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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063835
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】口腔用器具
(51)【国際特許分類】
   A61J 7/00 20060101AFI20240507BHJP
   A63B 23/03 20060101ALN20240507BHJP
   A63B 71/10 20060101ALN20240507BHJP
   A61J 17/00 20060101ALN20240507BHJP
【FI】
A61J7/00 E
A63B23/03
A63B71/10 Z
A61J17/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171946
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】521051303
【氏名又は名称】中沖 泰三
(74)【代理人】
【識別番号】100146020
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 善光
(74)【代理人】
【識別番号】100062328
【弁理士】
【氏名又は名称】古田 剛啓
(72)【発明者】
【氏名】中沖 泰三
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047NN07
(57)【要約】
【課題】口腔内で使用する器具によって人体の還元化を実現できる口腔用器具を提供することを課題とする。
【解決手段】口腔に挿入する樹脂製部分を備える口腔用器具であって、樹脂製部分の材質が、樹脂製部分100重量%に対して、可撓性を有し熱可塑性の樹脂を90重量%~99重量%と、イタドリ、柿の葉及びヨモギのそれぞれの粉末状の植物性抽出物をそれぞれ所定の割合で混合した粉末状の植物性抽出物を0.1~10重量%とを含み、樹脂製部分の形状が口腔に挿入可能な形状を有する口腔用器具により課題解決できた。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔に挿入する樹脂製部分を備える口腔用器具であって、
前記樹脂製部分の材質が、前記樹脂製部分100重量%に対して、可撓性を有し熱可塑性の樹脂を90重量%~99重量%と、イタドリ、柿の葉及びヨモギのそれぞれの粉末状の植物性抽出物をそれぞれ所定の割合で混合した粉末状の植物性抽出物を0.1~10重量%とを含み、
前記樹脂製部分の形状が口腔に挿入可能な形状を有することを特徴とする口腔用器具。
【請求項2】
粉末状の前記植物性抽出物の前記所定の割合が、粉末状の前記植物性抽出物100重量%に対して、イタドリの粉末状の植物性抽出物を20重量%~40重量%、柿の葉の粉末状の植物性抽出物を30重量%~60重量%、及び、ヨモギの粉末状の植物性抽出物を20重量%~40重量%とすることを特徴とする請求項1に記載の口腔用器具。
【請求項3】
熱可塑性の前記樹脂が、シリコーン又はEVA樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の口腔用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口から喉までの空洞部分である口腔に挿入することのある器具であって、唾液の酸化還元電位の還元化を実現させる口腔用器具に関する。
【0002】
人の体内が酸化状態にあるときと還元状態にあるときとは人の健康状態が異なるとされており、例えば体内が酸化状態のときは炎症が生じやすく、老化が進みやすく、ストレス過多になりやすいとされ、体内が還元状態のときは炎症が生じにくく、老化が進みにくく、ストレス過多になりにくいとことが知られている。
【0003】
特許文献1には、弾性樹脂を成型してなり、実質的に人間の歯列に沿ったU字形に形成された咬合部と、前記咬合部の中央部から後方に延在する舌支え部と、前記咬合部の中央部から前方に延在する棒状の突出部とを具える口腔筋トレーニング器具が開示されている。そして、口腔筋トレーニング器具の材質は、熱可塑性エラストマーを成型して製造するものであると記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、使用者の口腔内に収容することができるように構成された舌のトレーニング器具であって、ベース部と、圧迫ブロックと、を具えており、前記ベース部は、所定の中心軸線に沿って前端部から後端部へ延伸する略板状の接続板と、前記接続板の前記前端部から前記中心軸線の両側へそれぞれ湾曲して全体が馬蹄形状に延伸する略平板状の噛み合わせ板と、使用者の上歯と下歯のいずれか1つの表側と当接することができるように、該噛み合わせ板の表側の外縁部から前記噛み合わせ板の一面側へ突起する周壁と、使用者の前記上歯と下歯のいずれか1つの裏側と当接することができるように、前記表側の外縁部の反対側である裏側から前記噛み合わせ板の前記一面側へ突起する裏側係止壁と、を有するように形成された、上下歯噛み合わせ部と、を有しており、前記圧迫ブロックは、前記接続板の前記後端部に接続され、且つ、ブロック状に形成されている舌のトレーニング器具が開示されている。舌のトレーニング器具の材質は、ゴム、シリコーン、医療分野で使用されているポリ塩化ビニル(PVC)などの可撓性材料と記載されている。
【0005】
特許文献3には、口蓋部に適合する乳首状の口腔内挿入部と、この口腔内挿入部に連接され口腔外に突出するラッパ状または円筒状の口腔外突出部を有する口腔機能訓練器が開示されている。口腔機能訓練器の材質は、様々な硬度が利用できるゴム状弾性材料、例えばシリコーンゴムなどが適当であるとの記載がある。
【0006】
次に、特許文献4には、患者の疾患、障害または状態を処置または予防するための温熱療法のパラメータを調節する方法であって、A)該患者の酸化還元電位を測定する工程と、B)該酸化還元電位に基づいて、該患者に適した温熱療法のパラメータを決定する工程とを包含する、方法が開示されている。
【0007】
次に、特許文献5には、ヒトおよび他の動物における全身の健康促進のための局所口腔用組成物であって、(a)安全かつ有効な量の亜塩素酸イオンと、(b)薬剤として許容可能な局所口腔用キャリアとを含み、その最終組成物が本質的に二酸化塩素または亜塩素酸を含まず、またその組成物は本質的に次亜塩素酸イオンまたは次亜塩素酸塩を含まず、最終的なpHが7より大きい組成物が開示され、さらに、抗菌/歯垢防止剤、バイオフィルム阻害剤、抗炎症剤、H2-拮抗物質、メタロプロテナーゼ阻害物質、サイトカイン受容体拮抗物質、リポ多糖体錯化剤、組織成長因子、免疫活性化剤、細胞酸化還元変性剤、鎮痛剤、ホルモン類、ビタミン類、ミネラル類、およびこれらの混合物から成る群から選択される治療用活性物質をさらに含む局所口腔用組成物が開示されている。そして、前記組成物が、口内洗浄剤、歯磨きペースト、歯磨きゲル、歯磨き粉、非研磨性ゲル、チューインガム、口腔スプレー、口内錠剤、およびペットケア製品から選択される形態であると開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008―67732号公報
【特許文献2】実用新案登録第3229090号公報
【特許文献3】特開2013-118916号公報
【特許文献4】国際公開WO2005/116298号公報
【特許文献5】特開2004-501944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1~3の発明は、口腔筋トレーニング、舌のトレーニング器具又は口腔機能訓練器など口腔内に挿入して使用する器具であるが、いずれも酸化還元電位についての記載がないことから、口腔内で使用する器具によって人体の還元化は期待困難であるという問題があった。
【0010】
特許文献4の発明は、酸化還元電位を変えようとする発明であるが、温熱療法であり、口腔内で使用する器具によって人体の還元化は期待困難であるという問題があった。
【0011】
特許文献5の発明は、健康促進のための局所口腔用組成物の発明であるが、前記局所口腔用組成物が、口内洗浄剤、歯磨きペースト、歯磨きゲル、歯磨き粉、非研磨性ゲル、チューインガム、口腔スプレー、口内錠剤であり、口腔内で使用する器具によって人体の還元化は期待困難であるという問題があった。
【0012】
本発明はこうした問題に鑑み想到されたもので、口腔内で使用する器具によって人体の還元化を実現できる口腔用器具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明における口腔用器具とは、例えば、口腔筋トレーニング、舌のトレーニング器具、口腔機能訓練器、マウスピース、マウスガード、口腔ケア製品、口腔内迷走神経刺激器具、樹脂製スプーン、乳幼児用の哺乳瓶の乳首、乳幼児にしゃぶらせる乳首型のおしゃぶりなどの口腔内に挿入して使用する器具を意味し、口腔内に挿入して使用する器具であればいずれの口腔用器具でもよい。
【0014】
請求項1に記載の口腔用器具は、口腔に挿入する樹脂製部分を備える口腔用器具であって、前記樹脂製部分の材質が、前記樹脂製部分100重量%に対して、可撓性を有し熱可塑性の樹脂を90重量%~99重量%と、イタドリ、柿の葉及びヨモギのそれぞれの粉末状の植物性抽出物をそれぞれ所定の割合で混合した粉末状の植物性抽出物を0.1~10重量%とを含み、前記樹脂製部分の形状が口腔に挿入可能な形状を有することを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の口腔用器具は、請求項1において、粉末状の前記植物性抽出物の前記所定の割合が、粉末状の前記植物性抽出物100重量%に対して、イタドリの粉末状の植物性抽出物を20重量%~40重量%、柿の葉の粉末状の植物性抽出物を30重量%~60重量%、及び、ヨモギの粉末状の植物性抽出物を20重量%~40重量%とすることを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の口腔用器具は、請求項1又は2において、熱可塑性の前記樹脂が、シリコーン又はEVA樹脂であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1~3に記載の口腔用器具は、口腔内に挿入して使用することにより、少なくとも5分、好ましくは30分以上使用することにより、唾液の酸化還元電位測定で使用者の酸化還元電位を還元化できるという顕著な効果を奏する。これにより、本発明の前記口腔用器具を使用すると、免疫力が高まり炎症が生じにくく、老化を遅らせ、ストレス過多になりにくいという有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の口腔用器具の1事例である口腔内迷走神経刺激器具の斜視図である。
図2】本発明の口腔用器具の1事例である口腔内迷走神経刺激器具の口腔内への使用例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
人が水分を摂取すると、胸骨や肋骨などにある骨髄で血液がつくられ、その血液が耳下腺、顎下腺、舌下腺などにより唾液につくり変えられて分泌され、その分泌量は大人で一日に1~1.5リットル分になる。よって、唾液は成分の99%が水分であるがもともと血液であることから、体内の酸化還元電位を把握するために唾液の酸化還元電位を測定する装置が開発され市場に流通しており、容易に身体の健康状態がわかるようになった。
【0020】
また、栄養分や薬の成分は小腸粘膜や舌の裏の粘膜から身体に吸収される。例えば、いぼ痔の薬の舌下錠はその成分が舌の裏の粘膜から血管に吸収され、いぼ痔の患部の静脈叢へ直接運ばれて血流を良くし患部の炎症等を和らげている。よって、舌下錠は舌の粘膜から直接に吸収されるので速やかに吸収されるという利点がある。
【0021】
発明者は、唾液に還元化成分を含ませるようにすれば速やかに身体の還元化が実現できるのではと思いつき、口腔内に挿入して使用する器具によって身体の還元化をすることに取り組み本発明を想到するに至った。
【0022】
本発明の口腔用器具1は、口腔に挿入する樹脂製部分を備える口腔用器具1であって、前記樹脂製部分の材質が、前記樹脂製部分100重量%に対して、可撓性を有し熱可塑性の樹脂を90重量%~99重量%と、イタドリ、柿の葉及びヨモギのそれぞれの粉末状の植物性抽出物をそれぞれ所定の割合で混合した粉末状の植物性抽出物を0.1~10重量%とを含み、前記樹脂製部分の形状が口腔に挿入可能な形状を有する。
【0023】
本発明の口腔用器具1の口腔に挿入する樹脂製部分は、1個では目視では視認できない極微小の大きさの粉末状の植物性抽出物を、可撓性を有し前記熱可塑性の樹脂の中に多数分散させて含有させており、かつ口腔内に挿入可能な所定の形状を有している。
【0024】
前記口腔用器具1は、口腔内に挿入して使用する器具であればいずれでもよいので、例えば、口腔筋トレーニング、舌のトレーニング器具、口腔機能訓練器、マウスピース、マウスガード、口腔ケア製品、口腔内迷走神経刺激器具、樹脂製スプーン、乳幼児用の哺乳瓶の乳首、乳幼児にしゃぶらせる乳首型のおしゃぶりなどが含まれる。
【0025】
前記樹脂部分は、前記口腔用機器1の少なくとも口腔5内に挿入する部分が該当するが、把持部から挿入部分までの全体が樹脂で一体的に造られる物については前記口腔用機器1の全体が該当する。
【0026】
粉末状の前記植物性抽出物の前記所定の割合が、粉末状の前記植物性抽出物100重量%に対して、イタドリの粉末状の植物性抽出物を20重量%~40重量%、柿の葉の粉末状の植物性抽出物を30重量%~60重量%、及び、ヨモギの粉末状の植物性抽出物を20重量%~40重量%とする。
【0027】
前記イタドリの使用部分は根又は根茎が好ましく、前記イタドリの効用としては使用形態によって抗酸化作用、骨粗鬆症、高血圧症、色素沈着抑制などがあり、前記柿の葉の使用部分は葉であり、前記柿の葉の効用としては使用形態によって抗菌作用、抗酸化作用又は育毛作用などがあり、前記ヨモギの使用部分は葉又は茎が好ましく、前記ヨモギの効用としては使用形態によって抗酸化作用、肥満防止又は育毛・発毛作用がある。前記イタドリ、前記柿の葉及び前記ヨモギともに抗酸化作用があり還元化の機能を有する。
【0028】
前記イタドリ、前記柿の葉又は前記ヨモギともに、そのままの状態か、切断、破砕、乾燥などの加工を行い、抽出、濃縮、発酵、粉末化などの処理を行う。前記抽出は、エチルアルコール、メタノール、アセトン等の有機溶媒や水を用いた抽出法又は超臨界抽出法などの固体に含まれる成分を分離する方法により行えばよく、抽出した後に発酵させて、その発酵後に有機溶媒のみを蒸発させる留去を実施し乾燥させて粉末状の植物性抽出物を得る。
【0029】
次に、口腔用器具1の熱可塑性の前記樹脂はシリコーン又はEVA樹脂からつくられている。前記シリコーンは、結合エネルギー、原子間距離及び結合角がいずれも大きく、分子全体は螺旋構造であり、分子間力が相対的に弱いためガス透過性が高い性質がある。また、前記EVA樹脂は、エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂の略称であり、柔軟性、弾力性、発泡体であるので空気を多く含む多孔質になっており軽量であるという性質がある。
【0030】
原子間距離及び結合角がいずれも大きい前記シリコーン、又は、多孔質の前記EVA樹脂で粉末状の植物性抽出物を内部に分散させて含有した口腔用器具1を製作すると、口腔内で使用中に分泌される唾液が原子間又は多孔質の中に浸透し前記植物性抽出物の成分が唾液によって滲みだして唾液に前記植物性抽出物の成分が含有される。
【0031】
前記植物性抽出物の成分を含有した唾液が舌の粘膜に接触し、前記植物性抽出物の成分が舌の粘膜から直接に吸収されるので速やかに血流で体内に循環される。
【0032】
よって、前記イタドリ、前記柿の葉及び前記ヨモギの成分を粉末状で分散状態で含有した、原子間距離及び結合角がいずれも大きいシリコーン、又は、多孔質のEVA樹脂からつくられた口腔用器具1を口腔内で使用すると、口腔内で使用中に分泌される唾液が原子間又は多孔質の中に浸透し前記植物性抽出物の成分が唾液によって滲みだして唾液に前記植物性抽出物の成分が含有され、前記植物性抽出物の成分を含有した唾液が舌の裏の粘膜に接触し、前記植物性抽出物の成分が舌の裏の粘膜から直接に吸収されるので速やかに血流で体内に循環され、身体の酸化還元電位が速やかに還元化される。
【0033】
次に、実施例について説明する。実施例は、前記口腔用器具1として、図1に示すように、口腔内迷走神経刺激器具を使用した。前記口腔内迷走神経刺激器具は、口腔5内に挿入する挿入内挿入部2、手で掴む把持部3、唇に当てて口腔5内に飲み込むのを防ぐ挿入阻止部4を備えている。例えば、図1に示すように、射出成型等の型で一体的に製造する場合は、前記樹脂製部分は前記口腔用器具1の全体が該当する。
【0034】
前記口腔用器具1は、樹脂製部分の100重量%に対して、粉末状の前記植物性抽出物を2重量%含有し、可撓性を有し熱可塑性の樹脂であるシリコーンを98重量%とした。そして、粉末状の前記植物性抽出物の構成は、前記植物性抽出物100重量%に対して、前記イタドリを粉末状の植物性抽出物で30重量%、柿の葉を粉末状の植物性抽出物で40重量%、ヨモギを粉末状の植物性抽出物で30重量%とした。
【0035】
前記口腔用器具1である前記口腔内迷走神経刺激器具は、粉末状の植物性抽出物を可撓性を有する熱可塑性のシリコーンの中に分散させているので、前記粉末状の植物性抽出物は前記シリコーン中で1個ずつ目視では見えない極微小の大きさの粒状の植物性抽出物となってほぼバラバラになって含有されている。
【0036】
前記シリコーンの構造は結合エネルギー、原子間距離及び結合角がいずれも大きいので、唾液が前記シリコーンの中に浸透しやすい。そのため、唾液が前記シリコーンの中に浸透し、前記シリコーンの中に分散して存在している前記イタドリ、前記柿の葉及び前記ヨモギのそれぞれの粒状体の植物性抽出物の1個ずつに唾液が接触し前記植物性抽出物の成分が唾液により滲みだして唾液に含有され、前記植物性抽出物の成分を含有した唾液が舌の裏の粘膜に接触し、前記舌の裏の粘膜によって唾液中に含有されている前記植物性抽出物の成分が身体に直接に吸収される。これにより身体の還元化が短時間で進む。
【0037】
ここで、前記樹脂製部分100重量%に対する前記植物性抽出物の含有量は、使用者の要求に応じて増減をさせればよく、例えばスポーツ選手であれば活性酸素が多く発生しているので還元力を高めるために前記含有量を増加させ10重量%にし、例えば運動をあまりされない高齢者の場合は前記含有量を減少させ0.1重量%にする。
【0038】
そして、図2に示すように、前記口腔用器具1を最初の5分間のみ口腔内に挿入させた後に口腔内には何も挿入しないケースのIグループと、図2に示すように、前記口腔用器具1を最初からずーと口腔内に挿入させ、さらに続けて30分後、40分後、50分後、60分後まで挿入状態を継続したケースのIIグループとを比較するようにして、前記口腔用器具1の挿入時間の相違と還元化の効果を確認した。前記IIグループには、比較試験実施中は前記口腔用器具1の口腔内への挿入は維持し続けてもらった。前記口腔用器具1を口腔5内に挿入中は、唾液を出し前記口腔用器具1を舐めることをしてもらった。
【0039】
唾液に含有された前記植物性抽出物の成分は、飲み込んだ唾液が小腸にいき小腸粘膜から身体に吸収されたり、口腔5内に滞留している唾液が舌の裏の粘膜に接触し舌の裏の粘膜から身体に吸収される。
【0040】
飲み込まれた、前記植物性抽出物の抗酸化作用の成分を含有した唾液が、小腸粘膜から吸収されて、再び抗酸化作用を有する唾液として産生される時間は最短で25分かかると言われています。
【0041】
一方、血液が心臓からでて全身を巡ってまた心臓に戻ってくるまでの時間は約30秒と言われています。すると、前記植物性抽出物の抗酸化作用の成分を含有した唾液が、舌の裏の粘膜から吸収されて、再び抗酸化作用を有する唾液として産生される時間は最短で2~3分と推定されます。舌の裏の粘膜で吸収させることによって還元化の効果が迅速に発現できるという効果があります。
【0042】
前記Iグループは男性2名、女性2名のモニター4名とし、前記IIグループは男性3名、女性1名のモニター4名とし、飲食や携帯電話使用による生体反応の影響を避けるために、本発明の前記口腔用機器1を挿入開始1時間前からモニター全員飲食禁止及び携帯電話使用禁止とした。
【0043】
モニターの酸化還元電位の測定は唾液から測定することとし、唾液の採取は、前記口腔用器具1を挿入直前、挿入開始時から5分後、挿入開始時から10分後、挿入開始時から20分後、挿入開始時から30分後、挿入開始時から40分後、挿入開始時から50分後、挿入開始時から60分後にそれぞれ唾液を採取し、それぞれ採取した唾液を別々の袋に空気を抜いた状態で封入した。
【0044】
採取した唾液の酸化還元電位の測定は、特定非営利活動法人日本ORP測定検査協会に委託して、採取した唾液のORP(酸化還元電位)を測定した。酸化還元電位測定装置は商品名ORPreader(オルプ株式会社製)を使用し、前記酸化還元電位測定装置で測定した結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
次に、口腔用器具1の挿入直前から挿入開始時から5分後の変化、及び、口腔用器具1の挿入直前から挿入開始時から60分後の変化を表1のデータをもとに表2にまとめた。
【0047】
【表2】
【0048】
酸化還元電位と人体の健康状態は、一般的に、酸化還元電位+40超~+50の範囲は酸化還元境界といわれ、酸化還元電位±0超~+40の範囲は還元力は弱いが体調良好、酸化還元電位-40超~±0の範囲は還元力はやや強くて体調良好、酸化還元電位-160超~-40の範囲は還元力は強くて体調良好といわれ、酸化還元電位+50超の範囲は酸化力が強く体調は不良で何らかの症状があると言われている。
【0049】
表1及び表2から、8人のモニターの内、7名については挿入5分後には唾液の酸化還元電位が還元化されていることが示されている。この唾液の酸化還元電位が還元化された数値には、前記口腔用器具1から滲みだした前記植物性抽出物を含有した唾液が抗酸化作用を有したことによる効果と、舌の裏の粘膜から前記植物性抽出物の抗酸化作用の成分を吸収した血液が還元化されて全身を巡って再び還元化された唾液として産生されるという効果との相乗効果が示されていると推定できる。
【0050】
次に、Iグループの4人について分析する。挿入5分後の前記口腔用器具1を外した時間から35分後の表1における40分後には、小腸粘膜から前記植物性抽出物の抗酸化作用の成分を吸収した血液が還元化されて全身を巡って再び還元化された唾液として産生された効果が加わって、4人全員が身体が還元化されたという効果が得られた。さらに挿入5分後の前記口腔用器具1を外した時間から55分後の表1又は表2における60分後においても、2名は身体の還元化が維持されているという効果が得られた。このことは、前記植物性抽出物の抗酸化作用の成分を含有した唾液が、舌の裏の粘膜、及び、小腸粘膜から吸収され、その後に舌の裏の粘膜、及び、小腸粘膜から吸収するのを止めても、還元化された血液が全身を巡り続け、身体の還元化を実現でき、炎症が生じにくく、老化が進みにくく、ストレス過多になりにくくしたという効果が示されている。
【0051】
Iグループの4名の内、本発明の前記口腔用器具1の使用前においては1名が酸化還元電位59で体調は不良の状態であったが、本発明の前記口腔用器具1の使用によって、4名全員が体調良好に変わるという成果が得られた。なお、前記口腔用器具1を外した時間から25分後の、表1又は表2における30分後に酸化還元電位が一時的に酸化されたデータを示したのは、生命現象を示す生体機能は、常に緩衝作用が働いているので、過分なアルカリ物質を体内に取り込むと健常者には体調維持には過剰となり体内負荷での逆の作用を一時的にもたらすことによるものである。
【0052】
次に、IIグループについて分析する。前記口腔用器具1の挿入開始から40分後~60分後には唾液の酸化還元電位が、前記口腔用器具1の挿入開始前の酸化還元電位と比較して4名全員が大きく還元化になってかつ維持されていることを示している。これは、前記口腔用器具1から略60分間にわたって滲みだし続けた前記植物性抽出物を含有した唾液が抗酸化作用を有し続けていることによる効果と、舌の裏の粘膜から前記植物性抽出物の抗酸化作用の成分を略60分間吸収し続けている血液が還元化されて全身を巡って再び還元化された唾液として産生されるという効果と、小腸粘膜から前記植物性抽出物の抗酸化作用の成分を略60分間吸収し続けている血液が還元化されて全身を巡って再び還元化された唾液として産生された効果との相乗効果が発現されたものといえる。
【0053】
一方、Iグループでは前記口腔用器具1の挿入開始から60分後に該当する、前記口腔用器具1を口腔5から取り出して55分後には、4名中2名は大きく還元化され、1名はやや還元化され、1名はやや酸化されているという結果となり、この結果はIIグループの4名全員が大きく還元化された結果とは大きく相違することがわかる。Iグループの前記口腔用器具1を口腔5から取り出して55分後は、舌の裏の粘膜から前記植物性抽出物の抗酸化作用の成分を略5分間吸収した血液が還元化されて全身を巡って再び還元化された唾液として産生されるという効果と、小腸粘膜から前記植物性抽出物の抗酸化作用の成分を略5分間吸収した血液が還元化されて全身を巡って再び還元化された唾液として産生された効果との相乗効果が発現されたものといえる。
【0054】
このことは、本発明の前記口腔用器具1を口腔5内で長い時間かけて唾液を出して舐めていれば、唾液が前記口腔用器具1内に浸透し唾液が、視認できない大きさである極微小の粒子の前記植物性抽出物の還元化の成分に接触することにより前記還元化の成分が滲み出し続けていることを示しており、このことにより身体の還元化が長時間維持できることを示している。さらに前記口腔用器具1中には極微小の粒子の前記植物性抽出物が貯蔵されている状態であるので、前記口腔用器具1を繰り返し使用しても還元力が発揮されることが示されている。
【0055】
この60分間使用すると大きな還元化効果が得られたことは、本発明の口腔用器具1の樹脂製部分には、樹脂であるシリコーンの中に還元化の効果を有する粉末状の植物性抽出物が貯蔵されている状態が長時間継続していることを示している。このことは還元力を有する水素水がアルミ容器を開封すると水素水に含有されている水素がすぐに抜け短時間しか還元力を期待できないことに対して、還元化の効果を有する粉末状の植物性抽出物が貯蔵されている本発明の口腔用器具1は長時間にわたって還元力を維持することが期待できるという効果が示された。
【0056】
よって、表1又は表2から、本発明の口腔用器具1を使用すると、唾液の還元化が進み人体が還元化され体調が良好になるという顕著な効果が得られた。
【符号の説明】
【0057】
1 口腔用器具
2 口腔内挿入部
3 把持部
4 挿入阻止部
5 口腔
図1
図2