(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063775
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】車両用センサアセンブリ
(51)【国際特許分類】
G01D 11/24 20060101AFI20240502BHJP
H01R 12/71 20110101ALI20240502BHJP
【FI】
G01D11/24 Z
H01R12/71
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023183048
(22)【出願日】2023-10-25
(31)【優先権主張番号】10 2022 211 328.4
(32)【優先日】2022-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アクセル キアステン
(72)【発明者】
【氏名】エドゥアート マイタート
(72)【発明者】
【氏名】マティアス レッツグス
(72)【発明者】
【氏名】マリオ ロリッツ
(72)【発明者】
【氏名】マティアス ネストマイアー
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AA21
5E223AC13
5E223AC35
5E223BA07
5E223CB26
5E223CD01
5E223FA10
5E223FA14
(57)【要約】 (修正有)
【課題】車両用センサアセンブリは、複数の異なるセンサ用途もしくはセンサコンセプトに対しフレキシブルなハウジングコンセプトを提供する。
【解決手段】回路支持体14は第1のインタフェース3においてコネクタハウジング11とコネクタピン18と接続され、センサハウジング20はセンサコンセプトに応じ外部センサユニット30または非使用状態において第2のインタフェース5の開口25を覆うカバーに結合可能で、回路支持体は挿入開口を介し挿入され、センサハウジングは第3のインタフェース7を介しコネクタハウジングに結合され、回路支持体はセンサハウジングの端部に予固定され、ガイド部材が回路支持体を第1の面でガイドし、かつばね部材が第2の面に当接しかつ押圧し固定し、第1および外部インタフェースは通信プロトコルに応じ形成され、第2および第3のインタフェースはセンサコンセプトおよび通信プロトコルに関係なく同様に形成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用センサアセンブリ(1)であって、
コネクタハウジング(11)と少なくとも2つのコネクタピン(18)とを含みかつ当該センサアセンブリ(1)の外部インタフェース(9)を形成するコネクタアセンブリ(10)と、
実現しようとするセンサコンセプトに対応する電子回路(16)が配置された回路支持体(14)と、
挿入開口(22)を有するセンサハウジング(20)と
を含み、
前記回路支持体(14)は、第1のインタフェース(3)において前記コネクタハウジング(11)と前記少なくとも2つのコネクタピン(18)とに接続されており、
前記センサハウジング(20)は、開口(25)を備えた第2のインタフェース(5)を有しており、該第2のインタフェース(5)を介して前記センサハウジング(20)は、実現しようとするセンサコンセプトに応じて、外部センサユニット(30)または非使用状態において前記第2のインタフェース(5)の前記開口(25)を覆うカバーに結合可能であり、
前記回路支持体(14)は、前記挿入開口(22)を介して前記センサハウジング(20)内に挿入されており、前記センサハウジング(20)は、第3のインタフェース(7)を介して前記コネクタハウジング(11)に結合されており、
前記回路支持体(14)は、前記センサハウジング(20)の一方の端部領域に予固定されており、
少なくとも1つのガイド部材(24)が、前記回路支持体(14)を第1の面においてガイドしており、かつ少なくとも1つのばね部材(26)が、前記第1の面とは反対側の第2の面に当接しかつ前記回路支持体(14)を前記少なくとも1つのガイド部材(24)の方に押圧して固定しており、
前記第1のインタフェース(3)および前記外部インタフェース(9)は、実行しようとする通信プロトコルに応じて形成されており、
前記第2のインタフェース(5)および前記第3のインタフェース(7)は、実現しようとするセンサコンセプトおよび実行しようとする通信プロトコルに関係なく、同様に形成されている、車両用センサアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記コネクタアセンブリ(10)の前記少なくとも2つのコネクタピン(18)の数および配置を、実行しようとする通信プロトコルに適合させることができる、請求項1記載のセンサアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのばね部材(26)は、前記第2のインタフェース(5)の領域において前記回路支持体(14)と前記センサハウジング(20)との間に配置されている、請求項1または2記載のセンサアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのばね部材(26)は、前記外部センサユニット(30)または前記カバーに支持される、請求項3記載のセンサアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのばね部材(26)は、前記第2のインタフェース(5)において前記センサハウジング(20)に結合された前記外部センサユニット(30)を前記回路支持体(14)に電気的に接続するコンタクトばね(26A)として形成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のセンサアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記コネクタアセンブリ(10)の前記少なくとも2つのコネクタピン(18)は、前記コネクタハウジング(11)内に圧入され、かつ前記回路支持体(14)の少なくとも1つの導体路構造に導電接続されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のセンサアセンブリ(1)。
【請求項7】
前記コネクタハウジング(11)は、前記第1のインタフェース(3)の領域に、前記回路支持体(14)が当接する少なくとも1つの支持部材(15)を有している、請求項1から6までのいずれか1項記載のセンサアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記第3のインタフェース(7)は、前記コネクタハウジング(11)に形成された環状の第1のカラー(12)と、前記センサハウジング(20)に形成された環状の第2のカラー(23)とを含み、前記第1のカラー(12)と前記第2のカラー(23)とは、接合状態において互いに重なり合っている、請求項1から7までのいずれか1項記載のセンサアセンブリ(1)。
【請求項9】
前記外部センサユニット(30)または前記カバーおよび/または前記コネクタハウジング(11)は、溶接結合により、または接着結合により、またはねじ締結により、または圧入結合により、または熱間かしめ結合により、または上記結合技術の組合せにより、前記センサハウジング(20)に流体密に結合されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のセンサアセンブリ(1)。
【請求項10】
前記センサハウジング(20)に少なくとも1つの取付け舌片(27)が形成されている、請求項1から9までのいずれか1項記載のセンサアセンブリ(1)。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項記載の車両用センサアセンブリ(1)を組み立てる方法(100)において、センサハウジング(20)を準備すると共に、実現しようとするセンサコンセプトおよび実行しようとする通信プロトコルに応じて、コネクタアセンブリ(10)と回路支持体(14)とを準備し、前記コネクタアセンブリ(10)と前記回路支持体(14)とを、第1のインタフェース(3)において互いに接続し、前記コネクタハウジング(11)と前記センサハウジング(20)とが第3のインタフェース(7)において互いに結合され、かつ前記回路支持体(14)が前記センサハウジング(20)の一方の端部領域に予固定されるまで、前記回路支持体(14)を前記センサハウジング(20)の挿入開口(22)内に挿入し、実現しようとするセンサコンセプトに応じて、外部センサユニット(30)またはカバーを、第2のインタフェース(5)において前記センサハウジング(20)に結合する、方法。
【請求項12】
前記外部センサユニット(30)または前記カバーを結合する前に、少なくとも1つのばね部材(26)を、前記第3のインタフェース(7)の領域において前記回路支持体(14)と前記センサハウジング(20)との間に配置し、これにより、前記ばね部材(26)が組立状態で前記外部センサユニット(30)または前記カバーに支持されると共に、前記回路支持体(14)を少なくとも1つのガイド部材(24)の方に押圧して固定するようにする、請求項11記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用センサアセンブリに関する。本発明の対象は、このような車両用センサアセンブリを組み立てる方法でもある。
【0002】
従来技術から、センサハウジングと、コネクタハウジングを備えたコネクタアセンブリとを含むセンサアセンブリが周知である。この場合、差込みコネクタが組み込まれたコネクタハウジングは、電気コンタクト用の挿入部材を備えた射出成形ハウジングとして形成されていてもよく、または圧入コンタクトピンが圧入された射出成形ハウジングとして形成されていてもよい。挿入部材を備えたコネクタハウジングは、射出成形プロセスにおいて一般に、コンタクトが圧入されたコネクタハウジングよりも高いコストを生ぜしめる。それというのも、射出成形機における挿入プロセスがより短いサイクル時間につながると共に、挿入部材を取り扱う追加的な手間(ロボット等)が必要とされているからである。コネクタ接続部を備えた複数の異なるセンサハウジングの形態(幅、高さ、異なるねじ締結点等)を製造するためには、外部のコネクタインタフェースが同じにもかかわらず、大抵はハウジング用に異なる射出成形用金型が必要とされている。いわゆるA2Bインタフェースを備えたセンサには、差込みコネクタの電気的な特性に関する特別な仕様が当てはまる。外部インタフェースの高い伝送周波数(ネットワークインタフェース100Mbitに類似)に基づき、コネクタピン間の間隔が最小限に保たれねばならない。これにより、自由市場の差込みコネクタの選択肢が制限されることになる。顧客は大抵、所望のセンサコンセプトを実現するために、センサアセンブリに対して極めて異なる要求を有している。さらに、異なるデータバストポロジ用に、かつ異なる通信プロトコルを実行するために、様々な外部インタフェースが必要とされている場合がある。このことは、センサアセンブリの多数の異なる構成形態を生ぜしめることになる。
【0003】
独国特許出願公開第102014202192号明細書から、基体を備えた車両用センサユニットであって、基体は、少なくとも1つのセンサコンタクトを備えたセンサ回路を支持しており、かつ第1の端部に、少なくとも1つのセンサ対応コンタクトを介して少なくとも1つのセンサコンタクトに電気的に接続されたセンサ接触接続部を有しており、かつ第2の端部に、少なくとも1つのケーブルコンタクトを介して接続ケーブルに電気的に接続されたケーブル接触接続部を有している、車両用センサユニットが公知である。センサ接触接続部とケーブル接触接続部とは、1つの共通のコンタクト支持体に配置されている。この場合、センサ回路は、コンタクト支持体の端部領域に配置されており、これにより、センサ回路は所望の検出方向に向けられている。検出方向は、基体の長手方向軸線に対するコンタクト支持体の端部領域の曲げ角度により規定されており、この場合、センサ回路とのセンサ接触接続部は、その形状がセンサ回路の検出方向に適合させられていて基体に固定された鉢状のスリーブにより包囲されている。
【0004】
発明の開示
独立請求項1記載の特徴を備えた車両用センサアセンブリは、複数の異なるセンサ用途もしくはセンサコンセプトに対してフレキシブルなハウジングコンセプトが提供される、という利点を有している。この場合、ハウジング全体の小さな部分のみが、それぞれ形態に即して交換される。それぞれ異なる部分を組み合わせることにより、多数の様々な形態のセンサアセンブリを作ることができる。この場合、製造ラインは、全ての形態を1つのラインで製造することができるように設計され得る。本発明に基づくセンサモジュールの提案により、それぞれ異なるハウジング部分を組み合わせることで、広範な帯域幅のセンサアセンブリを製造することができる。この場合、機能原理は、この構造では常に類似しており、同じ製造装置を使用することができる。コネクタアセンブリに基づき、センサアセンブリの外部インタフェースを顧客が所望したバストポロジに予め適合させることができる一方で、センサハウジングとコネクタハウジングとの間の機械的なインタフェースは同一に形成される。つまり、信号伝送および通信プロトコルに対する相応の要求を満たすことができる、例えば2極または4極または8極の差込みコネクタを提供することができる。もちろん、雄型コネクタまたは類似のコンタクトアセンブリを、センサアセンブリの外部インタフェースとして使用することもできる。
【0005】
本発明の実施形態は、車両用センサアセンブリであって、コネクタハウジングと少なくとも2つのコネクタピンとを含みかつセンサアセンブリの外部インタフェースを形成するコネクタアセンブリと、実現しようとするセンサコンセプトに対応する電子回路が配置された回路支持体と、挿入開口を有するセンサハウジングとを含む、車両用センサアセンブリを提供する。回路支持体は、第1のインタフェースにおいてコネクタハウジングと少なくとも2つのコネクタピンとに接続されている。センサハウジングは、開口を備えた第2のインタフェースを有しており、第2のインタフェースを介してセンサハウジングは、実現しようとするセンサコンセプトに応じて、外部センサユニットまたは非使用状態において第2のインタフェースの開口を覆うカバーに結合可能である。この場合、回路支持体は、挿入開口を介してセンサハウジング内に挿入されており、センサハウジングは、第3のインタフェースを介してコネクタハウジングに結合されている。回路支持体は、センサハウジングの一方の端部領域に予固定されており、この場合、少なくとも1つのガイド部材が、回路支持体を第1の面においてガイドしており、かつ少なくとも1つのばね部材が、第1の面とは反対側の第2の面に当接しかつ回路支持体を少なくとも1つのガイド部材の方に押圧して固定している。第1のインタフェースおよび外部インタフェースは、実行しようとする通信プロトコルに応じて形成されている。第2のインタフェースおよび第3のインタフェースは、実現しようとするセンサコンセプトおよび実行しようとする通信プロトコルに関係なく、同様に形成されている。
【0006】
さらに、このような車両用センサアセンブリを組み立てる方法を提案する。この場合、実現しようとするセンサコンセプトおよび実行しようとする通信プロトコルに応じて、コネクタアセンブリと回路支持体とを準備する。コネクタアセンブリと回路支持体とを、第1のインタフェースにおいて互いに接続する。コネクタハウジングとセンサハウジングとが第3のインタフェースにおいて互いに結合され、かつ回路支持体がセンサハウジングの一方の端部領域に予固定されるまで、回路支持体をセンサハウジングの挿入開口内に挿入する。実現しようとするセンサコンセプトに応じて、外部センサユニットまたはカバーを、第2のインタフェースにおいてセンサハウジングに結合する。
【0007】
センサアセンブリの実施形態に基づき、必要とされるコネクタピンを、最小限に保たれた間隔でコネクタハウジング内に配置することにより、例えば外部インタフェースとしてのA2Bインタフェースも簡単に実現することができ、これにより、ネットワークインタフェース(100Mbit)に類似する外部インタフェースの高い伝送周波数を実現することができる。さらにセンサアセンブリの外部インタフェースは、MOSTバスインタフェース、100BASE-T1インタフェース、PSI5インタフェース、CANインタフェース、CAN-FDインタフェース、VIASインタフェース等として形成されていてもよい。
【0008】
センサハウジングの第2のインタフェースにより、センサアセンブリに対する種々異なる顧客要求を簡単に実現することができる。つまり、例えばセンサハウジングは、非使用状態において第2のインタフェースの開口を覆うカバーに結合され得る。このことは例えば、回路支持体上の電子回路の一部としての内部センサユニットが所望のセンサコンセプトを実現するために十分であり、別の外部センサユニットが必要とされていない場合に当てはまることがある。択一的に、実現しようとするセンサコンセプトに応じて、種々様々な複数の外部センサユニットを、第2のインタフェースを介してセンサハウジングに電気的かつ機械的に接続することもできる。つまり、例えば回転数検出器を外部センサユニットとして、ASIC(ASIC:特定用途向け集積回路)と共に、または冗長的に2つのASICもしくは2つのセンサ素子、温度センサ、マイクロフォン等を有する1つのASICと共に、第2のインタフェースにフランジ締結することができる。この場合、回転数検出器は、HALL、AMR、GMR、TMRまたは比較可能な測定技術を備えていてもよい。この場合、回転数検出器の形状は、長さ、読出方向、直径、Oリングありまたはなし等に関して、可変であってもよい。外部センサユニットの電気的な接触接続は、例えば、回路支持体に装着されたコンタクトばねを介して行うことができる。フランジ締結された外部センサユニットを接触接続する圧入技術または差込みコンタクトも考えられる。センサアセンブリの回路支持体との電気的な接触接続が不要である場合には、カバーの外側に保持ピンを配置することができ、この保持ピンに、例えば加速度測定用のセンサシステムおよび/または騒音測定用のセンサシステム(ロードノイズセンサシステム)をフランジ締結することができる。
【0009】
センサアセンブリのコネクタハウジングおよびセンサハウジングは、好適にはそれぞれプラスチック射出成形構成部材として形成され得る。これにより、大量の個数での簡単かつ廉価な製造が可能になる。センサハウジングの端部領域における回路支持体の予固定は、組立時に、好適には加圧リブとして形成された2つのガイド部材を介して行われる。
【0010】
少なくとも1つのばね部材とは、回路支持体を少なくとも1つのガイド部材の方に押圧しかつ固定するために適した、例えばたる形コイルばね、コイルばね、S字形ばね等の機械的なばね、またはゴム球、シリコーンパイプ等の弾性的なプラスチック部材を意味し得る。
【0011】
電子回路とは、例えば、検出されたセンサ信号を処理もしくは評価する評価・制御回路を意味し得る。電子回路は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアにより形成されていてもよい少なくとも1つのインタフェースを有することができる。ハードウェアにより形成された場合、インタフェースは、例えば電子回路の様々な機能を有する、いわゆるシステムASICの一部であってもよい。しかしまた、インタフェースは、固有の集積回路であるか、または少なくとも部分的に、ばらばらの構成部材から成っている、ということも可能である。ソフトウェアにより形成された場合、インタフェースは、例えば別のソフトウェアモジュールに隣接するマイクロコントローラに設けられたソフトウェアモジュールであってもよい。半導体メモリ、ハードディスクメモリまたは光学メモリ等の機械可読担体に記憶させられ、プログラムが電子回路により実行されるときに評価を実施するために使用されるプログラムコードを有するコンピュータプログラム製品も有利である。
【0012】
各従属請求項に記載の手段および改良により、独立請求項1に記載の車両用センサアセンブリおよび独立請求項11に記載の方法の有利な改良が可能である。
【0013】
特に有利なのは、コネクタアセンブリの少なくとも2つのコネクタピンの数および配置を、実行しようとする通信プロトコルに適合させることができる、という点である。
【0014】
センサアセンブリの有利な構成では、少なくとも1つのばね部材が、第2のインタフェースの領域において回路支持体とセンサハウジングとの間に配置されていてもよい。この場合、少なくとも1つのばね部材は、外部センサユニットまたはカバーに支持され得る。フランジ締結された外部センサユニットの場合、少なくとも1つのばね部材は、第2のインタフェースにおいてセンサハウジングに結合された外部センサユニットを回路支持体に電気的に接続するコンタクトばねとして形成されていてもよい。好適には、コンタクトばねは、たる形コイルばねまたはS字形ばねとして形成されていてもよい。このような実施形態において少なくとも1つのばね部材は、有利には回路支持体の固定の他に、追加的に外部センサユニットの電気的な接触接続を引き受ける。追加的にまたは択一的に、少なくとも1つのばね部材は、特にカバーとの組合せにおいて、例えばゴム球、シリコーンパイプ、コイルばね等として形成されていてもよい。
【0015】
センサアセンブリの別の有利な構成では、コネクタアセンブリの少なくとも2つのコネクタピンは、コネクタハウジング内に圧入され、かつ回路支持体の少なくとも1つの導体路構造に導電接続されていてもよい。少なくとも2つのコネクタピンのこの接触接続は、追加的に、コネクタ側における回路支持体の機械的な固定を担っている。コンタクト箇所に対する負荷を最小限に抑えるために、コネクタハウジングは第1のインタフェースの領域に、回路支持体が当接する少なくとも1つの支持部材を有していてもよい。少なくとも1つの支持部材は、例えば追加的な支持突起としてコネクタハウジングに取り付けられていてもよく、またはコネクタハウジングに一体成形されていてもよい。
【0016】
センサアセンブリの別の有利な構成では、外部センサユニットおよび/またはコネクタハウジングは、溶接結合により、または接着結合により、またはねじ締結により、または圧入結合により、または熱間かしめ結合により、センサハウジングに流体密に結合されていてもよい。つまり、外部センサユニットまたはカバーは、第2のインタフェースにおいて溶接結合により、または接着結合により、またはねじ締結により、または圧入結合により、または熱間かしめ結合により、または上記結合技術の組合せにより、センサハウジングに流体密に結合されていてもよい。コネクタハウジングは、第3のインタフェースにおいて溶接結合により、または接着結合により、またはねじ締結により、または圧入結合により、または熱間かしめ結合により、または上記結合技術の組合せにより、センサハウジングに流体密に結合されていてもよい。
【0017】
センサアセンブリの別の有利な構成では、第3のインタフェースは、コネクタハウジングに形成された環状の第1のカラーと、センサハウジングに形成された環状の第2のカラーとを含み、第1のカラーと第2のカラーとは、接合状態において互いに重なり合っている。
【0018】
センサアセンブリの別の有利な構成では、少なくとも1つの取付け舌片が、センサハウジングに形成されていてもよい。これにより、圧入された、または射出成形により周囲を包囲された、または接着されたブシュにより、センサアセンブリのためのねじ締結点が簡単に実現され得る。さらに、紛失防止ねじの使用も考えられる。第2の取付け点として、例えばセンサハウジングの加圧リブまたは外側幾何学形状が使用され得る。択一的に、第2の取付け点として、止まり穴用または金属薄板取付け用の保持ピンを備えたカバーが実現されてもよい。取付けは、択一的にリベットを介して行われてもよい。
【0019】
方法の有利な構成では、外部センサユニットまたはカバーを結合する前に、少なくとも1つのばね部材を、第3のインタフェースの領域において回路支持体とセンサハウジングとの間に配置し、これにより、ばね部材が組立状態で外部センサユニットまたはカバーに支持され得ると共に、回路支持体を少なくとも1つのガイド部材の方に押圧して固定することができるようにする。コンタクトばねとして形成した場合には、少なくとも1つのばね部材を、例えば回路支持体に装着することができる。カバーと組み合わせた場合には、少なくとも1つのばね部材を、カバーの内側に取り付けることができる。
【0020】
本発明の実施例を図示し、以下の説明においてより詳細に説明する。図面において、同一もしくは類似の機能を果たすコンポーネントもしくは部材には、同一の参照符号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明による車両用センサアセンブリの1つの実施例を示す概略平面図である。
【
図2】
図1に示した本発明によるセンサアセンブリの、断面線II-IIに沿った概略断面図である。
【
図3】
図1および
図2に示した本発明によるセンサアセンブリの回路支持体およびコネクタアセンブリのコンポーネントを示す斜視図である。
【
図4】
図3に示したコネクタアセンブリに接続された、
図3に示した回路支持体を示す側面図である。
【
図5】
図1および
図2に示した本発明によるセンサアセンブリのセンサハウジング内に回路支持体を挿入する前の、回路支持体が接続されたコネクタアセンブリを示す斜視図である。
【
図6】車両用センサアセンブリを組み立てる本発明による方法の1つの実施例を示す概略的なフローチャートである。
【0022】
発明の実施形態
図1~
図6から判るように、本発明による車両用センサアセンブリ1の図示の実施例は、コネクタハウジング11と少なくとも2つのコネクタピン18とを含みかつセンサアセンブリ1の外部インタフェース9を形成するコネクタアセンブリ10と、実現しようとするセンサコンセプトに対応する電子回路16が配置された回路支持体14と、挿入開口22を有するセンサハウジング20とを含む。回路支持体14は、第1のインタフェース3においてコネクタハウジング11と少なくとも2つのコネクタピン18とに接続されている。センサハウジング20は、開口25を備えた第2のインタフェース5を有しており、開口25を介してセンサハウジング20は、実現しようとするセンサコンセプトに応じて、外部センサユニット30または非使用状態において第2のインタフェース5の開口25を覆うカバーに結合可能である。回路支持体14は、挿入開口22を介してセンサハウジング20内に挿入されており、センサハウジング20は、第3のインタフェース7を介してコネクタハウジング11に接続されている。回路支持体14は、センサハウジング20の一方の端部領域に予固定されている。この場合、少なくとも1つのガイド部材24が、回路支持体14を第1の面においてガイドしており、かつ少なくとも1つのばね部材26が、第1の面とは反対側の第2の面に当接しかつ回路支持体14を少なくとも1つのガイド部材24の方に押圧して固定している。第1のインタフェース3と外部インタフェース9とは、実行しようとする通信プロトコルに応じて形成されている。第2のインタフェース5および第3のインタフェース7は、実現しようとするセンサコンセプトおよび実行しようとする通信プロトコルに関係なく、同様に形成されている。
【0023】
コネクタ(詳しくは図示せず)を差し込むコネクタ開口11.1を有するコネクタハウジング11と、センサハウジング20とは、センサアセンブリ1の図示の実施例では、それぞれプラスチック射出成形構成部材として形成されている。
【0024】
コネクタアセンブリ10の少なくとも2つのコネクタピン18の数および配置は、実行しようとする通信プロトコルに適合可能である。コネクタアセンブリ10の図示の実施例では、8つのコネクタピン18が、コネクタハウジング11の対応するコンタクト開口11.2内に圧入される。特に
図3からさらに判るように、回路支持体14は、8つのビア(詳しくは図示せず)を備えたコンタクト領域14.1を有しており、ビア内には8つのコネクタピン18が圧入可能である。択一的に、コネクタピン18は、ビア内にはんだ付けされていてもよい。ビアを介して、コネクタピン18は回路支持体14の少なくとも1つの導体路構造(詳細には図示せず)に電気的に接続されている。図示の実施例では、ASICモジュール16Aが電子回路の一部として回路支持体14に配置されている。もちろん、電子回路はアクティブまたはパッシブな別の電子構成部材(ここで詳細には図示せず)を含んでいてもよい。
【0025】
コネクタハウジング11は、コネクタピン18の接触接続の負荷を軽減するために、第1のインタフェース3の領域に少なくとも1つの支持部材15を有しており、支持部材15には回路支持体14が当接する。特に
図2~
図4からさらに判るように、支持突起15Aとして形成された2つの支持部材15が、図示の実施例ではコネクタハウジング11に一体成形されており、支持部材15には、回路支持体14が一方の端面と、その第1の、ここでは上側の面とでもって当接する。
【0026】
センサアセンブリ1の図示の実施例では、ここでは回転数検出器30Aとして形成された外部センサユニット30と、コネクタハウジング11とが、それぞれプラスチック溶接結合により、センサハウジング20に流体密に結合されている。特に
図1および
図2からさらに判るように、回転数検出器30Aとして形成された外部センサユニット30は、第2のインタフェース5においてプラスチック溶接結合により、センサハウジング20に流体密に結合されている。コネクタハウジング11は、第3のインタフェース7においてプラスチック溶接結合により、センサハウジング20に流体密に結合されている。外部センサユニット30なしのセンサアセンブリ1の1つの実施例(図示せず)では、カバーは、第2のインタフェース5において接着結合により、センサハウジング20に流体密に結合されている。もちろん、外部センサユニット30またはカバーおよび/またはコネクタハウジング11は、別の結合技術、例えば溶接結合により、または接着結合により、またはねじ締結により、または熱間かしめ結合もしくは圧入結合により、または上記結合技術の組合せにより、センサハウジング20に流体密に結合されてもよい。
【0027】
図1~
図5からさらに判るように、第3のインタフェース7は、コネクタハウジング11に形成された環状の第1のカラー12と、センサハウジング20に形成された環状の第2のカラー23とを含み、第1のカラー12と第2のカラー23とは、接合状態において互いに重なり合っている。さらに、センサハウジング20の環状の第2のカラー23は、コネクタハウジング11の結合領域13に当接し、結合領域13において、プラスチック溶接結合によりコネクタハウジング11に流体密に結合されている。特に
図2および
図5からさらに判るように、回路支持体14は、圧入リブとして形成された2つのガイド部材24の間に配置されており、センサハウジング20の挿入開口22内への挿入時に、ガイド部材24により案内される。この場合、回路支持体14は接合状態において、第1の、ここでは上側の面でもって第1のガイド部材24Aに当接し、かつコンタクトばね26Aとして形成された2つのばね部材26により、第2のインタフェース5の領域で第1のガイド部材24Aの方に押圧される。センサハウジング20の端部領域において、回路支持体14は第1のガイド部材24Aと第2のガイド部材24Bとの間に挟み込まれており、第2のガイド部材24Bは、回路支持体14の第2の、ここでは下側の面に当接している。この場合、コンタクトばね26Aとして形成されたばね部材26は、外部センサユニット30に支持されている。コンタクトばね26Aは、第2のインタフェース5においてセンサハウジング20に結合された外部センサユニット30を、回路支持体14に電気的に接続する。外部センサユニット30なしのセンサアセンブリ1の1つの択一的な実施例(図示せず)では、少なくとも1つのばね部材26が、開口25を閉鎖するカバーに支持されている。
【0028】
図1からさらに判るように、センサアセンブリ1の図示の実施例では、センサハウジング20に取付け舌片27が形成されている。この場合、取付け舌片は、取付けブシュ28を包囲するように射出成形されている。センサアセンブリ1を取り付けるために、取付けブシュ28を介してねじを案内し、センサアセンブリ1を取付け箇所にねじ締結することができる。
【0029】
図6からさらに判るように、このような車両用センサアセンブリ1を組み立てる、本発明による方法100の図示の実施例は、センサハウジング20を準備するステップS100を含む。実現しようとするセンサコンセプトおよび実行しようとする通信プロトコルに応じて、ステップS100において追加的に、コネクタアセンブリ10と回路支持体14とを準備する。ステップS110において、コネクタアセンブリ10と回路支持体14とを、第1のインタフェース3において互いに接続する。ステップS120において、コネクタハウジング11とセンサハウジング20とが第3のインタフェース7において互いに結合され、かつ回路支持体14がセンサハウジング20の一方の端部領域に予固定されるまで、回路支持体14をセンサハウジング20の挿入開口22内に挿入する。ステップS130において、実現しようとするセンサコンセプトに応じて、外部センサユニット30またはカバーを、第2のインタフェース5においてセンサハウジング20に結合する。
【0030】
さらに、外部センサユニット30またはカバーを結合する前に、少なくとも1つのばね部材26を、第3のインタフェース7の領域において回路支持体14とセンサハウジング20との間に配置し、これにより、ばね部材26が組立状態で外部センサユニット30またはカバーに支持され得ると共に、回路支持体14を少なくとも1つのガイド部材24の方に押圧して固定することができるようにする。少なくとも1つのばね部材26は、例えば回路支持体14またはセンサユニット30またはカバーに取り付けられてもよい。
【外国語明細書】