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特開2024-63875電子書籍情報集約装置、プログラム及び電子書籍システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063875
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】電子書籍情報集約装置、プログラム及び電子書籍システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20240507BHJP
【FI】
G06Q30/06 312
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172039
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】石井 龍治
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 乾也
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB54
5L049BB54
(57)【要約】
【課題】複数の電子書店における電子書籍を一元的に管理することで利便性を向上させた電子書籍情報集約装置、プログラム及び電子書籍システムを提供する。
【解決手段】電子書籍を販売する複数の電子書店サーバ6に対して通信可能に接続され、ユーザが購入した電子書籍に係る情報を集約する情報集約サーバ1は、各電子書店サーバ6に対するユーザの許諾情報を含むデータ要求を、各電子書店サーバ6に対して送信し、データ要求の許諾情報に対応するユーザの対象データを、電子書店サーバ6から受信し、受信した対象データを、対象データ記憶部に登録する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子書籍を販売する複数の電子書店サーバに対して通信可能に接続され、ユーザが購入した前記電子書籍に係る情報を集約する電子書籍情報集約装置であって、
各電子書店サーバに対する前記ユーザの許諾情報を含むデータ要求を、各電子書店サーバに対して送信するデータ要求手段と、
前記データ要求の前記許諾情報に対応する前記ユーザの対象データを、前記電子書店サーバから受信するデータ受信手段と、
前記データ受信手段が受信した前記対象データを、対象データ記憶部に登録するデータ登録手段と、
を備える、電子書籍情報集約装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電子書籍情報集約装置において、
前記データ要求手段と、前記データ受信手段と、前記データ登録手段とによる処理を、所定のタイミングで繰り返して実行する、電子書籍情報集約装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の電子書籍情報集約装置において、
前記対象データは、前記電子書店サーバにおける前記ユーザが購入した電子書籍に係る書棚データを含み、
前記ユーザによる購入済の電子書籍に関する一覧要求を受け付ける一覧要求受付手段と、
前記一覧要求受付手段による前記一覧要求に応答して、前記対象データ記憶部から前記書棚データを抽出する書棚データ抽出手段と、
前記書棚データ抽出手段が抽出した前記書棚データに基づいて各電子書籍の情報を一覧にした電子書籍一覧画面を生成して表示装置に出力する一覧画面出力手段と、
を備える、電子書籍情報集約装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電子書籍情報集約装置において、
前記一覧要求受付手段は、出力項目及び/又は並び順を含む前記一覧要求を受け付け、
前記一覧画面出力手段は、前記一覧要求に含まれる前記出力項目及び/又は前記並び順にしたがって前記電子書籍一覧画面を生成して前記表示装置に出力する、電子書籍情報集約装置。
【請求項5】
請求項3に記載の電子書籍情報集約装置において、
前記電子書籍一覧画面に有する各電子書籍の情報には、各電子書籍の購入元の前記電子書店サーバに対応し、各電子書籍を閲覧するための閲覧アプリケーションが付加されている、電子書籍情報集約装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電子書籍情報集約装置において、
前記電子書籍一覧画面に有する一の前記電子書籍の情報に対する選択操作を、入力装置から受け付けた場合に、付加された前記閲覧アプリケーションを起動して前記一の電子書籍に対応する電子書籍データを前記表示装置に表示させる書籍閲覧アプリ起動手段を備える、電子書籍情報集約装置。
【請求項7】
請求項3に記載の電子書籍情報集約装置において、
前記対象データ記憶部に記憶された前記ユーザの前記書棚データに同一の前記電子書籍を複数有する場合に、複数購入済一覧画面を生成して前記表示装置に出力する複数購入画面出力手段を備える、電子書籍情報集約装置。
【請求項8】
請求項1又は請求項2に記載の電子書籍情報集約装置において、
前記対象データは、前記電子書店サーバにおける各ユーザの電子書籍の購入に係る購入履歴データを含み、
前記ユーザによる履歴要求を受け付ける履歴要求受付手段と、
前記履歴要求受付手段による前記履歴要求に応答して、前記対象データ記憶部から前記購入履歴データを抽出する購入履歴抽出手段と、
前記購入履歴抽出手段が抽出した前記購入履歴データから前記履歴要求に対応した購入履歴画面を生成して表示装置に出力する履歴画面出力手段と、
を備える、電子書籍情報集約装置。
【請求項9】
請求項1又は請求項2に記載の電子書籍情報集約装置において、
各電子書店サーバに対して続巻要求を送信する続巻要求手段と、
各電子書店サーバから前記続巻要求に対応する続巻データを受信する続巻データ受信手段と、
前記続巻データ受信手段が受信した前記続巻データを、受信した各電子書店サーバの情報に対応付けて続巻データ記憶部に登録する続巻データ登録手段と、
前記ユーザが有する前記電子書籍の続巻に対応する前記続巻データを、前記続巻データ記憶部から取得する続巻データ取得手段と、
前記続巻データ取得手段が取得した前記続巻データを表示装置に出力する続巻データ出力手段と、
を備える、電子書籍情報集約装置。
【請求項10】
請求項1又は請求項2に記載の電子書籍情報集約装置において、
前記ユーザによる電子書籍に係る検索情報を受信する検索情報受信手段と、
前記検索情報受信手段による前記検索情報に基づいて、前記対象データ記憶部から前記検索情報に対する電子書籍と同一の電子書籍に係る前記対象データの有無を確認する確認手段と、
前記確認手段による確認結果を表示装置に出力する確認結果出力手段と、
を備える、電子書籍情報集約装置。
【請求項11】
請求項1又は請求項2に記載の電子書籍情報集約装置において、
前記ユーザが前記電子書籍の閲覧に用いる端末と、
情報集約サーバと、
を備え、
前記情報集約サーバは、
前記許諾情報を、前記端末から受信する許諾受信手段と、
前記許諾受信手段が受信した前記許諾情報を、前記ユーザに対応付けて前記電子書店サーバごとに許諾情報記憶部に登録する許諾登録手段と、
を備える、電子書籍情報集約装置。
【請求項12】
電子書籍を販売する複数の電子書店サーバに対して通信可能に接続され、ユーザが購入した前記電子書籍に係る情報を集約するコンピュータが実行するプログラムであって、
前記コンピュータを、
各電子書店サーバに対する前記ユーザの許諾情報を含むデータ要求を、各電子書店サーバに対して送信するデータ要求手段と、
前記データ要求の前記許諾情報に対応する前記ユーザの対象データを、前記電子書店サーバから受信するデータ受信手段と、
前記データ受信手段が受信した前記対象データを、対象データ記憶部に登録するデータ登録手段と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項13】
電子書籍を販売する複数の電子書店サーバと、
前記複数の電子書店サーバに対して通信可能に接続され、ユーザが購入した前記電子書籍に係る情報を集約する電子書籍情報集約装置と、
を備えた電子書籍システムであって、
電子書籍情報集約装置は、各電子書店サーバに対する前記ユーザの許諾情報を含むデータ要求を、各電子書店サーバに対して送信するデータ要求手段を備え、
各電子書店サーバは、
電子書籍データを記憶する書籍データ記憶部と、
前記ユーザが購入した電子書籍に係る書棚データを、前記ユーザごとに記憶する書棚データ記憶部と、
各ユーザの履歴データを記憶する履歴データ記憶部と、
前記データ要求の前記許諾情報に対応する前記ユーザの対象データを、前記書棚データ記憶部及び履歴データ記憶部から抽出する対象データ抽出手段と、
前記対象データ抽出手段が抽出した前記対象データを、前記電子書籍情報集約装置に送信するデータ送信手段と、
を備え、
前記電子書籍情報集約装置は、
前記対象データを、前記電子書店サーバから受信するデータ受信手段と、
前記データ受信手段が受信した前記対象データを、対象データ記憶部に登録するデータ登録手段と、
を備える、電子書籍システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子書籍情報集約装置、プログラム及び電子書籍システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが本、漫画、雑誌等の様々な種類及びジャンルの電子書籍を購入して読むことができる環境が広がってきており、電子書籍の市場が拡大しつつあり、複数の電子書店が存在する。そして、ある1つの電子書店を主に利用していたユーザが、例えば、他の電子書店で行われている割引サービスを利用したり、利用していた電子書店では販売していない電子書籍を、他の電子書店から購入したりすることがある。このように、複数の電子書店を利用するユーザが増えてきている。
【0003】
他方、電子書店側は、ユーザに自社の電子書店から引き続き利用してもらうための仕組みを導入したいと考えている。例えば、「インターネット内に開設されたオンライン書店から購入した電子書籍の続編等の関連書籍を購入する時、多くの操作を必要とせず簡便に前回購入したオンライン書店にアクセスすることを可能とする電子書籍の販売システム」が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-163612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子書籍は、データ自体がどこの電子書店で購入しても同一の内容である。そのため、電子書店による違いは、各電子書店が提供する閲覧用ビューワの機能の違いが主なものである。また、電子書籍には、デジタル著作権管理(DRM)と呼ばれる電子書籍の複製、不正閲覧及び再利用を防ぐ技術が施されている。そのため、例えば、電子書店aで購入した電子書籍を、電子書店bのビューワで閲覧することができない。
このような状況下において、今後の電子書籍に係る市場の健全な発展のためには、ユーザが複数の電子書店で購入した電子書籍を、まずは一元管理できるような仕組みが求められている。
【0006】
本発明は、複数の電子書店における電子書籍を一元的に管理することで利便性を向上させた電子書籍情報集約装置、プログラム及び電子書籍システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。
第1の発明は、電子書籍を販売する複数の電子書店サーバに対して通信可能に接続され、ユーザが購入した前記電子書籍に係る情報を集約する電子書籍情報集約装置であって、各電子書店サーバに対する前記ユーザの許諾情報を含むデータ要求を、各電子書店サーバに対して送信するデータ要求手段と、前記データ要求の前記許諾情報に対応する前記ユーザの対象データを、前記電子書店サーバから受信するデータ受信手段と、前記データ受信手段が受信した前記対象データを、対象データ記憶部に登録するデータ登録手段と、を備える、電子書籍情報集約装置である。
第2の発明は、第1の発明の電子書籍情報集約装置において、前記データ要求手段と、前記データ受信手段と、前記データ登録手段とによる処理を、所定のタイミングで繰り返して実行する、電子書籍情報集約装置である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の電子書籍情報集約装置において、前記対象データは、前記電子書店サーバにおける前記ユーザが購入した電子書籍に係る書棚データを含み、前記ユーザによる購入済の電子書籍に関する一覧要求を受け付ける一覧要求受付手段と、前記一覧要求受付手段による前記一覧要求に応答して、前記対象データ記憶部から前記書棚データを抽出する書棚データ抽出手段と、前記書棚データ抽出手段が抽出した前記書棚データに基づいて各電子書籍の情報を一覧にした電子書籍一覧画面を生成して表示装置に出力する一覧画面出力手段と、を備える、電子書籍情報集約装置である。
第4の発明は、第3の発明の電子書籍情報集約装置において、前記一覧要求受付手段は、出力項目及び/又は並び順を含む前記一覧要求を受け付け、前記一覧画面出力手段は、前記一覧要求に含まれる前記出力項目及び/又は前記並び順にしたがって前記電子書籍一覧画面を生成して前記表示装置に出力する、電子書籍情報集約装置である。
第5の発明は、第3の発明又は第4の発明の電子書籍情報集約装置において、前記電子書籍一覧画面に有する各電子書籍の情報には、各電子書籍の購入元の前記電子書店サーバに対応し、各電子書籍を閲覧するための閲覧アプリケーションが付加されている、電子書籍情報集約装置である。
第6の発明は、第5の発明の電子書籍情報集約装置において、前記電子書籍一覧画面に有する一の前記電子書籍の情報に対する選択操作を、入力装置から受け付けた場合に、付加された前記閲覧アプリケーションを起動して前記一の電子書籍に対応する電子書籍データを前記表示装置に表示させる書籍閲覧アプリ起動手段を備える、電子書籍情報集約装置である。
第7の発明は、第3の発明から第6の発明までのいずれかの電子書籍情報集約装置において、前記対象データ記憶部に記憶された前記ユーザの前記書棚データに同一の前記電子書籍を複数有する場合に、複数購入済一覧画面を生成して前記表示装置に出力する複数購入画面出力手段を備える、電子書籍情報集約装置である。
第8の発明は、第1の発明から第7の発明までのいずれかの電子書籍情報集約装置において、前記対象データは、前記電子書店サーバにおける各ユーザの電子書籍の購入に係る購入履歴データを含み、前記ユーザによる履歴要求を受け付ける履歴要求受付手段と、前記履歴要求受付手段による前記履歴要求に応答して、前記対象データ記憶部から前記購入履歴データを抽出する購入履歴抽出手段と、前記購入履歴抽出手段が抽出した前記購入履歴データから前記履歴要求に対応した購入履歴画面を生成して表示装置に出力する履歴画面出力手段と、を備える、電子書籍情報集約装置である。
第9の発明は、第1の発明から第8の発明までのいずれかの電子書籍情報集約装置において、各電子書店サーバに対して続巻要求を送信する続巻要求手段と、各電子書店サーバから前記続巻要求に対応する続巻データを受信する続巻データ受信手段と、前記続巻データ受信手段が受信した前記続巻データを、受信した各電子書店サーバの情報に対応付けて続巻データ記憶部に登録する続巻データ登録手段と、前記ユーザが有する前記電子書籍の続巻に対応する前記続巻データを、前記続巻データ記憶部から取得する続巻データ取得手段と、前記続巻データ取得手段が取得した前記続巻データを表示装置に出力する続巻データ出力手段と、を備える、電子書籍情報集約装置である。
第10の発明は、第1の発明から第9の発明までのいずれかの電子書籍情報集約装置において、前記ユーザによる電子書籍に係る検索情報を受信する検索情報受信手段と、前記検索情報受信手段による前記検索情報に基づいて、前記対象データ記憶部から前記検索情報に対する電子書籍と同一の電子書籍に係る前記対象データの有無を確認する確認手段と、前記確認手段による確認結果を表示装置に出力する確認結果出力手段と、を備える、電子書籍情報集約装置である。
第11の発明は、第1の発明から第10の発明までのいずれかの電子書籍情報集約装置において、前記ユーザが前記電子書籍の閲覧に用いる端末と、情報集約サーバと、を備え、前記情報集約サーバは、前記許諾情報を、前記端末から受信する許諾受信手段と、前記許諾受信手段が受信した前記許諾情報を、前記ユーザに対応付けて前記電子書店サーバごとに許諾情報記憶部に登録する許諾登録手段と、を備える、電子書籍情報集約装置である。
第12の発明は、第1の発明から第11の発明までのいずれかの電子書籍情報集約装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
第13の発明は、電子書籍を販売する複数の電子書店サーバと、前記複数の電子書店サーバに対して通信可能に接続され、ユーザが購入した前記電子書籍に係る情報を集約する電子書籍情報集約装置と、を備えた電子書籍システムであって、電子書籍情報集約装置は、各電子書店サーバに対する前記ユーザの許諾情報を含むデータ要求を、各電子書店サーバに対して送信するデータ要求手段を備え、各電子書店サーバは、電子書籍データを記憶する書籍データ記憶部と、前記ユーザが購入した電子書籍に係る書棚データを、前記ユーザごとに記憶する書棚データ記憶部と、各ユーザの履歴データを記憶する履歴データ記憶部と、前記データ要求の前記許諾情報に対応する前記ユーザの対象データを、前記書棚データ記憶部及び履歴データ記憶部から抽出する対象データ抽出手段と、前記対象データ抽出手段が抽出した前記対象データを、前記電子書籍情報集約装置に送信するデータ送信手段と、を備え、前記電子書籍情報集約装置は、前記対象データを、前記電子書店サーバから受信するデータ受信手段と、前記データ受信手段が受信した前記対象データを、対象データ記憶部に登録するデータ登録手段と、を備える、電子書籍システムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の電子書店における電子書籍を一元的に管理することで利便性を向上させた電子書籍情報集約装置、プログラム及び電子書籍システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る電子書籍システムの全体構成図である。
図2】本実施形態に係る情報集約サーバの機能ブロック図である。
図3】本実施形態に係る情報集約サーバの記憶部に記憶された各記憶部の例を示す図である。
図4】本実施形態に係る情報集約サーバの記憶部に記憶された各記憶部の項目例を示す図である。
図5】本実施形態に係るユーザ端末の機能ブロック図である。
図6】本実施形態に係る電子書店サーバの機能ブロック図である。
図7】本実施形態に係る電子書籍システムのデータ収集処理を示すフローチャートである。
図8】本実施形態に係るユーザ端末のアプリ実行処理を示すフローチャートである。
図9】本実施形態に係るユーザ端末での操作及び表示例を示す図である。
図10】本実施形態に係るユーザ端末での操作及び表示例を示す図である。
図11】本実施形態に係るユーザ端末での操作及び表示例を示す図である。
図12】本実施形態に係るユーザ端末での操作及び表示例を示す図である。
図13】本実施形態に係るユーザ端末での操作及び表示例を示す図である。
図14】本実施形態に係る管理者端末での操作及び表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、これは、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
(実施形態)
<電子書籍システム100の全体構成>
図1は、本実施形態に係る電子書籍システム100の全体構成図である。
図1に示す電子書籍システム100は、情報集約サーバ1(電子書籍情報集約装置)と、複数のユーザ端末4(電子書籍情報集約装置、端末)と、複数の電子書店サーバ6とを備える。情報集約サーバ1と、複数のユーザ端末4と、複数の電子書店サーバ6とは、各々通信ネットワークNを介して通信可能に接続されている。
【0011】
電子書籍システム100では、各ユーザが各電子書店から購入した電子書籍に関する書棚データや、各ユーザの電子書籍に係る購入履歴データ等の対象データを、情報集約サーバ1が、各電子書店に対応する各電子書店サーバ6から受信して記憶する。また、電子書籍システム100は、情報集約サーバ1が、複数の電子書店サーバ6から電子書籍の続巻に関する続巻データを受信して記憶する。
そして、電子書籍システム100では、情報集約サーバ1が、ユーザごとに対象データを集約(マージ)して、当該ユーザのユーザ端末4に送信し、及び、ユーザが購入済の電子書籍の続巻に関する続巻データを、当該ユーザのユーザ端末4に送信する。そうすることで、ユーザ端末4において、複数の電子書店サーバ6を跨った電子書籍の一覧を出力したり、ユーザが購入した電子書籍についての検索を、複数の電子書店に跨って行ったりすることができる。また、ユーザ端末4に、続巻に係る情報を出力できる。これにより、ユーザに、複数の電子書店における電子書籍に係る様々な情報を提供することができる。
【0012】
次に、各装置について順番に説明する。
<情報集約サーバ1>
最初に、情報集約サーバ1について説明する。
図2は、本実施形態に係る情報集約サーバ1の機能ブロック図である。
図3は、本実施形態に係る情報集約サーバ1の記憶部20に記憶された各記憶部の例を示す図である。
図4は、本実施形態に係る情報集約サーバ1の記憶部20に記憶された各記憶部の項目例を示す図である。
【0013】
情報集約サーバ1は、複数の電子書店サーバ6に記憶された各ユーザの電子書籍に係る対象データを、複数の電子書店サーバ6から受信することで収集する。そして、情報集約サーバ1は、ユーザ端末4に対して収集した対象データのうち当該ユーザに関するデータを提供する。情報集約サーバ1は、上記のような処理を行うため、電子書籍のアグリケーションサービスを提供する装置であるとも言える。情報集約サーバ1は、例えば、電子書籍のアグリケーションサービス(以下、単に当該サービスともいう。)を提供する企業が有する。
【0014】
図2に示すように、情報集約サーバ1は、制御部10と、記憶部20と、通信インタフェース部29とを備える。
制御部10は、情報集約サーバ1の全体を制御するCPU(中央処理装置)である。制御部10は、記憶部20に記憶されているOS(オペレーティングシステム)やアプリケーションプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実行する。
【0015】
制御部10の各機能を説明する前に、記憶部20について説明する。
記憶部20は、制御部10が各種の処理を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶領域である。
記憶部20は、プログラム記憶部21と、登録ユーザ記憶部22と、許諾情報記憶部23と、対象データ記憶部24と、続巻データ記憶部25とを記憶している。
プログラム記憶部21は、後述する制御部10が実行する各種機能を行うためのプログラムを含む、各種のプログラムを記憶する記憶領域である。
【0016】
登録ユーザ記憶部22は、当該サービスを利用するユーザに係る情報を記憶する記憶領域である。
図3(A)に登録ユーザ記憶部22の例を示す。登録ユーザ記憶部22は、例えば、ユーザID(IDentification)と、電子書店名とを対応付けて記憶する。
ユーザIDは、情報集約サーバ1においてユーザを識別する識別情報である。ユーザIDは、例えば、情報集約サーバ1が付与する、一意になる番号等であってもよい。
電子書店名は、電子書店サーバ6により当該サービスを行う電子書店の名称である。
なお、登録ユーザ記憶部22は、例えば、ユーザ名等のユーザの属性情報を、さらに記憶していてもよい。
【0017】
許諾情報記憶部23は、ユーザが登録した各電子書店に対するユーザの許諾情報を記憶する記憶領域である。
図3(B)に許諾情報記憶部23の例を示す。許諾情報記憶部23は、例えば、ユーザIDと、電子書店名とをキーにして、許諾情報を記憶する。
許諾情報は、電子書店名が示す電子書店サーバ6にアクセスして当該ユーザの対象データを得るためのID及びパスワードである。
【0018】
対象データ記憶部24は、各電子書店サーバ6から受信する対象データを記憶する記憶領域である。
図4(A)に対象データ記憶部24の項目例を示す。
対象データ記憶部24は、ユーザIDと、電子書店名と、書棚データと、購入履歴データと、受信日との各項目を有する。
書棚データは、ユーザID及び電子書店名で特定する電子書店サーバ6に記憶されたユーザが購入した電子書籍に係る情報である。書棚データは、電子書籍に係る情報として、例えば、電子書籍名と巻名とを有する。電子書籍名は、電子書籍のタイトルである。巻名は、同じタイトルの電子書籍が複数巻ある場合の巻を示す番号等である。より具体的には、巻名は、1巻、2巻、・・・等の数字であってもよいし、上巻、中巻、下巻や、前編、中編、後編等であってもよい。複数巻を有さない電子書籍の場合には、巻名はブランクである。
購入履歴データは、ユーザID及び電子書店名で特定する電子書店サーバ6に記憶されたユーザの購入履歴に係る情報である。購入履歴データは、電子書籍名と、巻名と、購入日と、購入額とを有する。購入日は、ユーザが電子書籍を購入した日付である。購入額は、電子書籍の金額である。
受信日は、対象データを電子書店サーバ6から受信した日付である。
【0019】
続巻データ記憶部25は、電子書店サーバ6から受信する続巻データを記憶する記憶領域である。
図4(B)に続巻データ記憶部25の項目例を示す。
続巻データ記憶部25は、電子書店名と、続巻データと、受信日との各項目を有する。
続巻データは、電子書籍名と、巻名と、発売日とを含む続巻データである。電子書籍名及び巻名は、続巻の電子書籍のタイトル及び巻の番号等である。続巻データであるため、巻名には必ず番号等が入力される。発売日は、当該電子書籍を発売する日付である。
受信日は、続巻データを受信した日付である。
なお、上記した記憶部20の各記憶部は、一例である。また、各記憶部の各項目も一例にすぎない。
【0020】
次に、制御部10について説明する。
図2に示す制御部10は、登録処理部11と、データ収集部15と、データ送信処理部18とを備える。
登録処理部11は、ユーザ端末4から受信したユーザの許諾情報の登録に係る処理を行う制御部である。
登録処理部11は、許諾情報受信部12(許諾受信手段)と、許諾情報登録部13(許諾登録手段)とを備える。
【0021】
許諾情報受信部12は、ユーザが当該サービスを利用するにあたり、ユーザ端末4を用いてユーザが各電子書店の許諾情報を入力することで、ユーザ端末4から許諾情報を受信する。許諾情報受信部12が受信する許諾情報は、ユーザが使用している各電子書店に関し、例えば、各電子書店のサイトにユーザがログインするためのID及びパスワードを含む。ID及びパスワードは、基本的には電子書店ごとに異なる。
許諾情報登録部13は、受信した許諾情報に対してユーザID及び電子書店名を対応付けて許諾情報記憶部23に登録する。
【0022】
データ収集部15は、各電子書店サーバ6からデータを収集する処理を行う制御部である。データ収集部15は、例えば、1日に1回等の所定のタイミングで、データを収集する処理を行う。ここで、データ収集部15がデータを収集する所定のタイミングは、上記した1日に1回等の定期的なタイミングであってもよいし、例えば、ユーザ端末4からユーザIDを受信したタイミング等であってもよい。また、所定のタイミングは、その両方のタイミングであってもよい。
データ収集部15は、データ要求部16(データ要求手段、続巻要求手段)と、データ受信処理部17(データ受信手段、データ登録手段、続巻データ受信手段、続巻データ登録手段)とを備える。
【0023】
データ要求部16は、各電子書店サーバ6に対して各ユーザの許諾情報を含むデータ要求を送信する。また、データ要求部16は、各電子書店サーバ6に対して続巻データの要求である続巻要求を送信する。
データ受信処理部17は、データ要求に含まれる許諾情報に基づいて電子書店サーバ6が抽出した、許諾情報に対応するユーザの対象データを、電子書店サーバ6から受信する。そして、データ受信処理部17は、受信した対象データを、ユーザID及び電子書店名に対応付けて対象データ記憶部24に登録する。
また、データ受信処理部17は、電子書店サーバ6から続巻データを受信すると、続巻データを、電子書店名に対応付けて続巻データ記憶部25に登録する。
【0024】
データ送信処理部18は、ユーザ端末4からのデータ要求に応答して、対象データや続巻データをユーザ端末4に送信する。データ送信処理部18は、例えば、ユーザ端末4のユーザに係る対象データを、ユーザ端末4に送信する。データ送信処理部18は、ユーザ端末4のユーザに係る対象データを、例えば、対象データ記憶部24から該当のユーザIDのデータを抽出することで、得ることができる。
また、データ送信処理部18は、例えば、ユーザ端末4のユーザが購入済の電子書籍に関係する続巻データを、ユーザ端末4に送信する。データ送信処理部18は、ユーザ端末4のユーザが購入済の電子書籍に関係する続巻データを、例えば、抽出した対象データの電子書店及び書籍データと、続巻データ記憶部25の続巻データとを照合することで、得ることができる。
【0025】
通信インタフェース部29は、通信ネットワークNを介して、ユーザ端末4及び電子書店サーバ6との間での通信を行うためのインタフェース部である。
なお、情報集約サーバ1を構成するハードウェアの数に制限はない。必要に応じて、1又は複数で構成してもよい。また、情報集約サーバ1のハードウェアは、必要に応じてWebサーバ、DB(データベース)サーバ、アプリケーションサーバ等の各種サーバを含んで構成してもよく、1台のサーバで構成しても、それぞれ別のサーバで構成してもよい。また、情報集約サーバ1は、例えば、クラウドであってもよい。
【0026】
<ユーザ端末4>
次に、ユーザ端末4について説明する。
図5は、本実施形態に係るユーザ端末4の機能ブロック図である。
図1に示すユーザ端末4は、例えば、タブレット端末である。ユーザ端末4は、電子書籍の閲覧をするための専用端末であってもよいし、他の機能も使用可能な兼用端末であってもよい。ユーザ端末4は、その他、スマートフォンに代表される携帯端末やパーソナルコンピュータ(PC)等であってもよい。
ユーザは、ユーザ端末4を用いて情報集約サーバ1との間で通信を行い、電子書籍の一覧を見たり、検索を行ったりする。また、ユーザは、ユーザ端末4を用いて電子書店サーバ6との間で通信を行い、電子書店サーバ6に有する電子書籍の閲覧をする。
【0027】
図5に示すように、ユーザ端末4は、制御部40と、記憶部50と、タッチパネルディスプレイ58(入力装置、表示装置)と、通信インタフェース部59とを備える。
制御部40は、ユーザ端末4の全体を制御するCPUである。制御部40は、記憶部50に記憶されているOSやアプリケーションプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実行する。
【0028】
制御部40の各機能を説明する前に、記憶部50について説明する。
記憶部50は、制御部40が各種の処理を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するための半導体メモリ素子等の記憶領域である。
記憶部50は、プログラム記憶部51と、対象データ記憶部54と、続巻データ記憶部55とを記憶している。
【0029】
プログラム記憶部51は、各種のプログラムを記憶する記憶領域である。プログラム記憶部51は、書籍情報アプリ52と、書籍閲覧アプリ53a、53b、・・・(閲覧アプリケーション)とを記憶している。ここで、アプリとは、アプリケーションプログラムの略であり、以降の説明において、ユーザ端末4で実行するアプリケーションプログラムを、アプリとして説明する。
書籍情報アプリ52は、後述する制御部40の許諾情報受付処理部41から操作処理部44までによる各種機能を行うためのアプリである。
【0030】
書籍閲覧アプリ53a、53b、・・・は、各電子書店サーバ6に記憶された電子書籍を閲覧するためのアプリであり、後述する制御部40の書籍ビューア処理部49による機能を行うためのアプリである。例えば、書籍閲覧アプリ53aは、電子書店aの専用アプリであり、書籍閲覧アプリ53bは、電子書店bの専用アプリである。以降において、書籍閲覧アプリ53a、53b、・・・を区別しない場合には、単に、書籍閲覧アプリ53として説明する。つまり、プログラム記憶部51には、ユーザによって異なる、1つ以上の書籍閲覧アプリ53が記憶されている。
【0031】
対象データ記憶部54は、情報集約サーバ1から受信する対象データを記憶する記憶領域である。対象データ記憶部54は、ユーザ端末4を使用するユーザに関する対象データを記憶する。
続巻データ記憶部55は、情報集約サーバ1から受信する続巻データを記憶する記憶領域である。続巻データ記憶部55は、例えば、ユーザ端末4を使用するユーザが購入済の電子書籍に関する続巻データのみを記憶する。
【0032】
次に、制御部40について説明する。
制御部40は、許諾情報受付処理部41と、データ受信処理部42(データ受信手段、続巻データ取得手段)と、ホーム画面出力部43と、操作処理部44と、書籍ビューア処理部49(書籍閲覧アプリ起動手段)とを備える。
許諾情報受付処理部41は、ユーザから許諾情報を受け付け、情報集約サーバ1に許諾情報を送信する。
【0033】
データ受信処理部42は、情報集約サーバ1からユーザに係る対象データを受信して、対象データ記憶部54に記憶する。また、データ受信処理部42は、情報集約サーバ1からユーザが有する電子書籍の続巻に対応する続巻データを受信して、続巻データ記憶部55に記憶する。
ホーム画面出力部43は、書籍情報アプリ52の起動に伴って出力されるホーム画面を、タッチパネルディスプレイ58に出力する。
【0034】
操作処理部44は、ホーム画面に出力されたメニューからユーザが行いたい作業を選択することで、選択した内容に対応した処理を行う制御部である。
操作処理部44は、書籍一覧処理部45(一覧要求受付手段、書棚データ抽出手段、一覧画面出力手段、複数購入画面出力手段)と、購入履歴処理部46(履歴要求受付手段、購入履歴抽出手段、履歴画面出力手段)と、続巻情報処理部47(続巻データ出力手段)と、検索処理部48(検索情報受信手段、確認手段、確認結果出力手段)とを備える。
【0035】
書籍一覧処理部45は、ユーザが購入した閲覧可能な電子書籍の書籍一覧の要求操作を受け付けると、対象データ記憶部54から書棚データを抽出する。そして、書籍一覧処理部45は、抽出した書棚データに基づいて各電子書籍の情報を一覧にした電子書籍一覧画面を生成して、タッチパネルディスプレイ58に出力する。ここで、電子書籍一覧画面に有する電子書籍の情報には、例えば、電子書籍名の部分に、当該電子書籍を閲覧するための書籍閲覧アプリ53が付加されている。
また、書籍一覧処理部45は、ユーザにより重複保有確認に係る操作を受け付けると、対象データ記憶部54に記憶された書棚データに同一の電子書籍を複数有する場合に、複数購入済一覧画面を生成して出力する。
【0036】
購入履歴処理部46は、ユーザにより購入履歴管理の履歴要求操作を受け付けると、対象データ記憶部54から購入履歴データを抽出する。そして、購入履歴処理部46は、抽出した購入履歴データから履歴要求に対応した購入履歴画面を生成して、タッチパネルディスプレイ58に出力する。
続巻情報処理部47は、ユーザにより続巻確認に係る操作を受け付けると、続巻データ記憶部55に記憶された続巻データに基づいて続巻画面を生成して、タッチパネルディスプレイ58に出力する。
検索処理部48は、ユーザにより検索に係る操作を受け付けると、検索条件入力画面をタッチパネルディスプレイ58に出力する。そして、検索処理部48は、ユーザにより検索条件入力画面に入力された電子書籍に係る検索情報を受け付けると、検索情報に基づいて、対象データ記憶部54から検索情報に対する電子書籍に係る書棚データの有無を確認して確認結果画面を生成し、タッチパネルディスプレイ58に出力する。検索情報に対する電子書籍に係る書棚データがある場合には、確認結果画面には、書棚データに含まれる電子書店名と、電子書籍名とを含む。また、検索情報に対する電子書籍に係る書棚データがない場合には、確認結果画面には、該当するものがない旨を含む。
【0037】
書籍ビューア処理部49は、電子書籍一覧画面に有する電子書籍名(一の電子書籍の情報)を選択する操作を受け付けると、電子書籍名に付加された書籍閲覧アプリ53を起動する。そして、書籍ビューア処理部49は、タッチパネルディスプレイ58に書籍閲覧アプリ53による電子書店のビューアを出力し、選択した電子書籍の電子書籍データを出力することで、電子書籍を閲覧可能にする。
タッチパネルディスプレイ58は、液晶パネル等で構成される表示装置としての機能と、ユーザの指による各種操作入力を行う入力装置としての機能とを有する。
通信インタフェース部59は、通信ネットワークNを介して各種のサーバとの通信を行うためのインタフェースであり、送信部及び受信部の役割を行う。
【0038】
<電子書店サーバ6>
次に、電子書店サーバ6について説明する。
図6は、本実施形態に係る電子書店サーバ6の機能ブロック図である。
電子書店サーバ6は、例えば、電子書店を運営する企業が有するウェブサーバである。電子書店サーバ6は、ユーザ端末4から電子書籍の閲覧要求を受信すると、閲覧要求に対応する電子書籍データをユーザ端末4に送信することで、ユーザ端末4による電子書籍の閲覧を可能にする。また、電子書店サーバ6は、情報集約サーバ1からデータ要求を受信すると、データ要求に含まれる許諾情報を確認の上、対象データを情報集約サーバ1に送信する。
【0039】
図6に示すように、電子書店サーバ6は、制御部60と、記憶部70と、通信インタフェース部79とを備える。
制御部60は、電子書店サーバ6の全体を制御するCPUである。制御部60は、記憶部70に記憶されているOSやアプリケーションプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実行する。
【0040】
制御部60の各機能を説明する前に、記憶部70について説明する。
記憶部70は、制御部60が各種の処理を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶領域である。
記憶部70は、プログラム記憶部71と、書籍データ記憶部72と、ユーザ情報記憶部73と、書棚データ記憶部74と、履歴データ記憶部75と、続巻データ記憶部76とを記憶している。
プログラム記憶部71は、後述する制御部60が実行する各種機能を行うためのプログラムを含む、各種のプログラムを記憶する記憶領域である。
書籍データ記憶部72は、ユーザ端末4において閲覧が可能な電子書籍に係る各種のデータを記憶する記憶領域である。書籍データ記憶部72は、例えば、電子書籍のデータ自体の他、電子書籍名や巻名、価格、出版社名等の電子書籍に係る属性情報を記憶している。
【0041】
ユーザ情報記憶部73は、当該電子書店のサービスを利用するユーザに係る情報を記憶する記憶領域である。ユーザ情報記憶部73は、例えば、サービスを利用するユーザのID及びパスワード等を記憶する。
書棚データ記憶部74は、ユーザごとに購入済の電子書籍に関する情報を記憶する記憶領域である。
履歴データ記憶部75は、電子書籍の購入に関する履歴情報を記憶する記憶領域である。履歴データ記憶部75は、電子書籍の閲覧等に関する履歴情報を記憶していてもよい。
続巻データ記憶部76は、例えば、出版社から受領した電子書籍の続巻に係るデータを記憶する記憶領域である。
なお、上記した記憶部70の各記憶部は、一例である。
【0042】
次に、制御部60について説明する。
図6に示す制御部60は、許諾情報確認部61と、対象データ処理部62(対象データ抽出手段、データ送信手段)と、続巻データ送信部63とを備える。
許諾情報確認部61は、情報集約サーバ1からデータ要求を受信すると、データ要求に含まれる許諾情報を、ユーザ情報記憶部73を参照して確認する。
【0043】
対象データ処理部62は、許諾情報確認部61により許諾情報が確認できると、許諾情報に基づいて対応するユーザの対象データを、書棚データ記憶部74及び履歴データ記憶部75から抽出して、情報集約サーバ1に送信する。
続巻データ送信部63は、情報集約サーバ1から続巻要求を受信すると、続巻データ記憶部76に記憶された続巻データを、情報集約サーバ1に送信する。
通信インタフェース部79は、通信ネットワークNを介して、情報集約サーバ1及びユーザ端末4との通信を行うためのインタフェース部である。
【0044】
<通信ネットワークN>
通信ネットワークNは、情報集約サーバ1と、ユーザ端末4と、電子書店サーバ6との間のネットワークであり、例えば、インターネット回線等の通信網である。また、通信ネットワークNは、有線であってもよいし、無線であってもよい。
ここで、コンピュータとは、制御部、記憶装置等を備えた情報処理装置をいい、情報集約サーバ1、ユーザ端末4及び電子書店サーバ6は、いずれも制御部、記憶部等を備えた情報処理装置であり、コンピュータの概念に含まれる。
【0045】
次に、電子書籍システム100の処理を説明する。
<ユーザ登録処理>
当該サービスを利用する前提になる、情報集約サーバ1にユーザ情報を登録するユーザ登録処理を説明する。
まず、ユーザ端末4の制御部40は、書籍情報アプリ52を起動させて、ユーザ登録処理を行う。ここで、書籍情報アプリ52は、例えば、図示しないアプリ登録サーバからダウンロードすることで得ることができる。
新規登録のための画面において、ユーザが、ユーザ登録に必要な情報を入力すると、ユーザ端末4の制御部40は、情報集約サーバ1に接続し、情報集約サーバ1の制御部10は、当該システムを利用するためのユーザIDを取得して、ユーザ端末4に送信する。また、制御部10は、登録ユーザ記憶部22にレコードを追加し、ユーザIDを登録する。
【0046】
次に、ユーザ端末4の制御部40(許諾情報受付処理部41)は、ユーザから電子書店名とその電子書店に対応する許諾情報との入力を受け付ける。そうすることで、制御部40(許諾情報受付処理部41)は、電子書店名と、許諾情報とを、ユーザIDと共に情報集約サーバ1に送信する。
情報集約サーバ1の制御部10(許諾情報受信部12)は、ユーザ端末4からユーザIDと共に電子書店名と、許諾情報とを受信する。そして、制御部10(許諾情報登録部13)は、登録ユーザ記憶部22の該当のユーザIDのレコードの電子書店名を更新する。また、制御部10(許諾情報登録部13)は、許諾情報記憶部23に許諾情報を登録する。
【0047】
<データ収集処理>
次に、情報集約サーバ1が電子書店サーバ6からデータを収集する処理について説明する。
図7は、本実施形態に係る電子書籍システム100のデータ収集処理を示すフローチャートである。
【0048】
情報集約サーバ1の制御部10は、図7のデータ収集処理を、例えば、1日に1回等の所定のタイミングで実行する。
ステップS(以下、「ステップS」を単に「S」という。)11において、情報集約サーバ1の制御部10(データ要求部16)は、許諾情報記憶部23から許諾情報を取得し、電子書店名に対応する電子書店サーバ6に、取得した許諾情報を含むデータ要求を送信する。
【0049】
電子書店サーバ6の制御部60は、データ要求を受信すると、S12において、制御部60(許諾情報確認部61)は、データ要求に含まれる許諾情報を、ユーザ情報記憶部73を参照して確認する。具体的には、制御部60は、許諾情報であるIDとパスワードの組み合わせが、ユーザ情報記憶部73に登録されていることを確認する。
許諾情報が確認できると、S13において、制御部60(対象データ処理部62)は、許諾情報に対応するユーザの対象データを、書棚データ記憶部74及び履歴データ記憶部75から抽出して、情報集約サーバ1に送信する。その後、制御部60は、本処理を終了する。
【0050】
S14において、情報集約サーバ1の制御部10(データ受信処理部17)は、対象データを受信し、対象データ記憶部24に受信した対象データを登録する。その際、制御部10は、重複したデータを登録しないように、対象データをマージして登録してもよい。
S15において、制御部10は、許諾情報記憶部23に登録されている全ての許諾情報について処理をしたか否かを判断する。全ての許諾情報について処理をした場合(S15:YES)には、制御部10は、処理をS16に移す。他方、全ての許諾情報について処理をしていない場合(S15:NO)には、制御部10は、処理をS11に移し、許諾情報記憶部23に登録された未処理の許諾情報についての処理を行う。
【0051】
S16において、制御部10(データ要求部16)は、続巻データに係る続巻要求を、各電子書店サーバ6に送信する。
各電子書店サーバ6の制御部60は、続巻要求を受信すると、S17において、制御部60(続巻データ送信部63)は、続巻データ記憶部76に記憶された続巻データを抽出し、情報集約サーバ1に送信する。その後、制御部60は、本処理を終了する。
S18において、情報集約サーバ1の制御部10(データ受信処理部17)は、続巻データを受信し、続巻データ記憶部25に受信した続巻データを登録する。その際、制御部10は、重複したデータを登録しないように、続巻データをマージして登録してもよい。また、制御部10は、発売日が経過した続巻データを削除してもよい。その後、制御部10は、本処理を終了する。
なお、上記の処理は、対象データを取得後に、続巻データを取得するものであるが、取得する順番は問わない。また、対象データと、続巻データとの取得は、異なるタイミングであってもよい。
【0052】
<アプリ実行処理>
次に、ユーザ端末4での処理について説明する。
図8は、本実施形態に係るユーザ端末4のアプリ実行処理を示すフローチャートである。
図9から図13までは、本実施形態に係るユーザ端末4での操作及び表示例を示す図である。
ユーザがユーザ端末4に記憶された書籍情報アプリ52を実行することで、上記したユーザ登録処理を既に行ったユーザ端末4の制御部40は、図8に示す処理を開始する。
【0053】
図8のS31において、制御部40は、ユーザIDを、情報集約サーバ1に送信する。
情報集約サーバ1の制御部10(データ送信処理部18)は、ユーザ端末4からユーザIDを受信すると、対象データ記憶部24に記憶された当該ユーザIDの対象データを抽出し、ユーザ端末4に送信する。また、制御部10(データ送信処理部18)は、ユーザ端末4のユーザが購入済の電子書籍に関係する続巻データを、ユーザ端末4に送信する。
そして、S32において、制御部40(データ受信処理部42)は、情報集約サーバ1が送信したデータのダウンロード処理を行い、対象データ記憶部54及び続巻データ記憶部55に、ダウンロードした各データを登録する。
【0054】
S33において、制御部40(ホーム画面出力部43)は、ホーム画面をタッチパネルディスプレイ58に出力する。
図9(A)は、ユーザ端末4に出力されるホーム画面80の例を示す。
ホーム画面80は、ユーザ領域81と、メニュー領域82と、生成画面領域83とを含む。
ユーザ領域81は、ログイン中のユーザに関する情報を出力する。
メニュー領域82は、各種のメニューを出力する。
生成画面領域83は、処理にしたがって生成される画面を出力する。
【0055】
図8のS34において、制御部40(操作処理部44)は、要求を受け付けたか否かを判断する。例えば、図9(A)において、メニュー領域82にあるメニューの選択を受け付けたことで、制御部40は、要求を受け付けたと判断する。要求を受け付けた場合(S34:YES)には、制御部40は、処理をS35に移す。他方、要求を受け付けていない場合(S34:NO)には、制御部40は、処理をS37に移す。
S35において、制御部40(操作処理部44)は、要求に応じた画面の生成処理を行う。
S36において、制御部40(操作処理部44)は、生成した画面を出力する。
【0056】
ここで、具体例と共に操作に対する出力を説明する。
図9(B)は、ユーザによりメニュー領域82のメニュー82aが選択された場合の生成画面領域83の例を示す。
制御部40(書籍一覧処理部45)は、メニュー82aが選択される(一覧要求に係る操作を受け付ける)と、対象データ記憶部54から書棚データを抽出する。そして、制御部40は、抽出した書棚データから電子書店名の画面を生成して、生成画面領域83に出力する。
【0057】
ユーザがポインタPを用いて(ユーザの指でもよい)、「電子書店a」を選択すると、制御部40(書籍一覧処理部45)は、図10(A)に示すように、抽出した書棚データに基づき、選択した「電子書店a」で購入済の電子書籍名の画面を生成して、生成画面領域83に出力する。
同様に、ユーザがポインタPを用いて、「電子書店b」を選択すると、制御部40(書籍一覧処理部45)は、図10(B)に示すように、抽出した書棚データに基づき、選択した「電子書店b」で購入済の電子書籍名の画面を生成して、生成画面領域83に出力する。
図10(A)において、電子書籍名を「111111」等の数字で表しているが、実際には、「○○伝説」等の電子書籍のタイトル名が表示される。以降の説明においても、同様である。
【0058】
そして、ユーザがポインタPを用いて、電子書籍名の1つを選択すると、制御部40(書籍ビューア処理部49)は、電子書籍名に対応する電子書店の書籍閲覧アプリ53(図10(B)の例の場合、書籍閲覧アプリ53a)を起動して、電子書店のビューアを、タッチパネルディスプレイ58に出力する。そして、制御部40(書籍ビューア処理部49)は、選択した電子書籍名の電子書籍を閲覧可能にする(図示せず)。
なお、図9(A)のホーム画面80において、ユーザがメニュー領域82から「書籍一覧(タイトル別)」のメニューを選択した場合には、ユーザ端末4の制御部40は、抽出した書棚データから電子書籍名の画面を生成して、生成画面領域83に出力する。
【0059】
次に、図11(A)は、ユーザによりメニュー領域82のメニュー82bが選択された場合の生成画面領域83の例を示す。
生成画面領域83には、期間を入力するための入力欄が出力される。ユーザが、期間を入力して「実行」ボタンを選択することで、制御部40(購入履歴処理部46)は、対象データ記憶部54から期間(履歴要求)に対応した購入履歴データを抽出する。そして、制御部40は、図11(B)に示すように、抽出した履歴データから電子書店名及び購入額の画面を生成して、生成画面領域83に出力する。
ユーザがポインタPを用いて「電子書店a」を選択すると、制御部40(購入履歴処理部46)は、抽出した履歴データ基づき、選択した「電子書店a」で購入した明細画面を生成して、生成画面領域83に出力する(図示せず)。
【0060】
次に、図12(A)は、ユーザによりメニュー領域82のメニュー82cが選択された場合の生成画面領域83の例を示す。
制御部40(続巻情報処理部47)は、メニュー82cが選択される(一覧要求に係る操作を受け付ける)と、続巻データ記憶部55に記憶された続巻データに基づいて続巻画面を生成して、生成画面領域83に出力する。
この例では、続巻データ記憶部55には、図10(A)に記載されたユーザIDがU001のユーザに係る続巻データとして、電子書籍名が「111111」であり巻名が「1巻」及び「2巻」の書棚データに基づく、電子書籍名が「111111」であり巻名が「3巻」及び「4巻」の続巻データが記憶されている。また、続巻データ記憶部55には、電子書籍名が「111113」であり巻名が「5巻」の書棚データに基づく、電子書籍名が「111113」であり巻名が「6巻」の続巻データが記憶されている。なお、電子書籍名が「111112」の電子書籍には続巻がないので、続巻データにも電子書籍名が「111112」の電子書籍に関する情報を有しない。
ここで、ユーザがポインタPを用いて、続巻の電子書籍名を選択すると、制御部40(書籍ビューア処理部49)は、電子書籍名に対応する電子書店の書籍閲覧アプリ53を起動して、選択した電子書店のビューアを、タッチパネルディスプレイ58に出力させ(図示せず)、予約や購入ができるようにしてもよい。
【0061】
次に、図12(B)は、ユーザによりメニュー領域82のメニュー82dが選択された場合の生成画面領域83の例を示す。
制御部40(書籍一覧処理部45)は、メニュー82dが選択されると、対象データ記憶部54に記憶された書棚データに同一の電子書籍を複数有するか否かを確認する。そして、制御部40は、書棚データに同一の電子書籍を複数有する場合に、電子書店名と電子書籍名とからなる複数購入済一覧画面を生成して、生成画面領域83に出力する。
この例では、ユーザIDがU003のユーザの書棚データには、電子書店aと電子書店bとの両方に、電子書籍名が「111111」であり巻名が「5巻」の書棚データが含まれている。
【0062】
次に、図13(A)は、ユーザによりメニュー領域82のメニュー82eが選択された場合の生成画面領域83の例を示す。
生成画面領域83には、検索条件を入力するための入力欄が出力される。ユーザが、検索条件である検索情報を入力して「実行」ボタンを選択することで、制御部40(検索処理部48)は、対象データ記憶部54から検索情報に対する電子書籍に係る書棚データの有無を確認する。そして、制御部40は、図13(B)に示すように検索結果画面を生成して、生成画面領域83に出力する。図13(B)の例は、検索情報に対する電子書籍に係る書棚データがある場合である。そのため、制御部40は、書棚データに含まれる電子書店名と、電子書籍名とを含む検索結果画面を生成する。
なお、図13(A)の例では、電子書籍名が入力可能になっているが、巻名を含めて入力が可能であってもよい。巻名を含めて入力された場合には、制御部40は、電子書籍名と巻名との両方が合致するデータを書棚データから抽出して出力する。
【0063】
図8のS37において、制御部40は、処理を終了するか否かを判断する。例えば、ユーザがホーム画面80を閉じる操作をすることで、制御部40は、処理を終了すると判断する。処理を終了する場合(S37:YES)には、制御部40は、本処理を終了する。他方、処理を終了しない場合(S37:NO)には、制御部40は、処理をS34に移す。
なお、上記の例で説明した出力画面や、操作による表示の仕方等は、一例である。
【0064】
<情報集約サーバ1の管理者におけるアプリ実行処理>
上記では、電子書店を利用するユーザによる書籍情報アプリ52の処理について説明した。
例えば、情報集約サーバ1の管理者が、例えば、情報集約サーバ1に対して通信可能に接続された管理者端末9を用いて、管理者用の書籍情報アプリ(図示せず)や、ウェブブラウザ等を実行した場合に、情報集約サーバ1は、管理用の画面を提供するようにしてもよい。
図14は、本実施形態に係る管理者端末9での操作及び表示例を示す図である。
【0065】
図14(A)は、電子書店ごとの売上推移確認画面91の例である。管理者が期間とタームとを指定して「実行」ボタンを選択する。タームは、「月次」の他、例えば、日次、週次、年次等の選択が可能になっている。制御部10は、対象データ記憶部24の購入履歴データから、指定された期間及びタームにしたがって電子書店ごとの購入額を集計して売上推移確認画面91を生成して出力する。
売上推移確認画面91により、管理者は、電子書店ごとの売上推移を確認できる。
【0066】
図14(B)は、電子書籍ごとの売上確認画面92の例である。管理者が電子書籍名と期間とを指定して「実行」ボタンを選択する。制御部10は、対象データ記憶部24の購入履歴データから、指定された電子書籍名及び期間にしたがって電子書店ごとの購入額を集計して売上確認画面92を生成して出力する。
売上確認画面92により、管理者は、指定の電子書籍における電子書店ごとの売上を確認できる。
なお、電子書籍名として巻名まで指定すると、制御部10は、巻名を含む電子書籍における電子書店ごとの購入額を出力してもよい。他方、電子書籍名のみが指定された場合に、当該電子書籍名に複数の巻名があるような場合には、制御部10は、複数の巻名の全てを含む電子書籍における電子書店ごとの購入額を出力するようにしてもよい。
【0067】
また、電子書籍システム100が提供する当該サービスに各電子書店が参加することで、上記管理者用の画面を、各電子書店に提供してもよい。そのようにすれば、各電子書店では、当該サービスによって他の電子書店との比較を容易に行うことができる。その結果として、各電子書店では、例えば、当該情報を、自社サービスの向上のための策を講じる契機にすることができる。
【0068】
このように、本実施形態の電子書籍システム100によれば、以下のような効果がある。
(1)情報集約サーバ1は、電子書店サーバ6に対してユーザの許諾情報を含むデータ要求を送信すると、許諾情報に対応するユーザの対象データを、電子書店サーバ6から受信し、受信した対象データを、対象データ記憶部24に登録する。
よって、情報集約サーバ1は、複数の電子書店サーバ6にそれぞれ有するユーザの対象データを受信して対象データ記憶部24に登録するので、複数の電子書店における電子書籍を一元的に管理することができる。
【0069】
(2)情報集約サーバ1は、電子書店サーバ6に対するユーザの許諾情報を含むデータ要求の送信と、許諾情報に対応するユーザの対象データの電子書店サーバ6からの受信と、受信した対象データの対象データ記憶部24への登録との処理を、所定のタイミングで繰り返して実行する。
よって、情報集約サーバ1の対象データ記憶部24には、所定のタイミングで電子書店サーバ6に有するデータと同じ状態を保つことができる。
【0070】
(3)対象データは、電子書店サーバ6におけるユーザが購入した電子書籍に係る書棚データを含み、ユーザ端末4は、ユーザによる購入済の電子書籍に関する一覧要求を受け付けると、一覧要求に応答して、対象データ記憶部54から書棚データを抽出し、抽出した書棚データに基づいて各電子書籍の情報を一覧にした電子書籍一覧画面を生成してタッチパネルディスプレイ58に出力する。
よって、ユーザは、複数の電子書店において購入済の電子書籍を、一覧として確認することができて便利である。
また、各電子書店では、自社で電子書籍一覧を出力するためのシステムを用意せずに済む。
【0071】
(4)電子書籍一覧画面に有する各電子書籍の情報には、各電子書籍を購入した電子書店サーバ6に対応し、各電子書籍を閲覧可能な書籍閲覧アプリ53が付加されている。そして、ユーザ端末4は、電子書籍一覧画面に有する一の電子書籍の情報に対する選択操作を、タッチパネルディスプレイ58から受け付けた場合に、付加された書籍閲覧アプリ53を起動して一の電子書籍に対応する電子書籍データを、タッチパネルディスプレイ58に表示させる。
よって、電子書籍一覧画面から電子書籍を選択すると、当該電子書籍の閲覧のための書籍閲覧アプリ53が起動して、電子書籍の閲覧ができるので、利便性が高い仕組みを提供できる。
【0072】
(5)ユーザ端末4は、対象データ記憶部54に記憶され書棚データに同一の電子書籍を複数有する場合に、複数購入済一覧画面を生成してタッチパネルディスプレイ58に出力する。
よって、複数の電子書店で同一の電子書籍を購入していることを確認できる。また、複数の電子書店のビューアを用いて同じ電子書籍を閲覧できるので、好みのビューアを提供する電子書店を知ることができる。
(6)対象データは、電子書店サーバ6における各ユーザの電子書籍に係る購入履歴データを含み、ユーザ端末4は、履歴要求を受け付けと、履歴要求に応答して、対象データ記憶部54から購入履歴データを抽出し、抽出した購入履歴データから履歴要求に対応した購入履歴画面を生成してタッチパネルディスプレイ58に出力する。
よって、ユーザは、電子書店ごとに購入した電子書籍の購入日や購入額等を確認できて便利である。
【0073】
(7)情報集約サーバ1は、各電子書店サーバ6に対して続巻要求を送信すると、各電子書店サーバ6から続巻要求に対応する続巻データを受信して、電子書店名に対応付けて続巻データ記憶部25に登録する。また、情報集約サーバ1は、ユーザが有する電子書籍の続巻に対応する続巻データを、続巻データ記憶部25から取得して、ユーザ端末4に送信することで、ユーザ端末4は、受信した続巻データを続巻データ記憶部55に記憶する。そして、ユーザ端末4は、続巻データ記憶部55に記憶された続巻データをタッチパネルディスプレイ58に出力する。
よって、ユーザに続巻に係る情報を提示できるので、ユーザに続巻の購入を促すことができる。
【0074】
(8)ユーザ端末4は、ユーザによる電子書籍に係る検索情報を受信すると、検索情報に基づいて、対象データ記憶部54から検索情報に対する電子書籍と同一の電子書籍に係る対象データの有無を確認し、確認結果をタッチパネルディスプレイ58に出力する。
よって、例えば、ユーザが新たに電子書籍を購入する際に、購入予定の電子書籍名を入力して検索を行えば、既に当該電子書籍を有しているか否かが確認できる。よって、ユーザが、重複して同じ電子書籍を購入することを、事前に防止できる。
(9)情報集約サーバ1は、各電子書店サーバ6に対するユーザの許諾情報を、ユーザ端末4から受信し、受信した許諾情報を、ユーザと電子書店とに対応付けて許諾情報記憶部23に登録する。
よって、情報集約サーバ1は、ユーザ端末4から受信した許諾情報を用いて、電子書店サーバ6から対象データを受信して記憶することができる。
【0075】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0076】
(変形形態)
(1)本実施形態では、情報集約サーバ1とユーザ端末4との両方の装置によって電子書籍情報集約装置の処理を行うものを例に説明したが、これに限定されない。
例えば、情報集約サーバ1のデータ収集部に対応する機能を、ユーザ端末4が有するようにし、各電子書店サーバと、ユーザ端末とからなる電子書籍システムであってもよい。そのようにした場合、例えば、ユーザ端末が各電子書店サーバにログインしたタイミングで、ユーザ端末が各電子書店サーバに対して直接データを要求し、各電子書店サーバ6に記憶されたデータを受信して、ユーザ端末の記憶部に記憶すればよい。
【0077】
(2)本実施形態では、情報集約サーバ1からユーザ端末4に対象のデータをダウンロードした上で、ユーザ端末4の書籍情報アプリ52が処理をするものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、ユーザ端末と情報集約サーバとの間で常に通信を行って、ユーザ端末からの要求に対応する画面を情報集約サーバで生成し、ユーザ端末は、入出力部の役割のみを担うものであってもよい。
【0078】
(3)本実施形態では、ユーザ端末での操作と、それに基づく画面の例をいくつか説明したが、これに限定されない。例えば、書籍一覧の出力では、出力項目及び/又は並び順を含む一覧要求を受け付けると、一覧要求に含まれる出力項目及び/又は並び順にしたがって電子書籍一覧画面を生成して出力するようにし、カスタマイズを可能にしてもよい。このようにすれば、ユーザにとって使い勝手のよい電子書籍一覧画面を出力することができる。
【0079】
(4)本実施形態では、続巻データに関して、情報集約サーバ1において、各ユーザの購入済の電子書籍から必要な続巻データを抽出してユーザ端末4に送信するものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、情報集約サーバは、全ての続巻データをユーザ端末に送信し、ユーザ端末側で必要な続巻データを抽出して出力してもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 情報集約サーバ
4 ユーザ端末
6 電子書店サーバ
10,40,60 制御部
12 許諾情報受信部
13 許諾情報登録部
16 データ要求部
17 データ受信処理部
20,50,70 記憶部
23 許諾情報記憶部
24,54 対象データ記憶部
25,55,76 続巻データ記憶部
42 データ受信処理部
45 書籍一覧処理部
46 購入履歴処理部
47 続巻情報処理部
48 検索処理部
49 書籍ビューア処理部
52 書籍情報アプリ
53,53a,53b,・・・ 書籍閲覧アプリ
58 タッチパネルディスプレイ
62 対象データ処理部
72 書籍データ記憶部
74 書棚データ記憶部
75 履歴データ記憶部
80 ホーム画面
82 メニュー領域
83 生成画面領域
100 電子書籍システム
N 通信ネットワーク
P ポインタ
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