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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063778
(43)【公開日】2024-05-13
(54)【発明の名称】電子制御ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/40 20060101AFI20240502BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
H01L23/40 E
H05K7/20 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023183558
(22)【出願日】2023-10-25
(31)【優先権主張番号】22203845
(32)【優先日】2022-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】506292974
【氏名又は名称】マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】MAHLE International GmbH
【住所又は居所原語表記】Pragstrasse 26-46, D-70376 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ダニイェル ストルファ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ ヴェルデフ
(72)【発明者】
【氏名】ブラーズ チムザール
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AB01
5E322AB04
5E322AB05
5E322AB07
5F136BA03
5F136DA27
5F136EA02
5F136EA36
5F136EA40
5F136FA02
5F136GA14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】少ない個数のコンポーネントだけを使用して、半導体を冷却ベースプレートの方に付勢し、組立時間を短縮する電気制御ユニットを提供する。
【解決手段】電動駆動系の電気機械用の電子制御ユニット(1)であって、電子制御ユニット(1)は、複数のパワー半導体(3)を有する少なくとも1つの半導体ボード(2)と、電子制御ユニット(1)に発生する熱を放散させるためのベースプレート(4)と、ベースプレート(4)に取り付けられた保持ブラケット(6)と、パワー半導体(3)をベースプレート(4)の方に付勢するために、保持ブラケット(6)と複数のパワー半導体(3)との間に配置された弾性付勢手段(8)とを有し、保持ブラケット(6)は、保持ブラケットに弾性付勢手段(8)を取り付けるための手段を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動駆動系の電気機械用の電子制御ユニット(1)であって、前記電子制御ユニット(1)は、複数のパワー半導体(3)を有する少なくとも1つの半導体ボード(2)と、前記電子制御ユニット(1)に発生する熱を放散させるためのベースプレート(4)と、前記ベースプレート(4)に取り付けられた保持ブラケット(6)と、前記パワー半導体(3)を前記ベースプレート(4)の方に付勢するために、前記保持ブラケット(6)と複数の前記パワー半導体(3)との間に配置された弾性付勢手段(8)とを有し、
-前記保持ブラケット(6)は、前記保持ブラケットに前記弾性付勢手段(8)を取り付けるための手段を有する、電子制御ユニット(1)。
【請求項2】
前記弾性付勢手段(8)は、複数の板ばね(8)によって構成されている、請求項1記載の電子制御ユニット(1)。
【請求項3】
前記板ばね(8)はそれぞれ、中央固定部(10)と複数の付勢アーム(11)とを有し、前記付勢アーム(11)は、前記中央固定部(10)から一体で延在しており、また前記パワー半導体(3)を前記ベースプレート(4)の方に付勢するために前記パワー半導体(3)の1つまたは前記半導体ボード(2)と接触している、請求項2記載の電子制御ユニット(1)。
【請求項4】
前記板ばね(8)の少なくとも1つは、少なくとも4つの前記付勢アーム(11)を有し、前記付勢アーム(11)は、前記中央固定部(10)から一体で延在し、また前記パワー半導体(11)を前記ベースプレート(4)の方に付勢するためにそれぞれ前記パワー半導体(3)の1つまたは前記半導体ボード(2)と接触している、請求項3記載の電子制御ユニット(1)。
【請求項5】
前記板ばね(8)は、前記中央固定部(10)に少なくとも1つの固定開口部(12)を有する、請求項2または3記載の電子制御ユニット(1)。
【請求項6】
前記保持ブラケット(6)に前記弾性付勢手段(8)を取り付けるための前記手段は、前記保持ブラケット(6)から突出する保持ピン(9)を有し、前記保持ブラケット(6)と前記保持ピン(9)とは、一体で成形されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の電子制御ユニット(1)。
【請求項7】
前記保持ピン(9)は、前記板ばねにおける、対応する前記固定開口部(12)を貫通して延在しており、前記板ばね(8)は、前記保持ピン(9)の変形によって前記保持ブラケット(6)に浮動式に取り付けられている、請求項6記載の電子制御ユニット(1)。
【請求項8】
前記板ばね(8)の少なくとも1つは、前記保持ブラケット(6)に対して前記板ばね(8)を位置決めするために2つの前記固定開口部(12)を有する、請求項7記載の電子制御ユニット(1)。
【請求項9】
前記保持ブラケット(6)は、複数のねじ(7)によって前記ベースプレート(4)に取り付けられる、請求項1から8までのいずれか1項記載の電子制御ユニット(1)。
【請求項10】
前記ねじ(7)は、前記パワー半導体(3)から離隔されて、前記ブラケット(6)の縁部またはコーナーに位置付けられている、請求項9記載の電子制御ユニット(1)。
【請求項11】
前記保持ブラケット(6)には、前記ベースプレート(4)に固定されるかまたは収容される複数の第1位置決めピン(16)をそれぞれ収容するための少なくとも2つの位置決め孔(15)が設けられている、請求項1から10までのいずれか1項記載の電子制御ユニット(1)。
【請求項12】
前記保持ブラケット(6)は、前記保持ブラケット(6)に対して制御ボードを位置決めするための、前記ベースプレートから離れる方向に延在する複数の第2位置決めピン(18)を有する、請求項1から11までのいずれか1項記載の電子制御ユニット(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項1の上位概念記載の電気制御ユニットに関する。
【0002】
背景技術
一般的に公知であるのは、ヒートシンクを介して半導体デバイスから効果的に熱を放散させるために、電子制御デバイスの、熱を発生する半導体パッケージをヒートシンクの方に付勢することである。
【0003】
公知の従来技術の電子制御デバイスは、韓国公開特許第2008-0099111号公報に開示されている。これには、両側に開口部を有する箱形形状のハウジングと、このハウジングの一方の開口部に取り付けられたアルミニウムヒートシンクとが記載されている。電子制御デバイスの半導体スイッチング素子はハウジングに配置されており、またこの半導体スイッチング素子は、ねじによってヒートシンクに取り付けられている板ばねを介し、ヒートシンクの方に押し付けられている。
【0004】
ヒートシンクに半導体をクランプするための手段も米国特許第5483103号明細書に開示されている。ここでも、板ばねが、ねじによってヒートシンクに取り付けられており、この板ばねにより、半導体が、この場合ではレベラーを介して、ヒートシンクの方に付勢される。
【0005】
電気機械用の電子電力インバータはまた、欧州特許第3609066号明細書において公知である。電力インバータは、半導体ボードと、キャパシタボードと、電源端子と、相端子スタッドとを備えたハウジングを有する。ねじによって熱交換器プレートに取り付けられる押さえ付けプレートにより、半導体ボートが熱交換器の方に付勢され、これにより、半導体ボートと押さえ付けプレートとの間にバスバーガイドプレートと、キャパシティプレートと、減衰プレートとが配置される。
【0006】
概要
請求項1に規定された、本発明による電気制御ユニットは、少ない個数のコンポーネントだけを使用して、半導体を冷却ベースプレートの方に付勢することができ、組立時間が短縮されるという利点を有する。
【0007】
この課題は、本発明により、電気機械用の電子制御ユニットによって達成され、この電子制御ユニットは、複数のパワー半導体を有する少なくとも1つの半導体ボードと、電子制御ユニットに発生する熱を放散させるためのベースプレートと、ベースプレートに取り付けられた保持ブラケットと、保持ブラケットと複数のパワー半導体との配置される、パワー半導体をベースプレートの方に付勢するための弾性付勢手段とを有し、この保持ブラケットは、この保持ブラケットに弾性付勢手段を取り付けるための手段を有する。
【0008】
弾性付勢手段を取り付けるための手段を保持ブラケットに設けることにより、パワー半導体をベースプレートに押し付けるそれぞれのばねを、ねじによって冷却ベースプレートに取り付ける必要がなくなる。したがって、部材の個数を少なくすることができ、組立時間を改善できる。また、それぞれのばねが、ねじによってベースプレートに取り付けられる従来技術の設計と比較して、スペースを節約することもできる。
【0009】
電子制御ユニットは特に、電力インバータであってよい。
【0010】
弾性付勢手段は有利には、複数の板ばねによって構成されている。したがって、板ばねは、ベースプレートに取り付けられた保持ブラケットに取り付けられている。板ばねはそれぞれ、保持ブラケットに板ばねを取り付けるための中央固定部と複数の付勢アームとを有し、これらの付勢アームは、中央固定部から一体で延在しており、またパワー半導体をベースプレートの方に付勢するためにパワー半導体の1つまたは半導体ボードと接触している。
【0011】
パワー半導体は、半導体ボードに設けられているため、第1実施形態ではこれらのパワー半導体はベースプレートに直接に接触しない。しかしながら、パワー半導体を押し付けることにより、今度は、ベースプレートに対して半導体ボードを押し付け、またパワー半導体と、半導体ボードと、ベースプレートとの間の接触は特に、板ばねがパワー半導体を押し付けることにより、熱を発生するパワー半導体の領域において良好になる。
【0012】
択一的な実施形態では、パワー半導体は、ベースプレートを向いた、半導体ボードの面に配置可能であり、これにより、板ばねは、パワー半導体の領域において半導体ボードと接触するように配置可能であり、パワー半導体は、熱放散ベースプレートと直接に接触することになる。
【0013】
板ばねは好ましくは、板金から形成される。
【0014】
好ましい1つの実施形態では、板ばねはそれぞれ、少なくとも4つの付勢アームを有し、これらの付勢アームは、中央固定部から一体で延在しており、またパワー半導体をベースプレートの方に付勢するためにそれぞれパワー半導体の1つまたは半導体ボードと接触している。板ばねは好ましくは、板金の単一の部分から打ち抜かれる。このようにして、それぞれの板ばねは、4つのパワー半導体をベースプレートの方に付勢可能であり、これにより、必要とされる部材の個数が少なくなる。
【0015】
板ばねは、中央固定部に少なくとも1つの固定開口部を有することができる。好ましくは2つの固定開口部が、それぞれの板ばねに設けられている。2つの固定開口部を設けることにより、保持ブラケットに対し、板ばねを相対回転不能に位置決めすることができる。
【0016】
保持ブラケットに弾性付勢手段を取り付けるための手段は、保持ブラケットから突出する保持ピンを有する。有利には、保持ブラケットと保持ピンとは一体で成形可能である。保持ブラケットと一体の保持ピンとは好ましくは、例えばダイカスト鋳造により、アルミニウムから形成される。択一的には、保持ブラケットと一体の保持ピンとは、軽量化のためにプラスチックから形成可能であり、この場合、保持ブラケットは、射出成形によって形成可能である。したがって、組立時間を短縮するために、保持ピンと保持ブラケットとを1つの成形ステップで製造することができる。
【0017】
保持ピンは、板ばねにおける、対応する固定開口部を貫通して延在しており、板ばねは、保持ピンの変形によって保持ブラケットに取り付けられる。保持ピンの端部は好ましくは、板ばねが、保持ブラケットに堅固に固定されるのではなく、浮動式に固定されるように変形させられる。このことは、半導体に付勢力を加えるとき、ピンが過度に酷使されず、ばねがそれ自体を保持ブラケットにおいて正確に位置決めすることができるという利点を有する。
【0018】
保持ブラケットは、複数のねじによってベースプレートに取り付けられる。このために、保持ブラケットは複数の貫通孔を有することができ、これら貫通孔を通って、ねじが延在する。保持ブラケットは、ねじにより、ベースプレートに取り付け可能であり、ねじは、パワー半導体から離隔されて、ブラケットの縁部またはコーナーに位置付け可能である。したがって、保持ブラケットの固定ねじは、パワー半導体間に位置付けられない。このようにして、電子制御ユニットはよりコンパクトに形成可能である。
【0019】
保持ブラケットには、ベースプレートに固定されるかまたは収容される複数の第1位置決めピンをそれぞれ収容するための少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの位置決め孔が設けられている。第1位置決めピンはまた、少なくとも1つの半導体ボードの位置決め孔を貫通して延在していてもよい。したがって、保持ブラケットは、ベースプレートおよび/または少なくとも1つの半導体ボードに対して正確に位置決め可能である。
【0020】
保持ブラケットは、保持ブラケットに対して論理制御ボードを位置決めするための複数の第2位置決めピンを有する。ピンは、金属、好ましくは鋼から形成可能である。第2位置決めピンは、ベースプレートから離れる方向に、保持ブラケットから延在している。
【0021】
ベースプレートは、熱伝導性金属、好ましくはアルミニウムから形成されており、熱放散を改善するためにピンまたはフィンを有することができる。
【0022】
以下では、添付の図面を参照し、単なる実施例として実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明による電子制御ユニットの斜視図である。
図2図1の電子制御ユニットの分解組立図である。
図3】本発明による電子制御ユニットの断面図である。
図4】本発明による保持ブラケットの底面の斜視図である。
図5】本発明による保持ブラケットを上面の斜視図である。
図6】本発明による板ばねの斜視図である。
図7】保持ブラケットの部材の断面図である。
【0024】
詳細な説明
図1および図2には、本発明による、電気機械用の電子制御ユニット1が示されている。図2には、電子制御ユニット1の分解組立図が示されている。電子制御ユニット1は、例えば、電動モータに3相電力を供給するためのインバータユニットであってよい。これはまた、発電機モータからの3相電力を直流電力に変換するための変換器ユニットであってもよい。
【0025】
電子制御ユニット1は、複数のパワー半導体3を有する少なくとも1つの半導体ボード2を有する。パワー半導体は、スイッチング時に熱を発生し、この熱は放散されなければならない。このために、電子制御ユニットに発生する熱を放散させるためのベースプレート4が設けられている。ベースプレート4は好ましくは、アルミニウム製であり、冷却を改善するために複数のピンまたはフィン5を有していてよい。
【0026】
保持ブラケット6は、ねじ7を介してベースプレート4に取り付けられている。板ばね8の形態の弾性付勢手段は、パワー半導体3をベースプレートの方に付勢するために、保持ブラケット6と複数のパワー半導体3との間に配置されており、保持ブラケット6は、この保持ブラケット6に弾性付勢手段8を取り付けるための手段9を有する。
【0027】
板ばね8を取り付けるための手段9を保持ブラケット6に設けることにより、パワー半導体をベースプレートに押し付けるそれぞれのばねを、ねじによって冷却ベースプレートに取り付ける必要がなくなる。
【0028】
図3および図6において最もよく見て取ることができるように、板ばね8はそれぞれ、保持ブラケット6に板ばね8を取り付けるための中央固定部10と複数の付勢アーム11とを有し、これらの付勢アーム11は、中央固定部10から一体で延在しており、また複数のパワー半導体3をベースプレート4の方に付勢するためにパワー半導体3の1つまたは半導体ボード2と接触している。
【0029】
図示した実施形態では、パワー半導体3は、ベースプレート4とは反対側を向いた、半導体ボード2の面に設けられており、したがって、パワー半導体3は、ベースプレート4と直接に接触しないが、半導体を押し付けることにより、今度は、ベースプレート4に対して半導体ボード2を押し付け、またパワー半導体3と、半導体ボード2と、ベースプレート4との間の接触が、熱を発生するパワー半導体3の領域において改善される。また半導体3からの熱伝導を改善するために、半導体ボード2の領域において、ベースプレート4に熱伝導層が設けられていてもよい。
【0030】
択一的な実施形態では、パワー半導体3は、ベースプレート4を向いた、半導体ボードの面に配置可能であり、これにより、この場合に板ばね8は、パワー半導体の領域において半導体ボード2と接触して配置されており、またこの場合にパワー半導体3は、熱放散ベースプレート4と直接に接触する。
【0031】
板ばね8は好ましくは、板金から形成されており、好ましくは1枚の金属から打ち抜かれている。図示した実施形態では、板ばね8はそれぞれ4つの付勢アーム11を有し、これらの付勢アーム11は、中央固定部10から一体で延在しており、また半導体3をベースプレート4の方に付勢するためにそれぞれ半導体3の1つと接触している。したがって、それぞれの板ばね8は、4つのパワー半導体3をベースプレート4の方に押し付け、したがって、必要とされる部材の個数が少なくなる。図1および図2に示した12個のパワー半導体3を備えたフルブリッジインバータには、全ての半導体3をベースプレート4の方に付勢するために、このような板ばね8が3つだけ必要である。
【0032】
図6に示したように、板ばね8は、保持ブラケット6に対して板ばね8を位置決めするために、中央固定部10に2つの固定開口部12を有する。保持ブラケット6は、保持ブラケット6からベースプレート4に向かう方向に突出する保持ピン9を有する。保持ブラケット6と保持ピン9とは、例えばダイカスト鋳造により、アルミニウムから一体で成形されている。したがって、組立時間を短縮するために、保持ピン9と保持ブラケット6とを1つの成形ステップで製造することができる。択一的には、保持ブラケット6と保持ピン9とは、軽量化のために、例えば射出成形により、プラスチック材料から一体で成形可能である。
【0033】
保持ピン9は、板ばね8における、対応する固定開口部12を貫通して延在しており、板ばね8は、保持ピン9の変形によって保持ブラケット6に取り付けられる。保持ピン9の端部は好ましくは、板ばね8が、保持ブラケット6に堅固に固定されるのではなく、浮動式に固定されるように変形させられる。このことは、半導体に付勢力を加えるとき、ピンが過度に酷使されず、ばねがそれ自体を保持ブラケットにおいて正確に位置決めすることができるという利点を有する。保持ピン9の変形を容易にするために、保持ピン9には、図7に示したように、保持ピン9の自由端部に円錐形凹部13が設けられている。
【0034】
上述のように、保持ブラケット6は、複数のねじ7によってベースプレート4に取り付けられる。このために、保持ブラケット6は複数の貫通孔14を有し、これら貫通孔14を通って、ねじ7が延在する。ねじ7は、パワー半導体3から離隔されて、ブラケット6の縁部またはコーナーに位置付け可能である。したがって、保持ブラケットの固定ねじ7は、パワー半導体3間に位置付けられない。このようにして、電子制御ユニットはよりコンパクトに形成可能である。
【0035】
保持ブラケット6にはさらに、ベースプレート4の穴に固定されるかまたは収容される複数の第1位置決めピン16をそれぞれ収容するための少なくとも2つの位置決め孔15が設けられている。第1位置決めピン16はまた、半導体ボード2の位置決め孔17を貫通して延在していてもよい。したがって、保持ブラケット6は、ベースプレート4および/または少なくとも1つの半導体ボード2に対して正確に位置決め可能である。
【0036】
保持ブラケット6はまた、保持ブラケット6に対して論理制御ボード(図示せず)を位置決めするための複数の第2位置決めピン18も有する。第2位置決めピン18は、ベースプレート4から離れる方向に、保持ブラケット6から延在している。論理制御ボードはまた、ベースプレート4とは反対側を向いた、保持ブラケット6の面にも配置されており、ピン18を収容する、対応する位置決め孔または開口部を有する。ピン18は、金属、好ましくは鋼から形成可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 電子制御ユニット
2 半導体ボード
3 パワー半導体
4 ベースプレート
5 冷却フィン
6 保持ブラケット
7 ねじ
8 板ばね
9 保持ピン
10 板ばねの中央固定部
11 付勢アーム
12 板ばねにおける固定開口部
13 円錐形凹部
14 貫通孔
15 位置決め孔
16 第1位置決めピン
17 半導体ボードにおける位置決め孔
18 第2位置決めピン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】