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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063865
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】散剤包装方法、散剤包装装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20240507BHJP
   B65B 1/30 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
A61J3/00 310F
B65B1/30 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172021
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】593129342
【氏名又は名称】株式会社タカゾノ
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】松久 佳樹
【テーマコード(参考)】
3E118
4C047
【Fターム(参考)】
3E118AA07
3E118AB04
3E118BA10
3E118BB02
3E118CA06
3E118CA14
3E118EA06
3E118FA01
4C047CC14
4C047JJ03
4C047JJ13
4C047JJ22
4C047JJ23
4C047JJ40
(57)【要約】
【課題】薬剤経路の清掃を行う前の時点でも、薬剤経路に残留する散剤を減少させる。
【解決手段】処方に応じて、散剤Mを薬剤経路2に供給し、前記薬剤経路2を通過する散剤Mを一服用分ごとに包装する散剤包装工程と、前記散剤包装工程に先立ち、前記薬剤経路2に供給される散剤Mとは別の粉粒体である被覆材を前記薬剤経路2に供給することで、前記薬剤経路2の少なくとも一部の内面に被覆層CLを形成する、被覆層形成工程と、を有する散剤包装方法である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処方に応じて、散剤を薬剤経路に供給し、前記薬剤経路を通過する散剤を一服用分ごとに包装する散剤包装工程と、
前記散剤包装工程に先立ち、前記薬剤経路に供給される散剤とは別の粉粒体である被覆材を前記薬剤経路に供給することで、前記薬剤経路の少なくとも一部の内面に被覆層を形成する、被覆層形成工程と、を有する散剤包装方法。
【請求項2】
前記被覆層形成工程は、前記薬剤経路を通過した前記被覆材を余剰被覆材として回収する被覆材回収工程を有する、請求項1に記載の散剤包装方法。
【請求項3】
前記被覆材回収工程にて、前記余剰被覆材を包装することにより前記回収を行う、請求項2に記載の散剤包装方法。
【請求項4】
前記散剤包装工程にて、前記被覆層の一部を構成する前記被覆材が前記薬剤経路に供給される散剤と共に前記薬剤経路を通過する、請求項1に記載の散剤包装方法。
【請求項5】
前記被覆材として賦形剤が用いられる、請求項1に記載の散剤包装方法。
【請求項6】
前記散剤包装工程は、全服用分の散剤を包装するまでに、前記被覆材を前記薬剤経路に供給することで、前記薬剤経路の少なくとも一部の内面に前記被覆層を再形成する、被覆層補充形成工程を有する、請求項1に記載の散剤包装方法。
【請求項7】
前記被覆層形成工程にて、前記薬剤経路のうち少なくとも、他の部分よりも緩い傾斜を有する部分、及び、空中を落下した散剤が衝突する部分に、前記被覆層を形成するように前記被覆材を供給する、請求項1に記載の散剤包装方法。
【請求項8】
散剤包装装置が前記薬剤経路を備えており、
前記薬剤経路は、前記薬剤経路に供給される散剤を受け入れて保持し、振動が付与されることにより散剤の排出を行う振動フィーダのトラフを含み、
前記被覆層形成工程にて、前記トラフの内面に前記被覆層を形成するように前記被覆材を供給する、請求項1に記載の散剤包装方法。
【請求項9】
前記散剤包装工程にて、前記処方に係る前記散剤の全量が前記トラフに対して供給される、請求項8に記載の散剤包装方法。
【請求項10】
散剤包装装置が前記薬剤経路を備えており、
前記薬剤経路は、包装材に散剤を投入する包装用ホッパーを含み、
前記被覆層形成工程にて、前記包装用ホッパーの内面に前記被覆層を形成するように前記被覆材を供給する、請求項1に記載の散剤包装方法。
【請求項11】
散剤包装装置が前記薬剤経路を備えており、
前記薬剤経路は、前記処方に係る散剤の全量が堆積する分配皿と、前記分配皿から散剤を一服用分ごとに切り出すための切出部材とを備え、
前記被覆層形成工程にて、前記切出部材に前記被覆層を形成するように前記被覆材を供給する、請求項1に記載の散剤包装方法。
【請求項12】
処方に応じて、散剤が供給される薬剤経路と、
前記薬剤経路を通過する散剤を一服用分ごとに包装する包装部と、
前記薬剤経路に供給される散剤とは別の粉粒体である被覆材を供給することで、前記薬剤経路の少なくとも一部の内面に被覆層を形成する被覆材供給部と、を備える散剤包装装置。
【請求項13】
前記包装部は、前記被覆材供給部から供給されて前記薬剤経路を通過した前記被覆材を包装することにより回収する、請求項12に記載の散剤包装装置。
【請求項14】
前記包装部は、前記被覆材を包装した後、前記薬剤経路の清掃を行わずに前記散剤の包装を行う、請求項13に記載の散剤包装装置。
【請求項15】
前記薬剤経路は、前記被覆層の一部を構成する前記被覆材を前記薬剤経路に供給される散剤と共に通過させる、請求項12に記載の散剤包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処方に応じて散剤を包装する散剤包装方法及び散剤包装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
散剤包装方法を実施する散剤包装装置の一つとして、特許文献1に記載の「散剤包装装置」がある。この装置では、粉体から構成された清掃材を薬剤経路に供給した後、薬剤経路に残留した散剤(当該文献では「散薬」)と共に清掃材を回収することで薬剤経路を清掃するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-105514号公報(0136~0174段落)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、薬剤経路に残留した散剤を清掃材と共に回収する、薬剤経路の清掃に関して記載されている。しかし、特許文献1に記載の構成では、前記清掃を行う前の時点(例えば、薬剤経路に散剤を通過させた直後)で薬剤経路に散剤が残留することへの対策はなされていなかった。このため、散剤包装装置に投入される散剤の量よりも包装される散剤の量が少なくなってしまうという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、薬剤経路の清掃を行う前の時点でも、薬剤経路に残留する散剤を減少させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、処方に応じて、散剤を薬剤経路に供給し、前記薬剤経路を通過する散剤を一服用分ごとに包装する散剤包装工程と、前記散剤包装工程に先立ち、前記薬剤経路に供給される散剤とは別の粉粒体である被覆材を前記薬剤経路に供給することで、前記薬剤経路の少なくとも一部の内面に被覆層を形成する、被覆層形成工程と、を有する散剤包装方法である。
【0007】
これによると、薬剤経路の少なくとも一部の内面に被覆層を形成し、散剤が薬剤経路を流れ易くした上で、散剤を薬剤経路に供給することから、薬剤経路に残留する散剤を減少させることができる。
【0008】
また、前記被覆層形成工程は、前記薬剤経路を通過した前記被覆材を余剰被覆材として回収する被覆材回収工程を有するものとできる。
【0009】
これによると、被覆材回収工程によって余剰被覆材を回収できる。
【0010】
また、前記被覆材回収工程にて、前記余剰被覆材を包装することにより前記回収を行うものとできる。
【0011】
これによると、被覆材回収工程で包装を行うことで、余剰被覆材を回収することができる。
【0012】
また、前記散剤包装工程にて、前記被覆層の一部を構成する前記被覆材が前記薬剤経路に供給される散剤と共に前記薬剤経路を通過することがある。
【0013】
これによると、散剤が被覆材と共に薬剤経路を通過する。
【0014】
また、前記被覆材として賦形剤として用いる粉粒体が用いられるものとできる。
【0015】
これによると、散剤に被覆材が混ざって包装されても人体への影響を抑制することができる。
【0016】
また、前記散剤包装工程は、全服用分の散剤を包装するまでに、前記被覆材を前記薬剤経路に供給することで、前記薬剤経路の少なくとも一部の内面に前記被覆層を再形成する、被覆層補充形成工程を有するものとできる。
【0017】
これによると、被覆層補充形成工程により、被覆層を再形成することができる。
【0018】
また、前記被覆層形成工程にて、前記薬剤経路のうち少なくとも、他の部分よりも緩い傾斜を有する部分、及び、空中を落下した散剤が衝突する部分に、前記被覆層を形成するように前記被覆材を供給するものとできる。
【0019】
これによると、薬剤経路のうち散剤が残留しやすい部分に対して被覆層を形成できる。
【0020】
また、散剤包装装置が前記薬剤経路を備えており、前記薬剤経路は、前記薬剤経路に供給される散剤を受け入れて保持し、振動が付与されることにより散剤の排出を行う振動フィーダのトラフを含み、前記被覆層形成工程にて、前記トラフの内面に前記被覆層を形成するように前記被覆材を供給するものとできる。
【0021】
これによると、薬剤経路のうち散剤が残留しやすいトラフの内面に対して被覆層を形成できる。
【0022】
また、前記散剤包装工程にて、前記処方に係る前記散剤の全量が前記トラフに対して供給されるものとできる。
【0023】
これによると、散剤の全量がトラフに対して供給されても、トラフの内面に形成された被覆層により、トラフの内面に散剤が直接触れないようにできる。
【0024】
また、散剤包装装置が前記薬剤経路を備えており、前記薬剤経路は、包装材に散剤を投入する包装用ホッパーを含み、前記被覆層形成工程にて、前記包装用ホッパーの内面に前記被覆層を形成するように前記被覆材を供給するものとできる。
【0025】
これによると、薬剤経路のうち散剤が残留しやすい包装用ホッパーの内面に対して被覆層を形成できる。
【0026】
また、散剤包装装置が前記薬剤経路を備えており、前記薬剤経路は、前記処方に係る散剤の全量が堆積する分配皿と、前記分配皿から散剤を一服用分ごとに切り出すための切出部材とを備え、前記被覆層形成工程にて、前記切出部材に前記被覆層を形成するように前記被覆材を供給するものとできる。
【0027】
これによると、薬剤経路のうち散剤が残留しやすい切出部材に対して被覆層を形成できる。
【0028】
また本発明は、処方に応じて、散剤が供給される薬剤経路と、前記薬剤経路を通過する散剤を一服用分ごとに包装する包装部と、前記薬剤経路に供給される散剤とは別の粉粒体である被覆材を供給することで、前記薬剤経路の少なくとも一部の内面に被覆層を形成する被覆材供給部と、を備える散剤包装装置である。
【0029】
これによると、薬剤経路の少なくとも一部の内面に被覆層を形成し、散剤が薬剤経路を流れ易くした上で、薬剤経路に散剤を供給することから、薬剤経路に残留する散剤を減少させることができる。
【0030】
また、前記包装部は、前記被覆材供給部から供給されて前記薬剤経路を通過した前記被覆材を包装することにより回収するものとできる。
【0031】
これによると、包装部が被覆材を包装することで、薬剤経路を通過した被覆材を回収することができる。
【0032】
また、前記包装部は、前記被覆材を包装した後、前記薬剤経路の清掃を行わずに前記散剤の包装を行うものとできる。
【0033】
これによると、薬剤経路の清掃により被覆層が薄くなったり剥がれたりすることがなく、被覆層が形成された状態の薬剤経路に散剤を供給することができる。
【0034】
また、前記薬剤経路は、前記被覆層の一部を構成する前記被覆材を前記薬剤経路に供給される散剤と共に通過させるものとできる。
【0035】
これによると、散剤が被覆材と共に薬剤経路を通過する。
【発明の効果】
【0036】
本発明では、薬剤経路の少なくとも一部の内面に被覆層を形成し、散剤が薬剤経路を流れ易くした上で、散剤を薬剤経路に供給することから、薬剤経路に残留する散剤を減少させることができる。よって、散剤包装装置に投入される散剤の量よりも包装される散剤の量が少なくなってしまうことを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の一実施形態に係る散剤包装装置のうち、薬剤経路への散剤残留対策に関連する部分を示す概略図である。
図2】前記散剤包装装置のうち、薬剤経路への散剤残留対策に関連する部分を示すブロック図である。
図3】前記薬剤経路に被覆材を供給することで内面に被覆層が形成される様子を示す断面視の概略図である。
図4】内面に被覆層が形成された前記薬剤経路を散剤が通過する様子を示す断面視の概略図である。
図5図4を部分的に拡大して示し、被覆層を構成する被覆材の一部が通過する散剤と共に前記薬剤経路に流れ出す様子を示す断面視の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
次に、本発明につき、一実施形態を取り上げて説明を行う。本実施形態の散剤包装装置1は、供給された粉粒体から構成された散剤Mを包装材Sにより包装するよう構成されている。以下、本発明の特徴部分に関連する事項に関して説明する。なお、説明した以外の部分に関しては、公知の構成と同様に構成できる。図1に構成の概略を示し、図2にブロック図を示す。なお、図1は説明の便宜上で概略的に示したものであって、散剤包装装置(現実の装置)の構成とは整合しない部分がある。
【0039】
本実施形態の散剤包装装置1は、薬剤経路2と、包装部3と、被覆材供給部4とを備える。このほか、図示はしていないが、薬剤経路2を清掃する清掃部を備える。清掃部は、圧縮空気の吹き付け、吸引、ブラシなどによる払拭、またはこれらの組み合わせなどの任意の手段を備える。散剤包装装置1は前記手段を用いた清掃動作を行って、薬剤経路2に残留した散剤Mを除去する。清掃部は、散剤包装装置1に入力される散剤包装指示に係る散剤Mが薬剤経路2を通過した後であって、次の散剤包装指示に係る散剤Mが薬剤経路2に供給されるまでに、清掃動作を行う。さらに、作業者によって散剤包装装置1の各部に対して移動可能に設けられた吸引ノズルを有し、真空掃除機と同様の構成とされた手動掃除機が備えられており、任意の時点で吸引による各部の清掃を行うことができる。
【0040】
薬剤経路2は、処方に応じて供給された薬剤である散剤Mが通過する、実体を有する通路である。なお後述のように、薬剤経路2は、被覆材Cが通過する通路である。薬剤経路2には、例えば図2に示すように、散剤Mが通過する順に、振動フィーダ5、分配装置6、包装部3(その一部である包装用ホッパー31)が配置されている。散剤M及び被覆材Cは、薬剤経路2を通過して包装部3に到達する。なお、図2には示さなかったが、公知の構成である、散剤カセットに収容された散剤Mを供給して包装する散剤包装装置1(散剤Mが種類ごとに収容された複数の散剤カセットを保管しておき、処方に応じて、散剤カセットを選択し、選択された散剤カセットを供給位置へと移動し、移動された散剤カセットの供給口から薬剤経路2(振動フィーダ5、分配装置6または包装用ホッパー31)に散剤Mを必要量分供給する構成)においては、散剤カセットから散剤の供給を受ける部分までの経路も薬剤経路2に含まれる。また、他の公知の構成である、散剤Mを作業者の手作業で供給するために、「V枡」等の散剤受入部を備える散剤包装装置1の場合、散剤受入部から包装部3までの経路(散剤受入部自体も含む)が薬剤経路2に含まれる。
【0041】
薬剤経路2は、散剤Mの通過方向を取り巻く部分が閉じた通路に限らない。例えば本実施形態では、分配装置6と包装部3との間について、図1に示すように閉鎖された空間にはなっておらず、散剤包装装置1の内部空間と連通した形態である。このような形態とされた部分も薬剤経路2の一部である。つまり、包装材Sに投入されるまでに散剤Mが接触する散剤包装装置1の部分は、薬剤経路2に含まれる。
【0042】
振動フィーダ5は公知の構成を有しており、主に、加振部51とトラフ52から構成されている。トラフ52は、薬剤経路2の一部を構成しており、底面と壁面とに囲まれた空間に散剤Mを保持することができる。トラフ52は加振部51に対して固定的に設けられていてもよいし、加振部51に対して着脱可能に設けられていてもよい。加振部51は、電磁石やリニアモータによって振動(具体的には往復動による振動)を発生する部分である。トラフ52は、加振部51から振動が付与されることにより、保持されていた散剤Mの、薬剤経路2の下流側への排出を行う。散剤Mを薬剤経路2の下流側に排出するのと同様に、振動フィーダ5は、被覆材Cをトラフ52が保持する場合、トラフ52への振動の付与によって被覆材Cを薬剤経路2の下流側に排出することができる。散剤Mの供給に当たっては、処方に係る散剤Mの全量がトラフ52に対して供給される。なお、振動フィーダ5が複数設けられる場合は、処方に係る散剤Mの全量が分配された上で各トラフ52に供給されることもある。
【0043】
分配装置6は、処方に係る散剤Mの全量が周方向にわたって堆積する円盤状の分配皿61と、分配皿61から散剤Mを一服用分ごとに切り出す(掻き出す)ための切出部材62とを備える。分配皿61と切出部材62は、薬剤経路2の一部を構成している。分配皿61は、円盤形状の外周部分に、全周にわたって設けられた湾曲面を有する凹溝を有している。切出部材62は、分配皿61の周方向視で円形とされており、分配皿61の凹溝に一部が入り込んだ状態で、図示時計回りに回転する仕切板621と、仕切板621に直交して配置されていて、先端が仕切板621の外縁に略一致して設けられた切出板622と、を備える。なお、図1には示されていないが、仕切板621に分配皿61の周方向で平行にカバー板が設けられていて、仕切板621とカバー板とに挟まれた領域で、仕切板621と共に回転運動する切出板622が、凹溝に堆積している散剤Mを分配皿61の径外方向に切り出す。図1は、散剤Mが分配皿61から切り出されて包装用ホッパー31に落下している最中の状態を略示している。散剤Mを薬剤経路2の下流側に排出するのと同様に、分配装置6は、被覆材Cを分配皿61が保持する場合、被覆材Cを薬剤経路2の下流側に排出することができる。
【0044】
包装部3を構成する包装装置は、薬剤経路2を通過する散剤Mを一服用分ごとに包装する(分包する)。包装装置は、包装用ホッパー31と包装実施部32とを備える。包装用ホッパー31は、薬剤経路2の一部を構成している。包装用ホッパー31は下窄まりの漏斗状に形成されており、図1に示すように分配装置6から落下した一服用分の散剤Mを内面で受けた上で、下端から落下して包装材Sに散剤Mを投入する。この包装用ホッパー31の内面は、分配装置6から落下して空中を落下した散剤Mが衝突する部分である。包装用ホッパー31の上方には、分配装置6から落下する散剤Mが周囲に飛び散ることを防止するための整流板7が設けられている。図1に示した整流板7は、包装用ホッパー31の上端縁を上方に延長した位置に設けられているが、例えば、包装用ホッパー31の中央上方に設けることもできる。この整流板7は、薬剤経路2の一部を構成している。包装実施部32は、長尺シート状の包装材Sを供給し、散剤Mが投入された、分包紙等の包装材Sを接着(例えば熱溶着)及び切断、また、ミシン目形成することにより包装を行う。散剤Mの投入は、長手方向に沿って半折りされて折り目が下方に配置された(図1に示す状態)包装材Sに対して、上端の開口部から半折り部分に入り込むように配置された包装用ホッパー31を通してなされる。散剤Mを包装材Sに投入するのと同様に、包装用ホッパー31は、被覆材Cを受けた場合、被覆材Cを包装材Sに投入することができる。
【0045】
被覆材供給部4は、薬剤経路2に供給されて通過する散剤Mとは別の粉粒体である被覆材Cを供給する。被覆材供給部4に供給される被覆材Cは、薬剤経路2に留まることで、薬剤経路2の少なくとも一部の内面に被覆層CLを形成する。被覆材Cは、調剤時の処方には含まれていない粉粒体であって、例えば賦形剤として用いられる粉粒体が用いられる。賦形剤は、種々の目的に応じて薬品に添加することで増量(かさ増し)を行うことのできる物質であって、調剤現場で広く用いられている物質である。このため、被覆のために特殊な物質を使用する必要がなく、容易に入手できる粉粒体である賦形剤を被覆材Cとして用いることができる。賦形剤は、(常識的な範囲の量を)摂取しても人体に悪影響を及ぼさない物質から選択される。例えば、乳糖等の糖類、澱粉、重曹(炭酸水素ナトリウム)が挙げられるが、それ以外の物質を選択してもよい。被覆材Cに用いる粉粒体は、薬剤経路2の内面に対して残留する程度の流動性(例えば、安息角が25度)を有する粉粒体を用いることが望ましい。また、被覆材Cに用いるために、粉粒体の粒度や粒ごとの形状を均一に調整することが望ましい。なお、調剤時の処方に含まれる粉粒体を被覆材Cとして用いてもよい。
【0046】
図4に、例えば包装用ホッパー31の内面に形成された被覆層CLと、被覆層CL上を通過(下降)する散剤Mを示す。被覆層CLは、例えば図3に示すように、被覆材Cを噴出する供給ノズル41から継続的に供給された被覆材Cが薬剤経路2に存在する面(例えば包装用ホッパー31の内面)に付着することにより、当該面上に層状に堆積することで形成される。また、被覆材供給部4は、例えば、被覆材Cを収容する被覆材カセット(図示しない)と、供給ノズル41と、被覆材カセットと供給ノズル41を連結する配管42と、エアポンプから構成される。なお、被覆材Cはカセットに該当しない容器に収容されることもできる。供給ノズル41は、被覆材Cの供給源としての被覆材カセットから配管42等を介して被覆材Cが導入され、エアポンプから送られる圧縮空気とともに被覆材Cを供給ノズル41の供給口から噴出させられるよう構成されている。なお、図2には各部に供給ノズル41が設けられた状態を示しているが、供給ノズル41は適宜選択された位置にのみ設けることができる。また、供給箇所の1箇所当たりで供給ノズル41を複数設けることもできる。この場合、薬剤経路2の内面に対する噴射角度を各供給ノズル41で異なるように設定することができる。また、被覆材Cの噴射圧力を各供給ノズル41で異なるように設定することができる。こうすることにより、薬剤経路2のそれぞれにおいて、発揮する機能に応じた適当な厚さの被覆層CLを広範囲に形成できる。
【0047】
薬剤経路2に被覆材Cを供給した後、薬剤経路2に被覆材Cを通過させる。そして、被覆材Cを包装部3により包装する。薬剤経路2を被覆材Cが通過するとき、薬剤経路2に留まる被覆材Cと、薬剤経路2に留まらず薬剤経路2の下流端まで到達する被覆材Cが存在する。供給量全体のうち一部である被覆材Cが薬剤経路2に留まることで、被覆材Cが供給された薬剤経路2よりも下流側の薬剤経路2の内面にも被覆層CLが形成される。一方、供給量全体のうち薬剤経路2に留まる分以外であって、薬剤経路2の下流端に到達する被覆材Cは、余剰被覆材として包装部3により包装し、回収する。そして、被覆材Cを包装した後、清掃部による薬剤経路2の清掃動作(例えばトラフ52、分配皿61、包装用ホッパー31の清掃)を行うことなく、散剤Mを薬剤経路2に供給し、散剤Mを包装する。これにより、薬剤経路2の内面に形成された被覆層CLが薄くなったり剥がれて無くなったりすることがなく、被覆層CLが形成された状態の薬剤経路2に散剤Mを供給することができる。
【0048】
ここで、前述のように薬剤経路2とは別に被覆材供給部4を設ける構成に限らず、薬剤経路2の一部が被覆材供給部4を構成してもよい。例えば、振動フィーダ5が被覆材供給部4を兼用することができる。この場合、振動フィーダ5の動作により、作業者によってトラフ52に投入された被覆材Cを薬剤経路2の下流側へ排出する。これにより、トラフ52から包装用ホッパー31までの薬剤経路2の内面には被覆層CLが形成される。また、散剤カセットに収容された散剤Mを供給して包装する構成の散剤包装装置1では、複数の散剤カセットの一部に被覆材Cを収容しておき、散剤カセットに収容された散剤Mを薬剤経路2に供給する場合と同様に、被覆材Cを収容する散剤カセットを供給位置へと移動し、散剤カセットの供給口から薬剤経路2(振動フィーダ5、分配装置6または包装用ホッパー31)に被覆材Cを供給するようにしてもよい。この場合、供給位置にある散剤カセットに作用して、散剤カセットから散剤Mを供給する供給機構が、被覆材供給部4を兼用する。
【0049】
被覆層CLは、薬剤経路2の内面に対して表面処理を行うことで形成された、恒久的に存在する層とは異なり、一時的に形成される層である。このため、必要がなくなった場合には清掃部によって薬剤経路2を清掃して、被覆層CLを薬剤経路2から除去して無くすことができる。また、散剤Mを薬剤経路2に供給するのに先立ち、被覆材Cを薬剤経路2に供給する場合と被覆材Cを薬剤経路2に供給しない場合を切り替えることができる。切り替えは図示しない制御部によって行われる。即ち、散剤包装装置1は、薬剤経路2に散剤Mを供給するのに先立ち、被覆材供給部4により薬剤経路2に被覆材Cを供給して被覆層CLを形成する第1のモードと、薬剤経路2に散剤Mを供給するのに先立ち、薬剤経路2に被覆材Cを供給せず被覆層CLを形成しない第2のモードを備える。散剤包装装置1は、第1のモードと第2のモードのいずれのモードを実行するかを選択可能な操作部を備え、いずれのモードを実行するかを作業者が任意に選択可能に構成される。操作部で選択されたモードに従い、制御部が各モードに応じて被覆材Cの供給動作を行う。また、薬剤経路2への残留のし易さ等、散剤包装装置1で包装しようとする散剤Mの性質に応じて、第1のモードと第2のモードのいずれのモードを実行するかを散剤包装装置1が自動的に選択するようになっていてもよい。被覆層CLは薬剤経路2における散剤Mの通過方向(図4に矢印を示す)において均等な厚さで形成されてもよいし、通過方向における領域ごとで異なる厚さで形成されてもよい。被覆層CLの厚さは、少なくとも薬剤経路2の面が露出して、散剤Mが接触しないように薬剤経路2を覆うことのできる厚さであればよい。ただし、使用状況によっては、薬剤経路2の面が部分的に露出した状態で被覆層CLを形成することもできる。薬剤経路2の面に被覆材Cを付着させる要因は特に限定されるものではない。例えば、摩擦や静電気によって、前記面に被覆材Cの粒子を留まらせることが考えられる。
【0050】
このような被覆層CLにより、少なくとも一部の内面に被覆層CLが形成された薬剤経路2に散剤Mが供給されることから、薬剤経路2の前記内面に対して散剤Mが直接触れないようにできる。薬剤経路2の内面から離れた位置で散剤Mを通過させられることから、内面に対して直接的に触れる散剤Mの量が少なくなる。つまり、被覆層CLを形成しない場合に比べ、薬剤経路2の内面に対する散剤Mの接触面積が小さくなる。
【0051】
以下、仮説であるが、前述のように接触面積が小さくなることで、薬剤経路2における散剤Mの流動性が向上することにより、薬剤経路2における散剤Mの残留量が減少すると考えられる。また、被覆層CL中の被覆材Cの一部が潤滑剤のように機能して、薬剤経路2における散剤Mの流動性が向上することにより、薬剤経路2における散剤Mの残留量が減少するとも考えられる。また、被覆層CL中の被覆材Cの一部と共に散剤Mが薬剤経路2を通過することにより、薬剤経路2における散剤Mの残留量が減少すると考えられる。ここで、散剤包装装置1の実機に用いられる包装用ホッパー31において、被覆材Cを重曹、実験用の散剤Mを乳酸カルシウムの粉末として実験を行ったところ、残留量が大幅に減少したことを確認できている。
【0052】
なお、散剤Mの流動性に関しては、薬剤経路2の内面に被覆層CLが形成されていない状態に対して、被覆層CLが形成された状態の方が向上できていればよい。これは例えば、薬剤経路2の内面に被覆層CLが形成されていない状態と被覆層CLが形成された状態の二状態を設定し、前記内面の傾斜を徐々に急になるように変化させた場合、散剤Mの流動が開始する傾斜角を測定することにより判定できるが、その他種々のやり方で判定してよい。
【0053】
このようにして、薬剤経路2に残留する散剤Mを減少させることができる。残留する散剤Mが減少するから、散剤包装装置1内で複数種の散剤Mが処方に反して混ざってしまう「クロスコンタミネーション」が発生する可能性を小さくできる。なお、薬剤経路2を散剤Mが通過し、薬剤経路2に被覆材Cのみが残留している場合、散剤Mの包装終了後の薬剤経路2の清掃を省略し、次に包装する散剤Mを薬剤経路2に供給することも可能である。
【0054】
被覆層CLは、薬剤経路2中の任意の位置に形成できる。このため、被覆層CLは、振動フィーダ5におけるトラフ52の内面に形成することもできる。なお、トラフ52の内面は散剤Mが残留しやすい部分である。この場合、被覆材Cはトラフ52の内面に供給される。トラフ52に対する被覆材Cの供給は、散剤Mをトラフ52に供給する場合と同様に、被覆材Cを収納したカセットから行ってもよい。この場合、カセットは散剤カセットと同一のカセットを用いてもよいし、散剤カセットとは異なる構成であって、被覆材専用の被覆材カセットを用いてもよい。被覆材専用のカセットを用いることで、作業者がカセットを取り違えるようなことを防止できる。前記「異なる構成」としては、形態が異なることや、内部構成が異なることが例示できるが、形態や内部構成が同じであるものの、単に外面の色彩を散剤カセットと異なる色彩とした構成であってもよい。被覆材Cは、供給ノズル41を介して供給してもよい。
【0055】
散剤包装装置1において従来行われていた「洗い」の作業は、散剤Mが付着した状態の薬剤経路2に対して、賦形剤として用いられる粉粒体を洗い材として供給し、薬剤経路2に付着した散剤と共に洗い材を回収した上で、薬剤経路2を清掃部等により清掃するものである。被覆材カセットや「V枡」から賦形剤として用いられる粉粒体を薬剤経路2に供給する場面だけに着目するならば、「洗い」の作業と共通する。しかし前記「洗い」では、「洗い」に用いられる賦形剤等の粉粒体を薬剤経路2に残留させることは想定されていない。即ち、薬剤経路2から洗い材を回収すると薬剤経路2の清掃が行われるため、散剤Mを薬剤経路2に供給する際には薬剤経路2に洗い材が残留していない。一方、本実施形態で行われる被覆層形成工程は、被覆材Cである粉粒体を積極的に薬剤経路2に残留させることで、薬剤経路2に新規な構成である被覆層CLを形成させ、薬剤経路2に散剤Mを供給する際には薬剤経路2に被覆材Cが残留し、被覆層CLが形成されている点で、前記「洗い」と本質的に異なっている。また、薬剤経路2に供給する粉粒体(本実施形態では被覆材C)の量は薬剤経路2に被覆層CLが形成される程度でよく、前記「洗い」に比べると少量で済む。
【0056】
また、被覆層CLは、分配装置6における切出部材62に形成することもできる。この場合、被覆材Cは切出部材62に供給される。切出部材62への被覆材Cの供給は、例えば供給ノズル41によりなされる。供給ノズル41からの被覆材Cの供給は、散剤包装装置1が備える制御部(図示しない)によって制御される。切出部材62に対して供給ノズル41を設ける場合、切出部材62の回転方向(図1では時計回り)で切出板622の前方の領域につき、散剤Mの付着が顕著であるため、この部分に供給できるように設けることが好ましい。
【0057】
なお、被覆材C(余剰被覆材)を回収した場合、回収後の被覆材Cは、安全であることが確認できる場合には再利用可能である。例えば供給前に薬剤経路2の清掃が済んでいる場合には、散剤M等の被覆材C以外の物質が混入する可能性がきわめて小さいから再利用が可能である。このように再利用を行うことで、薬剤経路2を通過した被覆材Cを廃棄することに比べ、被覆材Cに無駄が生じることを抑制できる。
【0058】
本実施形態の散剤包装装置1において行われる散剤包装方法について、以下に説明する。なお、散剤包装装置1に関する前述の説明と重複する事項は、ここでは説明しない、または、簡単な説明にとどめる。この散剤包装方法は、処方に応じて、散剤Mを薬剤経路2に供給し、薬剤経路2を通過する散剤Mを一服用分ごとに包装する散剤包装工程を有する。そして、薬剤経路2に供給される散剤Mとは別の粉粒体である被覆材Cを薬剤経路2に供給することで、薬剤経路2の少なくとも一部の内面に被覆層CLを形成する、被覆層形成工程を有する。この被覆層形成工程は、散剤包装工程に先立ち実施される。各工程は、散剤包装装置1が備える制御部(図示しない)の制御によって実施される。
【0059】
散剤包装工程の後、他の種類の散剤Mを包装する場合には、少なくとも被覆層CL上の散剤Mに残留した散剤Mを除去して「クロスコンタミネーション」を防止するための清掃作業が清掃部や手動掃除機により行われる。この清掃作業の際、被覆層CLは残してもよいし除去してもよい。清掃作業は例えば吸引により行うことができるが、清掃作業に先立ち、従来行われていた、賦形剤等の供給による「洗い」を行ってもよい。
【0060】
散剤包装工程にて、被覆層CLの一部を構成する被覆材Cが薬剤経路2に供給される散剤Mと共に薬剤経路2を通過する。このことは、被覆層CLの表面(図示上面)に沿って散剤Mが通過することで、図5に矢印を複数示したように、被覆層CLの表面側に位置する被覆材Cが剥がれて散剤Mと共に流されることにより生じる。なお、被覆材Cは処方に係る散剤Mとは別の粉粒体であって、賦形剤のように独自の薬効を発揮しない粉粒体であるから、被覆材Cが散剤Mと共に薬剤経路2を通過して、散剤Mに被覆材Cが足された状態になっても、処方(詳しくは、処方を決定するための、発揮すべき薬効)に対応した散剤包装に影響が生じにくい。
【0061】
前述したことが生じるため、被覆層CLの厚さは散剤Mの通過に伴い小さくなっていく。このため散剤包装工程は、全服用分の散剤Mを包装するまでに、被覆材Cを薬剤経路2に供給することで、薬剤経路2の少なくとも一部の内面に被覆層を再形成する、被覆層補充形成工程を有する。散剤包装工程中に行われる被覆層補充形成工程により、複数包装の実施により被覆材が削られることで薄くなったり剥がれて無くなったりした被覆層CLを、再び厚くしたり新たに形成したりすることで再形成でき、被覆層CLの形成当初の状態に戻すことができる。具体的に、被覆層補充形成工程は、同一種類の散剤Mの包装が行われている間(つまり、同一種類の散剤Mの包装が終了するまで)に、包装用ホッパー31に対して実施される。複数服用分の散剤Mが包装用ホッパー31を通過すると、包装用ホッパー31に対して被覆材Cを供給する。これにより、包装用ホッパー31の内面に被覆層CLを再形成する。被覆層補充形成工程を行う範囲は、被覆層形成工程を行う範囲と一致している必要はなく、被覆層CLのうちで厚さが小さくなっていきやすい部分に対して集中的に行うことができる。
【0062】
また、被覆層形成工程にて、薬剤経路2のうち散剤Mが残留しやすい部分、例えば、薬剤経路2における他の部分よりも緩い傾斜を有する部分、及び、空中を落下した散剤Mが衝突する部分に、被覆層CLを形成するように被覆材Cを供給する。このような部分は、具体的には、トラフ52の内面(特に上面)や、包装用ホッパー31の内面のうちで傾斜が緩くなっている部分が該当する。
【0063】
また、被覆層形成工程は、薬剤経路2に留まらずに、薬剤経路2を通過した被覆材Cを余剰被覆材として回収する被覆材回収工程を有することができる。この被覆材回収工程にて、余剰被覆材となった被覆材Cを包装することにより回収を行うことができる。
【0064】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0065】
前記実施形態は、散剤包装装置1と、当該装置において行われる散剤包装方法について説明した。しかし、本発明の適用対象は包装を行う散剤包装装置1に限定されず、散剤Mを取り扱う散剤取扱装置であって、装置内で散剤Mに流れが生じるものであれば適用が可能である。例えば、薬剤経路2に散剤を通過させて供給する散剤供給装置に適用できる。
【0066】
また、被覆材Cは被覆材供給部4により自動供給されるよう構成されていることに限定されず、散剤包装装置1等に対し、作業者が手作業で薬剤経路2に被覆材Cを供給するものであってもよい。この場合にも、薬剤経路2の内面に被覆層CLが形成される。
【0067】
また、被覆材C(余剰被覆材)の回収として、前記実施形態では包装することを例示したが、回収方法はこれに限られない。例えば、一時的に包装用ホッパー31の下端を包装材Sから外し、当該下端にボトル等の容器を配置して、容器で被覆材Cを集めることにより回収することもできる。また、薬剤経路2の途中で被覆材Cを回収するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 散剤包装装置
2 薬剤経路
3 包装部
31 包装用ホッパー
32 包装実施部
4 被覆材供給部
41 供給ノズル
5 振動フィーダ
51 加振部
52 トラフ
6 分配装置
61 分配皿
62 切出部材
621 仕切板
622 切出板
7 整流板
C 被覆材
CL 被覆層
M 散剤
S 包装材
図1
図2
図3
図4
図5