(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063929
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20240507BHJP
H01L 31/12 20060101ALI20240507BHJP
H03K 17/78 20060101ALI20240507BHJP
H01L 23/28 20060101ALI20240507BHJP
H01L 25/04 20230101ALI20240507BHJP
【FI】
H01L25/08 Y
H01L31/12 C
H03K17/78 F
H01L23/28 D
H01L25/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172124
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】新倉 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】今井 恒
【テーマコード(参考)】
4M109
5F889
5J050
【Fターム(参考)】
4M109AA01
4M109BA03
4M109EA02
4M109EC12
4M109GA01
5F889AA01
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5J050AA02
5J050BB21
5J050DD08
5J050EE02
5J050EE17
5J050FF04
5J050FF11
(57)【要約】
【課題】デッドタイムの増加を抑制する。
【解決手段】実施形態に係る半導体装置は、基板と、各々が基板の第1面上に接して設けられる第1トランジスタ、第2トランジスタ、第3トランジスタ、及び第4トランジスタと、各々が基板の第1面の上方に設けられる第1発光素子及び第2発光素子と、基板の第1面と第1発光素子との間に設けられ、第1発光素子の発光状態に応じて、第1トランジスタ及び第2トランジスタをオン状態又はオフ状態にする第1受光素子と、基板の第1面と第2発光素子との間の上方に設けられ、第2発光素子の発光状態に応じて、第3トランジスタ及び第4トランジスタをオン状態又はオフ状態にする第2受光素子と、を備え、第1発光素子及び第2発光素子は、第1発光素子及び第2発光素子のうちいずれか一方を点灯状態にする際に、他方を消灯状態にするように構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
各々が前記基板の第1面上に接して設けられる第1トランジスタ、第2トランジスタ、第3トランジスタ、及び第4トランジスタと、
各々が前記基板の第1面の上方に設けられる第1発光素子及び第2発光素子と、
前記基板の第1面と前記第1発光素子との間に設けられ、前記第1発光素子の発光状態に応じて、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタをオン状態又はオフ状態にする第1受光素子と、
前記基板の第1面と前記第2発光素子との間に設けられ、前記第2発光素子の発光状態に応じて、前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタをオン状態又はオフ状態にする第2受光素子と、
を備え、
前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、
前記第1発光素子及び前記第2発光素子のうちいずれか一方を点灯状態にする際に、他方を消灯状態にする
ように構成された半導体装置。
【請求項2】
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、前記第3トランジスタ、前記第4トランジスタ、前記第1発光素子、前記第2発光素子、前記第1受光素子、及び前記第2受光素子が、封止剤によって封止される、
請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
第1接着層及び第2接着層をさらに備え、
前記第1発光素子は、前記第1発光素子の照射面が前記第1受光素子の受光面と対向するように、前記第1受光素子の上方に設けられ、
前記第2発光素子は、前記第2発光素子の照射面が前記第2受光素子の受光面と対向するように、前記第2受光素子の上方に設けられ、
前記第1接着層は、前記第1発光素子及び前記第1受光素子の間において、前記第1発光素子の照射面、及び前記第1受光素子の受光面に接し、
前記第2接着層は、前記第2発光素子及び前記第2受光素子の間において、前記第2発光素子の照射面及び前記第2受光素子の受光面に接する、
請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1接着層及び前記第2接着層は光透過性を有する絶縁フィルムである、
請求項3記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1受光素子は、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタのうち少なくともいずれか1つの上面に設けられる部分を含み、
前記第2受光素子は、前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタのうち少なくともいずれか1つの上面に設けられる部分を含む、
請求項3記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、前記第3トランジスタ、及び前記第4トランジスタは、同一のチップに形成される、
請求項1乃至請求項5のいずれか一項記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1トランジスタ、及び前記第2トランジスタは、第1チップに形成され、
前記第3トランジスタ、及び前記第4トランジスタは、前記第1チップとは異なる第2チップに形成される、
請求項1乃至請求項5のいずれか一項記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1トランジスタのドレイン、及び前記第2トランジスタのドレインは1つの共通する第1ドレインとして設けられ、
前記第3トランジスタのドレイン、及び前記第4トランジスタのドレインは、前記第1ドレインとは異なる、1つの共通する第2ドレインとして設けられる、
請求項7記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1受光素子、及び前記第2受光素子は、同一のチップに形成される、
請求項1乃至請求項5のいずれか一項記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置として、複数のリレー部を含む駆動装置が知られる。複数のリレー部の各々は、発光素子及び受光素子を含む。複数のリレー部の各々は、無接点のリレーであり、交流信号や直流信号の伝送に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-028711号公報
【特許文献2】特開2004-179244号公報
【特許文献3】特開2019-021959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
デッドタイムの増加を抑制する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体装置は、基板と、各々が上記基板の第1面上に接して設けられる第1トランジスタ、第2トランジスタ、第3トランジスタ、及び第4トランジスタと、各々が上記基板の第1面の上方に設けられる第1発光素子及び第2発光素子と、上記基板の第1面と上記第1発光素子との間に設けられ、上記第1発光素子の発光状態に応じて、上記第1トランジスタ及び上記第2トランジスタをオン状態又はオフ状態にする第1受光素子と、上記基板の第1面と上記第2発光素子との間に設けられ、上記第2発光素子の発光状態に応じて、上記第3トランジスタ及び上記第4トランジスタをオン状態又はオフ状態にする第2受光素子と、を備え、上記第1発光素子及び上記第2発光素子は、上記第1発光素子及び上記第2発光素子のうちいずれか一方を点灯状態にする際に、他方を消灯状態にするように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態に係る半導体装置の回路構成の一例を説明するための回路図。
【
図2】実施形態に係る半導体装置の構造の一例を示す斜視図。
【
図3】実施形態に係る半導体装置の平面構造の一例を示す平面図。
【
図4】実施形態に係る半導体装置、及び比較例に係る半導体装置のそれぞれを用いた場合の半導体装置のデッドタイムを説明するためのグラフ。
【
図5】第1変形例に係る半導体装置の構造の一例を示す斜視図。
【
図6】第2変形例に係る半導体装置の構造の一例を示す斜視図。
【
図7】第3変形例に係る半導体装置の構造の一例を示す斜視図。
【
図8】第4変形例に係る半導体装置の回路構成の一例を説明するための回路図。
【
図9】第4変形例に係る半導体装置の構造の一例を示す斜視図。
【
図10】第4変形例に係る半導体装置の平面構造の一例を示す平面図。
【
図11】その他の実施形態に係る半導体装置の構造の一例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する構成要素については、共通する参照符号を付す。また、図面の寸法及び比率は、必ずしも現実のものと同一とは限らない。
【0008】
1 実施形態
実施形態に係る半導体装置について説明する。
【0009】
実施形態に係る半導体装置は、2つのリレー部を含む駆動装置である。各リレー部は、例えば交流信号や直流信号の伝送の状態を制御する。実施形態に係る半導体装置は、電子部品のパッケージである。なお、以下の説明において、交流信号及び直流信号を単に信号とも呼ぶ。
【0010】
実施形態に係る半導体装置の構成の一例について、
図1を用いて説明する。
図1は、実施形態に係る半導体装置の構成の一例を説明するための回路図である。
【0011】
半導体装置1は、端子80、81、182a、182b、282a、及び282bを含む。
【0012】
端子80及び81の間には、半導体装置1を駆動するための信号が伝送される。半導体装置1が駆動される間、半導体装置1は、端子182a及び182b、並びに端子282a及び282bのうちのいずれか一方を介して、信号を伝送し得る。
【0013】
実施形態に係る半導体装置1の回路構成の一例について、引き続き、
図1を用いて説明する。
【0014】
半導体装置1は、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)120a、120b、220a、及び220b、受光部40、並びに発光素子160及び260をさらに含む。受光部40は、受光素子140及び240を含む。MOSFET120a、120b、220a、及び220bは、例えばエンハンスメント型のNチャネル型のMOSFETである。受光素子140及び240はそれぞれ、例えばPDA(Photo Diode Array)又はフォトトランジスタを含むセンサである。以下では、受光素子140及び240がそれぞれ、PDAを含む場合について説明する。発光素子160及び260はそれぞれ、例えばLED(Light Emitting Diode)である。
【0015】
上述の構成のうち、MOSFET120a及び120b、受光素子140、並びに発光素子160は、リレー部100に含まれる。また、MOSFET220a及び220b、受光素子240、並びに発光素子260は、リレー部200に含まれる。
【0016】
リレー部100の回路構成について説明する。
【0017】
発光素子160は、端子80及び81に接続される。より具体的には、発光素子160のカソード電極は、例えば端子80に接続される。また、発光素子160のアノード電極は、例えば端子81に接続される。発光素子160は、端子80及び81の間を伝送される信号によって駆動される。これにより、発光素子160の発光状態が、オン状態(点灯状態)又はオフ状態(消灯状態)になる。
【0018】
受光素子140は、例えば直列に接続される複数のフォトダイオード140aと、制御回路140bとを含む。フォトダイオード140aの数は、例えば数個~数十個である。直列接続された複数のフォトダイオード140aの両端はそれぞれ、制御回路140bに接続される。制御回路140bは、複数のフォトダイオード140aにより生成された光起電力を用いて、MOSFET120a及び120bをオン状態にする。
【0019】
MOSFET120aのゲート、及びMOSFET120bのゲートは、制御回路140bのアノード電極に共通に接続される。MOSFET120aのソース、及びMOSFET120bのソースは、制御回路140bのカソード電極に共通に接続される。MOSFET120aのドレインは、端子182aに接続される。MOSFET120bのドレインは、端子182bに接続される。
【0020】
リレー部100において、発光素子160がオフ状態からオン状態になると、発光素子160から光が照射される。受光素子140は、光起電力効果によって発生させた電圧を用いて、MOSFET120a及び120bのゲートに充電電流を供給する。これにより、MOSFET120a及び120bをオフ状態からオン状態にする。このため、端子182a及び182bが、電気的に接続される。
【0021】
このようにして、リレー部100は、端子182a及び182bのうちの一方の端子に供給される信号を、MOSFET120a及び120bを介して、端子182a及び182bのうちの他方の端子に伝送する。
【0022】
また、発光素子160がオン状態からオフ状態になると、発光素子160から受光素子140への光の照射は停止される。これにより、MOSFET120a及び120bはオン状態からオフ状態になる。このようにして、リレー部100は、端子182a及び182bの間を、電気的に遮断する。
【0023】
リレー部200の回路構成について説明する。
【0024】
発光素子260は、端子80及び81に接続される。より具体的には、発光素子260のアノード電極は、例えば端子80に接続される。また、発光素子260のカソード電極は、例えば端子81に接続される。発光素子260は、発光素子160と同様に、端子80及び81の間を伝送される信号によって駆動される。これにより、発光素子260の発光状態が、オン状態又はオフ状態になる。
【0025】
以上のような発光素子160及び260の構成により、発光素子160及び260は逆並列に接続される。
【0026】
受光素子240は、例えば直列に接続される複数のフォトダイオード240aと、制御回路240bとを含む。フォトダイオード240aの数は、例えば数個~数十個である。直列接続された複数のフォトダイオード240aの両端はそれぞれ、制御回路240bに接続される。制御回路240bは、複数のフォトダイオード240aにより生成された光起電力を用いて、MOSFET220a及び220bをオン状態にする。
【0027】
MOSFET220aのゲート、及びMOSFET220bのゲートは、制御回路240bのアノード電極に共通に接続される。MOSFET220aのソース、及びMOSFET220bのソースは、制御回路240bのカソード電極に共通に接続される。MOSFET220aのドレインは、端子282aに接続される。MOSFET220bのドレインは、端子282bに接続される。
【0028】
リレー部200において、発光素子260がオフ状態からオン状態になると、発光素子260から光が照射される。受光素子240は、光起電力効果によって発生させた電圧を用いて、MOSFET220a及び220bのゲートに充電電流を供給する。これにより、MOSFET220a及び220bをオフ状態からオン状態にする。このため、端子282a及び282bが、電気的に接続される。
【0029】
このようにして、リレー部200は、端子282a及び282bのうちの一方の端子に供給される信号を、MOSFET220a及び220bを介して、端子282a及び282bのうちの他方の端子に伝送する。
【0030】
また、発光素子260がオン状態からオフ状態になると、発光素子260から受光素子240への光の照射は停止される。これにより、MOSFET220a及び220bはオン状態からオフ状態になる。このようにして、リレー部200は、端子282a及び282bの間を、電気的に遮断する。
【0031】
なお、以降の説明において、各リレー部に含まれる2つのMOSFETのドレインに接続される2つの端子が電気的に接続され、信号を伝送可能な状態であるリレー部を、アクティブなリレー部と呼ぶ。アクティブなリレー部に含まれる2つのMOSFETはオン状態である。また、以降の説明では、各リレー部に含まれる2つのMOSFETに接続される2つの端子が電気的に遮断され、信号を伝送できない状態であるリレー部を、インアクティブなリレー部と呼ぶ。インアクティブなリレー部に含まれる2つのMOSFETはオフ状態である。
【0032】
半導体装置1は、端子80及び81の間に電流が供給されることによって、互いに逆並列に接続される発光素子160及び260のうちいずれか一方の発光素子をオン状態にしつつ、他方の発光素子をオフ状態にする。これにより、半導体装置1は、端子80及び81の間に電流が供給される際に、リレー部100及び200のうち、いずれか一方のリレー部をアクティブにしつつ、他方のリレー部をインアクティブにし得る。
【0033】
また、オン状態である発光素子が切換わることで、アクティブなリレー部が切換わる場合であっても、2つのリレー部がいずれもアクティブになってしまうことが抑制される。より具体的には、半導体装置1において、例えばオフ状態であるMOSFETに充電電流が供給され始めてからオン状態になり始めるまでのターンオン開始時間は、オン状態であるMOSFETのゲートの放電が開始されてからオフ状態になるまでのターンオフ時間よりも長くなり得る。これにより、アクティブなリレー部が切換わる際に、インアクティブなリレー部は、アクティブなリレー部がインアクティブになった後に、アクティブになり得る。ここで、アクティブなリレー部が切換わる際に、一方のリレー部がアクティブからインアクティブに変化した後、他方のリレー部がインアクティブからアクティブに変化し始めるまでの時間をデッドタイムと呼ぶ。すなわち、デッドタイムは、アクティブなリレー部が切換わる際に、2つのリレー部がいずれもインアクティブになる時間である。アクティブなリレー部が切換わる際にデッドタイムが確保されることによって、2つのリレー部がいずれもアクティブになってしまうことが抑制される。
【0034】
次に、実施形態に係る半導体装置1の構造について、
図2を用いて説明する。
図2は、実施形態に係る半導体装置の構造の一例を示す斜視図である。なお、以下の説明において、Z方向は半導体装置1が形成される基板の表面に対する鉛直方向に対応する。X方向は当該基板の表面に平行な方向である。Y方向は、当該基板の表面に平行であり、かつX方向に垂直な方向である。なお、
図2では、図面を分かりやすくするため、半導体装置1内の配線の図示が省略される。
【0035】
半導体装置1は、基板2、支持台30、受光部40、接着層150及び250、電極(パッド)70、71、72a、72b、73a、及び73b、並びに封止材Sをさらに含む。なお、以下の説明において、基板2とMOSFET120aとのうち、MOSFET120aが配置される端をZ方向に沿った上端と呼ぶ。また、基板2とMOSFET120aとのうち、基板2が配置される端をZ方向に沿った下端と呼ぶ。
【0036】
基板2は、例えば、BT(ビスマレイミドトリアジン)レジンを用いた回路基板や、ポリイミドを用いたフレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuits)である。
【0037】
電極70、71、72a、72b、73a、及び73bは、基板2の上面上に設けられる。電極70、71、72a、72b、73a、及び73bは、例えば銅(Cu)を含む金属箔である。なお、電極70及び71はX方向に延伸するように設けられる。また、電極70及び71の各々は、例えばX方向に沿った両端において、X方向に沿ったその他の部分よりもY方向に沿った幅が広い部分を有する。なお、電極70及び71の各々のX方向に沿った両端における幅が広い部分を、面積の大きい両端部と呼ぶ。
【0038】
MOSFET120a、120b、220a、及び220bはそれぞれ、互いに異なるチップとして設けられる。
【0039】
MOSFET120aは、電極121a、122a、及び
図2には図示されないMOSFET120aの下部に配置される電極を含む。MOSFET120aの下部に配置される電極は、MOSFET120aの下面において、導電性ペーストなどを介して電極72aに接して配置される。これにより、MOSFET120aは、電極72aの上面上に設けられる。電極121a及び122aは、MOSFET120aの上面に配置される。MOSFET120aの下部に配置される電極は、MOSFET120aのドレイン電極として機能する。電極121aは、MOSFET120aのソース電極として機能する。電極122aは、MOSFET120aのゲート電極として機能する。なお、MOSFET120aの下部に配置される電極は、例えばMOSFET120aの下面と同等の大きさを有する。
【0040】
MOSFET120bは、電極121b、122b、及び
図2には図示されないMOSFET120bの下部に配置される電極を含む。MOSFET120bの下部に配置される電極は、MOSFET120bの下面において、導電性ペーストなどを介して電極72bに接して配置される。これにより、MOSFET120bは、電極72bの上面上に設けられる。電極121b及び122bは、MOSFET120bの上面に配置される。MOSFET120bの下部に配置される電極は、MOSFET120bのドレイン電極として機能する。電極121bは、MOSFET120bのソース電極として機能する。電極122bは、MOSFET120bのゲート電極として機能する。なお、MOSFET120bの下部に配置される電極は、例えばMOSFET120bの下面と同等の大きさを有する。
【0041】
MOSFET220aは、電極221a、222a、及び
図2には図示されないMOSFET220aの下部に配置される電極を含む。
図2には図示されないMOSFET220aの下部に配置される電極は、MOSFET220aの下面において、導電性ペーストなどを介して電極73aに接して配置される。これにより、MOSFET220aは、電極73aの上面上に設けられる。電極221a及び222aは、MOSFET220aの上面に配置される。MOSFET220aの下部に配置される電極は、MOSFET220aのドレイン電極として機能する。電極221aは、MOSFET220aのソース電極として機能する。電極222aは、MOSFET220aのゲート電極として機能する。なお、MOSFET220aの下部に配置される電極は、例えばMOSFET220aの下面と同等の大きさを有する。
【0042】
MOSFET220bは、電極221b、222b、及び
図2には図示されないMOSFET220bの下部に配置される電極を含む。MOSFET220bの下部に配置される電極は、MOSFET220bの下面において、導電性ペーストなどを介して電極73bに接して配置される。これにより、MOSFET220bは、電極73bの上面上に設けられる。電極221b及び222bは、MOSFET220bの上面に配置される。MOSFET220bの下部に配置される電極は、MOSFET220bのドレイン電極として機能する。電極221bは、MOSFET220bのソース電極として機能する。電極222bは、MOSFET220bのゲート電極として機能する。なお、MOSFET220bの下部に配置される電極は、例えばMOSFET220bの下面と同等の大きさを有する。
【0043】
なお、MOSFET120a、120b、220b、及び220aは、例えばX方向にこの順に並ぶ。なお、MOSFET120a及び220aのうち、MOSFET120a側をX方向に沿った一端と呼ぶ。また、MOSFET120a及び220aのうち、MOSFET220a側をX方向に沿った他端と呼ぶ。
【0044】
支持台30は、例えば電極70、71、72a、72b、73a、及び73bと同様に、銅(Cu)を含む金属箔である。また、支持台30は、例えば当該金属箔上に絶縁性ペーストあるいは導電性ペーストが塗布された複合材であってもよい。支持台30は、基板2の上面上に設けられる。支持台30は、受光部40、並びに発光素子160及び260を支持する。支持台30は、X方向及びY方向に延伸する板状の形状を有する。
【0045】
受光部40は、受光素子140及び240を含むチップとして設けられる。
【0046】
受光部40は、受光素子140及び240がそれぞれ、支持台30の上面に接するように配置される。また、受光部40は、例えば受光素子140及び240の各々が、当該受光素子の上面に受光面を有するように配置される。
【0047】
受光素子140は、電極141~144を含む。電極141~144は、受光素子140の上面に配置される。
図2には図示されないが、電極141及び143は、例えば受光素子140内において電気的に接続される。また、
図2には図示されないが、電極142及び144は、例えば受光素子140内において電気的に接続される。電極141及び143は、例えば受光素子140のカソード電極として機能する。電極142及び144は、例えば受光素子140のアノード電極として機能する。
【0048】
受光素子240は、電極241~244を含む。電極241~244は、受光素子140の上面に配置される。
図2には図示されないが、電極241及び243は、例えば受光素子240内において電気的に接続される。また、
図2には図示されないが、電極242及び244は、例えば受光素子240内において電気的に接続される。電極241及び243は、例えば受光素子240のカソード電極として機能する。電極242及び244は、例えば受光素子240のアノード電極として機能する。
【0049】
発光素子160及び260はそれぞれ、互いに異なるチップとして設けられる。
【0050】
発光素子160は、受光素子140の上方に配置される。発光素子260は、受光素子240の上方に配置される。発光素子160及び260の各々は、当該発光素子の下面に、光の照射面を有する。発光素子160の照射面は、受光素子140の受光面と対向する。また、発光素子260の照射面は、受光素子240の受光面と対向する。なお、発光素子160及び260の各々の照射面は、例えば受光素子140及び240の受光面のうち当該照射面に対応する受光面のサイズよりも大きい。このような構成により、受光素子140に対する発光素子160のマウントずれ、及び受光素子240に対する発光素子260のマウントずれが発生しても、上方から見て、受光素子の受光面が発光素子の照射面よりも外側に配置される部分を含んでしまうことが抑制される。これにより、充電電流の安定性が向上する。
【0051】
発光素子160は、電極161及び162を含む。電極161及び162は、発光素子160の上面に配置される。電極161は、例えば発光素子160のカソード電極として機能する。電極162は、例えば発光素子160のアノード電極として機能する。
【0052】
発光素子260は、電極261及び262を含む。電極261及び262は、発光素子260の上面に配置される。電極261は、例えば発光素子260のカソード電極として機能する。電極262は、例えば発光素子260のアノード電極として機能する。
【0053】
発光素子160及び受光素子140の間には、発光素子160及び受光素子140のそれぞれに接する接着層150が配置される。また、発光素子260及び受光素子240の間には、発光素子260及び受光素子240のそれぞれに接する接着層250が配置される。接着層150及び250はそれぞれ、例えば発光素子160及び260から照射される光について透過性を有する絶縁材料を含む。なお、発光素子160及び260において、各発光素子の上部で発光された光は、発光波長に対して透明な基板からなる当該発光素子の下部から照射される。接着層150及び250は、例えば当該絶縁材料を含む絶縁フィルムである。なお、接着層150及び250は、例えば当該絶縁材料を含む絶縁ペーストを用いて形成されてもよい。接着層150及び250が絶縁フィルムである場合、接着層150及び250が絶縁ペーストを用いて形成される場合と比較して、接着層150及び250の膜厚を厚くすることができる。耐圧性を向上するために、接着層150及び250が絶縁フィルムであることが好ましい。
【0054】
端子80、81、182a、182b、282a、及び282bは、例えば基板2の下面に接して配置される。
【0055】
端子80及び81の間には、例えば図示しない機器及び回路等によって信号が伝送される。
図2には図示されないが、端子80は、例えば電極70のうちX方向に沿った他端側の部分において、基板2を貫通する導電体(ビア)を介して電極70に電気的に接続される。また、
図2には図示されないが、端子81は、例えば電極71のうちX方向に沿った一端側の部分において、基板2を貫通する導電体を介して電極71に電気的に接続される。
【0056】
端子182a、182b、282a、及び282bは、半導体装置1の外部に設けられた回路等にそれぞれ接続される。
図2には図示されないが、端子182aは、基板2を貫通する導電体、電極72a、及び導電性ペーストを介してMOSFET120aの下部に配置される電極に電気的に接続される。また、
図2には図示されないが、端子182bは、基板2を貫通する導電体、電極72b、及び導電性ペーストを介してMOSFET120bの下部に配置される電極に電気的に接続される。また、
図2には図示されないが、端子282aは、基板2を貫通する導電体、電極73a、及び導電性ペーストを介してMOSFET220aの下部に配置される電極に電気的に接続される。また、
図2には図示されないが、端子282bは、基板2を貫通する導電体、電極73b、及び導電性ペーストを介してMOSFET220bの下部に配置される電極に電気的に接続される。
【0057】
また、図示しないが、例えば、端子80、81、182a、182b、282a、及び282bの各々は、Y方向の基板2の側面を覆い、当該端子と、電極70、71、72a、72b、73a、及び73bのうち当該端子に対応する電極とが連結するように、配置されてもよい。
【0058】
封止材Sは、MOSFET120a、120b、220a、及び220b、支持台30、受光部40、発光素子160及び260、並びに電極70、71、72a、72b、73a、及び73bを覆うように設けられる。封止材Sは、非透光性材料を含む。当該非透光性材料は、例えば炭化シリコンやカーボンブラックが練り込まれたエポキシ樹脂である。これにより、封止材Sは半導体装置1を保護するとともに、リレー部100及び200の間における光の漏れを防ぐ。
【0059】
ここで、光の漏れは、リレー部100及び200の間の光のクロストーク、及び発光素子160及び260から各MOSFETのチャネルへの光の漏れを含む。
【0060】
光のクロストークは、例えば発光素子160の照射光が受光素子240の受光面へ漏れること、及び発光素子260の照射光が受光素子140の受光面へ漏れてしまうことである。発光素子の光照射面である下面以外を非透光性材料で包含し光のクロストークを防ぐことによって、インアクティブであるリレー部が、意図せずアクティブになってしまうことが防がれる。
【0061】
また、MOSFETのチャネルは、光感度を有する部分を含む場合がある。このような場合に、発光素子160及び260から各MOSFETのチャネルへの光の漏れを防ぐことによって、オン状態又はオフ状態である当該MOSFETの状態が、意図せずオフ状態又はオン状態に変化してしまうことが防がれる。
【0062】
なお、封止材Sによって封止されるMOSFET120a、120b、220a、及び220b、支持台30、受光部40、発光素子160及び260、並びに電極70、71、72a、72b、73a、及び73bは、封止材Sが剥がれないように、パッケージ(又は基板2)のX方向に沿った両端、及びパッケージ(又は基板2)のY方向に沿った両端から離れて設けられる。
【0063】
半導体装置1内の電気的な接続について
図3を用いて説明する。
図3は、実施形態に係る半導体装置の平面構造の一例を示す平面図である。
【0064】
半導体装置1は、配線W11、W12、W13、W14、W15、W16、W17、W21、W22、W23、W24、W25、W26、及びW27をさらに含む。
【0065】
配線W11~W17、及びW21~W27は、例えばワイヤボンディングにより形成されたワイヤである。配線W11~W17、及びW21~W27は、導電材料により構成される。
【0066】
配線W11は、電極70と電極161とを電気的に接続する。配線W12は、電極71と電極162とを電気的に接続する。配線W13は、電極141と電極121aとを電気的に接続する。配線W14は、電極142と電極122aとを電気的に接続する。配線W15は、電極143と電極121bとを電気的に接続する。配線W16は、電極144と電極122bとを電気的に接続する。配線W17は、電極121a及び121bを電気的に接続する。配線W21は、電極70と電極262とを電気的に接続する。配線W22は、電極71と電極261とを電気的に接続する。配線W23は、電極241と電極221aとを電気的に接続する。配線W24は、電極242と電極222aとを電気的に接続する。配線W25は、電極243と電極221bとを電気的に接続する。配線W26は、電極244と電極222bとを電気的に接続する。配線W27は、電極221a及び221bを電気的に接続する。
【0067】
以上のような構成において、電極70及び71は、一対の共通入力端子として機能する。より具体的には、電極70の面積の大きい両端部、及び電極71の面積の大きい両端部に、発光素子160のカソード及びアノード、並びに発光素子260のカソード及びアノードが、逆接続で電気的に直接接続される。これにより、発光素子160及び260の発光状態が、効率よく同時に切り替わる構成となっている。また、電極70及び71は、発光素子160及び260に対する相補的な切り替え信号が入出力される、一対の共通入力端子として機能する。これにより、発光素子160のカソード及びアノードに対応する一対の入力端子と、発光素子260のカソード及びアノードに対応する一対の入力端子と、を別々に設ける場合と比べて、構成要素を少なくすることができる。このため、デッドタイムの増加の抑制、半導体装置1のサイズの増加の抑制、及び半導体装置1の製造コストの増加の抑制、半導体装置1の信頼性の向上が可能になる。
【0068】
実施形態によれば、デッドタイムの増加が抑制される。動作速度を向上するために、デッドタイムの増加を抑制することが好ましい。
【0069】
実施形態に係る半導体装置1は、基板2、MOSFET120a、120b、220a、及び220b、受光素子140及び240、並びに発光素子160及び260を備える。受光素子140は、発光素子160の発光状態に応じて、MOSFET120a及び120bをオン状態又はオフ状態にする。受光素子240は、発光素子260の発光状態に応じて、MOSFET220a及び220bをオン状態又はオフ状態にする。発光素子160及び260は、発光素子160及び260のうちいずれか一方を点灯状態にしつつ、他方を消灯状態にするように構成される。また、実施形態に係る半導体装置1において、MOSFET120a、120b、220a、及び220bはそれぞれ、基板2の上面上に接して設けられる。また、受光素子140及び240、並びに発光素子160及び260は、上方から見て基板2と重なる位置において、基板2の上方に設けられる。以上のような半導体装置1の構成において、MOSFET120a、120b、220a、及び220b、受光素子140及び240、並びに発光素子160及び260は、同一のパッケージ内に設けられる。このような構成によれば、素子のばらつきの増加、及び素子の配置による半導体装置の特性のばらつきの増加を抑制することができる。このため、デッドタイムの増加を抑制することができる。
【0070】
ここで、素子のばらつきは、例えばMOSFETの特性値のばらつき、受光素子の特性値のばらつき、及び発光素子の特性値のばらつきである。MOSFETの特性値のばらつきは、例えば半導体装置の一方のリレー部に含まれる各MOSFETの特性値と、他方のリレー部に含まれる各MOSFETの特性値との差である。MOSFETの特性値は、例えば当該MOSFETに所定の大きさの充電電流を供給する際の、ターンオン開始時間を含む。受光素子の特性値のばらつきは、例えば一方の受光素子の光感度と、他方の受光素子の光感度との差である。以下では、受光素子の特性値のばらつきを、単に光感度のばらつきとも呼ぶ。発光素子の特性値のばらつきは、例えば一方の発光素子の照射光強度と、他方の発光素子の照射光強度との差である。以下では、発光素子の特性値のばらつきを、単に光強度のばらつきとも呼ぶ。
【0071】
素子のばらつきの増加の抑制について、より具体的に説明する。実施形態に係る半導体装置1では、製造工程において、同一パッケージ内に含まれるMOSFET120a、120b、220a、及び220bとして、例えば同一のウェーハ内の近接するチップを用いることができる。また、発光素子160及び260として、MOSFET120a、120b、220a、及び220bと同様に、例えば同一のウェーハ内の近接するチップを用いることができる。また、受光素子140及び240は、1つのチップとして設けられる受光部40に含まれる。これらのことから、MOSFETの特性値のばらつきの増加、発光素子の特性値のばらつきの増加、受光素子の特性値のばらつきの増加、及び素子の配置による半導体装置の特性のばらつきを抑制することができる。
【0072】
補足すると、例えば互いに異なるパッケージに設けられる2つのリレー部を含む半導体装置では、製造工程において、4つのMOSFET、2つの受光素子、及び2つの発光素子のそれぞれに関して、同一のウェーハ内の近接するチップを用いることは実質的に困難である。より具体的には、2つのリレー部が互いに異なる基板に対して異なる工程で実装される場合、1つ目のリレー部内の2つのMOSFETを抽出するタイミングと、2つ目のリレー部内の2つのMOSFETを抽出するタイミングとは、異なる。これにより、1つ目のリレー部内の2つのMOSFETと、2つ目のリレー部内の2つのMOSFETとに、同一のウェーハから切り出された互いに近接するMOSFETを選択的に割り当てることが困難となる。このため、1つ目のリレー部内の2つのMOSFETと、2つ目のリレー部内の2つのMOSFETチップとの間の特性値のばらつきの増加を抑制することが困難となる。また、2つの受光素子、及び2つの発光素子に関してもそれぞれ、4つのMOSFETと同様の理由により、特性値のばらつきの増加を抑制することが困難となる。これに対して、実施形態によれば、製造工程において、2つのリレー部は、同一の基板に対して同じ素子の搭載工程で実装される。この場合、1又は複数のウェーハから切り出された複数のMOSFETから4つのMOSFETを抽出するタイミングを揃えることができる。これにより、4つのMOSFETとして、同一のウェーハ内の互いに近接するMOSFETを選択することができる。このため、4つのMOSFETの特性値のばらつきの増加を抑制することができる。また、発光素子160及び260についても、MOSFETと同様の理由により、2つの発光素子160及び260の特性値のばらつきの増加を抑制することができる。また、実施形態において、受光素子140及び240は、例えば1つのチップとして設けられる受光部40に含まれる。これにより、受光素子140及び240は、例えば同一のウェーハ内の互いに近接する領域において形成される。このため、受光素子140及び240の特性値のばらつきの増加を抑制することができる。
【0073】
素子のばらつきの増加によるデッドタイムの増加について、光強度のばらつきの増加、及び光感度のばらつきの増加によるデッドタイムの増加を例として説明する。光強度のばらつき、及び光感度のばらつきが増加した場合に、例えば充電電流のばらつきが増加する可能性がある。充電電流のばらつきは、例えば半導体装置内の2つのリレー部において供給され得る充電電流の大きさの差である。半導体装置内の4つのMOSFETの特性値がそれぞれ同等であっても、充電電流のばらつきの増加により、例えば半導体装置の一方のリレー部の各MOSFETのターンオン開始時間が、他方のリレー部の各MOSFETのターンオン開始時間よりも増加してしまう可能性がある。したがって、デッドタイムが増加する可能性がある。
【0074】
充電電流のばらつきの増加によるデッドタイムの増加について、
図4を用いてより具体的に説明する。
図4は、実施形態に係る半導体装置1、及び比較例に係る半導体装置のそれぞれを用いた場合の半導体装置のデッドタイムを説明するためのグラフである。比較例に係る半導体装置は、例えば互いに異なるパッケージである第1リレー部及び第2リレー部を組み合わせて構成される半導体装置である。以下では、比較例における充電電流のばらつきが、実施形態における充電電流のばらつきよりも大きい場合が説明される。
図4において、縦軸は各MOSFETのドレイン-ソース間電圧であり、横軸は時間である。
図4では、MOSFET120a及び120b、MOSFET220a及び220b、比較例の第1リレー部に含まれる2つのMOSFET、及び比較例の第2リレー部に含まれる2つのMOSFETそれぞれをオフ状態からオン状態にする際の、これらのMOSFETのドレイン-ソース間電圧の変化が重ねて示される。これらの電圧は端子182a及び182bの間、並びに端子282a及び282bの間それぞれの電圧に反映される。
図4では、これらのMOSFETに対して充電電流が供給され始めた時刻t0が揃えられる。なお、
図4に示す例では、実施形態に係る半導体装置1に含まれる4つのMOSFET、及び比較例に係る半導体装置に含まれる4つのMOSFETはそれぞれ、同等の性質を有する。
【0075】
実施形態では、光感度のばらつきの増加、及び光強度のばらつきの増加が抑制されることで、例えば2つの充電電流の大きさをそれぞれ、当該2つの充電電流の平均値の95%の値以上、かつ当該平均値の105%の値以下とすることができる。以下では、一例として、リレー部100における充電電流の電流値、及びリレー部200における充電電流の電流値がそれぞれ、電流値Ia及びIb(Ib=Ia×0.95/1.05)である場合が示される。また、比較例では、一例として、第1リレー部における充電電流の電流値、及び第2リレー部における充電電流の電流値がそれぞれ、Ia及びIc(Ic=Ia×0.8/1.2)である場合が示される。
【0076】
図4の時刻t0において、実施形態及び比較例における各リレー部に当該リレー部に対応する充電電流が供給され始める。
【0077】
時刻t1において、本実施例のMOSFET120a及び120b、並びに比較例の第1リレー部に含まれる2つのMOSFETがオフ状態からオン状態に変化し始める。
【0078】
時刻t2において、本実施例のMOSFET220a及び220bがオフ状態からオン状態に変化し始める。
【0079】
時刻t3において、比較例の第2リレー部に含まれる2つのMOSFETがオフ状態からオン状態に変化し始める。
【0080】
また、時刻t0において、オン状態である各MOSFETのゲートの放電が開始された場合に、当該MOSFETは、時刻toffにおいて、オン状態からオフ状態に変化する。時刻toffは、例えば時刻t1よりも早い時刻である。すなわち、実施形態及び比較例において、ターンオフ時間はターンオン開始時間よりも短い。デッドタイムは、例えばターンオン開始時間からターンオフ時間を減算した時間である。
【0081】
以上のことから、
図4に示す実施形態において、リレー部200をインアクティブからアクティブにする際のデッドタイムは、例えば時刻toffから時刻t2までの時間である。また、比較例において、第2リレー部をインアクティブからアクティブにする際のデッドタイムは、例えば時刻toffから時刻t3までの時間である。これらのことから、実施形態によれば、比較例よりもデッドタイムを短縮することが可能である。例えば、各MOSFETの最大定格のドレイン-ソース間電圧及び定格のドレイン電流、並びに電流値Iaがそれぞれ、60V及び1.2A、並びに36μAである場合に、実施形態において、リレー部200をインアクティブからアクティブにする際のデッドタイム、及び比較例において、第2リレー部をインアクティブからアクティブにする際のデッドタイムはそれぞれ、31.8μs、及び57.7μsとされ得る。すなわち、実施形態によれば、デッドタイムを、例えば比較例におけるデッドタイムの55%の時間まで短縮することができる。
【0082】
また、MOSFETの特性値のばらつきの増加によっても、デッドタイムは増加し得る。例えば2つの半導体装置それぞれにおけるMOSFETの特性値の平均値が同じであっても、MOSFETの特性値のばらつきが大きい半導体装置の方が、半導体装置が有し得るデッドタイムは長くなり得る。
【0083】
また、実施形態によれば、受光素子140及び発光素子160、並びに受光素子240及び発光素子260がそれぞれ、接着層150及び250を介して積層される。このような積層構造であれば、絶縁ペーストや絶縁フィルムによって、受光素子140及び発光素子160の間の距離と、受光素子240及び発光素子260の間の距離との差の増大を抑制することができる。より具体的には、接着層150及び250が絶縁フィルムである場合に、一様な厚さの絶縁フィルムを用いることによって、受光素子140及び発光素子160の間の距離と、並びに受光素子240及び発光素子260の間の距離との差の増大を抑制することができる。また、接着層150及び250が絶縁ペーストである場合に、接着層150及び250は、例えば、一括して、同等の面積を有する発光素子160及び260へ、同等の荷重を印加することによって形成される。これにより、接着層150及び250の層厚を一定(均一)にすることができる。このため、受光素子140及び発光素子160の間の距離と、受光素子240及び発光素子260の間の距離との差の増大を抑制することができる。また、受光部40が受光素子140及び240を含む1つのチップとして設けられていれば、例えば受光素子140及び240の高さの差が生じることを抑制することができる。これにより、接着層150及び250、並びに発光素子160及び260の対称性が向上する。このことによっても、受光素子140及び発光素子160の間の距離と、受光素子240及び発光素子260の間の距離との差の増大を抑制することができる。これらのことから、受光素子140が受光する光の強度と、受光素子240が受光する光の強度との差の増大が抑制される。したがって、2つのリレー部間の光電変換の効率の差の増大を抑制することができる。
【0084】
また、実施形態によれば、受光素子及び発光素子が接着層を介して設けられることで、半導体装置の放熱性が向上する。補足すると、例えば対向型のフレームを用いた場合、発光素子と受光素子とが数mmの間隔を有して対向することで、発光素子及び受光素子が放熱性の悪い樹脂に包まれ得る。一方、実施形態では、受光素子は、上記対向型のフレームを用いた場合における発光素子及び受光素子の間隔よりも薄い接着層を介して、熱伝導率の高い発光素子に近接するため、上記対向型のフレームを用いた場合と比べて、半導体装置の放熱性が向上する。このため、受光素子及び発光素子それぞれの特性が安定化する。
【0085】
また、上述のような積層構造であれば、受光素子140及び発光素子160の間の距離と、受光素子240及び発光素子260の間の距離との差の増大を抑制することで、2つのリレー部の構造が不均一になることを抑制することができる。例えば、対向型のフレームを用いた例では、フレーム曲げ角度のずれや、発光素子と受光素子の搭載位置のずれが生じることで、2つのリレー部の構造が不均一になり得る。本発明では、上述の積層構造により、発光素子の照射面と受光素子の受光面の対向位置関係のずれ、照射面及び受光面がなす面角度のずれ、面同士の距離のずれ(Z方向)、並びに水平方向のずれ(X-Y方向)の発生を抑制することができる。これにより、例えばパッケージ内の樹脂と素子との界面が熱応力によって変形することによって、素子が樹脂から剥離することを抑制することができる。このため、例えば光路中の低誘電領域(空隙)と接着層との界面における光の反射による、時間に応じた半導体装置の特性変動が抑制される。このように、実施形態によれば、2つのリレー部の内部構造が不均一になることを抑制することで、半導体装置の故障の発生、及び時間に応じた半導体装置の特性変動等を抑制することができる。
【0086】
また、発光素子160及び260の各々の照射面のサイズは、例えば受光素子140及び240のうち対応する受光素子の受光面のサイズよりも大きい。このような構成によれば、受光素子140及び240と、発光素子160及び260との合わせずれが起きても、受光素子よりも大きい照射面を有する発光素子160及び260がそれぞれ、受光素子140及び240を覆うこととなる。これにより、受光素子140及び発光素子160と、受光素子240及び発光素子260とのそれぞれにおいて、受光素子の受光面を、受光素子の受光面のサイズが発光素子の照射面のサイズ以下である場合と比較して、より大きな照射面と密着対向させることができる。このため、起電力の低下を抑制することができる。また、このような発光素子160及び260、並びに受光素子140及び240の形状により、起電力を発生させる受光素子140及び240の受光面全体が覆われていることで、起電力のばらつきの発生を抑制することができる。これにより、光電変換の効率の低下を抑制することができる。
【0087】
また、上述のように、受光部40、並びに発光素子160及び260が積層構造を有することで、パッケージのサイズの増大が抑制される。
【0088】
2 変形例
次に、変形例に係る半導体装置について説明する。以下では、実施形態と同等の構成についてはその説明を省略し、実施形態と異なる構成について主に説明する。
【0089】
2.1 第1変形例
上述の実施形態では、受光素子140及び240が受光部40に含まれる場合を示したが、これに限られない。受光素子140及び240はそれぞれ、互いに異なるチップとして設けられてもよい。
【0090】
以下では、第1変形例に係る半導体装置1の構成について、実施形態に係る半導体装置と異なる点が主に説明される。
【0091】
第1変形例に係る半導体装置1の回路構成は、実施形態における回路構成と同等である。以下では、第1変形例に係る半導体装置1の構造について、
図5を用いて説明する。
図5は、第1変形例に係る半導体装置の構造の一例を示す斜視図である。
図5では、
図2と同様に、配線の図示が省略される。
【0092】
第1変形例に係る半導体装置1は、実施形態における支持台30の代わりに、支持台130及び230を含む。また、第1変形例において、受光素子140及び240はそれぞれ、上述のように、互いに異なるチップとして設けられる。
【0093】
支持台130及び230は、基板2の上面上に設けられる。支持台130及び230は、支持台30と同様に、銅(Cu)を含む金属箔である。また、支持台130及び230は、支持台30と同様に、例えば当該金属箔上に絶縁性ペーストあるいは導電性ペーストが塗布された複合材であってもよい。
【0094】
支持台130は、受光素子140、及び発光素子160を支持する。支持台230は、受光素子240、及び発光素子260を支持する。支持台130及び230はそれぞれ、導電体であってもよいし、絶縁体であってもよい。支持台130及び230はそれぞれ、X方向及びY方向に延伸する板状の形状を有する。
【0095】
その他の構成は、実施形態に係る半導体装置の構成と同様である。
【0096】
第1変形例によっても、実施形態と同等の効果が奏される。
【0097】
また、第1変形例によっても、実施形態におけるMOSFET120a、120b、220a、及び220b、並びに発光素子160及び260と同様に、受光素子140及び240として、同一のウェーハ内の近接するチップを用いることができるため、受光素子140及び240の特性値のばらつきの増加を抑制することができる。
【0098】
また、本実施例では、例えば発光素子と受光素子とを含む積層部にシリコーン樹脂(透明樹脂)など応力の少ない樹脂を塗布してもよい。その後、例えば光を透過させないエポキシ樹脂などで封止成型することで、半導体装置が製造される。このようにして製造される本実施例の半導体装置における2つの発光素子160及び260間の距離は、2つの受光素子が分離することにより、例えば実施形態における2つの発光素子160及び260間の距離よりも離間し得る。このため、第1変形例によれば、積層部にシリコーン樹脂などを塗布する場合に、発光素子160及び260の照射光が発光素子160及び260上のシリコーン樹脂に対する透過能が高い赤外光であっても、発光素子160側の積層部、及び発光素子260側の積層部それぞれにおいて透過した光の漏れを抑制することができる。また、本実施例によれば、例えば2つの受光素子を含むような一体ものの受光素子(受光部)に比べ、受光素子内を赤外光が伝播する可能性を少なくすることができる。したがって、2つのリレー部間の光のクロストークの発生をさらに低減することが可能である。
【0099】
2.2 第2変形例
上述の実施形態及び第1変形例では、受光部40が、上方から見て、MOSFET120a、120b、220a、及び220bと重ならない位置に設けられる場合を示したが、これに限られない。受光部40は、MOSFET上に設けられてもよい。
【0100】
以下では、第2変形例に係る半導体装置1の構成について、実施形態及び第1変形例に係る半導体装置と異なる点が主に説明される。
【0101】
第2変形例に係る半導体装置1の回路構成は、実施形態及び第1変形例における回路構成と同等である。以下では、第2変形例に係る半導体装置1の構造について、
図6を用いて説明する。
図6は、第2変形例に係る半導体装置の構造の一例を示す斜視図である。
図6では、
図2及び
図5と同様に、配線の図示が省略される。
【0102】
第2変形例において、受光部40は、例えば4つのMOSFET120a、120b、220a、及び220bのうち隣り合う2つのMOSFETの間を跨いで設けられる。
図6に示す例において、受光部40は、例えば受光部40の裏面において、MOSFET120bの上面、及びMOSFET220bの上面に接する。より具体的に、
図6に示す例において、受光部40のうち受光素子140は、例えばMOSFET120bの上面に接する。また、受光部40のうち受光素子240は、例えばMOSFET220bの上面に接する。
【0103】
なお、
図6では、受光部40が、隣り合う2つのMOSFET上に設けられる場合を示したが、これに限られない。受光部40は、4つのMOSFET120a、120b、220a、及び220bのうちいずれか1つのMOSFET上に設けられてもよいし、4つのMOSFET120a、120b、220a、及び220bのうち3つ以上のMOSFET上に設けられてもよい。
【0104】
また、
図6では、半導体装置1が支持台を含まない例を示したが、これに限られない。第2変形例に係る半導体装置1は、実施形態及び第1変形例と同様に支持台を含んでもよい。この場合、支持台は、例えばMOSFET120bの上面、MOSFET220bの上面、及び受光部40の下面に接するように設けられる。なお、この場合、支持台は絶縁体である。
【0105】
その他の構成は、実施形態に係る半導体装置と同様である。
【0106】
第2変形例によっても、実施形態と同等の効果が奏される。
【0107】
また、第2変形例によれば、受光素子140及び240は、Z方向において、MOSFETと、発光素子160及び260との間に設けられる。これにより、受光素子140及び240によって、各MOSFETのチャネルを、発光素子160及び260の照射光から遮蔽することができる。このような構成によっても、発光素子160及び260から各MOSFETのチャネルへの光の漏れを防ぐことができる。これにより、上述のような意図しないMOSFETの状態の変化が防がれる。
【0108】
また、三種類の素子を積み重ねることにより、半導体装置の大幅な小型化が可能である。これにより、配線長の短縮、配線形状の対称性の向上、及び封止樹脂の小容量化が促進される。このため、耐熱性や放熱性が向上する。したがって、半導体装置の信頼性が向上する。
【0109】
2.3 第3変形例
上述の第2変形例では、受光素子140及び240が受光部40に含まれる場合を示したが、これに限られない。第1変形例と同様に、受光素子140及び240はそれぞれ、互いに異なるチップとして設けられてもよい。
【0110】
以下では、第3変形例に係る半導体装置1の構成について、実施形態、第1変形例、及び第2変形例に係る半導体装置と異なる点が主に説明される。
【0111】
第3変形例に係る半導体装置1の回路構成は、実施形態、第1変形例、及び第2変形例における回路構成と同等である。以下では、第3変形例に係る半導体装置1の構造について、
図7を用いて説明する。
図7は、第3変形例に係る半導体装置の構造の一例を示す斜視図である。
図7では、
図2、
図5、及び
図7と同様に、配線の図示が省略される。
【0112】
第3変形例において、受光素子140及び240はそれぞれ、第1変形例に係る半導体装置と同様に、互いに異なるチップとして設けられる。
【0113】
第3変形例において、受光素子140は、例えばMOSFET120a及び120b上に設けられる。より具体的に、受光素子140は、例えば受光素子140の裏面において、MOSFET120aの上面、及びMOSFET120bの上面に接する。受光素子240は、例えば受光素子240の裏面において、MOSFET220aの上面、及びMOSFET220bの上面に接する。
【0114】
その他の構成は、第2変形例に係る半導体装置の構成と同様である。
【0115】
なお、第3変形例に係る半導体装置1は、第1変形例に係る半導体装置と同様に、2つの支持台を含んでもよい。この場合、当該2つの支持台のうち、受光素子140に対応して設けられる支持台は、例えばMOSFET120aの上面、MOSFET120bの上面、及び受光素子140の下面に接するように設けられる。また、上述の2つの支持台のうち、受光素子240に対応して設けられる支持台は、例えばMOSFET220aの上面、MOSFET220bの上面、及び受光素子240の下面に接するように設けられる。なお、この場合、第2変形例と同様に、支持台は、例えば絶縁体である。
【0116】
第3変形例によっても、実施形態、第1変形例、及び第2変形例と同等の効果が奏される。
【0117】
また、三種類の素子を積み重ねることにより、第2変形例と同様の理由により、半導体装置の信頼性が向上する。
【0118】
また、本実施例でも発光素子と受光素子の積層部にシリコーン樹脂などを塗布したのちエポキシ樹脂などで封止成型することができる。この場合においても、2つの発光素子が離間しているため、発光素子160及び260の照射光がシリコーン樹脂に対する透過能の高い赤外光であっても、一方のリレー部の発光素子の照射光が、隣り合う他方のリレー部の受光素子へ漏れることが抑制される。これにより、2つのリレー部間の光のクロストークの発生を抑制することが可能である。
【0119】
また、第3変形例によれば、半導体装置における素子の配置の対称性の向上に加え、ワイヤ形状や長さの対称性が向上することで、樹脂封止時の形態安定性や、封止後の樹脂応力によるチップ間剥離やワイヤ剥がれ等が抑制される。これにより、半導体装置1の信頼性が向上する。
【0120】
2.4 第4変形例
上述の実施形態、第1変形例、第2変形例、及び第3変形例では、MOSFET120a、120b、220a、及び220bがそれぞれ異なる素子として設けられる場合を示したが、これに限られない。MOSFET120a及び120bが1つのチップとして設けられ、かつMOSFET220a及び220bが1つのチップとして設けられてもよい。
【0121】
以下では、第4変形例に係る半導体装置1の構成について、実施形態、第1変形例、第2変形例、及び第3変形例に係る半導体装置と異なる点が主に説明される。
【0122】
第4変形例に係る半導体装置1の回路構成について、
図8を用いて説明する。
図8は、第4変形例に係る半導体装置の回路構成の一例を説明するための回路図である。
【0123】
第4変形例において、半導体装置1は、端子80、81、182a、182b、282a、及び282b、トランジスタ部T1及びT2、受光素子140及び240、並びに発光素子160及び260を含む。受光素子140は、受光素子140-1及び140-2を含む。受光素子240は、受光素子240-1及び240-2を含む。トランジスタ部T1は、MOSFET120a及び120bを含む。トランジスタ部T2は、MOSFET220a及び220bを含む。
【0124】
受光素子140-1は、複数のフォトダイオード140a-1及び制御回路140b-1を含む。フォトダイオード140a-1の数は、例えば数個~数十個である。受光素子140-2は、複数のフォトダイオード140a-2及び制御回路140b-2を含む。フォトダイオード140a-2の数は、例えば数個~数十個である。受光素子240-1は、複数のフォトダイオード240a-1及び制御回路240b-1を含む。フォトダイオード240a-1の数は、例えば数個~数十個である。受光素子240-2は、複数のフォトダイオード240a-2及び制御回路240b-2を含む。フォトダイオード240a-2の数は、例えば数個~数十個である。
【0125】
MOSFET120aのゲートは、制御回路140b-1のアノード電極に接続される。MOSFET120aのドレインは、MOSFET120bのドレインに接続される。MOSFET120aのソースは、端子182a及び制御回路140b-1のカソード電極に接続される。MOSFET120bのゲートは、制御回路140b-2のアノード電極に接続される。MOSFET120bのソースは、端子182b及び制御回路140b-2のカソード電極に接続される。
【0126】
MOSFET220aのゲートは、制御回路240b-1のアノード電極に接続される。MOSFET220aのドレインは、MOSFET220bのドレインに接続される。MOSFET220aのソースは、端子282a及び制御回路240b-1のカソード電極に接続される。MOSFET220bのゲートは、制御回路240b-2のアノード電極に接続される。MOSFET220bのソースは、端子282b及び制御回路240b-2のカソード電極に接続される。
【0127】
その他の構成は、受光素子140及び240がそれぞれ別々に設けられることを除き、実施形態に係る回路構成と同様である。
【0128】
次に、第4変形例に係る半導体装置1の構造について、
図9を用いて説明する。
図9は、第4変形例に係る半導体装置の構造の一例を示す斜視図である。
図9では、
図2、
図5、
図6、及び
図7と同様に、配線の図示が省略される。
【0129】
なお、以下の説明において、トランジスタ部T1及び受光素子140のうちトランジスタ部T1側をY方向に沿った一端側と呼ぶ。また、トランジスタ部T1及び受光素子140のうち受光素子140側をY方向に沿った他端側と呼ぶ。
【0130】
第4変形例に係る半導体装置1において、トランジスタ部T1は、MOSFET120a及び120bを含むチップとして設けられる。トランジスタ部T2は、MOSFET220a及び220bを含むチップとして設けられる。
【0131】
トランジスタ部T1は、実施形態におけるMOSFET120aの下部に配置される電極、及びMOSFET120bの下部に配置される電極の代わりに、
図9には図示されない、トランジスタ部T1の下部に配置され、MOSFET120a及び120bが共有する電極を含む。当該電極は、MOSFET120aのドレイン、及びMOSFET120bのドレインが一体化された電極として機能する。
【0132】
トランジスタ部T2は、実施形態におけるMOSFET220aの下部に配置される電極、及びMOSFET220bの下部に配置される電極の代わりに、
図9には図示されない、トランジスタ部T2の下部に配置され、MOSFET220a及び220bが共有する電極を含む。当該電極は、MOSFET220aのドレイン、及びMOSFET220bのドレインが一体化された電極として機能する。
【0133】
トランジスタ部T1と基板2との間には、電極(パッド)74が設けられる。電極74は、トランジスタ部T1の下部に配置される電極の下面と基板2の上面とに接する。電極74は、トランジスタ部T1の下部に配置される電極と電気的に接続される。また、電極(パッド)74は支持体として絶縁性あるいは導電性ペーストを介してトランジスタ部T1の下部に配置される電極に接続されてもよい。
【0134】
トランジスタ部T2と基板2との間には、電極(パッド)75が設けられる。電極75は、トランジスタ部T2の下部に配置される電極の下面と基板2の上面とに接する。電極75は、トランジスタ部T2の下部に配置される電極と電気的に接続される。また、電極(パッド)75は支持体として絶縁性あるいは導電性ペーストを介してトランジスタ部T2の下部に配置される電極に接続されてもよい。
【0135】
電極74よりもY方向に沿った一端側には、基板2の上面上に、電極(パッド)A1及びB1が設けられる。
【0136】
電極74、A1、及びB1はそれぞれ、互いに分離して設けられる。
【0137】
電極75よりもY方向に沿った一端側には、基板2の上面上に、電極(パッド)A2及びB2が設けられる。
【0138】
電極75、A2、及びB2はそれぞれ、互いに分離して設けられる。
【0139】
電極A1は、
図9には図示されないが、基板2を貫通する導電体を介して端子182aに電気的に接続される。電極B1は、
図9には図示されないが、基板2を貫通する導電体を介して端子182bに電気的に接続される。電極A2は、
図9には図示されないが、基板2を貫通する導電体を介して端子282aに電気的に接続される。電極B2は、
図9には図示されないが、基板2を貫通する導電体を介して端子282bに電気的に接続される。
【0140】
図9におけるその他の構成は、第1変形例に係る半導体装置の構成と同様である。
【0141】
また、半導体装置1内の電気的な接続について
図10を用いて説明する。
図10は、第4変形例に係る半導体装置の平面構造の一例を示す平面図である。
【0142】
半導体装置1は、配線W11~W16、及びW21~W26加えて、W17、W18、W27、及びW28をさらに含む。
【0143】
配線W17、W18、W27、及びW28は、配線W11~W16、及びW21~W26と同様の材料を用いて設けられる。
【0144】
配線W17は、電極121aと電極A1とを電気的に接続する。配線W18は、電極121bと電極B1とを電気的に接続する。配線W27は、電極221aと電極A2とを電気的に接続する。配線W28は、電極221bと電極B2とを電気的に接続する。
【0145】
このような構成により、電極121a、121b、221a、及び221bがそれぞれ、端子182a、182b、282a、及び282bに接続される。
【0146】
その他の配線の電気的な接続は、実施形態に係る配線の電気的な接続と同様である。
【0147】
このような構成によっても、実施形態及び第1変形例と同等の効果が奏される。
【0148】
また、第4変形例において、MOSFET120a及び120bは同一のチップに含まれる。これにより、MOSFET120a及び120bの特性値のばらつきの増加を抑制することができる。また、MOSFET220a及び220bは、同一のチップに含まれる。これにより、MOSFET220a及び220bの特性値のばらつきの増加を抑制することができる。また、実施形態と同様の理由により、トランジスタ部T1及びT2として、同一のウェーハ内の近接するチップを用いることができる。
【0149】
また、図示しないが、第3変形例と同様に、受光素子140及び240をそれぞれ、MOSFET120a及び120bの上面上、並びにMOSFET220a及び220bの上面上に設けてもよい。すなわち、3種類の素子が積層されてもよい。この場合、第2変形例及び第3変形例と同様の理由により、半導体装置の信頼性が向上する。
【0150】
3 その他
なお、上述の実施形態及び変形例では、MOSFETの上面にソース電極及びゲート電極が設けられ、MOSFETの下面にドレイン電極が設けられる場合を示した。すなわち、縦型構造(vertical structure)を有するMOSFETである場合を示した。しかしながら、これに限られない。
図11に示すように、MOSFETは、横型構造(lateral structure)を有するものであってもよい。
図11は、その他の実施形態に係る半導体装置の構造の一例を示す斜視図である。その他の実施形態に係る半導体装置1は、例えば支持台31、及びトランジスタ部T3を含む。
【0151】
なお、その他の実施形態に係る半導体装置1の回路構成は、
図1に示される実施形態における回路構成と同様である。また、その他の実施形態に係る半導体装置1の回路構成は、
図8に示される第4変形例における回路構成と同様であってもよい。
【0152】
支持台31は、基板2の上面上に設けられる。支持台31の上面上には、トランジスタ部T3が設けられる。支持台31は、例えば銅(Cu)を含む金属箔上に絶縁性ペーストが塗布された複合材である。これにより、支持台31とトランジスタ部T3とは電気的に絶縁される。
【0153】
トランジスタ部T3は、例えばMOSFET120a、120b、220a、及び220bを含むチップとして設けられる。MOSFET120a、120b、220a、及び220bは、例えば同一のウェーハ内の互いに近接する領域において、隣り合うMOSFET対(MOSFET120aと120bの対、また220aと220bの対)の間が絶縁層300などの領域を用いて電気的に絶縁されるように形成される。また、MOSFET120a及び120bの対と、MOSFET220a及び220bの対は、例えばそれぞれ共通のウェル内に形成され得る。なお、その他の実施形態において、MOSFET120a、120b、220a、及び220bはそれぞれ、トランジスタ部T3の上面上に、ドレインとして機能する電極123a、123b、223a、及び223bを有する。その他の実施形態に係る半導体装置1の回路構成が実施形態における回路構成と同様である場合、電極123a、123b、223a、及び223bはそれぞれ、第4変形例における電極121a、121b、221a、及び221bと同様に、電極A1、B1、A2、及びB2を介して、端子182a、182b、282a、及び282bと電気的に接続される。配線の電気的な接続は、上述の電極123a及び端子182aの間の接続、電極123b及び端子182bの間の接続、電極223a及び端子282aの間の接続、並びに電極223b及び端子282bの間の接続を除き、実施形態における配線の電気的な接続と同様である。また、その他の実施形態に係る半導体装置1の回路構成が第4変形例における回路構成と同様である場合、電極123a及び123b、並びに電極223a及び223bがそれぞれ電気的に接続されることを除き、第4変形例における配線の電気的な接続と同様である。電極123a及び123b、並びに電極223a及び223bはそれぞれ、例えばワイヤ等によって電気的に接続される。
【0154】
このような構成によっても、実施形態と同等の効果が奏される。また、その他の実施形態において、MOSFET120a、120b、220a、及び220bは、同一のチップに含まれる。このため、MOSFET120a、120b、220a、及び220bの特性値のばらつきの増加を抑制することができる。
【0155】
なお、図示しないが、その他の実施形態に係る半導体装置において、第1変形例と同様に、受光素子140及び240がそれぞれ、互いに異なるチップとして設けられてもよい。この場合、第1変形例と同様に、2つのリレー部間の光のクロストークの発生をさらに低減することが可能である。
【0156】
また、図示しないが、第2変形例と同様に、受光部40をMOSFET上に設けてもよい。すなわち、3種類の素子が積層されてもよい。この場合、第2変形例及び第3変形例と同様の理由により、半導体装置の信頼性が向上する。
【0157】
また、図示しないが、その他の実施形態によれば、MOSFET120a、120b、220a、及び220b各々の電極の数を低減することができる。例えば、その他の実施形態に係る半導体装置1の回路構成が実施形態における回路構成と同様である場合、MOSFET120a及び120bにおいて、電極121a及び121bを共通の1つのソース電極とし、電極122a及び122bを共通の1つのゲートとすることができる。また、例えば、MOSFET220a及び220bにおいて、電極221a及び221bを共通の1つのソースとし、電極222a及び222bを共通の1つのゲートとすることができる。MOSFET120a、120b、220a、及び220bはそれぞれ、互いに異なる4つのドレインを有する。換言すると、各MOSFET120a、120b、220a、及び220bは、当該MOSFETに対応する1つのドレインを有する。この場合、電極121a及び121b、電極122a及び122b、電極221a及び221b、並びに電極222a及び222bはそれぞれ、図示しないワイヤによって電気的に接続される。
【0158】
また、電極121a及び121b、電極122a及び122b、電極221a及び221b、並びに電極222a及び222bはそれぞれ、図示しない共通電極として設けられてもよい。このような構成によれば、ワイヤの本数の増加が抑制されることで、半導体装置の信頼性が向上する。また、半導体装置の製造コストの増加が抑制される。
【0159】
なお、
図11では、MOSFET120a、120b、220a、及び220bが、チップとして設けられるトランジスタ部T3に含まれる場合を示したが、これに限られない。MOSFET120a、120b、220a、及び220bはそれぞれ、互いに異なるチップとして設けられてもよい。
【0160】
また、
図11には図示されないが、各電極123a、123b、223a、及び223bは、例えばワイヤ、基板2上に形成された対応する電極、基板2を貫通する導電体を介して、端子182a、182b、282a、及び282bのうち対応する端子に電気的に接続される。
【0161】
上記ではいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0162】
1…半導体装置、2…基板、120a、120b、220a、220b…MOSFET、70~75、A1、A2、B1、B2、121a、121b、122a、122b、123a、123b、141~144、161、162、221a、221b、222a、222b、223a、223b、241~244…電極、T1、T2、T3…トランジスタ部、30、31、130、230…支持台、40…受光部、140、240…受光素子、150、250…接着層、160、260…発光素子、80、81、182a、182b、282a、282b…端子、W11~W18、W21~W28…配線。