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▶ 入江 晃久の特許一覧

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  • 特開-個包装用移送装置及び移送方法 図1
  • 特開-個包装用移送装置及び移送方法 図2
  • 特開-個包装用移送装置及び移送方法 図3
  • 特開-個包装用移送装置及び移送方法 図4
  • 特開-個包装用移送装置及び移送方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063800
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】個包装用移送装置及び移送方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 35/54 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
B65B35/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171892
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】504114740
【氏名又は名称】入江 晃久
(74)【代理人】
【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100066223
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 政美
(72)【発明者】
【氏名】入江 晃久
【テーマコード(参考)】
3E054
【Fターム(参考)】
3E054AA20
3E054CA09
3E054DA01
3E054DC01
3E054DD01
3E054DD07
3E054DD11
3E054GB01
3E054GB07
3E054GC05
3E054JA01
(57)【要約】
【課題】型崩れし易い製品を個包装する際に、製品の型崩れを防止しながら移送することができる個包装用移送装置を提供する。
【解決手段】製品Pを1列に並べて移送する送り出しベルト10を設ける。送り出しベルト10の終端部側に製品Pを滑り落とすスライダー20を設ける。スライダー20からの製品Pを所定間隔で移送する移送ライン30を設ける。移送ライン30で移送した製品Pを個包装する包装機を備える。スライダー20からの製品Pを受け取る位置に樋状の移送路31を設ける。移送路31上の各製品Pに個別に当接して移送する移送体32を設ける。送り出しベルト10と、移送体32とのタイミングを同期する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1列に並べた複数個の製品Pを個別に送り出す送り出しベルトと、送り出しベルトの終端部側で個別に送り出した製品を滑り落とすスライダーと、スライダーからの製品を受けて所定間隔で移送する移送ラインと、移送ラインで移送した製品を個包装する包装機と、を備えた個包装用の移送装置であって、
移送ラインは、スライダーから製品を受け取る位置から包装機に至る位置まで延長された樋状の移送路と、
スライダーの終端部側から移送路に沿って移動し移送路上の各製品に個別に当接して移送する複数の移送体と、を備え、
送り出しベルトで製品Pを送り出すタイミングと、移送体が各製品に当接して移動するタイミングとを同期して移送することを特徴とする個包装用移送装置。
【請求項2】
前記移送ラインは、前記移送路の底部の長手方向に沿って移送溝が形成され、前記移送路の下に沿って配置されたチェーン体に棒状の前記移送体を等間隔に立設すると共に、移送溝から上方に突出した前記移送体にて前記製品を移送する請求項1記載の個包装用移送装置。
【請求項3】
前記移送体は、前記製品が前記スライダーから前記移送路に移動している間に前記製品に当接するように構成した請求項1又は2記載の個包装用移送装置。
【請求項4】
前記個包装用移送装置を使用する移送方法であって、前記送り出しベルトで前記製品を個別に分離するタイミングと、前記移送体が個別の前記製品に当接するタイミングとを同期して移送することを特徴とする個包装用移送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、型崩れし易い製品を個包装する際に、不良品の発生を防止しながら移送する個包装用移送装置及び移送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製品を個別に包装する際に移送ベルトで製品を移送しながら包装機で個包装する。すなわち、複数の製品を載せた送込みベルトから移送ベルトに1個ごとに間隔を開けて製品を移動した後、この移送ベルトで製品を1個ごと移送しながら包装機で個包装するものである。
【0003】
一方、棒状菓子の包装方法が特許文献1に示されている。この包装方法によると、略V字状の保持溝(11)内に、包装紙(S)を断面略V字状に吸着保持し、この包装紙(S)内に棒状菓子(M)を投入した後、包装紙(S)の開放端縁部を巻きつけて包装する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2852612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の棒状菓子のように、特殊な形状物は特殊な形状に合わせた包装紙(S)が必要になるので、特殊な包装機が必要になっている。
【0006】
一方、飴や角砂糖のようなブロック状の製品などは、汎用性のある一般の包装機で個包装することができる。
【0007】
ところが、型崩れし易い食品や、衝撃に弱い製品を送込みベルトから移送ベルトに移動する際に、製品に型崩れ等が生じるおそれがあった。
【0008】
すなわち、個包装用の移送装置は、送込みベルトから移送ベルトにスライダーが設けられており、製品を移送ベルトに移動する際に、送込みベルトからスライダーに間隔を開けて送り込むことで、移送ベルト上に製品が任意の間隔で並ぶ構造を成している。
【0009】
この際、スライダーから移送ベルトに製品が到達したときの衝撃で、製品に型崩れや割れなどが生じるおそれがあった。特に、角砂糖や固形ブドウ糖のような型崩れし易い製品を個包装する場合、包装直前の移送ベルトに製品を移動する際に不良品が発生する割合が高くなっている。
【0010】
そこで本発明は上述の課題を解消すべく創出されたもので、型崩れし易い製品等を個包装する際に、不良品の発生を防止しながら移送することができる個包装用移送装置及び移送方法の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的を達成すべく本発明における第1の手段は、1列に並べた複数個の製品Pを個別に送り出す送り出しベルト10と、送り出しベルト10の終端部側で個別に送り出した製品Pを滑り落とすスライダー20と、スライダー20からの製品Pを受けて所定間隔で移送する移送ライン30と、移送ライン30で移送した製品Pを個包装する包装機40と、を備えた個包装用の移送装置であって、移送ライン30は、スライダー20から製品Pを受け取る位置から包装機40に至る位置まで延長された樋状の移送路31と、スライダー20の終端部側から移送路31に沿って移動し移送路31上の各製品Pに個別に当接して移送する複数の移送体32とを備え、送り出しベルト10で製品Pを送り出すタイミングと、移送体32が各製品Pに当接して移動するタイミングとを同期して移送することにある。
【0012】
第2の手段の前記移送ライン30は、前記移送路31の底部の長手方向に沿って移送溝31Aが形成され、移送路31の下に沿って配置されたチェーン体33に棒状の前記移送体32を等間隔に立設すると共に、移送溝31Aから上方に突出した前記移送体32にて前記製品Pを移送する。
【0013】
第3の手段の前記移送体32は、前記製品Pが前記スライダー20から前記移送路31に移動している間に前記製品Pに当接するように構成したものである。
【0014】
第4の手段は、前記個包装用移送装置を使用する移送方法であって、前記送り出しベルト10で前記製品Pを個別に分離するタイミングと、前記移送体32が個別の前記製品Pに当接するタイミングとを同期して移送することにある。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、型崩れし易い製品等を移送する際に、不良品の発生を防止しながら移送することができ、個包装の効率化を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の移送装置の一実施例を示す正面図である。
図2】本発明の移送体が製品を移送する状態を示す正面図である。
図3】本発明の移送体が製品に当接する状態を示す正面図である。
図4】本発明の移送装置の一実施例を示す要部平面図である。
図5】本発明で個包装した製品の一実施例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例を説明する。本発明は製品Pを個包装する際に使用する移送装置及び移送方法である。
【0018】
本発明装置は、送り出しベルト10、スライダー20、移送ライン30、包装機40にて構成される(図1参照)。
【0019】
送り出しベルト10はベルトコンベアにて構成され、製品Pを1列に並べて送り出す(図2参照)。図示の送り出しベルト10は、製品Pを1列に並べて移送し、送り込みベルト10の終端部から個別に送り出す。すなわち、製品Pを1個送り出すごとに送り込みベルト10を一時停止することで、各製品Pの送り出し間隔を開けるように構成している。
【0020】
スライダー20は、送り出しベルト10の終端部から移送ライン30上に至る傾斜した部材である。送り出しベルト10の終端部から個別に送り出された製品Pは、このスライダー20に沿ってスライド移動した後、移送ライン30上に移送される(図2参照)。
【0021】
移送ライン30は、スライダー20から受け取った製品Pを包装機40まで移送する機構であり、樋状の移送路31と棒状の移送体32とチェーン体33とを備えている(図2参照)。
【0022】
移送路31は、包装機40に至る樋状の部材で、この内側に沿って製品Pが移送される。この移送路31の底部には長手方向に沿って移送溝31Aが形成されており、この移送溝31Aに沿って複数の移送体32が連続して移動する(図4参照)。
【0023】
移送体32は、移送路31上の製品Pに個別に当接し、製品Pを押圧しながら包装機40方向に移送する部材である(図2参照)。図示例では、移送路31の下に配置されたチェーン体33に間隔を開けて棒状の移送体32を複数本立設し、チェーン体33の回転移動で移送体32が移送溝31Aに沿って移動する。
【0024】
スライダー20から移送ライン30上にスライド移動した個々の製品Pは、移送体32が押圧して包装機40に向けて移送する(図2参照)。
【0025】
移送体32が製品Pに当接して押圧するタイミングは、送り出しベルト10で製品Pを個別に送り出すタイミングと同期している。図示例では、送り出しベルト10の終端部近傍にセンサー11を設けると共に、移送路31の初端部近傍にセンサー34を設け、製品Pと移送体32の位置を検出してタイミングを同期するものである(図3参照)。
【0026】
すなわち、センサー11は送り込みベルト10上の最先端の製品Pの位置を確認して送り込みベルト10を停止する(図3参照)。一方、センサー34が移送体32の位置を確認すると、送り込みベルト10が同期して回転し製品Pを1個送り出す。その後、センサー34が感知した移送体32は、製品Pがスライダー20から移送ライン30に移動する間に当接し、チェーン体33の速度で製品Pを移送する。製品Pを送り出した送り込みベルト10は、センサー11の位置で次の製品Pが停止し、次の移送体32の同期に備える。
【0027】
このとき移送体32は、製品Pがスライダー20上から移送路31上にスライド移動している間に製品Pに当接するように構成する(図3参照)。すなわち、移送体32は、送り込みベルト10から送り出された製品Pが移送路31上で停止する前に、移送方向に沿って製品Pに当接することで、移送体32が製品Pに与える衝撃を極力小さくするものである。したがって、製品Pのスライド移動速度と、移送体32の移送速度とが同じ速度で当接するタイミングが最適になる。
【0028】
包装機40は、移送ライン30で移送した製品Pを個装する装置で、市販の包装機40が使用される(図1参照)。図示例では、筒状の包装袋Q内にブロック形状の製品Pを収納した後、包装袋Qの開口両端部を溶着して個包装する(図5参照)。
【0029】
本発明移送方法は、送り出しベルト10で製品Pを個別に分離するタイミングと、移送体32が個別の製品Pに当接移動するタイミングとを同期するものである。更にこの同期と共に、製品Pが移送路31上に移動している間に移送体32が製品Pに当接して移送することで、製品Pに与えるダメージを極力少なくすることができる。
【0030】
尚、本発明の各部の形状やサイズ、製品等は実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において自由に変更できるものである。
【符号の説明】
【0031】
P 製品
Q 包装袋
10 送込みベルト
11 センサー
20 スライダー
30 移送ライン
31 移送路
31A 移送溝
32 移送体
33 チェーン体
34 センサー
40 包装機

図1
図2
図3
図4
図5