(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063916
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】日本語入力システムのメモ機能
(51)【国際特許分類】
G06F 40/129 20200101AFI20240507BHJP
G06F 40/157 20200101ALI20240507BHJP
【FI】
G06F40/129
G06F40/157
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172088
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】505292063
【氏名又は名称】有限会社新英プラナーズ
(72)【発明者】
【氏名】河野 拓治
【テーマコード(参考)】
5B109
【Fターム(参考)】
5B109ME13
(57)【要約】
【課題】
従来の日本語入力システムにおけるユーザー辞書は、仮名漢字変換に使われるシステム辞書である仮名漢字変換用辞書の補助的な役割を担う。従来システムでは、ユーザーはユーザー辞書に自由に用語登録はできるが、他の目的に使うことはできない。
【解決手段】
本発明では、ユーザー辞書を仮名漢字変換用辞書の補助的な役割に使うだけでなく、簡単操作でユーザー辞書に仮名1文字の見出し語で単語・語句だけでなく文章も登録できる。1文字の見出し語なので1文字入力すれば登録文を簡単に表示できる。ユーザー辞書のクラウド化も可能でありURL情報も登録できるのでURLを使いSNSサービスも利用できる。また本発明は、多機能型日本語入力システムを構成する複数の機能のうちの項目(9)「日本語入力システムのメモ機能」でもある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ上で動作する応用プログラムに日本語を入力する「仮名漢字変換/KEARM変換式日本語入力システム」(特願2022-017542で出願されたシステムで、以後、仮名漢字変換/KEARM変換システムと呼ぶ)と既存の文字列を読み込む再変換システム(「日本語入力システムの再変換機能」の名称にて特願2022-159765で出願されたシステムで、以後、再変換システムと呼ぶ)を組み合わせ、さらに、両システムの仮名漢字変換で使われるユーザー辞書に利用者が任意の文字列を登録(書き込み)できる「メモ機能実行部」を組み合わせたシステムにおいて、
両システムの変換で得られる変換結果の文字列、または該変換後表示できる変換候補一覧から利用者が選んだ選択候補の文字列を、利用者が「メモ登録」操作(Shiftキーを押しながら該文字列をクリックするなど)することにより、「メモ機能実行部」が主となりユーザー辞書に仮名1文字の見出し語で該文字列を下記のとおり登録文(メモ)として書き込みできる方法であって、
(1)見出し語に関しては、
(a)該文字列の先頭文字が仮名文字であれば先頭の仮名1文字を見出し語とし、
(b)該文字列の先頭文字が漢字であれば該漢字の音読みまたは訓読みの先頭1文字の仮名を見出し語とし、
(c)該文字列の先頭文字が英数字、記号または符号の場合は、任意の仮名1文字(例えば「ン」等)を見出し語とし、
(2)別途設けたツールにより、すべての見出し語と登録文を表示、または、表示した見出し語と登録文の一覧から利用者が選択した登録文を削除でき、
(3)ユーザー辞書を格納する一部または全部のコンピュータのフォルダーを(市販のオンラインストレージサービスを利用し)クラウド化されたドライブに置くことにより、ユーザー辞書の登録文を多人数で共有化でき、
(4)ユーザー辞書の登録文を英数字記号・符号で構成されるURL(Uniform Resource Locator)とすることもできるので、複数のSNS(Social Networking Service)サービス会社が提供するいずれかの応用プログラムのURLで、かつ、利用者が管理権限をもつ内容のURLを登録文としてユーザー辞書に登録しておけば、該URLを使って直接またはインターネット検索を介して、該応用プログラムを起動させ、該応用プログラムが実行されることにより具象化できる文章、画像および動画の表示または再生ができる、
方法。
【請求項2】
日本語入力システム(パソコン用日本語入力システムに限定せず)のシステム辞書である仮名漢字変換用辞書の補助的な辞書として使われるユーザー辞書または類似の辞書を、請求項1の項目(3)又は(4)、または両方で記述した目的で使用するシステムまたは方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非特許文献2の仮名漢字変換/KEARM変換式日本語入力システム(以後、仮名漢字変換/KEARM変換システムと呼ぶ)と非特許文献5の再変換システム(「日本語入力システムの再変換機能」で出願されているが、本書では再変換システムと呼ぶ)を組み合わせたシステムに「メモ機能実行部」を組み込み、両システムの仮名漢字変換で使われるユーザー辞書に仮名1文字の見出し語で単語・語句だけでなく文章も登録できるメモ機能を実行でき、SNSにも応用できる方法である。
【0002】
KEARM変換とは、「仮名入力によるカタカナ語(K)、半角英数入力による英語(E)、英略語(A)又はローマ字(R)の3分類(K、 E、 A又は R)、4入力(K、 E、 A及び R)による相互変換が可能で多言語(M)出力もできる変換」から頭文字をとった固有名称で多言語処理ができる変換方式である。
【0003】
本発明は、弊社の非特許文献2の仮名漢字変換/KEARM変換システムの段落番号0026で記述の多機能型日本語入力システムの項目(9)「日本語入力システムの再変換機能」でもあり、本書の
図24で示す多機能型日本語入力システムのブロック図において、画面中央部の「メモ機能実行部」(背景をドットパターンのブロックで示す)に相当する。
図24の多機能型日本語入力システムは、非特許文献2の仮名漢字変換/KEARM変換システム(背景を灰色のブロックで示す部分)を基幹部として12項目の機能を付加したシステムである。
【背景技術】
【0004】
従来の仮名漢字変換式日本語入力システムのユーザー辞書は、システム辞書である仮名漢字変換用辞書の補助的な辞書としてユーザーが用語を登録できるような形式になっている。そのためユーザー辞書の構造は仮名漢字変換用辞書と同じで、漢字の読みである見出し語と読みに対応する漢字または漢字交じり文を登録するのが普通である。ユーザーはユーザー辞書に希望する用語を登録できるとしても使用目的はあくまで仮名漢字変換の補助的な用途に限定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】漢字引き仮名変換機能付き日本語入力システム 特許第6319542号(段落番号0014~0020、
図1、表1、表3)
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】仮名漢字変換システムの基本機能 JISX4064: 2002
【0007】
【非特許文献2】仮名漢字変換/KEARM変換式日本語入力システム 特願2022-017542(段落番号0036~0068、0071~0082、0250、0251、
図17、
図20、
図22、
図52)
【0008】
【非特許文献3】日本語入力システムのKEARM学習変換 特願2022-080529
【0009】
【非特許文献4】日本語入力システムの漢字情報変換 特願2022-090063
【0010】
【非特許文献5】再変換システム(日本語入力システムの再変換機能) 特願2022-159765(段落番号0048~0055、0079~0085、0093~0097、0100~0104、
図2、
図4、
図7、
図8、
図9、
図10、
図11、
図21、
図26、
図28)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
利用者がユーザー辞書に単語や語句だけでなくメッセージや文章などを登録でき、かつ、それらを1文字入力で簡単に引き出せる仕組みができれば、ユーザー辞書を仮名漢字変換用辞書の補助的な役割以外の目的に使える。
【課題を解決するための手段】
【0012】
メモ機能を使い利用者が仮名1文字の見出し語で希望する登録文をユーザー辞書に書込みできるようにする。ユーザー辞書の通常の登録語句と区別するため、メモ機能の登録文には用語情報として、例えば、
図9の登録文「バースデーケーキ|s」37dのように用語情報としてコード番号yougoCode「s」を付加する。メモ機能の登録文を表示するときもユーザー辞書の登録語句・登録文のうちyougoCode「s」の登録文のみを検索し、抽出する。
【0013】
メモ機能の登録文としてメッセージや文章などの文字列で最も簡単に得られるものはPC画面上に表示されている文字列情報である。そのため文字列情報を読み込むシステムとして非特許文献5の再変換システムを利用する。
【0014】
ユーザー辞書の登録文を格納するフォルダーをクラウド化されたドライブに置くことによりユーザー辞書の登録文を多人数で共有化できる。
【0015】
ユーザー辞書の登録文をURLにすれば、直接またはインターネット検索を介して間接的に汎用のSNSのプログラムを起動できるようになる。ただし、他のプログラムを利用するにはあくまで利用者が管理権限を持つ内容のものに限定すること。
【発明の効果】
【0016】
コンピュータ画面上の希望する文字列を選択し強調表示させておき、後は簡単なメモ登録操作をするだけで「メモ機能実行部」が起動し、自動的に仮名1文字の見出し語を決定し、選択された文字列をユーザー辞書に登録文として書き込める。メモ登録時に決定された仮名1文字を入力すれば登録文を表示できる。
【0017】
非特許文献2および非特許文献5のユーザー辞書はユニコードのテキスト形式で保存しているので、コンピュータのドライブをクラウド化すれば複数の人で情報を共有できる。
【0018】
SNSのアプリケーションのURLを登録し、URL情報を使って当該アプリケーションを起動することにより当該アプリケーションが表示できる文章や画像だけでなく、動画も再生できる。ただし、あくまで利用者が管理権限を持つ内容のものに限定する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】文字入力部である上部の(a)仮名漢字変換/KEARM変換システムと文字列読込み部である下部の(b)再変換システムの両システムが共有するユーザー辞書に「メモ機能実行部」がつながれている。(b)再変換システムで読み込まれ変換された文字列、または(a)仮名漢字変換/KEARM変換システムで入力され仮名漢字変換された文字列を、仮名1文字の見出し語でユーザー辞書に登録(書き込み)できる。
【
図7】
図6の「文字出力部・変換候補表示部」45~46の詳細説明図
【
図11】KEARM変換用辞書(多言語用)StdMaster
【
図12】KEARM変換用辞書(選択言語用)StdWork0~StdWork9
【
図14】実施例1 再変換システムで変換結果「バースデーケーキ」をメモ登録する例
【
図15】実施例2 再変換システムで「バースデー」の選択候補をメモ登録する例
【
図16】実施例3 再変換システムでURL情報(変換結果)をメモ登録する例
【
図17】実施例4 再変換システムで複合の文章(変換結果)をメモ登録する例
【
図18】実施例5 再変換システムで複数の文章(変換結果)をメモ登録する例
【
図19】実施例6 漢字仮名漢字変換/KEARM変換システムの逐次変換画面で苗字(選択候補)をメモ登録する例
【
図20】実施例7 漢字仮名漢字変換/KEARM変換システムの逐次変換画面で苗字と名前(変換結果)をメモ登録する例
【
図21】実施例8 漢字仮名漢字変換/KEARM変換システムの変換候補一覧画面で苗字の選択候補をメモ登録する例
【発明を実施するための形態】
【0020】
本書では各種用語を使うので、先に用語の説明をしておく。JISX4064規定用語及びコンピュータ用語はここには含めない。
【0021】
(A)用語のまとめ
用語は順不同で個別に説明してある。非特許文献1の仮名漢字変換システムの基本機能 JISX4064: 2002で規定する用語はここには載せていないが必要に応じて本書では使うものとする。多機能型日本語入力システムの連係機能の用語は本発明とは直接関係ないので題目だけを載せている。
(ア)日本語入力システム
仮名漢字変換式日本語入力システム(JISX4064で規定、又はそれに準じるシステム)であってコンピュータキーボードおよび十分な大きさのモニターと組み合わせるパソコン用日本語入力システムである。ただし、本発明のメモ機能は、文字列を入力する日本語入力システムより文字列を読み込む非特許文献5の再変換システムとの組み合わせの方が重要となる。
図1の画面下側の(b)再変換システムを既存の文字列を読み込んでユーザー辞書に登録する目的で使い、日本語入力システムである画面上部の(a)仮名漢字変換/KEARM変換システムは、ユーザー辞書に登録された登録文の確認と文字入力による登録文の作成に使う。
(イ)入力モード
弊社の日本語入力システムには、平仮名、片仮名、全角英数、半角片仮名、半角英数及びMPモードの6つのモードと日本語入力システムが介入しない直接入力モードがある。最初の5つのモードは文字列を入力するモードであり、MPモードは再変換システムで文字列を読み込むモードとして使う。
(ウ)出力言語
図10で示すとおりKEARM変換の10カ国語の出力言語うちの一つの言語をマウスで選択できる。初期設定は英語(英)で英語が標準装備となり、英語以外の言語(韓国語~アラビア語)を選択すると、英語+選択言語が装備される。多言語(多)に設定すると変換候補一覧に10カ国語の単語を列挙する。
(ウ)(a)出力言語選択スイッチ
KEARM変換の出力言語をマウスで選択できるスイッチ。
(ウ)(b)選択言語
(ウ)(a)の出力言語選択スイッチで選ばれた出力言語のうち、多言語(多)以外の英語(英)~アラビア語(ア)の10カ国語が選択言語であるが、英語は標準の出力言語なので、英語が別枠になっている場合は、英語以外の他の9カ国語を選択言語と呼ぶ。
(エ)辞書
文字列を読み込む再変換システムでは仮名漢字変換用辞書、ユーザー辞書、KEARM変換用辞書、漢字情報変換用辞書および自動生成辞書を使う。登録文を作成する日本語入力システムでは、仮名漢字変換用辞書、ユーザー辞書、KEARM変換用辞書および自動生成辞書を使う。
(エ)(a)仮名漢字変換用辞書
図9の「仮名漢字変換用辞書」36の形式の辞書。「ヤマモト」36aの読みで、「山本|a」36bを登録する。最後部の「a」はyougoCodeであり、「a」は苗字を示す用語情報である。
(エ)(b)ユーザー辞書
図9の「ユーザー辞書」37の形式の辞書で、「シンサイ」37aの読みで、「審査委」37bを登録する。ユーザーが新規に用語を登録したり、登録用語を仮名漢字変換の優先候補にするために使う。さらに、本発明ではメモ機能として、仮名1文字を見出し語として「バースデーケーキ|s」37dにように登録できる。「s」はメモ登録を示す用語情報である。
(エ)(c)KEARM変換用辞書
図11の多言語用辞書と
図12の選択言語用辞書がある。選択言語用辞書は、多言語用辞書から出力言語ごとに生成する。多言語用辞書は標準の辞書なのでユーザーは書き換えできないが、選択言語用辞書は用語の追加登録ができる。
(エ)(d)漢字情報変換用辞書
図13の形式の辞書であり漢字情報変換で使い、漢字の文字列で各行の先頭の漢字を検索し完全一致したら当該文字列の情報を変換候補として抽出する。再変換システムで文章中に含まれる漢字の変換に使う。
(エ)(e)自動生成辞書
KEARM変換用辞書に登録されていない半角英数文字列や複文節の全角英数記号・符号などを処理するため、ANS変換で当該文字列を自動的に専用の辞書に登録し変換時の補助用に使う。更新はされず変換終了後、上書き削除される。
(オ)変換モード
仮名漢字変換/KEARM変換システムの文字列入力では、逐次変換、新予測変換およびKEARM優先変換モードがあるが、本発明のメモ機能では逐次変換モードのみ使う。再変換システムでは文字列読込み用のMPモードを使う。MPモードでは、文字列読込み後の変換モードとして一括変換モードを使う。文字列入力の逐次変換モードでは逐次に変換を行うが変換動作は一括変換であり、再変換システムの一括変換とほぼ同じ動作である。ただし両者のコンピュータとのインターフェース部が異なるので画面形態が異なることや一括変換モードでは用語属性は使わず、1文字検索や変換後の入力モード変更もない。
(オ)(a)逐次変換
仮名漢字変換/KEARM変換システムの文字列入力で使う変換モード。仮名漢字変換/KEARM変換システムには変換起動部があるので、1文字入力ごとに完全一致検索による一括変換を行う。
(オ)(b)一括変換
再変換システムのMPモードで文字列読込み後、完全一致検索による変換を行うモードで、仮名漢字変換、ANS変換、KEARM変換、漢字引き仮名変換、漢字情報変換、文章分割・変換及び自動生成辞書変換を行う。KEARM変換の一括変換では用語属性は使わず、1文字検索や変換後の入力モード変更もない。
(カ)動作モード
ND、ADP、AD及びARPモードがある。単語・語句などの単文節の変換はNDモードのみ使い、文章の変換ではND --> ADP --> ADモードの順で変換を行う。本発明では、ARPモードは使わない。
(カ)(a)ND(Non-Div)
単語・語句などの単文節の変換に使う。複文節となる文字列の変換でも最初は単文節か否かのチェックが必要なためNDモードから変換を始める。漢字引き仮名変換はNDモードのみの動作である。
(カ)(b)ADP(AutoDivProcess)
複文節となる文字列を第1文節から順次、文節分けし、仮名漢字変換、ANS変換、KEARM変換、漢字情報変換、文章分割・変換または自動生成辞書変換を行う。ADPモードでの変換の目的は、各文節の最も適した変換候補を選ぶこと。
(カ)(c)AD(AutoDiv)
ADPでの変換終了後、ADモードで第1文節に戻り、入力バッファss11[0]を変換用文字列として再度変換する。以後、左右の矢印キーで文節移動した場合も同様に入力バッファss11[n](nは文節番号0~49)を変換用文字列として変換を行う。ADモードでの変換をAD変換と呼ぶ。AD変換の目的は変換候補を最大数得ること。
(キ)入出力文字表示
応用プログラムの画面上で入出力文字列を表示する部分。この部分の画面枠はないが表示構造を持つ画面であり、表示する文字列は表示属性に沿って下線表示をする。
(キ)(a)入力文字列
キーボードから仮名漢字変換/KEARM変換システムに入力される文字列であるが、入力処理部で表示用文字列と変換用文字列に分けられ、逐次変換で実際に入力表示に使われるのは同じ文字種の表示用文字列である。再変換システムでは、読込み文字列は一旦クリップボードにコピーされ、コピーされた文字列が再変換システムに読み込まれ入力文字列になる。
(キ)(b)表示用文字列
仮名漢字変換/KEARM変換システムの入力処理部で表示用文字列と変換用文字列に分けられ、表示用文字列は入力文字列と同じ文字種で応用プログラムの入出力文字表示の画面で入力文字列の表示用に使われる。再変換システムでは入力モードの区別がないので入力文字列がそのまま表示用文字列になる。
(キ)(c)読込み文字列(再変換用)
再変換システムの読込み文字列は、日本語入力システムで入力された文字列または他の手段で入力されたものでもよいが文字列データでなければならない。画像データは読み込めない。紙面上に書かれた文字列はスキャナーなどでPCの応用プログラム上に事前に読み込んで文字列データにしておかなければならない。
(キ)(d)変換用文字列
仮名漢字変換/KEARM変換システムで変換時の検索用入力として使われる文字列で、入力文字列が仮名の場合は全角片仮名が使われる。英数文字記号・符号では入力文字列がそのまま変換用文字列となる。再変換システムの文字列読込みでは読み込んだ文字列がそのまま変換用文字列となる。ただし、いずれの場合も名詞の語尾となる格助詞や動詞の活用語尾の部分は全角片仮名に統一される。
(キ)(e)表示属性
入出力文字表示は、表示属性を指定して文字列に特有の下線を引く。仮名漢字変換/KEARM変換システムの標準設定では、逐次変換画面の表示属性は「入力」(点線)で、変換候補一覧画面では、利用者が作業中の分節を「変換済み注目文節」(実線太線)とし、その他の文節を「変換済み文節」(実線細線)で区別する。再変換システムの文字列読込みの表示属性では、入力の表示属性は瞬時的な表示のみで、変換結果表示および変換候補一覧では、利用者が作業中の分節を「変換済み注目文節」(実線太線)とし、その他の文節を「変換済み文節」(実線細線)で区別する。
(キ)(f)変換結果
仮名漢字変換/KEARM変換システムでの変換結果は逐次変換画面から変換候補一覧画面に遷移させたときに表示される。逐次変換画面では変換結果は表示されない。再変換システムでは文字列読込み後に実行される一括変換の結果として直ちに表示される。単文節では正順変換が原則であり読込み文字列が変換結果になり、複文節でも正順変換が原則であり、第1文節から最終文節まで読込み文字列と同じ出力バッファss12[0]~ss12[n](nは文節番号0~49)を組み合わせた文字列が変換結果になる。確定キーを押すと変換結果が確定文字列となる。
(ク)逐次変換画面
仮名漢字変換/KEARM変換システムで文字列を入力しただけの画面であるが、仮名漢字変換/KEARM変換システムには変換起動部があるので1文字入力ごとに逐次変換を行い、単文節では変換候補一覧を表示し、複文節では各文節の変換第1候補を組み合わせた文字列を変換結果として表示する。単文節での入出力文字表示は入力文字列と同じ文字種である表示用文字列を表示し、変換結果は表示しない。
(ク)(a)変換出力(逐次変換画面用)
変換出力は変換して得られた文字列出力であり、仮名漢字変換およびANS変換では次のように処理する。単数または複数の変換出力を統合し一元化した出力が変換情報szBufzになる。
(1)仮名漢字変換では、仮名漢字変換用辞書及びユーザー辞書を使い、1文字入力ごとに変換用文字列を入力として検索・変換を行う。例えば、変換用文字が「シ」で、得られた変換候補が「し」、「市」、「氏」、「死」・・・の場合、これらの変換候補を時系列順に並べて文字変数に保存し、文字列情報「し 市 氏 シ 死 ・・・」を得る。この文字列情報が変換出力になる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。変換出力は辞書の品詞等により階級分け(項番と呼ぶ)し、副詞・名詞(項番4)は文字変数szBufa、名詞+助詞(項番5)は文字変数szBufb、動詞(項番8)は文字変数szBufc、ユーザー辞書(主として項番2)は文字変数UserDicに保存する。
(2)ANS変換は、仮名漢字変換ができない英数記号・符号の変換であり、JIS規格と同様に広義には仮名漢字変換の機能に含まれる。全角の英数記号・符号はすべて対象である。半角の英数記号・符号のうちKEARM変換用辞書に登録されている半角英数の単語・語句はKEARM変換が行われ、残りがANS変換になる。ANS変換では、ユーザー辞書、自動生成辞書を使うか、または辞書を使わず専用プログラムで変換し、数字・記号は全角/半角変換または半角/全角変換を行い、数字は漢数字変換も行われるが、括弧などの符号は類似の各種符号に変換される。変換された文字列を候補としてまとめた文字列情報が変換出力となる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。名詞(項番4)は文字変数szBufa、名詞+助詞(項番5)は文字変数szBufb、ユーザー辞書(主として項番2)は文字変数UserDic、単文節のプログラム変換(項番1、項番6)による変換出力は文字変数szSymbolに保存する。
(ケ)再変換システムの一括変換
再変換システムでは、文字列読込み後、入力文字列の文字種を基に一括変換モードで各種変換を行う。変換直後は、正順変換と呼ぶ読込み文字列と同じ変換結果のみ表示し、変換候補一覧は表示しない。正順変換を採用しているのは、本発明のメモ機能で、読込み文字列をそのままの形でメモ登録できるようにするためである。
(ケ)(a)出力順位(再変換用)
再変換システムでは変換直後は、読込み文字列と同じ変換用文字列を変換結果とする正順変換を原則とする。読込み文字列が平仮名の場合は例外で仮名漢字変換またはKEARM変換された変換第1候補が変換結果になるが、変換後、Escキーを押せば平仮名の変換結果が得られるよう設計している。変換候補の出力順は、KEARM変換や漢字情報変換では定型的な配置となり、その他の変換では変換が得られた時系列順に並べる。
(ケ)(b)変換出力(再変換用)
再変換システムの変換出力は、仮名漢字変換、ANS変換及びKEARM変換では次のように処理する。単数または複数の変換出力を統合し一元化した出力が変換情報szBufzになる。
(1)仮名漢字変換では、仮名漢字変換用辞書及びユーザー辞書を使う。入力文字列は平仮名に限定されており、変換前に平仮名は片仮名に変換され変換用文字列は片仮名で検索・変換を行う。例えば、入力文字が「し」の場合、変換前に片仮名に変換され変換用文字が「シ」で仮名漢字変換を行い、得られた変換候補が「し」、「市」、「氏」、「死」・・・の場合、これらの変換候補を時系列順に並べて文字変数に保存し、文字列情報「し 市 氏 シ 死 ・・・」を得る。この文字列情報が変換出力になる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。変換出力は辞書の品詞等により階級分け(項番と呼ぶ)し、副詞・名詞(項番4)は文字変数szBufa、名詞+助詞(項番5)は文字変数szBufb、動詞(項番8)は文字変数szBufc、ユーザー辞書(主として項番2)は文字変数UserDicに保存する。
(2)ANS変換は、仮名漢字変換ができない英数記号・符号の変換であり、JIS規格と同様に広義には仮名漢字変換の機能に含まれる。全角の英数記号・符号はすべて対象である。半角の英数記号・符号のうちKEARM変換用辞書に登録されている半角英数の単語・語句は、次の(3)KEARM変換が行われ、残りがANS変換になる。ANS変換では、ユーザー辞書、自動生成辞書を使うか、または辞書を使わず専用プログラムで変換し、数字・記号は全角/半角変換または半角/全角変換を行い、数字は漢数字変換も行われるが、括弧などの符号は類似の各種符号に変換される。再変換システムでは、先頭候補は読込み文字列と同じ変換用文字列が変換第1候補になる正順変換となる。変換された文字列を候補としてまとめた文字列情報が変換出力となる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。名詞(項番4)は文字変数szBufa、名詞+助詞(項番5)は文字変数szBufb、ユーザー辞書(主として項番2)は文字変数UserDic、単文節のプログラム変換(項番1、項番6)による変換出力は文字変数szSymbolに保存する。
(3)KEARM変換の半角英数入力による変換では、KEARM変換用辞書を使い、変換用文字列を検索入力として辞書の登録用語を検索する。KEARM変換の変換候補の出力順位は非特許文献2の
図17「KEARM変換用辞書の用語属性」の設定表のとおりとなるが、逐次変換と違い文字列読込みでは用語属性は使わないので、属性値が-1の設定のみとなる。例えば、変換用文字列「rule」で検索・変換した場合、変換第1候補が英語、第2候補がカタカナ語、ローマ字が登録されていないので、次は簡易日本語となる。用語属性は使わないので「rule ルール 規則、支配、定規、解式」の文字列情報を得る。このときの文字列情報が変換出力となる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。変換出力は辞書の品詞別に階級分け(項番と呼ぶ)し、名詞(項番4)はszBufa、名詞+助詞(項番5)はszBufb、サ変活用動詞(項番8)はszBufcに保存する。
(4)KEARM変換の仮名入力によるカタカナ語変換は、(1)の仮名漢字変換による階級別変換(項番2~8)で当該カタカナ語(片仮名と同義)が変換候補として抽出されており、かつ、仮名漢字変換が行われなかったときのみ、当該カタカナ語のKEARM変換を行う。ただし再変換の一括変換では読込み文字列の文字種が限定されるので片仮名は原則的にKEARM変換の対象になる。例えば「ルール」の場合、変換第1候補がカタカナ語、第2候補が英語、ローマ字は登録されていないので、次は簡易日本語訳となる。用語属性は使わないので「ルール rule 規則、支配、定規、解式」の文字列情報を得る。このときの文字列情報が変換出力となる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。
(5)文字列読込み後の一括変換では仮名漢字変換、ANS変換、KEARM変換以外の変換も行うが、変換の基本的動作は上記に準じる。
(コ)変換候補一覧画面
仮名漢字変換/KEARM変換システムの逐次変換画面から変換操作遷移キーを押すとAD変換が行われ、変換候補一覧を表示する画面になる。単文節の場合は、逐次変換時に得られた変換情報szBufzを使うのでAD変換は行わない。
(コ)(a)出力順位(変換候補一覧画面用)
変換候補一覧画面の変換候補の出力順位(変換第1候補を先頭とする配置順)は変換操作遷移キーを押して逐次変換画面から変換候補一覧画面に遷移した場合は逐次変換画面の出力順位と同じであるが、KEARM定型変換やKEARM優先変換を実行して変換候補一覧画面に遷移した場合は出力順位が異なる。
(コ)(b)変換出力(変換候補一覧画面用)
逐次変換モードだけでなくKEARM優先変換モードでも、変換候補一覧画面では左右への文節移動またはマウスで任意の文節をクリックしたとき、各文節の入力バッファss11[n](nは0~49)の文字列を入力としてAD変換が行われる。逐次変換画面の変換と同様にAD変換で得られた候補の文字列を時系列順に並べて文字変数に保存し変換出力とする。例えば、仮名漢字変換では「し 市 氏 シ 死 ・・・」のように文字変数に保存し、変換出力とする。ANS変換では全角/半角変換または半角/全角変換、漢数字変換や各種文字種変換による変換出力、KEARM変換では、例えば「rule ルール 規則、支配、定規、解式 ///」のような変換出力になる。いずれの変換出力も各候補の末端には制御文字\0を置く。仮名入力では仮名漢字変換、全角英数記号入力ではANS変換、半角英数入力ではKEARM変換、または辞書に登録されていない文字列は複文節での自動生成辞書によるANS変換になるが、仮名入力によるKEARM変換もある。仮名入力でKEARM変換になるのは逐次変換で得られた文節情報ArrayAuto[n][3]が1のときである。変換出力のまとめ方は、(ク)(a)変換出力(逐次変換画面用)とほぼ同じで、最終の変換出力を文字変数szBufzに保存し変換情報とする。
(コ)(c)変換操作遷移
逐次変換モードで逐次変換画面から変換操作画面である変換候補一覧画面に遷移させる操作である。変換操作遷移キーは論理キーであり物理キーは用途で異なる。仮名漢字変換ではSpaceキーなど、KEARM変換では矢印↓キーなどを物理キーとして使う。マウスで直接希望する候補をクリックすれば同様の働きと同時に候補選択もできる。仮名漢字変換の変換候補は標準で逐次変換と同じ最大5つまでの変換候補一覧を表示する。変換候補を最大数表示させるときは物理キーとして[変換]キーを使う。
(コ)(d)選択候補
変換候補一覧画面で希望する候補を上下矢印キーやマウスで選択できる。KEARM変換で選択できる候補は出力言語までで簡易日本語訳と用語属性は発音できる候補ではないので通常操作では選択できない。選択された候補は選択候補と呼ぶ。単独の選択候補の背景色は薄青になり、変換対象となる用語が複数ある場合の簡易表示画面での選択用語の候補の背景色は薄赤になる。
(サ)変換候補一覧(再変換)
再変換システムでは、論理キーである再変換キーを押すと文字列読込みと、読み込んだ文字列を基に一括変換モードで文字種(code番号で分類)に従った再変換を行い、仮名漢字変換を除き、原則的に、読込み文字列と同じ文字列を変換結果として表示する。変換候補一覧を表示するには再度、再変換キーを押す必要がある。再変換では変換の状態より何の変換が行われるかが重要なので画面は変換名で表示し、変換候補一覧か否かについては括弧内に表示するのみとする。
(サ)(a)出力順位(再変換用)
再変換の変換候補一覧の出力順位(変換第1候補を先頭とする配置順)は、読込み文字列が変換第1候補になることを原則としている。例外は文字種が平仮名(code番号1)の場合で、再変換を行うと平仮名から漢字に変換されるか、カタカナ語に変換され変換第1候補になり変換結果になる。変換候補一覧でも同様に変換結果となった漢字やカタカナ語がそのまま変換第1候補になる。読込み文字列が変換第1候補にならない他の例としては、文字種が片仮名(code番号3)で変換対象となる用語が複数ある場合で、変換結果は正順変換により入力文字列と同じになるが、変換候補一覧では変換第1候補は、英語+簡易日本語訳(出力言語が英語)または仏語+英語(出力言語が仏語の場合)になる。
(サ)(b)変換出力(再変換用)
再変換の一括変換モードでも、変換候補一覧では左右への文節移動またはマウスで任意の文節をクリックしたとき、各文節の入力バッファss11[n](nは0~49)の文字列を入力としてAD変換が行われる。AD変換で得られた候補の文字列を時系列順に並べて文字変数に保存し変換出力とする。例えば、仮名漢字変換では「し 市 氏 シ 死 ・・・」のように文字変数に保存し、変換出力とする。ANS変換では全角/半角変換または半角/全角変換、漢数字変換や各種文字種変換による変換出力、KEARM変換では、例えば「rule ルール 規則、支配、定規、解式」のような変換出力になる。いずれの変換出力も各候補の末端には制御文字\0を置く。変換出力のまとめ方は、最終の変換出力を文字変数szBufzに保存し変換情報とする。
(サ)(c)選択候補
再変換システムの変換候補一覧で希望する候補を上下矢印キーやマウスで選択できる。KEARM変換で選択できる候補は出力言語までで簡易日本語訳は発音できる候補ではないので通常操作では選択できない。選択された候補は選択候補と呼ぶ。単独の選択候補の背景色は薄青になり、変換対象となる用語が複数ある場合の簡易表示画面での選択用語の候補の背景色は薄赤になる。
(シ)仮名漢字変換
逐次変換では、仮名入力で仮名漢字変換を行う。再変換システムでは、読込み文字列が平仮名の場合、漢字交じり文に変換する。JISX4064で規定の仮名漢字変換では英数記号・符号の変換も含むので、広義の仮名漢字変換は(ス)ANS変換も含む。
(ス)ANS変換
英数記号・符号をANS(AlphaNumeric and Symbol)と呼ぶ。ANSの全角英数記号は半角英数記号に変換(全角/半角変換)し、半角英数記号は全角英数記号に変換(半角/全角変換)し、それぞれの変換用文字列を変換第1候補にして2つの変換候補にする。数字の場合は漢数字にも変換する。括弧などの符号は各種の類似符号に変換する。半角英数の英語、英略語及びローマ字でKEARM変換用辞書に登録されている用語はANS変換ではなくKEARM変換を行う。
(セ)漢字情報変換
再変換システムの文字列読込み後の一括変換では、単独の単語は漢字引き仮名変換を行い、文章中の漢字は漢字情報変換を行う。漢字情報変換では、漢字の読みや、英語、日本語訳を変換候補として表示する。
(ソ)会話文変換、(タ)新予測変換
本発明では使用しない
(チ)再変換機能
再変換システムでは、日本語入力システムまたは他のシステムで作成した文章を読込み、文字列の文字種(code番号で分類)により各種の変換を行い、新たな情報を得ることができる。既存のシステムの再変換機能では、読み込んだ漢字交じり文をすべて仮名に戻し、再度、仮名漢字変換を行う。
(ツ)メモ機能
再変換システムで読み込んだ文字列を一括変換して得られた変換結果または変換候補一覧から選んだ選択候補の文字列、または仮名漢字変換/KEARM変換システムで仮名を入力し、仮名漢字変換の逐次変換で得られた単文節の変換候補、または複文節の変換結果の文字列、または複文節の変換結果の任意の文節の変換候補一覧から選んだ選択候補を、仮名1文字の見出し語で、登録文としてユーザー辞書に登録する機能。
(テ)漢字仮名変換
本発明では使用しない
(ト)漢字引き仮名変換
再変換システムの文字列読込み後の一括変換では、単独の漢字に対し、漢字引き仮名変換を行う。漢字引き仮名変換では音読み、訓読みの漢字の読みだけでなく、部分一致検索で変換すれば、当該漢字の関連情報も得られる。
(ナ)文章分割・変換
再変換システムの文字列読込みでは漢字を仮名に戻すのでなく、漢字、カタカナ語、英語、英略語/ローマ字を使って新たな変換を行うので、文章の分割が重要な作業になる。文章の分割や関連の変換を文章分割・変換と呼ぶ。
(ニ)KEARM変換
KEARM変換用辞書を使って検索・変換する方式である。KEARM変換用辞書には多言語用一つと選択言語用として言語別に1個で計10個、合計11個ある。KEARM変換は「仮名入力によるカタカナ語(K)、半角英数入力による英語(E)、英略語(A)及びローマ字(R)の3分類(K、E、A又はR)、4入力(K、E、A及びR)による相互変換が可能で多言語(M)出力もできる変換」から頭文字を取ったもの。頭文字は、K for Katakana、E for English、A for Acronym、R for Romaji、M for Multilingualである。
(ヌ)用語属性
逐次変換では、KEARM変換用辞書の列番号7の用語属性は「///」が初期設定で、それぞれの「/」は3分類(K、E、A又はR)の初期状態の-1を示しており、左端の第1桁が英語用、中央の第2桁が英略語/ローマ字用、右端の第3桁がカタカナ語用である。再変換システムのKEARM変換では用語属性は使っていない。
(ネ)KEARM学習変換、(ノ)KEARM定型変換、(ハ)KEARM優先変換、(ヒ)KEARM詳細変換
本発明では使っていない
(フ)用語情報
英数記号・符号は下記のとおりANS(Alpha-Numeric and Symbol)コード1~4で区別している。仮名漢字変換用辞書およびユーザー辞書に登録している用語には、要素情報として下記のとおりa~?のyougoCodeが付けてあり、数値換算で5~33に対応させている。両者を組み合わせた1~33を静的情報とし、さらに変換出力szBufa~szBufcで得られた動的情報(名詞、動詞、形容詞などの判断)を加味した1~256を用語情報として変換候補ごとにszBufzcode[n](nは0~499の候補番号)に保存する。prevCodeは変換第1候補であるszBufzcode[0]の用語情報で次の文節の変換時の情報として使う。次の文節との関係に格助詞が入る場合に使うprevCode1もある。szBufzcode[n]は変換候補を画面に表示させるときに下線を引いたり背景色を変えたりして使う。
(フ)(a)ANSコード(英数記号・符号Alpha-Numeric and Symbol)を数値1~4に対応させる。
1:数字 2:英字 3:記号(#$等)4:符号(「 」等)
(フ)(b)yougoCode(必要に応じて使うのですべてを使うわけではない)
下記のコード(a ~ ?)を数値5~33に対応させる。
a:苗字 b:名前 c:国名or東京の地名 d:東京以外の地名 e:苗字・名前兼用・中性名詞 f:人系名詞1(~監督、~君等)g:人系名詞2(被害者、大工等)h:人間の五体部分 i:食用植物 j: 乗物 k:期間(~週間等) l:動物 m:時期(3月等)n:自然現象 o:地形・古跡 p:連体詞・接続詞 q:中国語r:片仮名の擬態語 s: メモ機能t:漢数字 v:一般動詞w:五段活用音便2の動詞 x:形容詞 y:形容動詞z:動詞系名詞(驚き等)以降省略 ?:旧市町村名(与野市等)
下記のコード(*および+)は、上記コード(a ~ ?)に付加して併用できる。
*: 漢字情報変換で使われ、付加すると数値では+120され、変換候補の背景色を薄黄にする。
+: 仮名漢字変換の確定を2回行うと付加され、付加すると数値で+80され、該当する用語は優先使用される。
(フ)(c)prevCode(必要に応じて使うのですべてを使うわけではない)
0:無し 1:数字 2:英字 3:記号($等)4:符号(「、{等) 5:名字 6:名前 7:国名or東京の地名 8:その他の地名 9:名字・名前兼用・中性名詞 10:人系名詞1(~さん、~君等)11:人系名詞2(被害者、大工等)12:人間の五体部分 13:食植物 14: 乗物 15:期間(~週間等) 16:動物 17:時期(3月等)18:自然現象 19:地形・古跡 20:連体詞・接続詞 21:第一候補以外の名字 22: メモ機能39:名詞節 40:漢数字 60:動詞(未然形含む)61:動詞(連用形)62:動詞(終止・連体形)70:形容詞1 (次節が名詞形)71:形容詞2(次節が動詞または名詞形)80:副詞相当 81:動詞形副詞(~て、~で)以降省略 94:KEARM変換実施節 97:AR変換実施節102~118:複合動詞の処理(買い続ける等)126:KEARM定型変換実施節 130:漢字仮名変換実施節
(フ)(d)prevCode1(次節との関係に格助詞が絡む場合に使う。必要時のみ使う)
0:無し 1:人系名詞+格助詞(被害者が通う) 2:数量名詞+格助詞(3枚はある)3:人間の五体部分+格助詞(足を押さえる)5:食用植物+格助詞(みかんの皮 )6:乗物+格助詞(バスの車内)7:地域+格助詞(新潟で地震)8:時間・期間+格助詞(3月に会う)11:無使用 12:地形・古跡+格助詞(城の跡)
(フ)(e)szBufzcode[n](nは候補番号0~499)
szBufzcode[n]は変換された全候補の用語情報で、n番目の候補の背景色を変えたり下線を引いたりする情報に使う。
(ヘ)変換情報
仮名漢字変換、KEARM変換およびANS変換で得られた変換出力szBufa~szBufc、UserDic、szSymbolの文字列から得られた最終の変換出力が変換情報szBufzとなる。変換の結果が複文節であれば左右の矢印キーを押すと文節移動が行われ同様にAD変換を行う。AD変換においても変換出力szBufa~szBufcおよびUserDicの文字列情報から得られた最終の変換出力が変換情報szBufzとなる。変換情報は変換候補一覧を示す文字列情報である。
(ホ)出力情報
出力情報は、単文節の変換候補一覧情報を示す変換情報szBufzか、複文節の各文節の変換出力の変換第1候補を並べたss12[0]~ss12[n](nは文節番号0~49)を示す文字列情報かにより異なる。単文節の変換情報か複文節の文字列情報かで判断し、仮名漢字変換文字変数szBufCanに保存して出力情報とする。AD変換の出力情報は、各文節の変換候補一覧情報を示す変換情報szBufzとなる。複合文字種変換実行部では単文節か複文節の出力情報の判断は文字出力部で行うので、一括変換で得られた変換出力szBufa~szBufcがszBufzで一元化され変換情報になると同時に出力情報になる。
(マ)文節情報(抜粋のみ)
用語情報はそれぞれの文節の情報であり候補ごとの情報を持つが、文節情報は文節代表としての情報である。文節情報を示す文字変数はArrayAuto[n][m]である。nは文節番号で0~49、mは0~12である。
(マ)(a)ArrayAuto[n][2]: 文節情報
用語情報yougoCodeを保存する。
(マ)(b)ArrayAuto[n][3]: 文節情報
1: カタカナ語KEARM変換実施済み
3: 英語、英略語またはローマ字KEARM変換実施済み
6: カタカナ語KEARM変換実施可能節
(マ)(c)ArrayAuto[n][4]: 文節情報
カタカナ語のKEARM変換が可能なとき、カタカナ語の属性nCharKanaAttri(0~8)を保存する。
(マ)(d)ArrayAuto[n][5]: 文節情報
用語情報prevCodeを保存する。
(マ)(e)ArrayAuto[n][6]: 文節情報
用語情報prevCode1を保存する。
(マ)(f)ArrayAuto[n][8]: 文節情報
KEARM変換時の下記入力文字種情報10~12を保存する。
10: 英語入力
11: ローマ字入力
12: 仮名入力
13: 英略語入力
(ミ)入力バッファ/出力バッファ
複文節の変換では各文節の変換用文字列と変換後得られる変換情報の変換第1候補または選択候補を文節ごとに保存しなければならない。そのための文節ごとに文字列を保存するためのバッファである。入力、出力および補助用にKER用バッファがあり、最大50(nは文節番号0~49)まで文節分けができる。文字列は128まで保存可能。
入力バッファss11[n][128]: 各文節の変換用文字列を保存。
出力バッファss12[n][128]: 各文節の変換第1候補または選択候補を保存。
KERバッファss12k[n][128]: 補助用。本システムでは使っていない。
(ム)関数一覧(抜粋のみ、標準関数は含まず)
ほとんどは新規開発したもので、一部は既存の関数に機能追加したもの。
(a)AlphaPhrase: KEARM変換/複合文字種変換/メモ変換実行用関数
(b)AddCharN: 出力文字表示実行用関数
(c)ChangeDatabaseAttribute: 用語属性値変更用関数
(d)ConvCandidate: 変換候補表示実行用関数
(e)ConvClipboard: クリップボード文字列取込み用関数
(f)ConvPhrase: 仮名漢字変換/ANS変換/KEARM変換/漢字仮名変換/漢字情報変換実行用関数
(g)ConvSound: KEARM発音用ドライブ・文字列指定関数
(h)ConvWord: KEARM単語変換実行用関数
(i)ConvWordSound: KEARM発音言語識別用関数
(j)DatabaseWrite: 辞書変更用関数
(k)DicWrite: ユーザー辞書登録用関数で自動生成辞書の登録にも使う
(l)GetAlphaWord: KEARM変換・会話文変換・漢字情報変換用関数
(m)GetDatabaseWord: KEARM単語検索・変換用関数
(n)GetKanjiWord: 漢字引き仮名変換用関数
(o)GetRefWord: 仮名漢字組合せ情報取得用関数
(p)GetRefaWord: 仮名英語組合せ情報取得用関数
(q)SetDatabaseAttribute: 用語属性値設定用関数
(メ)変数(抜粋のみ)
(a)ARHenkan: 英語・英略語・ローマ字入力で変換するとき1となる
(b)ARP: ARPモードのとき1となる変数
(c)ArrayStart: 逐次変換画面時は-1、変換操作画面時は注目文節番号(nは0~49)
(d)AutoReconv: ARPモード起動時に1となる変数
(e)ChikujiHenkan: 逐次変換モードで1になる変数
(f)KEARMYusenHenkan: KEAR優先変換モード時に1となる変数
(g)MemoKensaku: メモ登録文の表示・削除を実行する変数
(h)nArray: 文節番号0~49の整数
(i)n1: NDモードでの変換用文字変数ss1の文字長
(j)n1Auto: ss1Autoの文字長
(k)n9: 文字列の先頭の半角英数の文字長
(l)ReHenkan: 再変換機能実行時に1となる変数
(m)ReHenkanCode: 再変換機能のcode番号を示す整数
(n)ShiftOnCanD: Shiftキーを押したことを示す変数
(o)ss1: 文字変数として多用途に使う
(p)ss1Auto: ADP及びARPモードでの変換用文字変数
(q)ss1Cand: 出力文字表示用文字変数
(r)ss2: 変換後の選択された変換候補情報を保存する文字変数
(s)ss5[n]: 変換候補表示用文字変数、nは候補番号0~499
(t)szBuf: 変換文字列収集用文字変数(単独情報収集用)
(u)szBuf3: 変換補助情報用文字変数
(v)szBufCan: 変換終了時の出力情報用文字変数
(w)szBufa: 名詞(項番4)の変換出力用文字変数
(x)szBufb: 名詞+助詞(項番5)の変換出力用文字変数
(y)szBufc: 動詞(項番8)の変換出力用文字変数
(z)szBufz: 最終の変換出力用文字変数(変換出力の一元化情報)
(α)szBufzcode[n]: 変換終了時の用語情報、nは候補番号0~499
(β)szSymbol: プログラム変換出力用文字変数
(γ)UserDic: ユーザー辞書変換出力用文字変数
(δ)yougotitle: 書込み文字列代入用文字変数1
(ε)yougo: 書込み文字列代入用文字変数2
(ζ)yougomode: ユーザー辞書書込みモード用整数
(B)動作説明および実施例
【0022】
本発明のメモ機能は、仮名漢字変換/KEARM変換システム及び再変換システムのユーザー辞書に一文字の見出し語で単語・語句だけでなくメッセージや文章などの文字列を登録文として書き込める方法である。文字列を作成する手段により方式が2つある。再変換システムにより既存の文字列を読み込む方式と、仮名漢字変換/KEARM変換システムで文字列を新規作成する方式である。実施例1~5が再変換システムによる文字列読込み方式であり、実施例6~8が仮名漢字変換/KEARM変換システムによる文字列入力方式である。再変換システムでは仮名漢字変換だけでなく、KEARM変換、漢字引き仮名変換や漢字情報変換による変換結果および変換候補の文字列も登録文として書き込める。仮名漢字変換/KEARM変換システムでも仮名漢字変換だけでなくKEARM変換による変換結果および変換候補の文字列も登録文として書き込めるが、現時点では、登録文は仮名漢字変換による変換結果および変換候補の文字列のみを対象としている。理由は、メモ機能の登録方法が非特許文献3のKEARM学習変換の用語属性の変更方法と重なるため、KEARM変換の文字列を登録するには、どちらかの操作方法を変える必要があるためである。実施例9~10でメモの表示・削除を行うツールの使い方の例を示す。最初に、実施例1として再変換システムを使って文字列を読み込み、変換結果である「バースデーケーキ」をメモ登録する例を示す。
【0023】
本発明の各種説明において特許申請時の書類で禁止されている文字や符号も使う。したがって禁止されている文字や符号は暫定的に他の文字や符号に置き換えた。画面上の文字や符号はイメージで扱われ問題ないのでそのまま使用した。本書で本来の文字列を他に置き換えたものは次のとおりである。
(1)httpsのURL情報は「??????????」に置き換えた。
【0024】
実施例1の
図14の(1)読込み文字列(英語)、(2)文字列選択(英語)および(3)KEARM変換画面(英語)(変換結果)は、非特許文献5の再変換システムの
図21の(1)~(3)の画面とそれぞれ同じで、非特許文献5の段落番号0048~0054、
図2、
図4、
図7、
図8、
図10および
図21で説明している。実施例1は、本書の
図14(3)KEARM変換画面(英語)(変換結果)から再変換システムを使いメモ機能を実行する例である。
図2の動作説明図と
図14の画面を交互に参照しながら説明する。
【0025】
実施例1のメモ機能を実行するため、
図2の「方式1」の文字列読込み方式から始まり「複数?」70dの判断に入るが、複数の文章ではないのでNから出て「メモ登録(単独)」70aに進み、メモ登録操作として、Shiftキーを押しながら
図14(3)KEARM変換画面(英語)(変換結果)の「バースデーケーキ」87の部分をクリックすると、
図2の「DicWriteの実行」70bに進み、ユーザー辞書に文字列を書き込むために使う関数DicWriteを起動する。DicWrite(yougotitle, yougo, wAdd, yougomode)で文字列を書き込む。内訳はyougotitleが見出し語を保存する文字変数、yougoは登録文を保存する文字変数、wAddは通常使わないのでNULLとする。yougomodeは整数で、0: 指定文の登録有無をチェック、1: 登録、2: 削除、3, 4: 自動生成辞書作成となる。ユーザー辞書に書き込む登録文の後ろに区切り記号「|」を追加しその後ろにyougoCodeを書き込む。yougoCodeは文節情報のArrayAuto[n][2](nは文節番号)を外部変数として読み込む。ArrayAuto[n][2] = 19を設定すると、19はアルファベットに換算すると「s」になる。これがユーザー辞書上では文節情報用yougoCodeの「s」として登録文の区切り記号の後ろに書き込まれる。
【0026】
実施例1の登録文「バースデーケーキ」の見出し語は第1文節の変換用文字列「バースデー」の先頭の1文字である「バ」になる。「バースデーケーキ」を登録文とする場合のDicWriteの引数は次のようになる。yougotitleに「バ」を保存、yougoに「バースデーケーキ」を保存、wAddは使っていないので、NULLとし、yougomodeに1を代入する。上記変数のもとでDicWrite(yougotitle, yougo, NULL, yougomode)を実行する。次に
図2の「メモ登録の確認」70cに進み、利用者にメモ登録を知らせるために
図14(4)「メモ登録時の確認画面」としてパソコンの画面上にダイアログボックスを表示する。当該画面上の「OK」をクリックすると文字列を書き込み、「Cancel」をクリックすると書き込みは中止となる。「OK」をクリックしてユーザー辞書に書き込まれた内容が、
図14(5)ユーザー辞書の見出し語「バ」37cと登録文「バースデーケーキ|s」37dである。
【0027】
実際にユーザー辞書に文字列が書き込まれたかどうか確認するために、仮名漢字変換/KEARM変換システムに、「バ」を入力した場合に表示される逐次変換画面が、
図14(6)逐次変換画面である。当該画面ではユーザー辞書に書き込まれた登録文「バースデーケーキ」が先頭に表示され、以降の「場 ば 刃 バ」は仮名漢字変換用辞書を検索・抽出し、変換候補一覧として表示したものである。登録文「バースデーケーキ」が変換候補の先頭に配置されるのは、非特許文献2の仮名漢字変換/KEARM変換システムの段落番号0059~0068および
図20で示す仮名漢字変換の学習機能によるものである。次に実施例2では、実施例1で得られたKEARM変換の変換結果の画面から変換候補一覧を表示し、希望する候補を選択し、当該候補の文字列をメモ登録する実施例を示す。
【0028】
実施例2の
図15の(1)読込み文字列(英語)、(2)文字列選択(英語)、(3)KEARM変換画面(英語)(変換結果)および(4)KEARM変換画面(英語)(変換候補一覧)は、非特許文献5の再変換システムの
図21の(1)~(4)の画面とそれぞれ同じで、非特許文献5の段落番号0048~0055、
図2、
図4、
図7、
図8、
図10および
図21で動作説明している。
【0029】
本書の
図15の(5)KEARM変換画面(英語)(選択候補)は、
図15の(4)KEARM変換画面(英語)(変換候補一覧)から本書の
図7(非特許文献5の
図4と同様の画面)の「上下矢印キー」46bを操作して変換候補一覧の変換第2候補である「2. birthday」86bを選択した画面である。実施例2は、本書の
図15(5)KEARM変換画面(英語)(選択候補)からメモ機能を実行する例である。
図2の動作説明図と
図15の画面を交互に参照しながら説明する。
【0030】
実施例2のメモ機能を実行するため、
図2の「方式1」の文字列読込み方式から始まり 「複数?」70dの判断に入るが、複数の文章ではないのでNから出て「メモ登録(単独)」70aに進み、メモ登録操作として、Shiftキーを押しながら
図15(5)KEARM変換画面(英語)(選択候補)の「2. birthday」86bの部分をクリックすると、
図2の「DicWriteの実行」70bに進み、ユーザー辞書に文字列を書き込むために使う関数DicWriteを起動する。DicWrite(yougotitle, yougo, wAdd, yougomode)で文字列を書き込む。関数DicWriteの動作説明は実施例1の段落番号0025の記述と同じなので省略する。
【0031】
書き込まれた文字列の見出し語は、実施例1と同様に、第1文節の変換用文字列「バースデー」の先頭の1文字である「バ」で、登録文は変換第2候補の文字列で候補番号「2」を含まない「birthday」になる。このときのDicWriteの引数は次のようになる。yougotitleに「バ」を保存、yougoに「birthday」を保存、wAddは使っていないので、NULLとし、yougomodeに1を代入する。上記変数のもとでDicWrite(yougotitle, yougo, NULL, yougomode)を実行する。次に
図2の「メモ登録の確認」70cに進み、利用者にメモ登録を知らせるために
図15(6)「メモ登録時の確認画面」としてパソコンの画面上にダイアログボックスを表示する。当該画面上の「OK」をクリックすると文字列を書き込み、「Cancel」をクリックすると書き込みは中止となる。ユーザー辞書に書き込まれた内容が、
図15(7)ユーザー辞書の見出し語「バ」37cと登録文「birthday|s」37dである。
【0032】
実際にユーザー辞書に文字列が書き込まれたかどうか確認するために、仮名漢字変換/KEARM変換システムに、「バ」を入力した場合に表示される逐次変換画面が
図15(8)逐次変換画面である。当該画面ではユーザー辞書に書き込まれた「birthday」が先頭に表示され、以降の「場 ば 刃 バ」は仮名漢字変換用辞書を検索・抽出し、変換候補一覧として表示したものである。登録文「birthday」が変換候補の先頭に配置されるのは、非特許文献2の仮名漢字変換/KEARM変換システムの段落番号0059~0068および
図20で示す仮名漢字変換の学習機能によるものである。次に、実施例3として再変換システムを使ったURL情報をメモ登録する例を示す。
【0033】
実施例3の
図16の(1)読込み文字列、(2)文字列選択および(3)ANS変換画面(変換結果)は、非特許文献5の再変換システムの
図26の(1)~(3)の画面とそれぞれ同じで、非特許文献5の段落番号0079~0085、
図2、
図9、
図10、
図11および
図26で動作説明している。実施例3は本書の
図16の(3)ANS変換画面(変換結果)からメモ機能を実行する例である。
図2の動作説明図と
図16の画面を交互に参照しながら説明する。
【0034】
実施例3のメモ機能を実行するため、
図2の「方式1」の文字列読込み方式からから始まり「複数?」70dの判断に入るが、複数の文章ではないのでNから出て「メモ登録(単独)」70aに進み、メモ登録操作としてShiftキーを押しながら
図16(3)ANS変換画面(変換結果)の「??????????」83の部分をクリックすると、
図2の「DicWriteの実行」70bに進み、ユーザー辞書に文字列を書き込むために使う関数DicWriteが作動する。DicWriteの説明は実施例1の段落番号0025の記述と同じなので省略する。
【0035】
実施例3の第1文節の変換用文字列が仮名ではなく英文字なので
図3の「メモの内容」の(1)「再変換システム」の表の行番8で示すとおり、見出し語は仮名「ン」になるように設計している。理由はユーザー辞書で「ン」で登録される語句は通常動作ではありえないので他の用途と重なることがないためである。「ン」以外でも通常の用途と区別できる仮名であれば問題はない。次に
図2の「メモ登録の確認」70cとして
図16(4)「メモ登録時の確認画面」としてコンピュータ画面上にダイアログボックスが表示され、「OK」をクリックするとURL情報がユーザー辞書に書き込まれ、「Cancel」をクリックすると書き込みは中止となる。ユーザー辞書に書き込まれたURL情報は、
図16(5)ユーザー辞書の「ン」37cと「??????????」37dのとおりである。書き込まれたURL情報を画面で確認するには、仮名漢字変換/KEARM変換システムに「ん」と入力すると
図16(6)「逐次変換画面」(「ん」と入力した画面)となる。当該画面ではユーザー辞書に書き込まれた「??????????」が先頭に表示され、以降の「ン ん」は仮名漢字変換用辞書を検索・抽出し、変換候補一覧として表示したものである。登録文「??????????」が変換候補の先頭に配置されるのは、非特許文献2の仮名漢字変換/KEARM変換システムの段落番号0059~0068および
図20で示す仮名漢字変換の学習機能によるものである。次は実施例4として再変換システムを使った複合文を登録する例を示す。
【0036】
実施例4の
図17の(1)読込み文字列、(2)文字列選択および(3)文章分割・変換画面(変換結果)は、非特許文献5の再変換システムの
図28の(1)~(3)の画面とそれぞれ同じで、非特許文献5の段落番号0093~0097、
図2、
図4、
図10、
図11および
図28で動作説明している。実施例4は本書の
図17(3)文章分割・変換画面(変換結果)の画面からメモ機能を実行する例である。実施例4は文章なので文章中に含まれる漢字は、特許文献1の漢字引き仮名変換をではなく非特許文献4の漢字情報変換を実行することになる。再変換システムにおける漢字情報変換の動作は、非特許文献5の段落番号0095~0096、
図10、
図11および
図28で説明している。実施例4の動作説明を本書の
図2の動作説明図と
図17の画面を交互に参照しながら説明する。
【0037】
実施例4のメモ機能を実行するため、
図2の「方式1」の文字列読込み方式から始まり「複数?」70dの判断に入るが、複合文ではあるが複数の文章ではないのでNから出て「メモ登録(単独)」70aに進み、メモ登録操作として、Shiftキーを押しながら
図17(3)文章分割・変換画面(変換結果)の「今年の」部分をクリックすると、
図2の「DicWriteの実行」70bに進み、ユーザー辞書に文字列を書き込むために使う関数DicWriteが作動する。DicWriteの動作説明は実施例1の段落番号0025の記述と同じなので省略する。
【0038】
見出し語の仮名は先頭の文字により決まる。実施例4の場合は、変換用文字列となる第1文節の入力バッファss11[0]は「今年ノ」であり先頭の文字は漢字なので、
図3の「メモの内容」の(1)「再変換システム」の表の行番12で示すとおり、見出し語は行番10~11のcode番号5と同じで、先頭の文字が漢字の場合は特許文献1の漢字引き仮名変換を実行して漢字の読みを調べて先頭の片仮名を抽出する。このとき漢字の長さが2文字以上ある場合は、先頭の2文字の漢字の読みを検索する。2文字の漢字の読みが検出できなかった場合、もしくは2文字未満の場合は、先頭の1文字の漢字の読みを検索する。理由は、漢字の読みには音と訓があり、通常使う読みは音の読みなので、音の読みが得られる場合は、音の読みを得るため2文字の漢字で検索する。漢字引き仮名変換の動作は、特許文献1の段落番号0014~0020、
図1、表1および表3で説明されている。実施例4では、第1文節の入力バッファss11[0]は「今年ノ」で3文字あるので、最初の2文字「今年」の読みを調べる。
【0039】
「今年」の読みを調べるために関数GetKanjiWord(yougo, szBuf)を使う。文字変数yougoに「今年」を格納し、出力用バッファをszBufとして、GetKanjiWord(yougo, szBuf)を実行する。この場合、yougoの検索は完全一致ではなく前方一致検索である。GetKanjiWord(yougo, szBuf)を実行した結果、検索結果として、漢字が「今年中」で、読みが「コトシジュウ」を得る。これで「コトシジュウ」の先頭の文字である「コ」を見出し語として得ることができる。次に文字列をユーザー辞書に書き込むためにDicWriteを実行する。DicWrite(yougotitle, yougo, NULL, yougomode)の引数は次のようになる。yougotitleに漢字引き仮名変換で得られた「コ」を格納、yougoに出力バッファss12[0]~ss12[17]を組み合わせた「2019年上半期(1~6月)の貿易収支は2242億円の黒字だったが、前年同期に比べ87.4%減少した。」を格納、wAddは使っていないので、NULLとし、yougomodeに1を代入し、DicWrite(yougotitle, yougo, NULL, yougomode)を実行すると、次に
図2「メモ登録の確認」70cになり、コンピュータの画面上に
図17(4)「メモ登録時の確認画面」のダイアログボックスが出る。
【0040】
図17(4)「メモ登録時の確認画面」の画面上の「OK」をクリックすると、
図14(5)ユーザー辞書に、「コ」37cを見出し語として、当該文字列が書き込まれる。一方、「Cancel」をクリックすると書き込みは中止となる。文字列の書き込み後、確認のため、「仮名漢字変換/KEARM変換システム」に「こ」と入力すると、
図17(6)「逐次変換画面」のように「2019年上半期(1~6月)の貿易収支は2242億円の黒字だったが、前年同期に比べ87.4%減少した。」が変換第1候補として表示される。当該文字列が変換第1候補として表示されるのは、非特許文献2の仮名漢字変換/KEARM変換システムの段落番号0059~0068および
図20で示す仮名漢字変換の学習機能によるものである。次は実施例5として再変換システムを使った複数の文字列を同時にメモ登録する例を示す。
【0041】
実施例5の
図18の(1)読込み文字列、(2)文字列選択および(3)文章分割・変換画面(変換結果)は、非特許文献5の再変換システムの
図29の(1)~(3)の画面とそれぞれ同じで、非特許文献5の段落番号0100~0104、
図2、
図4、
図10、
図11および
図29で動作説明している。実施例5は、複数の文章の文字列である
図18(3)文章分割・変換画面(変換結果)の「グループ青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県」87からメモ機能を実行する例である。
図2の動作説明図と
図18の画面を交互に参照しながら説明する。
【0042】
実施例5のメモ機能を実行するため、
図2の「方式1」の文字列読込み方式から始まり「複数?」70dの判断に入り、複数の文章なのでYから出て「メモ登録(複数)」70eに進み、メモ登録操作としてShiftキーを押しながら
図18(3)文章分割・変換画面(変換結果)の先頭部分である第1文節の「グループ」をクリックすると、
図2の「DicWriteの実行(複数のメモの登録)」70fに進み、ユーザー辞書に文字列を書き込むために使う関数DicWriteが作動する。DicWriteの説明は実施例1の段落番号0025の記述と同じなので省略するが、複数の文章を書き込むので、DicWriteはそれぞれの文節ごとに作動する。最初の文章となる第1文節では入力バッファss11[0]の文字列「グループ」の見出し語は先頭の1文字なので「グ」となる。そのときのDicWrite(yougotitle, yougo, NULL, yougomode)の引数は次のようになる。yougotitleに「グ」を格納、yougoには出力バッファss12[0]である「グループ」を格納、wAddは使っていないので、NULLとし、yougomodeに1を代入し、DicWrite(yougotitle, yougo, NULL, yougomode)を実行する。
【0043】
第2文節は漢字なので漢字の長さが2文字以上ある場合は、先頭の2文字の漢字の読みを検索する。最初の2文字「青森」の読みを検索する。文字変数yougoに「青森」を格納し、出力用バッファをszBufとして、GetKanjiWord(yougo, szBuf)を実行する。この場合、yougoの検索は完全一致ではなく前方一致検索である。GetKanjiWord(yougo, szBuf)を実行した結果、検索結果として、漢字が「青森」で、読みが「アオモリ」を得る。これで先頭の文字である「ア」を見出し語として得ることができる。以下同様に第3文節の「岩手県」~第6文節の「山形県」まで続ける。
【0044】
最後の第7文節は「福島県」なので、同様に漢字の読みである「フ」とss12[6]である「福島県」でDicWriteを実行する。次の
図2の「メモ登録の報告(件数のみ通知)」70gでは、
図18(4)「メモ登録時の確認画面」のとおりメモの登録件数のみの通知となる。「OK」をクリックすると画面が消える。
図18(5)ユーザー辞書の「グ」37c、「グループ|s」37d、「ア」37e、「青森県|s」37fおよび「秋田県|s」37gは、書き込まれた文字列のうち、「グループ」、「青森県」および「秋田県」の書き込みのみを抜粋している。
図18(6)逐次変換画面は、仮名漢字変換/KEARM変換システムに「ぐ」と入力した場合の逐次変換画面である。登録文「グループ」が変換候補の先頭に配置されるのは、非特許文献2の仮名漢字変換/KEARM変換システムの段落番号0059~0068および
図20で示す仮名漢字変換の学習機能によるものである。以降、仮名漢字変換/KEARM変換システムに「あ」と入力すると、2件あるので「青森県 秋田県・・・」、「い」と入力すると「岩手県・・・」、「ふ」と入力すると「福島県・・・」、「み」と入力すると「宮城県・・・」、「や」と入力すると「山形県・・・」となる。次は、実施例6として仮名漢字変換/KEARM変換システムに苗字を入力して逐次変換画面に表示される変換候補のうちクリックして選んだ選択候補の文字列をメモ登録する例を示す。
【0045】
実施例6の
図19の(1)逐次変換画面は、非特許文献2の仮名漢字変換/KEARM変換システムの
図52の(a)「苗字の逐次変換画面」と同じ画面で、非特許文献2の段落番号0036~0063で単文節の仮名漢字変換の動作例および段落番号0250で具体的な仮名漢字変換の動作説明がしてある。表示用文字列が「こうの」、変換用文字列が片仮名の「コウノ」となる。逐次変換の結果が単文節なので、見出し語は変換用文字列「コウノ」の先頭の仮名「コ」になり、メモの登録文に相当する変換候補一覧が「河野 高野 甲野 幸野 向野」81で、利用者が選ぶ選択候補が登録文になる。
図2と
図19で動作説明を行う。
【0046】
実施例6のメモ機能実行のため、
図2の「方式2」の文字列入力方式からから始まり「メモ登録(単独)」70aに入り、
図19(1)逐次変換画面でメモ登録操作であるShiftキーを押しながら2番目の変換候補である「高野」81bをクリックすると、
図2の「DicWriteの実行(一つのメモの登録)」70bに進み、ユーザー辞書に登録文を書き込む関数DicWriteが作動する。DicWrite の詳細説明は実施例1の段落番号0025の記述のとおりである。「高野」を登録文とする場合のDicWriteの引数は次のようになる。yougotitleに「コ」を保存、yougoに「高野」を保存、wAddは使っていないので、NULLとし、yougomodeに1を代入する。上記変数のもとでDicWrite(yougotitle, yougo, NULL, yougomode)を実行する。次に
図2の「メモ登録の確認」70cに進み、ユーザー辞書に文字列を書き込むと同時に、利用者に書き込みを知らせるために
図19(2)「登録時の確認画面」としてコンピュータの画面上にダイアログボックスを表示する。当該画面上の「OK」をクリックすると書き込み、「Cancel」をクリックすると書き込みは中止となる。ユーザー辞書に書き込まれたた内容が、
図19(3)ユーザー辞書の「コ」37cおよび「高野|s」37dである。
【0047】
実際に登録文が書き込まれたかどうか確認するために仮名漢字変換/KEARM変換システムに、「こ」を入力した場合に表示される逐次変換画面が
図19(4)逐次変換画面である。当該画面ではユーザー辞書に書き込まれた「高野」が先頭に表示され、以降の「子 個 戸 こ」は仮名漢字変換用辞書を検索・抽出し、変換候補一覧として表示したものである。登録文「高野」が変換候補の先頭に配置されるのは、非特許文献2の仮名漢字変換/KEARM変換システムの段落番号0059~0068および
図20で示す仮名漢字変換の学習機能によるものである。次は、実施例7の仮名漢字変換/KEARM変換システムの逐次変換画面で苗字と名前を登録する例を説明する。
【0048】
実施例7の
図20(1)逐次変換画面は、非特許文献2の仮名漢字変換/KEARM変換システムの
図52の(b)「苗字と名前の逐次変換画面」と同じ画面で、非特許文献2の段落番号0071~0080と
図22で複文節の仮名漢字変換の一般的動作および段落番号0251で仮名漢字変換の具体的な動作説明がしてある。表示用文字列が「やまもといちろう」、変換用文字列が片仮名の「ヤマモトイチロウ」である。逐次変換の結果が複文節なので、変換候補一覧は「山本太郎」81一つのみとなり、逐次変換画面における変換結果となる。この画面からメモ機能を実行する説明を始める。
図2と
図20で動作説明を行う。
【0049】
実施例7のメモ機能実行のため、
図2の「方式2」の文字列入力方式からから始まり「メモ登録(単独)」70aに入り、
図20(1)逐次変換画面でメモ登録操作としてShiftキーを押しながら変換結果の「山本太郎」81をクリックすると、
図2の「DicWriteの実行(一つのメモの登録)」70bに進み、DicWriteが作動する。「山本一郎」の場合のDicWriteの引数は次のようになる。yougotitleに「ヤ」を保存、yougoに「山本一郎」を保存、wAddは使っていないので、NULLとし、yougomodeに1を代入する。上記変数のもとでDicWrite(yougotitle, yougo, NULL, yougomode)を実行する。DicWriteが実行されると、「メモ登録の確認」70cに進み、ここではユーザー辞書への書き込みと同時に、利用者に文字列の書き込みを知らせるために
図20(2)「登録時の確認画面」のようにコンピュータの画面上にダイアログボックスを表示する。ダイアログボックスの「OK」を押せば文字列がユーザー辞書に書き込まれ、
図20(3)ユーザー辞書のように見出し語「ヤ」37cで、登録文「山本一郎」37dを書き込む。一方、「Cancel」を押すと書き込みは中止となる。これで、仮名漢字変換/KEARM変換システムに、「や」と入力すると、
図20(4)逐次変換画面のように「山本一郎」が先頭となり、以下、通常の仮名漢字変換用辞書の用語が並ぶ「山本一郎 ヤ 矢 屋 家」81として表示される。この時の動作は非特許文献2の段落番号0059~0068および
図20で示す仮名漢字変換の学習機能によるものである。次に、実施例8として、実施例7で得られた逐次変換画面から、第1文節の変換候補一覧画面を開き、任意の変換候補の文字列をメモ登録する実施例を示す。
【0050】
実施例8の
図21(1)逐次変換画面は、非特許文献2の仮名漢字変換/KEARM変換システムの
図52の(b)「苗字と名前の逐次変換画面」と同じ画面で、非特許文献2の段落番号0071~0080で複文節の仮名漢字変換の一般的動作および段落番号0251で仮名漢字変換の具体的な動作説明がしてある。さらに、
図21の(2)変換候補一覧画面を開く類似の説明は、非特許文献2の段落番号0081~0082で記述してある。実施例8の
図21の(2)変換候補一覧画面では変換第2候補である「山元」82bが選択候補になっている。この画面からメモ機能を実行する説明を始める。
図2と
図21で動作説明を行う。
【0051】
実施例8のメモ機能実行のため、
図2の「方式2」の文字列入力方式からから始まり「メモ登録(単独)」70aに入り、
図21(2)変換候補一覧画面でメモ登録操作であるShiftキーを押しながら選択候補の「山元」82bをクリックすると、
図2の「DicWriteの実行(一つのメモの登録)」70bに進み、DicWriteが作動する。登録文が「山元」の場合のDicWriteの引数は次のようになる。yougotitleに「ヤ」を保存、yougoに「山元」を保存、wAddは使っていないので、NULLとし、yougomodeに1を代入する。上記変数のもとでDicWrite(yougotitle, yougo, NULL, yougomode)を実行する。DicWriteが実行されると、「メモ登録の確認」70cに進み、ここではユーザー辞書への文字列の書き込みと同時に、利用者に書き込みを知らせるために
図21(3)「登録時の確認画面」のようにコンピュータの画面上にダイアログボックスを表示する。ダイアログボックスの「OK」を押せば文字列がユーザー辞書に書き込まれ、
図21(4)ユーザー辞書のように見出し語「ヤ」37cで、登録文「山元」37dを書き込める。一方、「Cancel」を押すと書き込みは中止となる。これで、仮名漢字変換/KEARM変換システムに、「や」と入力すると、
図21(5)逐次変換画面のように「山元」が先頭となり、以下、通常の仮名漢字変換用辞書の用語が並ぶ「山元 ヤ 矢 屋 家」81として表示され、「山元」が変換第1候補となる。この時の仮名漢字変換/KEARM変換システムの動作は、非特許文献2の段落番号0059~0068および
図20で示す仮名漢字変換の学習機能によるものである。次に、実施例9としてメモ機能のツール1(表示)の実施例を示す。
図2、
図6および
図22で説明する。
【0052】
実施例9として、登録文を表示するツール1(表示)の例を示す。
図2のメモ機能の動作説明書の「ツール1~2のメモの表示・削除」から始まり、「メモ表示操作」70hに進む。ここでは仮名漢字変換/KEARM変換システムに入力することから始める。ローマ字入力方式で平仮名入力モードに設定する。ツールを開始するためのプログラミング処理のため、ステップ(1)~(3)の3段階の操作が必要となる。通常の仮名漢字変換やKEARM変換との処理とは異なりツールとして使うための差別化のためである。ステップ(1)として任意の1文字、例えば「c」を入力する。「c」は全角英小文字なのでANS変換が行われ、
図22(1)逐次変換画面となる。次に、ステップ(2)としてShiftキーを押し通常の仮名漢字変換との差別化をする。これで変数ShiftOnCanDが1になる。ステップ(3)としてCtrlキーを瞬時的に押すと変数KEARMYusenHenkanが1になりツールの動作を開始する。以後、
図6のメモ機能のツール1(表示)動作説明図で説明する。
【0053】
図6の「メモ表示操作ステップ」71aの説明は段落番号0052の「メモ表示操作」70hの説明と同じなので省略する。次に、「メモ機能のツール1を実行するための変数の設定」71bで各種の変数の設定を行う。変数ShiftOnCanDと変数KEARMYusenHenkanは段落番号0052の「メモ表示操作」70hで共に1に設定済みである。次に、再変換機能を示す変数ReHenkan = 1とし、再変換機能の動作のcode番号 5を利用したプログラムを始めるため、整数ReHenkanCode = 5とする。ただしメモの表示・削除に特化し、ユーザー辞書のメモ登録文(yougoCodeが「s」の登録文)を表示・削除する独自のプログラムとなる。最後に、メモ登録文の表示・削除を実行する変数MemoKensaku = 1とする。以上で、変数の設定を終わり、次に「メモ変換実行部起動命令」71cの一回目の起動信号で「メモ変換実行部」44を起動する。「メモ変換実行部」44の動作は
図4で説明する。
【0054】
図4の新規入力NDで「変換開始」から「動作モード」44aの判断に入り、NDから出て「入力読込み」44bに入る。段落番号0053で設定された差別化信号として使う変数ShiftOnCanD = 1なのでコンピュータからの変換用文字列「c」ではなく、メモ機能のツール1を実行するための文字列「memo?」を変換用文字列として読み込む。次に「ESA?」44zに入るが、本発明では変数ESAを使っていないのでNから出て、次の「文種?」44cの判断に入り、変換用文字列が「memo?」の場合は、OR入力で「変換部」44fのNDからメモ変換に入る。「変換部」44fの詳細説明図である
図5の表で、動作モードND、項番4のメモ変換でユーザー辞書の検索を行い、yougoCodeが「s」である登録文の検索・抽出を行う。yougoCodeが「s」である登録文と対応する見出し語を対で抽出し、「ア 秋田県 ア 青森県・・・」の変換出力szBufaを得る。このまま終了し、「変換部」44fのメモ変換のNDから出て「出力選択」44jに入り、ここでszBufaが変換情報szBufzになり、入力バッファss11[0]に「memo?」を保存、出力バッファss12[0]に先頭の候補「ア 秋田県」を保存し、さらに変換情報szBufzを出力情報szBufzとして保存し「変換終了」で終了となる。
図6の「メモ変換実行部」44の出力情報szBufzは、次の「文字出力部・変換候補表示部」45~46に入る。この部分の詳細は
図7で説明する。
【0055】
出力情報szBufzは
図7の「初期出力?」45aの判断に入る。最初なのでYから出て「文字列出力選択」45bに入り、単文節なので変換第1候補「ア 秋田県」を文字変数ss2に保存し、「入力文字表示実行部」45cによりコンピュータ管理の編集用構造体にss2の文字列情報「ア 秋田県」を送る。以上を基に、「文字出力部」45は「出力文字表示要求」45dをコンピュータに送り、「入出力文字表示を描く関数等」47で「入出力文字表示」49の画面のサイズや位置を決め、当該画面に
図22(2)メモ変換画面の 変換第1候補である「ア 秋田県」87を表示させる。表示属性は「変換済み注目文節」で実線の太線が引かれる。最初の出力はこれで終了する。
図6に戻る。
【0056】
次に、実施例9のメモ登録内容を表示するため、
図6の「メモ変換実行部」44が成功したので、「メモ変換実行部起動命令」71cで二回目の命令を出す。ただし、二回目は「メモ変換実行部」44を起動するのではなく、前回の変換情報szBufzを使い出力情報szBufzとし、「文字出力部・変換候補表示部」45~46を起動する。以後、「文字出力部・変換候補表示部」45~46の詳細説明図である
図7で説明する。
【0057】
出力情報szBufzは
図7の「初期出力?」45aの判断に入る。二回目なのでNから出て「変換候補表示実行部」46aに入り、「ア 秋田県」を先頭とした文字列データをコンピュータ管理の変換候補用構造体に送る。以上を基に、「変換候補表示部」46は「変換候補一覧表示要求」46cをコンピュータに送り、「変換候補一覧表示を描く関数等」48で「変換候補一覧表示」50の画面のサイズや位置を決め、同画面上に
図22(2)メモ変換画面の「1.ア 秋田県 2.ア 青森県 3.イ 岩手県 4.グ グループ 5.フ 福島県 6.ミ 宮城県 7.ヤ 山形県」86のように表示させる。変換第1候補「1.ア 秋田県」の背景色が薄青で選択候補である。
図7の「変換候補表示実行部」46aの出力は「文字列出力選択」45bに帰還されるが、前回と同じ変換第1候補が選択候補なので「入出力文字表示」49の表示は前のままである。なおメモの登録文がない場合は、
図22(3)メモ変換画面(メモがない場合)は「メモがありません」のメッセージを表示するように設計している。次は、
図2のメモ機能の「ツール2(削除)」70jに進む。実施例10でメモ機能のツール2(削除)の動作例を示す。
図2、
図8および
図23で説明する。
【0058】
実施例10でメモ機能のツール2(削除)を実行するため、
図8の(1)「削除する登録文を選択する」から始まり、「上下矢印キー操作」72aの説明にあるとおり、
図8の「上下矢印キー」46bで削除する登録文を選ぶ。
図23(2)メモ変換画面は、5番目の候補(ss5[n]でn = 4)である「フ 福島県」86eを選んだ画面である。
図8に戻り、次に下段の(2)「選択された登録文を削除する」から始まり、「Shift+クリック操作」72bでShiftキーを押しながら、
図23(2)メモ変換画面の「フ 福島県」86eをクリックすると、
図8の「DicWriteの実行」72cが始まる。ユーザー辞書登録用関数であるDicWrite(yougotitle, yougo, wAdd, yougomode)で、yougotitleに「フ」、yougoに「福島県」、wAddは使っていないのでNULLとし、登録文削除モードであるyougomode = 2でDicWrite(yougotitle, yougo, wAdd, yougomode)を実行すれば、登録文である「福島県」が削除される。見出し語「フ」は、「フ」を見出し語とする他の登録文(通常の登録語句も含む)がなければ削除の対象となるが、見出し語だけ残しても誤動作にはならないので見出し語の削除は絶対必要というわけではない。次に
図2の「メモ削除の確認」70kとなり、コンピュータ画面上に
図23(3)「メモ削除確認画面」のダイアログボックスを表示し、削除内容を確認する。「OK」を押すと削除となり「Cancel」を押すと中止となる。「OK」を押した場合は、
図23(4)「メモ削除実行画面」のダイアログボックスでメモ削除の内容を知らせる。
【符号の説明】
【0059】
1~62は構成番号
1~3 入力部
1 入力処理部
2 変換起動部
3 新予測変換部
4~33 仮名漢字変換/KEARM変換実行部
34~35 変換候補表示部・文字出力部
36 仮名漢字変換用辞書
36a 読み(見出し語)
36b 登録語句
37 ユーザー辞書
37a 読み(見出し語)
37b 登録語句
37c 見出し語
37d 登録文
37e 見出し語
37f 登録文
37g 登録文
38 KEARM変換用辞書
39 出力言語選択スイッチ
40 KEARM変換音声出力部
41 専用ユーザー辞書(本発明の必須項目ではない)
42 漢字情報変換用辞書
43 KEARM単語変換実行部
44 複合文字種変換実行部/メモ変換実行部
44a 動作モードの判断
44b 変換用文字列の読込み
44c 文章の種類の判断
44d 入力文字種の判断
44e 12文字超か否かの判断
44f 変換部(検索・変換実行用)
44g 文字送りか否かの判断および文字送り数の検出
44h 変換成功か否かの判断
44i 変換終了か否かの判断
44j 変換出力の選択
44k 次の文節の変換用文字列の検出
44l 変換用文字列の文字種の判断
44m 指定数だけ仮名文字送りをする
44n 変換用文字列が1文字未満か否かの判断
44o 変換用文字列が複合文字種か否かの判断
44p 全角か半角かの判断
44q 英単語送り
44r 全角文字列送り
44s 仮名漢字変換を実行する
44t 半角英数か漢字か全角英数かの判断
44u 単独の文字種か否かの判断
44v 文字種で分割
44w 自動生成辞書に単語登録
44x 単語か否かの判断
44y 先頭の文字列数を検出する
44z ESA(単語)か否かの判断
45~46 文字出力部・変換候補表示部
45 文字出力部
45a 初期出力か否かの判断
45b 文字列出力の選択
45c 出力文字表示実行部
45d 出力文字表示要求
46 変換候補表示部
46a 変換候補表示実行部
46b 上下矢印キー(変換候補選択)
46c 変換候補一覧表示要求
47 入出力文字表示を描く関数等
48 変換候補一覧表示を描く関数等
49 入出力文字表示
50 変換候補一覧表示
51~57 本発明では使用しない
58 再変換機能実行部
59 メモ機能実行部
60~62 本発明では使用しない
63~69 空き番号
70~79 操作説明・動作説明用番号
70a メモ登録(単独)操作
70b 関数DicWriteの実行(一つのメモの登録)
70c メモ登録の確認
70d メモ登録が複数か否かの判断
70e メモ登録(複数)操作
70f 関数DicWriteの実行(複数のメモの登録)
70g メモ登録の報告
70h メモ表示操作
70i メモ変換実行部
70j メモ削除の実行
70k メモ削除の確認
71a メモ表示操作ステップ
71b メモ機能のツール1を実行するための変数の設定
71c メモ変換実行部起動命令
72a 上下矢印キー操作
72b Shift+クリック操作
72c 関数DicWriteの実行
72~79 空き番号
80~91 画面説明用番号
80~83 仮名漢字変換およびANS変換の画面番号
80 表示用文字列(逐次変換画面)および読込み文字列(再変換システム)
80a 文字列選択(再変換システム)
81 変換候補一覧(逐次変換画面)(複文節の場合は実質的に変換結果になる)
81a 変換第1候補
81b 変換第2候補
82 本発明では使用しない
83 変換結果
84~91 KEARM変換、漢字引き仮名変換、漢字情報変換、文章分割・変換およびメモ変換の画面番号
84 表示用文字列(逐次変換画面)および読込み文字列(再変換システム)
84a 文字列選択(再変換システム)
85 変換候補一覧(逐次変換画面)
86 変換候補一覧(変換候補一覧)
86a 選択候補(変換第1候補)
86b 選択候補(変換第2候補)
86e 選択候補(変換第5候補)
87 変換結果
88 簡易日本語訳
89~91 本発明では使用しない