(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063791
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】釣糸ガイド及び釣竿
(51)【国際特許分類】
A01K 87/04 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
A01K87/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171869
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】河合 一輝
(72)【発明者】
【氏名】森岡 俊貴
【テーマコード(参考)】
2B019
【Fターム(参考)】
2B019AA05
2B019BA01
2B019BA03
2B019BA08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】軽量である竿体の曲がりを阻害せず、ガイドに負荷が掛かっても竿体表面の固定箇所から抜けることなく十分な固定力で竿体に保持することが可能な釣糸ガイド、及びこれを備えた釣竿を提供することにある。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドは、環状のガイドリングが取付けられるリング保持部9を有するガイド本体11と、該ガイド本体から延伸する第1の脚部12と、該ガイド本体から分岐し該第1の脚部の延伸方向の角度とは異なる角度で延伸する第2の脚部13と、該第1の脚部と該第2の脚部との間に形成されかつこれらに接続され、釣竿の竿体に固定するための固定部14と、を備える釣糸ガイド10であって、前記第1の脚部と、前記第2の脚部と、前記固定部との間に貫通孔15が形成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状のガイドリングが取付けられるリング保持部を有するガイド本体と、該ガイド本体から延伸する第1の脚部と、該ガイド本体から分岐し該第1の脚部の延伸方向の角度とは異なる角度で延伸する第2の脚部と、該第1の脚部と該第2の脚部との間に形成されかつこれらに接続され、釣竿の竿体に固定するための固定部と、を備える釣糸ガイドであって、
前記第1の脚部と、前記第2の脚部と、前記固定部との間に貫通孔が形成されていることを特徴とする釣糸ガイド。
【請求項2】
前記ガイド本体に平行な方向でみて、前記貫通孔は三角形形状をなす、請求項1に記載の釣糸ガイド。
【請求項3】
前記第1の脚部の延伸方向の角度と、前記第2の脚部の延伸方向の角度とは5度から45度の範囲で異なる、請求項1に記載の釣糸ガイド。
【請求項4】
前記リング保持部の厚さは、1.5mm~2.5mmの範囲である、請求項1に記載の釣糸ガイド。
【請求項5】
前記第1の脚部の厚さは、0.5mm~1.2mmの範囲である、請求項1に記載の釣糸ガイド。
【請求項6】
前記第2の脚部の厚さは、0.5mm~1.2mmの範囲である、請求項1に記載の釣糸ガイド。
【請求項7】
前記固定部の厚さは、0.2mm~1.0mmの範囲である、請求項1に記載の釣糸ガイド。
【請求項8】
前記リング保持部の厚さは、前記第1の脚部又は前記第2の脚部の厚さ以上であり、前記固定部の厚さは、前記第1の脚部又は前記第2の脚部の厚さ以下である、請求項1に記載の釣糸ガイド。
【請求項9】
前記固定部は、糸巻き、糸留め又はシート巻付けにより、前記竿体の外面に取付けられる、請求項1に記載の釣糸ガイド。
【請求項10】
前記第2の脚部は、その一部が着脱可能にされるか又は開閉可能にされる、請求項1に記載の釣糸ガイド。
【請求項11】
前記固定部の、前記釣糸ガイドの使用状態において前記竿体が配置される側の第1の面とは反対側の第2の面には、該第2の面の長手方向に沿って複数の凹部が形成される、請求項1に記載の釣糸ガイド。
【請求項12】
前記固定部には、該固定部から延伸し、前記第2の脚部又は前記第1の脚部を超えて外方に突出する突出部が設けられる、請求項1に記載の釣糸ガイド。
【請求項13】
前記突出部は、糸巻き、糸留め又はシート巻付けにより、前記竿体の外面に取付けられる、請求項12に記載の釣糸ガイド。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか1項に記載の釣糸ガイドと、竿体と、を備えた釣竿。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣竿の竿体外面に固定される釣糸を案内するための釣糸ガイド、及びこれを備えた釣竿に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、釣竿に釣糸をガイドするための釣糸ガイドとして、ガイドリングが釣糸ガイドの貫通孔に嵌込まれた様々な釣糸ガイドが知られている。
【0003】
このような釣竿ガイドとして、例えば、特許文献1には、導糸環の竿取付脚の上面に固定糸の径より低いスパイク状の係止突起を多数形成した釣竿用導糸環の脚部構造について開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、ガイドリング取付金具を取付ける支持足の形状の一方を三角形に形成し、ガイドリングを取付ける為に開脚した部分に、任意の高さをもって溶接する片足支持の釣糸ガイドについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公昭54-029273号公報
【特許文献2】特開2002-171872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、いずれの特許文献に開示の釣竿ガイドでも、ガイドに負荷が掛かると釣竿表面の固定箇所から抜けてしまったり、集中応力により破損してしまうという問題があった。また、このような抜けを防止するため、ガイド足を長くすることができるものの、これにより重量が増大してしまうという問題もあった。他方で、竿の曲がり阻害の低減を行うため、ガイド足を短くすると、固定力不足になり易いという問題もあった。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、軽量で竿体の曲がりを阻害せず、ガイドに負荷が掛かっても竿体表面の固定箇所から抜けることなく十分な固定力で竿体に保持することが可能な釣糸ガイド、及びこれを備えた釣竿を提供することにある。本発明のこれら以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドは、環状のガイドリングが取付けられるリング保持部を有するガイド本体と、該ガイド本体から延伸する第1の脚部と、該ガイド本体から分岐し該第1の脚部の延伸方向の角度とは異なる角度で延伸する第2の脚部と、該第1の脚部と該第2の脚部との間に形成されかつこれらに接続され、釣竿の竿体に固定するための固定部と、を備える釣糸ガイドであって、前記第1の脚部と、前記第2の脚部と、前記固定部との間に貫通孔が形成されている。
【0009】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおいて、前記ガイド本体に平行な方向でみて、前記貫通孔は三角形形状をなすように構成される。
【0010】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドは、前記第1の脚部の延伸方向の角度と、前記第2の脚部の延伸方向の角度とは5度から45度の範囲で異なる。
【0011】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおいて、前記リング保持部の厚さは、1.5mm~2.5mmの範囲である。
【0012】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおいて、前記第1の脚部の厚さは、0.5mm~1.2mmの範囲である。
【0013】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおいて、前記第2の脚部の厚さは、0.5mm~1.2mmの範囲である。
【0014】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおいて、前記固定部の厚さは、0.2mm~1.0mmの範囲である。
【0015】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおいて、前記リング保持部の厚さは、前記第1の脚部又は前記第2の脚部の厚さ以上であり、前記固定部の厚さは、前記第1の脚部又は前記第2の脚部の厚さ以下である。
【0016】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおいて、前記固定部は、糸巻き、糸留め又はシート巻付けにより、前記竿体の外面に取付けられる。
【0017】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおいて、前記第2の脚部は、その一部が着脱可能にされるか又は開閉可能にされる。
【0018】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおいて、前記固定部の、前記釣糸ガイドの使用状態において前記竿体が配置される側の第1の面とは反対側の第2の面には、該第2の面の長手方向に沿って複数の凹部が形成される。
【0019】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおいて、前記固定部には、該固定部から延伸し、前記第2の脚部又は前記第1の脚部を超えて外方に突出する突出部が設けられる。
【0020】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおいて、前記突出部は、糸巻き、糸留め又はシート巻付けにより、前記竿体の外面に取付けられる。
【0021】
本発明の一実施形態に係る釣竿は、上記いずれかの釣糸ガイドと、竿体とを備えるように構成される。
【発明の効果】
【0022】
上記実施形態によれば、軽量で竿体の曲がりを阻害せず、ガイドに負荷が掛かっても竿体表面の固定箇所から抜けることなく十分な固定力で竿体に保持することができる釣糸ガイド、及びこれを備えた釣竿を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態に係る釣竿を示す図である。
【
図2】(a)は、本発明の一実施形態における釣糸ガイド10の正面図であり、(b)は、本発明の一実施形態における釣糸ガイド10の側面図であり、(c)は、本発明の一実施形態における釣糸ガイド10の斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおける固定部の竿体への固定方法を説明する図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10における第2の脚部13を説明する図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおける固定部1の端面を説明する図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおける突出部を説明する図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおける突出部の竿体への固定方法を説明する図である。
【
図8】本発明のその他の実施形態における釣糸ガイドの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る釣竿の実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。複数の図面において共通する構成要素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
【0025】
図1は、本発明に係る釣竿の一実施形態を示す図である。図示のように、本発明の一実施形態による釣竿1は、竿体2と、竿体2に後述する釣糸ガイド9(リールシートともいうが本明細書では釣糸ガイドと呼ぶ)を介して取り付けられたリール6と、竿体2に取り付けられた釣糸ガイド10と、を備える。図示の実施形態においては、釣糸ガイド9及び釣糸ガイド10の各々が、竿体の外周面に取り付けられる取付部品に該当する。
【0026】
竿体2は、例えば、元竿3、中竿5、及び穂先竿7等を連結することによって構成されている。これらの各竿体は、例えば、並継ぎ式に継合される。元竿3、中竿5、及び穂先竿7は、振出方式、逆並継方式、インロー方式、又はこれら以外の公知の任意の継合方式により継合され得る。竿体2は、単一の竿体から構成されていても良い。
【0027】
元竿3、中竿5、及び穂先竿7は、例えば、繊維強化樹脂製の管状体で構成されている。この繊維強化樹脂製の管状体は、強化繊維にマトリクス樹脂を含浸させた繊維強化樹脂プリプレグ(プリプレグシート)を芯金に巻回し、このプリプレグシートを加熱して硬化させることにより作成される。このプリプレグシートに含まれる強化繊維として、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、及びこれら以外の任意の公知の強化繊維を用いることができる。当該プリプレグシートに含まれるマトリクス樹脂として、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。プリプレグシートが硬化された後には、芯金が脱芯される。また、管状体の外表面は、適宜研磨される。各竿体は、中実状に構成されてもよい。
【0028】
図示の実施形態において、元竿3、中竿5及び穂先竿7には、リール6から繰り出される釣糸を案内する複数の釣糸ガイド10(釣糸ガイド10A~10D)が設けられている。より具体的には、元竿3には釣糸ガイド10Aが設けられ、中竿5には釣糸ガイド10Bが設けられ、穂先竿7には釣糸ガイド10Cが設けられている。穂先竿7の先端には、トップガイド10Dが設けられている。釣糸ガイド10の詳細については後述する。
【0029】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドを
図2ないし
図7を参照して説明する。
図2(a)は、一実施形態における釣糸ガイド10の正面図であり、
図2(b)は、一実施形態における釣糸ガイド10の側面図であり、
図2(c)は、一実施形態における釣糸ガイド10の斜視図である。また、
図3は、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドの固定部を竿体に取付ける方法を説明する図であり、
図4は、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10における第2の脚部13を説明する図である。また、
図5は、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおける固定部1の端面を説明する図である。また、
図6は、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおける突出部を説明する図であり、
図7は、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおける突出部の竿体への固定方法を説明する図である。
【0030】
図2に示すように、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10は、環状のガイドリング(図示しない)が取付けられるリング保持部9を有するガイド本体11と、該ガイド本体11から延伸する第1の脚部12と、該ガイド本体11から分岐し該第1の脚部12の延伸方向の角度(
図2(b)における角度α)とは異なる角度(
図2(b)における角度β)で延伸する第2の脚部13と、該第1の脚部12と該第2の脚部13との間に形成されかつこれらに接続され、釣竿1の竿体2に固定するための固定部14と、を備える釣糸ガイド10であって、該第1の脚部12と、該第2の脚部13と、該固定部14との間に貫通孔(空間又は空隙)15が形成されている。ここで、
図2に示すように、角度αは、第1の脚部12の端部位置における第1の脚部12の角度を指し、角度βは、第2の脚部13の端部位置における第2の脚部13の角度を指すものとする。また、図示の例では、第2の脚部13はガイド本体11から分岐する位置では、第1の脚部12と同じ角度(α)であり、第2の脚部13は延伸方向に湾曲しているため、徐々にその角度が角度(β)に近付いていき、最終的に角度(β)の角度となるように形成されているが、図示の例に限定されるものではなく、様々な態様が考えられる。
【0031】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10によれば、軽量で竿体の曲がりを阻害せず、ガイドに負荷が掛かっても竿体表面の固定箇所から抜けることなく十分な固定力で竿体に保持することができる釣糸ガイドを提供することが可能となる。
【0032】
釣糸ガイド10の材料は、通常、金属、樹脂又は繊維強化樹脂を用いることができるが、これらに限られない。また、ガイドリングの材料として、通常、金属が考えられるが、セラミックス(SiC等)やその他の材料を用いてもよい。ここで、
図1及び2(b)に示すように、釣糸ガイド10は、装着状態で竿体2の後方(釣竿の手元側)から前方(釣竿の先端側)に向かって上方に傾斜している。すなわち、当該釣糸ガイド10は、竿体2に取付けられたときに、竿体2の前方(釣竿1の先端方向)に倒れた姿勢を取る。なお、前後方向とは、
図1に示す前後方向(釣竿1の延伸方向)を指す。この前方向は、釣竿1の竿軸に沿って手元端から穂先に向かう方向である。また、上下方向は、当該前後方向に垂直な方向を指し、前後方向線に対して上側を上方向とし、下側を下方向とする。
【0033】
リング保持部9は、貫通孔9aを有し、当該貫通孔9aは、リング保持部9をガイド中心軸に沿って貫く。この貫通孔9aは、リング保持部9の内周面9bにより画定され、例えば、正面視で左右対称及び上下対称となる形状を有する。ガイド中心軸は、当該貫通孔9aの中心を通り前後方向に延びる。
【0034】
次に、リング保持部9の貫通孔9aには、環状のガイドリング(図示しない)が圧入するようにして嵌め込まれる。ガイド中心軸は、当該ガイドリングの中心を通っている。このガイドリングは、例えば、セラミックス、金属、合金、またはこれらの複合材料によって形成される。ガイドリングは、母材層と、該母材層の内周面側の表面に形成された内表面層と、この母材層の外周面側の表面に形成された外表面層とを有していてもよい。母材層は、例えば、Co、Ni、Cr、Mo、Fe及び不可避不純物を含む合金からなる。母材層は、Mn、Ti、及び/又はNbを含んでもよい。内表面層及び外表面層は、例えば、クロムカーバイト(CrC)、チタンカーバイト(TiC)、またはバナジウムカーバイト(VC)からなる。内表面層及び外表面層は、ビッカース硬度1300Hvから3000Hv程度の高硬度とすることができる。これ以上の詳細は省略する。
【0035】
また、
図2に示すように、ガイド本体11は、第1の接続部11aと第2の接続部11bとを有し、これらの接続部は、既述のリング保持部9と、後述する第1の脚部12、第2の脚部13とを接続するものであり、リング保持部9底部と、第1の接続部11aと第2の接続部11bとの間に空間が形成されている。このようにして、これらの接続部の軽量化を図ることができる。
【0036】
図2に示すように、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10において、当該ガイド本体11の幅方向(
図2(a)の左右方向)に平行な方向でみて(
図2(b)の側面の方向でみて)、当該貫通孔15は三角形形状をなすように構成される。このようにして、トラス構造を形成でき、軽量でかつ高剛性なガイドを形成でき、更に固定部が閉じていることにより、ガイド抜けを効果的に防止することが可能となる。ここで、既述の通り、第2の脚部13は湾曲しているため、当該貫通孔15は、厳密な意味で三角形形状をなすものではないが、略三角形形状ということができ、本明細書では、略三角形形状も含め三角形形状ということとする。
【0037】
また、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10は、第1の脚部12の延伸方向の角度(α)と、第2の脚部13の延伸方向の角度とは5度から45度の範囲で異なる。このようにして、より軽量で高剛性なガイドを形成することが可能となる。
【0038】
また、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10において、
図2(b)に示すリング保持部9の厚さ(X)は、1.5mm~2.5mmの範囲である。このようにして、ガイドリングに直接衝撃が加わることを防止することが可能となる。
【0039】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10において、
図2(b)に示す第1の脚部12の厚さ(Y)は、0.5mm~1.2mmの範囲である。このようにして、必要な剛性や強度を維持しながら軽量化を行うことが可能となる。また、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10において、
図2(b)に示す第2の脚部13の厚さ(Z)は、0.5mm~1.2mmの範囲である。このようにして、必要な剛性や強度を維持しながら軽量化を行うことが可能となる。
【0040】
また、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10において、
図2(b)に示す固定部14の厚さ(L)は、0.2mm~1.0mmの範囲である。このようにして、必要な強度を維持しながら軽量化を行うことが可能となる。また、リングサイズにもよるが、固定部14の長さを3mm~15mmの範囲の長さとすることができる。このようにして、従来の釣糸ガイドより短く形成することができるため、竿体の曲がりを阻害し難くなるという技術的特徴を備えるものである。また、固定部14の糸巻領域に傾斜がないため、より少ない糸巻き長さでも糸がズレ難く、固定力を安定化させることができる。また、固定部14は、1又は複数の箇所において、固定部14の幅(固定部14の短手方向の幅(装着時の竿体の周方向で見た長さ))が小さくなるようにしてもよい、すなわち、固定部14は、1又は複数の箇所において、凹部が形成されるようにしてもよい。このようにして、当該凹部に糸を引っ掛けるようにして糸巻きを行うことで、釣糸ガイドの固定力をより向上させることができる。
【0041】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10において、リング保持部9の厚さ(X)は、第1の脚部12の厚さ(Y)又は第2の脚部13の厚さ(Z)以上の厚さであり、固定部14の厚さ(L)は、第1の脚部12の厚さ(Y)又は第2の脚部13の厚さ(Z)以下の厚さである。このようにして、必要な強度を維持しながら軽量化を行うことが可能となる。
【0042】
次に、
図3に示すように、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10において、固定部14は、糸巻き(
図3の例)、糸留め又はシート巻付けにより、前記竿体の外面に取付けられる。このようにして、釣糸ガイドの固定力を向上させることが可能となる。
【0043】
次に、
図4に示すように、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10において、第2の脚部13は、その一部が着脱可能にされるか(
図4(a)の場合)又は開閉可能にされる(
図4(b)の場合)。このようにして、糸巻きや糸留め、シート巻付けのための糸やシートを簡易かつ確実に貫通孔15に挿入することができるため、容易に釣糸ガイド10の固定部14を竿体2に固定することが可能となる。
【0044】
次に、
図5に示すように、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10において、固定部14の、釣糸ガイド10の使用状態において、竿体2が配置される側の第1の面(端面)16とは反対側の第2の面(端面)17には、該第2の面17の長手方向Pに沿って1又は複数の凹部(溝部)18(図示の例では、複数の凹部(溝部))が形成される。このようにして、釣糸ガイドの固定力を向上させることが可能となる。ここで、複数の凹部18を設ける場合、互いに隣接する凹部18間の間隔は、例えば、1mm以上に設定され、各凹部18の最大深さは、例えば、0.3mmとすることができるが、これらに限られない。
【0045】
次に、
図6に示すように、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10において、固定部14には、該固定部14から延伸し、第2の脚部13(
図6の場合)又は第1の脚部12を超えて外方(
図6の紙面の左方向(
図6の場合)又は右方向)に突出する突出部19が設けられる。このようにして、糸止め用の樹脂が剥離し難くなり、また剥離し白化しても白化を見え難くすることが可能となる。
【0046】
次に、
図7に示すように、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10において、突出部19は、糸巻き(
図7の場合)、糸留め又はシート巻付けにより、竿体2の外面に取付けられる。このようにして、糸止め用の糸が樹脂を吸収することで、糸止め用の樹脂が剥離し難くなり、また剥離し白化しても白化を見え難くすることが可能となる。
【0047】
次に、
図8に示すように、本発明のその他の実施形態に係る釣糸ガイド10において、第2の脚部13が、第1の脚部12を基準とすると、
図2に示す第2の脚部13が設けられている側とは反対側に形成されるようにしてもよい。この場合、
図8に示す第2脚部13の角度(θ)は、90度から150度の範囲にされる。このようにして、現状の両足ガイドでは、固定箇所が2カ所であったものを1カ所にでき、作業時間を短縮することが可能となる。その他の構成については、既述のものと共通であるため、これ以上の詳細は省略する。
【0048】
次に、
図1及び2(又は
図8)に示すように、本発明の一実施形態に係る釣竿1は、上記いずれかの釣糸ガイド10と、竿体2とを備えるように構成される。
【0049】
本発明の一実施形態に係る釣竿によれば、軽量で竿体の曲がりを阻害せず、ガイドに負荷が掛かっても竿体表面の固定箇所から抜けることなく十分な固定力で竿体に保持することができる釣糸ガイドを備えた釣竿を提供することが可能となる。
【0050】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【符号の説明】
【0051】
1 釣竿
2 竿体
3 元竿
5 中竿
6 リール
7 穂先竿
9 リング保持部
9a 貫通孔
9b 内周面
10 釣糸ガイド
11 ガイド本体
11a 第1の接続部
11b 第2の接続部
12 第1の脚部
13 第2の脚部
14 固定部
15 貫通孔(空間又は空隙)
16 第1の面(端面)
17 第2の面(端面)
18 凹部(溝部)
19 突出部