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特開2024-63926ロボットシステムおよびロボットシステムの設定方法
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  • 特開-ロボットシステムおよびロボットシステムの設定方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063926
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】ロボットシステムおよびロボットシステムの設定方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/06 20060101AFI20240507BHJP
   G05B 9/02 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
B25J19/06
G05B9/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172120
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】辻 圭一
(72)【発明者】
【氏名】山田 喜士
(72)【発明者】
【氏名】山岸 竜矢
(72)【発明者】
【氏名】小林 慶訓
(72)【発明者】
【氏名】田辺 輝
【テーマコード(参考)】
3C707
5H209
【Fターム(参考)】
3C707BS10
3C707JS01
3C707LV12
3C707LV15
3C707MS15
3C707MS21
5H209AA07
5H209BB08
5H209DD20
5H209GG20
5H209HH21
5H209JJ01
5H209JJ05
5H209JJ09
(57)【要約】
【課題】制御パラメーターと安全監視パラメーターとの同一性を担保することのできるロボットシステムおよびロボットシステムの設定方法を提供する。
【解決手段】ロボットシステムは、ロボットに関する制御パラメーターを用いて前記ロボットの動作を制御するロボット制御部と、前記ロボットに関する安全監視パラメーターを用いて前記ロボットの動作を監視する安全監視部と、前記ロボット制御部に対して前記制御パラメーターの設定を行う制御パラメーター設定部と、前記ロボット制御部に設定された前記制御パラメーターを前記ロボット制御部から取得し、取得した前記制御パラメーターに含まれている複数のパラメーターのうち少なくとも1つを前記安全監視部に対して前記安全監視パラメーターとして設定する安全監視パラメーター設定部と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットに関する制御パラメーターを用いて前記ロボットの動作を制御するロボット制御部と、
前記ロボットに関する安全監視パラメーターを用いて前記ロボットの動作を監視する安全監視部と、
前記ロボット制御部に対して前記制御パラメーターの設定を行う制御パラメーター設定部と、
前記ロボット制御部に設定された前記制御パラメーターを前記ロボット制御部から取得し、取得した前記制御パラメーターに含まれている複数のパラメーターのうち少なくとも1つを前記安全監視部に対して前記安全監視パラメーターとして設定する安全監視パラメーター設定部と、を有することを特徴とするロボットシステム。
【請求項2】
前記制御パラメーター設定部を備える第1装置と、
前記安全監視パラメーター設定部を備える第2装置と、を有する請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記制御パラメーター設定部を使用するための第1アクセス権と、前記安全監視パラメーター設定部を使用するための第2アクセス権と、が異なる請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項4】
ロボットに関する制御パラメーターを用いて前記ロボットの動作を制御するロボット制御部と、前記ロボットに関する安全監視パラメーターを用いて前記ロボットの動作を監視する安全監視部と、前記ロボット制御部に対して前記制御パラメーターの設定を行う制御パラメーター設定部と、前記安全監視部に対して前記安全監視パラメーターの設定を行う安全監視パラメーター設定部と、を有するロボットシステムの設定方法であって、
前記ロボット制御部に対して前記制御パラメーターの設定を行う制御パラメーター設定ステップと、
前記ロボット制御部に設定された前記制御パラメーターを前記ロボット制御部から取得する制御パラメーター取得ステップと、
取得した前記制御パラメーターに含まれている複数のパラメーターのうち少なくとも1つを前記安全監視部に対して前記安全監視パラメーターとして設定する安全監視パラメーター設定ステップと、を含むことを特徴とするロボットシステムの設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットシステムおよびロボットシステムの設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットの安全性を高めるため、ロボットに不具合が生じた場合でも安全に停止できるようにロボットの駆動を制御する駆動制御コントローラーに加えて、ロボットの動作を監視する安全コントローラーを備える場合がある。このような場合、安全コントローラーがロボットの異常や不具合を検出すると、駆動制御コントローラーからの指令の有無および指令内容に関わらず、ロボットを緊急停止させる。
【0003】
特許文献1には、安全コントローラーを正常に作動させるための設定方法が記載されている。当該設定方法は、パソコンを用いてロボットパラメーター設定、プログラム作成などのコンフィグレーションデータの作成を行うステップと、作成したコンフィグレーションデータを安全コントローラーにダウンロードするステップと、安全コントローラーにダウンロードされたコンフィグレーションデータを再びパソコンにアップロードするステップと、ダウンロード前後のコンフィグレーションデータを比較するステップとを含み、ダウンロード前後のコンフィグレーションデータが同一であれば安全コントローラーへのコンフィグレーションデータのダウンロードが正常に行われたと判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-302229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の設定方法では、駆動制御コントローラーへのロボットパラメーターの設定と、安全コントローラーへのロボットパラメーターの設定と、を別々に行うため、駆動制御コントローラーと安全コントローラーとの間でロボットパラメーターの同一性が担保されておらず、適切な安全監視を行うことができないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のロボットシステムは、ロボットに関する制御パラメーターを用いて前記ロボットの動作を制御するロボット制御部と、
前記ロボットに関する安全監視パラメーターを用いて前記ロボットの動作を監視する安全監視部と、
前記ロボット制御部に対して前記制御パラメーターの設定を行う制御パラメーター設定部と、
前記ロボット制御部に設定された前記制御パラメーターを前記ロボット制御部から取得し、取得した前記制御パラメーターに含まれている複数のパラメーターのうち少なくとも1つを前記安全監視部に対して前記安全監視パラメーターとして設定する安全監視パラメーター設定部と、を有する。
【0007】
本発明のロボットシステムの設定方法は、ロボットに関する制御パラメーターを用いて前記ロボットの動作を制御するロボット制御部と、前記ロボットに関する安全監視パラメーターを用いて前記ロボットの動作を監視する安全監視部と、前記ロボット制御部に対して前記制御パラメーターの設定を行う制御パラメーター設定部と、前記安全監視部に対して前記安全監視パラメーターの設定を行う安全監視パラメーター設定部と、を有するロボットシステムの設定方法であって、
前記ロボット制御部に対して前記制御パラメーターの設定を行う制御パラメーター設定ステップと、
前記ロボット制御部に設定された前記制御パラメーターを前記ロボット制御部から取得する制御パラメーター取得ステップと、
取得した前記制御パラメーターに含まれている複数のパラメーターのうち少なくとも1つを前記安全監視部に対して前記安全監視パラメーターとして設定する安全監視パラメーター設定ステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】好適な実施形態に係るロボットシステムの構成図である。
図2】制御パラメーターおよび安全監視パラメーターの設定方法を示すフローチャートである。
図3】制御パラメーターおよび安全監視パラメーターの設定方法を示すフローチャートである。
図4図1のロボットシステムの変形例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明のロボットシステムおよびロボットシステムの設定方法を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1は、好適な実施形態に係るロボットシステムの構成図である。図2および図3は、それぞれ、制御パラメーターおよび安全監視パラメーターの設定方法を示すフローチャートである。図4は、図1のロボットシステムの変形例を示す構成図である。
【0011】
図1に示すロボットシステム1は、ロボット2と、ロボット2の駆動を制御するロボット制御部3と、ロボット2の駆動を監視する安全監視部4と、ロボット制御部3への制御パラメーターの設定を行う第1装置としての制御パラメーター設定装置5と、安全監視部4への安全監視パラメーターの設定を行う第2装置としての安全監視パラメーター設定装置6と、を有する。
【0012】
ロボット2は、駆動軸を6つ有する6軸垂直多関節ロボットである。ロボット2は、ベース21と、ベース21に回動自在に連結されたロボットアーム22と、ロボットアーム22の先端に装着されたツール23と、を有する。
【0013】
また、ロボットアーム22は、6本のアーム221、222、223、224、225、226が回動自在に連結されたロボティックアームであり、6つの関節J1、J2、J3、J4、J5、J6を備えている。これら6つの関節J1~J6のうち、関節J2、J3、J5が曲げ関節であり、関節J1、J4、J6がねじり関節である。
【0014】
関節J1、J2、J3、J4、J5、J6には、それぞれ、モーターMとエンコーダーEとが設置されている。ロボット制御部3は、ロボットシステム1の運転中、各関節J1~J6について、エンコーダーEの出力が示す関節J1~J6の回転角度を目標位置に一致させるフィードバック制御を実行する。
【0015】
また、ツール23は、ワークWを保持するハンドである。ただし、ツール23の構成は、特に限定されず、目的の作業によって適宜選択することができる。
【0016】
以上、ロボット2について説明したが、ロボット2の構成は、特に限定されない。例えば、スカラロボット(水平多関節ロボット)、上述のロボットアーム22を2本備えた双腕ロボット等であってもよい。また、ベース21が固定されていない自走式のロボットであってもよい。
【0017】
ロボット制御部3は、例えば、図示しないホストコンピューターからの動作指令に基づいてロボット2の駆動を制御する。
【0018】
ロボット制御部3は、例えば、コンピューターから構成され、情報を処理するプロセッサーと、プロセッサーに通信可能に接続されたメモリーと、外部装置との接続を行う外部インターフェースと、を有する。メモリーにはプロセッサーにより実行可能な各種プログラムが保存され、プロセッサーは、メモリーに記憶された各種プログラム等を読み込んで実行することができる。なお、本実施形態では、ロボット制御部3には、予め、複数種のロボットに関する制御パラメーターP5を備えたロボットセットが記憶されている。これにより、ロボット制御部3を複数種のロボットに適用することができ、汎用性の高いロボット制御部3となる。
【0019】
安全監視部4は、ロボット制御部3によるロボット2の駆動を監視し、ロボット2の異常や不具合を検出すると、ロボット制御部3からの動作指令の有無および動作指令の内容に関わらず、ロボット2の駆動を安全モードに切り替えて制御する。安全モードとしては、特に限定されないが、例えば、ロボットアーム22の先端の速度を監視し、当該速度が閾値を超えた場合にロボット2を緊急停止させる速度制限モードや、ロボットアーム22の先端の位置を監視し、当該位置が指定エリア外にはみ出した場合にロボット2を緊急停止させる位置制限モード等が挙げられる。
【0020】
安全監視部4は、例えば、コンピューターから構成され、情報を処理するプロセッサーと、プロセッサーに通信可能に接続されたメモリーと、外部装置との接続を行う外部インターフェースと、を有する。メモリーにはプロセッサーにより実行可能な各種プログラムが保存され、プロセッサーは、メモリーに記憶された各種プログラム等を読み込んで実行することができる。
【0021】
制御パラメーター設定装置5は、ロボット制御部3に対して制御パラメーターP5の設定を行う制御パラメーター設定部51を有する。制御パラメーター設定部51は、例えば、制御パラメーター設定装置5にインストールされたプログラムである。また、制御パラメーターP5は、ロボット2の駆動を制御するのに必要なパラメーターであり、ロボット2の構成によって異なるが、例えば、各アーム221~226の長さ、各関節J1~J6のオフセット量、ソフトウェア原点への補正量(補正パルス値)等が挙げられる。
【0022】
制御パラメーター設定装置5は、例えば、コンピューターから構成され、情報を処理するプロセッサーと、プロセッサーに通信可能に接続されたメモリーと、外部装置との接続を行う外部インターフェースと、を有する。メモリーにはプロセッサーにより実行可能な各種プログラムが保存され、プロセッサーは、メモリーに記憶された各種プログラム等を読み込んで制御パラメーター設定部51を起動することができる。
【0023】
また、制御パラメーター設定装置5には、グラフィックユーザーインターフェース等の画像を表示するモニター52と、キーボード、マウス等を備える入力装置53と、が接続されている。ユーザーは、モニター52に表示される画像を確認しながら、入力装置53を用いて必要な情報を入力することができる。
【0024】
安全監視パラメーター設定装置6は、安全監視部4に対して安全監視パラメーターP6の設定を行う安全監視パラメーター設定部61を有する。安全監視パラメーター設定部61は、例えば、安全監視パラメーター設定装置6にインストールされたプログラムである。また、安全監視パラメーターP6は、ロボット2の安全を監視するのに必要なパラメーターであり、ロボット2の構成や監視内容によって異なるが、例えば、各アーム221~226の長さ、各関節J1~J6のオフセット量、ソフトウェア原点への補正量(補正パルス値)等が挙げられる。このように、安全監視パラメーターP6は、制御パラメーターP5と同じパラメーターを含んでいる。
【0025】
安全監視パラメーター設定装置6は、例えば、コンピューターから構成され、情報を処理するプロセッサーと、プロセッサーに通信可能に接続されたメモリーと、外部装置との接続を行う外部インターフェースと、を有する。メモリーにはプロセッサーにより実行可能な各種プログラムが保存され、プロセッサーは、メモリーに記憶された各種プログラム等を読み込んで安全監視パラメーター設定部61を起動することができる。
【0026】
以上、ロボットシステム1の構成について簡単に説明した。次に、ロボットシステム1の設定方法について説明する。図2および図3に示すように、ロボットシステム1の設定方法は、ロボット制御部3に対して制御パラメーターP5の設定を行う制御パラメーター設定ステップS1と、ロボット制御部3に設定された制御パラメーターP5をロボット制御部3から取得する制御パラメーター取得ステップS2と、取得した制御パラメーターP5に含まれている複数のパラメーターのうち少なくとも1つを安全監視部4に対して安全監視パラメーターP6として設定する安全監視パラメーター設定ステップS3と、を含む。
【0027】
[制御パラメーター設定ステップS1]
図3に示すように、まず、ユーザーU1は、ステップS11として、制御パラメーター設定部51を起動する。制御パラメーター設定部51を起動すると、制御パラメーター設定部51は、ステップS12として、ロボット制御部3からロボットセットを読み出してモニター52に表示する。これに対して、ユーザーU1は、ステップS13として、ロボットセットの中から該当するロボットを選択する。次に、制御パラメーター設定部51は、ステップS14として、ユーザーU1の選択結果をロボット制御部3に送信する。つまり、ユーザーU1が選択したロボットをロボット制御部3に送信する。次に、ロボット制御部3は、ステップS15として、制御パラメーター設定部51から送信されたロボットの制御パラメーターP5を保持する。以上により、ロボット制御部3に対する制御パラメーターP5の設定が完了する。
【0028】
ロボット制御部3は、このように設定された制御パラメーターP5を用いてロボット2の駆動を制御する。具体的には、制御パラメーターP5と各エンコーダーEからの出力とに基づいてツール23の移動速度、位置および姿勢等を検出し、検出結果をフィードバックしてロボット2の駆動を制御する。
【0029】
ただし、制御パラメーターP5の設定方法は、特に限定されない。例えば、本実施形態では、ロボットセットが予めロボット制御部3に記憶されていたが、これに限定されず、例えば、インターネットを介して接続されたサーバーに記憶されており、必要時にサーバーからロボットセットをダウンロードしてもよい。また、ロボットセットがなく、ユーザーU1が入力装置53を用いて直接入力してもよい。
【0030】
[制御パラメーター取得ステップS2]
まず、ユーザーU2は、ステップS21として、安全監視パラメーター設定部61を起動する。次に、安全監視パラメーター設定部61は、ステップS22として、ロボット制御部3から、制御パラメーター設定ステップS1で設定された制御パラメーターP5を読み出して取得する。
【0031】
[安全監視パラメーター設定ステップS3]
次に、安全監視パラメーター設定部61は、ステップS31として、制御パラメーター取得ステップS2で取得した制御パラメーターP5に含まれる複数のパラメーターから安全監視パラメーターP6として使用できるパラメーターを抽出する。この際、制御パラメーターP5に含まれる全部のパラメーターを抽出してもよいし、一部のパラメーターを抽出してもよい。次に、安全監視パラメーター設定部61は、ステップS32として、制御パラメーターP5から抽出した安全監視パラメーターP6を安全監視部4に送信する。次に、安全監視部4は、ステップS33として、安全監視パラメーター設定部61から送信された安全監視パラメーターP6を保持する。以上により、安全監視部4に対する安全監視パラメーターP6の設定が完了する。
【0032】
安全監視部4は、このように設定された安全監視パラメーターP6を用いてロボット2の駆動を監視する。具体的には、安全監視パラメーターP6と各エンコーダーEからの出力とに基づいてツール23の移動速度、位置および姿勢等を検出し、検出結果や動作指令との比較に基づいてロボット2の異常や不具合を検出する。そして、ロボット2の異常や不具合を検出した場合には、ロボット制御部3からの動作指令の有無および動作指令の内容に関わらず、ロボット2の駆動を安全モードに切り替えて制御する。これにより、ロボット2の安全性が向上する。
【0033】
なお、制御パラメーターP5を変更する場合には、まず、ユーザーU1は、モニター52に表示されたロボットセットの中から該当するロボットを選択する。次に、制御パラメーター設定部51は、ユーザーU1によって選択されたロボットをロボット制御部3に送信する。次に、ロボット制御部3は、制御パラメーター設定部51から送信された新たなロボットの制御パラメーターP5を保持する。以上により、ロボット制御部3に対する制御パラメーターP5の変更が完了する。次に、安全監視パラメーター設定部61は、ロボット制御部3から、新たに設定された制御パラメーターP5を読み出して取得する。次に、安全監視パラメーター設定部61は、新たに取得した制御パラメーターP5に含まれる複数のパラメーターから新たな安全監視パラメーターP6として使用できるパラメーターを抽出する。次に、安全監視パラメーター設定部61は、新たな安全監視パラメーターP6を安全監視部4に送信する。次に、安全監視部4は、安全監視パラメーター設定部61から送信された新たな安全監視パラメーターP6を保持する。以上により、安全監視部4に対する安全監視パラメーターP6の変更が完了する。
【0034】
このようなロボットシステム1の設定方法によれば、ロボット制御部3に設定された制御パラメーターP5を用いて安全監視部4に対して安全監視パラメーターP6を設定するため、制御パラメーターP5と安全監視パラメーターP6との間でパラメーターの同一性を担保することができる。そのため、安全監視部4によってロボット2を適切に安全監視することができる。また、ユーザーU2が安全監視パラメーターP6を入力・設定する必要がなくなるため、ユーザーU2の負担を軽減することもできる。
【0035】
特に、本実施形態では、制御パラメーター設定装置5が制御パラメーター設定部51を備え、安全監視パラメーター設定装置6が安全監視パラメーター設定部61を備えている。つまり、制御パラメーター設定部51と安全監視パラメーター設定部61とが別々の装置にインストールされている。一般的に、制御パラメーター設定装置5は、ロボット2の動作プログラムを作成するシステムエンジニア等のユーザーU1により操作され、安全監視パラメーター設定装置6は、現場でロボット2の動作を監視する機能安全管理者等のユーザーU2により操作される。そのため、制御パラメーター設定装置5と安全監視パラメーター設定装置6とで使用場所が異なる。本実施形態では、制御パラメーター設定部51と安全監視パラメーター設定部61とを別々の場所に設置することができるため、制御パラメーター設定部51と安全監視パラメーター設定部61とをそれぞれ好ましい場所に配置することができる。
【0036】
また、本実施形態では、制御パラメーター設定部51への第1アクセス権と安全監視パラメーター設定部61への第2アクセス権とが異なっている。具体的には、制御パラメーター設定部51へはユーザーU1、U2のうち、ユーザーU1だけがアクセス(ログイン)することができる。つまり、第1アクセス権は、ユーザーU1だけが持っている。これに対して、安全監視パラメーター設定部61へはユーザーU1、U2のうち、ユーザーU2だけがアクセス(ログイン)することができる。つまり、第2アクセス権は、ユーザーU2だけが持っている。これにより、ユーザーU1ではない者、特に、制御パラメーターP5についての知識に乏しい者による制御パラメーター設定部51への意図しないアクセスを制限することができ、制御パラメーターP5の設定ミスや意図しない変更等を効果的に抑制することができる。同様に、ユーザーU2ではない者、特に、安全監視パラメーターP6についての知識に乏しい者による安全監視パラメーター設定部61への意図しないアクセスを制限することができ、安全監視パラメーターP6の設定ミスや意図しない変更等を効果的に抑制することができる。
【0037】
以上、ロボットシステム1について説明した。このようなロボットシステム1は、前述したように、ロボット2に関する制御パラメーターP5を用いてロボット2の動作を制御するロボット制御部3と、ロボット2に関する安全監視パラメーターP6を用いてロボット2の動作を監視する安全監視部4と、ロボット制御部3に対して制御パラメーターP5の設定を行う制御パラメーター設定部51と、ロボット制御部3に設定された制御パラメーターP5をロボット制御部3から取得し、取得した制御パラメーターP5に含まれている複数のパラメーターのうち少なくとも1つを安全監視部4に対して安全監視パラメーターP6として設定する安全監視パラメーター設定部61と、を有する。これにより、ロボット制御部3に設定された制御パラメーターP5を用いて安全監視部4に対して安全監視パラメーターP6を設定することができる。そのため、制御パラメーターP5と安全監視パラメーターP6との間でパラメーターの同一性を担保することができる。そのため、安全監視部4によってロボット2を適切に安全監視することができる。また、ユーザーU2が安全監視パラメーターP6を入力・設定する必要がなくなるため、ユーザーU2の負担を軽減することもできる。
【0038】
また、前述したように、制御パラメーター設定部51を備える第1装置としての制御パラメーター設定装置5と、安全監視パラメーター設定部61を備える第2装置としての安全監視パラメーター設定装置6と、を有する。これにより、制御パラメーター設定部51と安全監視パラメーター設定部61とを別々の場所に設置することができるため、制御パラメーター設定部51と安全監視パラメーター設定部61とをそれぞれ好ましい場所に配置することができる。
【0039】
また、前述したように、制御パラメーター設定部51を使用するための第1アクセス権と、安全監視パラメーター設定部61を使用するための第2アクセス権と、が異なる。これにより、制御パラメーターP5についての知識に乏しい者による制御パラメーター設定部51への意図しないアクセスを制限することができ、制御パラメーターP5の設定ミスや意図しない変更等を効果的に抑制することができる。同様に、安全監視パラメーターP6についての知識に乏しい者による安全監視パラメーター設定部61への意図しないアクセスを制限することができ、安全監視パラメーターP6の設定ミスや意図しない変更等を効果的に抑制することができる。
【0040】
また、前述したように、ロボットシステム1の設定方法は、ロボット2に関する制御パラメーターP5を用いてロボット2の動作を制御するロボット制御部3と、ロボット2に関する安全監視パラメーターP6を用いてロボット2の動作を監視する安全監視部4と、ロボット制御部3に対して制御パラメーターP5の設定を行う制御パラメーター設定部51と、安全監視部4に対して安全監視パラメーターP6の設定を行う安全監視パラメーター設定部61と、を有するロボットシステム1の設定方法であって、ロボット制御部3に対して制御パラメーターP5の設定を行う制御パラメーター設定ステップS1と、ロボット制御部3に設定された制御パラメーターP5をロボット制御部3から取得する制御パラメーター取得ステップS2と、取得した制御パラメーターP5に含まれている複数のパラメーターのうち少なくとも1つを安全監視部4に対して安全監視パラメーターP6として設定する安全監視パラメーター設定ステップS3と、を含む。これにより、ロボット制御部3に設定された制御パラメーターP5を用いて安全監視部4に対して安全監視パラメーターP6を設定することができる。そのため、制御パラメーターP5と安全監視パラメーターP6との間でパラメーターの同一性を担保することができる。そのため、安全監視部4によってロボット2を適切に安全監視することができる。また、ユーザーU2が安全監視パラメーターP6を入力・設定する必要がなくなるため、ユーザーU2の負担を軽減することもできる。
【0041】
以上、本発明のロボットシステムおよびロボットシステムの設定方法を図示の実施形態に基づいて説明したが本発明はこれに限定されるものではない。各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、任意の目的の工程が付加されたものであってもよい。
【0042】
また、前述した実施形態では、制御パラメーター設定部51と安全監視パラメーター設定部61とが別々の装置に備えられていたが、これに限定されず、図4に示すように、同じ装置8内に共に備えられていてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1…ロボットシステム、2…ロボット、21…ベース、22…ロボットアーム、221…アーム、222…アーム、223…アーム、224…アーム、225…アーム、226…アーム、23…ツール、3…ロボット制御部、4…安全監視部、5…制御パラメーター設定装置、51…制御パラメーター設定部、52…モニター、53…入力装置、6…安全監視パラメーター設定装置、61…安全監視パラメーター設定部、8…装置、E…エンコーダー、J1…関節、J2…関節、J3…関節、J4…関節、J5…関節、J6…関節、M…モーター、P5…制御パラメーター、P6…安全監視パラメーター、S1…制御パラメーター設定ステップ、S11…ステップ、S12…ステップ、S13…ステップ、S14…ステップ、S15…ステップ、S2…制御パラメーター取得ステップ、S21…ステップ、S22…ステップ、S3…安全監視パラメーター設定ステップ、S31…ステップ、S32…ステップ、S33…ステップ、U1…ユーザー、U2…ユーザー、W…ワーク
図1
図2
図3
図4