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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063833
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】投射型表示装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/16 20060101AFI20240507BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20240507BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240507BHJP
   H01L 23/467 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
G03B21/16
G03B21/00 E
H05K7/20 B
H05K7/20 H
H01L23/46 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171944
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(72)【発明者】
【氏名】河野 俊郎
【テーマコード(参考)】
2K203
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
2K203FA03
2K203FA24
2K203FA34
2K203FA44
2K203FA54
2K203LA03
2K203LA12
2K203LA18
2K203LA22
2K203LA37
2K203LA40
2K203LA55
2K203MA12
5E322AA01
5E322AA03
5E322AB10
5E322BB03
5E322FA04
5F136BA04
5F136CA06
5F136DA33
(57)【要約】
【課題】発熱源によって反射型液晶表示素子を効果的に加熱することができ、発熱源が、反射型液晶表示素子を冷却する冷却性能をほとんど低減させることのない投射型表示装置を提供する。
【解決手段】反射型液晶表示素子1の長手方向または短手方向の少なくとも一方の方向において、反射型液晶表示素子1の長さをL1、発熱源3の長さをL3、ヒートシンク2のベース21の板厚をtとする。発熱源の長さL3が反射型液晶表示素子の長さL1内に位置するように、反射型液晶表示素子1と発熱源3とがベース21を挟んで対向する。発熱源3の長さL3はL3≧L1-2tを満たす。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状のベースを有するヒートシンクと、
前記ベースの第1の面に固着されている反射型液晶表示素子と、
前記ベースの前記第1の面と対向する第2の面に固着されている発熱源と、
前記ヒートシンクに冷却風を当てる冷却ファンと、
を備え、
前記反射型液晶表示素子の長手方向または短手方向の少なくとも一方の方向において、前記反射型液晶表示素子の長さをL1、前記発熱源の長さをL3、前記ベースの板厚をtとすると、
前記発熱源の長さL3が前記反射型液晶表示素子の長さL1内に位置するように、前記反射型液晶表示素子と前記発熱源とが前記ベースを挟んで対向し、
前記発熱源の長さL3はL3≧L1-2tを満たす
投射型表示装置。
【請求項2】
前記反射型液晶表示素子の長手方向または短手方向の少なくとも一方の方向において、前記ベースの長さをL2とすると、前記ベースの長さL2はL2≧L1+2tを満たす請求項1に記載の投射型表示装置。
【請求項3】
前記ヒートシンクは、
前記ベースの前記第2の面に一体的に形成された複数のフィンを有し、
前記第2の面には、前記フィンが形成されていない前記第2の面が露出したフィン非形成部が設けられており、
前記発熱源は前記フィン非形成部に固着されている
請求項1または2に記載の投射型表示装置。
【請求項4】
前記発熱源はセラミックヒータである請求項1または2に記載の投射型表示装置。
【請求項5】
赤色光を変調する第1の反射型液晶表示素子、緑色光を変調する第2の反射型液晶表示素子、青色光を変調する第3の反射型液晶表示素子を備え、
前記青色光の光源は青色レーザ光源であり、
前記第1~第3の反射型液晶表示素子のうちの前記第3の反射型液晶表示素子のみを前記反射型液晶表示素子としている
請求項1または2に記載の投射型表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投射型表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
反射型液晶表示素子によって照明光を画像信号に応じて光変調して、スクリーンに投射する投射型表示装置が普及している。投射型表示装置を反射型液晶表示素子が低温の状態で動作させることは好ましくなく、反射型液晶表示素子が高温となることも好ましくない。そこで、投射型表示装置は、反射型液晶表示素子を加熱する構成を備えたり、反射型液晶表示素子を冷却する構成を備えたりする(特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-145689号公報
【特許文献2】特開2018-49207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発熱源によって反射型液晶表示素子を効果的に加熱することができ、発熱源が、反射型液晶表示素子を冷却する冷却性能をほとんど低減させることのない投射型表示装置とすることが望まれる。本発明は、発熱源によって反射型液晶表示素子を効果的に加熱することができ、かつ、発熱源が、反射型液晶表示素子を冷却する冷却性能をほとんど低減させることのない、反射型液晶表示素子の加熱機能及び冷却機能の双方を備える投射型表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、板状のベースを有するヒートシンクと、前記ベースの第1の面に固着されている反射型液晶表示素子と、前記ベースの前記第1の面と対向する第2の面に固着されている発熱源と、前記ヒートシンクに冷却風を当てる冷却ファンとを備え、前記反射型液晶表示素子の長手方向または短手方向の少なくとも一方の方向において、前記反射型液晶表示素子の長さをL1、前記発熱源の長さをL3、前記ベースの板厚をtとすると、前記発熱源の長さL3が前記反射型液晶表示素子の長さL1内に位置するように、前記反射型液晶表示素子と前記発熱源とが前記ベースを挟んで対向し、前記発熱源の長さL3はL3≧L1-2tを満たす投射型表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の投射型表示装置によれば、発熱源によって反射型液晶表示素子を効果的に加熱することができ、かつ、発熱源が、反射型液晶表示素子を冷却する冷却性能をほとんど低減させることがないから、反射型液晶表示素子を最適な温度で動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る投射型表示装置を示す図である。
図2】一実施形態に係る投射型表示装置におけるヒートシンク及び発熱源を示す斜視図である。
図3図2におけるY1-Y2断面図である。
図4】一実施形態に係る投射型表示装置における環境温度と素子温度との関係を示す特性図である。
図5】一実施形態に係る投射型表示装置における光源駆動電流の電流値と素子温度との関係を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態に係る投射型表示装置について、添付図面を参照して説明する。図1に示す一実施形態に係る投射型表示装置100は、反射型液晶表示素子1、ヒートシンク2、発熱源3、冷却ファン5、発熱源3の駆動回路30a及び30b、温度センサ41及び42、冷却ファン5の駆動回路50を備える。反射型液晶表示素子1はヒートシンク2のベース21の第1の面に固着されており、発熱源3はベース21の第1の面と対向する第2の面に固着されている。冷却ファン5は、ヒートシンク2の後方に配置されている。
【0009】
投射型表示装置100は、赤色光(R光)、緑色光(G光)、青色光(B光)を変調する3つの反射型液晶表示素子1を備える。投射型表示装置100は、R光用、G光用、B光用それぞれの反射型液晶表示素子1に対して、図1に示すように構成されていることが好ましい。投射型表示装置100は、B光用の反射型液晶表示素子1に対してのみ、図1に示すように構成されていてもよい。
【0010】
投射型表示装置100における、反射型液晶表示素子1に照明光を照射する照明光学系、R光用、G光用、B光用それぞれの反射型液晶表示素子1で変調された照明光を合成する合成光学系、合成光学系で合成された合成光をスクリーンに投射する投射光学系は従来の構成と相違しないので、図1においてはそれらの構成の図示を省略している。照明光学系、合成光学系、投射光学系の構成は、特許文献2に記載されている構成でよい。
【0011】
但し、照明光の光源として青色レーザ光を射出する青色レーザ光源を用いる投射型表示装置100において、特に本実施形態による効果を発揮する。
【0012】
図2に示すように、ヒートシンク2は、板状のベース21と、ベース21の上面に一体的に形成された複数のフィン22とを有する。ヒートシンク2は、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金によって形成されている。ヒートシンク2の中央部には、フィン22が形成されておらず、ベース21の上面が所定の面積で露出したフィン非形成部23が設けられている。フィン非形成部23のベース21の上面には、発熱源3が固着されている。
【0013】
発熱源3として、セラミックヒータを用いることが好ましい。セラミックヒータ表面のセラミックは熱伝導率が150W/m・K程度で、熱伝導率が比較的高い。よって、発熱源3としてセラミックヒータを用いると、反射型液晶表示素子1で発生した熱はヒートシンク2に伝わり、さらにフィン非形成部23上のセラミックヒータに伝わって、熱を効率よく空気中へ放熱することができる。一方、発熱源3としてシリコンラバーヒータを用いるとすると、シリコンラバーヒータ表面のゴムの熱伝導率は1.4~8W/m・Kで、熱伝導率が低い。よって、反射型液晶表示素子1で発生した熱はヒートシンク2に伝わるものの、フィン非形成部23上のシリコンラバーヒータには伝わりにくく、熱を効率よく空気中へ放熱することができない。
【0014】
図2におけるX方向は反射型液晶表示素子1の長手方向であり、Y方向は反射型液晶表示素子1の短手方向である。図3は、図2のY1-Y2断面図である。図1における反射型液晶表示素子1及びヒートシンク2は、反射型液晶表示素子1及びヒートシンク2をヒートシンク2のX方向に沿った側面から見た状態を示している。
【0015】
図1において、反射型液晶表示素子1及びヒートシンク2には、それぞれ温度センサ41及び42が取り付けられている。温度センサ41の出力は駆動回路30aに供給され、温度センサ42の出力は駆動回路30bに供給される。例えば、駆動回路30aをマイクロプロセッサを用いた構成とし、駆動回路30bをマイクロプロセッサを用いない簡易の回路としてもよい。温度センサ41は、反射型液晶表示素子1内の回路として構成されていてもよい。この場合、反射型液晶表示素子1に電力が供給されていない状態では、温度センサ42が用いられ、反射型液晶表示素子1に電力が供給されている状態では温度センサ41が用いられてもよい。ヒートシンク2に取り付けられている温度センサ42として、温度によって抵抗値が変化するサーミスタを用いることができる。
【0016】
駆動回路30aは、温度センサ41が検出した温度に応じて発熱源3を駆動する。駆動回路30bは、温度センサ42が検出した温度に応じて発熱源3を駆動する。
【0017】
駆動回路30aは、投射型表示装置100が動作して反射型液晶表示素子1が駆動されている状態で、温度センサ41が検出した温度が所定の温度以下であるとき、発熱源3が発熱するよう発熱源3を駆動する。このとき、駆動回路30aをマイクロプロセッサを用いた構成とすれば、駆動回路30aは高精度に反射型液晶表示素子1の温度を制御することができる。
【0018】
駆動回路30bは、投射型表示装置100が動作せず反射型液晶表示素子1が駆動されていない状態で、温度センサ42が検出した温度が所定の温度以下であるとき、発熱源3が発熱するよう発熱源3を駆動する。このとき、温度センサ42としてサーミスタを用いれば、温度センサ42にわずかな電流を流すのみでヒートシンク2の温度を検出することができる。また、駆動回路30bを簡易の回路とすれば、駆動回路30bを動作させるのに大きな電力を必要せず、温度センサ42が検出した温度に応じて発熱源3を駆動することができる。
【0019】
このように、投射型表示装置100が、温度センサ41及び42と駆動回路30a及び30bを備えれば、投射型表示装置100が動作していない状態及び動作している状態のそれぞれで適切に発熱源3を駆動することができる。投射型表示装置100が動作していない状態で環境温度が低い状態に長時間さらされていたとしても、駆動回路30bが発熱源3を駆動して反射型液晶表示素子1の温度を上昇させておくことができる。よって、投射型表示装置100の電源が投入されて投射型表示装置100が動作を開始した後、短時間で反射型液晶表示素子1を所望の温度とすることができ、投射型表示装置100の起動時間を短くすることができる。
【0020】
駆動回路50は、温度センサ41または42が検出した温度が高温の所定の温度以上であるとき、冷却ファン5による冷却風をヒートシンク2に当てるよう冷却ファン5駆動する。
【0021】
このように、発熱源3が発熱すれば、熱はヒートシンク2のベース21を介して反射型液晶表示素子1に伝達し、反射型液晶表示素子1の温度が上昇する。発熱源3が発熱していない状態で、反射型液晶表示素子1が発熱すれば、熱はヒートシンク2のベース21を介してフィン22に伝達する。冷却ファン5による冷却風がヒートシンク2に当てられるので、ヒートシンク2は放熱して反射型液晶表示素子1の温度が低下する。
【0022】
以上のように構成される投射型表示装置100において、ヒートシンク2のベース21と接触する発熱源3の面積が小さければ、反射型液晶表示素子1を効果的に加熱することができない。一方で、ヒートシンク2のベース21と接触する発熱源3の面積が大きければ、ヒートシンク2による放熱性能(冷却性能)を悪化させるおそれがある。
【0023】
そこで、発熱源3によって反射型液晶表示素子1を効果的に加熱することができ、発熱源3が、反射型液晶表示素子1を冷却する冷却性能をほとんど低減させないようにすることが必要である。即ち、発熱源3による加熱機能とヒートシンク2による冷却機能とを効果的に両立させることが求められる。
【0024】
図1に示すように、発熱源3の長さL3は、反射型液晶表示素子1の長さL1内に位置するように、反射型液晶表示素子1と発熱源3とがベース21を挟んで対向している。反射型液晶表示素子1と発熱源3とは、長さ方向の中央が一致するように配置されていることが好ましい。
【0025】
図1において、発熱源3で発生した熱は、ベース21の面と直交する方向で、二点鎖線の矢印線で示すおおよそ45度の角度の3hcRと3hcLとの間の領域において効率よく伝達していく。従って、発熱源3の長さL3は、反射型液晶表示素子1の長さL1と、ベース21の板厚tとを用いて、式(1)を満たすことが好ましい。式(1)を満たせば、発熱源3で発生した熱を、ヒートシンク2(ベース21)を介して反射型液晶表示素子1に無駄なく伝達させることができる。
L3≧L1-2t …(1)
【0026】
発熱源3が発熱していない状態で、反射型液晶表示素子1で発生した熱は、ベース21の面と直交する方向で、二点鎖線の矢印線で示すおおよそ45度の1hcRと1hcLとの間の領域において効率よく伝達していく。従って、ヒートシンク2による冷却効率をよくするには、ヒートシンク2(ベース21)の長さL2は、反射型液晶表示素子1の長さL1と、ベース21の板厚tとを用いて、式(2)を満たすことが好ましい。
L2≧L1+2t …(2)
【0027】
以上説明した図1における反射型液晶表示素子1の長さL1、ヒートシンク2の長さL2、発熱源3の長さL3は、反射型液晶表示素子1の長手方向であるX方向の長さを示している。投射型表示装置100は、X方向において、式(1)を満たすことが好ましく、式(1)及び式(2)の双方を満たすことがさらに好ましい。図3に示すY方向の長さにおいても、式(1)を満たすことが好ましく、式(1)及び式(2)の双方を満たすことがさらに好ましい。
【0028】
投射型表示装置100は、X方向の長さとY方向の長さのいずれか一方の方向の長さのみ式(1)を満たしてもよいし、いずれか一方の方向の長さのみ式(1)及び式(2)の双方を満たしてもよい。X方向の長さとY方向の長さの双方において式(1)(または式(1)及び式(2))を満たさない場合と比較して、一方の方向の長さのみでも式(1)(または式(1)及び式(2))を満たせば、所定の効果が得られる。
【0029】
投射型表示装置100は、X方向の長さとY方向の長さの双方で式(1)を満たすことが好ましい。投射型表示装置100は、X方向の長さとY方向の長さの双方で式(1)及び式(2)の双方を満たすことがさらに好ましい。
【0030】
このように、投射型表示装置100は、X方向の長さとY方向の長さの少なくとも一方で式(1)を満たせばよい。投射型表示装置100は、X方向の長さとY方向の長さの少なくとも一方で式(1)及び式(2)の双方を満たすことが好ましい。
【0031】
発熱源3による加熱とヒートシンク2による冷却とのバランスを考えると、式(3)としたときバランスが最もよくなる。従って、式(3)を満たすことが好ましい。
L3=L1―2t …(3)
【0032】
図4は、環境温度が変化したときの反射型液晶表示素子1の温度(素子温度)を示している。一点鎖線は発熱源3及び冷却ファン5を動作させない場合の温度特性を示し、実線は発熱源3及び冷却ファン5を動作させた場合の温度特性を示している。図4は、X方向の長さとY方向の長さの双方で式(1)及び式(2)の双方を満たす場合の温度特性を示している。
【0033】
環境温度が低く反射型液晶表示素子1の温度が低いとき発熱源3を動作させることにより、反射型液晶表示素子1を最適な素子温度で動作させることができる。環境温度が高く反射型液晶表示素子1の温度が高いとき冷却ファン5を動作させることにより、反射型液晶表示素子1を最適な素子温度で動作させることができる。投射型表示装置100は、環境温度の高低にかかわらず、素子温度を最適な素子温度に維持することができる。
【0034】
図5は、光源駆動電流の電流値が変化したときの反射型液晶表示素子1の素子温度を示している。一点鎖線は発熱源3及び冷却ファン5を動作させない場合の温度特性を示し、実線は発熱源3及び冷却ファン5を動作させた場合の温度特性を示している。図5は、X方向の長さとY方向の長さの双方で式(1)及び式(2)の双方を満たす場合の温度特性を示している。
【0035】
光源駆動電流の電流値が小さく反射型液晶表示素子1の温度が低いとき発熱源3を動作させることにより、反射型液晶表示素子1を最適な素子温度で動作させることができる。光源駆動電流の電流値が大きく反射型液晶表示素子1の温度が高いとき冷却ファン5を動作させることにより、反射型液晶表示素子1を最適な素子温度で動作させることができる。投射型表示装置100は、光源駆動電流の電流値の大小にかかわらず、素子温度を最適な素子温度に維持することができる。
【0036】
照明光の光源として青色レーザ光源を用い、素子温度が低かったり高かったりして最適な素子温度からずれると、特にB光の画像に干渉縞が発生しやすい。本実施形態の投射型表示装置100によれば、干渉縞を低減させることができる。勿論、本実施形態の投射型表示装置100によれば、照明光の光源が青色レーザ光源以外であっても、高画質の画像を表示することが可能である。
【0037】
R光、G光、B光を変調する3つの反射型液晶表示素子1をそれぞれ第1~第3の反射型液晶表示素子とする。青色光の光源が青色レーザ光源であるとき、第1~第3の反射型液晶表示素子のうちの第3の反射型液晶表示素子のみを、図1における反射型液晶表示素子1とすれば、干渉縞を低減させる効果を得る上で十分である。第1及び第2の反射型液晶表示素子は、発熱源3を固着していない通常のヒートシンクに固着されていればよい。
【0038】
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 反射型液晶表示素子
2 ヒートシンク
3 発熱源
5 冷却ファン
21 ベース
22 フィン
23 フィン非形成部
30a,30b,50 駆動回路
41,42 温度センサ
100 投射型表示装置
図1
図2
図3
図4
図5