】
導出部32は、ハウジング30の一部であり、ハウジング本体31の最も膨らんだ頂部31z(図10)から僅かに下った点31pの境界線からノズル40側に向かって延びている。これは、インペラ33の回転によって生成される風を所定レベルの風圧および風量にするために、ハウジング本体31の周方向の長さを出来るだけ長くしたいからである。
【0032】
ここで、ハウジング30の導出部32は、ノズル40の導入部41の外側面41cと直線状に連続して繋がる外側面32cを有している。つまり、ノズル40の導入部41にとっても、ハウジング30の導出部32の外側面32cと直線状に連続して繋がる外側面41cを有していることになる。すなわち、ハウジング30の外側面32cは、ノズル40の外側面41cに沿って直線状に延在していることになる。
【0033】
ただし、導出部32としては、これに限るものではなく、所定レベルの風圧および風量を達成することが出来れば、導出部32はハウジング本体31の最も膨らんだ頂部31zと直線状に接続するように設けられていてもよい。この場合、ハウジング本体31の外側面31cがノズル40の導入部41の外側面41cと連続的に滑らかに繋がることになる。
【0034】
ハウジング30のハウジング本体31および導出部32は、全てがベース20の上に載置された状態で接着等により一体に固定されている。すなわち、ハウジング30においては、ハウジング本体31の開口部31hの反対側の下面がベース20に対して完全に貼り付けられた状態となるため、当該ハウジング本体31の下側が塞がれ、上側の開口部31hから気体を吸引できる。
【0035】
<ノズル>
ノズル40は、ハウジング30の導出部32から流入した風を内部空間に設けられた図示しないヒータによって加熱し、熱風として外部へ排出する樹脂等からなる円筒状の部材である。
【0036】
ノズル40は、ハウジング30の導出部32と接続された導入部41と、導入部41と一体に接続されたノズル本体部42とを有している。導入部41は、ハウジング30の導出部32の導出端面32aと結合される端面(以下、導入端面と呼称する。)41aを有している。
【0037】
導入部41は、筒状で円錐台の形状または筒状で略円錐台の形状を有している。また、導入部41の幅は、導入端面41aからノズル本体部42に向かって次第に大きくなっている。導入部41は、ノズル本体部42におけるハウジング30側の開口端面42aの外径と同じ外径を有する端面(以下、開口端面と呼称する。)41bを有している。
【0038】
ノズル本体部42は、樹脂等からなる円筒状または略円筒状の部材であり、導入部41の外側面41cと滑らかに繋がった外側面42cを有している。また、ノズル本体部42の幅は、開口端面42aから排出口42outに向かって緩やかに小さくなっている。すなわち、ノズル本体部42の開口端面42aの直径よりも排出口42outの直径の方が僅かに小さい。
【0039】
ノズル本体部42は、その内部空間に図示しないヒータを収容している。ノズル本体部42の排出口42outには網目状の蓋44が取り付けられている。
【0040】
なお、ノズル40においては、ノズル40の一部である導入部41の全体がベース20の上に載置されて接着等により固定されているが、ノズル本体部42については、ベース20の外周部の外側にノズル本体部42の開口端面42aが配置されており、ベース20の上に載置されていない。ただし、これに限るものではなく、ベース20の外周部の内側にノズル本体部42の開口端面42aが配置され、ノズル本体部42の全部または一部がベース20の上に載置されて固定されていてもよい。
【0041】
<ハンドルの位置>
ところで、ドライヤ1では、ベース20に取り付けられているハンドル10をインペラ33の回転軸とノズル40との間に配置している。
【0042】
実際上、図7および図8に示すように、ハンドル10は、インペラ33の回転軸Xの軸線上には配置されておらず、インペラ33の回転軸Xからノズル40側へシフトした所定の位置に配置されている。
【0043】
以上の構成において、ドライヤ1は、上方に開口部31hを有するハウジング30がベース20の上端面20aに固定されているため、図2に示したように、気体の流入口が開口部31hとなる片側吸込式の構造を実現することができる。
【0044】
これにより、従来のように左右両側に設けられた開口部から気体を流入するタイプのドライヤに比べて、片側吸込式のドライヤ1では、音を放射する開口部が使用者に向く方向に対して異なる方向に開口しているため、開口部31hの周辺における静音性の向上を達成することができる。
【0045】
また、ドライヤ1では、ハウジング30における開口部31hの背面側となるべース20の周辺における静音性についても大幅に向上することができる。
【0046】
さらに、ドライヤ1では、ベース20の下端面20bから下方へ向かって鉛直方向に延びるように設けられたハンドル10をユーザが把持し、ハウジング30の開口部31hを上方に向けた状態で使用できる構成になっている。これにより、今までにない新しい外観デザインを実現すると共に、使用時における騒音を一段と低減したドライヤ1を実現することができる。
【0047】
ドライヤ1において、図10に示すように、ハウジング30の外側面31c、32cは、ノズル40の外側面41c、42cに沿って延在している。具体的には、ハウジング30のハウジング本体31の外側面31cが導出部32の外側面32cと連続的に繋がり、導出部32の外側面32cとノズル40の導入部41の外側面41cとが連続的に繋がり、導入部41の外側面41cとノズル本体部42の外側面42cとが連続的に繋がっている。
【0048】
すなわち、ドライヤ1では、図9の破線で示すように、ハウジング30のハウジング本体31の外側面31c、導出部32の外側面32c、ノズル40の導入部41の外側面41c、および、ノズル本体42の外側面42cが連続して直線的に繋がっており、全体として一体感のある外観を実現している。
【0049】
また、ドライヤ1は、べース20にノズル40が設けられている。具体的には、ベース20の上端面20aに対してノズル40の導入部41が載置された状態で取り付けられている。したがってドライヤ1は、ハウジング30だけではなくノズル40についてもベース20に対して安定した状態で固定することができる。
【0050】
この場合、ドライヤ1では、導入部41に加えてノズル本体部42をベース20に載置する場合に比較して、導入部41だけをベース20に取り付けるので、その分だけベース20を小型および軽量化し、ユーザの操作性を向上することができる。
【0051】
なお、ドライヤ1では、ハウジング30に収容されているインペラ33の回転軸とノズル40との間にハンドル10を配置している。これによりドライヤ1は、当該ドライヤ1の重心位置の近くにハンドル10を設けることができるので、ユーザがハンドル10を把持したときの重量バランスに優れ、使用時の使い勝手を向上させることができる。
【0052】
<本発明の第2の実施の形態>
続いて、本発明に係るドライヤ100を実施するための第2の実施の形態を添付図面とともに例示する。以下に例示する第2の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の第2の実施の形態から変更、改良することが可能である。また、これらの添付図面では、理解を容易にするため、および、見易さの観点から各部材の寸法が誇張又は縮小して示されていたり、ハッチングが省略して示されていたりする場合がある。
【0053】
図11は、本発明の第2の実施の形態にかかるドライヤ100をノズル140側から見たときの全体構成を示す斜視図である。図12は、本発明の第2の実施の形態にかかるドライヤ100をハウジング130側から見たときの全体構成を示す斜視図である。図13は、本発明の第2の実施の形態にかかるドライヤ100をベース120側から見たときの全体構成を示す斜視図である。図14は、本発明の第2の実施の形態にかかるドライヤのベースおよびハンドルの構成(A)、(B)を示す斜視図である。図15は、本発明の第2の実施の形態にかかるハウジングにおける下側のハウジング本体の内部構造を示す斜視図である。図16は、本発明の第2の実施の形態にかかるハウジングにおける上側のハウジング本体の内部構造を示す斜視図である。図17は、本発明の第2の実施の形態にかかるハウジングにおける下側のハウジング本体をハンドル側から見たときの外観構造を示す平面図(A)および斜視図(B)である。図18乃至図23は、本発明の第2の実施の形態にかかるドライヤ100の構成を示す正面図、背面図、左側面図、右側面図、上面図、および、底面図である。
【0054】
<ドライヤ>
図11乃至図23に示すように、ドライヤ100は、ハンドル110と、ベース120と、ハウジング130と、導出部137と、ノズル140と、を備えている。このドライヤ100においても、ベース120に対してハンドル110が下方、ベース120に対してハウジング130、導出部137、および、ノズル140が上方に配置された状態をユーザの通常の使用形態として以下説明する。
【0055】
なお、ドライヤ100においても、ハンドル110がベース120の下方、ハウジング130、導出部137、および、ノズル140がベース120の上方に配置された状態において上下方向を規定し、ベース120に対してハンドル110が配置されたハンドル側をべース120の「他面側」、「底面側」または「下側」とし、ベース120に対してハウジング130が配置されたハウジング側をベース120の「一面側」、「上面側」または「上側」とする。
【0056】
また、ドライヤ100においても、ノズル140の排出口140out側をドライヤ100の「正面側」とし、ハウジング130のノズル140とは反対側を当該ドライヤ100の「背面側」とする。さらに、ドライヤ100を正面側から見た場合における右側を単に「右側」と言い、ドライヤ100を正面側から見た場合における左側を単に「左側」という。
【0057】
<ハンドル>
図11乃至図13に示すように、ドライヤ100のハンドル110は、ユーザがドライヤ100を使用する際に手で把持する部分であり、所定の長さからなる金属または樹脂等からなる棒状部材である。なお、ハンドル110には、図示していないが、第1の実施の形態と同様に、電源スイッチや操作スイッチ等の操作部が取り付けられている。
【0058】
図14(A)および(B)に示すように、ハンドル110は、ベース120と一体に形成されており、ハンドル110の断面は楕円形状または略楕円形状を有している。ここで、ハンドル110およびベース120は一体に形成されているため、これを総称して「ベースハンドル」150と呼ぶ場合があるものとする。
【0059】
ベースハンドル150のハンドル110は、下側の先端から上側のベース120に向かって次第に太くなっており、特に上下方向における中間部(図示の例では中央部分)が正面側に向かって盛り上がった形状である。なお、ハンドル110は、中間部(中央部分)から上側に向かって僅かに細くなっている。
【0060】
ベースハンドル150のハンドル110は、ベース120と一体に取り付けられている。ただし、これに限るものではなく、ハンドル110はベース120と着脱自在に取り付けられていてもよく、折り畳み自在に取り付けられていてもよい。
【0061】
また、ベースハンドル150のハンドル110について、断面は楕円形状または略楕円形状を備えており、ハンドルの太さが上下方向において変化するように構成されているが、これに限るものではなく、断面が円形状や多角形状を備えていてもよく、また、ハンドル110の太さが上下方向において変化することのないように構成されていてもよい。
【0062】
<ベース>
図14(A)および(B)に示すように、ベースハンドル150のベース120は、ハンドル110と一体に形成されており、ハンドル110の上側の端部と一体化された略円錐台形状を有している。ベース120は、図13に示すように、ハウジング130の中央部分および導出部137の一部を載置する部材であり、金属または樹脂等によって形成されている。
【0063】
ベース120は、全体的に略円錐台形状のお椀型であり、下側に向かって膨らんだベース本体部120aと、そのベース本体部120aの外周縁から上側に向かって延在する壁部(以下、これを「外周壁部」と呼ぶ。)120wと、を有している。
【0064】
ベース120のベース本体部120aは、外周壁部120wからハンドル110に向かうに連れて次第に縮径する滑らかな面を有しており、ハンドル110の上側の端部と一体に結合されている。
【0065】
ベース120の外周壁部120wには、その外周壁部120wの縁部に対して、上側に向かって突出した4個の被嵌合部121a乃至121dが一体に形成されている。4個の被嵌合部121a乃至121dは、一定の間隔を開けて設けられている。
【0066】
ベース120の外周壁部120wに設けられた4個の被嵌合部121a乃至121dは、後述するハウジング130(図17)の下側ハウジング本体131の壁部131wに設けられた4個の爪部134a乃至134dと嵌合する部分である。
【0067】
ベース120の外周壁部120w、および、下側ハウジング本体131の壁部131wは同一形状を有しており、外周壁部120wの外側面に対して壁部131の内側面が密着可能なほぼ同じ大きさである。
【0068】
ベース120は、図19乃至図21および図23に示すように、ハウジング130における下側ハウジング本体131の中央部分をベース本体部120aの上に載置した状態で固定すると共に、ハウジング130と一体に形成された導出部137における下側導出部分135の一部(図20および図21)についても載置可能な大きさを有している。
【0069】
ベース120のベース本体部120aとハウジング130(図17)の下側ハウジング本体131との結合は、ベース120の外周壁部120wと下側ハウジング本体131の壁部131w(図17(B))とを嵌め合わせることにより行う。
【0070】
実際には、下側ハウジング本体131の壁部131wの内側にベース120の外周壁部120wが入り込み、その際、ベース120の外周壁部120wの被嵌合部121a乃至121dと、下側ハウジング本体131の壁部131wの爪部134a乃至134dとが嵌合されることにより結合される。
【0071】
また、ベース120のベース本体部120aには、ハウジング130の内部空間に設けられたインペラ133や、ノズル140の内部空間に設けられたヒータ(図示せず)と電気的に接続された回路基板や電源回路等の電子部品(図示せず)が収容されている。
【0072】
なお、べースハンドル150は、ベース120とハンドル110とが一体に形成されている構造であるが、これに限るものではなく、ベース120とハンドル110とが別々に形成された後に結合される構造や、ベースハンドル150が左右方向に二分割された2部品からなり、両者が結合される構造等、その他種々の構造であってもよい。
【0073】
<ハウジング>
図13図15乃至図17に示すように、ドライヤ100のハウジング130は、金属または樹脂等によって形成されており、回転軸X(図20および図21)に沿った略円筒形状を有する部材である。ハウジング130は、導出部137と一体に形成されており、その導出部137にはノズル140が一体に形成されている。
【0074】
ハウジング130は、導出部137、および、ノズル140と一体化された構造であるが、実際上、図15乃至図17に示すように、ハウジング130、導出部137、および、ノズル140は、上下方向に2分割された上側部品および下側部品からなり、両者が結合されることにより一体に形成される。
【0075】
ハウジング130、導出部137、および、ノズル140の下側部品とは、ハウジング130の下側部分、導出部137の下側部分、および、ノズル140の下側部分の3者が一体となった部品である。また、ハウジング130、導出部137、および、ノズル140の上側部品とは、ハウジング130の上側部分、導出部137の上側部分、および、ノズル140の上側部分の3者が一体となった部品である。ただし、これに限るものではなく、ハウジング130と、導出部137と、ノズル140とがそれぞれ別体に形成され、3者が結合されるようにしてもよい。
【0076】
ハウジング130は、下側部分に相当するハウジング本体(以下、これを「下側ハウジング本体」と呼ぶ。)131(図15)と、上側部分に相当するハウジング本体(以下、これを「上側ハウジング本体」と呼ぶ。)132(図16)と、によって構成されている。
【0077】
ハウジング130は、図17に示すように、下側ハウジング本体131と上側ハウジング本体132とが上下方向に重なって接着または嵌合されることにより一体に形成されている。ただし、これに限るものではなく、ハウジング130は下側ハウジング本体131および上側ハウジング本体132の2分割可能な構造ではなく、一つの円筒状の構造であってもよい。
【0078】
図15に示すように、下側ハウジング本体131は、ハウジング130を上下方向とは直交する水平方向に沿って上下半分となる位置で切断した際の下側部分である。下側ハウジング本体131は、下側の保持部(以下、これを「下側保持部」と言う。)131aを有している。この下側保持部131aは、ハウジング130の内部空間に収容するインペラ133(図11および図12)の外形(外径)よりも僅かに大きな内周面を有するカップ状に形成されている。また、下側保持部131aは、平面視において湾曲した形状(略円形)の曲面状(半球状)の外側面131cを有している。
【0079】
下側ハウジング本体131の下側保持部131aには、その中央にインペラ133を回転駆動するためのモータ(図示せず)を支持する円環状の平坦な部分(以下、これを「モータ支持部分」と言う。)131bが設けられている。
【0080】
モータ支持部分131bは、モータの配線を通すための貫通孔131bhを有し、その貫通孔131bhの周囲にはモータを固定するための3個のメスねじ部131mが設けられている。この貫通孔131bhは、モータの外径よりも小さい。
【0081】
一方、図16に示すように、上側ハウジング本体132は、ハウジング130を上下方向とは直交する水平方向に沿って上下半分となる位置で切断した際の上側部分である。上側ハウジング本体132は、上側の保持部(以下、これを「上側保持部」と言う。)132aを有している。この上側保持部132aは、ハウジング130の内部空間に収容するインペラ133(図11および図12)の外径よりも僅かに大きな内径を有するカップ状に形成されている。
【0082】
上側保持部132aは、平面視において湾曲状の形状(略円形)の曲面状(半球状)の外側面132cを有している。なお、上側ハウジング本体132の上側保持部132a、および、下側ハウジング本体131の下側保持部131aは同じ形状および同じ内径である。
【0083】
上側ハウジング本体132の上側保持部132aには、ハンドル110とは反対側である上側に、上側保持部132aの外形(外径)よりも小さい大きさ(直径)の開口部132hを有している。上側保持部132aの開口部132hは、上側から気体を吸い込む吸引口である。
【0084】
上側保持部132aの開口部132hは、3本のスポーク132uと一体に形成されており、その3本のスポーク132uの間の隙間から気体(空気)を流入する。これら3本のスポーク132uは、開口部132hを横切るように延在している。なお、開口部132hには、3本のスポーク132uの間からユーザの指が入らないように網目状のネット状部材(図示せず)が取り付けられている。
【0085】
上側保持部132aの内部空間には、インペラ133が配置される。インペラ133は、第1の実施の形態と同様に、いわゆるシロッコファンである。ここで、インペラ133としては、第1の実施の形態と同様に、シロッコファンに限るものではなく、斜流型のインペラ等のその他種々の構成のインペラを用いるようにしてもよい。
【0086】
ドライヤ100では、下側ハウジング本体131および上側ハウジング本体132が結合されて形成されるハウジング130の内部空間に配置されたインペラ133の回転によって、外部から開口部132hを介して気体(空気)を流入し、所定レベルの風圧および風量をもつ流体(以下、気体の流れまたは風と呼称する。)に変換する。
【0087】
インペラ133は、図11に示すように、ハウジング130の上側から見て時計回り方向に回転する。したがって、ハウジング130の内部でインペラ133により生成された風は、ハウジング130の内部空間を形成する側面(内周面)に倣って時計回り方向に進んで導出部137からノズル140へ向かう。なお、インペラ133は下側ハウジング本体131に収容されたモータ(図示せず)と一体化されてハウジング130の内部空間に収容されている。
【0088】
<導出部>
導出部137は、ハウジング130とノズル140との間で両者を繋ぐように一体に接続された筒形状または円筒形状を有する部材である。導出部137は、インペラ133により生成された風をノズル140に向かって導出する導出路である。
【0089】
図12に示すように、導出部137は、下側部分に相当する導出部分(以下、これを「下側導出部分」と呼ぶ。)135と、上側部分に相当する導出部分(以下、これを「上側導出部分」と呼ぶ。)136と、を有している。
【0090】
下側導出部分135は、導出部137を上下方向とは直交する水平方向に沿って上下半分となる位置で切断した際の下側部分であり、上側導出部分136は、導出部137を上下方向とは直交する水平方向に沿って上下半分となる位置で切断した際の上側部分である。
【0091】
したがって、導出部137は、下側導出部分135と上側導出部分136とが上下方向に重なって接着または嵌合されることにより形成されている。ただし、これに限るものではなく、導出部137は下側導出部分135および上側導出部分136の2分割構造ではなく、一つの円筒状の構造であってもよい。
【0092】
下側導出部分135は、下側ハウジング本体131および後述する下側ノズル本体141と一体に形成されており、インペラ133により生成された風をノズル140へ導出する方向に沿った半円筒状に形成されている。
【0093】
下側導出部分135の内部には、閉じた壁138(図15)が形成されている。この壁138の内面には、3つのコーナが形成されており、壁138の一部138Aと他の一部138Bとが交差して形成されたコーナ138C1と、壁138の一部138Aと下側ハウジング本体131の外周部の一部131Aとが交差して形成されたコーナ138C2と、下側ハウジング本体131の外周部の一部131Aと壁138の他の一部138Bが交差して形成されたコーナ138C3がある。図示された壁138は、インペラ133によって生成された風の流路が拡がることなくノズル140へ導出するための三角筒状または三角柱状に形成されている。図示の例では、壁138は閉じており、下側導出部分135の一部(下側ハウジング本体131の外周部)とともに形成されている。
【0094】
同様に、上側導出部分136は、上側ハウジング本体132および後述する上側ノズル本体142と一体に形成されており、インペラ133により生成された風をノズル140へ導出する方向に沿った半円筒状に形成されている。
【0095】
上側導出部分136の内部であって、下側導出部分135の壁138と対向する位置には、閉じた壁139(図16)が形成されている。この壁139の内面には、3つのコーナが形成されており、壁139の一部139Aと他の一部139Bとが交差して形成されたコーナ139C1と、壁139の一部139Aと上側ハウジング本体132の外周部の一部132Aとが交差して形成されたコーナ139C2と、上側ハウジング本体132の外周部の一部132Aと壁139の他の一部139Bが交差して形成されたコーナ139C3がある。図示された壁139は、インペラ133によって生成された風の流路が拡がることなくノズル140へ導出するための筒状または柱状(図示の例では三角柱状)に形成された壁139(図16)が形成されている。下側導出部分135の壁138、および、上側導出部分136の壁139は、同一形状および同一の大きさである。図示の例では、壁139は閉じており、上側導出部分136の一部(上側ハウジング本体132の外周部)とともに形成されている。
【0096】
下側導出部分135と上側導出部分136とが上下方向において互いに一致するように重ねられると、図17に示すように、ハウジング130とノズル40とを繋ぐ導出部137が形成される。
【0097】
また、導出部137では、下側導出部分135と上側導出部分136とが重ねられたとき、下側導出部分135の壁138と上側導出部分136の壁139とが上下方向において互いに一致するように重ねられるので、導出部137の内側空間に壁138と壁139とにより閉じた空間を形成する結合体が形成される。
【0098】
これにより、ハウジング30の内部空間においてインペラ33の回転により生成された風は、ハウジング30の内部空間を約1周近く通過することにより、所定レベルの風圧および風量となった後、導出部137の壁138および壁139の結合体の存在により導出部137の内側空間において狭くなった流路を通過し、ノズル140へ導出される。
【0099】
このように導出部137は、インペラ33の回転によって所定レベルの風圧および風量となった風を、壁138および壁139の結合体を介して狭くなった流路を通過させることにより、風の風圧および風量レベルを低減させることなく、後段のノズル40に導出することができる。
【0100】
なお、導出部137は、ハウジング130およびノズル140と一体化された円筒状体であり、ハウジング130およびノズル140と上下方向において同じ高さを有し、ハウジング130およびノズル140と導出部137との境界部分において大きな段差がなく、滑らかに繋がるように接続されている。
【0101】
実際には、ハウジング130およびノズル140と導出部137との間には明確な境界線がある訳ではなく、説明の便宜上、ハウジング130の範囲と、導出部137の範囲と、ノズル140の範囲を規定しているに過ぎない。
【0102】
図22および図23に示すように、導出部137における下側導出部分135(図23)の外側面135c、および、上側導出部分136(図22)の外側面136cは、ハウジング130における下側ハウジング本体131(図23)の外側面131c、および、上側ハウジング本体132(図22)の外側面132cと滑らかに繋がるように接続されている。
【0103】
導出部137(下側導出部分135および上側導出部分136)は、ハウジング130の最も膨らんだ頂部130zからノズル140に向かって僅かに下った点130pの位置からノズル140側に向かって滑らかに延びている。これは、インペラ133の回転によって生成される風を所定レベルの風圧および風量に維持するため、導出部137の長さを出来るだけ長くするためである。
【0104】
ここで、導出部137における下側導出部分135の外側面135c、および、上側導出部分136の外側面136cは、後述するノズル140における下側ノズル本体141の外側面141c、および、上側ノズル本体142の外側面142cと略直線状に連続して滑らかに繋がる面である。すなわち、導出部137の外側面135cおよび外側面136cは、ノズル140の外側面141cおよび外側面142cに沿って略直線状に延在していることになる。
【0105】
ただし、導出部137としては、これに限るものではなく、インペラ133により生成された所定レベルの風圧および風量からなる風を維持したままノズル140へ導出することができれば、図22に示すように、導出部137(下側導出部分135および上側導出部分136)はハウジング130の最も膨らんだ頂部130zから破線で示すような直線状に接続するように設けられていてもよい。この場合、ハウジング130の外側面131cおよび外側面132cが導出部137の外側面135cおよび外側面136cと連続的に直線状かつ滑らかに繋がることになる。
【0106】
なお、ハウジング130の下側ハウジング本体131の中央部分、および、導出部137における下側導出部分135の一部は、ベース120のベース本体部120aの上に載置された後、接着等により一体に固定されている。
【0107】
このとき、ハウジング130においては、下側ハウジング本体131の下側の面がベース本体部20aの上に載置されることになるため、当該ハウジング130の下側が塞がれ、図18および図19に示すように、上側ハウジング本体132の開口部132hだけから外部の空気を吸引することになる。
【0108】
<ノズル>
ノズル140は、ハウジング130および導出部137から導出された風を、当該ノズル140の内部空間に設けられた図示しないヒータによって加熱し、熱風として外部へ排出する樹脂等からなる円筒状の部材である。
【0109】
ノズル140は、円筒状の内部空間に図示しないヒータを収容している。ノズル140の排出口140outには、網目状の蓋144(図11)が取り付けられている。なお、ノズル40は、導出部137と一体に形成されているが、ベース20の上には載置されていない。ただし、これに限るものではなく、ベース20の上にノズル140の一部が載置されて固定されてもよい。
【0110】
ノズル140は、下側のノズル本体(以下、これを「下側ノズル本体」と呼ぶ。)141と、上側のノズル本体(以下、これを「上側ノズル本体」と呼ぶ。)142と、を有している。ノズル140は、下側ノズル本体141と上側ノズル本体142とが上下方向に重なって接着または嵌合されることにより形成される。
【0111】
図15に示すように、下側ノズル本体141は、ノズル140を上下方向とは直交する水平方向に沿って上下半分となる位置で切断した際の下側の半円筒部分である。下側ノズル本体141は、導出部137の下側導出部分135と一体に形成されている。
【0112】
図16に示すように、上側ノズル本体142は、ノズル140を上下方向とは直交する水平方向に沿って上下半分となる位置で切断した際の上側の半円筒部分である。上側ノズル本体141は、導出部137の上側導出部分136と一体に形成されている。
【0113】
図23に示すように、ノズル140の下側ノズル本体141は、導出部137の下側導出部分135の外側面135cと滑らかに繋がった外側面141cを有している。
【0114】
図22に示すように、ノズル140の上側ノズル本体142は、導出部137の上側導出部分136の外側面136cと滑らかに繋がった外側面142cを有している。すなわちノズル140の外側面141c、142cと、導出部137の外側面135c、136cとは滑らかに繋がっている。
【0115】
したがって、ハウジング130の下側ハウジング本体131、導出部137の下側導出部分135、および、ノズル140の下側ノズル本体141が滑らかに繋がって一体に形成された下側部品を為している。
【0116】
同様に、ハウジング130の上側ハウジング本体132、導出部137の上側導出部分136、および、ノズル140の上側ノズル本体142が滑らかに繋がって一体に形成された上側部品を為している。これらの下側部品および上側部品が上下方向において一致するように結合されると、図11乃至図13に示すように、ハウジング130、導出部137、および、ノズル140が一体化して形成されることになる。
【0117】
<ハンドルの位置>
ところで、図20および図21に示すように、ドライヤ100では、ハウジング130の内部空間に収容したインペラ133の回転軸Xとノズル140との間に、ベース120と一体に固定されたハンドル110を配置している。
【0118】
実際上、ハンドル110は、インペラ133の回転軸Xの軸線上には配置されておらず、インペラ133の回転軸Xからノズル140側へ僅かにシフトした所定の位置に配置されている。
【0119】
以上の構成において、第2の実施の形態におけるドライヤ100は、上方に開口部132hを有するハウジング130がベース120のベース本体部120aの上に固定されているため、図12に示したように、気体の流入口が開口部132hとなる片側吸込式の構造を実現することができる。
【0120】
これにより、従来のように左右両側に設けられた開口部から気体を流入するタイプのドライヤに比べて、片側吸込式のドライヤ100では、音を放射する開口部132hが使用者に向く方向に対して異なる方向に開口しているため、開口部132hの周辺における静音性の向上を達成することができる。
【0121】
また、ドライヤ100では、ハウジング130における開口部132hの背面側となるべース120の周辺における静音性の向上についても達成することができる。
【0122】
さらに、ドライヤ100では、ベース120のベース本体部120aから下方へ向かって鉛直方向に延びるように設けられたハンドル110をユーザが把持し、ハウジング130の開口部132hを上方に向けて使用できる構成になっている。これにより、今までにない新しい外観デザインを実現すると共に、使用時における騒音を一段と低減したドライヤ100を実現することができる。
【0123】
ドライヤ100において、図22および図23に示すように、導出部137の外側面135cおよび外側面136cは、ハウジング130の外側面131cおよび外側面132cに沿って延在すると共に、ノズル140の外側面141cおよび外側面142cに沿って延在している。
【0124】
したがってドライヤ100では、ハウジング130の外側面131c、外側面132c、導出部137の外側面135c、外側面136c、ノズル140の外側面141c、外側面142cが全て連続してほぼ直線的かつ滑らかに繋がっており、全体として一体感のある外観を実現している。
【0125】
また、ドライヤ100は、べース120に対してハウジング130の中央部分、および、導出部137の一部分を載置して固定している。したがってドライヤ100では、ハウジング130だけではなく導出部137についてもベース120に対して安定して固定することができる。
【0126】
このようにドライヤ100では、べース120に対してハウジング130の中央部分、および、導出部137の一部分を載置して固定しているので、図18および図19に示すように上側からみて、ベース120および導出部137の存在によりベースハンドル150(ベース120およびハンドル110)が見えなくなる。したがってドライヤ100は、デザイン的に細くスッキリした印象をユーザに与えることができる。
【0127】
さらにドライヤ100では、ハウジング130の中央部分および導出部137の一部分だけをベース120に載置して固定しているので、ハウジング130の全部および導出部137の全部をベース120に載置して固定する場合に比べて、ベース120を小型および軽量化し、ユーザの操作性を向上することができる。
【0128】
なお、ドライヤ100では、ハウジング130に収容されているインペラ133の回転軸Xとノズル140との間にハンドル110を配置している。これによりドライヤ100は、当該ドライヤ100の重心位置の近くにハンドル110を設けることができるので、ユーザがハンドル110を把持したときの重量バランスに優れ、使用時の使い勝手を向上させることができる。
【0129】
<他の実施の形態>
なお、第1の実施の形態のドライヤ1は、ベース20の上端面20aに対してハウジング30全体と、ノズル40の導入部41を載置して取り付けるようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、ベース20の上端面20aに対してハウジング30全体と、ノズル40全体を載置して取り付けるようにしてもよい。また、上下方向において、導出部32は、ハウジング本体31に対して異なる高さにして、導出部32をハウジング本体31に繋がるように接続しても構わない。
【0130】
また、第1の実施の形態のドライヤ1では、平面視馬蹄形を有するベース20を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ハウジング30およびノズル40の導入部41がベース20の上端面20aに載置されるときの面と同じ形状のベース20を用いるようにしてもよい。
【0131】
さらに、第1の実施の形態におけるハンドル10、および、第2の実施の形態におけるハンドル110には、電源スイッチや操作スイッチ等の操作部が取り付けられているようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ドライヤ1、および、ドライヤ100のデザイン性を損なわなければ操作部がベース20、120やハウジング30、130、あるいは、ノズル40、140の何れかに取り付けられていてもよい。
【0132】
以上、本発明のドライヤについて、好ましい第1および第2の実施の形態を挙げて説明したが、本発明のドライヤは上記第1および第2の実施の形態の形状や構造に限定されるものではない。その他、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明のドライヤの形状および構造を適宜改変することができる。かかる改変によってもなお本発明の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0133】
1,100…ドライヤ、10,110…ハンドル、20,120…ベース、30,130…ハウジング、31…ハウジング本体、31h…開口部、31p…点、31u,132u…スポーク、32,137…導出部、32a…導出端面、32c…外側面、33,133…インペラ、40,140…ノズル、41…導入部、41a…導入端面、41b…開口端面、41c…外側面、42…ノズル本体部、42a…開口端面、42out,140out…排出口、44,144…蓋、131…下側ハウジング本体、132…上側ハウジング本体、135…下側導出部分、136…上側導出部分、137…導出部、138,139…壁、141…下側ノズル本体、142…上側ノズル本体、150…ベースハンドル、X…回転軸。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23