(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063752
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】顔認識基盤のセキュリティードアを利用したストーキング識別システム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20240502BHJP
G08B 25/08 20060101ALI20240502BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20240502BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240502BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240502BHJP
G06V 40/16 20220101ALI20240502BHJP
【FI】
G08B25/04 E
G08B25/08 A
G08B25/00 510M
G06Q50/10
G06T7/00 660A
G06T7/00 510F
G06V40/16 A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023174217
(22)【出願日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】10-2022-0138995
(32)【優先日】2022-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】521327954
【氏名又は名称】株式会社セキュアコリア
【氏名又は名称原語表記】SECURE KOREA,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】チャン ウォン ソク
【テーマコード(参考)】
5B043
5C087
5L049
5L050
5L096
【Fターム(参考)】
5B043AA04
5B043BA04
5B043CA09
5B043DA05
5B043FA02
5B043FA07
5B043FA09
5B043FA10
5C087AA02
5C087BB74
5C087DD05
5C087DD24
5C087EE08
5C087EE18
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG10
5C087GG22
5C087GG70
5C087GG83
5L049BB45
5L049CC12
5L050CC12
5L096BA18
5L096DA03
5L096GA51
5L096HA07
5L096JA03
5L096KA03
5L096KA09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】画像処理によってストーカー犯罪を識別するストーキング識別システムを提供する。
【解決手段】家や職場を訪ねるか、あるいは徘徊することがストーカーBの行動特性である点に着目し、セキュリティードア100に設置した、顔認識機200と、セキュリティードアの顔認識機で得られた顔画像を分析する顔属性分析サーバ300と、顔属性分析サーバにおける顔画像の分析結果に基づいて、セキュリティードアに関連するストーキング危険イベントを識別するストーキング検知サーバ500とを含み、未登録同一人が頻繁に検知される場合は、ユーザにその事実を知らせることでストーカー犯罪を事前に予防する顔認識基盤のセキュリティードアを利用したストーキング識別システムであって、情報通信技術を利用してストーキング状況を識別し、ユーザが対処できるようにすることで、ストーカー犯罪を効果的に予防する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔認識機(200)を備え、特定空間の内外部を区切るように設置されたセキュリティードア(100)と、
前記セキュリティードア(100)の前記顔認識機(200)で得られた顔画像を分析する顔属性分析サーバ(300)と、
前記顔属性分析サーバ(300)における顔画像の分析結果に基づいて、前記セキュリティードア(100)に関連するストーキング危険イベントを識別するストーキング検知サーバ(500)と、を含んで構成され、
前記顔認識機(200)が、前記セキュリティードア(100)の外部をモニターし、そのモニター画像から顔画像を取得し、
前記顔属性分析サーバ(300)が、前記顔画像から顔属性を抽出し、
前記ストーキング検知サーバ(500)が、前記抽出された顔属性を容疑者データベース(510)と比較し、前記比較結果が容疑者データベース(510)に該当しない場合は、容疑者データベース(510)に新規保存し、前記比較結果が容疑者データベース(510)に該当する場合は、容疑者データベース(510)における該当の容疑者項目に出現事実を更新し、その後、あらかじめ設定されたストーキング臨界条件を満たす場合は、ユーザ端末(600)にストーキング識別イベントを知らせるように構成されることを特徴とする、顔認識基盤のセキュリティードアを利用したストーキング識別システム。
【請求項2】
前記顔属性分析サーバ(300)が、前記抽出された顔属性を顔属性データベース(310)と比較し、該当空間への出入りが許可された登録ユーザに該当するか否かを判断し、
前記ストーキング検知サーバ(500)が、前記抽出された顔属性が登録ユーザに該当しない場合、前記容疑者データベース(510)と比較するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の顔認識基盤のセキュリティードアを利用したストーキング識別システム。
【請求項3】
前記ストーキング検知サーバ(500)が、前記容疑者データベース(510)を定期的に点検し、前記出現事実が更新された後に、あらかじめ設定された期間中に出現事実が発見されていない容疑者項目を削除処理するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の顔認識基盤のセキュリティードアを利用したストーキング識別システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理によってストーカー犯罪を識別する技術に関する。
特に、本発明は、家や職場を訪ねるか、あるいは徘徊することがストーカーの行動特性である点に着目し、セキュリティードアに顔認識機を設置し、未登録同一人が頻繁に検知される場合は、ユーザにその事実を知らせることで、ストーカー犯罪を事前に予防するように構成した顔認識基盤のセキュリティードアを利用したストーキング識別システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近になって、ストーカー(stalking)犯罪が社会的な問題となっており、特に、女性の単身世帯である場合、犯罪に遭う場合が頻繁に報告されている。
ストーキングとは、相手の意思に関係なく意図的に付きまとい続けることで精神的、身体的な被害を与える行動を指し、接近したり監視したり、家や職場を訪ねたり徘徊する類型が一般的である。
【0003】
ストーキング行為に対しては警察の介入によって阻止するか、あるいは刑事処罰する方法があるが、情報通信技術を利用してストーキング状況を識別して対処することで犯罪を予防することも非常に重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、画像処理によってストーカー犯罪を識別する技術を提供することを目的とする。
特に、本発明は、家や職場を訪ねるか、あるいは徘徊することがストーカーの行動特性である点に着目し、セキュリティードアに顔認識機を設置し、未登録同一人が頻繁に検知される場合は、ユーザにその事実を知らせることで、ストーカー犯罪を事前に予防するように構成した顔認識基盤のセキュリティードアを利用したストーキング識別システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明による顔認識基盤のセキュリティードアを利用したストーキング識別システムは、顔認識機200を備え、特定空間の内外部を区切るように設置されたセキュリティードア100と、セキュリティードア100の顔認識機200で得られた顔画像を分析する顔属性分析サーバ300と、顔属性分析サーバ300における顔画像の分析結果に基づいて、セキュリティードア100に関連するストーキング危険イベントを識別するストーキング検知サーバ500と、を含んで構成される。
【0006】
顔認識機200は、セキュリティードア100の外部をモニターし、そのモニター画像から顔画像を取得し、顔属性分析サーバ300は、顔画像から顔属性を抽出する。そして、ストーキング検知サーバ500は、その抽出された顔属性を容疑者データベース510と比較し、その比較結果が容疑者データベース510に該当しない場合は、容疑者データベース510に新規保存し、その比較結果が容疑者データベース510に該当する場合は、容疑者データベース510における該当の容疑者項目に出現事実を更新し、その後、あらかじめ設定されたストーキング臨界条件を満たす場合は、ユーザ端末600にストーキング識別イベントを知らせる。
【0007】
本発明において、顔属性分析サーバ300は、その抽出された顔属性を顔属性データベース310と比較し、該当空間への出入りが許可された登録ユーザに該当するか否かを判断し、ストーキング検知サーバ500は、その抽出された顔属性が登録ユーザに該当しない場合、容疑者データベース510と比較するように構成されてもよい。
【0008】
本発明において、ストーキング検知サーバ500は、周期的に容疑者データベース510を点検し、出現事実が更新された後に、あらかじめ設定された期間中に出現事実が発見されていない容疑者項目を削除処理するように構成されてもよい。
【0009】
また、本発明によるコンピュータプログラムは、コンピュータに以上のような顔認識基盤のセキュリティードアを利用したストーキング識別システムの作動方法を実行させるために不揮発性記憶媒体に保存されたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、情報通信技術を利用してストーキング状況を識別してユーザが対処できるようにすることで、ストーカー犯罪を効果的に予防することができるといった利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一般的な顔認識基盤のセキュリティー出入りシステムの全体構成図である。
【
図2】一般的な顔認識基盤のセキュリティー出入りシステムの動作順序図である。
【
図3】本発明によるストーキング識別システムの全体構成図である。
【
図4】本発明によるストーキング識別システムの動作順序図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
図1は、一般的な顔認識基盤のセキュリティー出入りシステムの全体構成図であり、
図2は、一般的な顔認識基盤のセキュリティー出入りシステムの動作順序図である。
【0013】
図1を参照すれば、一般的なセキュリティー出入りシステムは、顔認識機20が設置されたセキュリティードア10と、顔属性分析サーバ30と、出入り管理コンピュータ40とで構成される。出入り管理コンピュータ40は、該当空間への出入りが許可された人物の顔を登録または削除するための装置であり、セキュリティードア10は、顔認識機20における入室要請者Aの登録有無に応じて開閉制御する。
【0014】
顔属性分析サーバ30は、登録人物の顔属性をあらかじめ抽出して顔属性データベース31に保存しておき、入室要請者Aの顔画像が顔認識機20から伝達されれば、それを分析して登録人物であるか否かを判断する。
【0015】
顔認識は、一般的に、以下のステップを経てなされる。先ず、顔認識機20によってセキュリティードア10の外部正面の画像を得て、その画像内に顔があれば、その顔部分(顔画像)を検知する。次いで、顔画像から顔属性を抽出する。一般的に、ランドマーク(特定位置の点)を検知した後に顔属性を得る。次に、顔属性データベース31と比較する顔マッチによって、入室要請者Aが該当空間への出入りが許可された人物(登録ユーザ)であるか否かを判断する。
【0016】
そのとき、顔属性を抽出する過程は相対的に演算量が多い。ランドマークを基盤として顔属性を抽出する方式も演算量が多かったが、近年では、ディープラーニング技術まで取り入れることで演算量がさらに増加した。
【0017】
一般的には、顔認識機20が前記のすべての過程を自律的に行う。ネットワークが途切れるか、あるいは停電した場合にも、顔認識によってセキュリティードア10の開閉をしなければならないためである。その場合は、
図1において、顔属性分析サーバ30と顔属性データベース31が顔認識機20に一体に実現される方式となる。
【0018】
しかしながら、近年では、カカオ(Kakao Corp.)、ネイバー(Naver Corp.)などの企業がクラウドを基盤として顔認識サービスを提供しているので、それを利用してもよい。その場合は、顔属性分析サーバ30と顔属性データベース31がクラウド上に実現される。すなわち、顔認識機20が画像取得過程と顔部分検知過程を行い、クラウド上の顔属性分析サーバ30が顔属性抽出過程と顔マッチ過程を行う。
図1には、便宜上、顔認識機20と、顔属性分析サーバ30および顔属性データベース31と、を分離して示した。
【0019】
図2を参照して、顔認識基盤のセキュリティー出入りシステムの一般的な動作プロセスを検討する。
先ず、セキュリティードア10の顔認識機20が入室要請者Aの顔を検知し(S100)、顔属性分析サーバ30が入室要請者Aの顔属性を抽出した後、顔属性データベース31と比較する顔マッチを行う(S110、S120)。顔マッチの結果(S130)、入室要請者Aが登録ユーザに該当すれば、認証ログを保存してセキュリティードア10を開放する(S140、S150)。それに対して、顔マッチの結果(S130)、入室要請者Aが登録ユーザに該当しないと、セキュリティードア10は開放しない。
【0020】
図3は、本発明による顔認識基盤のセキュリティードアを利用したストーキング識別システムの全体構成図であり、
図4は、本発明による顔認識基盤のセキュリティードアを利用したストーキング識別システムの動作順序図である。
【0021】
本発明を説明するにあたり、従来技術と重複する部分に対しては詳しい説明を省略する。
図3を参照すれば、本発明によるストーキング識別システムは、顔認識機200を備え、特定空間の内外部を区切るように設置されたセキュリティードア100、セキュリティードア100の顔認識機200で得られた顔画像を分析する顔属性分析サーバ300、顔属性分析サーバ300における顔画像の分析結果に基づいてセキュリティードア100と関連して、ストーキング危険イベントを識別するストーキング検知サーバ500とを含んで構成される。
【0022】
このような構成によって、セキュリティードア100の周辺に登録されていない同一人の顔が数回認識される場合は、ストーキングの疑心事例として分類し、ユーザ(居住者、管理者、あらかじめ登録された人など)に知らせる。ストーカー犯罪は、特定人に接近したり監視したり、その人の家や職場を訪ねたり、あるいは徘徊する形態を示すので、それを検知するためである。
【0023】
図4を参照して、本発明によるストーキング識別システムの動作を検討する。
先ず、セキュリティードア100に設置された顔認識機200がセキュリティードア100の外部をモニターし(S200)、そのモニター画像から顔画像を取得する(S210)。
図2において検討した一般的な顔認識基盤のセキュリティー出入りシステムにおいては、特定人が入室を要請する場合、入室要請者Aの顔画像を取得する。それに対し、本発明においては、セキュリティードア100の外部空間を顔認識機200がモニターし、そのモニター画像から顔画像を取得する。
【0024】
次に、顔属性分析サーバ300が顔画像から顔属性を抽出する(S220)。そのとき、顔属性分析サーバ300は、その抽出された顔属性を顔属性データベース310と比較して(S230)、もし、その顔が該当空間への出入りが許可された登録ユーザに該当すれば、追加動作を行わないように構成されてもよい(S240)。しかしながら、空間が広くて常住人物が多い場合は、登録ユーザよるストーカー犯罪が発生する可能性もあり、そのような状況まですべて確認しようとする場合であれば、その過程(S230、S240)は除外されてもよい。
【0025】
次に、ストーキング検知サーバ500は、顔属性分析サーバ300から抽出された顔属性を容疑者データベース510と比較する(S300)。その比較の結果、その抽出された顔属性が容疑者データベース510に該当しない場合、すなわち、容疑者データベース510にない場合は(S310)、その顔属性を容疑者データベース510に新規保存する(S320)。
【0026】
それに対し、(S300)の比較の結果、その抽出された顔属性が容疑者データベース510に該当する場合は、容疑者データベース510における該当容疑者の項目に今回の出現事実を更新し(例:出現カウンターの増加)(S330)、その後、あらかじめ設定されたストーキング臨界条件(例:3日以内に3回以上出現)を満たす場合は(S340)、ユーザ端末600にストーキング識別イベントを知らせる(S350)。
【0027】
すなわち、ストーキング容疑者Bがセキュリティードア100の前を徘徊する場合、顔認識機200が顔を検知及び認識し、該当空間への出入りが許可された登録ユーザではない場合、顔属性分析サーバ300に顔情報を伝達し、以前にも検知された顔情報であるかを、顔属性データベース310に保存された情報と比較し、あらかじめ設定された正常範囲を超える場合、当事者や管理者、あるいは警察に知らせることである。
【0028】
一方、ストーキング検知サーバ500は、容疑者データベース510を定期的に点検し、ガーベジ(garbage)を整理するように構成されることが好ましい。例えば、容疑者データベース510を点検し、出現事実が更新された後に、あらかじめ設定された期間(例:1年)の間、出現事実がそれ以上ない容疑者項目を削除処理してもよい。
【0029】
一方、顔属性分析サーバ300、顔属性データベース310、ストーキング検知サーバ500、容疑者データベース510は、顔認識機200に一体に実現してもよく、クラウド上に実現してもよい。本明細書においては、
図3において、これらの構成200、310、500、510がインターネットによって外部と接続されている形態を基準として示した。これは、便宜のためのものであって、他の方式を排除するのではない。また、出入り管理コンピュータ400とユーザ端末600は一体に実現されてもよく、別途に実現されてもよい。
【0030】
なお、本発明は、コンピュータ読み取り可能な不揮発性記録媒体にコンピュータ読み取り可能なコードの形態で実現されることができる。そのような不揮発性記録媒体としては、様々な形態のストレージ装置が存在するが、例えば、ハードディスク、SSD、CD-ROM、NAS、磁気テープ、ウェブディスク、クラウドディスクなどがある。また、本発明は、ハードウェアと結合されて特定の手続きを実行させるために、媒体に保存されたコンピュータプログラムの形態で実現されてもよい。