(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063859
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】液体噴射装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/02 20060101AFI20240507BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240507BHJP
B41J 2/175 20060101ALI20240507BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20240507BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20240507BHJP
B05C 13/02 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
B41J2/02
B41J2/01 303
B41J2/175 101
B41J2/01 305
B41J2/01 307
B41J2/175 501
B05C5/00 101
B05C11/10
B05C13/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172014
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130535
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 明
(74)【代理人】
【識別番号】100183025
【弁理士】
【氏名又は名称】大角 孝一
(72)【発明者】
【氏名】勝田 治
(72)【発明者】
【氏名】岡田 英樹
(72)【発明者】
【氏名】関野 博一
【テーマコード(参考)】
2C056
2C057
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
2C056FA05
2C056FA10
2C056FB03
2C056HA07
2C056HA12
2C056HA29
2C056HA37
2C056HA38
2C056HA42
2C056HA44
2C056KA01
2C056KC30
2C057AF21
2C057AG11
2C057AJ03
2C057AN01
2C057BA15
2C057DB02
2C057DB03
4F041AA12
4F041AB01
4F041BA01
4F041BA10
4F041BA12
4F041BA13
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4F042AA22
4F042AB00
4F042BA04
4F042BA07
4F042BA08
4F042BA12
4F042BA25
4F042CA01
4F042CB02
4F042CB08
4F042CB19
4F042CC03
4F042CC07
4F042CC15
4F042CC30
4F042DH09
(57)【要約】
【課題】媒体に対して少量且つ均一に液体を噴射する。
【解決手段】媒体Mを搬送方向Aに搬送する搬送部9と、搬送方向Aに搬送される媒体Mと対向する位置において搬送方向Aと交差する往復移動方向Bに移動するキャリッジ4と、キャリッジ4に設けられ、媒体Mに向けて液体3を噴射する少なくとも1つのノズル27を有するヘッド部2と、を備え、ヘッド部2は、液体3を連続流3aで噴射するとともに連続流3aを液滴3b化させて液滴3b状で媒体Mに衝突させる液体噴射装置1。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
前記搬送方向に搬送される前記媒体と対向する位置において前記搬送方向と交差する往復移動方向に移動するキャリッジと、
前記キャリッジに設けられ、前記媒体に向けて液体を噴射する少なくとも1つのノズルを有するヘッド部と、
を備え、
前記ヘッド部は、前記液体を連続流で噴射するとともに前記連続流を液滴化させて液滴状で前記媒体に衝突させることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液体噴射装置において、
前記液体を貯留する液体貯留部と、前記液体貯留部から前記ヘッド部に前記液体を送る送液部と、を備えることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の液体噴射装置において、
前記搬送部により搬送されている前記媒体に対して、前記キャリッジを前記往復移動方向に移動させつつ前記ヘッド部から前記液体を前記媒体に向けて噴射させることが可能に構成されていることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の液体噴射装置において、
前記搬送部は、前記媒体の搬送と停止とを繰り返して前記媒体を間欠搬送可能であり、
前記媒体の間欠搬送における停止中に、前記キャリッジを前記往復移動方向に移動させつつ前記ヘッド部から前記液体を前記媒体に向けて噴射させることが可能に構成されていることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の液体噴射装置において、
前記キャリッジを前記搬送方向に沿って移動可能なキャリッジ移動軸を備え、
前記キャリッジは、前記キャリッジ移動軸とともに前記往復移動方向に移動可能に構成されていることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項6】
請求項1または2に記載の液体噴射装置において、
前記ヘッド部は、前記搬送方向に沿って複数の前記ノズルが並ぶノズル列を有することを特徴とする液体噴射装置。
【請求項7】
請求項6に記載の液体噴射装置において、
前記搬送部により搬送されている前記媒体に対して、前記キャリッジを前記往復移動方向に移動させつつ前記ヘッド部から前記液体を前記媒体に向けて噴射させることが可能に構成され、
前記ノズル列から噴射される前記搬送方向における前記液体の着弾長さは、前記キャリッジの前記往復移動方向の移動における1回分の移動に伴って搬送される、前記媒体の前記搬送方向における搬送距離よりも長いことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項8】
請求項1または2に記載の液体噴射装置において、
前記ヘッド部は、複数の前記ノズルが円形に配置されていることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項9】
請求項1または2に記載の液体噴射装置において、
前記ノズルの内径は、150μm以下であることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項10】
請求項1または2に記載の液体噴射装置において、
前記ヘッド部からの前記液体の噴射速度は、10m/s以上であることを特徴とする液体噴射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、対象物に対して液体を噴射させる様々な液体噴射装置が使用されている。このような液体噴射装置のうち、布帛などの媒体に液体を噴射する液体噴射装置がある。例えば、特許文献1には、液体スプレーヘッドを備え、液体スプレーヘッドを高速回転させながら紡績物に液体を塗布するスプレーノズルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されるような、布帛などの媒体に液体を噴射する従来の液体噴射装置においては、媒体に対して少量且つ均一に液体を噴射することが困難であった。従来の液体噴射装置においては、液体を噴射させる際に1つの流体(噴射する液体)のみを使用する1流体ノズルを備えるものは小液滴化することが難しく媒体に対して均一に液体を噴射することが困難であり、2つの流体(噴射する液体に加えて空気など)を使用する2流体ノズルを備えるものは液体の噴射に伴って大量のミストを発生させてしまうことで液体を多量に消費する傾向にあるためである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明の液体噴射装置は、媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、前記搬送方向に搬送される前記媒体と対向する位置において前記搬送方向と交差する往復移動方向に移動するキャリッジと、前記キャリッジに設けられ、前記媒体に向けて液体を噴射する少なくとも1つのノズルを有するヘッド部と、を備え、前記ヘッド部は、前記液体を連続流で噴射するとともに前記連続流を液滴化させて液滴状で前記媒体に衝突させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】
図1の液体噴射装置の液体の供給経路を表す概略図。
【
図3】
図1の液体噴射装置を用いて搬送される媒体に液体を噴射している様子を表す概略平面図。
【
図4】
図1の液体噴射装置で使用可能なヘッド部の例を表す概略底面図。
【
図5】
図1の液体噴射装置で使用可能なヘッド部の例を表す概略底面図。
【
図6】
図1の液体噴射装置で使用可能なヘッド部の例を表す概略底面図。
【
図7】
図1の液体噴射装置で使用可能なヘッド部の例を表す概略底面図。
【
図8】
図1の液体噴射装置で使用可能なヘッド部の例を表す概略底面図。
【
図9】
図1の液体噴射装置で使用可能なヘッド部の例を表す概略底面図。
【
図10】
図1の液体噴射装置で使用可能なヘッド部の例を表す概略底面図。
【
図11】
図1の液体噴射装置で使用可能なヘッド部の例を表す概略底面図。
【
図12】実施例2の液体噴射装置を用いて搬送される媒体に液体を噴射している様子を表す概略平面図。
【
図13】実施例3の液体噴射装置を用いて搬送される媒体に液体を噴射している様子を表す概略平面図。
【
図14】実施例4の液体噴射装置を用いて搬送される媒体に液体を噴射している様子を表す概略平面図。
【
図15】実施例5の液体噴射装置を用いて搬送される媒体に液体を噴射している様子を表す概略平面図。
【
図16】実施例6の液体噴射装置を用いて搬送される媒体に液体を噴射している様子を表す概略平面図。
【
図17】実施例7の液体噴射装置を用いて搬送される媒体に液体を噴射している様子を表す概略平面図。
【
図18】実施例8の液体噴射装置を用いて搬送される媒体に液体を噴射している様子を表す概略平面図。
【
図19】実施例9の液体噴射装置を用いて搬送される媒体に液体を噴射している様子を表す概略平面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
最初に、本発明について概略的に説明する。
上記課題を解決するための本発明の第1の態様の液体噴射装置は、媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、前記搬送方向に搬送される前記媒体と対向する位置において前記搬送方向と交差する往復移動方向に移動するキャリッジと、前記キャリッジに設けられ、前記媒体に向けて液体を噴射する少なくとも1つのノズルを有するヘッド部と、を備え、前記ヘッド部は、前記液体を連続流で噴射するとともに前記連続流を液滴化させて液滴状で前記媒体に衝突させることを特徴とする。
【0008】
本態様によれば、ヘッド部は液体を連続流で噴射するとともに連続流を液滴化させて液滴状で媒体に衝突させる。このような構成とすることで、高いエネルギーで且つミストなどを抑制しつつ高精度に液体を媒体の所望の位置に塗布することができる。したがって、媒体に対して少量且つ均一に液体を噴射することができる。
【0009】
本発明の第2の態様の液体噴射装置は、前記第1の態様において、前記液体を貯留する液体貯留部と、前記液体貯留部から前記ヘッド部に前記液体を送る送液部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、液体を貯留する液体貯留部と、液体貯留部からヘッド部に液体を送る送液部と、を備える。このため、送液部によって特に高いエネルギーで液体を媒体に塗布することができる。
【0011】
本発明の第3の態様の液体噴射装置は、前記第1または第2の態様において、前記搬送部により搬送されている前記媒体に対して、前記キャリッジを前記往復移動方向に移動させつつ前記ヘッド部から前記液体を前記媒体に向けて噴射させることが可能に構成されていることを特徴とする。
【0012】
本態様によれば、搬送部により搬送されている媒体に対して、キャリッジを往復移動方向に移動させつつヘッド部から液体を媒体に向けて噴射させることができる。このため、効率よく短時間で液体を媒体に塗布することができる。
【0013】
本発明の第4の態様の液体噴射装置は、前記第1または第2の態様において、前記搬送部は、前記媒体の搬送と停止とを繰り返して前記媒体を間欠搬送可能であり、前記媒体の間欠搬送における停止中に、前記キャリッジを前記往復移動方向に移動させつつ前記ヘッド部から前記液体を前記媒体に向けて噴射させることが可能に構成されていることを特徴とする。
【0014】
本態様によれば、搬送部は媒体を間欠搬送可能であり、媒体の間欠搬送における停止中にキャリッジを往復移動方向に移動させつつヘッド部から液体を媒体に向けて噴射させることができる。このような構成とすることで、停止中の媒体に液体を噴射することができるので液体の噴射精度を高くすることができ、特に均一に液体を媒体に塗布することができる。
【0015】
本発明の第5の態様の液体噴射装置は、前記第1または第2の態様において、前記キャリッジを前記搬送方向に沿って移動可能なキャリッジ移動軸を備え、前記キャリッジは、前記キャリッジ移動軸とともに前記往復移動方向に移動可能に構成されていることを特徴とする。
【0016】
本態様によれば、キャリッジを搬送方向に沿って移動可能なキャリッジ移動軸を備え、キャリッジはキャリッジ移動軸とともに往復移動方向に移動可能に構成されている。このような構成とすることで、様々な配置から媒体に液体を噴射することができ、特に均一に液体を媒体に塗布することができる。
【0017】
本発明の第6の態様の液体噴射装置は、前記第1または第2の態様において、前記ヘッド部は、前記搬送方向に沿って複数の前記ノズルが並ぶノズル列を有することを特徴とする。
【0018】
本態様によれば、ヘッド部は搬送方向に沿って複数のノズルが並ぶノズル列を有する。このため、効率的に媒体に液体を塗布することができる。
【0019】
本発明の第7の態様の液体噴射装置は、前記第6の態様において、前記搬送部により搬送されている前記媒体に対して、前記キャリッジを前記往復移動方向に移動させつつ前記ヘッド部から前記液体を前記媒体に向けて噴射させることが可能に構成され、前記ノズル列から噴射される前記搬送方向における前記液体の着弾長さは、前記キャリッジの前記往復移動方向の移動における1回分の移動に伴って搬送される、前記媒体の前記搬送方向における搬送距離よりも長いことを特徴とする。
【0020】
本態様によれば、搬送方向における液体の着弾長さは、キャリッジの往復移動方向の移動における1回分の移動に伴って搬送される、媒体の搬送方向における搬送距離よりも長い。このため、搬送部により搬送されている媒体の移動量が液体の着弾長さよりも長くなることによって、キャリッジの往方向の移動による塗布範囲と復方向の移動による塗布範囲との間に液体が塗布されない部分が生じることを抑制することができる。
【0021】
本発明の第8の態様の液体噴射装置は、前記第1または第2の態様において、前記ヘッド部は、複数の前記ノズルが円形に配置されていることを特徴とする。
【0022】
本態様によれば、ヘッド部は複数のノズルが円形に配置されている。このため、効率的に媒体に液体を媒体に塗布することができる。
【0023】
本発明の第9の態様の液体噴射装置は、前記第1または第2の態様において、前記ノズルの内径は、150μm以下であることを特徴とする。
【0024】
本態様によれば、ノズルの内径は150μm以下である。このような構成とすることで、液体を媒体に対して緻密に塗布することができる。
【0025】
本発明の第10の態様の液体噴射装置は、前記第1または第2の態様において、前記ヘッド部からの前記液体の噴射速度は、10m/s以上であることを特徴とする。
【0026】
本態様によれば、ヘッド部からの液体の噴射速度は10m/s以上である。このような構成とすることで、液体を媒体に対して高い直進性で衝突させることができ、高精度に液体を媒体の所望の位置に塗布することができる。
【0027】
[実施例1]
以下、添付図面を参照して、本発明に係る液体噴射装置1の実施形態を説明する。最初に、
図1を参照して本発明の実施例1に係る液体噴射装置1Aの概要について説明する。
図1で表されるように、本実施例の液体噴射装置1Aは、例えば布帛などの媒体Mを搬送方向Aに搬送する搬送部9を備えている。なお、本実施例の搬送部9は、少なくとも2カ所設けられているローラー対であるが、搬送部9の構成や数に特に限定は無い。例えば、媒体MとしてのTシャツなどの被服を載置して搬送するトレイなどであってもよい。
【0028】
また、
図1で表されるように、本実施例の液体噴射装置1Aは、搬送方向Aに搬送される媒体Mと対向する位置において搬送方向Aと交差する往復移動方向Bに移動するキャリッジ4を備えている。そして、キャリッジ4には、媒体Mに向けて液体3を噴射する少なくとも1つのノズル27を有するヘッド部2が設けられている。
【0029】
ここで、本実施例の液体噴射装置1Aは、該液体噴射装置1Aよりも搬送方向Aにおける上流側にインクジェットプリンターなどを接続することが可能に構成されている。液体噴射装置1Aよりも搬送方向Aにおける上流側にインクジェットプリンターなどを接続する場合、液体3として例えば撥水剤、防虫剤、防カビ剤、防火剤などを含む溶液を使用することができる。ただし、本実施例の液体噴射装置1Aは、液体噴射装置1Aよりも搬送方向Aにおける上流側にインクジェットプリンターなどを接続しない場合などにおいても、インクジェットプリンターなどで画像が形成された媒体Mに対して例えば撥水剤、防虫剤、防カビ剤、防火剤などを含む液体3を噴射させることができる。
【0030】
一方、本実施例の液体噴射装置1Aは、該液体噴射装置1Aよりも搬送方向Aにおける下流側にインクジェットプリンターなどを接続することが可能に構成されている。液体噴射装置1Aよりも搬送方向Aにおける下流側にインクジェットプリンターなどを接続する場合、液体3として例えばインクの発色を良くする前処理剤などを含む溶液を使用することができる。ただし、本実施例の液体噴射装置1Aは、液体噴射装置1Aよりも搬送方向Aにおける上流側にインクジェットプリンターなどを接続しない場合などにおいても、インクジェットプリンターなどで画像を形成する予定の媒体Mに対して例えば前処理剤を含む液体3を噴射させることができる。
【0031】
次に、
図2を参照して
図1の液体噴射装置1Aの液体の供給経路などについて説明する。
図2に示すように、本実施例の液体噴射装置1Aは、ノズル27を有するヘッド部2と、噴射する液体3を貯留する液体貯留部8と、ヘッド部2と液体貯留部8とをつなぐ液体搬送管7と、ポンプPである送液部6と、送液部6への制御信号線52を有する制御部5を備えている。なお、制御部5は、本実施例の液体噴射装置1Aの全体を制御する。また、ヘッド部2は、上記のように、キャリッジ4に搭載される。
【0032】
ここで、本実施例の液体噴射装置1Aは、ヘッド部2に設けられた1つまたは複数のノズル27から方向bに連続状態で噴射された液体3の連続流3aが液滴3bとなる液滴化された状態で該液滴3bを媒体Mに衝突させる液体噴射装置である。本実施例の液体噴射装置1Aは、このような構成としていることで、高いエネルギーで且つミストなどを抑制しつつ高精度に液体3を媒体Mの所望の位置に塗布することができる。したがって、媒体Mに対して少量且つ均一に液体3を噴射することができる。
【0033】
なお、上記のように、本実施例の液体噴射装置1Aは、液体3を貯留する液体貯留部8と、液体貯留部8からヘッド部2に液体3を送る送液部6と、を備える。このため、本実施例の液体噴射装置1Aは、ポンプPなどの送液部6によって特に高いエネルギーで液体3を媒体Mに塗布することができる。
【0034】
次に、
図3を参照して
図1の液体噴射装置1Aを用いて搬送される媒体Mに液体3を噴射している様子について説明する。本実施例の液体噴射装置1Aは、上記のように、搬送部9を備えている。ここで、搬送部9は、制御部5の制御により、媒体Mの搬送方向Aへの搬送と停止とを繰り返して媒体Mを間欠搬送することが可能に構成されている。そして、本実施例の液体噴射装置1Aは、搬送部9による媒体Mの間欠搬送における停止中に、キャリッジ4を往復移動方向Bに移動させつつヘッド部2から液体3を媒体Mに向けて噴射させることが可能に構成されている。
図3は、搬送部9による媒体Mの間欠搬送における停止中に、キャリッジ4を往復移動方向Bに移動させつつヘッド部2から液体3を媒体Mに向けて噴射させている様子を表している。本実施例の液体噴射装置1Aは、このような構成となっていることで、停止中の媒体Mに液体3を噴射することができるので液体3の噴射精度を高くすることができ、特に均一に液体3を媒体Mに塗布することができる。
【0035】
一方で、本実施例の液体噴射装置1Aは、制御部5の制御により、搬送部9により媒体Mを連続的に搬送し、搬送部9により連続的に搬送されている媒体Mに対して、キャリッジ4を往復移動方向Bに移動させつつヘッド部2から液体3を媒体Mに向けて噴射させることも可能に構成されている。このため、本実施例の液体噴射装置1Aは、効率よく短時間で液体3を媒体Mに塗布することもできる。
【0036】
なお、本実施例の液体噴射装置1Aは、ヘッド部2として様々な構成のものを付け替えて使用可能な構成となっている。本実施例の液体噴射装置1Aで使用可能なヘッド部2の例について
図4から
図11を参照して説明する。
【0037】
最初に、
図4で表されるヘッド部2は、1つのノズル27のみを有する構成である。このように、ヘッド部2は1つのノズル27のみを有していてもよい。ただし、ヘッド部2は複数のノズル27を有していてもよい。
図5で表されるヘッド部2は、往復移動方向Bに沿って並ぶ2つのノズル27を有する構成である。ただし、往復移動方向Bに沿って3つ以上のノズル27を有する構成としてもよい。
【0038】
図6で表されるヘッド部2は、搬送方向Aに沿って並ぶ4つのノズル27を有する構成である。ただし、搬送方向Aに沿って並ぶ2つ、3つ、或いは、5つ以上のノズル27を有する構成としてもよい。
図7及び
図8で表されるヘッド部2は、搬送方向Aに沿って並ぶ複数のノズル27からなるノズル列を3本有する構成である。
図7で表されるヘッド部2のように往復移動方向Bにおける各ノズル列のノズル27の位置が揃っていてもよいし、
図8で表されるヘッド部2のように往復移動方向Bにおける各ノズル列のノズル27の位置が揃っていないものを含んでいてもよい。
【0039】
このように、ヘッド部2は、搬送方向Aに沿って複数のノズル27が並ぶノズル列を有することが好ましい形態の1つである。このような構成となっていることで、効率的に媒体Mに液体3を塗布することができるためである。
【0040】
図9、
図10及び
図11で表されるヘッド部2は、複数のノズル27が円形に配置されている。このような構成となっていることでも、効率的に媒体Mに液体3を塗布することができる。ここで、
図9で表されるヘッド部2は1重の円状に複数のノズル27が配置され、
図10で表されるヘッド部2は同心円状に2重の円状に複数のノズル27が配置されている。また、
図11で表されるヘッド部2は、同心円状ではなく3つの円状に複数のノズル27が配置されている。このように、特にノズル27の配置に限定は無い。また、
図10で表されるヘッド部2は、外側の円を構成するノズル27のほうが内側の円を構成するノズル27よりも内径が大きくなっている。このように、ノズル27の内径も特に限定は無い。また、複数のノズル27が円形ではなく例えば多角形に配置されていてもよい。
【0041】
ただし、ノズル27が1つの場合及び複数の場合に限られず、ノズル27の内径は、150μm以下であることが好ましい。このような構成とすることで、液体3を媒体Mに対して緻密に塗布することができるためである。なお、ノズルの内径は10μm以上であることが好ましい。ノズルの内径を10μm以上とすることでノズルから噴射された液体がミスト化することを効果的に抑制することができるためである。
【0042】
また、ヘッド部2からの液体3の噴射速度は、10m/s以上であることが好ましい。このような構成とすることで、液体3を媒体Mに対して高い直進性で衝突させることができ、高精度に液体3を媒体Mの所望の位置に塗布することができる。なお、ヘッド部2からの液体3の噴射速度は、20m/s以上であることが特に好ましい。媒体Mにおける特に正確な位置に液体3を噴射できるためである。また、液体3の噴射速度は160m/s以下であることが好ましい。液体3の噴射速度を160m/s以下とすることで媒体Mの損傷を抑制できるためである。
【0043】
なお、上記のような構成の液体噴射装置1においては、キャリッジ4の往復移動方向Bの移動における端部での減速にともない、該端部で液体3の塗布量が多くなる虞がある。そこで、本実施例の液体噴射装置1Aにおいては、該端部で液体3の塗布量が多くなることを抑制するため、制御部5の制御により、ヘッド部2からの液体3の噴射量を該端部において減らす処理を行うことが可能に構成されている。具体的には、本実施例の液体噴射装置1Aにおいては、ポンプPの圧力を調整することでこのような処理を実行する。
【0044】
[実施例2]
以下に、実施例2の液体噴射装置1Bについて
図12を参照して説明する。
図12は、実施例1の液体噴射装置1Aにおける
図3に対応する図である。本実施例の液体噴射装置1Bは、以下で説明する構成以外については、実施例1の液体噴射装置1Aと同様である。このため、本実施例の液体噴射装置1Bは、下記の説明箇所以外については実施例1の液体噴射装置1Aと同様の特徴を有している。そこで、
図12では上記実施例1と共通する構成部材は同じ符号で示し、詳細な説明は省略する。
【0045】
図3で表されるように、実施例1の液体噴射装置1Aにおいては、送液部6はポンプPであった。一方、
図12で表されるように、本実施例の液体噴射装置1Bにおいては、送液部6は、内部に圧縮可能な袋状の液体貯留部8を有し、送液部6の内部を加圧可能な構成となっている。このように、送液部6は、ポンプP以外の構成とすることができる。
【0046】
なお、本実施例の液体噴射装置1Bにおいては、送液部6は、内部に圧縮可能な袋状の液体貯留部8を有しているが、液体貯留部8と送液部6とが一体的に圧力容器などで構成されていてもよい。また、送液部6とヘッド部2とを繋ぐ液体搬送管7は、圧力容器の下面に接続されていてもよいし、圧力容器の下面に接触するように上側から圧力容器内に配置されていてもよい。
【0047】
[実施例3]
以下に、実施例3の液体噴射装置1Cについて
図13を参照して説明する。
図13は、実施例1の液体噴射装置1Aにおける
図3に対応する図である。本実施例の液体噴射装置1Cは、以下で説明する構成以外については、実施例1及び実施例2の液体噴射装置1と同様である。このため、本実施例の液体噴射装置1Cは、下記の説明箇所以外については実施例1及び実施例2の液体噴射装置1と同様の特徴を有している。そこで、
図13では上記実施例1及び実施例2と共通する構成部材は同じ符号で示し、詳細な説明は省略する。
【0048】
図13で表されるように、本実施例の液体噴射装置1Cにおいては、キャリッジ4を搬送方向Aに沿って移動可能なキャリッジ移動軸26を備えている。そして、キャリッジ4は、キャリッジ移動軸26とともに往復移動方向Bに移動可能に構成されている。本実施例の液体噴射装置1Cは、このような構成となっていることで、様々な配置から媒体Mに液体3を噴射することができ、特に均一に液体3を媒体Mに塗布することができる。
【0049】
なお、本実施例の液体噴射装置1Cも、制御部5の制御により、搬送部9により媒体Mを連続的に搬送し、搬送部9により連続的に搬送されている媒体Mに対して、キャリッジ4を往復移動方向Bに移動させつつヘッド部2から液体3を媒体Mに向けて噴射させることが可能である。この場合、搬送部9による媒体Mの搬送方向Aへの搬送速度に合わせて、キャリッジ4をキャリッジ移動軸26に沿って搬送方向Aへ移動させることができる。このようにすることで、媒体Mに液体3をムラなく噴射することができる。
【0050】
そして、本実施例の液体噴射装置1Cは、制御部5の制御により、媒体Mの搬送方向Aへの搬送と停止とを繰り返して媒体Mを間欠搬送させ、搬送部9による媒体Mの間欠搬送における停止中に、キャリッジ4を往復移動方向Bに移動させつつヘッド部2から液体3を媒体Mに向けて噴射させることも可能である。さらには、本実施例の液体噴射装置1Cは、制御部5の制御により、媒体Mの間欠搬送をしばらく停止させ、キャリッジ4をキャリッジ移動軸26に沿って搬送方向Aへ移動させることと、キャリッジ4を往復移動方向Bに移動させつつヘッド部2から液体3を媒体Mに向けて噴射させることと、を繰り返し、媒体Mに液体3を噴射することもできる。このようにすることでも、媒体Mに液体3をムラなく噴射することができる。
【0051】
また、本実施例の液体噴射装置1Cも、
図4から
図11の各構成のヘッド部2を使用することが可能である。ここで、例えば、
図4から
図11の各構成のヘッド部2のうち、
図6のヘッド部2を使用した場合、ノズル列から噴射される搬送方向Aにおける液体3の着弾長さが、キャリッジ4の往復移動方向の移動における1回分の移動に伴って搬送される、媒体Mの搬送方向Aにおける搬送距離よりも長くなるようにすることができる。
【0052】
このため、本実施例の液体噴射装置1Cは、搬送部9により搬送されている媒体Mの移動量が液体3の着弾長さよりも長くなることによって、キャリッジ4の往方向の移動による塗布範囲と復方向の移動による塗布範囲との間に液体3が塗布されない部分が生じることを抑制することができる。なお、本実施例の液体噴射装置1Cにおいては、ノズル列の搬送方向Aにおける長さは、液体3の着弾長さとほぼ同等であり、キャリッジ4の往復移動方向Bの移動における1回分の移動に伴って搬送される媒体Mの搬送方向Aにおける搬送距離に対して、略同等、或いは、略整数倍にすることができる。このようにすることで、キャリッジ4の往方向の移動による塗布範囲と復方向の移動による塗布範囲との間に液体3が例えば2倍の量塗布される部分(キャリッジ4の往方向の移動の際と復方向の移動の際とで液体3が重ねて塗布される部分)が生じてムラになることも抑制することもできる。
【0053】
[実施例4]
以下に、実施例4の液体噴射装置1Dについて
図14を参照して説明する。
図14は、実施例1の液体噴射装置1Aにおける
図3に対応する図である。本実施例の液体噴射装置1Dは、以下で説明する構成以外については、実施例1から実施例3の液体噴射装置1と同様である。このため、本実施例の液体噴射装置1Dは、下記の説明箇所以外については実施例1から実施例3の液体噴射装置1と同様の特徴を有している。そこで、
図14では上記実施例1から実施例3と共通する構成部材は同じ符号で示し、詳細な説明は省略する。
【0054】
ここで、実施例1から実施例3の液体噴射装置1においては、キャリッジ4の往復移動方向Bの移動における端部での減速にともない、該端部で液体3の塗布量が多くなることを抑制するため、制御部5の制御により、ヘッド部2からの液体3の噴射量を該端部において減らす処理を行うことが可能に構成されていた。これは、例えばポンプPの圧力を調整することなどで行っていた。一方、
図14で表されるように、本実施例の液体噴射装置1Dは、電磁弁である二方弁25を設けるとともに、キャリッジ4の往復移動方向Bの移動軸24の両端部にキャリッジ4の検出部23を設け、検出部23がキャリッジ4を検出したら二方弁25の開閉制御を制御部5の制御により行うことが可能な構成となっている。なお、本実施例では、制御部5により二方弁25の開閉制御を電気的に行うが、検出部23のキャリッジ4の検出に連動して機械的に二方弁25の開閉を行うようにしてもよい。
【0055】
[実施例5]
以下に、実施例5の液体噴射装置1Eについて
図15を参照して説明する。
図15は、実施例1の液体噴射装置1Aにおける
図3に対応する図である。本実施例の液体噴射装置1Eは、以下で説明する構成以外については、実施例1から実施例4の液体噴射装置1と同様である。このため、本実施例の液体噴射装置1Eは、下記の説明箇所以外については実施例1から実施例4の液体噴射装置1と同様の特徴を有している。そこで、
図15では上記実施例1から実施例4と共通する構成部材は同じ符号で示し、詳細な説明は省略する。
【0056】
図14で表されるように、実施例4の液体噴射装置1Dにおいては、電磁弁である二方弁25を備え、検出部23がキャリッジ4を検出したら二方弁25の開閉制御を制御部5の制御により行うことが可能な構成であった。一方、
図15で表されるように、本実施例の液体噴射装置1Eにおいては、二方弁25の代わりに、一端が液体貯留部8に繋がる三方弁22を備えている。なお、本実施例の三方弁22は、通電することで液体貯留部8からヘッド部2までの通路が開く構成となっているが、通電することで液体貯留部8からヘッド部2までの通路が閉じる構成となっていてもよい。
【0057】
[実施例6]
以下に、実施例6の液体噴射装置1Fについて
図16を参照して説明する。
図16は、実施例1の液体噴射装置1Aにおける
図3に対応する図である。本実施例の液体噴射装置1Fは、以下で説明する構成以外については、実施例1から実施例5の液体噴射装置1と同様である。このため、本実施例の液体噴射装置1Fは、下記の説明箇所以外については実施例1から実施例5の液体噴射装置1と同様の特徴を有している。そこで、
図16では上記実施例1から実施例5と共通する構成部材は同じ符号で示し、詳細な説明は省略する。
【0058】
図16で表されるように、本実施例の液体噴射装置1Fは、媒体Mを検出可能な媒体検出部33と、ヘッド部2から噴射される液体3の量を調整可能なマスク32と、マスク32の位置を調整可能なマスク位置調整軸31と、を有している。本実施例の液体噴射装置1Fは、制御部5の制御により媒体検出部33の検出結果に基づいてマスク32の位置を調整することで、往復移動方向Bの端部で液体3の塗布量が多くなることを抑制することができる。なお、本実施例の液体噴射装置1Fにおいては、マスク32に付着した液体3は不図示のチューブを介して液体貯留部8に戻すことが可能であるが、マスク32に付着した液体3を吸収体などで吸収可能な構成としてもよい。
【0059】
[実施例7]
以下に、実施例7の液体噴射装置1Gについて
図17を参照して説明する。
図17は、実施例1の液体噴射装置1Aにおける
図3に対応する図である。本実施例の液体噴射装置1Gは、以下で説明する構成以外については、実施例1から実施例6の液体噴射装置1と同様である。このため、本実施例の液体噴射装置1Gは、下記の説明箇所以外については実施例1から実施例6の液体噴射装置1と同様の特徴を有している。そこで、
図17では上記実施例1から実施例6と共通する構成部材は同じ符号で示し、詳細な説明は省略する。
【0060】
図17で表されるように、本実施例の液体噴射装置1Gは、キャリッジ4の往復移動方向Bの移動軸24の両端部にキャリッジ4の検出部23を備えている。さらに、本実施例の液体噴射装置1Gは、空気を送風可能なコンプレッサーなどの送風部37と、電磁弁である二方弁36と、空気噴射部35と、を備えている。ここで、二方弁36の開閉や送風部37の駆動のオン及びオフは制御部5により制御され、キャリッジ4が検出部23によって検出されたら空気噴射部35から空気を噴射し、往復移動方向Bの端部で液体3の塗布量が多くなることを抑制する。
【0061】
なお、本実施例の液体噴射装置1Gは、空気噴射部35から空気を噴射することで飛ばされた液体3を回収する回収部34を備えている。ここで、本実施例の液体噴射装置1Gにおいては、回収部34で回収された液体3は、不図示のチューブを介して液体貯留部8に戻すことが可能に構成されている。
【0062】
[実施例8]
以下に、実施例8の液体噴射装置1Hについて
図18を参照して説明する。
図18は、実施例1の液体噴射装置1Aにおける
図3に対応する図である。本実施例の液体噴射装置1Hは、以下で説明する構成以外については、実施例1から実施例7の液体噴射装置1と同様である。このため、本実施例の液体噴射装置1Hは、下記の説明箇所以外については実施例1から実施例7の液体噴射装置1と同様の特徴を有している。そこで、
図18では上記実施例1から実施例7と共通する構成部材は同じ符号で示し、詳細な説明は省略する。
【0063】
図18で表されるように、本実施例の液体噴射装置1Hは、キャリッジ4の往復移動方向Bの移動軸24の両端部にキャリッジ4の検出部23を備えている。さらに、本実施例の液体噴射装置1Hは、静電気によりヘッド部2から噴射された液体3の一部を吸引することが可能な静電吸引装置38を備えている。ここで、静電吸引装置38の駆動のオン及びオフは制御部5により制御され、キャリッジ4が検出部23によって検出されたら静電吸引装置38をオンにし、往復移動方向Bの端部で液体3の塗布量が多くなることを抑制する。本実施例の液体噴射装置1Hにおいては、静電吸引装置38で回収された液体3は、チューブ39を介して液体貯留部8に戻すことが可能に構成されている。
【0064】
[実施例9]
以下に、実施例9の液体噴射装置1Iについて
図19を参照して説明する。
図19は、実施例1の液体噴射装置1Aにおける
図3に対応する図である。本実施例の液体噴射装置1Iは、以下で説明する構成以外については、実施例1から実施例8の液体噴射装置1と同様である。このため、本実施例の液体噴射装置1Iは、下記の説明箇所以外については実施例1から実施例8の液体噴射装置1と同様の特徴を有している。そこで、
図19では上記実施例1から実施例8と共通する構成部材は同じ符号で示し、詳細な説明は省略する。
【0065】
上記のように、実施例1から実施例8の液体噴射装置1においては、キャリッジ4を1つ備えていた。一方、
図19で表されるように、本実施例の液体噴射装置1Iは、キャリッジ4を2つ備えている。このように、キャリッジ4を複数有していてもよい。なお、本実施例の液体噴射装置1Iは、搬送方向Aと直交する往復移動方向Bに移動可能なキャリッジ4が往復移動方向Bに沿って2つ並べられるが、このような構成に限定されない。例えば、搬送方向Aと直交する往復移動方向Bに移動可能な3つ以上のキャリッジ4が千鳥配置されていてもよい。また、例えば、搬送方向Aと直交する方向に対して傾いた往復移動方向Bを有するキャリッジ4を複数備えていてもよい。
【0066】
また、本実施例の液体噴射装置1Iは、同じ液体3をヘッド部2から噴射可能なキャリッジ4を2つ備えているが、異なる液体3をヘッド部2から噴射可能なキャリッジ4を複数備えていてもよい。さらには、複数のキャリッジ4において異なる形状のヘッド部2を搭載させてもよい。
【0067】
本発明は、上述の実施例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば布帛へ液体3を塗布する構成でなくてもよいし、例えばロボットアームの先端にキャリッジ4を装着して平面だけでなく曲面に対しても液体3を塗布することが可能な構成としてもよい。また、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0068】
1…液体噴射装置、1A…液体噴射装置、1B…液体噴射装置、1C…液体噴射装置、1D…液体噴射装置、1E…液体噴射装置、1F…液体噴射装置、1G…液体噴射装置、1H…液体噴射装置、1I…液体噴射装置、2…ヘッド部、3…液体、3a…連続流、3b…液滴、4…キャリッジ、5…制御部、6…送液部、7…液体搬送管、8…液体貯留部、9…搬送部、22…三方弁、23…検出部、24…移動軸、25…二方弁、26…キャリッジ移動軸、27…ノズル、31…マスク位置調整軸、32…マスク、33…媒体検出部、34…回収部、35…空気噴射部、36…二方弁、37…送風部、38…静電吸引装置、39…チューブ、52…制御信号線、M…媒体、P…ポンプ