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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006383
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】画像読取装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
H04N1/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107206
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 飛祐馬
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB17
5C062AB38
5C062AB41
5C062AB42
5C062AB53
5C062AC02
5C062AC22
5C062AC34
5C062AE01
(57)【要約】
【課題】画像読取装置の読取速度の低下を抑えること。
【解決手段】画像読取装置10において、読取部12は、原稿の画像を読み取り、メモリ13は、読み取られた画像のデータを保存し、第一プロセッサ11は、画像のデータに対して画像処理を施し、画像処理済の処理済データを第一通信方式を用いてコンピュータ30へ転送し、第二プロセッサ21は、第一通信方式と異なる第二通信方式を用いて処理済データをコンピュータ30へ転送し、第一通信方式と第二通信方式とが同時に併用されて処理済データの転送が行われる。例えば、第一通信方式は、USBの規格に従った通信方式であり、第二通信方式は、LANの規格に従った通信方式である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像を読み取る読取部と、
読み取られた前記画像のデータを保存するメモリと、
前記データに対して画像処理を施し、画像処理済の処理済データを第一通信方式を用いてコンピュータへ転送する第一プロセッサと、
前記第一通信方式と異なる第二通信方式を用いて前記処理済データを前記コンピュータへ転送する第二プロセッサと、
を具備し、
前記第一通信方式と前記第二通信方式とが同時に併用されて前記処理済データの転送が行われる、
画像読取装置。
【請求項2】
前記第一プロセッサと前記第二プロセッサとは、前記メモリの使用率に応じた転送負担割合に従って前記処理済データを転送する、
請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記使用率が大きくなるほど、前記第一プロセッサの前記転送負担割合が小さくなる一方で、前記第二プロセッサの前記転送負担割合が大きくなる、
請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記第二プロセッサは、前記処理済データを前記コンピュータへ転送する一方で、前記データに対する前記画像処理を行わない、
請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記第一通信方式は、USBの規格に従った通信方式である、
請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記第二通信方式は、LANの規格に従った通信方式である、
請求項1に記載の画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ADF(Automatic Document Feeder)を搭載するスキャナ(以下では「ADF型スキャナ」と呼ぶことがある)が知られている。ADF型スキャナでは、ADFにより順次搬送される複数枚の原稿の画像が次々に読み取られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-181498号公報
【特許文献2】特開2000-222336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スキャナによって読み取られた原稿の画像のデータはスキャナ内のメモリに一旦保存され、メモリに保存された画像データに対してスキャナ内で階調調整、色味調整、切り出し加工、データ圧縮等の画像処理が行われ、メモリには画像処理済のデータが保存される。また、画像処理済のデータは、スキャナに接続されたコンピュータへ転送される。画像処理済のデータの転送が完了した時点でメモリに保存されている画像処理済のデータが消去される。
【0005】
ここで、スキャナによって読み取られた原稿の画像のデータサイズが大きい場合には、画像処理に多くの時間を要するため、画像処理前のデータを保存するためのメモリの空き容量が減少してしまう。
【0006】
また、画像処理済のデータの転送先のコンピュータの性能が悪かったり、スキャナとコンピュータとの間の通信環境が悪い場合には、画像処理済のデータの転送に遅延が発生するため、画像処理前のデータを保存するためのメモリの空き容量が減少してしまう。
【0007】
以上のように画像処理前のデータを保存するためのメモリの空き容量が減少してしまうと、画像処理前のデータのメモリへの保存が困難になるため、スキャナの読取速度が低下する。ADF型スキャナでは、スキャナによって読み取られた原稿の画像が次々にメモリに保存されることになるため、上記のように画像処理前のデータのメモリへの保存が困難になるとスキャナの読取速度の低下が顕著になる。
【0008】
そこで、本開示では、画像読取装置の読取速度の低下を抑えることができる技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の画像読取装置は、読取部と、メモリと、第一プロセッサと、第二プロセッサとを有する。前記読取部は、原稿の画像を読み取る。前記メモリは、読み取られた前記画像のデータを保存する。前記第一プロセッサは、前記データに対して画像処理を施し、画像処理済の処理済データを第一通信方式を用いてコンピュータへ転送する。前記第二プロセッサは、前記第一通信方式と異なる第二通信方式を用いて前記処理済データを前記コンピュータへ転送する。そして、前記第一通信方式と前記第二通信方式とが同時に併用されて前記処理済データの転送が行われる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、画像読取装置の読取速度の低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本開示の実施例1の画像処理システムの構成例を示す図である。
図2図2は、本開示の実施例1の画像読取装置における処理手順の一例を示すフローチャートである。
図3図3は、本開示の実施例1のメモリ使用率とデータ転送との対応関係の一例を示す図である。
図4図4は、本開示の実施例1の画像読取装置の動作例1の説明に供する図である。
図5図5は、本開示の実施例1の画像読取装置の動作例2の説明に供する図である。
図6図6は、本開示の実施例1の画像読取装置の動作例3の説明に供する図である。
図7図7は、本開示の実施例1の画像読取装置の動作例3の説明に供する図である。
図8図8は、本開示の実施例1の画像読取装置の動作例3の説明に供する図である。
図9図9は、本開示の実施例1の画像読取装置の動作例3の説明に供する図である。
図10図10は、本開示の実施例2の画像読取装置における処理手順の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、本開示の実施例2のメモリ使用率とデータ転送との対応関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施例を図面に基づいて説明する。図面において同一の構成には同一の符号を付す。
【0013】
[実施例1]
<画像処理システムの構成>
図1は、本開示の実施例1の画像処理システムの構成例を示す図である。図1において、画像処理システム1は、画像読取装置10と、コンピュータ30とを有する。画像読取装置10とコンピュータ30とは、直接接続されるとともに、ネットワーク40を介して接続される。画像読取装置10の一例として、スキャナ、コピー機、複合機等が挙げられる。ネットワーク40の一例として有線または無線のLAN(Local Area Network)が挙げられる。
【0014】
画像読取装置10は、第一プロセッサ11と、読取部12と、メモリ13と、第一通信IF(interface)14と、ADF15と、NIC(Network Interface Card)20とを有する。NIC20は、第二プロセッサ21と、第二通信IF22とを有する。
【0015】
ADF15には給送トレイ(図示省略)が取り付けられている。給送トレイには複数枚の原稿を載置可能であり、ADF15は、給送トレイにセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ読取部12へ順次搬送し、読取部12は、給送トレイにセットされた複数枚の原稿の画像を連続して読み取ることが可能である。第一プロセッサ11は、読取部12によって読み取られた原稿の画像のデータ、つまり、階調調整、色味調整、切り出し加工、データ圧縮等の画像処理が施される前の画像データ(以下では「未処理データ」と呼ぶことがある)をメモリ13に一旦保存させる。読取部12の一例として、CIS(Contact Image Sensor)が挙げられる。第一プロセッサ11の一例として、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、PLD(Programmable Logic Device)が挙げられる。メモリ13の一例として、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリが挙げられる。
【0016】
また、第一プロセッサ11は、メモリ13に保存されている未処理データに対して階調調整、色味調整、切り出し加工、データ圧縮等の画像処理を施し、画像処理済のデータ(以下では「処理済データ」と呼ぶことがある)をメモリ13に保存した状態で、処理済データを第一通信IF14を用いてコンピュータ30へ転送する。第一プロセッサ11は、メモリ13の使用率(以下では「メモリ使用率」と呼ぶことがある)に基づいて処理済データをコンピュータ30へ転送し、コンピュータ30への転送が完了した処理済データをメモリ13から消去する。第一通信IF14は第一通信方式を用いてコンピュータ30に接続されているため、第一プロセッサ11は、処理済データを第一通信方式を用いてコンピュータ30へ転送することになる。第一通信IF14の一例としてUSB(Universal Serial Bus)インタフェースが挙げられ、第一通信方式の一例としてUSBの規格に従った通信方式が挙げられる。
【0017】
また、第一プロセッサ11は、メモリ使用率に基づいて処理済データを第二プロセッサ21へ出力する。
【0018】
第二プロセッサ21は、第一プロセッサ11からの制御の下で、第一プロセッサ11から第二プロセッサ21へ出力される処理済データを第二通信IF22を用いてコンピュータ30へ転送し、コンピュータ30への転送が完了した処理済データをメモリ13から消去する。つまり、処理済データは、第一プロセッサ11または第二プロセッサ21によるコンピュータ30への転送が完了するまでメモリ13に保存され、第一プロセッサ11または第二プロセッサ21によるコンピュータ30への転送が完了した時点でメモリ13から消去される。第二プロセッサ21の一例として、CPU、DSP、PLDが挙げられる。第二通信IF22は、第一通信方式と異なる第二通信方式を用いてネットワーク40に接続されているため、第二プロセッサ21は、処理済データを第二通信方式を用いてコンピュータ30へ転送することになる。第二通信IF22の一例としてLANインタフェースが挙げられ、第二通信方式の一例としてLANの規格に従った通信方式が挙げられる。
【0019】
また、第二プロセッサ21は、NIC20に搭載されるプロセッサであるため、第一プロセッサ11から第二プロセッサ21へ出力される処理済データを第二通信方式を用いてコンピュータ30へ転送するプロセッサである一方で、未処理データに対する画像処理を行わないプロセッサである。
【0020】
<画像読取装置における処理手順>
図2は、本開示の実施例1の画像読取装置における処理手順の一例を示すフローチャートである。図3は、本開示の実施例1のメモリ使用率とデータ転送との対応関係の一例を示す図である。
【0021】
ステップS100では、第一通信方式及び第二通信方式のうち第一通信方式だけを用いて処理済データが転送される。つまり、ステップS100では、第一プロセッサ11は第一通信IF14を用いて処理済データを転送する一方で、第二プロセッサ21は処理済データの転送を行わない。
【0022】
次いで、ステップS105では、第一プロセッサ11は、メモリ使用率が閾値TH以上であるか否かを判定する。メモリ使用率が閾値TH以上であるときは(ステップS105:Yes)、処理はステップS110へ進み、メモリ使用率が閾値TH未満であるときは(ステップS105:No)、処理はステップS100に戻る。
【0023】
ステップS110では、第一プロセッサ11は、第一プロセッサ11と第二プロセッサ21との間でのデータ転送の負担の割合(以下では「転送負担割合」と呼ぶことがある)を判定する。第一プロセッサ11は、例えば図3に示すように、メモリ使用率に基づいて転送負担割合を判定する。図3には、閾値THを50%とした場合を一例として示す。例えば、第一プロセッサ11は、メモリ使用率が50%以上60%未満のときは、第一プロセッサ11の転送負担割合(以下では「第一割合」と呼ぶことがある)を50%と判定し、第二プロセッサ21の転送負担割合(以下では「第二割合」と呼ぶことがある)を50%と判定する。また例えば、第一プロセッサ11は、メモリ使用率が60%以上70%未満のときは、第一割合を40%、第二割合を60%と判定し、メモリ使用率が70%以上80%未満のときは、第一割合を30%、第二割合を70%と判定し、メモリ使用率が80%以上90%未満のときは、第一割合を20%、第二割合を80%と判定し、メモリ使用率が90%以上のときは、第一割合を10%、第二割合を90%と判定する。
【0024】
次いで、ステップS115では、第一プロセッサ11は、第一割合に相当する分量の処理済データを第一通信IF14を用いてコンピュータ30へ転送するとともに、第二割合に相当する分量の処理済データを第二プロセッサ21へ出力する。第二プロセッサ21は、第一プロセッサ11から出力された、第二割合に相当する分量の処理済データを第二通信IF22を用いてコンピュータ30へ転送する。よって、ステップS115では、ステップS110で判定された転送負担割合に従って、第一通信方式と第二通信方式との双方が同時に併用されてコンピュータ30への処理済データの転送が行われる。ステップS115の処理後、処理はステップS105に戻る。
【0025】
<画像読取装置の動作>
以下の動作例の説明では、第一通信IF14がUSBインタフェースであり、第二通信IF22がLANインタフェースである場合を一例として挙げる。また、以下の動作例の説明では、原稿1枚分の処理済データが同一データサイズのヘッダ番号1~10のデータD1~D10に分割され、分割後のデータD1~D10がコンピュータ30へ転送される場合を一例として挙げる。原稿1枚分の処理済データは第一プロセッサ11によってデータD1~D10に分割され、第一プロセッサ11によってデータD1~D10にヘッダ番号1~10が付与される。
【0026】
<動作例1>
メモリ使用率が50%以上60%未満であって、第一割合が50%、第二割合が50%と判定されたときは、例えば、図4に示すように、データD1,D3,D5,D7,D9が第一通信IF14を用いてコンピュータ30へ転送されるとともに、データD2,D4,D6,D8,D10が第二通信IF22を用いてコンピュータ30へ転送される。コンピュータ30は、受信したデータD1~D10をヘッダ番号順に合成することにより原稿1枚分の画像を再生する。図4は、本開示の実施例1の画像読取装置の動作例1の説明に供する図である。
【0027】
<動作例2>
メモリ使用率が70%以上80%未満であって、第一割合が30%、第二割合が70%と判定されたときは、例えば、図5に示すように、データD1,D5,D9が第一通信IF14を用いてコンピュータ30へ転送されるとともに、データD2,D3,D4,D6,D7,D8,D10が第二通信IF22を用いてコンピュータ30へ転送される。コンピュータ30は、受信したデータD1~D10をヘッダ番号順に合成することにより原稿1枚分の画像を再生する。図5は、本開示の実施例1の画像読取装置の動作例2の説明に供する図である。
【0028】
<動作例3>
図6図7図8及び図9は、本開示の実施例1の画像読取装置の動作例3の説明に供する図である。
【0029】
図6に示すように、データD2が第二通信IF22を用いてコンピュータ30へ転送される際に、通信環境の悪化により、データD2に転送エラーが発生したとする。データD2に転送エラーが発生したため、第二プロセッサ21は、図7に示すように、データD2の再送を開始する。データD2の再送中は、図8に示すように、データD2以外の処理済データの第二通信IF22を用いた転送は困難であるため、データD2の再送中は、データD3,D4が第一通信IF14を用いてコンピュータ30へ転送される。そして、図9に示すように、第一通信IF14を用いたデータD5の転送が完了した時点でデータD2の再送が完了すると、データD2以外の処理済データの第二通信IF22を用いた転送が可能になるため、データD6以降の処理済データの第二通信IF22を用いた転送が再開される。
【0030】
以上、実施例1について説明した。
【0031】
[実施例2]
<画像読取装置における処理手順>
図10は、本開示の実施例2の画像読取装置における処理手順の一例を示すフローチャートである。図11は、本開示の実施例2のメモリ使用率とデータ転送との対応関係の一例を示す図である。
【0032】
ステップS200では、第一通信方式及び第二通信方式のうち第二通信方式だけを用いて処理済データが転送される。つまり、ステップS200では、第二プロセッサ21は第二通信IF22を用いて処理済データを転送する一方で、第一プロセッサ11は処理済データの転送を行わない。
【0033】
次いで、ステップS205では、第一プロセッサ11は、メモリ使用率が閾値TH以上であるか否かを判定する。メモリ使用率が閾値TH以上であるときは(ステップS205:Yes)、処理はステップS210へ進み、メモリ使用率が閾値TH未満であるときは(ステップS205:No)、処理はステップS200に戻る。
【0034】
ステップS210では、第一プロセッサ11は、転送負担割合を判定する。第一プロセッサ11は、例えば図11に示すように、メモリ使用率に基づいて転送負担割合を判定する。図11には、閾値THを50%とした場合を一例として示す。例えば、第一プロセッサ11は、メモリ使用率が50%以上60%未満のときは、第一割合を50%と判定し、第二割合を50%と判定する。また例えば、第一プロセッサ11は、メモリ使用率が60%以上70%未満のときは、第一割合を60%、第二割合を40%と判定し、メモリ使用率が70%以上80%未満のときは、第一割合を70%、第二割合を30%と判定し、メモリ使用率が80%以上90%未満のときは、第一割合を80%、第二割合を20%と判定し、メモリ使用率が90%以上のときは、第一割合を90%、第二割合を10%と判定する。
【0035】
次いで、ステップS215では、第一プロセッサ11は、第一割合に相当する分量の処理済データを第一通信IF14を用いてコンピュータ30へ転送するとともに、第二割合に相当する分量の処理済データを第二プロセッサ21へ出力する。第二プロセッサ21は、第一プロセッサ11から出力された、第二割合に相当する分量の処理済データを第二通信IF22を用いてコンピュータ30へ転送する。よって、ステップS215では、ステップS210で判定された転送負担割合に従って、第一通信方式と第二通信方式との双方が同時に併用されてコンピュータ30への処理済データの転送が行われる。ステップS215の処理後、処理はステップS205に戻る。
【0036】
以上、実施例2について説明した。
【0037】
以上のように、本開示の画像読取装置(実施例の画像読取装置10)は、読取部(実施例の読取部12)と、メモリ(実施例のメモリ13)と、第一プロセッサ(実施例の第一プロセッサ11)と、第二プロセッサ(実施例の第二プロセッサ21)とを有する。読取部は、原稿の画像を読み取る。メモリは、読み取られた画像のデータを保存する。第一プロセッサは、画像のデータに対して画像処理を施し、画像処理済の処理済データを第一通信方式を用いてコンピュータ(実施例のコンピュータ30)へ転送する。第二プロセッサは、第一通信方式と異なる第二通信方式を用いて処理済データをコンピュータへ転送する。そして、画像読取装置では、第一通信方式と第二通信方式とが同時に併用されて処理済データの転送が行われる。例えば、第二プロセッサは、処理済データをコンピュータへ転送する一方で、画像のデータに対する画像処理を行わない。また例えば、第一通信方式は、USBの規格に従った通信方式であり、第二通信方式は、LANの規格に従った通信方式である。
【0038】
こうすることで、メモリに保存された画像のデータの転送効率を上げることができるため、メモリの空き容量を増加させることができ、その結果、画像読取装置の読取速度の低下を抑えることができる。
【0039】
また、第一プロセッサと第二プロセッサとは、メモリの使用率に応じた転送負担割合に従って処理済データを転送する。例えば、メモリの使用率が大きくなるほど、第一プロセッサの転送負担割合が小さくなる一方で、第二プロセッサの転送負担割合が大きくなる。
【0040】
こうすることで、最適な転送負担割合に従って第一プロセッサ及び第二プロセッサが処理済データを転送することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 画像処理システム
10 画像読取装置
11 第一プロセッサ
12 読取部
13 メモリ
14 第一通信IF
15 ADF
20 NIC
21 第二プロセッサ
22 第二通信IF
30 コンピュータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11