(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063799
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】撮像装置、水処理システムおよび送気装置
(51)【国際特許分類】
H04N 23/50 20230101AFI20240507BHJP
B01D 21/30 20060101ALI20240507BHJP
C02F 1/00 20230101ALI20240507BHJP
C02F 1/52 20230101ALI20240507BHJP
G03B 11/04 20210101ALI20240507BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20240507BHJP
H04N 23/51 20230101ALI20240507BHJP
【FI】
H04N23/50
B01D21/30 A
C02F1/00 V
C02F1/52 Z
G03B11/04 C
G03B15/00 T
H04N23/51
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171884
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000004400
【氏名又は名称】オルガノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】福水 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】菊地 凱
【テーマコード(参考)】
2H083
4D015
5C122
【Fターム(参考)】
2H083DD32
4D015BA21
4D015BB05
4D015CA01
4D015CA14
4D015DB01
4D015DC02
4D015EA03
4D015EA16
4D015EA32
5C122DA03
5C122EA42
5C122GD11
5C122GD12
5C122GE12
5C122HA82
(57)【要約】
【課題】連続した画像を撮像する。
【解決手段】液体を水面側から撮像する撮像部200と、撮像部200の少なくとも被写体側の端部を収納し、開口された底面が液体の水面と接触しない位置に配置されたカメラホルダ300と、カメラホルダ300の内部へ気体を供給する気体供給部400とを有し、カメラホルダ300は、端部が収納された位置の断面形状よりも底面の断面形状が小さな構造である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を該液体の水面側から撮像する撮像部と、
前記撮像部の少なくとも被写体側の端部を収納し、開口された底面が前記液体の水面と接触しない位置に配置されたカメラホルダとを有し、
前記カメラホルダは、前記端部が収納された位置の断面形状よりも前記底面の断面形状が小さな構造である撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記カメラホルダの内部へ気体を供給する気体供給部を有する撮像装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の撮像装置において、
前記カメラホルダは、
前記撮像部を収納する第1の筒状部と、
前記第1の筒状部の下部に配置され、前記第1の筒状部の断面形状よりも小さな断面形状である第2の筒状部とから構成される撮像装置。
【請求項4】
請求項3に記載の撮像装置において、
前記カメラホルダは、前記第2の筒状部の断面積が前記第1の筒状部の断面積の20~80%である撮像装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の撮像装置において、
前記カメラホルダの前記底面と前記液体の水面との間の距離を調整可能とする調整部を有する撮像装置。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の撮像装置において、
前記カメラホルダは、前記撮像部が撮像する撮像範囲の50%以上に前記水面が撮像できる位置に前記撮像部の被写体側の端部を収納する撮像装置。
【請求項7】
請求項2に記載の撮像装置において、
前記カメラホルダは、前記撮像部全体を収納し、
前記気体供給部は、前記撮像部よりも上方から気体を供給する撮像装置。
【請求項8】
請求項2に記載の撮像装置において、
前記気体供給部は、前記カメラホルダの前記撮像部が収納されている位置よりも下側の側面から、水平方向よりも下方向へ前記気体を供給する撮像装置。
【請求項9】
請求項1または請求項2に記載の撮像装置において、
開口された底面に向かって断面が広っていく形状であって、前記底面が前記液体の水面と接触しない位置に配置されている遮光カバーを有する撮像装置。
【請求項10】
請求項1または請求項2に記載の撮像装置において、
前記カメラホルダは、前記底面の内側に阻流機構を有する撮像装置。
【請求項11】
請求項2に記載の撮像装置において、
前記気体供給部が前記カメラホルダの内部へ気体を供給する気体供給口に散気装置を有する撮像装置。
【請求項12】
請求項2に記載の撮像装置において、
前記カメラホルダの内部の露点温度を測定するセンサを有し、
前記気体供給部は、前記センサが測定した露点温度が任意の値になるように、前記カメラホルダの内部へ供給する気体の供給量を制御する撮像装置。
【請求項13】
請求項1または請求項2に記載の撮像装置と、
前記液体が貯留される水槽と、
前記撮像装置が撮像した画像から得られたフロックの特徴量に基づいて、前記水槽に貯留された液体に添加する凝集剤の添加量を制御する制御装置とを有する水処理システム。
【請求項14】
液体を該液体の水面側から撮像する撮像部の少なくとも被写体側の端部を収納し、開口された底面が前記液体の水面と接触しない位置に配置されたカメラホルダと、
前記カメラホルダの内部へ気体を供給する気体供給部とを有し、
前記カメラホルダは、前記端部が収納された位置の断面形状よりも前記底面の断面形状が小さな構造である送気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、水処理システムおよび送気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
浄水場や下水処理場、その他の排水処理設備においては、被処理水に凝集剤を添加し、被処理水中の懸濁物質(SS)を凝集させてフロックを形成させ、フロックを沈殿分離や浮上分離等で分離する処理が行われている。一般的には、分離した沈殿物や浮遊物の状態を分析し、その分析結果に基づいて、凝集剤の添加を制御する。浮遊物の状態を判定するために、例えば、下端が開口された筒部材に撮影手段を取り付け、その下端を水中に浸漬させて液面を撮影する装置が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたような技術においては、撮影手段が取り付けられた筒部材の下端が水に浸漬されているため、水に含まれる浮遊物等が筒部材に付着する。より鮮明な画像を撮影するには筒部材に付着した浮遊物等を取り除く必要がある。付着した浮遊物等を取り除くためには、筒部材を一度水中から取り出さなければならない。そのため、連続した画像を撮像することができないという問題点がある。連続した画像を撮像することができないと、撮像していない期間の水の状態を取得することができず、より正確な水の状態を得ることができない。
【0005】
本発明の目的は、連続した画像を撮像することができる撮像装置、水処理システムおよび送気装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の撮像装置は、
液体を該液体の水面側から撮像する撮像部と、
前記撮像部の少なくとも被写体側の端部を収納し、開口された底面が前記液体の水面と接触しない位置に配置されたカメラホルダとを有し、
前記カメラホルダは、前記端部が収納された位置の断面形状よりも前記底面の断面形状が小さな構造である。
【0007】
また、本発明の水処理システムは、
液体を該液体の水面側から撮像する撮像部と、
前記撮像部の少なくとも被写体側の端部を収納し、開口された底面が前記液体の水面と接触しない位置に配置されたカメラホルダとを有し、
前記カメラホルダは、前記端部が収納された位置の断面形状よりも前記底面の断面形状が小さな構造である撮像装置と、
前記液体が貯留される水槽と、
前記撮像装置が撮像した画像から得られたフロックの特徴量に基づいて、前記水槽に貯留された液体に添加する凝集剤の添加量を制御する制御装置とを有する。
【0008】
また、本発明の送気装置は、
液体を該液体の水面側から撮像する撮像部の少なくとも被写体側の端部を収納し、開口された底面が前記液体の水面と接触しない位置に配置されたカメラホルダと、
前記カメラホルダの内部へ気体を供給する気体供給部とを有し、
前記カメラホルダは、前記端部が収納された位置の断面形状よりも前記底面の断面形状が小さな構造である。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、連続した画像を撮像することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の撮像装置の第1の実施の形態を示す図である。
【
図2】本発明の撮像装置の第2の実施の形態を示す図である。
【
図3】本発明の撮像装置の第2の実施の形態を示す図である。
【
図4】本発明の撮像装置の第3の実施の形態を示す図である。
【
図5】
図4に示した阻流機構が設けられたカメラホルダを底面側から見た図である。
【
図6】本発明の撮像装置の第4の実施の形態を示す図である。
【
図7】本発明の撮像装置の第5の実施の形態を示す図である。
【
図8】本発明の撮像装置の第5の実施の形態を示す図である。
【
図9】本発明の撮像装置の第5の実施の形態を示す図である。
【
図10】本発明の撮像装置の第6の実施の形態を示す図である。
【
図11】
図10に示した気体供給部が具備する構成要素の一例を示す図である。
【
図12】本発明の撮像装置の適用例を示す図である。
【
図13】本発明の撮像装置を用いて行った実験の構成を示す図である。
【
図14】
図13に示した構成における実験結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
【0012】
図1は、本発明の撮像装置の第1の実施の形態を示す図である。本形態における撮像装置は
図1に示すように、撮像部200と、送気装置1000とを有する。送気装置1000は、カメラホルダ300と、気体供給部400と、散気装置410とを有する。
【0013】
撮像部200は、被処理水が流入した水槽100に貯留された液体を、水槽100の上方(水面側)から撮像する。つまり、撮像部200は、水槽100の上部に設けられている。撮像部200の固定方法は特に規定しない。撮像部200は、水槽100に貯留された被処理水を必ずしも真上から撮像する必要は無く、被処理水の液面を介して被処理水を撮像することができれば、所定の角度を持つ斜め上方から撮像するものでも良い。つまり、撮像部200の具体的な設置位置は、水槽100に貯留された被処理水を、液面を介して撮像できる位置であれば良い。または、被処理水を鉛直方向へ流下させ、撮像部200は流下する被処理水を水平方向から撮像しても良い。撮像部200は、被処理水を所定のタイミングで撮像する。撮像部200は、画像センサであっても良い。撮像部200は、水槽100内の被処理水の画像をあらかじめ設定された時間間隔以下の時間間隔で撮像するカメラ(例えば、動画撮像用カメラ)であっても良い。撮像部200の防水加工などの仕様に特に制限はないが、被処理水による汚れを防止する観点から、非接液となるように撮像部200を設置することが望ましい。また、上述した画像センサやカメラが例えば筒状の筐体の内部に固定されて収納されている場合、撮像部200は画像センサやカメラを含む筐体全体を指す。
【0014】
カメラホルダ300は、撮像部200の少なくとも被写体側の端部を収納する。撮像部200が上述したカメラ自体である場合、カメラホルダ300はカメラの少なくともレンズ部分を収納する。また、撮像部200が上述した画像センサやカメラを固定して収納する筐体を含む場合、カメラホルダ300は筐体の少なくとも被写体側の端部を収納する。カメラホルダ300は、撮像部200を固定する。カメラホルダ300が撮像部200を固定する機構については、特に規定しない。カメラホルダ300は、撮像部200の撮像方向(被写体への方向)の下端、つまり、底面が開口されている。カメラホルダ300の断面の形状は、円でも良いし、多角形でも良い。カメラホルダ300は、撮像部200が撮像する撮影範囲の30%以上に水槽100内に貯留された液体の水面が撮像できる位置に撮像部200を固定することが望ましい。さらに、カメラホルダ300は、撮像部200が撮像する撮影範囲の50%以上に水槽100内に貯留された液体の水面が撮像できる位置に撮像部200を固定することがより望ましい。撮像部200が撮像する撮像範囲にカメラホルダ300等が映り込むことにより、撮像範囲に対して撮像された水面の割合が30%未満となると、画像から被処理水に関して得られる情報が少なくなり、適切にセンシングできないおそれがある。なお、撮像範囲は、以下の式で計算される。
撮影範囲の水平方向の長さA(m)=撮像部200のレンズと水面との距離(m)×イメージセンサ水平方向サイズ(m)/焦点距離(m)
撮影範囲の垂直方向の長さB(m)=撮像部200のレンズと水面との距離(m)×イメージセンサ垂直方向サイズ(m)/焦点距離(m)
撮影範囲(m2)=A(m)×B(m)
【0015】
カメラホルダ300の材質は、PVC(ポリ塩化ビニル)、アクリル、金属(例えば、ステンレス)であっても良く、特に限定しないが、ステンレスや着色したプラスチックなどの遮光できる材質であるものがより望ましい。また、カメラホルダ300は、開口された底面が水槽100に貯留された液体の水面と接触しない位置に配置されている。カメラホルダ300の底面にアクリル板などの透明な窓を設けないことで、窓全体の汚染による明瞭な画像取得の阻害を防止することができる。カメラホルダ300は、支柱等を用いて壁面や床面に固定されている。カメラホルダ300と撮像部200との位置関係は、カメラホルダ300の底面の中心と撮像部200のレンズの光軸とが交わるような位置関係が望ましい。また、カメラホルダ300には、底面とは別にメンテナンス用の開口機構が設けられていることが望ましい。この開口機構は、撮像部200の汚染の抑制とメンテナン性との観点から、蝶番、ボルト、ロータリーキャッチ、パッチン錠などの脱着式の部材を用いる構造や、カメラホルダ300の内壁にスリットを設け、板がスライドして挿入できる構造等、開閉しやすい構造にすることが望ましい。
【0016】
さらに、カメラホルダ300は、撮像部200の少なくとも被写体側の端部を収納する筒状部301(第1の筒状部)と、筒状部301の下部に配置され、筒状部301の断面形状よりも小さな断面形状である筒状部302(第2の筒状部)とから構成されても良い。この場合、例えば、筒状部301の断面の形状と、筒状部302の断面の形状とが相似の関係であれば、筒状部302の断面積は筒状部301の断面積よりも小さい。このとき、筒状部302の断面積が筒状部301の断面積の20~80%であるものが望ましい。また、筒状部302の断面(例えば、筒状部302が円筒形であれば内径)の大きさは、撮像部200のレンズの断面形状(例えば、レンズ径等の筒状部302の内径と比較できるもの)よりも小さくても構わないが、撮像部200が撮像する撮像範囲に対する水面の割合が上述した条件を満たす必要がある。筒状部302の形状は、レンズの断面形状よりも大きな断面形状であっても良い。
【0017】
なお、カメラホルダ300は、筒状部301と筒状部302との2つの部材から構成されるものではなく、上面の断面形状よりも底面の断面形状が小さな筒状の単一の部材から構成されるものでも良い。例えば、カメラホルダ300は、上面から底面に向かって断面が狭くなっていく形状でも良い。
【0018】
気体供給部400は、カメラホルダ300の内部へ空気等の気体を送り込む(供給する)。気体供給部400からカメラホルダ300の内部へ気体を供給することにより、大きな設備を準備することなく、撮像部200のレンズへの結露や曇りを除去し、正確な水質状態を判定するための画像を得ることができる。本形態においては、気体供給部400は、撮像部200よりも上方から気体を供給する。気体供給部400は、継続的に気体を送り込んでも良いし、断続的(例えば、周期的)に気体を送り込んでも良い。気体供給部400が気体を送り込むタイミングは、タイマを用いて制御されても良い。例えば、気体供給部400が気体を送り込むタイミングは、カメラホルダ300の内部の温度や湿度、撮像部200が撮像した画像データの明瞭さ等に基づいて、制御されても良い。また、気体供給部400が送り込む気体は、窒素や二酸化炭素などの空気以外の気体であっても良いが、費用対効果の観点から、空気が望ましい。以下の説明においては、気体供給部400が送り込む気体が空気である場合を例に挙げて説明する。
【0019】
散気装置410は、気体供給部400がカメラホルダ300へ空気を供給する気体供給口に設けられる。散気装置410は、カメラホルダ300内部へ供給する空気を、散気装置410の底面に設けられた多数の孔を介して供給する散気機構を有する。散気機構を有する散気装置410は、カメラホルダ300内の空気の流れを均一化する。散気装置410は、カメラホルダ300のできるだけ上部に設けられ、撮像部200の上方から空気を供給する。散気装置410は、ディフューザ、チーズ、多孔板、パンチングメタル、阻流版(バッフル)等、供給される空気を広く分散させる役割を果たすものであれば良い。
【0020】
こうして、気体供給部400からの空気が、カメラホルダ300の内部において下方に向けて供給される。気体供給部400は、カメラホルダ300の内部における空気の流速が、3cm/sec以上となるように、カメラホルダ300の内部へ空気を供給する。なお、気体供給部400からの空気の供給にかかるコストの観点から、カメラホルダ300の内部における空気の流速が3~100cm/secとなるように、カメラホルダ300の内部へ空気を供給することが望ましく、3~50cm/secとなるように、カメラホルダ300の内部へ空気を供給することがより望ましい。空気の流速に上限を設けることで、空気動力コストを抑えることができる。なお、この流速は、例えば、気体供給部400の供給ラインから供給する空気の流量をカメラホルダ300の断面積で除算した値でも良いし、カメラホルダ300内またはカメラホルダ300の底部近傍の風速を風速測定器が測定した値でも良い。この場合、風速測定器は撮像部200よりも下方に設けられたものが望ましい。また、風速測定器をカメラホルダ300外で用いる場合、カメラホルダ300の水平方向の断面を撮像方向へ投影した範囲に含まれる位置で、カメラホルダ300の底面と水面との中間の位置よりもカメラホルダ300に近い位置が望ましく、カメラホルダ300により近い方が望ましい。こうすることで、カメラホルダ300の直近で測定することとなり、カメラホルダ300内部の風速と同等の風速を測定することができる。供給ラインから供給する空気の流量を測定する方法として、図示していないが、例えば、供給ラインに面積式、容積式、オリフィス式などの流量計を設けて測定することができる。なお、供給ラインに設けられた流量計が測定した流量をカメラホルダ300の断面積で除算した値もカメラホルダ300内部の流速である。空気流速の算出にカメラホルダ300の断面積を用いる場合、底面(下端開口部)の断面積を用いることが望ましい。下端開口部の空気流速を用いることで、カメラホルダ300内を上昇しようとする汚染空気を、カメラホルダ300の入口(下端開口部)で排除できるためである。これにより、空気動力コストを抑えつつ、センシングを安定させることができる。
【0021】
このように本形態においては、底面が開口されたカメラホルダ300が、水槽100に貯留された液体を上方から撮像する撮像部200を収納し、気体供給部400がカメラホルダ300の内部へ空気を供給する。カメラホルダ300は、その底面が水槽100に貯留された液体の水面と接触しない位置に配置される。これにより、撮像部200およびカメラホルダ300の水面側に浮遊物等が付着することなく、汚れの堆積やセンサの汚れによる撮像阻害を回避することができる。さらに、対象物を安定して撮影することができ、連続した画像を撮像することができる。さらに、カメラホルダ300は、撮影方向に対して上面側の断面形状よりも底面側の断面形状が小さなものである。これにより、特にカメラホルダ300の下方からの汚染空気の流入を抑制することができる。さらに、断面形状を小さなものとすることで、カメラホルダ300内部の空気流速が速くなり、より少ない空気流量で撮像部200の汚染を抑制することができる。また、空気流速が速くなることで、カメラホルダ300への汚染空気の流入を防ぐ効果が増大する。
(第2の実施の形態)
【0022】
図2および
図3は、本発明の撮像装置の第2の実施の形態を示す図である。本形態における撮像装置は
図2および
図3に示すように、撮像部200と、カメラホルダ300と、気体供給部400とを有する。
【0023】
第1の実施の形態との違いは、本形態では、気体供給部400がカメラホルダ300内に空気を供給する供給口411が、カメラホルダ300の側面であって、撮像部200が設けられている位置よりも下側に設けられている点である。さらに、気体供給部400からカメラホルダ300内の水平方向よりも下方向へ空気が供給される。カメラホルダ300が筒状部301と筒状部302とから構成されている場合、気体供給部400がカメラホルダ300内に空気を供給する供給口411は、筒状部302に設けられる。また、気体供給部400がカメラホルダ300内に空気を供給する供給口411は、複数設けられていても良い。この場合、例えば、2つの供給口411は、カメラホルダ300の鉛直方向の中心軸に対して互いに対称となる側面に設けられるものが望ましい。これにより、カメラホルダ300内に偏った空気の流れが生じてしまうことを避けることができる。供給口411に、第1の実施の形態のような散気機構が設けられていても良い。
【0024】
図2に示した形態と
図3に示した形態との違いは、カメラホルダ300に対する撮像部200の位置である。
図2に示した形態では、筒状部301の下側の端部と筒状部302の上側の端部との接合部分であって、筒状部301のサイズと筒状部302のサイズとの差分によって生じる空間(隙間)を埋める段部、または筒状部302に、撮像部200が接していない構成であるのに対して、
図3に示した形態では、段部または筒状部302に撮像部200が接している構成である点で相違する。
【0025】
このように、第1の実施の形態における気体供給部400からの空気が撮像部200の上方(後方)から供給される形態とは異なり、本形態においては撮像部200が収納されている位置よりも下側の側面から気体供給部400からの空気が供給される。これにより、第1の実施の形態よりもさらに外部から撮像部200方向への汚染空気の流入を抑制することができる。
(第3の実施の形態)
【0026】
図4は、本発明の撮像装置の第3の実施の形態を示す図である。本形態における撮像装置は
図4に示すように、撮像部200と、カメラホルダ300と、気体供給部400とを有する。第2の実施の形態との違いは、本形態では、カメラホルダ300の底面の内側に阻流機構310が設けられている点である。
【0027】
阻流機構310は、気体供給部400から供給口411を介して供給された空気の少なくとも一部がカメラホルダ300の外部へ排出されることを阻止するための構造を持つ。
図5は、
図4に示した阻流機構310が設けられたカメラホルダ300を底面側から見た図である。
図5に示すように、カメラホルダ300の底面(下端)の縁の内側に沿って阻流機構310が設けられている。阻流機構310は、カメラホルダ300の側面の内側に取り付けられ、側面から内側方向へ所定の幅を持つ部材である。阻流機構310の材質および形状は、特に規定しない。阻流機構310は、カメラホルダ300の底面から上方へ所定の高さの箇所に設けられていても良い。この場合であっても、阻流機構310は供給口411よりも下方に取り付けられる。
【0028】
このように本形態においては、第2の実施の形態に加えて、カメラホルダ300の下端に、気体供給部400から供給口411を介して供給された空気をカメラホルダ300内に滞留させるための阻流機構310を設ける。これにより、気体供給部400から供給口411を介して供給された空気がカメラホルダ300内に滞留し、カメラホルダ300の外部からの汚染空気の流入を低減させることができる。また、撮像部200のレンズ面を保護することができる。
(第4の実施の形態)
【0029】
図6は、本発明の撮像装置の第4の実施の形態を示す図である。本形態における撮像装置は
図6に示すように、撮像部200と、カメラホルダ300と、気体供給部400と、散気装置410と、調整部500とを有する。撮像部200、カメラホルダ300、気体供給部400および散気装置410それぞれは、第1の実施の形態におけるものとそれぞれ同じものである。
【0030】
調整部500は、カメラホルダ300と水槽100に貯留された液体の水面との間の距離を調整可能とする。
図6に示すように、調整部500は壁面に固定されている支柱520に取り付けられ、カメラホルダ300に固定されている支柱510を把持できる形状であり、支柱520に対する支柱510の鉛直方向の位置を調整可能とする。調整部500は、ボルト、クランプ、チェーン、エアチャンバー、アクチュエーター、自在ユニオン等、カメラホルダ300の位置を鉛直方向に移動させ、所望の位置で固定できるものであれば良い。例えば、調整部500は、ネジ式の調整/固定機構を有し、ネジを緩めることでカメラホルダ300の位置を鉛直方向に調整可能とし、ネジを締めることでカメラホルダ300の位置を固定するものでも良い。これにより、カメラホルダ300の底面と水面との間の距離の調整だけでなく、撮像部200やカメラホルダ300のメンテナンス時などの昇降がしやすくなる効果がある。
【0031】
このように本形態においては、第1の実施の形態に加えて、カメラホルダ300と水槽100に貯留された液体の水面との間の距離を調整可能とする調整部500を設ける。これにより、水槽100に貯留された液体の水面の高さが変動した場合であっても、変動した水面の高さに適した位置にカメラホルダ300を移動させて固定することができる。
(第5の実施の形態)
【0032】
図7~9は、本発明の撮像装置の第5の実施の形態を示す図である。
図5に示した形態における撮像装置は、撮像部200と、カメラホルダ300と、気体供給部400と、散気装置410と、遮光カバー600とを有する。第1の実施の形態との違いは、本形態では、カメラホルダ300の下部に遮光カバー600が設けられている点である。
【0033】
遮光カバー600は、カメラホルダ300の開口された底面に取り付けられている。カメラホルダ300と遮光カバー600とが一体化されていても良いし、着脱可能でも良い。遮光カバー600がカメラホルダ300から着脱可能の方が、メンテナンスの観点から望ましい。遮光カバー600は、撮像部200が撮像する撮像範囲への外光(太陽光)や設置環境の映り込み、または撮像範囲に含まれる、水槽100に貯留された液体の水面での外光の反射、さらに外部環境からのセンシング阻害を抑制する。遮光カバー600は、開口された底面に向かって断面が広っていく形状である。水槽100に貯留された液体の水面に対してある面積を遮光しようとした場合、断面が一定である遮光カバーよりも断面が底面に向かって広がっていく形状である遮光カバーの方が、直胴部の口径が小さくて済むため、材料費などの制作コストを抑えつつ、センシング阻害を回避することができる。遮光カバー600は、その底面が水槽100に貯留された液体の水面と接触しない位置に配置されている。遮光カバー600の底面と水槽100に貯留された液体の水面との間の距離は、10~100mm程度が望ましい。遮光カバー600の材質は、光を透過しない材質であれば良く、PVC、アクリル、ステンレス等でも良い。遮光カバー600の材質は、耐候性の観点から、PVCやステンレスが望ましい。なお、遮光カバー600は、遮光カバー600の底面が水槽100に貯留されている被処理水に接液しない位置に設けられる。
【0034】
図8に示した形態における撮像装置は、撮像部200と、カメラホルダ300と、気体供給部400と、散気装置410と、遮光カバー601とを有する。
図8に示した遮光カバー601とカメラホルダ300とは別個の部材である。遮光カバー601は、カメラホルダ300を内装する。遮光カバー601がカメラホルダ300を内装して固定する構造については特に規定しない。遮光カバー601が具備する機能は、
図7に示した遮光カバー600が具備する機能と同じである。遮光カバー601は、開口された底面に向かって断面が広っていく形状である。遮光カバー601は、カメラホルダ300が内装されている鉛直方向の位置においては、その断面の形状が一定のものでも良い。遮光カバー601の底面の水面からの高さは、カメラホルダ300の底面の水面からの高さ以下のものが望ましい。なお、遮光カバー601は、遮光カバー601の底面が水槽100に貯留されている被処理水に接液しない位置に設けられる。
【0035】
図9に示した形態における撮像装置は、撮像部200と、カメラホルダ300と、気体供給部400と、散気装置410と、遮光カバー602とを有する。遮光カバー602は、
図8に示した遮光カバー601と、その形状が異なる。遮光カバー602の断面の形状は、鉛直方向の上方(上面)から底面にかけて、一定である範囲と、広がっていく範囲とが存在する。遮光カバー602は、上面からある高さ(第1の高さ)まではその断面の形状が一定であり、第1の高さからある高さ(第2の高さ)までは断面が広っていく形状であり、第2の高さから底面まではその断面の形状が一定である。遮光カバー602の形状は、第1の高さから第2の高さまでの間の高さにカメラホルダ300の底面が位置するような形状でも良い。なお、遮光カバー602は、遮光カバー602の底面が水槽100に貯留されている被処理水に接液しない位置に設けられる。
【0036】
このように本形態においては、第1の実施の形態に加えて、撮像部200が撮像する撮像範囲への外光(太陽光)や設置環境の映り込み、または撮像範囲に含まれる、水槽100に貯留された液体の水面での外光の反射、さらに外部環境からのセンシング阻害を抑制する遮光カバー600~602を設ける。これにより、水槽100に貯留された液体のより明瞭な状態を撮像することができる。
(第6の実施の形態)
【0037】
図10は、本発明の撮像装置の第6の実施の形態を示す図である。本形態における撮像装置は
図10に示すように、撮像部200と、カメラホルダ300と、気体供給部401と、散気装置410と、センサ700とを有する。
【0038】
センサ700は、カメラホルダ300の内部に設けられ、カメラホルダ300の内部の露点温度を測定する。センサ700は、カメラホルダ300の内部の湿度を測定する湿度計でも良い。センサ700は、測定した値(露点温度や湿度)を気体供給部401へ出力する。
【0039】
図11は、
図10に示した気体供給部401が具備する構成要素の一例を示す図である。
図10に示した気体供給部401は
図11に示すように、制御部421と、コンプレッサ431と、除湿器441と、流量調整バルブ451とを有する。なお、
図11には、
図10に示した気体供給部401が具備する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。
【0040】
コンプレッサ431は、取り込んだ空気を圧縮して除湿器441へ送風する。除湿器441は、コンプレッサ431から送られてきた空気を除湿し、除湿した空気を流量調整バルブ451へ送風する。除湿器441は、コンプレッサ431から送られてきた空気の湿度が、制御部421から指示された湿度になるように、コンプレッサ431から送られてきた空気を除湿する。流量調整バルブ451は、制御部421から指示された流量の空気を散気装置410を介してカメラホルダ300内へ供給する。制御部421は、センサ700から出力されてきた値(露点温度や湿度)に基づいて、コンプレッサ431、除湿器441および流量調整バルブ451それぞれを制御する。このとき、制御部421は、第1の実施の形態で説明した測定器を用いてカメラホルダ300内へ供給されている空気の流量を測定し、測定した値を用いて流量調整バルブ451を制御しても良い。例えば、制御部421は、センサ700から出力されてきた露点温度が任意の値になるように、コンプレッサ431、除湿器441および流量調整バルブ451それぞれを制御して、カメラホルダ300の内部へ供給する空気の供給量を制御する。または、制御部421は、センサ700から出力されてきた湿度が任意の湿度以下になるように、コンプレッサ431、除湿器441および流量調整バルブ451それぞれを制御して、カメラホルダ300の内部へ供給する空気の供給量を制御する。気体供給部401がカメラホルダ300内に供給する空気は、撮像部200のレンズ面の結露等を防止するため、露点温度-3℃以下の乾燥空気であることが望ましい。気体供給部401は必ずしもコンプレッサ431を備えている必要はない。工場等の設置場所に、空圧機器制御用の圧縮空気や窒素などのガス供給設備が備えられている場合は、気体供給部401はコンプレッサ431の代わりに、ガス供給設備を使用しても良く、ガスボンベを使用しても良い。
【0041】
このように本形態においては、第1の実施の形態に加えて、カメラホルダ300の内部の露点温度や湿度を測定するセンサ700を設け、センサ700が検知した値に基づいて、気体供給部401がカメラホルダ300内に供給する空気の供給量を制御する。これにより、撮像部200のレンズ面の結露等を防止することができ、明瞭な画像を取得することができる。
(適用例)
【0042】
図12は、本発明の撮像装置の適用例を示す図である。
図12に示すように、反応槽110と、凝集槽120と、沈殿槽130とが直列に配置された水処理システムに本発明の撮像装置が適用されている。
図12に示した形態において、上述した散気装置410が設けられていても良い。
【0043】
反応槽110(上述した実施の形態においては水槽100に相当)に貯留された被処理水には、凝集剤とpH調整剤とが添加される。被処理水は、反応槽110から凝集槽120へ供給され、凝集槽120にて所定の処理が行われてから沈殿槽130へ供給される。凝集槽120において、被処理水にポリマーが添加されても良い。沈殿槽130では、処理水と汚泥との固液分離が行われる。撮像部200は、反応槽110に貯留された被処理水の画像を撮像し、撮像した画像データを画像処理手段800へ送信する。画像処理手段800は、撮像部200から送信されてきた画像データを画像処理し、画像データ(画像情報)を示す信号を演算手段810へ送信する。演算手段810は、画像処理手段800から送信されてきた信号に基づいて、反応槽110に貯留されている被処理水へ添加する薬品である凝集剤の量を算出し、算出した量の凝集剤が凝集剤貯槽820から添加されるように、添加装置であるポンプ830を制御する。撮像部200が撮像した画像に基づいて凝集剤の添加量を制御するアルゴリズムについては、ここでは特に規定しない。例えば、画像処理手段800および演算手段810は、撮像部200が撮像した画像からフロックの特徴量を算出し、算出した特徴量に基づいて、反応槽110に貯留されている被処理水へ添加する凝集剤の量を算出し、算出した量の凝集剤が凝集剤貯槽820から添加されるようにポンプ830を制御しても良い。この場合、撮影対象であるフロックのサイズが小さいため、フロックよりも小さな画素を用いて数値化することができるエッジピクセル数を特徴量とすることが望ましい。画像処理手段800と演算手段810とで、制御装置を構成する。
【0044】
なお、撮像対象として、被処理水に含まれる懸濁物質、凝集剤添加によって生じたフロック、生物処理から発生する汚泥などが挙げられる。また、凝集剤として、例えば、ポリ塩化アルミニウムや塩化第二鉄等の無機凝集剤、有機凝結剤、高分子凝集剤、脱水剤等が挙げられるが、特に限定しない。
【0045】
このような水処理システムにおいて、上述した実施の形態で説明したカメラホルダ300および気体供給部400を設ける。これにより、反応槽110に貯留された被処理水の正確な水質状態を判定するための画像を得ることができ、その結果、被処理水に適した量の凝集剤を添加することができる。
【0046】
なお、撮像部200が撮像した画像データは、薬品添加の制御のために用いるだけに限らず、被処理水の水質の異常検知のために用いても良い。また、撮像部200の撮像は、どの水処理プロセスに用いてもよい。撮像部200の設置場所は槽内の懸濁物質を撮像できる場所であればよく、限定されない。
【0047】
図13は、本発明の撮像装置を用いて行った実験の構成を示す図である。実験の条件を表1に、撮像部200の仕様を表2に示す。
【表1】
【表2】
【0048】
図13に示すように本実験の構成は、撮像部200と、カメラホルダ300と、コンプレッサ431、除湿器441、流量調整バルブ451、流量計840および散気装置410からなる気体供給部と、水槽100と、攪拌器850と、ヒータ860とを有する。撮像部200、カメラホルダ300、コンプレッサ431、除湿器441、流量調整バルブ451、散気装置410および水槽100それぞれは、上述した実施の形態におけるものとそれぞれ同じものである。流量計840は、流量調整バルブ451から供給される空気の流量を測定する。攪拌器850は、水槽100に貯留された液体を攪拌する。ヒータ860は、水槽100に貯留された液体を加温し、所定の温度に保つ。
【0049】
図13に示した構成において、水槽100にカオリン模擬水を入れ、凝集剤を添加してフロックを形成させた。撮像部200が、フロックを撮像してフロック画像を取得し、さらにフロック画像を画像処理し、フロックの特徴量(ここではエッジピクセル数)を取得した。水面からの飛沫等による汚染を模擬するため、模擬水を40℃に加温し、蒸気およびミストによるセンシング阻害に対する、カメラホルダ300内の空気流速の影響を確認した。
【0050】
図14は、
図13に示した構成における実験結果を示すグラフである。
図14には、蒸気やミストによるセンシング阻害がない時のエッジピクセル数を100とした保持率を示している。カメラホルダ300内の空気流速が3cm/sec以上で保持率が100%となっていることから、3cm/sec以上の空気流速となるように気体供給部が空気を供給することで、水槽100に貯留されている液体の水面からの蒸気やミストによる、撮像部200への汚れを回避できることを確認することができた。なお、空気流速は、流量計840が測定した空気の流量をカメラホルダ300の底面の断面積で除することで算出した。
【0051】
上記の実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
液体を該液体の水面側から撮像する撮像部と、
前記撮像部の少なくとも被写体側の端部を収納し、開口された底面が前記液体の水面と接触しない位置に配置されたカメラホルダとを有し、
前記カメラホルダは、前記端部が収納された位置の断面形状よりも前記底面の断面形状が小さな構造である撮像装置。
(付記2)
付記1に記載の撮像装置において、
前記カメラホルダの内部へ気体を供給する気体供給部を有する撮像装置。
(付記3)
付記1または付記2に記載の撮像装置において、
前記カメラホルダは、
前記撮像部を収納する第1の筒状部と、
前記第1の筒状部の下部に配置され、前記第1の筒状部の断面形状よりも小さな断面形状である第2の筒状部とから構成される撮像装置。
(付記4)
付記3に記載の撮像装置において、
前記カメラホルダは、前記第2の筒状部の断面積が前記第1の筒状部の断面積の20~80%である撮像装置。
(付記5)
付記1から4のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記カメラホルダの前記底面と前記液体の水面との間の距離を調整可能とする調整部を有する撮像装置。
(付記6)
付記1から5のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記カメラホルダは、前記撮像部が撮像する撮像範囲の50%以上に前記水面が撮像できる位置に前記撮像部の被写体側の端部を収納する撮像装置。
(付記7)
付記2に記載の撮像装置において、
前記カメラホルダは、前記撮像部全体を収納し、
前記気体供給部は、前記撮像部よりも上方から気体を供給する撮像装置。
(付記8)
付記2に記載の撮像装置において、
前記気体供給部は、前記カメラホルダの前記撮像部が収納されている位置よりも下側の側面から、水平方向よりも下方向へ前記気体を供給する撮像装置。
(付記9)
付記1から8のいずれか1項に記載の撮像装置において、
開口された底面に向かって断面が広っていく形状であって、前記底面が前記液体の水面と接触しない位置に配置されている遮光カバーを有する撮像装置。
(付記10)
付記1から9のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記カメラホルダは、前記底面の内側に阻流機構を有する撮像装置。
(付記11)
付記2に記載の撮像装置において、
前記気体供給部が前記カメラホルダの内部へ気体を供給する気体供給口に散気装置を有する撮像装置。
(付記12)
付記2に記載の撮像装置において、
前記カメラホルダの内部の露点温度を測定するセンサを有し、
前記気体供給部は、前記センサが測定した露点温度が任意の値になるように、前記カメラホルダの内部へ供給する気体の供給量を制御する撮像装置。
(付記13)
付記1から12のいずれか1項に記載の撮像装置と、
前記液体が貯留される水槽と、
前記撮像装置が撮像した画像から得られたフロックの特徴量に基づいて、前記水槽に貯留された液体に添加する凝集剤の添加量を制御する制御装置とを有する水処理システム。
(付記14)
液体を該液体の水面側から撮像する撮像部の少なくとも被写体側の端部を収納し、開口された底面が前記液体の水面と接触しない位置に配置されたカメラホルダと、
前記カメラホルダの内部へ気体を供給する気体供給部とを有し、
前記カメラホルダは、前記端部が収納された位置の断面形状よりも前記底面の断面形状が小さな構造である送気装置。
【符号の説明】
【0052】
100 水槽
110 反応槽
120 凝集槽
130 沈殿槽
200 撮像部
300 カメラホルダ
301,302 筒状部
310 阻流機構
400,401 気体供給部
411 供給口
410 散気装置
421 制御部
431 コンプレッサ
441 除湿器
451 流量調整バルブ
500 調整部
510,520 支柱
600,601,602 遮光カバー
700 センサ
800 画像処理手段
810 演算手段
820 凝集剤貯槽
830 ポンプ
840 流量計
850 攪拌器
860 ヒータ
1000 送気装置