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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063828
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】軌陸車用転車装置
(51)【国際特許分類】
   B60F 1/04 20060101AFI20240507BHJP
   B61D 15/00 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
B60F1/04
B61D15/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171939
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000116644
【氏名又は名称】株式会社アイチコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
(74)【代理人】
【識別番号】100157417
【弁理士】
【氏名又は名称】並木 敏章
(74)【代理人】
【識別番号】100218095
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(72)【発明者】
【氏名】角田 忍
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 明夫
(72)【発明者】
【氏名】内田 智則
(72)【発明者】
【氏名】川島 延之
(72)【発明者】
【氏名】太田 満
(72)【発明者】
【氏名】須藤 俊
(72)【発明者】
【氏名】内海 祐希
(57)【要約】
【課題】 踏切内での載線作業に際して、軌道に対する軌陸車の転車用停止位置を所望の位置に簡単に合わせることができるようにする。
【解決手段】 軌陸車用転車装置が、下方に伸縮可能な転車用ジャッキと、転車用ジャッキの下端部に設けられた上板と、上板の下に上下軸O回りに回転自在に設けられた下板135と、左右の路面検出器100L、100Rを備えて車体の左右それぞれにおける前後方向の路面の形状を検出する路面検出器と、路面検出器の検出結果に基づいて載線作業を行うための転車用停止位置を求める停止位置設定部とを有する。路面検出器は、走行方向の路面の形状を検出して踏切50内を横切って延びるレール61の内側に沿って設けられる一対の凹部の位置を検出する。そして、停止位置設定部は、路面検出器により検出された凹部の位置に基づいて、踏切50内で前記軌陸車を停止させるべき転車用停止位置を求める。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路走行用車輪および軌道走行用車輪を有して道路および軌道を走行可能な軌陸車を載線・退線させるための軌陸車用転車装置であって、
前記軌陸車の車体に設けられて前記車体の下方に向かって上下方向に伸縮可能な転車用ジャッキと、前記転車用ジャッキの下端部に設けられた回転板支持部材と、前記回転板支持部材の下部に上下軸回りに回転自在に設けられた接地用回転板と、前記車体の左右それぞれにおける前後方向の路面の形状を検出する路面検出器と、前記路面検出器の検出結果に基づいて載線作業を行うための転車用停止位置を求める停止位置設定部と、を有して構成され、
前記路面検出器は、前記軌陸車を道路走行状態で踏切内に走行移動させるときに、前記車体の左右それぞれにおける走行方向の路面の形状を検出して前記踏切内を横切って延びる軌道を構成する一対のレールの内側に沿って設けられる一対の凹部の位置を左右それぞれにおいて検出し、
前記停止位置設定部は、前記路面検出器により検出された前記車体の左右それぞれにおける前記一対の凹部の位置に基づいて、前記転車用停止位置を求めることを特徴とする軌陸車用転車装置。
【請求項2】
前記停止位置設定部は、前記路面検出器により検出された前記車体の左側における一対の凹部の位置と、前記路面検出器により検出された前記車体の右側における一対の凹部の位置とに基づき、これら左右それぞれの一対の凹部の中央位置を求め、この中央位置に対して前記転車用停止位置を求めることを特徴とする請求項1に記載の軌陸車用転車装置。
【請求項3】
前記停止位置設定部は、前記中央位置が前記接地用回転板の回転中心である前記上下軸と一致する位置を前記転車用停止位置として設定することを特徴とする請求項2に記載の軌陸車用転車装置。
【請求項4】
前記停止位置設定部により求められた前記転車用停止位置に前記軌陸車を走行移動させるガイドを行うガイド装置を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の軌陸車用転車装置。
【請求項5】
前記ガイド装置は、前記軌陸車が前記踏切内を走行移動するときに、前記軌陸車の位置と前記転車用停止位置との距離を音もしくは光により報知する報知装置を有することを特徴とする請求項4に記載の軌陸車用転車装置。
【請求項6】
前記ガイド装置は、前記軌陸車が前記踏切内を走行移動するときに、前記軌陸車の位置と前記転車用停止位置との位置関係を画像表示により示す表示装置を有することを特徴とする請求項4に記載の軌陸車用転車装置。
【請求項7】
前記ガイド装置は、前記軌陸車が前記踏切内を走行移動するときに、前記軌陸車が前記転車用停止位置に移動したときに停車させる自動停車装置を有することを特徴とする請求項4に記載の軌陸車用転車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路及び鉄道の軌道上を走行可能な軌陸車に用いられる軌陸車用転車装置に関する。本発明は特に、軌陸車を踏切内において軌道上に位置させる載線作業を容易にする機能を有した軌陸車用転車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
軌陸車は、道路走行用車輪(以下、タイヤ車輪とも称する)によって道路走行自在に構成された車体の前後左右に、各々張出/格納自在な軌道走行用車輪(以下、鉄輪とも称する)を設け、この鉄輪を張り出した状態で鉄道の軌道(レール)上を走行可能な軌道走行装置を有し、軌道上でトロリ線などの鉄道設備の工事・点検を行う際に広く用いられている。また軌陸車は、通常、道路上(例えば踏切)から軌道上へ車体を載せ、又は、車体を軌道上から踏切内の道路上へ降ろす作業を容易にするための載退線装置を備えている。ここで、車体を軌道上へ載せることを「載線」といい、車体を軌道上から降ろすことを「退線」という。
【0003】
従来、載退線装置の一種として転車台を備えた転車装置が知られている。転車台は、軌陸車の車体の下部に下方に伸縮自在に設けられており、軌陸車の載線作業又は退線作業を行う際は、例えば踏み切り内において転車台を下方へ張り出して車体を地上から浮上させ、車体を水平方向へ旋回可能に支持する。この状態から、載線作業を行う場合は、作業者が車体を押して車体の向きを軌道の敷設方向へ転換させ、鉄輪を張り出した後に転車台を上方に収縮させて鉄輪を軌道(レール)上に載置させて車体を軌道上に載せる。
【0004】
載線作業に際しては、軌陸車を道路走行状態(鉄輪を車体に格納し、タイヤ車輪による走行を行う状態)として踏切があるところまで走行し、踏切内で車体が軌道を跨ぐ位置まで移動させた後、上述したように転車台を張り出して車体を持ち上げて水平旋回させ、鉄輪を張り出してこれを軌道上に載せる作業を行う。この場合、車体が軌道を跨ぐ位置に移動させるときに、鉄輪を軌道の真上に位置させるには軌道を形成する左右のレールの中央に転車台の回転中心を正確に合わせる必要があり、この位置合わせが難しいという問題があった。このようなことから、例えば、特許文献1には、この位置合わせを容易に行うことができるようにする装置を有した軌陸車が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-81459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1において提案されている装置は、転車台の下部に、複数のセンサを、旋回中心を中心とする円周上に等間隔で配置し、このセンサでレールに対する車両の位置を検出する構成である。この装置では、複数のセンサを配置するため配線が複雑化するという問題や、センサの取付位置が転車台下部であるため、センサの取り付け作業、交換作業がやりづらいという問題がある。また、各センサはレールを検出するものであるが、踏切内においては、道路面がレールの上面と同一高さとなるように道路が形成されており、センサによるレールの検出が難しいという問題もある。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、軌陸車を道路走行して踏切内に移動して載線作業を行うときに、軌道を形成する左右のレールに対する軌陸車の転車用停止位置を所望の位置に簡単に合わせることができる機能を有した軌陸車用転車装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る軌陸車用転車装置は、道路走行用車輪(例えば、実施形態における操舵輪3Sおよび駆動輪3D)および軌道走行用車輪(例えば、実施形態における前鉄輪12Fおよび後鉄輪12R)を有して道路および軌道を走行可能な軌陸車を載線・退線させるための軌陸車用転車装置(例えば、実施形態における転車装置110)であって、前記軌陸車の車体に設けられて前記車体の下方に向かって上下方向に伸縮可能な転車用ジャッキと、前記転車用ジャッキの下端部に設けられた回転板支持部材(例えば、実施形態における回転支持テーブル130を構成する上板131)と、前記回転板支持部材の下部に上下軸回りに回転自在に設けられた接地用回転板(例えば、実施形態における回転支持テーブル130を構成する下板135)と、前記車体の左右それそれにおける前後方向の路面の形状を検出する路面検出器(例えば、実施形態における左右の路面検出器100L、100Rおよび路面検出部81)と、前記路面検出器の検出結果に基づいて載線作業を行うための転車用停止位置を求める停止位置設定部(例えば、実施形態における停止位置設定部82)と、を有して構成される。そして、前記路面検出器は、前記軌陸車を道路走行状態で踏切内に走行移動させるときに、前記車体の左右それぞれにおける走行方向の路面の形状を検出して前記踏切内を横切って延びる軌道を構成する一対のレールの内側に沿って設けられる一対の凹部の位置を左右それぞれにおいて検出し、前記停止位置設定部は、前記路面検出器により検出された前記車体の左右それぞれにおける前記一対の凹部の位置に基づいて、前記転車用停止位置を求める。
【0009】
前記軌陸車用転車装置において、前記停止位置設定部は、前記路面検出器により検出された前記車体の左側における一対の凹部の位置と、前記路面検出器により検出された前記車体の右側における一対の凹部の位置とに基づき、これら左右それぞれ一対の凹部の中央位置(例えば、実施形態における図9に示す点Cや、図12に示す交点P3)を求め、この中央位置に対して前記転車用停止位置を求めるのが好ましい。
【0010】
さらに、前記停止位置設定部において、前記中央位置が前記接地用回転板の回転中心である前記上下軸と一致する位置を前記転車用停止位置として設定するのが好ましい。
【0011】
さらに、前記停止位置設定部において、前記停止位置設定部により求められた前記転車用停止位置に前記軌陸車を走行移動させるガイドを行うガイド装置を備えるのが好ましい。
【0012】
さらに、前記軌陸車用転車装置において、前記ガイド装置は、前記軌陸車が前記踏切内を走行移動するときに、前記軌陸車の位置と前記転車用停止位置との距離を音もしくは光による報知で示す報知装置を有するのが好ましい。
【0013】
さらに、前記軌陸車用転車装置において、前記ガイド装置は、前記軌陸車が前記踏切内を走行移動するときに、前記軌陸車の位置と前記転車用停止位置との位置関係を画像表示により示すのが好ましい。
【0014】
さらに、前記軌陸車用転車装置において、前記ガイド装置は、前記軌陸車が前記踏切内を走行移動するときに、前記軌陸車が前記転車用停止位置に移動したときに停車させる自動停車装置を有するのが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る軌陸車用転車装置は、上述のとおり、前記転車用ジャッキと、前記回転板支持部材と、前記接地用回転板と、前記路面検出器と、前記停止位置設定部とを有し、前記路面検出器は、前記軌陸車を道路走行状態で踏切内に走行移動させるときに、前記車体の左右における走行方向の路面の形状を検出して前記踏切内を横切って延びる軌道を構成する一対のレールの内側に沿って設けられる一対の凹部の位置を検出し、前記停止位置設定部は、前記路面検出器により検出された前記車体の左右それぞれにおける前記凹部の位置に基づいて、前記踏切内で前記軌陸車を停止させる転車用停止位置を求めるので、載線作業に際して踏切内での停車すべき位置を容易に求めることができる。
【0016】
ところで、踏切内においては、路面がレールの上面と同一高さとなるように形成されており、レールと路面とを識別するのが難しい。本発明では、軌道を走行する電車の鉄輪のフランジを通過させるために、軌道を構成する一対のレールの内側に沿ってそれぞれ凹部が形成されているという点に注目し、前記路面検出器によりこの凹部を検出するようにしている。このため、レール位置を容易且つ正確に検出でき、前記軌陸車を停止させる前記転車用停止位置も容易且つ正確に求めることができる。
【0017】
なお、前記車体の右側の前記路面検出器により検出された右側の一対の凹部の位置と、前記車体の左側の前記路面検出器により検出された左側の一対の凹部の位置とに基づき、これら左右一対の凹部の中央位置を求め、この中央位置に対して前記転車用停止位置を求めるのが好ましい。これにより、前記転車用停止位置を正確且つ確実に求めることが可能となる。
【0018】
この場合に、前記中央位置が前記接地用回転板の回転中心である前記上下軸と一致する位置を前記転車用停止位置として設定するように構成するのが好ましい。一般的に、軌道走行用車輪(鉄輪)は、転車装置において接地用回転板の回転中心に対して左右対称に位置して設けられるものであるためである。なお、軌道走行用車輪(鉄輪)が接地用回転板の回転中心に対して左右非対称に設けられる構成のときには、この左右非対称となることを勘案して転車用停止位置を設定する必要がある。
【0019】
さらに、上記軌陸車用転車装置において、上記のように設定した前記転車用停止位置に前記軌陸車を走行移動させるガイド装置を備えるのが好ましい。このガイド装置を設けることにより、踏切内において載線作業を行うときに、ガイド装置によるガイドを利用して、軌陸車を所望の転車用停止位置に容易に移動させることができる。
【0020】
さらに、上記軌陸車用転車装置において、前記ガイド装置は、前記軌陸車が前記踏切内を走行するときに、前記軌陸車の位置と前記転車用停止位置との距離を音もしくは光による報知で示す報知装置を有するのが好ましい。これにより、軌陸車が転車用停止位置まで走行するときに、報知装置の報知を用いて軌陸車を転車用停止位置まで容易に移動させることができる。
【0021】
さらに、上記軌陸車用転車装置において、前記ガイド装置は、前記軌陸車が前記踏切内を走行移動するときに、前記軌陸車の位置と前記転車用停止位置との位置関係を画像装置に画像表示により示すのが好ましい。これにより、軌陸車を走行させて転車用停止位置まで誘導するときに、画像装置を見ながら転車用停止位置まで容易に移動させることができる。
【0022】
さらに、上記軌陸車用転車装置において、前記ガイド装置は、前記軌陸車が前記踏切内を走行するときに、前記軌陸車が前記転車用停止位置に移動したときに停車させる自動停車装置を有するのが好ましい。これにより、軌陸車を走行させて転車用停止位置まで誘導するときに、軌陸車を踏切内で走行させるだけで、自動停車装置が軌陸車を転車用停止位置で自動停止させるので、位置設定を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係る軌陸車用転車装置が設けられた軌陸車の外観を示す側面図である。
図2】上記軌陸車用転車装置の下部の概要構成を拡大して示す平面断面図である。
図3】上記軌陸車用転車装置を用いて道路走行と軌道走行とを切り替える作業(載線作業および退線作業)を行う制御システムの構成を示すブロック図である。
図4】踏切内に上記軌陸車が進入する状態を示す平面図、および、上記軌陸車に設けられた左右の路面検出器により検出される信号と上記軌陸車の位置との関係を示すグラフである。
図5】踏切内のレール配置部構成を示す断面図である。
図6】上記踏切内において軌道上を電車などが走行するときに鉄輪がレール上に載った状態を示す断面図である。
図7】上記踏切内に上記軌陸車が図4の位置からさらに進入した状態を示す平面図、および、この進入状態における上記軌陸車に設けられた左右の路面検出器により検出される信号と上記軌陸車の位置との関係を示すグラフである。
図8】上記踏切内に上記軌陸車が軌道の中央まで進入した状態を示す平面図、および、この進入状態における上記軌陸車に設けられた左右の路面検出器により検出される信号と上記軌陸車の位置との関係を示すグラフである。
図9】上記踏切内に上記軌陸車が進入するときの進入位置と、上記軌陸車に設けられた左右の路面検出器により検出される信号との関係を示すグラフである。
図10】軌道が道路に対して斜めに横切る踏切内に上記軌陸車が進入する状態を示す平面図、および、上記軌陸車に設けられた左右の路面検出器により検出される信号と上記軌陸車の位置との関係を示すグラフである。
図11】軌道が道路に対して斜めに横切る上記踏切内に上記軌陸車が軌道の中央まで進入した状態を示す平面図、および、この進入状態における上記軌陸車に設けられた左右の路面検出器により検出される信号と上記軌陸車の位置との関係を示すグラフである。
図12】軌道が道路に対して斜めに横切る上記踏切内に上記軌陸車が進入するときの進入位置と、上記軌陸車に設けられた左右の路面検出器により検出される信号との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。本発明に係る軌陸車用転車装置が設けられた軌陸作業車1の側面図を図1に示す。図1において軌陸作業車1は、前部に運転キャビン4を設けた車体2を有し、車体2の前部に配設された左右一対のタイヤ車輪である操舵輪3Sと、車体2の後部に配設された左右一対のタイヤ車輪である駆動輪3Dとからなる道路走行用車輪によって道路上を走行可能なトラック車両をベースに構成されている。車体2は、シャシフレーム5とシャシフレーム5上に取り付けられたサブフレーム6とからなる車体フレームを有して構成されている。ここで、図1では車体2の左側の操舵輪3S及び駆動輪3Dのみを図示しているが、車体2の右側にも同様の操舵輪3S及び駆動輪3Dが設けられている。
【0025】
車体2における操舵輪3Sの後方および駆動輪3Dの後方には、作業用ジャッキ15が設けられている。作業用ジャッキ15は、車体フレームに固定保持される上部ジャッキ体15aと、上部ジャッキ体15a内に下方に移動自在に配設された下部ジャッキ体15bと、その内部に上部ジャッキ体15aと下部ジャッキ体15bを繋いで設けられたジャッキシリンダ16を有して構成される。このジャッキシリンダ16が伸縮移動することによって、上部ジャッキ体15aに対して下部ジャッキ体15bが下方に向けて移動されるようになっている。作業用ジャッキ15は、主に軌陸作業車1が作業する際に使用されるものであり、ジャッキシリンダ16の伸縮作動により下部ジャッキ体15bが下方に向けて移動することで車体2を持ち上げ支持し、それにより車体2全体を安定支持させた状態とする。操舵輪3Sの後方の作業用ジャッキ15の後部側には、車体フレームに対して上下揺動自在に支持された前鉄輪12Fと、前鉄輪12Fを格納位置(図中、二点鎖線で示す位置)と張出位置(図中、実線で示す位置)との間で上下揺動作動させるための前鉄輪揺動シリンダ13Fとが設けられている。また、駆動輪3Dの後方の作業用ジャッキ15の後部側には、車体フレームに対して上下揺動自在に支持された後鉄輪12Rと、後鉄輪12Rを格納位置(図中、二点鎖線で示す位置)と張出位置(図中、実線で示す位置)との間で上下揺動作動させるための後鉄輪揺動シリンダ13Rとが設けられている。
【0026】
ここで、上述した格納位置とは、軌陸作業車1が操舵輪3S及び駆動輪3Dによって道路などを走行する際に、前鉄輪12F及び後鉄輪12Rを、走行路面より上側となる所定の高さまで上昇させた位置(図1において二点鎖線で示す前鉄輪12F及び後鉄輪12Rの位置)をいう。また、上述した張出位置とは、図1において実線で示すように、前鉄輪12F及び後鉄輪12Rが軌道上に位置し、操舵輪3Sおよび駆動輪3Dが軌道Rから離れて上方に位置し、前鉄輪12F及び後鉄輪12Rにより軌道Rの上を走行可能となる位置まで、前鉄輪12F及び後鉄輪12Rを張り出した位置をいう。
【0027】
なお、図1では車体2の左側の前鉄輪12F及び後鉄輪12Rのみを図示しているが、車体2の右側にも同様の前鉄輪12F及び後鉄輪12Rが設けられている。また、作業用ジャッキ15、前鉄輪揺動シリンダ13F及び後鉄輪揺動シリンダ13Rについては、車体2の左側に設けられたもののみを図示しているが、車体2の右側にも同様の作業用ジャッキ15、前鉄輪揺動シリンダ13F及び後鉄輪揺動シリンダ13Rが設けられている。
【0028】
前鉄輪揺動シリンダ13Fおよび後鉄輪揺動シリンダ13Rを伸縮作動させて、前鉄輪12Fおよび後鉄輪12Rを格納位置と張出位置との間で上下揺動作動させる作動の制御は、作業者が鉄輪揺動操作装置72(図3参照)を操作して行われる。鉄輪揺動操作装置72は、車体2の後端位置や側端位置における作業者が操作しやすい位置に設けられており、作業者が鉄輪揺動操作装置72を操作して、前鉄輪揺動シリンダ13Fおよび後鉄輪揺動シリンダ13Rを伸縮作動させ、前鉄輪12Fおよび後鉄輪12Rを格納位置と張出位置との間で上下揺動作動させるようになっている。
【0029】
この作動制御を行うシステムは図3のように構成される。図3に示すように、鉄輪揺動操作装置72からの操作信号はコントローラ80に入力され、コントローラ80により鉄輪制御装置86の作動が制御される。鉄輪制御装置86は、例えば、エンジンもしくは電気モータにより駆動される油圧ポンプ、この油圧ポンプから吐出される作動油を前鉄輪揺動シリンダ13Fおよび後鉄輪揺動シリンダ13Rへ供給する制御を行う油圧制御バルブなどから構成される。コントローラ80は鉄輪制御装置86の油圧制御バルブの作動制御を行い、鉄輪揺動操作装置72の操作に応じて前鉄輪揺動シリンダ13Fおよび後鉄輪揺動シリンダ13Rへの作動油供給制御を行う。この結果、作業者が鉄輪揺動操作装置72を操作すると、その操作に応じて前鉄輪揺動シリンダ13Fおよび後鉄輪揺動シリンダ13Rを伸縮作動させ、前鉄輪12Fおよび後鉄輪12Rを格納位置と張出位置との間で上下揺動作動させることができる。
【0030】
車体2の中央下部には転車装置110が設けられている。転車装置110は、図1にも示すように、車体2の下部に設けられ下方に向かって伸縮可能な転車用ジャッキ120と、転車用ジャッキ120の下端部に設けられた回転支持テーブル(転車台)130とを有して構成されている。転車用ジャッキ120は、前後方向に互いにずれて左右方向(車幅方向)に互いに離間して並んで配置された2個の伸縮ポスト(左伸縮ポスト121Lおよび右伸縮ポスト121R)を有している。左伸縮ポスト121Lは、その内部に設けられた転車台伸縮シリンダ122Lの伸縮作動により、下方に向けて上下方向に伸縮作動可能に構成されている。同様に、右伸縮ポスト121Rは、その内部に設けられた転車台伸縮シリンダ122Rの伸縮作動により、下方に向けて上下方向に伸縮作動可能に構成されている。なお、左伸縮ポスト121Lの伸縮作動量と右伸縮ポスト121R伸縮作動量は、互いに同じとなるように調整することも可能であり互いに異なるように調整することも可能である。転車用ジャッキ120は、2個の伸縮ポスト121L,121Rが上下方向に伸縮作動することにより車体の下方に向けて上下方向に伸縮作動可能に構成されている。
【0031】
伸縮ポスト121L,121Rを上下方向に伸縮作動させる作動の制御は、作業者が転車操作装置71(図3参照)を操作して行われる。転車操作装置71は、車体2の後端位置や側端位置における作業者が操作しやすい位置に設けられており、作業者が転車操作装置71を操作して、左右転車台伸縮シリンダ122L、122Rを伸縮作動させて左右伸縮ポスト121L,121Rを上下方向に伸縮作動させ、転車用ジャッキ120を下方に向かって伸縮作動させ、転車用ジャッキ120の下端部に設けられた回転支持テーブル(転車台)130を上下動させるようになっている。
【0032】
この作動制御を行うシステムは、図3に示すように構成されている。このシステムにおいて、転車操作装置71からの操作信号がコントローラ80に入力され、コントローラ80により転車台制御装置85の作動が制御される。転車台制御装置85は、例えば、エンジンもしくは電気モータにより駆動される油圧ポンプ、この油圧ポンプから吐出される作動油を左右転車台伸縮シリンダ122L、122Rへ供給する制御を行う油圧制御バルブなどから構成される。コントローラ80は転車台制御装置85の油圧制御バルブの作動制御を行い、転車操作装置71の操作に応じて左右転車台伸縮シリンダ122L、122Rへの作動油供給制御を行う。この結果、作業者が転車操作装置71を操作すると、その操作に応じて左右転車台伸縮シリンダ122L、122Rを伸縮作動させ、転車用ジャッキ120を下方に向かって伸縮作動させ、転車用ジャッキ120の下端部に設けられた回転支持テーブル(転車台)130を上下動させることができる。
【0033】
回転支持テーブル130は、転車用ジャッキ120の下端部において2個の伸縮ポスト121L,121Rの各下端部を繋ぐように水平に設けられた上板131と、上板131の下部に上下に延びる回転中心軸Oの回りに回転自在に水平に設けられた下板135とを有して構成されている。図2に示すように、上板131の側部に回転駆動モータ132が設けられており、この回転駆動モータ132から下方に突出する駆動軸にピニオンギヤ(図示せず)が取り付けられている。一方、下板135の上面に大径の回転ギヤ136が取り付けられており、その外周面に被動ギヤ歯136aが形成されている。この被動ギヤ歯136aには、回転駆動モータ132の駆動軸に取り付けられたピニオンギヤが噛合している。このため、回転駆動モータ132によりピニオンギヤを回転駆動するとこれと噛合する被動ギヤ歯136aを介して回転ギヤ136に回転駆動力を伝えて、被動ギヤ136aが取り付けられた下板135を上板131に対して回転させることができる。
【0034】
転車装置110において、転車用ジャッキ120を下方に伸長させて回転支持テーブル130の下板135を接地させて車体2を地面から持ち上げ支持することが可能である。そして、このように持ち上げ支持した状態で、下板135に対して上板131および転車用ジャッキ120を回転させることによって、車体2の方向転換を行い、載線作業・退線作業を行うことが可能である。この方向転換は、転車装置110により車体2を持ち上げ支持した状態で、作業者が車体を押して下板135に対して上板131および転車用ジャッキ120を回転させて行う。なお、回転駆動モータ132により下板135に対して上板131を回転させて行うようにすることも可能である。
【0035】
転車装置110は、車体2の中央下部に位置して設けられているが、上板131に対する下板135の回転中心となる上下に延びる回転中心軸Oが車体2の幅方向中央に位置するようになっている。さらに、左右一対の前鉄輪12F、12Fは車体幅方向において左右対称に位置して設けられており、左右一対の後鉄輪12R、12Rも車体幅方向において左右対称に位置して設けられている。すなわち、図4に示すように、回転中心軸Oを通って前後に延びる前後軸A1に対して、左右一対の前鉄輪12F、12Fおよび左右一対の後鉄輪12R、12Rがそれぞれ左右対称に位置して設けられている。また、左右一対の前鉄輪12F、12Fを繋ぐ前鉄輪軸A3および左右一対の後鉄輪12R、12Rを繋ぐ後鉄輪軸A4は、回転中心軸Oを通って幅方向に延びる左右軸A2と平行で、前後軸A1に対して直角である。
【0036】
転車装置110においては、上述のように、転車用ジャッキ120を下方に伸長させて回転支持テーブル130を下方に張り出して車体支持を行って載線作業、退線作業を行うが、道路走行時および軌道走行時には転車用ジャッキ120を上方に縮小して回転支持テーブル130を上方に移動させて格納保持する。このように格納保持するときには、図4に示すように、下板135をその長手方向が左右方向(左右軸A2の方向)に延び、短手方向が前後方向(前後軸A1の方向)に延びる回転位置で保持する。
【0037】
車体2(サブフレーム6)の車体前後方向の中間における左右側端部に少なくとも各1個の路面検出器100(左路面検出器100Lおよび右路面検出器100R)が設けられている。路面検出器100は、車体2の左右側端部における前後方向の路面形状を検出するためもので、例えば、Lidar(ライダー)よりなり、光、赤外線などを前後に揺動させるようにスキャンするように照射して路面からの反射光を受光する時間を計測する。このように計測した情報はコントローラ80の路面検出部81に送られ、ここで路面形状を求める。すなわち、路面検出器100および路面検出部81により、車体2の左右側端における路面検出器100を設けた位置を通って前後に延びる線に沿った路面形状(路面の凹凸形状)を計測検出する。なお、図1には示していないが、路面検出器100を作動させる作動開始スイッチ73(図3参照)が、車体2の運転キャビン4内や、後端位置、側端位置における作業者が操作しやすい位置に設けられており、作業者が作動開始スイッチ73をオン操作して上記の路面形状の計測検出が行うようになっている。
【0038】
運転キャビン4の後方にある架装領域の前部(サブフレーム6の前部)には、旋回モータ21により駆動されて水平旋回可能に構成された旋回台20が設けられている。この旋回台20から上方に延びた支柱22には、フートピン23を軸としてブーム30が上下方向に揺動自在(起伏自在)に取り付けられている。ブーム30は、フートピン23により支柱22に起伏自在に取り付けられた基端ブーム30aと、中間ブーム30bと、先端ブーム30cとが入れ子式に組み合わされて構成されている。ブーム30の内部にはブーム伸縮シリンダ31が設けられており、このブーム伸縮シリンダ31の伸縮作動によりブーム30を長手方向に伸縮作動させることができるように構成されている。基端ブーム30aと支柱22の間にはブーム起伏シリンダ32が跨設されており、このブーム起伏シリンダ32の伸縮作動によりブーム30を上下面内において起伏作動させることができるように構成されている。
【0039】
先端ブーム30cの先端部には、作業台支持ブラケット35がブーム30の起伏面内において揺動可能に取り付けられている。作業台支持ブラケット35は、内部に設けられたレベリングシリンダ36の伸縮作動によりブーム30の起伏角度によらず作業台支持ブラケット35の上面が常時水平に保持されるように構成されている。なお、レベリングシリンダ36の伸縮作動は、作業台40の傾斜角度を検出する傾斜角センサ(図示略)の検出値に応じて制御される。そして、この作業台支持ブラケット35の上面に作業台40が水平旋回自在に取り付けられている。作業台支持ブラケット35の内部には首振りモータ41が設けられており、この首振りモータ41を駆動させることにより作業台40を作業台支持ブラケット35に対して水平旋回(首振り作動)させることができるように構成されている。上記のように作業台支持ブラケット35の上面は常時水平に保持されるため、作業台40の床面もブーム30の起伏角度によらず水平に保持されるようになっている。作業台40には、旋回モータ21、ブーム伸縮シリンダ31、ブーム起伏シリンダ32、首振りモータ41などの各種油圧アクチュエータの作動を操作するための操作装置などを有する作業台操作ボックス42が設けられている。
【0040】
以上のように構成した軌陸作業車1は、前鉄輪12F及び後鉄輪12Rを格納し、操舵輪3S及び駆動輪3Dによって道路などを走行することが可能であるとともに、前鉄輪12F及び後鉄輪12Rを張り出し、軌道上を走行することも可能である。このように、道路走行と軌道走行とを切り替えるために、上述の転車装置110を備えている。この転車装置110を用いて道路走行と軌道走行とを切り替える作業(載線作業および退線作業)を行う制御システムの構成について、図3を参照して、以下に説明する。
【0041】
この制御システムは、前述のように転車操作装置71、鉄輪揺動操作装置72および作動開始スイッチ73からの操作信号を受け、さらに左右の路面検出器100L、100Rからの検出信号を受けるコントローラ80を備える。コントローラ80は、作動開始スイッチ73からの操作信号を受けたときに、左右の路面検出器100L、100Rからの検出信号に基づいて、軌陸作業車1の進行方向における踏切内における路面形状を検出する路面検出部81と、路面検出部81により検出した路面形状に基づいて踏切内において載線作業および退線作業を行うに適した自車の転車用停止位置を求める停止位置設定部82とを備える。コントローラ80には、モニター表示画面を備えた表示ガイド装置91と、ブザー、ランプなどによる停止ガイドを行う音・光ガイド装置92と、軌陸作業車1を所定の転車用停止位置で自動停止させる制動を行う自動停止制御装置95とが繋がる。コントローラ80により、これら表示ガイド装置91、音・光ガイド装置92および自動停止制御装置95の制御が行われる。
【0042】
コントローラ80は、左右の路面検出器100L、100Rの検出原点(前方検出領域と後方検出領域の中心位置)を結ぶ線に対する転車台110の転車中心位置までの距離(位置)を記憶する記憶部83aを備える。後述する具体的な実施例では、左右の路面検出器100L、100Rの検出原点を結ぶ線上に転車中心位置が位置している。コントローラ80には、左右の路面検出器100L、100Rからの検出信号が入力され、この検出結果より、手前のレール61の内側の溝65と奥側のレールの内側の溝65との中間点の位置を左右それぞれ演算して求め、求めた中間点を結ぶ線を演算する演算部83bを備える。コントローラ80の演算部83bは、演算により求めた中間点を結ぶ線と記憶部83aに記憶した転車中心位置との間の距離を更に演算により求め、この求めた演算結果に応じた信号を出力する。
【0043】
コントローラ80は、演算部83bより出力される信号に応じて、表示ガイド装置91の表示態様、および音・光ガイド装置92の報知態様を変化させる報知制御部84aを備える。例えば、音で表示する場合は、求めた距離の一定間隔毎に鳴動間隔を変化させ、左右の手前側と奥側のレール61の内側の溝65の中間点を結ぶ線と記憶部83aに記憶している転車中心位置とが一致したと判定したときに、連続した鳴動となるようになっている。コントローラ80は、コントローラ80の演算部83bが、左右の手前側と奥側のレール61の内側の溝65の中間点を結ぶ線と記憶部83aに記憶している転車中心位置とが一致したと判定したときに、軌陸車1の走行を停止させる停止制御部84bを備えている。なお、報知制御部84aと停止制御部84bは1つの制御部としても良い。
【0044】
次に、図3の装置システムを用いて行う道路走行と軌道走行とを切り替える作業(載線作業および退線作業)について概略を説明する。なお、より具体的な例に基づく説明を後述する。
【0045】
初めに、作動開始スイッチ73を操作して、左右の路面検出器100L、100Rによる路面検出を開始させ、左右の路面検出器100L、100Rにより、車体2の左右における前方と後方の路面にレーザを照射して、軌陸作業車1を載線する踏切におけるレール61の内側の溝65を検出する。
【0046】
次に、路面検出器100L、100Rにより出力される検出結果により、手前のレール61の溝65と奥側のレール61の溝65を検出したときに、コントローラ80の演算部83bが、手前のレール61と奥側のレール61の溝の中間点の位置を演算し、左右の中間点を結ぶ線を演算により求める。
【0047】
そして、コントローラ80の演算部83bが、求めた中間点を結ぶ線と、記憶部83aに記憶した転車中心位置との間の距離を演算により求め、求めた距離を報知制御部84aに出力する。
【0048】
報知制御部84aは、演算部83bより入力される距離に応じて、入力される距離が所定間隔毎に表示ガイド装置91の表示態様、音・光ガイド装置92による音の鳴動態様、光の表示態様を変化させる。
【0049】
また、停止制御部84bは、演算部83bより入力される信号により、左右の手前側と奥側のレール61の内側の溝65の中間点を結ぶ線と記憶部83aに記憶している転車中心位置とが一致したと判定したときに、軌陸作業車1の走行を停止させる。
【0050】
そして、軌陸作業車1が停止した後、転車操作装置71の操作により転車台(回転支持テーブル130)を下方に伸長作動させ、軌陸作業車1をレール61の沿線方向と一致するように転車した後、鉄輪揺動操作装置72の操作により前後の鉄輪12F、12Rを下方へ揺動させ、レール61上に鉄輪12F、12Rを載線する。
【0051】
次に、図3の装置システムを用いて行う道路走行と軌道走行とを切り替える作業(載線作業および退線作業)についてより具体的な例を用いて詳しく説明する。この切り替え作業は、軌陸作業車1を踏切内に移動させて行うのであるが、まず、踏切の構造例について、図4図6を参照して説明する。図4に踏切50内の道路および軌道を平面視で示しており、この踏切50においては、左右一対のレール61、61を有した軌道Rが道路51を直角に横切って延びている。踏切内を車両が走行するときに、レール61が走行の妨げとならないようにするために、図5図4の矢印IV-IVに沿った断面を示す図)に示すように、左右のレール61、61の外側の道路51の上面がレール61の上面と一致し、レール61、61の間の道路55の上面もレール61の上面と一致するように、道路の路面が形成される。
【0052】
さらに図5に示すように、外側の道路51の先端に保護部材52を取り付け、道路51とレール61との隙間を小さくして、踏切内をスムーズに車両が走行できるようにしている。但し、図6に示すように、レール61上を回転走行する鉄輪12は、走行輪部12aの内輪側に外周側に突出するフランジ12bが形成されており、このフランジ部12bを通過させるために、左右のレール61、61の内側には、レールに沿って延びる断面凹状の溝65が形成されている。このような踏切内の道路および軌道構成は、踏切において一般的に用いられている。
【0053】
次に、軌陸作業車1を踏切50内に移動させて、軌道Rを走行可能状態とする載線作業について、図4図7および図8を参照して説明する。これらの図においては、軌陸作業車1をその外形形状で簡略化して示し、ここに転車装置110における下板135のみを示している。上述のように、下板135は回転ギヤ136を有し、上下に延びる回転中心軸Oを中心として回転可能であるが、図示のように下板135はその長手方向が左右方向(左右軸A2の方向)に延び、短手方向が前後方向(前後軸A1の方向)に延びる回転位置で格納保持されている。
【0054】
図4は、軌陸作業車1が踏切50内に近づきつつある状態を示しており、軌陸作業車1はまだ軌道Rから少し離れた位置にある。載線作業を行う際には、作動開始スイッチ73を操作して、車体2の左右に設けられた路面検出器100L、100Rおよび路面検出部81により、車体2の左右の前後方向における路面状態(路面の凹凸など)の検出を開始する。この例では、路面検出器100Lおよび100Rは下板135の回転中心軸Oを通る左右軸A2の延長線上に設けられており、この左右軸A2から前方に距離Lfの範囲の路面検出と、後方に距離Lbの路面検出とを行う。図4に示す軌陸作業車1の位置では、路面検出器100Lおよび100Rが検出する範囲においては路面51が存在するだけである。このため、図4の右側に示すように、左側の路面検出器100Lの検出信号S(L)に基づき路面検出部81で検出される形状は縦軸で示す前後方向距離D(L)に対して平らな形状となり、検出範囲内で路面が平らであることを示している。右側の路面検出器100Rの検出信号S(R)に基づき路面検出部81で検出される形状も同様に、縦軸で示す前後方向距離D(R)に対して平らな信号となり、検出範囲内で路面が平らであることを示している。
【0055】
次に、軌陸作業車1が踏切50内に入り、軌道Rの上にまで移動した状態を図7に示している。ここまで移動すると、路面検出器100Lおよび100Rの検出領域が、前方のレール61、61を含む領域となる。上述したように、左右のレール61、61の外側の道路51の上面およびレール61、61の間の道路55の上面がレール61、61の上面と一致するように道路の路面が形成されているため、路面とレール61、61の上面とに高さの相違は無い。このため、検出信号S(L)、S(R)に基づき路面検出部81で検出される形状にはレール61、61を示す形状信号は殆ど現れない。しかし、左右のレール61、61の内側には、レールに沿って延びる断面凹状の溝65が形成されており、これが路面検出器100Lおよび100Rにより検出される。
【0056】
例えば、図7の右側に示すように、左側の路面検出器100Lの検出信号S(L)に基づき路面検出部81で検出される形状には、縦軸で示す前後方向距離D(L)に対して、進行方向手前側のレール61の内側の溝65の位置において溝形状を示す凹状の形状信号S(L)1が現れ、進行方向奥側のレール61の内側の溝65の位置において溝形状を示す凹状の形状信号S(L)2が現れる。同様に、右側の路面検出器100Rの検出信号S(R)に基づき路面検出部81で検出される形状には、縦軸で示す前後方向距離D(R)に対して、進行方向手前側のレール61の内側の溝65の位置において溝形状を示す凹状の形状信号S(R)1が現れ、進行方向奥側のレール61の内側の溝65の位置において溝形状を示す凹状の形状信号S(R)2が現れる。これにより、軌陸作業車1に対する(特に、転車装置110に対する)軌道R(左右のレール61、61)の走行方向の相対位置関係を求めることができる。
【0057】
転車作業を行うには、転車装置110における下板135の回転中心Oが、レール61、61の中央位置に位置するように軌陸用作業車1を移動させる必要がある。これは、前述したように、回転中心軸Oを通って前後に延びる前後軸A1に対して、左右一対の前鉄輪12F、12Fおよび左右一対の後鉄輪12R、12Rがそれぞれ左右対称に位置して設けられているからである。このため、下板135の回転中心Oが、レール61、61の中央位置に位置するように軌陸用作業車1を移動させた状態で、転車装置110により車体2を持ち上げ支持し、下板135に対して、上板131およびこれに繋がる軌陸用作業車1を90度回転させると、左右一対の前鉄輪12F、12Fおよび左右一対の後鉄輪12R、12Rがレール61、61の真上に位置する。このことから分かるように、レール61、61の中央位置が載線作業を行うための目標転車用停止位置であり、回転中心軸Oを目標転車用停止位置と重なるように軌陸作業車1を走行移動させて停止させる。この転車用停止位置は停止位置設定部82により設定される。
【0058】
転車装置110における下板135の回転中心Oが、レール61、61の中央位置に位置するように軌陸用作業車1が移動した状態を図8に示している。このときには、図8の右側に示すように、左側の路面検出器100Lの検出信号S(L)に基づき路面検出部81で検出される形状には、縦軸で示す前後方向距離D(L)に対して、進行方向手前側のレール61の内側の溝65の位置において溝形状を示す凹状の形状信号S(L)1が現れ、進行方向奥側のレール61の内側の溝65の位置において溝形状を示す凹状の形状信号S(L)2が現れる。これら形状信号S(L)1および形状信号S(L)2の前後方向の中央位置は転車装置110の回転中心Oと前後方向において一致する。同様に、右側の路面検出器100Rの検出信号S(R)に基づき路面検出部81で検出される形状には、縦軸で示す前後方向距離D(R)に対して、進行方向手前側のレール61の内側の溝65の位置において溝形状を示す凹状の形状信号S(R)1が現れ、進行方向奥側のレール61の内側の溝65の位置において溝形状を示す凹状の形状信号S(R)2が現れる。これら形状信号S(R)1および形状信号S(R)2の前後方向の中央位置も転車装置110の回転中心Oと前後方向において一致する。
【0059】
そしてこの状態において載線作業を行う。但し、この状態においては、上述したように転車装置110の下板135は、その長手方向が左右方向(左右軸A2の方向)に延び、短手方向が前後方向(前後軸A1の方向)に延びる回転位置で格納保持されている。そこでまず、転車用ジャッキ120を下板135が回転可能な位置まで下方に伸長させてから、回転駆動モータ132を駆動して、下板135を図8において二点鎖線で示すように、長手方向が前後方向(前後軸A1の方向)に延び、短手方向が左右方向(左右軸A2の方向)に延びる回転位置まで90度回転させる。これにより、下板135は左右のレール61、61を跨ぐ状態となる。この状態からさらに転車用ジャッキ120により回転支持テーブル130(上板131および下板135)を下方に移動させ、下板135をレール61および路面55に当接させて、転車装置110により車体2を持ち上げ支持する。その後、車体2を作業者が押す等して、下板135に対して、上板131およびこれに繋がる軌陸用作業車1を90度回転させる。
【0060】
すると、図8において二点鎖線で示すように、車体2が軌道Rの延びる方向に向き、左右一対の前鉄輪12F、12Fおよび左右一対の後鉄輪12R、12Rがレール61、61の真上に位置する。そして、転車装置110による車体2の持ち上げ支持を解放すると、すなわち、転車用ジャッキ120により回転支持テーブル130(上板131および下板135)を引き上げて格納すると、左右一対の前鉄輪12F、12Fおよび左右一対の後鉄輪12R、12Rがレール61、61の上に載り、図1に示す状態となる。そして、転車用ジャッキ120により回転支持テーブル130を引き上げて格納すれば、載線作業が完了する。このとき、下板135は、その長手方向が車体の左右方向に延び、短手方向が前後方向に延びる回転位置となるので、そのまま格納保持される。
【0061】
以上説明したように、載線作業を行うために軌陸作業車1を踏切50内に移動する際に、路面検出器100Lおよび100Rにより路面形状検出を行い、左右のレール61、61の内側にレールに沿って延びて設けられている溝65の位置を検出し、軌陸作業車1に対する(特に、転車装置110に対する)軌道R(左右のレール61、61)の走行方向の相対位置関係を求める。軌陸作業車1が踏切50に近づくように移動したときにおける溝65の位置を示す形状信号S(L)1、S(L)2および形状信号S(R)1およびS(R)2と、軌陸作業車1の走行方向すなわち前後方向位置の相対関係(すなわち、レール61、61の中央を示すラインA5と軌陸作業車1の転車装置110の回転中心軸Oとの前後方向の相対位置関係)を、図9を参照して説明する。
【0062】
図4に示すように軌陸作業車1が軌道Rから離れた位置にあるときには、例えば、図9における点Aに転車装置110の回転中心軸Oが位置する。そして、図7に示す位置まで軌陸作業車1が移動すると図9における点Bに回転中心軸Oが位置し、図8に示す位置に移動すると図9における点Cに回転中心軸Oが位置する。このように、軌陸作業車1の移動に伴う軌道Rとの相対位置関係を、路面検出器100Lおよび100Rによる路面検出信号に基づいて求めることができる。載線作業を行うには、軌陸作業車1を図8に示す位置、すなわち、図9における点Cに回転中心軸Oが位置するまで移動させる必要があるので、この位置まで移動する軌陸作業車1の走行ガイドを行うのが好ましい。
【0063】
このようなことを考えて、軌陸作業車1には、路面検出器100Lおよび100Rによる路面検出信号に基づいて軌陸作業車1と軌道Rとの相対位置関係(停止位置設定部82により設定される転車用停止位置との関係)を求め、光、音声、画像などにより走行ガイドを行うガイド装置(表示ガイド装置91、音・光ガイド装置92など)が設けられている。音・光ガイド装置91を用いた光によるガイドを行う場合には、例えば、軌陸作業車と軌道との距離が大きいときには大きな間隔で発光装置による光の点滅を行わせ、この距離が近づくに応じて点滅間隔を短くし、図8に示す位置に到達したときに点灯状態とするガイドが行われる。音・光ガイド装置91を用いた音によるガイドを行う場合には、例えば、軌陸作業車と軌道との距離が大きいときには大きな間隔で断続的に警報音を鳴らし、この距離が近づくに応じて警報音間隔を短くし、図8に示す位置に到達したときに連続した警報音とするガイドが行われる。また、表示ガイド装置91によるガイドを行う場合には、画面表示により、軌陸作業車と軌道との距離を示すことによるガイドを行う。
【0064】
さらに、自動停止制御装置95を設け、図8に示す位置に到達したときに自動停止制御装置95により軌陸作業車1を制動して停止させるようにしても良い。この場合において、例えば、図4に示す走行位置から図8に示す走行位置まで自動運転させ、図8に示す位置に到達したときに自動停止装置により軌陸作業車1を制動して停止させるようにしても良い。
【0065】
以上においては、踏切50内において左右一対のレール61、61を有した軌道Rが道路51を直角に横切って延びている例を示したが、図10に示すように、踏切50’内において軌道Rが道路51を斜めに横切って延びることもある。このような踏切50’内に軌陸作業車1を移動させて、軌道Rを走行可能状態とする載線作業について、図10および図11を参照して説明する。
【0066】
図10は、軌陸作業車1が踏切50’内に入り、軌道Rの上にまで移動した状態を示している。ここまで移動すると、路面検出器100Lおよび100Rの検出領域が、前方のレール61、61を含む領域となるので、左右のレール61、61の内側のレールに沿って延びる断面凹状の溝65が路面検出器100Lおよび100Rおよび路面検出部81により検出される。例えば、図10の右側に示すように、左側の路面検出器100Lの検出信号S(L)には、縦軸で示す前後方向距離D(L)に対して、進行方向手前側のレール61の内側の溝65の位置において溝形状を示す凹状の形状信号S(L)1が現れ、進行方向奥側のレール61の内側の溝65の位置において溝形状を示す凹状の形状信号S(L)2が現れる。同様に、右側の路面検出器100Rの検出信号S(R)には、縦軸で示す前後方向距離D(R)に対して、進行方向手前側のレール61の内側の溝65の位置において溝形状を示す凹状の形状信号S(R)1が現れ、進行方向奥側のレール61の内側の溝65の位置において溝形状を示す凹状の形状信号S(R)2が現れる。
【0067】
この踏切50’においては軌道Rが道路を斜めに横切って延びるため、図示のように、左側の路面検出器100Lに基づき路面検出部81で検出される形状信号S(L)1および形状信号S(L)2の前後方向位置が、右側の路面検出器100Rに基づき路面検出部81で検出される形状信号S(R)1および形状信号S(R)2と前後方向にずれて現れる。この場合には、図12に示すように、形状信号S(L)1および形状信号S(L)2の中央位置P1と形状信号S(R)1および形状信号S(R)2の中央位置P2とを結ぶ線A5と、軌陸作業車1の車幅方向中央を前後に延びる線A1(この線A1は転車装置110の回転中心軸Oと一致する)との交点P3が軌陸作業車1を載線作業のために停車すべき目標位置となる。そこで、転車装置110の回転中心軸Oがこの交点P3に一致するまで軌陸作業車1を走行移動させ、載線作業を行う。
【0068】
転車装置110における下板135の回転中心Oが、レール61、61の中央位置(交点P3の位置)に位置するように軌陸用作業車1が移動した状態を図11に示しており、この状態において載線作業を行う。この状態においては、上述したように転車装置110の下板135は、その長手方向が車体の左右方向(左右軸A2の方向)に延び、短手方向が前後方向(前後軸A1の方向)に延びる回転位置で格納保持されている。そこでまず、転車用ジャッキ120を下板135が回転可能な位置まで下方に伸長させてから、回転駆動モータ132を駆動して、下板135を図11において二点鎖線で示すように、長手方向が軌道Rの延びる方向に直交するように延び、短手方向が軌道Rの延びる方向に延びる回転位置まで回転させる。これにより、下板135は左右のレール61、61を跨ぐ状態となる。この状態からさらに転車用ジャッキ120により回転支持テーブル130(上板131および下板135)を下方に移動させ、下板135をレール61および路面55に当接させて、転車装置110により車体2を持ち上げ支持する。その後、車体2を作業者が押す等して、下板135に対して、上板131およびこれに繋がる軌陸用作業車1を、図11において二点鎖線で示すように、車体2が軌道Rの方向を向く位置まで回転させる。
【0069】
すると、図11において二点鎖線で示すように、車体2が軌道Rの延びる方向に向き、左右一対の前鉄輪12F、12Fおよび左右一対の後鉄輪12R、12Rがレール61、61の真上に位置する。そして、転車装置110による車体2の持ち上げ支持を解放、すなわち、転車用ジャッキ120により回転支持テーブル130(上板131および下板135)を引き上げて格納すると、左右一対の前鉄輪12F、12Fおよび左右一対の後鉄輪12R、12Rがレール61、61の上に載り、図1に示す状態となる。そして、転車用ジャッキ120により回転支持テーブル130を引き上げて格納すれば、載線作業が完了する。このとき、下板135は、その長手方向が車体の左右方向に延び、短手方向が前後方向に延びる回転位置となるので、そのまま格納保持される。
【0070】
以上説明したように、図10および図11に示すように軌道Rが斜めに横切る踏切50’において、載線作業を行うために軌陸作業車1を踏切50’内に移動する際にも、路面検出器100Lおよび100Rおよび路面検出部81により路面形状検出を行う。これにより、左右のレール61、61の内側にレールに沿って延びて設けられている溝65の位置を検出し、軌陸作業車1に対する(特に、転車装置110に対する)軌道R(左右のレール61、61)の走行方向の相対位置関係を求める。軌陸作業車1が踏切50’に近づくように移動したときにおける溝65の位置を示す形状信号S(L)1、S(L)2および形状信号S(R)1およびS(R)2と、軌陸作業車1の走行方向すなわち前後方向位置の相対関係(すなわち、レール61、61の中央を示すラインA5と軌陸作業車1の転車装置110の回転中心軸Oとの前後方向の相対位置関係)を、図12を参照して説明する。
【0071】
図10に示す位置に軌陸作業車1が位置するときには、例えば、図12における点Dに転車装置110の回転中心軸Oが位置する。そして、図11に示す位置に移動すると図12における点Eに回転中心軸Oが位置し、レール61、61の中央位置(交点P3の位置)と重なる。この場合においても、軌陸作業車1を、回転中心軸Oが交点P3と重なる位置まで移動させる走行ガイドが、前述したものと同様に行われる。
【0072】
以上においては、踏切まで道路走行してきた軌陸作業車1を、踏切内で軌道Rに移し替える載線作業を説明したが、踏切内で上記と逆の作動を行わせれば、軌陸作業車1を軌道R上から道路に移し替える退線作業を行うことができる。
【0073】
なお、上記実施形態では、転車装置110における下板135の回転中心軸Oが車体2の幅方向中央に位置し、左右一対の前鉄輪12F、12Fおよび左右一対の後鉄輪12R、12Rは車体幅方向において左右対称に位置して設けられている構成として説明したが、下板135の回転中心軸Oが車体2の幅方向中央から偏って位置したり、左右一対の前鉄輪12F、12Fおよび左右一対の後鉄輪12R、12Rが車体幅方向において左右非対称に設けられていたりするときには、このような位置を勘案して軌陸作業車1を載線作業のために停車すべき目標位置が設定される。
【符号の説明】
【0074】
1 軌陸作業車 2 車体
3S 操舵輪 3D 駆動輪
12F 前鉄輪 12R 後鉄輪
R 軌道 61 レール
100(100L、100R) 路面検出器
110 転車装置 120 転車用ジャッキ
130回転支持テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12